JP5076753B2 - 高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法 - Google Patents

高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、本発明は、金属ナノ粒子が分散媒に分散した金属ナノ粒子分散液から分散媒の一部を遠心分離により除去して高濃度金属ナノ粒子分散液を得る製造方法に関するものである。
従来、数nmの金属ナノ粒子が溶媒中に均一に分散した状態の、いわゆる金属ナノ粒子分散液は、その特徴を活かして種々の分野で利用されてきており、例えば金属光沢を有する薄膜として、又はコンデンサやチップ抵抗器の電極材料やセラミック基板上の導体回路等における導電性皮膜として、各種の電子機器、電子部品、電子回路等に用いられている。そして、このような高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法として、金属塩溶液に還元剤が溶解した還元剤溶液を添加して混合し、金属塩を還元させて金属ナノ粒子が分散媒に分散した金属ナノ粒子分散液を得た後、このようにして得られた金属ナノ粒子分散液から分散媒の一部を遠心分離により除去して高濃度金属ナノ粒子分散液を得る製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
国際公開第02/094954号パンフレット(請求の範囲)
しかし、金属塩溶液に還元剤溶液を添加する際には、得られる金属ナノ粒子の分散媒に対する分散性を確保するため、金属ナノ粒子の表面を保護修飾する保護剤を添加させる場合も多い。このため、上述した従来の製造方法では、金属塩溶液を還元して得た金属ナノ粒子分散液に、余剰の保護剤や、還元剤、その他金属ナノ粒子分散液の原料に由来する雑イオンが含まれる。これらの保護剤、還元剤、雑イオンは、金属ナノ粒子の長期安定性や導電材料として使用した際の焼結性などに影響を及ぼす可能性があり、除去することが望ましい。
また、金属ナノ粒子をペーストとして配線材料の用途に用いられる場合、焼成後の収縮を抑制するために、なるべく金属濃度を上げる必要がある。また、厚膜を形成する場合を考慮すると、1回の塗布によって所定の膜厚を達成することが好ましく、このような場合にも金属濃度を上げることが望ましい。すると、金属ナノ粒子分散液から分散媒の一部を遠心分離で除去する上述した製造方法では、金属ナノ粒子の分散安定性が高い場合、これを遠心分離法で沈降させるのには、高い遠心力が必要となる。また、一般に粒子径が小さいほど沈降速度が小さく、遠心分離法による回収率が低い不具合がある。
本発明の目的は、保護剤、還元剤、雑イオンを減少させ得る高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、分散媒の一部を除去する遠心力を低減させるにも係わらず金属ナノ粒子の濃度が高い分散液を比較的高い収率で回収し得る高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図1に示すように、金属ナノ粒子が分散媒に分散した金属ナノ粒子分散液から分散媒の一部を遠心分離により除去して金属ナノ粒子の濃度を増加させる高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法の改良である。
その特徴ある点は、金属化合物を溶媒に溶解して金属塩溶液を調製する工程と、保護剤を溶解させた水溶液に還元剤を添加して還元剤水溶液を調製する工程と、還元剤水溶液を不活性ガス気流中で攪拌しながら、調製した金属塩溶液を滴下混合して金属ナノ粒子を還元析出させることにより、金属ナノ粒子分散液を得る工程とを含み、金属ナノ粒子を還元析出させる還元反応は、反応温度が30〜60℃に保持されるように行われ、金属ナノ粒子が、100重量%の銀ナノ粒子、或いは75重量%以上の銀ナノ粒子と残部が、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロム及びマンガンからなる群より選ばれた1種の粒子又は2種以上の混合組成若しくは合金組成からなり、遠心分離する以前に金属ナノ粒子の分散性を低下させる分散性低下剤を金属ナノ粒子分散液に添加し、分散性低下剤は金属ナノ粒子を構成する元素と同一の金属元素を含む塩であることを特徴とする。
100重量%の銀ナノ粒子、或いは75重量%以上の銀ナノ粒子と残部が、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロム及びマンガンからなる群より選ばれた1種の粒子又は2種以上の混合組成若しくは合金組成からなる金属ナノ粒子が分散した分散液はいわゆる静電反発力が比較的高く安定した分散性を有する。このように安定した分散性を有する分散液であっても、この請求項1に記載された高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法では、遠心分離する以前に分散性低下剤を金属ナノ粒子分散液に添加するので、金属ナノ粒子の分散安定性は低下し、これにより低い遠心力で金属ナノ粒子を遠心沈降させることが可能となる。このため、このように分散性低下剤を添加して分散安定性を低下させた金属ナノ粒子分散液に対して遠心分離を行うことで、より低い遠心力と短い処理時間で、高い回収率の遠心分離が可能となる。
また、金属ナノ粒子が分散した分散液は、遠心分離の際に、遠心力が大きくなるほど、金属ナノ粒子同士が強く凝集する傾向を示す。その遠心分離における遠心力を低減化させることにより、金属ナノ粒子の凝集を抑制することができる。
