JP2013203216A - 定位置停車支援装置と定位置停車支援方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラットホーム52に入線する列車50の状態として、速度のみを速度検出器12により計測し、この列車50の速度データと、データベースに蓄積されているデータとを用いて、ブレーキ力表示器14及び残距離表示器16に表示させる情報の算出を、制御装置18が備えている各算出手段により行う。そして、列車50の運転士に対して、ブレーキ力表示器14にブレーキ力の指標を表示し、残距離表示器16に列車50の先頭から定停止位置54までの残距離を表示する。これにより、大規模な改修を伴うことなく、少ない設備追加のみで、列車50の運転士に対して、ブレーキ力の調整に必要な情報を提供することができ、運転士による列車50の定位置停車を支援することが可能となる。
【選択図】図1
Description
列車を定められた位置に停車させるための方法として、列車の運転士に対してブレーキ操作の注意喚起をする方法や、制御システムにより列車を制御する方法等が挙げられる。列車の運転士へ注意喚起をする方法では、列車が走行する線路周辺やプラットホームに設けられる、速度標識、停止位置標識、信号機等を用いた方法が存在する(特許文献1参照)。又、制御システムによる方法では、図13に示すような定位置停止装置(TASC)等が用いられている(特許文献2参照)。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
本項に記載の定位置停車支援装置は、ブレーキ力の指標を算出するためのデータが蓄積されているデータベースと、装置全体の制御を行う制御装置とが、地上側に設置されるものである。このため、車両側に設置される場合と比較して、改修が少なく容易に、又、設置スペースを気にすることなく設置されるものとなる。
本項に記載の定位置停車支援装置は、制御装置の残距離算出手段で算出する、列車の先頭から定停止位置までの残距離を表示する残距離表示器を備えることにより、ブレーキ力表示器に表示するブレーキ力の指標に基づいて列車の運転士が行う、ブレーキ力の調整よりも微細な、残距離に応じたブレーキ力の微調整を、列車の運転士に対して促すものである。
本項に記載の定位置停車支援装置は、列車の速度を計測する速度検出器が、プラットホームの列車進入側端部に設置されることで、列車がプラットホームに入線した直後から、列車の速度を計測するものとなり、更に、容易かつ安全に、速度検出器が設置されるものとなる。
本項に記載の定位置停車支援装置は、列車の速度を計測する速度検出器が、列車進行方向手前側のプラットホーム間際の線路端に設置されることで、他の線路端と比較して、線路に近づく方向への装置の設置可能範囲が緩和されている場所に設置されることになる。このため、線路を通る列車により近い位置に設置されるものとなり、列車の速度計測を、プラットホーム手前の位置から正確に行うものとなる。
本項に記載の定位置停車支援装置は、列車の運転士に対してブレーキ力の指標を表示するブレーキ力表示器が、地上側に設置されるものである。例えば、ブレーキ力表示器が、プラットホーム上に設置される場合には、従来からプラットホーム上に設置されている、乗務員向けの情報表示装置に類似した表示装置を、ブレーキ力表示器としてプラットホームの屋根から吊り下げることとしてもよい。又、ブレーキ力表示器が、線路を挟んでプラットホームの反対側の線路端に設置される場合には、線路端に立設される電光表示板等であってもよい。このため、車両側に改修を施して設置される場合と比較して、容易かつ安価に設置されるものとなる。
更に、プラットホームがカーブしている場合や、プラットホーム長が長い場合等で、ブレーキ力表示器が1箇所に設置されているだけでは、列車の運転士がブレーキ力の指標を視認し難い場合には、同じ表示内容を表示する複数のブレーキ力表示器を、地上側に設置することとしてもよい。これにより、列車の運転士が、より確実に、ブレーキ力の指標を視認するものとなる。
