JP2013201295A - 有機薄膜トランジスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】電界効果移動度の高い有機薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】 ゲート電極と、ゲート絶縁層と、ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、を備える有機薄膜トランジスタであって、
前記ゲート絶縁層および/または前記有機半導体層に捕獲された対極キャリアを有し、かつ、前記捕獲された対極キャリアと極性の異なる動作キャリアにより駆動することを特徴とする、有機薄膜トランジスタ。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子タグおよび液晶表示素子等のデバイスに利用可能な有機薄膜トランジスタに関する。
半導体薄膜を備える半導体素子としては、有機半導体材料からなる有機半導体層を有機薄膜として備える有機薄膜トランジスタが注目されている。有機薄膜トランジスタは、その製造において、有機半導体材料を含む溶液を用いた塗布法によって、有機薄膜を容易に形成することが可能であるため、有機薄膜トランジスタを用いた大面積のデバイスを安価に生産できるという利点がある。
有機薄膜トランジスタにおいては、電界効果移動度が高いほど、多くの電流を流すことができ、また、調節可能な電流量の幅を広くできる等、優れた特性が得られる。そのため、有機薄膜トランジスタの電界効果移動度を向上させる検討が盛んに行われている。
特開2008−235517号公報 特開2008−18709号公報
アプライド フィジックス レターズ(APPLIED PHYSICS LETTERS)、2007年、第91巻、243512頁 ジャーナル オブ アプライド フィジックス(JOURNAL OF APPOLIED PHYSICS、2009年、第105巻、024516頁)
しかしながら、従来の有機半導体材料のキャリア移動度は必ずしも十分ではなかったために、有機薄膜トランジスタの電界効果移動度は十分ではなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、電界効果移動度の高い有機薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らは、有機薄膜トランジスタ内に捕獲される電荷に着目して検討を行った。その結果、有機薄膜トランジスタを駆動する前に、駆動に用いる電荷と極性の異なる電荷を有機薄膜トランジスタ内に捕獲させることにより、有機薄膜トランジスタの電界効果移動度を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに到った。すなわち、本発明は以下の有機薄膜トランジスタを提供する。なお、本明細書において、駆動に用いる電荷を「動作キャリア」と呼び、駆動に用いる電荷と極性の異なる捕獲された電荷を「捕獲された対極キャリア」と呼ぶ。
[1] ゲート電極と、ゲート絶縁層と、ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、を備える有機薄膜トランジスタであって、
前記ゲート絶縁層および/または前記有機半導体層に捕獲された対極キャリアを有し、かつ、前記捕獲された対極キャリアと極性の異なる動作キャリアにより駆動することを特徴とする、有機薄膜トランジスタ。
[2] 前記ゲート電極の電位および前記ソース電極の電位を同電位とし、前記ドレイン電極の電位を、前記ゲート電極の電位および前記ソース電極の電位と異なる電位とすることで、
前記捕獲された対極キャリアを発生させることを特徴とする、[1]に記載の有機薄膜トランジスタ。
[3] 前記ゲート電極の電位に対する、前記ソース電極の電位および前記ドレイン電極の電位の極性を同じとすることで、
前記捕獲された対極キャリアを発生させることを特徴とする、[1]に記載の有機薄膜トランジスタ。
[4] 前記ソース電極の電位と前記ドレイン電極の電位が異なる電位とすることを特徴とする、[3]に記載の有機薄膜トランジスタ。
[5] 前記ゲート絶縁層内にフローティングゲート電極を更に備え(但し、フローティングゲート電極は、前記有機半導体層の厚み方向において、前記ソース電極と重ならない領域に備えられる。)、
前記ゲート電極の電位および前記ソース電極の電位を同電位とし、前記ドレイン電極の電位を、前記ゲート電極の電位および前記ソース電極の電位と異なる電位とすることで、
前記捕獲された対極キャリアをフローティングゲート電極に発生させることを特徴とする、[1]に記載の有機薄膜トランジスタ。
[6] 前記ゲート絶縁層を構成するゲート絶縁膜材料が電荷を捕獲する機能を有する官能基を有し、
前記ゲート電極の電位および前記ソース電極の電位を同電位とし、前記ドレイン電極の電位を、前記ゲート電極の電位および前記ソース電極の電位と異なる電位とすることで、
前記捕獲された対極キャリアを前記官能基に発生させることを特徴とする、[1]に記載の有機薄膜トランジスタ。
[7] 前記捕獲された対極キャリアが、前記有機半導体層の厚み方向において、前記ソース電極と重ならない領域に存在することを特徴とする、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の有機薄膜トランジスタ。
[8] 前記有機半導体層が、共役系高分子化合物を含むことを特徴とする、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の有機薄膜トランジスタ。
[9] 前記共役系高分子化合物が、式(1)で表される構造単位を有することを特徴とする、[8]に記載の有機薄膜トランジスタ。
Figure 2013201295
(式中、
ArおよびArは、それぞれ独立に、3価の芳香族炭化水素基または3価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
は、−O−、−S−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(R50)(R51)−、−Si(R52)(R53)−、−N(R54)−、−B(R55)−、−P(R56)−又は−P(=O)(R57)−を表す。R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56及びR57は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、カルボキシル基又はシアノ基を表す。)
[10] 前記共役系高分子化合物が、式(2)で表される構造単位を有することを特徴とする、[8]または[9]に記載の有機薄膜トランジスタ。
Figure 2013201295
(式中、
ArおよびArは、それぞれ独立に、3価の芳香族炭化水素基または3価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
及びXは、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(R50)(R51)−、−Si(R52)(R53)−、−N(R54)−、−B(R55)−、−P(R56)−又は−P(=O)(R57)−を表す。R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56及びR57は、前記と同じ意味を表す。)
本発明によれば、電界効果移動度が高い有機薄膜トランジスタを提供することができる。本発明はまた、かかる有機薄膜トランジスタを備える有機エレクトロルミネッセンス素子、電子タグおよび液晶表示素子を提供することができる。
第1実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第2実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第3実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第4実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第5実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第6実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第7実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第8実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素には同一の符号を付すこととし、重複する説明については省略する。
<有機薄膜トランジスタ>
本発明の有機薄膜トランジスタは、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、を備える有機薄膜トランジスタであって、前記ゲート絶縁層および/または前記有機半導体層に捕獲された対極キャリアを有し、かつ、前記捕獲された対極キャリアと極性の異なる動作キャリアにより駆動することを特徴とする。
本発明の有機薄膜トランジスタとしては、電界効果型有機薄膜トランジスタが好ましい。電界効果型有機薄膜トランジスタは、ソース電極およびドレイン電極、これらの間の電流経路となる有機半導体層、電流経路を通る電流量を制御するゲート電極、並びに、有機半導体層とゲート電極との間に配置される絶縁層を備える。ソース電極およびドレイン電極は、有機半導体層に接して設けられており、かつ、有機半導体層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられていることが特に好ましい。