また、この高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法では、塩濃度が増加するため、金属ナノ粒子分散液における金属ナノ粒子の分散安定性を確実に低下させることができる。
また、上記分散性低下剤は、焼成の際に揮発もしくは分解し易いものであり、長期安定性や導電材料として使用した際の焼結性などに影響を与えることはない。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、遠心分離により分散媒の一部が除去された後の金属ナノ粒子分散液に純水を添加し、その後再び遠心分離を行って純水とともに分散媒の一部を更に除去することを特徴とする。
この請求項2に記載の高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法では、遠心分離後の金属ナノ粒子濃縮液に純水を加えて、沈降物を再度溶媒中に分散させることで、その分散液中に存在する保護剤、還元剤、雑イオン等の濃度を低減させることができる。これを再び遠心分離することにより、低い遠心力で、金属ナノ粒子の合成時に溶媒中に含まれる保護剤、還元剤、雑イオンを取り除き、分散媒の一部を除去する遠心力を低減させるにも係わらず金属ナノ粒子の濃度が高い分散液を比較的高い収率で回収することが可能になる。
請求項に係る発明は、請求項1又は2記載の製造方法によって得られた高濃度金属ナノ粒子分散液である。
なお、この明細書において「純水」とは、不純物及びイオン成分を除去した水を意味するものとする。このため、この「純水」には、濾過や蒸留により不純物を除去した「精製水」、イオン交換樹脂等で脱イオンした「脱イオン水」、蒸留により不純物を除去した「蒸留水」の何れも含まれるものとする。
本発明の高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法では、金属化合物を溶媒に溶解して金属塩溶液を調製する工程と、保護剤を溶解させた水溶液に還元剤を添加して還元剤水溶液を調製する工程と、還元剤水溶液を不活性ガス気流中で攪拌しながら、調製した金属塩溶液を滴下混合して金属ナノ粒子を還元析出させることにより、金属ナノ粒子分散液を得る工程とを含み、金属ナノ粒子を還元析出させる還元反応は、反応温度が30〜60℃に保持されるように行われる。そして、遠心分離する以前に金属ナノ粒子の分散性を低下させる分散性低下剤として、金属ナノ粒子を構成する元素と同一の金属元素を含む塩を金属ナノ粒子分散液に添加するので、金属ナノ粒子分散液が高い分散性を有していても、金属ナノ粒子の分散安定性は低下し、より低い遠心力で金属ナノ粒子を遠心沈降させることが可能となる。このため、このように分散性低下剤を添加して分散安定性を低下させた金属ナノ粒子分散液に対して遠心分離を行うことで、より低い遠心力と短い処理時間で、高い回収率の遠心分離が可能となる。また、金属ナノ粒子分散液は遠心分離の際に金属ナノ粒子同士が強く凝集する傾向を示すけれども、その遠心分離における遠心力を低減化させることにより、金属ナノ粒子の凝集を抑制することもできる。
また、分散性低下剤は高濃度金属ナノ粒子分散液中に残存することもあり得るけれども、その分散性低下剤が、分散性低下剤が、金属ナノ粒子を構成する元素と同一の金属元素を含む塩であれば、焼成の際に揮発もしくは分解し易いものであるため、長期安定性や導電材料として使用した際の焼結性などに与える影響を減少させることができる。
また、遠心分離により分散媒の一部が除去された後の金属ナノ粒子分散液に純水を添加し、その後再び遠心分離を行って純水とともに分散媒の一部を更に除去するようにすれば、分散液中に存在する保護剤、還元剤、雑イオン等の濃度を低減させた状態で遠心分離することになり、低い遠心力で、金属ナノ粒子の合成時に溶媒中に含まれる保護剤、還元剤、雑イオンを取り除き、分散媒の一部を除去する遠心力を低減させるにも係わらず金属ナノ粒子の濃度が高い分散液を比較的高い収率で回収することが可能になる
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法は、金属ナノ粒子が分散媒に分散した金属ナノ粒子分散液からその分散媒の一部を遠心分離により除去して金属ナノ粒子の濃度を増加させるものである。金属ナノ粒子が分散媒に分散した金属ナノ粒子分散液は、金属塩溶液における金属を還元することにより得られる。金属塩溶液は、金属化合物を溶媒に溶解させたものであって、金属化合物を溶媒に溶解することにより金属イオンを生じ、上記金属イオンが還元されて金属ナノ粒子が供給されるものである。上記金属ナノ粒子となる金属は、銀であることが好ましい。又は金属ナノ粒子となる金属は、75重量%以上の銀と残部が、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロム及びマンガンより選ばれた1種の粒子又は2種以上の混合組成若しくは合金組成からなるものである。
上記溶媒としては上記金属化合物を溶解することができるものであれば特に限定されず、例えば、水、有機溶媒等を挙げることができる。上記有機溶媒等としては特に限定されず、例えば、エタノール、エチレングリコール等の炭素数1〜4のアルコール;アセトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。上記溶媒としては1種又は2種以上を用いることができる。上記溶媒が水と有機溶媒との混合物である場合には、上記有機溶媒としては、水可溶性のものが好ましく、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコール等が挙げられる。本発明においては、特に、水、アルコール並びに水及びアルコールの混合溶液が好ましい。しかし、これらに限定されるものではなく、水可溶性でない有機溶媒も使用可能である。そして、このような溶媒に上述した金属化合物を溶解させることにより金属塩溶液が調製される。
