JP2013203710A - 葉酸配合製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】葉酸を含む組成物を下記式(1)及び(2)の光透過条件を同時に満たす容器に充填した葉酸配合製品である。好ましくはさらに下記式(3)の光透過条件を同時に満たす容器に充填されたものである。
(上記式(1)(2)(3)中、λは光の波長(単位:nm)を示し、f(λ)は容器を透過する光の波長λについての透過率の関数を示したものである。)
【選択図】なし
Description
葉酸が安定に存在し得るのは弱酸性から中性領域の限られた領域である。また、葉酸は光や熱によっても容易に分解する(非特許文献3)ので、冷暗所において適切に保存しなければ組成物中の葉酸含有量は経時的に低下し、変色や沈殿を生じてしまう。そのため、葉酸を配合した飲料や点滴剤、化粧料等は、商品として店頭陳列され強い光にさらされた場合等には保存安定性に大きな問題があった。
〔1〕葉酸を配合した組成物を、下記式(1)及び(2)の条件を同時に満たす容器に充填することを特徴とする葉酸配合製品。
〔2〕前記組成物がさらに上記式(3)の条件を同時に満たすことを特徴とする〔1〕記載の葉酸配合製品。
〔4〕前記組成物が皮膚外用剤であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕いずれかに記載の葉酸配合製品。
〔5〕前記組成物が化粧料であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕いずれかに記載の葉酸配合製品。
プテロイルモノグルタミン酸は、日本薬局方又は食品添加物規格に収載された「葉酸」に相当する合成品がBASF武田ビタミン株式会社及びディー・エス・エムジャパン株式会社等から入手できる。また、食物由来の場合は、緑茶、烏龍茶、紅茶等の茶類、大豆、ソラマメ等の豆類、からし菜、ほうれん草、みずかけ菜、なば菜、グリーンアスパラガス、春菊、サツマイモ、ブロッコリー、チンゲン菜等の野菜、いちご、パパイヤ、オレンジ、ミカン等の果物類から定法に従って抽出したものが使用可能である。これら植物からの葉酸抽出は、茶葉の場合は、温水乃至熱湯で抽出することによって、豆類、野菜類、果物類の場合は、搾汁液から不溶性画分を除き、抽出液を回収することによって達成される。
本発明の葉酸としては、光に対する安定性が高いこと及び生体内での利用率が高いことから、合成品のプテロイルモノグルタミン酸が最も好ましい。
これらの配合量は、葉酸の配合量に基づいて適宜決定することができるが、葉酸を十分に安定化し、それ自体の匂い変化の観点から、組成物中0.001〜5%が好ましく、0.05〜1%がより好ましく、0.1〜0.5%が特に好ましい。
(実施例1〜7、比較例1〜5)
光透過スペクトルの異なる容器を準備し、その中に葉酸配合組成物を充填して、各容器について容器外側から組成物を視認できるか(視認性試験)、また葉酸の安定性が確保されるか(葉酸の光安定性試験)を行った。
下記の方法により、光透過スペクトルが異なる容器を準備した。樹脂製(内側:HDPE、外側:LDPEの積層)透明チューブ容器(厚み0.7mm 口径25mm スリーブ長110mm 穴径3mm 株式会社吉野工業所製)の外面に表1に示すように色セロファン(株式会社トーヨー社製)を貼り付け、No.1〜No.12の12種類の容器を準備した。これらの容器No.1〜No.12の光透過スペクトルを紫外可視分光光度計UV−2500(PC)SGLP(株式会社島津製作所社製)を用いて測定した。その結果を図1に示す。
下記の組成の葉酸水溶液を下記調整方法により調製し、表2に示す容器No.1〜No.12に充填し、以下に示す方法及び基準により葉酸の光安定性を評価した。その結果を併せて表2に示した。
(成分) (質量%)
1.葉酸 *注1 0.01
2.1%水酸化ナトリウム水溶液 適量
3.精製水 残量
*注1 ディー・エス・エムジャパン株式会社製
A:成分1および成分3を混合溶解させる(この時点では成分1は溶解せず分散するのみである)。
B:Aに成分2を添加し、25℃でのpHが7.0になるよう調整し、成分1を溶解させることで葉酸水溶液を得た。
調製した各水溶液25mLを上記の容器No.1〜No.12に充填し、開口部を熱により圧着した。専門パネル10名が、視認性(容器外側から充填された組成物の量及び状態を確認できるか)について「容易」、「容易でない」の2基準で評価を行った。さらに10人の評価に基づいて以下のように判定し、