以下、本発明の有機薄膜トランジスタの代表例である電界効果型有機薄膜トランジスタについて、図面を参照しつつ、具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。該電界効果型有機薄膜トランジスタは、電界効果型有機薄膜トランジスタの中でも一般的な構造を有する。
図1の電界効果型有機薄膜トランジスタは、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、絶縁層3上に形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5の少なくとも一部およびドレイン電極6の少なくとも一部を覆うようにして形成された有機半導体材料を含む有機半導体層2とを備える。
電界効果型有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層2は、ソース電極5とドレイン電極6との間の電流通路(チャネル)となる。ゲート電極4は、電圧を印加することにより有機半導体層2における電流経路(チャネル)を通る電流量を制御する。電界効果型有機薄膜トランジスタの有機半導体層2には、ドーピングしていない真性半導体を用いる。従って、電界効果型有機薄膜トランジスタには、用いる有機半導体材料、絶縁層、電極等の組み合わせや、デバイス構造等によって、ゲート電極4に負の電圧を印加すると、有機半導体層2の絶縁層3との界面近傍にソース電極から注入された正孔が蓄積され、電流が流れるp型トランジスタと、ゲート電極4に正の電圧を印加すると、有機半導体層2の絶縁層3との界面近傍にソース電極から注入された電子が蓄積され、電流が流れるn型トランジスタが存在する。p型トランジスタにおける正孔が動作キャリアに該当し、およびn型トランジスタにおける電子が動作キャリアに該当する。
ここで有機薄膜トランジスタに用いる有機半導体層、電極、絶縁層を適切に選択したり、有機薄膜トランジスタの構造を工夫したり、有機薄膜トランジスタに備えられた電極間に大きな電位差を設けたりした場合には、動作キャリアと極性の異なるキャリアを注入することができる。本明細書において、動作キャリアと極性の異なるキャリアを対極キャリアと定義する。
対極キャリアを注入可能な有機薄膜トランジスタには、p型トランジスタとしてもn型トランジスタとしても動作する両極性トランジスタと呼ばれる有機薄膜トランジスタも含まれる。両極性トランジスタの場合は、正孔、電子共に動作キャリアに成り得るが、p型トランジスタとして駆動する場合には正孔を動作キャリアと定義し、n型トランジスタとして駆動する場合には電子を動作キャリアと定義する。
有機薄膜トランジスタ内に注入された対極キャリアは、有機薄膜トランジスタ内に捕獲される場合がある。対極キャリアが捕獲されている間、電気的中性状態を保つために、対極キャリアが捕獲されていない場合に比べて動作キャリアが余分に有機薄膜トランジスタ内に誘起される。そのため、対極キャリアが存在しない場合に比べて有機薄膜トランジスタ内に存在する動作キャリア密度が大きくなり、結果として有機薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の間に流れる電流密度が向上し、電界効果移動度を高める効果が得られる。
捕獲される対極キャリアの密度が大きいほど、誘起される動作キャリア密度が多くなり、電界効果移動度が高まるため好ましい。
オフ電流を十分に低くする観点や、繰り返し動作させても安定な特性を得る観点から、動作キャリアによってトランジスタを駆動させる電圧域においては、対極キャリアが注入したり、捕獲された対極キャリアが素子外へ放出されたり、他の位置に移動したりしないことが望ましい。
捕獲された対極キャリアは、ある一定の時間が経過すると離脱される。対極キャリアが捕獲されてから離脱するまでの時間は、捕獲される領域や捕獲される領域のエネルギー準位などに依存する。対極キャリアが離脱した場合には再度対極キャリアを注入し、捕獲させる動作を行えば、離脱する前の特性が得られる。従って、対極キャリアが捕獲されてから離脱するまでの時間が長いほど、長時間にわたって特性の変化が起こらないので、対極キャリアを注入する回数が少なくなり、好ましい。
温度が高いほど、捕獲された対極キャリアは離脱しやすい。従って、本発明のトランジスタには放熱板などの放熱器や、冷却装置が取り付けられていると、長時間に渡って本発明の効果が得られ、好ましい。
対極キャリアは有機薄膜トランジスタに備えられた電極のうち少なくとも一つを、他の電極のうちの少なくとも一つと異なる電位とすることにより、前記ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極からなる群から選ばれる少なくとも1つの電極から注入することができる。さらに、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極とは異なる新しい電極を設け、新しい電極から対極キャリアを注入することもできる。
有機半導体層の厚み方向において、ソース電極と重なる領域に対極キャリアを捕獲させると、閾値電圧が変化する可能性があるため、本発明の有機薄膜トランジスタは、有機半導体層の厚み方向において、ソース電極と重ならない領域に対極キャリアを捕獲させることが好ましい。さらに、対極キャリアを捕獲させる領域は、有機半導体層の厚み方向において、ソース電極と接する領域からチャネル長の20%以上の長さで離れていることが好ましく、チャネル長の50%以上の長さで離れていることがより好ましい。
有機半導体層の厚み方向において、ソース電極と重ならない領域に対極キャリアを捕獲させるためには、ソース電極およびゲート電極の電位を同電位とすることが好ましい。
有機半導体層の厚み方向において、ドレイン電極と接する領域に対極キャリアを捕獲させた場合には、動作キャリアがドレイン電極近傍に誘起されるために、飽和領域におけるドレイン電極近傍のピンチオフが起こりにくくなり、ソース電極とドレイン電極の間に流れる電流密度や電界効果移動度をさらに向上させることができるため、好ましい。
ドレイン電極から対極キャリアを注入した場合、ゲート電極やソース電極から注入した場合に比べて、対極キャリアがドレイン電極近傍の領域に捕獲されやすく、かつ、ドレイン電極近傍以外の領域に捕獲されにくいため好ましい。ドレイン電極近傍に対極キャリアを捕獲させるためには、ゲート電極の電位およびソース電極の電位を同電位とし、ドレイン電極の電位を、ゲート電極の電位およびソース電極の電位と異なる電位とすることにより、ドレイン電極から対極キャリアを注入することができる。
対極キャリアをドレイン電極から注入させる場合、動作キャリアがソース電極から同時に有機薄膜トランジスタ内に注入されてしまうと、再結合によって対極キャリアが消滅してしまうために、効率よく対極キャリアを捕獲させることができないことがある。有機薄膜トランジスタに用いる材料や、構造、周辺の環境等によっては、ゲート電極の電位およびソース電極の電位を同電位にした状態でも、動作キャリアがソース電極から注入されてしまう場合がある。そのような場合には、ゲート電極の電位に対するソース電極の電位およびドレイン電極の電位の極性と同じとすることによって、動作キャリアの注入を防ぐことができる。
上記のゲート電極の電位に対して、ソース電極の電位およびドレイン電極の電位の極性を同じとする場合において、ゲート電極の電位とソース電極の電位の電位差が大きい場合には、ソース電極から対極キャリアが注入し、有機半導体層の厚み方向において、ソース電極と重なる領域に対極キャリアが捕獲されてしまい、閾値電圧が変化してしまうことがある。従って、ゲート電極の電位とソース電極の電位の電位差は、ゲート電極の電位とドレイン電極の電位の電位差よりも小さいことが好ましい。
対極キャリアの捕獲領域は、ゲート絶縁層および/または有機半導体層(なお、ゲート絶縁層と有機半導体層の界面も含まれる。)であるが、ゲート絶縁層と有機半導体層の界面であるか、または、ゲート絶縁層であると、ゲート絶縁層に存在する官能基を制御することによって、対極キャリアの捕獲量や対極キャリアの捕獲領域等を制御できるため好ましい。
例えば、ヒドロキシル基等の極性基は電荷を捕獲する官能基として働き、アルキル基やアリール基等は電荷を捕獲しにくい官能基として働くため、これらの官能基を選択的に形成することで、対極キャリアの捕獲領域を制御したり、官能基の密度を制御することで対極キャリアの捕獲量を制御したりすることができる。
上記の電荷を捕獲する官能基を利用するためにはは、簡便なプロセスで実施できるため単分子膜を形成する化合物を用いることが好ましい。例えば、単分子膜を形成する化合物を有機溶媒等に溶かした溶液により、ゲート絶縁層を構成するゲート絶縁膜材料を浸漬処理しゲート絶縁層表面に所望の官能基を有する単分子膜を形成する方法や、印刷法によって単分子膜を形成する化合物を有機溶媒等に溶かした溶液を塗布することによって所望の官能基を有する単分子膜を形成する方法を用いることができる。また、気相反応によって、所望の官能基を有する単分子膜をゲート絶縁層表面に形成することもできる。
単分子膜は、例えば、有機シラン化合物やホスフォン酸などのヒドロキシル基と結合する基を有する分子を、ヒドロキシル基を有する絶縁膜の上に結合させることにより形成することができる。
有機シラン化合物としては、ハロゲン化有機シランやアルコキシ有機シランなどがある。官能基の密度を高める場合には、ヒドロキシル基と結合する基が三つあるトリハロゲン化有機シランやトリアルコキシ有機シランを使うと、より高密度に集積した有機シラン単分子膜を形成することができる。ヒドロキシル基を有する絶縁膜としては、シリコンや各種金属の酸化膜を用いることができる。またポリビニルフェノールのようなヒドロキシル基を有する有機絶縁膜や、シルセスキオキサンのようなヒドロキシル基を有する有機・無機複合材料も用いることができる。
