JP2013204110A - 銀微粉末の製造方法および導電ペーストの製造方法 - Google Patents

銀微粉末の製造方法および導電ペーストの製造方法 Download PDF

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康弘 和気
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Abstract

【課題】導電ペースト用粉末として好適な、高純度で、粒度分布の巾が狭く、微小粒子径の銀微粉末、および該粉末を用いた導電ペーストの製造方法を提供する。
【解決手段】硝酸銀含有溶液と、銀含有量1gに対してポリアミド系水系粘度調整剤0.02g〜0.15gと、亜硫酸鉛、ヒドロキノン、ヒドラジン、アスコルビン酸から選ばれる1種または2種以上を組み合わせた還元剤とを混合し還元反応させ、析出した銀微粉末を分離、乾燥する。
【選択図】なし

Description

この発明は、銀微粉末の製造方法および導電ペーストの製造方法に関する。
従来、銀微粉末の製造方法の一つとして銀アンミン錯体溶液を製造し、これに還元剤溶液を添加する化学還元法が用いられてきた。これらの銀微粉末の主な用途は、導電回路や電子部品の電極用の導電ペーストや導電接着剤のフィラーとして広く用いられている。
近年、導電ペーストに用いられる銀微粉末は、電子機器の高性能化・軽薄短小化が進展するに伴って、回路や電極にファインライン化が要求されてきているため、微細で大きさが均一であり、かつ凝集が少なく粒度分布の幅の狭い銀微粉末が求められている。
これまでの化学還元法で製造された銀微粉末は、多くの場合凝集性が強く、ペースト中に均一に分散させるのが困難であった。そこで化学還元法で製造した銀微粉末から凝集塊を取り除いたり、凝集を解きほぐすために解砕処理や分級処理を行うのが一般的であったが、解砕処理や分級処理を行っても、分散しきれない凝集塊は残ってしまう不都合があった。そして、ペースト中に凝集塊が残っていると、微細な回路や薄い電極層を印刷できなくなってしまい、電子機器の高性能化、軽薄短小化の要求に十分応えられないという課題があった。
特開2006−307330号公報
電子機器の高性能化・軽薄短小化に伴って、回路や電極にファインライン化が要求されてきているため、導電ペーストに用いられる銀微粉末もサブミクロンから数ミクロンオーダーの範囲の凝集してない分散性の高い銀微粉末が求められるようになってきた。
また、従来の化学還元法で製造された銀微粉末は、粒子径を小さくしたり、表面の不純物量を少なくするほど凝集性は強くなり、粒度分布の幅が広く、分散性も十分でなくなってきた。単に表面の不純物量が少なかったり、粒子径が微細であっても凝集性の強い銀微粉末は粒度分布の幅も広くなり、ファインライン化を達成するためには導電ペーストとしての十分な性能を発揮できない。さらに、凝集塊を減らすために解砕や分級の処理を行っても、十分な分散性を得ることは困難であり、歩留まり低下や工程増によるコストアップにもなっていた。
また、従来用いられている分散材では、例えば凝集性の強い銀微粉末の還元条件下では十分な効果が得られない場合があり、還元剤の種類や還元条件等の使用条件が限定されていた。
また、分散効果を得るためには、銀微粉末に対して一定以上の添加量が必要で、その分散材の成分や添加量によって、分散材由来の残留不純物の問題があった。低抵抗が求められる導電ペースト用途においては、残留不純物が多いと抵抗値に悪影響を与えてしまうという課題もあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高純度であって、粒度分布の巾が狭く、微小粒子径の銀微粉末を製造する方法を提供するものである。
そこで、本件発明者等は、鋭意研究の結果、凝集性の強い還元条件下でも粒子分散性に優れ、平均粒径が0.5〜3μmの銀微粉末を得ることが出来る技術を開発するに至ったのである。
本件発明に係る銀微粉末の製造方法は、化学還元法による銀微粉末の製造方法であって、銀塩を含有した銀塩含有溶液と、ポリアミド系水系粘度調整剤と還元剤とを含む還元剤含有溶液とを混合した銀塩含有混合溶液において還元反応させることにより銀微粉末を得ることを特徴とするものである。