一方、この金属塩溶液における金属を還元する還元剤としては、硫酸第一鉄、水素化ホウ素ナトリウム等のアルカリ金属水素化ホウ素塩;ヒドラジン化合物;クエン酸;酒石酸;アスコルビン酸;ギ酸;ホルムアルデヒド;亜ニチオン酸塩、スルホキシル酸塩誘導体等を使用することができる。入手容易なことから、硫酸第一鉄、クエン酸;酒石酸;アスコルビン酸;蟻酸が好ましい。これらは、それぞれ塩の形のものを用いることで、中性近傍のpHでの反応が可能になる。
保護剤は還元剤溶液に含ませることが好ましい。保護剤は、金属塩溶液における金属を還元して得られた金属ナノ粒子の溶媒中における分散安定性を高める働きをするものであり、市販されているものを使用することができ、そのように市販されているものを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。具体的に、官能基として、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、カルボニル基(−C=O)、アミノ基、メルカブト基(−SH)などのいずれか一方、又は2つ以上を含有する有機分子を保護剤として用いることができる。
ここで、保護剤としてクエン酸ナトリウムを用い、還元剤として第1鉄を用いて金属塩溶液における金属を還元する場合をを具体的に説明する。先ず、保護剤であるクエン酸ナトリウムを脱イオン水等の水に溶解させて得られた濃度10〜40%のクエン酸ナトリウム水溶液に、窒素ガス等の不活性ガスの気流中で粒状又は粉状の硫酸第一鉄からなる還元剤を直接加えて溶解させ、クエン酸イオンと第一鉄イオンを3:2のモル比で含有する還元剤水溶液を調製する。次に上記不活性ガス気流中で上記還元剤水溶液を撹拌しながら、この還元剤水溶液に上記金属塩水溶液を滴下して混合する。ここで、金属塩水溶液の添加量は還元剤水溶液の量の1/10以下になるように、各溶液の濃度を調整することで、室温の金属塩水溶液を滴下しても反応温度が30〜60℃に保持されるようにする。また上記両水溶液の混合比は、金属塩水溶液中の金属イオンの総原子価数に対する、還元剤水溶液中のクエン酸イオンと第一鉄イオンのモル比がいずれも3倍モルとなるようにする。金属塩水溶液の滴下が終了した後、混合液の撹拌を更に10〜300分間続け、金属塩溶液における金属を還元することにより金属ナノ粒子が分散媒に分散した金属ナノ粒子分散液を得る。
このようにして得られた金属ナノ粒子分散液は、金属ナノ粒子が溶媒中に分散して視認できるような状態にある。そして、本発明では、還元により得られた金属ナノ粒子が、100重量%の銀ナノ粒子、或いは75重量%以上の銀ナノ粒子と残部が、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロム及びマンガンより選ばれた1種の粒子又は2種以上の混合組成若しくは合金組成からなるものを対象とする。このような金属ナノ粒子が溶媒中に分散した分散液には、金属ナノ粒子及び保護剤のほかに、金属コロイド溶液の原料に由来する硝酸イオン等の雑イオンや、余剰の還元剤を含むものとなる。
本発明の高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法では、溶媒の一部を遠心分離により除去するものであるけれども、遠心分離する以前に金属ナノ粒子の分散性を低下させる分散性低下剤を金属ナノ粒子分散液に添加することを特徴とする。分散性を低下させる方法は二つあり、一つは分散媒中の電解質濃度を上げて、粒子の周りに形成される電気二重層の厚さを薄くする方法であり、もう一つはゼータ電位と呼ばれる粒子表面近くの電位をゼロに近づけることである。分散性低下剤は、塩酸、硝酸、アンモニア、アミン類及びこれらを用いた塩等が挙げられる。このようなものを分散性低下剤として金属ナノ粒子分散液に添加すると、その塩濃度(電解質濃度)が増加することにより金属ナノ粒子の分散安定性を確実に低下させることができる。更に、このように分散性低下剤を添加することで、分散液のpHをナノ粒子のゼータ電位がゼロとなることで特徴付けられる等電位点に近づけることで、ナノ粒子の分散安定性を低下させることができる。ここで、アミン類に関しては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メチルエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン等が挙げられる。
本発明の高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法において、分散性低下剤は、金属ナノ粒子を構成する元素と同一の金属元素を含む塩である。このような塩からなる分散性低下剤を金属ナノ粒子分散液に添加すると、その塩濃度が増加することにより金属ナノ粒子の分散安定性を確実に低下させることができる。本発明では、このような分散性低下剤を添加した後に金属ナノ粒子分散液を遠心分離を行い、遠心力により分離した上澄み液である分散媒を除去することにより金属ナノ粒子の濃度を増加させる製造方法である。