電荷を捕獲しやすい官能基としては、ヒドロキシル基、シアノ基、カルボニル基、フェノール基、アミノ基(置換または非置換のいずれでもよい)、ニトロ基などの極性基が挙げられる。電荷を捕獲しにくい官能基としては、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アセチル基、ビニル基、ペンタフルオロフェニル基などの非極性基が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。なお、短鎖アルキル基等を表面官能基として有する表面自由エネルギーの高い単分子膜は、電荷を捕獲しにくい非極性基を有していても、例えば、上層に形成される有機半導体層の結晶化を阻害して、電荷を捕獲する場合がある。
官能基の形成は、印刷法によって所望の官能基を有する化合物を含む溶液を選択的に塗布することにより可能である。また、全面に官能基を形成したのちに、不必要な部分に紫外光やレーザーなどを照射し、形成した官能基を除去することによってもパターニングが可能である。
印刷法によって所望の官能基を有する化合物を含む溶液を選択的に塗布する場合、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、マイクロコンタクト印刷法、グラビア・オフセット印刷法等を用いることが好ましい。
官能基の密度は、浸漬処理や印刷に用いる溶液や、気相反応に用いる気相の濃度や量、処理時間を変えることによっても、調節することが可能である。
単分子膜を形成する方法のほかに、表面官能基をゲート絶縁層に選択的に設ける方法として、例えば、感光性の絶縁材料をゲート絶縁層を構成するゲート絶縁膜材料(特定の光に反応して表面官能基が変化するゲート絶縁膜材料)に用い、対極キャリアを捕獲させる領域に、ゲート絶縁膜材料が反応する光を照射することによって、表面官能基を選択的に設けることが可能である。
ゲート絶縁層を形成する塗布液を選択的に塗り分けて、対極キャリアを捕獲させる領域を制御してもよい。例えば対極キャリアを捕獲しやすい絶縁層材料を含む塗布液と、対極キャリアを捕獲しにくい絶縁層材料を含む塗布液を、それぞれ塗り分けることによって、選択的に対極キャリアを捕獲させる領域を形成することができる。ゲート絶縁層の塗り分けには、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、マイクロコンタクト印刷法、グラビア・オフセット印刷法等を用いることができる。またフォトリソグラフィーによって異なるゲート絶縁膜材料からなるゲート絶縁層を設けてもよい。複数のゲート絶縁層を設けた場合には、それらのゲート絶縁層の表面が滑らかに接続されていると、キャリア輸送性を妨げることがなく好ましい。
ゲート絶縁層内の、対極キャリアを捕獲させたい領域に、第2のゲート電極を設けることによっても対極キャリアを捕獲することができる。ゲート絶縁層内の第2のゲート電極はフローティングゲート電極と呼ばれ、フローティングゲート電極を有する有機薄膜トランジスタは、フローティングゲート有機薄膜トランジスタと呼ばれ、不揮発性メモリなどに利用されている。通常、フローティングゲート電極は、有機半導体層の厚み方向において、チャネルと重なる領域に配置され、フローティングゲート電極に対極キャリアを注入することによって、有機薄膜トランジスタのチャネル部全体に動作キャリアを誘起し、トランジスタ素子の閾値電圧を制御する。このフローティングゲート電極を選択的に形成することによって、本発明の対極キャリアを捕獲させる領域としての役割を果たすことができる。
対極キャリアを捕獲させるためのフローティングゲート電極を設けた場合には、対極キャリアを捕獲させる領域を、ゲート電極の位置によって精密に制御できるため好ましい。
対極キャリアを捕獲させるためのフローティングゲート電極は、有機半導体層の厚み方向において、ソース電極と重ならない領域に形成すると、閾値電圧が変化しにくくなるため好ましい。さらに、フローティングゲート電極を形成する領域は、有機半導体層の厚み方向において、ソース電極と接する領域からチャネル長の20%以上の長さで離れていることが好ましく、チャネル長の50%以上の長さで離れていることが特に好ましい。
対極キャリアを捕獲させるためのフローティングゲート電極は、有機半導体層の厚み方向において、ドレイン電極に接する領域に形成すると、ピンチオフを起こしにくくさせ、高い電流密度や高い電界効果移動度が得られるため、好ましい。
対極キャリアを捕獲させるためのフローティングゲート電極を設けた場合には、周囲がゲート絶縁層を構成するゲート絶縁膜材料に囲まれているため、対極キャリアが離脱にしく、長時間にわたって本発明の効果が持続するため、好ましい。
対極キャリアを捕獲させるためのフローティングゲート電極を設けた場合には、ゲート絶縁層を介して注入することになるため、ゲート絶縁層が薄いほど注入しやすく好ましい。
フローティングゲート電極には、有機薄膜トランジスタに備えられた電極のうち少なくとも一つの電極の電位を他の電極のうちの少なくとも一つの電極の電位と異なる電位とすることにより、前記ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極から選ばれる少なくとも一つの電極からゲート絶縁層を介して対極キャリアを注入することができる。フローティングゲート電極に最も近い位置に設置されている電極から注入することが好ましい。
フローティングゲート電極を設けたゲート絶縁層には、例えば、ボトムゲート構造の有機薄膜トランジスタの場合には、ゲート電極やフローティングゲート電極の表面に形成した酸化膜を用いれば、対極キャリアが容易に注入できる厚みと、動作キャリアに対する良好な絶縁性を両立することができるため好ましい。さらに、酸化膜を用いたゲート絶縁層の絶縁性を高めたり、ゲート絶縁層の表面自由エネルギーを制御しゲート絶縁層の上層を形成しやすくしたり、ゲート絶縁層の上部に形成する有機半導体の結晶性を高める観点から、酸化膜上に、さらに前述の単分子膜を形成するとより好ましい。
ゲート電極やフローティングゲート電極を酸化させて絶縁層を形成する場合、電極として高濃度にドープされたシリコンや、アルミニウムなどを形成し、酸素プラズマ処理や熱処理によって酸化する方法が利用できる。特にアルミニウムを電極として利用すれば、マスク蒸着などによって選択的にゲート電極やフローティングゲート電極を形成することができ、好ましい。
有機薄膜トランジスタに備えられる電極としては、低抵抗の材料から構成されることが好ましく、例えば、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、カルシウム、フッ化リチウム、バリウム、チタンなどから構成されることが特に好ましい。これらの材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
ソース電極から動作キャリアを、ドレイン電極から対極キャリアを注入する場合において、ソース電極とドレイン電極に同じ材料を用いれば、プロセスが簡便になり好ましい。
正孔を有機半導体層に注入しやすい電極としては、例えば、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデンから構成されることが特に好ましい。
電子を有機半導体層に注入しやすい電極材料としては、例えば、金、銀、銅、カルシウム、フッ化リチウム、バリウム、チタン、アルミニウムなどから構成されることが特に好ましい。
上述の電極から対極キャリアを注入させる方法と異なる方法としては、例えば、光による有機半導体層を構成する有機半導体材料の励起により対極キャリアを発生させて、有機薄膜トランジスタ内に対極キャリアを捕獲させることもできる。光の強度、照射する位置、さらには照射時における電極の電位を制御することによって、任意の位置に対極キャリアを捕獲させることが可能となる。この際に用いる光の波長や強度は、有機薄膜トランジスタ内の構成部位を劣化させないようなものであると好ましい。
上記の光による対極キャリアを捕獲させる場合において、太陽光や、室内光、本発明の有機薄膜トランジスタを備えるデバイス内で発生する光で対極キャリアの発生および捕獲が可能であり、有機半導体層がそれらの光に照射される条件で有機薄膜トランジスタが使用される場合には、対極キャリアを捕獲させる動作が不要になる場合があり、好ましい。
有機半導体層に用いられる有機半導体材料について説明する。
有機半導体層に用いられる有機半導体材料は、キャリア輸送性を有している。ここで、キャリア輸送性とは、薄膜等の構造体を形成した場合に、キャリア(電子およびホールを意味する。)を当該構造体内で移動させることができる特性である。有機半導体材料の一態様であるキャリア輸送性有機半導体化合物は、このようなキャリア輸送性を発現し得る構造や電子状態を有する有機化合物である。
キャリア輸送性有機半導体化合物としては、キャリア輸送性高分子化合物およびキャリア輸送性低分子化合物が挙げられ、キャリア輸送性高分子化合物が好ましい。
次に、有機半導体層に用いられるキャリア輸送性低分子化合物について説明する。
好適なキャリア輸送性低分子化合物としては、π共役構造を有する低分子化合物(例えば、多環芳香族化合物)が挙げられる。π共役構造を有する低分子化合物としては、例えば、後述するキャリア輸送性高分子化合物が有する構造を含み、ポリスチレン換算の数平均分子量が2000未満である化合物が挙げられる。