本件発明に係る銀微粉末の製造方法において、前記銀塩は、硝酸銀を用いることが好ましい。また、前記還元剤は、亜硫酸塩、ヒドロキノン、ヒドラジン、アスコルビン酸から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
本件発明に係る銀微粉末の製造方法に用いる前記銀塩含有混合溶液においては、銀量1gに対して、ポリアミド系水系粘度調整剤を0.02g〜0.15g含むことが好ましい。
本件発明に係る導電ペーストの製造方法は、銀塩含有溶液と、ポリアミド系水系粘度調整剤と還元剤とを含む還元剤含有溶液とを混合した銀塩含有混合溶液において還元反応させ、析出する銀微粉末を分離・乾燥した後、有機溶媒中で、樹脂成分と混合することを特徴とするものである。
本発明によれば、平均粒径分布がシャープで、凝集が少なく粗大粒子の生成を抑制することができ、これを用いた導電ペーストにおいては、微細な回路パターンを精度よく形成することが出来る。また、ポリアミド系水系粘度調整剤は銀量に対してごく少量添加でも分散効果を得ることができるため、低不純物量で純度の高い銀微粉末を得ることが出来る。
図1は、本願実施例1によって得られた銀微粉末のSEM写真。 図2は、本願実施例1によって得られた銀微粉末の粒度分布を示すグラフ。 図3は、本願実施例2によって得られた銀微粉末の粒度分布を示すグラフ。 図4は、比較例1によって得られた銀微粉末の粒度分布を示すグラフ。 図5は、本願実施例3によって得られた銀微粉末の粒度分布を示すグラフ。 図6は、比較例2によって得られた銀微粉末の粒度分布を示すグラフ。 図7は、比較例3によって得られた銀微粉末の粒度分布を示すグラフ。 図8は、比較例4によって得られた銀微粉末の粒度分布を示すグラフ。 図9は、ポリアミド系水系粘度調整剤の添加量と得られる銀微粉末の最大粒子径の関係を示すグラフ。
[銀微粉末の製造方法]
本願発明において、銀微粉末の製造は、いわゆる化学還元法として知られている方法を採用することが出来る。この方法は、硝酸銀のような銀塩化合物の水性溶液にアンモニア溶液を添加し、銀アンミン錯体を形成して可溶化する。次いでこの銀アンミン錯体溶液に、還元剤およびポリアミド系水系粘度調整剤を添加し、銀を還元処理して析出させ、分離・乾燥して銀微粉末を得るものである。
[原料]
(銀塩化合物)
銀塩化合物としては、易還元性の銀塩化合物を採用することが出来る。具体的には、硝酸銀、炭酸銀、酢酸銀等を挙げることが出来るが、特に硝酸銀が好ましい。
(錯化剤)
前記銀塩化合物を錯化する錯化剤としては、アンモニアが最も入手しやすく、好ましい。
(還元剤)
前記銀塩化合物を還元する原料であり、亜硫酸塩、ヒドロキノン、ヒドラジン、アスコルビン酸、ホルマリン、過酸化水素水、ピロガロール、酒石酸、水素化ホウ素化合物等を用いることが出来るが、特に亜硫酸塩、ヒドロキノン、ヒドラジン、アスコルビン酸が、目的の粒径の銀微粉末を安定して収率良く得ることが出来る点で好ましい。
(ポリアミド系水系粘度調整剤)
従来の化学還元法においては、上記銀塩化合物および還元剤を混合した反応系溶液中で還元反応を生起させ、銀粒子を析出させ、回収して銀微粉末を製造していたが、本発明においては、さらに、ポリアミド系水系粘度調整剤として知られている材料を添加することによって製造される銀微粉末の粒度分布状態を改善できる。
本願発明において用いるポリアミド系水系粘度調整剤は、ジカルボン酸とアミン化合物から縮重合された末端カルボキシル基のアミン塩であるポリアミド系化合物を界面活性剤、有機溶剤等の溶解性改善剤を含有する水溶液に分散ないし溶解させた混合物である。この混合物に含まれるポリアミド系化合物の量は、質量比にして5〜20質量%の範囲が好ましい。
本願発明で用いるのに適したポリアミド系水系粘度調整剤のポリアミド系化合物は、酸価が9〜15で、分子の中心部は疎水性であり、両末端に親水基であるカルボキシル基を有しており、このカルボキシル基がアミン化合物と塩を形成している。かかる物質は、増粘性が少ない特性をもつため、ろ過性がよいので沈殿した粒子を効率的に採取することができる。
本願発明で用いるのに適したポリアミド系水性粘度調整剤としては、水/2−エチルへキシルアルコール15%溶液において、25℃で1500〜6000mPa・sの粘度を有するものである。
(原料配合組成)
