JP5369159B2 - 鋼管杭溶接用の雨除け具 - Google Patents
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しかしながら、特許文献1の雨除け具は、円筒体と笠本体が一体不可分な状態で構成されており、1つの外径規格にしか対応できないので、鋼管杭の外径毎に複数種類の雨除け具を用意する必要があった。
本発明は、上述の問題を鑑みてなされたものであり、雨除け具自体を何種類も用意しなくても複数の外径規格の鋼管杭に取り付けることができ、溶接作業の作業効率を低下させることのない鋼管杭溶接用の雨除け具を提供することを目的とする。
即ち、本発明の鋼管杭溶接用の雨除け具は、鋼管杭の胴部外周を包持する包囲部の周りに突出されたフランジ部を有する支持体と、前記包囲部の内径以上の大きさで且つ前記フランジ部の外径よりも小さい内径の内部孔を有してリング状に形成された笠体とを備え、この笠体の前記内部孔の周縁部と前記支持体のフランジ部とが重合された状態で、この笠体と前記支持体とが分離可能に連結されていることを特徴とする。
なお、前記支持体は、前記鋼管杭の胴部外周を側方から挟持し得るように分割状とされた複数の支持セグメントで構成され、前記笠体も、前記各支持セグメントと対となるように分割状とされた複数の笠セグメントで構成されるとともに、笠セグメント同士が相互に締め込み金具で分離可能に連結されていることが好ましい。
も複数の外径規格の鋼管杭に取り付けることができ、溶接作業の作業効率を低下させることがない。
図8に示すように、本発明に係る鋼管杭溶接用の雨除け具1は、鋼管杭X同士を接合する作業(溶接作業)に用いられるものである。この雨除け具1は、接合部Yより上方の鋼管杭Xに取り付けられて、鋼管杭Xを伝い落ちる雨水や接合部Yに吹き付ける雨水から接合部Yを保護するものである。
次に、雨除け具1を構成する支持体2、笠体3及び締め付け金具4について説明する。
図1〜図5に示すように、支持体2は、笠体3を鋼管杭Xに対して支持するものであり、鋼管杭Xの外周形状に対応する内周形状を有する円筒状の包囲部5と、この包囲部5のさらに外周側にやや下方に傾斜して突設された庇状のフランジ部6とを備えている。
即ち、支持体2を構成する各支持セグメント2a,2bは、鋼管杭Xの外周面の半周に適合する内周面を有する半円筒状の第1包囲部5aと円弧状の第1フランジ部6a、鋼管杭Xの外周面の残り半周に適合する内周面を有する半円筒状の第2包囲部5bと円弧状の第2フランジ部6bをそれぞれ備えている。
なお、フランジ部6(6a,6b)の外周縁部6’には、その周方向に沿って複数のボルト孔6hが設けられている。
図1〜図5に示すように、笠体3は、上述した支持体2の外周に支持されて、鋼管杭Xを中心として水平方向に広がるように取り付けられるリング状の部材である。
なお、笠体3も、上述した支持体2と同様に、直径方向で半割されたように分割状とされた2つの笠セグメント3a,3bで構成され、それぞれ、支持体2の各支持セグメント2a,2bと対となるよう構成されている。
締め付け金具本体4’は一方の笠セグメント3aの上面に設けられており、フック4cは他方の笠セグメント3bに上面に設けられていて、レバー4bを操作することで、掛け止め環4aをフック4cに係合して笠セグメント3aと笠セグメント3bとを緊締状態に引き寄せて連結し、または連結を解除できるようになっている。
支持体2と笠体3との連結は、笠セグメント3aにおける内部孔7の内周縁部9と、対となる支持セグメント2aの第1フランジ部6aにおける外周縁部6’を重ね合わせ、それぞれのボルト孔9hとボルト孔6hとを連通させ、これに挿入される連結手段12を用いて行う。連結手段12は、ボルト12aと蝶ナット12bを用いることで、工具を使用しなくても容易に連結分離が可能である。連結手段12は、蝶ボルトと六角ナットを使用しても良く、また、ボルト又はナットの何れかを笠セグメント3か支持セグメント2の一方に溶接等で固着しておいても良い。
また、図例では、笠セグメント3aの上に支持セグメント2aを重ねているが、その逆でも良い。