多環芳香族化合物としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペンタセン、ベンゾペンタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、ナフトペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ナノアセン、フルオレン、フルオランテン、フェナントレン、クリセン、トリフェニレン、テトラフェン、ピセン、フルミレン、テトラフェン、ピレン、アンタンスレン、ペロピレン、コロネン、ベンゾコロネン、ジベンゾコロネン、ヘキサベンゾコロネン、ベンゾジコロネン、ペリレン、テリレン、ジペリレン、クオテリレン、トリナフチレン、ヘプタフェン、オバレン、ルビセン、ビオラントロン、イソビオラントロン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランス、ケクレン、トラキセン、フラーレン(C60、C70、C60−PCBM、C70−PCBM等)およびこれらの化合物の誘導体が挙げられる。
多環芳香族化合物は、ヘテロ原子を含む化合物であってもよい。ヘテロ原子を含む多環芳香族化合物としては、例えば、ベンゾジチオフェン、ナフトジチオフェン、アントラジチオフェン、テトラジチオフェン、ペンタジチオフェン、ヘキサジチオフェン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾチエノジベンゾチオフェン、チエノチオフェン、ジチチエノチオフェン、テトラチエノアセン、ペンタチエノアセン、ジベンゾフラン、カルバゾール、ジベンゾシロール、ベンゾジチアアゾール、ナフトジチアアゾール、アントラジチアアゾール、テトラジチアアゾール、ペンタジチアアゾール、ヘキサジチアアゾール、チアゾロチアゾール、テトラチアフルバレン、ジベンゾチアフルバレン、ジチオフェンチアフルバレン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノナフトキノジメタン、ナフタレンテトラカルボキシリックジイミド、ペリレンテトラカルボキシリックジイミドおよびこれらの化合物の誘導体が挙げられる。また、フタロシアニン、ポルフィリン、テトラベンゾポルフィリンなどの金属を含む化合物、トリフェニルアミンおよびこれらの化合物の誘導体もヘテロ原子を含む多環芳香族化合物に含まれる。
化合物の誘導体としては、例えば、ハロゲン原子または1価の基を有する化合物、および、化合物のキノン誘導体が挙げられる。ハロゲン原子および1価の基の具体例は、後述のRおよびRで表されるハロゲン原子および1価の基の具体例と同じである。例えば、テトラセンの誘導体としては、ルブレンが挙げられる。また、化合物のキノン誘導体も化合物の誘導体に含まれる。例えば、ペンタセンの誘導体として、ペンタセンジオンが挙げられる。
キャリア輸送性低分子化合物としては、高い電界効果移動度が期待できるため、多環芳香族化合物が好ましく、式(3)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2013201295
式(3)中、
A、BおよびCは、それぞれ独立に、芳香環または複素環を表す。
nは、2〜8の整数を表す。Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
およびRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子または1価の基を表す。
sおよびtは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。Rが複数個ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
およびRで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
およびRで表される1価の基としては、例えば、アルキル基、脂肪族不飽和炭化水素基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アミノ基、カルボニル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、アリールアルキル基、アリールオキシ基、ヘテロアリールアルキル基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルシリル基が挙げられる。
これらの1価の基は置換基によって置換されていてもよい。該置換基としては、RやRで表されるアルキル基、脂肪族不飽和炭化水素基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アミノ基、カルボニル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、アリールアルキル基、ヘテロアリールアルキル基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルシリル基が挙げられる。
アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、その炭素数は、1〜20が好ましく、1〜16がより好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノナニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基およびn−エイコサニル基が挙げられる。
脂肪族不飽和炭化水素基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、その炭素数は1〜20が好ましく、1〜16がより好ましい。脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、プロパルギル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基および2−ブテニル基が挙げられる。式(3)で表される化合物の化学的安定性の観点からは、脂肪族不飽和炭化水素基として、その鎖中に、2重結合または3重結合を1個有する化合物が好ましい。
アルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、その炭素数は1〜20が好ましく、1〜16がより好ましい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ基が挙げられる。
アリール基は芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの基を表す。アリール基の炭素数は、6〜60が好ましく6〜20がより好ましい。芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、フルオレン、ナフタレンおよびアントラセンが挙げられる。
ヘテロアリール基は、複素環式化合物から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの基を表す。ヘテロアリール基の炭素数は、2〜60が好ましく、3〜20がより好ましい。ここで、複素環式化合物とは、環が有する少なくとも1つの炭素原子が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ケイ素原子等のヘテロ原子である化合物を意味し、芳香族複素環式化合物であることが好ましい。芳香族複素環式化合物としては、例えば、チオフェン環、セレノフェン環およびフラン環が挙げられる。
アミノ基は、置換基を有していてもよい。アミノ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常0〜40である。
アミノ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。置換基を有するアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ピリジルアミノ基等が挙げられる。
アリールアルキル基は、アリール部分の炭素数が6〜60であることが好ましく、6〜20であることがより好ましい。また、アリールアルキル基におけるアルキル部分は、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
アリールオキシ基は、アリール部分の炭素数が6〜60であることが好ましく、6〜20であることがより好ましい。
ヘテロアリールアルキル基は、ヘテロアリール部分の炭素数が4〜60であることが好ましく、4〜20であることがより好ましい。また、ヘテロアリールアルキル基におけるアルキル部分は、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
ヘテロアリールオキシ基は、ヘテロアリール部分の炭素数が4〜60であることが好ましく、4〜20であることがより好ましい。
アルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基などが挙げられる。
式(3)中、A、BおよびCは、それぞれ独立に、芳香環または複素環を表し、AおよびB、AおよびCは、それぞれ互いに縮環している。ここで、「互いに縮環している」とは、一方の環を形成している一部の結合が、他方の環の一部も形成している状態にあること意味する。A、BおよびCとしては、ベンゼン環、複素6員環、複素5員環、シクロペンタジエン環等が挙げられる。なお、これらの環は、置換基を有していてもよい。
また、Aで表される環の繰り返し数を示すnは、キャリア輸送性の観点から、2〜8の整数であり、2〜6の整数が好ましく、2〜4の整数がより好ましい。
Aで表される芳香環または複素環としては、置換基を有していてもよいベンゼン環、置換基を有していてもよいチオフェン環、置換基を有していてもよいセレノフェン環および置換基を有していてもよいシクロペンタジエン環が好ましく、置換基を有していてもよいベンゼン環および置換基を有していてもよいチオフェン環がより好ましい。Aが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。A(Aが複数存在する場合、少なくとも1つのA)は、置換基を有していてもよい複素5員環であることが好ましく、置換基を有していてもよいチオフェン環または置換基を有していてもよいセレノフェン環がより好ましく、置換基を有していてもよいチオフェン環がさらに好ましい。式(3)で表される化合物が、チオフェン環を少なくとも1つ有することで、キャリア輸送性がより高くなり得るためである。