その結果を表2に示した。
◎:8人以上が組成物の視認が容易と回答
○:5人以上、8人未満が組成物の視認が容易と回答
×:4人以下が組成物の視認が容易と回答
上記の葉酸水溶液を充填した上記の容器No.1〜No.12について、以下に示す方法及び基準により葉酸の光安定性を評価した。その結果を表2に示した。
調製した葉酸水溶液を25mLずつ上記の容器No.1〜No.12に充填し、蛍光灯により8000ルクスの光が照射された30℃のチャンバー内に静置した。試験開始1日後、7日後に容器をチャンバーから取り出し、貼り付けたフィルムを剥がした後、容器外側より観察し、アルミホイルで遮光して保存した各水溶液を対照として下記基準により葉酸の光安定性を評価した。1日後の評価終了後には、元の容器No.1〜No.12にフィルムを再度貼り付けて、試験を継続した。
○:透明性が変化せず、変色や沈殿が確認されない
△:わずかに変色および沈殿が確認される
×:変色・沈殿が明らかに確認される
葉酸を配合した化粧料を調整し、下記の容器に充填し、視認性試験及び葉酸の光安定性試験を行った。
化粧料用容器(内側:HDPE、外側:LDPEの積層樹脂ボトル。外側のLDPEには予めオレンジ色の顔料:EKM−3−1901−11(オーケー化成株式会社製)を練りこんであるもの。厚み0.7mm。釜屋化学工業株式会社)を試験に供した。この容器について試験例1と同様にして、光透過スペクトルを測定した。結果を図2に示した。
上記の化粧料容器に下記の葉酸配合化粧料(化粧水)を充填し、試験例1と同様の方法・基準により視認性試験及び葉酸の光安定性試験を行った。
(成分) (質量%)
1.ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタンモノラウリン酸エステル 1.2
2.エタノール 12.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.香料 適量
5.グリセリン 5.0
6.1,3−ブチレングリコール 6.5
7.乳酸 0.05
8.乳酸ナトリウム 0.1
9.アスコルビン酸グルコシド 2.0
10.リジン 0.01
11.アルギニン 0.01
12.トリプトファン 0.01
13.ヒドロキシプロリン 0.01
14.精製水 残量
15.カルボマー 0.03
16.葉酸 *注1 0.01
17.1%水酸化ナトリウム水溶液 適量
*注1 ディー・エス・エムジャパン株式会社製
A:成分1〜4を混合溶解する。
B:成分5〜14を混合溶解する。
C:成分15〜17を混合溶解した。
C:AとBとCを混合して均一にし、化粧水(25℃においてpH6.5)を得た。
〔葉酸配合皮膚外用剤製品の製造〕
試験例2の化粧料用容器に下記の化粧水・可溶化透明タイプを充填し、皮膚外用剤製品を製造した。
(成分) (質量%)
1.1,2−ペンタンジオール 1.0
2.精製水 30.0
3.POE(20)POP(6)
デシルテトラデシルエーテル 0.3
4.パラオキシ安息香酸メチル 0.05
5.香料 適量
6.l―メントール 0.1
7.エタノール 10.0
8.葉酸 0.01
9.リジン 0.05
10.クエン酸 0.02
11.リン酸二水素ナトリウム 0.05
12.水酸化ナトリウム 0.0134
13.精製水 残量
A:成分3〜7を混合溶解する。
B:Aに成分1、2を添加し均一に混合溶解する。
C:Bに成分8〜13を添加し、均一に混合溶解させ化粧水を得た。
Claims (5)
- 葉酸を配合した組成物を、下記式(1)及び(2)の条件を同時に満たす容器に充填することを特徴とする葉酸配合製品。
- 前記組成物がさらに上記式(3)の条件を同時に満たすことを特徴とする請求項1記載の葉酸配合製品。
- 前記組成物がさらにリジン、アルギニン、トリプトファン、ヒドロキプロリン及びこれらの塩から選ばれる1種以上のアミノ酸を配合したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の葉酸配合製品。
- 前記組成物が皮膚外用剤であることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの項記載の葉酸配合製品。
- 前記組成物が化粧料であることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの項記載の葉酸配合製品。
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