本願発明において、化学還元処理する際の反応系の濃度条件は、銀濃度が、0.05 〜0.5mol/lの範囲が好ましい。銀濃度がこの範囲を下回った場合、銀粒子析出に時間がかかり効率が悪い。また、銀微粉末の収率が悪く、好ましくない。一方、銀濃度がこの範囲を上回った場合、析出する銀粒子が歪な形状の粗粒になったり、銀粒子同士が凝集する傾向も強くなり、好ましくない。
還元剤の配合量は、銀1molあたり、0.05〜2molの濃度範囲が好ましい。還元剤の配合比率が、この範囲を下回った場合、銀微粉末の収率が低下して好ましくない。一方、配合比率がこの範囲を上回った場合、還元剤に含まれる元素が銀粉に付着して銀微粉末の不純物量が増大してしまう。濃度が濃すぎると還元反応も不安定となり粗大粒子が生じやすい。
ポリアミド系水系粘度調整剤の配合比率は、銀含有量1gに対して、0.02〜0.15gの割合とすることが好ましい。この比率が、この範囲を下回る場合には、粒子の沈降抑制の効果がでず、分散材としての役割を果たさない。一方、この比率が、上記範囲を上回った場合、沈降抑制の効果は飽和しており、これ以上添加量が増えると残留不純物となってしまうため好ましくない。
(反応条件)
本発明の還元反応は、水性溶媒中で行うことが好ましい。原料を溶解する水性溶媒としては純水が好ましいが、ポリアミド系水系粘度調整剤の溶解を考慮して、銀塩化合物よりも還元されやすい性質を有しない限り、水と親和性の高い有機溶媒を併用することも出来る。
反応温度は、10〜50℃の範囲とすることができるが、20〜30℃の程度の室温とすることが、最も好ましい。温度条件が上記範囲を下回った場合、反応速度が遅く、効率が悪い。一方、温度条件が上記範囲を上回った場合、還元反応速度は高くなるが、添加したポリアミド系水系粘度調整剤が変質してしまうため分散効果が現れず、凝集した銀微粉末となってしまう。
[導電ペーストの製造方法]
導電ペーストは、一般的に導電性金属微粉末と、樹脂バインダーとを有機溶剤に分散させて得られる。本願発明においても、上記方法によって得られる銀微粉末を用い、上記方法と同様に導電ペーストを製造することが出来る。
本発明の方法による銀微粉末を用いた場合、粒径のそろった微粒子状の微粉末となっており、ペーストにする場合に、二次粒子の解砕処理を行うことなく短時間で導電ペーストとすることが可能になる。また、粗大粒子がペーストに混入する可能性が極めて低く、回路パターンを形成する場合に、一般的な導電ペースト印刷法による回路パターン形成方法を採用しても、微細なパターンを形成することが可能になり、電子回路の高密度実装が可能になる。
以下具体的に導電ペーストの製造方法について説明する。
一般的に、導電ペーストは、熱硬化性樹脂等の樹脂バインダーに銀微粉末等の導電粉末を添加し、溶剤中に分散させたものであり、基板上にスクリーン印刷等の方法で回路配線パターンを形成し、加熱等の手段で導電ペーストを硬化して導電路とするものである。導電ペーストは、加熱によって、硬化して配線を形成する熱硬化型と、乾燥して配線を形成する熱乾燥型、あるいは、紫外線照射によって配線を形成する紫外線硬化型がある。それぞれの導電ペーストにおいては、樹脂バインダーとして、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂あるいは低温硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂が用いられている。何れのタイプの導電ペーストでも、導電粉末が微粒子でない場合、回路パターンの精細度は低下し、基板に実装する電子部品の実装密度が低下することになる。
最も一般的に用いられている熱硬化型導電ペーストにおいては、エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂、メラミン樹脂等の樹脂バインダーを用いることが出来る。これらの樹脂バインダーは、硬化剤を添加し、加熱硬化させて用いる。エポキシ樹脂の硬化剤としては、多価フェノール類、イミダゾール類、アミン類等、公知のものを採用することが出来る。また、フェノールノボラック樹脂の硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等を用いることが出来る。
本願発明の銀微粉末は、粗大な二次粒子を含まないことから、微細な回路パターンを形成する導電ペーストとして適しており、熱硬化型、熱乾燥型、あるいは紫外線硬化型の何れの導電ペーストとしても適用可能である。