本項に記載の定位置停車支援装置は、列車の先頭から定停止位置までの残距離を表示する残距離表示器が、地上側に設置されるものである。そして、この場合の残距離表示器も、上述したブレーキ力表示器の例と同様に、プラットホームの屋根から吊り下げられた乗務員向けの情報表示装置に類似した表示装置や、線路端に立設される電光表示板等であってもよい。この場合にも、車両側に改修を施して設置される場合と比較して、容易かつ安価に設置されるものとなる。
更に、本項に記載の定位置停車支援装置は、残距離表示器が、地上側の定停止位置近傍に設置されることにより、列車の運転士に対して、列車が定停止位置の間際に到達するまで、残距離表示器から残距離の表示を行う。このため、より細かいブレーキ力の調整が必要となる定停止位置の間際でも、ブレーキ力の微調整を促すものとなる。
本項に記載の定位置停車支援装置は、ブレーキ力の指標を表示するブレーキ力表示器と、残距離を表示する残距離表示器との一方又は双方が、列車に持ち込み可能な通信端末であるものである。この通信端末として、例えば、タブレット型情報端末を利用することが挙げられる。そして、通信端末と制御装置との間で、駅構内の無線LANや携帯電話回線網を利用した無線通信を確立させることで、地上側に設置されている制御装置からも、各表示情報を受信するものとなる。これにより、運転士が列車内でブレーキ力の指標や残距離を確認するものでありながら、各表示器を地上側に設置する場合よりも、安価かつ容易に設置されるものとなる。
本項に記載の定位置停車支援装置は、速度検出器より列車進行方向手前側に設置される補助速度検出器を備えることで、速度検出器で計測するよりも早いタイミングで、列車の速度を計測するものである。これにより、プラットホームへ向かう列車の速度が速いために、速度検出器が速度を計測するよりも早いタイミングで、ブレーキ力の指標を表示する必要がある場合や、プラットホームの長手方向の長さが短いために、プラットホーム上に設置されている速度検出器が速度を計測するタイミングでは、ブレーキ力の指標を表示するのが遅過ぎる場合等にも、補助速度検出器で測定する列車の速度を、制御装置が補完的に使用することで、定停止位置に停車させるブレーキ力の調整が可能なタイミングで、列車の運転士に対してブレーキ力の調整を促すものとなる。
本項に記載の定位置停車支援装置は、ブレーキ力の指標を算出するためのデータが蓄積されているデータベースが、制御装置に含まれるものである。例えば、制御装置が演算処理装置を有する各種コンピュータである場合には、そのコンピュータに含まれる記憶装置内に、データベースを構築するものである。これにより、コストを抑えてデータベースが設置されると共に、制御装置がデータベースにアクセスする際に、迅速にアクセスするものとなる。
本項に記載の定位置停車支援装置は、データベースに、予め蓄積されているデータに加えて、制御装置が算出した減速度等の各データのうち、ブレーキ力の指標を算出する際に利用可能なデータを蓄積していくものである。これにより、例えば、データベースに減速度パターンデータが蓄積されている場合には、実際に列車がプラットホームに停車した際の制動パターンデータが、データベースに蓄積される。更に、実際に列車がプラットホームに停車した際のデータには、天候等の外部要素が関わってくるため、これらの外部要素を含めた深度化したデータを蓄積することにもなる。このようなデータベースを使用することで、実際のデータに則って、より正確にブレーキ力の指標を算出するものとなる。
本項に記載の定位置停車支援装置は、データベースに蓄積されているデータを、列車の形式及び編成毎に分けて、別々のデータとして蓄積することで、制御装置のブレーキ力算出手段がブレーキ力の指標を算出する際に、現在計測している列車に応じて、データベースから適切なデータを選んで使用するものとなる。このため、列車の形式や編成に合わせて、適切にブレーキ力の指標を算出するものとなる。
本項に記載の定位置停車支援装置は、列車の速度を計測する速度検出器として、レーザドップラ速度計を用いるものである。例えば、カーブしているプラットホーム上に速度検出器を設置し、プラットホームに入線する列車の車体と速度検出器との距離が、カーブしているプラットホームに沿って列車が入線してくるために、車体の長手方向の位置によって変動するような場合がある。この場合であっても、速度検出器として、焦点距離や焦点深度の性能が優れたレーザドップラ速度計を用いることにより、計測焦点の変動に対応して、正確に速度を計測するものとなる。