このように分散性低下剤を添加した後に遠心分離を行う本発明の製造方法では、分散性低下剤を添加することにより金属ナノ粒子は沈殿し、この部分における金属ナノ粒子の濃度を増加させることができる。一方、溶媒中に含まれる不要な雑イオン、塩やアミン及び上記高分子顔料保護剤は上澄み液中に溶解することになり、この上澄み液中に溶解するこれらの雑イオン、塩やアミンは、得られる金属コロイド溶液の安定性に悪影響を及ぼすおそれがある。しかし、本発明では、この上澄み液を遠心分離により取り除くので、これらの不要な成分が除去された高濃度金属ナノ粒子分散液を得ることができる。
ここで、分散性低下剤の添加により金属ナノ粒子の分散性は低下しているので、本発明の製造方法では、比較的低い遠心力で、上記不要な雑イオン、塩やアミン及び保護剤を含む上澄み液を分離することができる。そして、得られた高濃度金属ナノ粒子分散液は、その金属ナノ粒子が、100重量%の銀ナノ粒子、或いは75重量%以上の銀ナノ粒子と残部が、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロム及びマンガンより選ばれた1種の粒子又は2種以上の混合組成若しくは合金組成からなるものとなる。
なお、本発明における製造方法では、図2に示すように、遠心分離により分散媒の一部が除去された後の金属ナノ粒子分散液に分散媒として純水を添加し、更に分散性低下剤を添加し、その後再び遠心分離を行って分散媒の一部を更に除去するようにしても良い。このように純水及び分散性低下剤の添加及び遠心分離を繰り返すことで、合成時に用いる金属塩、保護剤、還元剤等に由来する液相中の電解質濃度が減少し、微量でも金属ナノ粒子の焼結に影響を及ぼすこれらの電解質を比較的低い遠心力で分離することが可能になり、遠心分離操作による金属ナノ粒子の回収率を著しく高めることができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<比較例1>
Ag100wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。また、クエン酸ナトリウムを脱イオン水に溶解して濃度が26重量%のクエン酸ナトリウム水溶液を調製した。このクエン酸ナトリウム水溶液に、35℃に保持された窒素ガス気流中で粒状の硫酸第1鉄を直接加えて溶解させ、クエン酸イオンと第1鉄イオンを3:2のモル比で含有する還元剤水溶液を調製した。
次いで、上記窒素ガス気流を35℃に保持した状態で、マグネチックスターラーの攪拌子を還元剤水溶液中に入れ、攪拌子を100rpmの回転速度で回転させて、上記還元剤水溶液を攪拌しながら、この還元剤水溶液に上記金属塩水溶液を滴下して混合した。ここで、還元剤水溶液への金属塩水溶液の添加量は、還元剤水溶液の量の1/10以下になるように、各溶液の濃度を調整することで、室温の金属塩水溶液を滴下しても反応温度が40℃に保持されるようにした。また上記還元剤水溶液と金属塩水溶液との混合比は、金属塩水溶液中の金属イオンの総原子価数に対する、還元剤水溶液のクエン酸イオンと第1鉄イオンのモル比がいずれも3倍モルとなるようにした。還元剤水溶液への金属塩水溶液の滴下が終了した後、混合液の攪拌を更に15分間続けることにより、混合液内部に金属ナノ粒子を生じさせ、この金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag100wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離したため、上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。この分散液に対し、再度1000Gで10分間の遠心分離を行って分散媒の一部を除去し、金属ナノ粒子の濃度を増加させた高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を比較例1とした。
<比較例2>
Agが95wt%であってCuが5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag95wt%、Cu5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。この分散液を1000Gで10分間の遠心分離を行って分散媒の一部を除去し、金属ナノ粒子の濃度を増加させた高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を比較例2とした。
<比較例3>
硫酸銀と塩化金酸の混合水溶媒をAg:Au=75:25になるよう調製して沸騰させ、これにクエン酸三ナトリウム水溶媒を加えて激しく撹拌しながら10分間還流させて金属ナノ粒子を合成した。その後これを室温にまで冷却てpH3を示す金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag75wt%、Au25wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離したその上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。この分散液を1000Gで10分間の遠心分離を行って分散媒の一部を除去し、金属ナノ粒子の濃度を増加させた高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を比較例3とした。
参考例1>
比較例1と同一の条件及び手順により比較例1と同一の金属ナノ粒子分散液を得た。