BおよびCで表される芳香環または複素環は、置換基を有していてもよいベンゼン環が好ましい。
A〜Cで表される芳香環または複素環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子および1価の基が挙げられる。ハロゲン原子および1価の基の具体例は、前述のRおよびRで表されるハロゲン原子および1価の基の具体例と同じである。
式(3)で表される化合物としては、より高い電界効果移動度が得られるため、式(4)で表される化合物、式(5)で表される化合物、式(6)で表される化合物、式(7)で表される化合物、式(8)で表される化合物および式(9)で表される化合物が好ましい。
Figure 2013201295
式(4)〜式(9)中、
、R、sおよびtは、前述と同じ意味を表す。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または1価の基を表す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。RおよびRで表されるハロゲン原子および1価の基の具体例は、前述のRおよびRで表されるハロゲン原子および1価の基の具体例と同じである。
Xは、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表す。式(c)で表される基または式(d)で表される基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。式(4)〜(9)で表される化合物の製造を簡便化する観点からは、Xは全て同一であることが好ましい。
Figure 2013201295
式(c)および式(d)中、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または1価の基を表す。RとRは、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子またはケイ素原子とともに環を形成してもよい。RおよびRで表されるハロゲン原子および1価の基の具体例は、前述のRおよびRで表されるハロゲン原子および1価の基の具体例と同じである。
とRとが形成する環は、単環でも縮合環でもよく、環状炭化水素でも複素環でもよいが、単環の炭化水素環またはヘテロ原子として酸素原子または硫黄原子を含む単環の複素環が好ましい。これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子および1価の基が挙げられる。ハロゲン原子および1価の基の具体例は、前述のRおよびRで表されるハロゲン原子および1価の基の具体例と同じである。
式(4)〜式(9)で表される化合物としては、式(10a)〜式(10i)で表される化合物が好ましい。
Figure 2013201295
式(10a)〜式(10i)中、
20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜16のアルキル基、トリイソプロピルシリルエチニル基、フェニル基、または、炭素数1〜16のアルキル基で置換されたフェニル基を表し、アルキル基およびトリイソプロピルシリルエチニル基が好ましい。
式(10a)〜式(10i)で表される化合物の中でも、式(10c)で表される化合物(以下、「BTBT」と呼ぶことがある。)が、キャリア輸送性がより高いため好ましい。BTBTの融点を高める観点からは、R20および/またはR21が、フェニル基、または、炭素数1〜16のアルキル基で置換されたフェニル基であることが好ましい。
次に、有機半導体層に用いられるキャリア輸送性高分子化合物について説明する。
キャリア輸送性高分子化合物としては、共役不飽和構造を有する高分子化合物(「共役系高分子化合物」と呼ばれることがある。)が好ましい。該共役不飽和構造を有する高分子化合物は、例えば、二重結合を含む構造、三重結合を含む構造、芳香環を含む構造およびアリールアミン構造からなる群から選ばれる構造を、単独または複数の組み合わせで有し、高分子化合物全体として共役が延びた状態である単独重合体または共重合体が好ましい。なお、キャリア輸送性高分子化合物が共重合体である場合、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
二重結合を含む構造としては、エチレン構造が挙げられる。ここでいう「エチレン構造」とは、他の構造単位との結合に供される2つの結合手を水素原子に置き換えた場合にエチレンとなる構造をいう。なお、以下の各「構造」の説明においても同様の定義が適用される。また、三重結合を含む構造としては、アセチレン構造が挙げられる。
芳香族環を含む構造としては、単環または多環の芳香族炭化水素構造、および、単環または多環の複素環構造が挙げられる。単環または多環の芳香族炭化水素構造としては、フェニレン構造、ナフチレン構造、フルオレン構造、アセナフテン構造、フェナントレン構造、アントラセン構造、フルオランテン構造、ピレン構造、ペリレン構造、ルブレン構造、クリセン構造、およびこれらの構造を構成している環が縮環した多核縮環化合物構造が挙げられる。
単環または多環の芳香族炭化水素構造としては、具体的には、式(11a)〜式(11f)で表される構造が挙げられる。なかでも、フルオレン構造を有する式(11a)で表される構造および式(11b)で表される構造、ピレン構造を有する式(11e)であらわれる構造が特に好ましい。なお、式(11a)〜式(11f)において、置換基が付されていない結合手は、他の構造単位との結合を形成している結合手であることを意味している。
Figure 2013201295
式(11a)〜(11f)中、
11、R12およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または1価の基を表し、
13は、ハロゲン原子または1価の基を表す。
uは、0以上の整数を表す。R11が複数個ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。R13が複数個ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
11、R12、R13およびR14で表されるハロゲン原子および1価の基の具体例は、前述のRおよびRで表されるハロゲン原子および1価の基の具体例と同じである。
11、R12、R13およびR14から選ばれる、同じ炭素原子または隣接する炭素原子に結合している2個の基は、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。形成される環としては、単環でも縮合環でもよく、環状炭化水素でも複素環でもよいが、単環の環状炭化水素、および、ヘテロ原子として酸素原子または硫黄原子を含む単環の複素環が好ましい。これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子および1価の基が挙げられる。ハロゲン原子および1価の基の具体例は、前述のRおよびRで表されるハロゲン原子および1価の基の具体例と同じである。
単環の複素環構造としては、例えば、複素5員環構造であるフラン構造、チオフェン構造、ピロール構造、シロール構造、オキサゾール構造、イソオキサゾール構造、チアゾール構造、イソチアゾール構造、イミダゾール構造、オキサジアゾール構造、チアジアゾール構造およびピラゾール構造、並びに、複素6員環構造であるピリジン構造、ピリダジン構造、ピリミジン構造、ピラジン構造、トリアジン構造およびテトラゼン構造が挙げられる。
多環の複素環構造としては、ベンゾオキサゾール構造、ベンゾチアゾール構造、ベンズイミダゾール構造、キノリン構造、イソキノリン構造、シンノリン構造、キナゾリン構造、フタラジン構造、ベンゾチアジアゾール構造、ベンゾトリアジン構造等のベンゾ縮環構造、および、フェナジン構造、フェナントリジン構造、アクリジン構造、カルバゾール構造、ジベンゾフラン構造、ジベンゾチオフェン構造、ジベンゾシロール構造、ジフェニレンオキシド構造、チエノチオフェン構造、チアゾロチアゾール構造、ジチエノチオフェン構造、ベンゾビスチオフェン構造、ベンゾビスチアゾール構造等の多環縮環構造が挙げられる。
単環または多環の複素環構造としては、例えば、式(12a)〜式(12q)で表される構造、および、式(12a)〜式(12q)で表される構造が複数結合した縮合構造が挙げられる。
単環または多環の複素環構造の中でも、より高い移動度が得られるという観点からは、式(12a)で表される構造、式(12a)で表される構造が複数結合した縮合構造、および、式(12a)で表される構造の二つ以上が渡環したが構造が好ましく、Zが硫黄原子である式(12a)で表される構造、Zが硫黄原子である式(12a)で表される構造が複数結合した縮合構造、および、Zが硫黄原子である式(12a)で表される構造の二つ以上が渡環したが構造が特に好ましい。
式(12a)で表される構造が複数結合した縮合構造としては、例えば、式(12f)で表される構造が挙げられる。式(12a)で表される構造の二つ以上が渡環したが構造としては、例えば、式(12c)で表される構造および式(12n)で表される構造が挙げられる。
なお、下記の式において、置換基が付されていない結合手は、他の構造単位との結合を形成している結合手であることを意味している。
Figure 2013201295
式(12a)〜式(12q)中、