溶剤としては、銀微粉末と反応しない有機溶剤が好ましく、たとえば、酢酸エステル、エチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブタノール等公知の溶剤を用いることが出来る。
導電ペーストは、上述のように、主として導電性金属微粉末である銀微粉末、樹脂バインダー、溶剤を含んでいるが、この導電ペーストの組成比は、銀微粉末100質量部に対して、樹脂バインダーが5〜30質量部の範囲で配合して用いることが出来る。導電ペーストにおいて、銀微粉末に対する樹脂バインダー成分が過小の場合には、回路配線の機械的強度が低下する恐れがあり、過剰の場合には、回路の抵抗が増加し好ましくない。
この導電ペーストを製造するには、乾燥している銀微粉末を篩い分けし、粗大粒子を除去した後、溶剤、樹脂バインダーと混合し、たとえば3本ロールのような混練装置で均一に混練して得られる。
[実施例1]
反応容器中でイオン交換水200mlに硝酸銀6.28gを添加し、完全に溶解させた後25%アンモニア水100mlを添加し、攪拌して銀アンミン錯体溶液を調整し、25℃とした。
一方、還元剤溶液としてヒドロキノン2g及び亜硫酸アンモニウム一水和物1.5gを150mlのイオン交換水に溶解したものを用意した。この還元剤溶液に、ポリアミド系水系粘度調整剤0.2gを加えて溶解し溶液温度を25℃とした。そして前記銀アンミン錯体溶液に、前記ポリアミド系水系粘度調整剤を溶解した還元剤溶液を混合し、10分間静置反応させた。得られた沈殿をろ過し、水洗した後、60℃で12時間乾燥して銀微粉末を得た。
走査型電子顕微鏡を用いて得られた銀微粉末を観察した(図1参照)。この銀微粉末の一次粒子径が0.5〜2μmの範囲にあり、レーザー回折法による平均粒子径は1.027μm、最大粒子径4.587μm、標準偏差±0.484μmの分散性の高い銀微粉末であることを確認した。その粒度分布のグラフを、図2に示す。図2に見られるように、この銀微粉末は、微細であって、極めてシャープな粒度分布を示していることがわかる。
[実施例2]
反応容器中でイオン交換水200mlに硝酸銀6.28gを添加し、完全に溶解させた後25%アンモニア水100mlを添加し、攪拌して銀アンミン錯体溶液を調製し、25℃とした。
一方、還元剤溶液としてヒドロキノン2g及び亜硫酸アンモニウム一水和物1.5gを150mlのイオン交換水に溶解したものを用意した。この還元剤溶液に、ポリアミド系水系粘度調整剤0.4gを加えて溶解し溶液温度を25℃とした。そして前記銀アンミン錯体溶液に、前記ポリアミド系水系粘度調整剤を溶解した還元剤溶液を混合し、10分間静置反応させた。得られた沈殿をろ過し、水洗した後、60℃で12時間乾燥して銀微粉末を得た。
走査型電子顕微鏡を用いて得られた銀微粉末を観察したところ、この銀微粉末の一次粒子径が0.5〜2μmの範囲にあり、レーザー回折法による平均粒子径は1.012μm、最大粒子径3.251μm、標準偏差±0.3362μmの分散性の高い銀微粉末であることを確認した。その粒度分布のグラフを、図3に示す。図3に見られるように、この銀微粉末は、微細であって、極めてシャープな粒度分布を示していることがわかる。
[比較例1]
この比較例1では、実施例1のポリアミド系水系粘度調整剤を省いて、還元剤溶液を調整した点が異なる。即ち、ポリアミド系水系粘度調整剤がない場合の状態を見るものである。
反応容器中でイオン交換水200mlに硝酸銀6.28gを添加し、完全に溶解させた後25%アンモニア水100mlを添加し、攪拌して銀アンミン錯体溶液を調製し、25℃とした。
一方、還元剤溶液としてヒドロキノン2g及び亜硫酸アンモニウム一水和物1.5gを150mlのイオン交換水に溶解したものを用意した。そして前記銀アンミン錯体溶液に、還元剤溶液を混合し、10分間静置反応させた。得られた沈殿をろ過し、水洗した後、60℃で12時間乾燥して銀微粉末を得た。
走査型電子顕微鏡を用いて得られた銀微粉末を観察したところ、一次粒子径が0.5〜2μmの範囲にあり、レーザー回折法による平均粒子径は21.23μm、最大粒子径207.8μm、標準偏差±35.169μmの凝集した銀微粉末であることを確認した。その粒度分布のグラフを、図4に示す。図4に見られるように、この銀微粉末は、粒度分布のピークが2個あり、一次粒子のピークのほかに二次粒子とみられるピークを有しており、全体に幅広い粒度分布を示していることがわかる。