このようにして得られた金属ナノ粒子分散液(Ag100wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて500Gで1分間遠心分離し、その上澄みを分離した。その後、この金属ナノ粒子分散液に比較例1と同様に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である10モル濃度硝酸水溶媒を滴下して分散液をpH4に調製した。その後、500Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を参考例1とした。
<実施例
比較例2と同一の条件及び手順により比較例2と同一の金属ナノ粒子分散液を得た。
このようにして得られた金属ナノ粒子分散液(Ag95wt%、Cu5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて500Gで1分間遠心分離し、その上澄みを分離した。その後、この金属ナノ粒子分散液に比較例2と同様に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%の硝酸銅水溶液を10mL滴下した。その後、500Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例とした。
参考
Agが75wt%であってPdが25wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag75wt%、Pd25wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である10モル濃度硝酸水溶媒を滴下して分散液をpH4に調製した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を参考とした。
参考
Agが99.5wt%であってRuが0.5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag99.5wt%、Ru0.5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%のクエン酸3アンモニウム水溶液を10mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を参考とした。
参考
Agが99wt%であってNiが1wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を溶媒に溶解して金属塩水溶液を調製した。溶媒は50重量%の脱イオン水と50重量%のエタノールの混合液を用いた。これらのことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag99wt%、Ni1wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に上記溶媒を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%の硝酸アンモニウム水溶液を10mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を参考とした。
<実施例
Agが99wt%であってCuが1wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag99wt%、Cu1wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%の硝酸銅水溶液を5mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例とした。
<実施例
Agが99wt%であってSnが1wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag99wt%、Sn1wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%の硝酸銀水溶液を10mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例とした。
<実施例
Agが99.5wt%であってInが0.5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag99.5wt%、In0.5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%の硝酸インジウム水溶液を10mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例とした。
参考
Agが95wt%であってZnが5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag95wt%、Zn5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.02重量%の硝酸アンモニウム水溶液を10mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を参考とした。
参考
Agが95wt%であってFeが5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag95wt%、Fe5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%の酢酸クロム水溶液を10mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を参考とした。
参考