11、R12、R13、R14およびuは、前記と同じ意味を表す。R14が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。特にR13およびR14は水素原子であると好ましい。
Zは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ケイ素原子等のヘテロ原子を表し、酸素原子もしくは硫黄原子であると好ましく、硫黄原子であると特に好ましい。
アリールアミン構造としては、例えば、トリフェニルアミン構造、N,N’−ジフェニルベンジジン構造、N,N’−1,4−フェニレンジアミン構造、ジフェニルナフチルアミン構造およびこれらの構造中のフェニル部分の2個の炭素原子が直接またはヘテロ原子を介して結合した構造が挙げられる。これらの構造中のフェニル部分の2個の炭素原子が直接またはヘテロ原子を介して結合した構造としては、例えば、N−フェニルフェノキサジン構造およびN−フェニルフェノチアジン構造が挙げられる。
キャリア輸送性高分子化合物は、上述した構造を含む構造単位を、単独でまたは複数種組み合わせて有する重合体であることが好ましい。
キャリア輸送性高分子化合物は、上記の式(1)で表される構造単位や式(2)で表される構造単位を有することで、高い移動度と有機溶媒に対する高い溶解性が実現されるため好ましく、また、より対極キャリアをより注入しやすいため好ましい。上記の構造の中では、式(11a)〜(11d)、式(12c)、式(12f)、式(12h)、式(12i)、式(12k)、式(12m)〜(12p)が、式(1)で表される構造単位または式(2)で表される構造単位に該当するため好ましい。なお、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56及びR57が表すハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、カルボキシル基及びシアノ基としては、上述のRおよびRで表されるハロゲン原子および1価の基の具体例と同じである。
キャリア輸送性高分子化合物の好ましい実施形態としては、隣接している構造単位との結合手が形成されている炭素原子の隣の炭素原子は、無置換である(すなわち水素原子と結合している)か、ハロゲン原子によって置換されていること(条件1と定義する。)が挙げられる。上記の式(11a)、式(11c)、式(11d)、式(11f)、式(12a)〜(12k)、式(12m)〜(12p)で表される構造は、条件1を満たし得るため好ましい。
キャリア輸送性高分子化合物の上記とは別の好ましい実施形態としては、構造単位の間に形成されている結合手の少なくとも一端が、5員環を含む構造単位中の5員環上の原子であることが挙げられる(条件2と定義する。)。式(12a)〜(12g)、式(12j)、式(12n)〜(12q)で表される構造単位が隣接する二つの構造単位の内の少なくとも一つであると、条件2を満たすため好ましい。
キャリア輸送性高分子化合物は、上述した条件1および、条件2の少なくとも1個を満たすと高分子化合物中の共役不飽和構造が良好に形成され、キャリア輸送性高分子化合物のキャリア輸送性が更に良好となる傾向がある。
式(12c)、式(12f)、式(12n)で表される構造単位は、式(1)または式(2)で表され、かつ上述した条件1および2を満たし得るため好ましい。
キャリア輸送性高分子化合物としては、表1または表2に示す構造単位の組み合わせ((13a)〜(13o))で有するものが好適である。さらに、組み合わせ(13e)、組み合わせ(13f)および組み合わせ(13g)は、式(1)または式(2)で表される構造単位を含み、かつ上述した条件1および2を満たし得るためより好適である。なお、表中の一般式における符号は全て前記と同じ意味を表す。
Figure 2013201295
Figure 2013201295
表1および表2中の、組み合わせ(13a)〜(13o)を有するキャリア輸送性高分子化合物としては、表3または表4中に記載の式(14a)〜式(14s)で表される重合体が好ましい。特に式(14g)、式(14h)、式(14i)で表される重合体は、式(1)または式(2)で表される構造単位を含み、かつ上述した条件1および2を満たすためさらに好ましい。表3および表4中のmは、1以上の整数を表す。mの範囲としては、重合体のポリスチレン換算値の数平均分子量が3,000以上となる範囲が好ましく、5,000〜1,000,000となる範囲がより好ましく、10,000〜500,000となる範囲がさらに好ましい。
Figure 2013201295
Figure 2013201295
キャリア輸送性高分子化合物の末端構造は、有機薄膜トランジスタの有機半導体層に用いた際の有機薄膜トランジスタの特性や耐久性の観点からは、安定な構造であることが好ましい。上述した重合体が不安定な末端基を有している場合は、この不安定な基を安定な末端基で置き換えたり、末端を保護したりすることが好ましい。
安定な末端基としては、上述のRおよびRが表すアリール基、ヘテロアリール基が挙げられる。
キャリア輸送性高分子化合物の有機溶媒等への溶解性を高め、有機半導体材料の塗布等をより簡便化する観点からは、末端基は、フッ素置換されていてもよいアルキル基、フッ素置換されていてもよい脂肪族不飽和炭化水素基、フッ素置換されていてもよいアリール基またはフッ素置換されていてもよいアルコキシ基が好ましい。また、末端基は、例えば、キャリア輸送性高分子化合物の共役構造を形成している主鎖と連続する共役構造を有する基も好ましい。このような末端基としては、例えば、主鎖と炭素−炭素結合を介して結合したアリール基やヘテロアリール基(1価の芳香族複素環基)を含むものが挙げられる。なお、高分子化合物に複数の末端基が存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
有機薄膜トランジスタに含まれる有機半導体層の形成方法としては、真空蒸着法の他に、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法、マイクロコンタクト印刷法等の塗布法、および、これらの方法を組み合わせた塗布法が挙げられる。これらの方法を組み合わせた塗布法としては、例えば、グラビアコート法とオフセット印刷法を組み合わせた、グラビア・オフセット印刷法が挙げられる。これら塗布法を用いると、高いキャリア輸送性を有する薄膜を得られるのみならず、大面積のデバイスを形成することが容易となる。
塗布法の中でも、スピンコート法、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、マイクロコンタクト印刷法、グラビアコート法、オフセット印刷法およびグラビア・オフセット印刷法が好ましい。
前記塗布法に用いる溶液の作製においては、有機半導体層を形成する化合物を溶媒に溶解または分散させる方法などが用いられる。該溶媒としては、用いる化合物を良好に溶解または分散できるものであれば特に制限されない。例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類溶媒等を適宜選択して適用できる。良好に薄膜形成を行う観点からは、塗布溶液における溶媒以外の成分の含有量は、0.1〜5質量%程度とすることが好ましい。用いる化合物の溶解が不十分である場合は、後述するような加熱を施してもよい。
有機半導体層の形成においては、このような塗布液を所定の基板上に塗布することで、薄膜を形成する。この際、塗布液が溶媒を含む場合は、塗布と同時または塗布後に溶媒を除去することが好ましい。
なお、かかる塗布は、加熱した状態で行ってもよい。これにより、高濃度の塗布液を塗布することが可能となり、より均質な薄膜を形成できるほか、室温での塗布が困難であった材料等を選択して用いることも可能となる。加熱した状態での塗布は、例えば、予め加熱した塗布液を用いるか、または、基板を加熱しながら塗布することによって行うことができる。
有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層のキャリア輸送性を更に高める観点からは、このようにして形成された有機半導体層に対し、所定の配向を付与する工程を更に実施してもよい。配向された有機半導体層においては、これを構成している分子が一方向に並ぶため、キャリア輸送性が一層高められる傾向にある。
配向方法としては、例えば、液晶の配向手法として知られている方法を用いることができる。なかでも、ラビング法、光配向法、シェアリング法(ずり応力印加法)、引き上げ塗布法等の乾燥方向を制御する塗布法等が配向方法として簡便であるため利用し易く、特に、ラビング法およびシェアリング法が好ましい。
有機半導体層は、一部に製造時に用いた溶媒やその他の不可避成分が含まれていてもよい。良好なキャリア輸送性を有する観点および十分な強度の有機薄膜を容易に形成する観点からは、好ましくは1nm〜100μmであり、より好ましくは2nm〜1000nmであり、さらに好ましくは5nm〜500nmであり、特に好ましくは20nm〜200nmである。
ゲート絶縁層には、無機絶縁体または有機絶縁体からなるゲート絶縁膜を用いることができる。無機絶縁体としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタンが挙げられる。有機絶縁体としては、ポリエチレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、有機ガラス、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリパラキシレン、ポリアクリロニトリルが挙げられる。なお、無機絶縁体および有機絶縁体は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。ゲート絶縁層の厚さは、好ましくは50〜1000nmである。