[実施例3]
反応容器中でイオン交換水460mlに硝酸銀15.75gを添加し、完全に溶解させた後25%アンモニア水230mlを添加し、攪拌して銀アンミン錯体溶液を調製し、25℃とした。
一方、還元剤溶液としてアスコルビン酸4.5gを230mlのイオン交換水に溶解したものを用意した。この還元剤溶液に、ポリアミド系水系粘度調整剤0.5gを加えて溶解し溶液温度を25℃とした。そして銀アンミン錯体溶液に、前記ポリアミド系水系粘度調整剤を溶解した還元剤溶液を混合し、30分間静置反応させた。得られた沈殿をろ過し、水洗した後、60℃で12時間乾燥して銀微粉末を得た。
走査型電子顕微鏡を用いて得られた銀微粉末を観察したところ、一次粒子径が0.2〜0.6μmの範囲にあり、レーザー回折法による平均粒子径は0.817μm、最大粒子径3.252μm、標準偏差±0.3878μmの分散性の高い銀微粉末であることを確認した。その粒度分布のグラフを、図5に示す。図5に見られるように、この銀微粉末は、実施例1よりさらにシャープな粒度分布を示している。これは、ポリアミド系水系粘度調整剤の量が、実施例1より多いことに起因しているものとみられる。
[比較例2]
この比較例2では、実施例3のポリアミド系水系粘度調整剤を省いて、還元剤溶液を調製した点が異なる。即ち、ポリアミド系水系粘度調整剤がない場合の状態を見るものである。
反応容器中でイオン交換水460mlに硝酸銀15.75gを添加し、完全に溶解させた後25%アンモニア水230mlを添加し、攪拌して銀アンミン錯体溶液を調製し、25℃とした。
一方、還元剤溶液としてアスコルビン酸4.5gを230mlのイオン交換水に溶解したものを用意した。そして銀アンミン錯体溶液に、還元剤溶液を混合し、30分間静置反応させた。得られた沈殿をろ過し、水洗した後、60℃で12時間乾燥して銀微粉末を得た。
走査型電子顕微鏡を用いて得られた銀微粉末を観察したところ、一次粒子径が0.3〜0.8μmの範囲にあり、レーザー回折法による平均粒子径は2.032μm、最大粒子径25.96μm、標準偏差±2.006μmの銀粉末であることを確認した。その粒度分布のグラフを、図6に示す。図6に見られるように、この銀微粉末は、粒度分布のピークは1つであるものの、粒度分布の巾が実施3と比較して大きいことがわかる。
[比較例3]
この比較例3では、実施例1のポリアミド系水系粘度調整剤を0.04gにして、還元剤溶液を調製した点が異なる。即ち、ポリアミド系水系粘度調整剤を少量添加の場合の状態を見るものである。
反応容器中でイオン交換水200mlに硝酸銀6.28gを添加し、完全に溶解させた後25%アンモニア水100mlを添加し、攪拌して銀アンミン錯体溶液を調製し、25℃とした。
一方、還元剤溶液としてヒドロキノン2g及び亜硫酸アンモニウム一水和物1.5gを150mlのイオン交換水に溶解したものを用意した。この還元剤溶液に、ポリアミド系水系粘度調整剤0.04gを加えて溶解し溶液温度を25℃とした。そして前記銀アンミン錯体溶液に、前記ポリアミド系水系粘度調整剤を溶解した還元剤溶液を混合し、10分間静置反応させた。得られた沈殿をろ過し、水洗した後、60℃で12時間乾燥して銀微粉末を得た。
走査型電子顕微鏡を用いて得られた銀微粉末を観察したところ、一次粒子径が0.5〜2μmの範囲にあり、レーザー回折法による平均粒子径は5.970μm、最大粒子径87.12μm、標準偏差±16.906μmの凝集した銀微粉末であることを確認した。その粒度分布のグラフを、図7に示す。図7に見られるように、この銀微粉末は、粒度分布のピークが2個あり、一次粒子のピークのほかに二次粒子とみられるピークを有しており、全体に幅広い粒度分布を示していることがわかる。
[比較例4]
この比較例4では、実施例1のポリアミド系水系粘度調整剤を0.7gにして、還元剤溶液を調製した点が異なる。即ち、ポリアミド系水系粘度調整剤を多めに添加した場合の状態を見るものである。
反応容器中でイオン交換水200mlに硝酸銀6.28gを添加し、完全に溶解させた後25%アンモニア水100mlを添加し、攪拌して銀アンミン錯体溶液を調製し、25℃とした。
一方、還元剤溶液としてヒドロキノン2g及び亜硫酸アンモニウム一水和物1.5gを150mlのイオン交換水に溶解したものを用意した。この還元剤溶液に、ポリアミド系水系粘度調整剤0.7gを加えて溶解し溶液温度を25℃とした。そして前記銀アンミン錯体溶液に、前記ポリアミド系水系粘度調整剤を溶解した還元剤溶液を混合し、10分間静置反応させた。得られた沈殿をろ過し、水洗した後、60℃で12時間乾燥して銀微粉末を得た。