Agが95wt%であってCrが5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag95wt%、Cr5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%のギ酸アンモニウム水溶液を10mL滴下した。その後、500Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を参考とした。
参考
Agが95wt%であってMnが5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag95wt%、Mn5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%のジメチルアミン塩酸塩水溶液を10mL滴下した。その後、1000Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を参考とした。
参考
比較例3と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag75wt%、Au25wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離したその上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤であるアンモニア水を滴下して分散液をpH8調製した。その後、800Gで10分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を参考とした。
参考10
比較例3と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag75wt%、Au25wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離したその上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である水酸化ナトリウム水を滴下して分散液をpH8調製した。その後、800Gで10分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を参考10とした。
<比較試験及び評価>
比較例1、参考例1〜10及び実施例1〜におけるそれぞれの高濃度金属ナノ粒子分散液における金属ナノ粒子の回収率を分取した液について、含有する金属ナノ粒子を酸等で溶解し、更に誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES法)で、金属濃度を測定することにより評価した。この試験条件及び結果を表1に示す。
Figure 0005076753
表1より明らかなように、遠心分離する以前に分散性低下剤を金属ナノ粒子分散液に添加しない比較例1〜3においては、金属の回収率が最大で15.1%であって、その値が著しく低いことが判る。
一方、遠心分離する以前に分散性低下剤を金属ナノ粒子分散液に添加する参考例1〜10及び実施例1〜においては、遠心分離における遠心力が1000G以下であるにも拘わらず、金属の回収率が高い値を示していることが判る。これは、遠心分離する以前に分散性低下剤を金属ナノ粒子分散液に添加するので、金属ナノ粒子の分散安定性が低下して低い遠心力で金属ナノ粒子を遠心沈降させることが可能となったことによるものと考えられる。
本発明実施形態の製造方法を示す図である。 本発明の別の製造方法を示す図である。

Claims (3)

  1. 金属ナノ粒子が分散媒に分散した金属ナノ粒子分散液から前記分散媒の一部を遠心分離により除去して前記金属ナノ粒子の濃度を増加させる高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法において、
    金属化合物を溶媒に溶解して金属塩溶液を調製する工程と、
    保護剤を溶解させた水溶液に還元剤を添加して還元剤水溶液を調製する工程と、
    前記還元剤水溶液を不活性ガス気流中で攪拌しながら、前記調製した金属塩溶液を滴下混合して金属ナノ粒子を還元析出させることにより、前記金属ナノ粒子分散液を得る工程とを含み、
    前記金属ナノ粒子を還元析出させる還元反応は、反応温度が30〜60℃に保持されるように行われ、
    金属ナノ粒子が、100重量%の銀ナノ粒子、或いは75重量%以上の銀ナノ粒子と残部が、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロム及びマンガンからなる群より選ばれた1種の粒子又は2種以上の混合組成若しくは合金組成からなり、
    前記遠心分離する以前に前記金属ナノ粒子の分散性を低下させる分散性低下剤を前記金属ナノ粒子分散液に添加し、
    前記分散性低下剤は前記金属ナノ粒子を構成する元素と同一の金属元素を含む塩であ
    ことを特徴とする高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法。
  2. 遠心分離により分散媒の一部が除去された後の金属ナノ粒子分散液に純水を添加し、その後再び遠心分離を行って前記純水とともに前記分散媒の一部を更に除去する請求項1記載の高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法によって得られた高濃度金属ナノ粒子分散液。
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