ゲート電極には、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、低抵抗ポリシリコン、低抵抗アモルファスシリコン等の金属や錫酸化物、酸化インジウム、インジウム・錫酸化物(ITO)等の材料を用いることができる。これらの材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。また、ゲート電極としては、高濃度にドープされたシリコン基板を用いてもよい。高濃度にドープされたシリコン基板は、ゲート電極としての性質と、基板としての性質とを併有する。従って、高濃度にドープされたシリコン基板を用いる場合には、基板とゲート電極とが接している有機薄膜トランジスタにおいて、以下の図中の基板の表記を省略してもよい。ゲート電極の厚さは、好ましくは0.02〜100μmである。
ソース電極およびドレイン電極は、低抵抗の材料から構成されることが好ましく、ソース電極およびドレイン電極の厚さは、各々、好ましくは0.02〜1000μmである。
基板としては、ガラス基板、フレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板等が挙げられる。基板の厚さは、好ましくは10〜2000μmである。
有機薄膜トランジスタは、ソース電極およびドレイン電極と、有機半導体層との間に、有機半導体層に含まれる有機半導体材料とは異なる化合物からなる層を介在させてもよい。このような層を介在させることにより、ソース電極およびドレイン電極と有機半導体層との間の接触抵抗が低減され、有機薄膜トランジスタのキャリア移動度を更に高めることができる場合がある。
有機半導体層に含まれる有機半導体材料とは異なる化合物からなる層としては、電子またはホール輸送性を有する低分子化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、これらの金属と有機化合物との錯体;ヨウ素、臭素、塩素、塩化ヨウ素等のハロゲン;硫酸、無水硫酸、二酸化硫黄、硫酸塩等の酸化硫黄化合物;硝酸、二酸化窒素、硝酸塩等の酸化窒素化合物;過塩素酸、次亜塩素酸等のハロゲン化化合物;アルキルチオール化合物、芳香族チオール類、フッ素化アルキル芳香族チオール類等の芳香族チオール化合物等からなる層が挙げられる。
次に、第1実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタ以外の電界効果型有機薄膜トランジスタの代表例について、図面を参照しつつ、説明する。
図2は、第2実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。図2に示す電界効果型有機薄膜トランジスタは、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成されたゲート絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されているゲート絶縁層3の上に形成された有機半導体層2と、ゲート絶縁層3が下部に形成されている有機半導体層2の表面を一部覆うように有機半導体層2の上に形成されたソース電極5およびドレイン電極6とを備えるものである。
図3は、第3実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。図3に示す電界効果型有機薄膜トランジスタは、基板1と、基板1上に形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5の少なくとも一部およびドレイン電極6の少なくとも一部を覆うようにして形成された有機半導体層2と、有機半導体層2の上に形成されたゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図4は、第4実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。図4に示す電界効果型有機薄膜トランジスタは、基板1と、基板1上に形成された有機半導体層2と、有機半導体層2の表面を一部覆うように有機半導体層2の上に形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5の少なくとも一部およびドレイン電極6の少なくとも一部を覆うようにして形成されたゲート絶縁層3と、絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図5は、第5実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。図5の電界効果型有機薄膜トランジスタは、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成されたゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3内に設けられたフローティングゲート電極7と、ゲート絶縁層3上に形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5の少なくとも一部およびドレイン電極6の少なくとも一部を覆うようにして形成された有機半導体層2とを備える。
図6は、第6実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。図6に示す電界効果型有機薄膜トランジスタは、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成されたゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3内に設けられたフローティングゲート電極7と、ゲート電極4が下部に形成されているゲート絶縁層3の上に形成された有機半導体層2と、ゲート絶縁層3が下部に形成されている有機半導体層2の表面を一部覆うように有機半導体層2の上に形成されたソース電極5およびドレイン電極6とを備えるものである。
図7は、第7実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。図7に示す電界効果型有機薄膜トランジスタは、基板1と、基板1上に形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5の少なくとも一部およびドレイン電極6の少なくとも一部を覆うようにして形成された有機半導体層2と、有機半導体層2の上に形成されたゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3内に設けられたフローティングゲート電極7と、ゲート絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図8は、第8実施形態に係る電界効果型有機薄膜トランジスタの模式断面図である。図8に示す電界効果型有機薄膜トランジスタは、基板1と、基板1上に形成された有機半導体層2と、有機半導体層2の表面を一部覆うように有機半導体層2の上に形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5の少なくとも一部およびドレイン電極6の少なくとも一部を覆うようにして形成されたゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3内に設けられたフローティングゲート電極7と、ゲート絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
<有機薄膜トランジスタの製造方法>
以下、図1に示される第1実施形態の有機薄膜トランジスタを一例として、有機薄膜トランジスタの製造方法を説明する。
基板1は、有機薄膜トランジスタとしての特性を阻害しなければ特に制限されないが、ガラス基板やフレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板も用いることができる。
まず、基板1上にゲート電極4を、蒸着法、スパッタリング法、めっき法、CVD法等により形成する。なお、ゲート電極4として、高濃度にドープされたn−型シリコン基板を用いてもよい。
次に、ゲート電極4上に絶縁層3を、CVD法、プラズマCVD法、プラズマ重合法、熱蒸着法、熱酸化法、陽極酸化法、クラスタイオンビーム蒸着法、LB法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等により形成する。なお、ゲート電極4として、高濃度にドープされたn−型シリコン基板を用いる場合には、その表面を熱酸化することにより酸化シリコンの膜を形成することができ、この酸化シリコンの膜を絶縁層3として用いてもよい。
次に、ソース電極5およびドレイン電極6を、蒸着法、スパッタリング法、めっき法、CVD法等により、絶縁層3上に形成する。図1には図示していないが、その後、ソース電極5およびドレイン電極6と有機半導体層2との間に、電荷注入を促進する層を設けてもよい。
そして、絶縁層3上に有機半導体層2を形成する際には、有機半導体材料として有機溶媒に可溶な化合物を用いることが製造上好ましい。本発明の有機薄膜トランジスタは、有機半導体材料を有機溶剤に溶解した溶液を用いて、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、マイクロコンタクト印刷法、グラビア・オフセット印刷法等により製造することができる。
有機薄膜トランジスタを作製後、素子を保護するために有機薄膜トランジスタ上に保護膜を形成することが好ましい。この保護膜により、有機薄膜トランジスタが、大気から遮断され、有機薄膜トランジスタの特性の低下を抑えることができる。また、保護膜により有機薄膜トランジスタの上に駆動する表示デバイスを形成するときの影響を低減することができる。