(15)上記(1)から(13)項において、前記速度検出器は、超音波ドップラ速度計である定位置停車支援装置。
本項に記載の定位置停車支援装置は、列車の速度を計測する速度検出器として、超音波ドップラ速度計を用いることで、上記(14)項と同様の作用を奏するものである。
(17)上記(16)項において、前記データベースと前記制御装置とを地上側に設置し、前記ブレーキ力の指標として、運転士が瞬間的に認識できるブレーキ力の過不足情報を、運転士が列車を前記定停止位置に停車させるブレーキ力調整が可能なタイミングで、リアルタイムに更新して表示する定位置停車支援方法(請求項10)。
(19)上記(18)項において、前記データベースには、経過時間と移動距離とを含む列車の制動パターンを、所定の減速度毎にデータ化した減速度パターンデータを蓄積し、前記ブレーキ力の指標を、前記減速度算出手段が算出した減速度を保持したまま列車が進行した場合の制動パターンと、前記減速度パターンデータとを比較した結果から、ブレーキ力適正状態と、ブレーキ力不足状態と、ブレーキ力過剰状態とのうち、いずれか1つの状態を示すように、前記速度検出器で列車の速度計測を開始してから、前記残距離が所定の長さになるまで繰返し表示させ、前記残距離が前記所定の長さになると、前記ブレーキ力表示器への前記ブレーキ力の指標の表示から、前記残距離表示器への前記残距離の表示に切り替える定位置停車支援装置。
そして、上記(16)から(20)項に記載の定位置停車支援方法は、上記の内容を実行することにより、各々、上記(1)から(4)項、及び(10)項の定位置停車支援装置に対応する作用を奏するものとなる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る定位置停車支援装置10を概略的に示している。図示のように、定位置停車支援装置10は、速度検出器12、ブレーキ力表示器14、残距離表示器16を有しており、各々プラットホーム52上に設置されている。速度検出器12は、プラットホーム52に入線する列車50の速度を計測するために、プラットホーム52上の列車50入線側(図中右側)端部に設置されている。又、ブレーキ力表示器14は、列車50の運転士がブレーキ操作中に視認できるように、プラットホーム52上の長手方向中間位置よりも、定停止位置54側に設置されている。そして、残距離表示器16は、列車50の運転士が列車50を停車させる間際まで視認できるように、プラットホーム52上の定停止位置54近傍に設置されている。更に、定位置停車支援装置10は、装置全体の制御を行う制御装置18を有している。なお、図1において、制御装置18と、定位置停車支援装置10の他の構成要素とを結んでいる線は、制御装置18と他の構成要素との間で、有線又は無線による通信が確立されていることをイメージしたものである。
又、制御装置18は、上述したように、定位置停車支援装置10全体の制御や、各種計算を行う必要があるため、例えば、定位置停車支援装置10の他の構成要素と通信が確立されている、演算処理装置を有するコンピュータ等を利用する。
データベース20は、例えば、上述したようなデータを蓄積可能な記憶容量を有する記憶装置等に構築される。或いは、制御装置18が十分な記憶容量を有している場合には、制御装置18内に構築することとしてもよい。
S10:処理動作開始。速度検出器12が列車50を検知するまで待機状態となる。
S15:速度検出器12が、プラットホーム52に入線した列車50を検知し、列車50の速度計測を開始する(図5(a)の状態)。なお、速度検出器12を、プラットホーム52より列車50進行方向手前側の線路56端に設置し、列車50がプラットホーム52に入線する前に速度計測を開始してもよい。
S25:制御装置18のブレーキ力算出手段24(図2参照)が、上記20で減速度算出手段22が算出した列車50の減速度と、データベース20の減速度パターンデータとを比較し、データベース20に蓄積されている減速度パターンデータから、列車50の減速度に近い減速度のパターンデータを探し出す。そして、その減速度パターンデータを利用して、上記20で算出した減速度を維持した状態で、列車50が進行した場合の予測停車位置を算出する。