以上のように、本発明に係る鋼管杭溶接用の雨除け具1は、支持体2と笠体3とが別体構成とされ、フランジ部6と内部孔7の内周縁部9が重合部10を生ずる関係に構成すれば、1つの笠体3に対して、異なる大きさの包囲部5を有する支持体2に交換することで、様々な外径の鋼管杭Xに取り付け得る雨除け具1とすることが可能である。
例えば、鋼管杭Xの外径が139.8mmの場合に、包囲部5の肉厚が2mmでフランジ部6の幅が33mmとされている雨除け具1を用いる場合、鋼管杭Xの中心からおよそ105mm(鋼管杭Xの半径約70mm+包囲部5の肉厚2mm+フランジ部6の幅33mm)離れたところにフランジの外周縁が位置することになる。
程度小径になった114.3mmの場合、フランジ部6として幅が45.5mmのものを用いる。そうすると、フランジ部6の外周縁部6’は、鋼管杭Xの中心から105mm(鋼管杭Xの半径57.5mm+包囲部5の肉厚2mm+フランジ部6の幅45.5mm)に位置することになり、鋼管杭Xの外径が139.8mmの場合や165.2mmの場合と鋼管杭Xの中心から同じ位置になる。
次に、上述した鋼管杭溶接用の雨除け具1の使用方法について説明する。
選択した支持体2を構成する支持セグメント2a,2bを、それぞれ笠体3を構成する笠セグメント3a,3bに対して連結手段12で連結し、雨除けセグメント1a,1bを用意する。
なお、雨除け具1の挟持固定に際して、鋼管杭Xの胴部外周と包囲部5の内周との間にゴム製のパッキンなどの弾性材を介在させることができる。このような弾性材を介在させることで、雨除け具1が鋼管杭Xに対して滑り難くし、或いは鋼管杭Xの胴部外周と包囲部5との多少の寸法誤差を吸収して強固な取り付けが可能となり、また鋼管杭Xの胴部外周と包囲部5との密着性ないしは水密性を高めることができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、図例の雨除け具1は円盤形状であるが、多角形状でも良い。また、支持体2と笠体3を連結する連結手段12もボルト・ナットによる結合ではなく、杓子状の錠穴と、この錠穴に挿入しスライドすることで係合するピンとによる着脱容易な構造とすることもでき、その連結手段は種々変更し得る。さらに、支持体2と笠体3は、それぞれ複数のセグメントで構成しないことも可能であるが、雨除け具1の鋼管杭Xへの取り付け取り外し
の便を考えると2以上のセグメントで構成することが望ましい。なお、支持体2と笠体3は、3以上のセグメントに細分化して運搬の便を図ることも可能であることは言うまでもない。
2 支持体
2a 支持セグメント
2b 支持セグメント
3 笠体
3a 笠セグメント
3b 笠セグメント
4 締め付け金具
4’ 締め付け金具本体
4a 掛け止め環
4b レバー
4c フック
5 包囲部
6 フランジ部
7 内部孔
11 嵌合手段
12 連結手段
X 鋼管杭(鋼管杭)
Y 接合部
Claims (4)
- 鋼管杭の胴部外周を包持する包囲部の周りに突出されたフランジ部を有する支持体と、
前記包囲部の内径以上の大きさで且つ前記フランジ部の外径よりも小さい内径の内部孔を有してリング状に形成された笠体とを備え、
この笠体の前記内部孔の周縁部と前記支持体のフランジ部とが重合された状態で、この笠体と前記支持体とが分離可能に連結されていることを特徴とする鋼管杭溶接用の雨除け具。 - 前記笠体と前記支持体とは、蝶ナット又は蝶ボルトを用いて連結されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管杭溶接用の雨除け具。
- 前記支持体は、前記鋼管杭の胴部外周を側方から挟持し得るように分割状とされた複数の支持セグメントで構成され、
前記笠体も、前記各支持セグメントと対となるように分割状とされた複数の笠セグメントで構成されるとともに、笠セグメント同士が相互に締め込み金具で分離可能に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管杭溶接用の雨除け具。 - 前記笠セグメントの一方の分割状端縁には、他方の笠セグメントの分割状端縁と位置合わせする嵌合手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の鋼管杭溶接用の雨除け具。
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