保護膜を形成する方法としては、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂や無機のSiONx膜等でカバーする方法等が挙げられる。大気との遮断を効果的に行うために、有機薄膜トランジスタを作製後、保護膜を形成するまでの工程を大気に曝すことなく(例えば、乾燥した窒素雰囲気中、真空中等)行うことが好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタは、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子タグ、液晶表示素子に好適に用いることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1:有機薄膜トランジスタ1の作製と評価>
ゲート電極となる高濃度にドーピングされたn型シリコン基板の表面を熱酸化し、膜厚が50nmのシリコン酸化膜をゲート絶縁層として形成した。次に、フォトリソグラフィー工程によりシリコン酸化膜上にチャネル長100μm、チャネル幅1mmのソース電極およびドレイン電極を作製した。ソース電極およびドレイン電極は、シリコン酸化膜側から、クロムおよび金をこの順に積層して形成した。ソース電極およびドレイン電極まで形成した基板をアセトンで10分間超音波洗浄した後、オゾンUVを20分間照射することにより、ゲート絶縁膜にヒドロキシル基を設けた。その後、フェニルエチルトリクロロシランのトルエン希釈液に該基板を2分間浸漬することにより、該基板の表面をシラン処理し、ゲート絶縁膜にフェニルエチル基を設けた。
有機半導体材料である前記式(14i)で表される化合物を溶媒であるo−ジクロロベンゼンに溶解させ、化合物の濃度が0.5質量%である溶液を作製し、該溶液をメンブランフィルターで濾過して塗布液を調製した。
その後、得られた塗布液を、前記基板のソース電極およびドレイン電極を形成した側にスピンコート法により塗布することにより、約27nmの厚さを有する式(14i)で表される化合物の薄膜を形成した。その後、窒素置換されたグローブボックスの中で170℃に設定したホットプレートにより30分間ベークした。式(14i)で表される化合物の薄膜は有機半導体層として機能する。
上述のようにして作製した有機薄膜トランジスタ1をp型トランジスタとして動作させた。ゲート電圧Vgを0V、ソース電圧Vsを0V、ドレイン電圧Vdを−40Vに設定し、対極キャリアである電子をドレイン電極から約10秒間かけて注入させた後、ソース電圧Vsを0V、ドレイン電圧Vdを−10Vに設定し、ゲート電圧Vgを0〜−10Vに変化させた条件で、トランジスタ特性を測定した。かかる測定により得られた伝達特性から算出した、有機薄膜トランジスタ2の電界効果移動度(移動度)を表5に示す。
<比較例1:有機薄膜トランジスタC1の作製と評価>
ゲート電極となる高濃度にドーピングされたn型シリコン基板の表面を熱酸化し、膜厚が50nmのシリコン酸化膜をゲート絶縁層として形成した。次に、フォトリソグラフィー工程によりシリコン酸化膜上にチャネル長100μm、チャネル幅1mmのソース電極およびドレイン電極を作製した。ソース電極およびドレイン電極は、シリコン酸化膜側から、クロムおよび金をこの順に積層して形成した。ソース電極およびドレイン電極まで形成した基板をアセトンで10分間超音波洗浄した後、オゾンUVを20分間照射することにより、ゲート絶縁膜にヒドロキシル基を設けた。その後、フェニルエチルトリクロロシランのトルエン希釈液に該基板を2分間浸漬することにより、該基板の表面をシラン処理し、ゲート絶縁膜にフェニルエチル基を設けた。
有機半導体材料である前記式(14i)で表される化合物を溶媒であるo−ジクロロベンゼンに溶解させ、化合物の濃度が0.5質量%である溶液を作製し、該溶液をメンブランフィルターで濾過して塗布液を調製した。
その後、得られた塗布液を、前記基板のソース電極およびドレイン電極を形成した側にスピンコート法により塗布することにより、約27nmの厚さを有する式(14i)で表される化合物の薄膜を形成した。その後、窒素置換されたグローブボックスの中で170℃に設定したホットプレートにより30分間ベークした。式(14i)で表される化合物の薄膜は有機半導体層として機能する。
上述のようにして作製した有機薄膜トランジスタ素子C1をp型トランジスタとして動作させた。ソース電圧Vsを0V、ドレイン電圧Vdを−10Vに設定し、ゲート電圧Vgを0〜−10Vに変化させた条件で、トランジスタ特性を測定した。かかる測定により得られた伝達特性から算出した、有機薄膜トランジスタC1の電界効果移動度(移動度)を表5に示す。
Figure 2013201295
1…基板、2…有機半導体層、3…ゲート絶縁層、4…ゲート電極、5…ソース電極、6…ドレイン電極、7…フローティングゲート電極。

Claims (10)

  1. ゲート電極と、ゲート絶縁層と、ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、を備える有機薄膜トランジスタであって、
    前記ゲート絶縁層および/または前記有機半導体層に捕獲された対極キャリアを有し、かつ、前記捕獲された対極キャリアと極性の異なる動作キャリアにより駆動することを特徴とする、有機薄膜トランジスタ。
  2. 前記ゲート電極の電位および前記ソース電極の電位を同電位とし、前記ドレイン電極の電位を、前記ゲート電極の電位および前記ソース電極の電位と異なる電位とすることで、
    前記捕獲された対極キャリアを発生させることを特徴とする、請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  3. 前記ゲート電極の電位に対する、前記ソース電極の電位および前記ドレイン電極の電位の極性を同じとすることで、
    前記捕獲された対極キャリアを発生させることを特徴とする、請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  4. 前記ソース電極の電位と前記ドレイン電極の電位が異なる電位とすることを特徴とする、請求項3に記載の有機薄膜トランジスタ。
  5. 前記ゲート絶縁層内にフローティングゲート電極を更に備え(但し、フローティングゲート電極は、前記有機半導体層の厚み方向において、前記ソース電極と重ならない領域に備えられる。)、
    前記ゲート電極の電位および前記ソース電極の電位を同電位とし、前記ドレイン電極の電位を、前記ゲート電極の電位および前記ソース電極の電位と異なる電位とすることで、
    前記捕獲された対極キャリアをフローティングゲート電極に発生させることを特徴とする、請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  6. 前記ゲート絶縁層を構成するゲート絶縁膜材料が電荷を捕獲する機能を有する官能基を有し、
    前記ゲート電極の電位および前記ソース電極の電位を同電位とし、前記ドレイン電極の電位を、前記ゲート電極の電位および前記ソース電極の電位と異なる電位とすることで、
    前記捕獲された対極キャリアを前記官能基に発生させることを特徴とする、請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  7. 前記捕獲された対極キャリアが、前記有機半導体層の厚み方向において、前記ソース電極と重ならない領域に存在することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  8. 前記有機半導体層が、共役系高分子化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  9. 前記共役系高分子化合物が、式(1)で表される構造単位を有することを特徴とする、請求項8に記載の有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2013201295
    (式中、
    Ar及びArは、それぞれ独立に、3価の芳香族炭化水素基または3価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    は、−O−、−S−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(R50)(R51)−、−Si(R52)(R53)−、−N(R54)−、−B(R55)−、−P(R56)−又は−P(=O)(R57)−を表す。R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56及びR57は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、カルボキシル基又はシアノ基を表す。)
  10. 前記共役系高分子化合物が、式(2)で表される構造単位を有することを特徴とする、請求項8または9に記載の有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2013201295
    (式中、
    Ar及びArは、それぞれ独立に、3価の芳香族炭化水素基または3価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    及びXは、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(R50)(R51)−、−Si(R52)(R53)−、−N(R54)−、−B(R55)−、−P(R56)−又は−P(=O)(R57)−を表す。R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56及びR57は、前記と同じ意味を表す。)
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