S35:ブレーキ力算出手段24が、上記S20で残距離算出手段26が算出した残距離に対して、上記20で減速度算出手段22が算出した列車50の減速度が、適正範囲より小さいか否かの判定を行う。すなわち、上記S25で算出した列車50の予測停車位置が、定停止位置54の適正範囲を、列車50進行方向(図5(a)左側方向)に過ぎているか否かの判定を行う。そして、適正範囲を過ぎていると判定された場合(Yes)は、S45へ移行し、適正範囲を過ぎていない、すなわち、適正範囲よりも列車50進行方向手前側(図5(a)右側)であると判定された場合(No)は、S50へ移行する。
S45:上記S35で、列車50の予測停車位置が、定停止位置54の適正範囲を過ぎていると判定された場合、制御装置18は、ブレーキ力表示器14に、ブレーキ力の指標として、現在のブレーキ力が不足している旨の表示をさせる。例えば、図7(b)に示すように、ブレーキ力表示器14に「×」を表示させる。このブレーキ力の指標は、上記S40で記述したタイミングと同様のタイミングで表示される。
S50:上記S35で、列車50の予測停車位置が、定停止位置54の適正範囲よりも手前側であると判定された場合、制御装置18は、ブレーキ力表示器14に、ブレーキ力の指標として、現在のブレーキ力が過剰である旨の表示をさせる。例えば、図7(c)に示すように、ブレーキ力表示器14に「◎」を表示させる。このブレーキ力の指標は、上記S40で記述したタイミングと同様のタイミングで表示される。
S60:制御装置18は、残距離算出手段26が算出した定停止位置54までの残距離が、所定値T(図6(d)参照)よりも短いか否かの判定を行う。この所定値Tの値は任意に設定できるが、例えば、列車50の1両分の長さを目安に設定してもよい。そして、残距離が所定値Tよりも短いと判定された場合(Yes)は、S65へ移行し、残距離が所定値Tよりも長いと判定された場合(No)は、S20へ復帰する。すなわち、残距離が所定値Tになるまで、上記S20から本処理動作までの処理動作を繰返し行い、ブレーキ力表示器14に表示するブレーキ力の指標の表示内容を、上記S20でリアルタイムに計測する列車50の速度を反映した最新の表示内容に更新しながら、繰返し表示する。
S70:制御装置18は、残距離算出手段26が算出する残距離がゼロであるか否かの判定を行う。そして、残距離がゼロであると判定された場合(Yes)は、S75へ移行し、残距離がゼロではないと判定された場合(No)は、再度この判定を繰り返す。すなわち、残距離がゼロになるまで、表示内容を更新しながら、残距離表示器16へ残距離を表示させる。
S75:上記S70で、残距離がゼロであると判定された場合、列車50が定停止位置54に停車したと判断し、一連の処理動作を終了する(図6(e)の状態)。
図8〜図10のグラフは、列車50の先頭部から定停止位置54までの残距離D(m)を横軸に、列車50の速度V(km/h)を縦軸に示している。残距離Dの値は、定停止位置54の位置を0mとして、マイナスの値が定停止位置54よりも列車進行方向手前側(図1で右側)である場合を示し、プラスの値が定停止位置54を列車進行方向(図1で左側方向)に超えた場合を示している。そして、各グラフには、列車50の動作シミュレーションデータをsim、データベース20に蓄積されている1つ目の比較データをdt1、2つ目の比較データをdt2として、夫々をプロットしている。又、列車50の動作シミュレーションは、列車50が8両編成で1両の長さが20m、速度検出器12から定停止位置54までの距離が180m、速度検出器12が列車50の速度計測を開始した時点での、列車50の速度が約65km/h、減速度が約3.0km/h/s、という前提条件でシミュレーションを行っている。なお、図8〜図10に示す例では、定位置停車支援装置10は、残距離表示器16の表示を開始する位置を、残距離Dが列車50の1両分の長さとなる位置、すなわち、残距離Dが−20mの位置とする。