走査型電子顕微鏡を用いて得られた銀微粉末を観察したところ、一次粒子径が0.5〜2μmの範囲にあり、レーザー回折法による平均粒子径は0.721μm、最大粒子径4.599μm、標準偏差±0.580μmの分散した銀微粉末であることを確認した。その粒度分布のグラフを、図8に示す。これ以上ポリアミド系水系粘度調整剤を添加しても分散効果は飽和していることが分かる。
上記実施例および比較例の結果を下記表1に示す。
上記表1および図2〜8に見られるように、本願発明の実施例においては、平均粒子径が小径であるばかりでなく、その粒度分布は極めてシャープである。一方、ポリアミド系水系粘度調整剤を添加していない比較例1,2においては、一次粒子径において本願実施例と大きく変わるところはないものの、平均粒子径および最大粒子径において、極めて大きな値を示しており、これらの比較例においては、還元反応によって生成した一次粒子が凝集し、大径の二次粒子を形成しているものとみられる。
図9に、ポリアミド系水系粘度調整剤の添加量と、得られる銀微粉末の最大粒子径との関係を示すグラフを示す。
図9に見られるように、ポリアミド系水系粘度調整剤の添加量を銀量4gに対して、0.04gあるいは0.7gとした比較例1および2においては、添加量が0.04g以下の場合は粒子の沈降抑制の効果がでず、粘度調整剤としての役割を果たさない。添加量が0.7g以上の場合は、沈降抑制の効果は飽和しており、添加効果の改善を望めないのみでなく、これ以上ポリアミド系水系粘度調整剤の添加量が増えると残留不純物となってしまうため好ましくない。表1において、実施例2と比較例4において、残留炭素量測定の結果を見れば、明らかに過剰量のポリアミド系水系粘度調整剤の添加が、残留不純物量の増加につながっていることは明らかである。
ポリアミド系水系粘度調整剤の添加によって銀微粉末の分散効果が得られるメカニズムについては以下のように考えられる。すなわち、ポリアミド系水系粘度調整剤が溶液との相互作用により反応溶液中で分子の3次元のネットワーク構造を形成し、還元析出する粒子の沈降を抑制することができるため、粒子表面の保護層形成前の成長粒子同士の表面接触を防ぐことで、粒子同士の凝集を抑えて分散することができると考えられる。
このメカニズムから銀微粉末以外の例えば銅微粉末、ニッケル微粉末、パラジウム微粉末、白金微粉末等の化学還元で析出させる粒子についても同様の効果が得られると考えられる。

Claims (5)

  1. 銀塩含有溶液と、ポリアミド系水系粘度調整剤と還元剤とを含む還元剤含有溶液とを混合した銀塩含有混合溶液において還元反応させることにより銀微粉末を得ることを特徴とする銀微粉末の製造方法。
  2. 前記銀塩は、硝酸銀であることを特徴とする請求項1に記載の銀微粉末の製造方法。
  3. 前記還元剤は、亜硫酸塩、ヒドロキノン、ヒドラジン、アスコルビン酸から選ばれる1種を、又は2種以上を組み合わせて用いることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の銀微粉末の製造方法。
  4. 前記銀塩含有混合溶液においては、銀含有量1gに対して、ポリアミド系水系粘度調整剤含有量が0.02g〜0.15gであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の銀微粉末の製造方法。
  5. 銀塩含有溶液と、ポリアミド系水系粘度調整剤と還元剤とを含む還元剤含有溶液とを混合した銀塩含有混合溶液において還元反応させ、析出する銀微粉末を分離・乾燥した後、有機溶媒中で、樹脂成分と混合することを特徴とする導電ペーストの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103521779A (zh) * 2013-10-24 2014-01-22 北京石油化工学院 一种超细银的制备方法
CN109014241A (zh) * 2018-08-29 2018-12-18 淮阴师范学院 一种制备银微米空心框架结构材料的方法

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