図9に示すように進行する列車50(sim)に対して、制御装置18のブレーキ力算出手段24は、データベース20から選択した減速度3.5km/h/sのパターンデータ(dt1)と、減速度3.0km/h/sのパターンデータ(dt2)とを利用して、列車50の予測停車位置を、定停止位置54の約10m手前の位置になると算出する(図4のS25)。このため、列車50の予測停車位置が、定停止位置54の適正範囲内ではなく(図4のS30)、定停止位置54の適正範囲よりも手前であると判定し(図4のS35)、ブレーキ力表示器14にブレーキ力過剰の旨を表示する(図4のS50)ことで、運転士にブレーキ力調整のガイドを行う。この2回目のガイドを行った位置をG2として、図9及び図10に表示している。そして、制御装置18は、この時点で残距離Dが−20mではないため、ブレーキ力表示器14への表示と表示内容の更新を続ける(図4のS60)。
図10に示すように進行する列車50(sim)に対して、制御装置18のブレーキ力算出手段24は、データベース20から選択した減速度3.5km/h/sのパターンデータ(dt1)と、減速度3.0km/h/sのパターンデータ(dt2)とを利用して、列車50の予測停車位置を、定停止位置54と略同じ位置になると算出する(図4のS25)。このため、列車50の予測停車位置が、定停止位置54の適正範囲内であると判定し(図4のS30)、ブレーキ力表示器14にブレーキ力適正の旨を表示する(図4のS40)ことで、運転士に現在のブレーキ力が適正であるとガイドする。この3回目のガイドを行った位置をG3として、図10に表示している。そして、制御装置18は、残距離Dが−20mになると、残距離表示器16への残距離Dの表示を開始し(図4のS65)、列車50が定停止位置54近傍に停車するまで、残距離Dの表示と表示内容の更新を行うことで、列車50の運転士にガイドを続ける(図4のS70、S75)。
更に、本発明の第1の実施の形態に係る定位置停車支援装置10は、列車50の運転士に対して表示するブレーキ力の指標として、ブレーキ力の過不足情報を、運転士が列車50を定停止位置54に停車させるブレーキ力調整が可能なタイミングで、かつ、運転士が瞬間的に認識可能な表示内容で表示するものである。これにより、列車50の運転士が、ブレーキ力表示器14に表示されるブレーキ力の過不足情報を瞬間的に把握し、ブレーキ力の過不足を是正するようなブレーキ力の調整を、列車50を定停止位置54に停車させることが可能なタイミングで行うことができる。更に、ブレーキ力の指標は、リアルタイムに更新されて表示される。このため、列車50の運転士がブレーキ力の調整を行い、列車50の減速度に変化があるような場合にも、ブレーキ力調整後の減速度から算出した、適切なブレーキ力の指標が表示されることになる。従って、列車50の運転士に対して、ブレーキ力の調整に必要な情報を、列車50の現在の状況に応じて正確に提供することができるため、運転士による列車50の定位置停車を支援すること可能となる。
又、列車50の速度を計測する速度検出器12を、列車50進行方向手前側のプラットホーム52間際の線路56端に設置することとすれば、他の線路56端と比較して、線路56に近づく方向への装置の設置可能範囲が緩和されている場所に設置することになる。このため、線路56を通る列車50により近い位置に設置することができ、列車50の速度計測を、プラットホーム52手前の位置から正確に行うことが可能となる。
又、プラットホーム52がカーブしている場合や、プラットホーム52の長手方向の長さが長い場合等で、ブレーキ力表示器14が1箇所に設置されているだけでは、列車50の運転士がブレーキ力の指標を視認し難い場合には、同じ表示内容を表示する複数のブレーキ力表示器14を、地上側に設置することとしてもよい。こうすることにより、列車50の運転士は、より確実に、ブレーキ力の指標を視認することができる。
更に、残距離表示器16を、地上側の定停止位置54近傍に設置することとすれば、列車50の運転士に対して、列車50が定停止位置54の間際に到達するまで、残距離表示器16から残距離の表示を行うものとなる。これにより、より細かいブレーキ力の調整が必要となる定停止位置54の間際でも、ブレーキ力の微調整を促すこととなるため、運転士による列車50の定停止位置54への停車を、より正確に支援することができる。
又、データベース20に蓄積されているデータを、列車50の形式及び編成毎に分けて、別々のデータとして蓄積させてもよい。こうすることで、制御装置18のブレーキ力算出手段24がブレーキ力の指標を算出する際に、現在計測している列車50に応じて、データベース20から適切なデータを選んで使用することができる。このため、列車50の形式や編成に合わせて、適切にブレーキ力の指標を算出することが可能となる。
Claims (12)
- 列車の定停止位置での停車を支援する定位置停車支援装置であって、
地上側から列車の速度を計測する速度検出器と、列車の運転士に対してブレーキ力の指標を表示するブレーキ力表示器と、前記ブレーキ力の指標を算出するためのデータが蓄積されているデータベースと、装置全体の制御を行う制御装置とを含み、
該制御装置は、列車の減速度を算出する減速度算出手段と、列車の先頭から前記定停止位置までの残距離を算出する残距離算出手段と、前記データ、前記列車の減速度、及び前記残距離をもとに前記ブレーキ力の指標を算出するブレーキ力算出手段とを備えることを特徴とする定位置停車支援装置。 - 前記データベースと前記制御装置とは地上側に設置され、
前記ブレーキ力の指標は、運転士が列車を前記定停止位置に停車させるブレーキ力調整が可能なタイミングで、かつ、運転士が瞬間的に認識可能な表示内容で、リアルタイムに更新されて表示されるブレーキ力の過不足情報であることを特徴とする請求項1記載の定位置停車支援装置。 - 前記残距離を表示する残距離表示器を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の定位置停車支援装置。
- 前記速度検出器は、プラットホームの列車進入側端部に設置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の定位置停車支援装置。
- 前記ブレーキ力表示器は、地上側に設置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の定位置停車支援装置。
- 前記残距離表示器は、地上側の前記定停止位置近傍に設置されることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項記載の定位置停車支援装置。
- 前記ブレーキ力表示器と前記残距離表示器との一方又は双方は、列車に持ち込み可能な通信端末であることを特徴とする請求項3又は4記載の定位置停車支援装置。
- 前記速度検出器より列車進行方向手前側に設置され、列車の速度を計測する補助速度検出器を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の定位置停車支援装置。
- 地上側から列車の速度を計測する速度検出器と、列車の運転士に対してブレーキ力の指標を表示するブレーキ力表示器と、前記ブレーキ力の指標を算出するためのデータが蓄積されているデータベースと、装置全体の制御を行う制御装置とを用いる列車の定位置停車支援方法であって、
前記速度検出器により算出される列車の減速度及び列車の先頭から定停止位置までの残距離と、前記データベースに蓄積されているデータとを利用して、前記ブレーキ力の指標を算出し、ブレーキ力の調整操作を促すための前記ブレーキ力の指標を前記ブレーキ力表示器に表示させることを特徴とする定位置停車支援方法。 - 前記データベースと前記制御装置とを地上側に設置し、
前記ブレーキ力の指標として、運転士が瞬間的に認識できるブレーキ力の過不足情報を、運転士が列車を前記定停止位置に停車させるブレーキ力調整が可能なタイミングで、リアルタイムに更新して表示することを特徴とする請求項9記載の定位置停車支援方法。 - 残距離表示器を用いて、列車の運転士に対して前記残距離を表示することを特徴とする請求項9又は10記載の定位置停車支援方法。
- 前記速度検出器より列車進行方向手前側に設置され、列車の速度を計測する補助速度検出器を用い、
列車の減速度と、前記ブレーキ力の指標と、前記残距離との算出に、前記補助速度検出器が計測したデータを利用することを特徴とする請求項9から11のいずれか1項記載の定位置停車支援方法。
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