JP2006165123A - 有機トランジスタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 メモリ機能が良好な有機トランジスタ装置を提供する。
【解決手段】 ソース電極3と、ドレイン電極4と、有機半導体層1と、その上面もしくは下面に設けた絶縁層11と、その絶縁層11の中に設けた浮遊電極12と、その絶縁層の近傍に設けた制御電極5を有する有機トランジスタ装置からなり、前記浮遊電極12に蓄積した電荷の有無あるいは符合の違いを利用して情報を記憶する有機トランジスタ装置。前記浮遊電極が無機半導体材料、多結晶シリコンを含むことが好ましい。前記浮遊電極の外側の絶縁層が酸化シリコンを含むことが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 ソース電極3と、ドレイン電極4と、有機半導体層1と、その上面もしくは下面に設けた絶縁層11と、その絶縁層11の中に設けた浮遊電極12と、その絶縁層の近傍に設けた制御電極5を有する有機トランジスタ装置からなり、前記浮遊電極12に蓄積した電荷の有無あるいは符合の違いを利用して情報を記憶する有機トランジスタ装置。前記浮遊電極が無機半導体材料、多結晶シリコンを含むことが好ましい。前記浮遊電極の外側の絶縁層が酸化シリコンを含むことが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、メモリ機能を有する有機トランジスタ装置、特に有機活性層からなる薄膜トランジスタ(TFT)及び薄膜メモリに関する。
有機薄膜デバイスは、その柔軟性を利用した電子ペーパー等のフレキシブルディスプレイや情報タグなどのウエアラブルな装置や医用・バイオセンサなどの駆動素子として将来広範囲な応用が検討されている。そのような駆動素子にメモリ機能を持たせることにより、より高度な数値的処理が可能になり、情報の記憶も可能となる。すなわち、メモリ機能を持った有機トランジスタ装置の実現が望まれている。
このような、柔軟性を持つ薄膜トランジスタには、有機強誘電体薄膜を利用したものがある。(特許文献1参照)
特開2003−163331号公報
上記の特許文献1においては、強誘電性膜の分極によるメモリ保持を行っている。しかしながら、このような強誘電性膜には保持力が弱いという欠点があった。具体的には、半導体活性層中のキャリアと強誘電性膜中の分極を生じる、すなわち双極子モーメントを持つ分子との相互作用は、距離の2乗分の1に比例することが知られており、活性層と双極子モーメントを持つ分子間の距離が大きくなると、キャリア−双極子間の相互作用は小さくなり、キャリアは双極子の影響を受けにくくなり、その結果メモリ機能が弱くなってしまうという欠点があった。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、メモリ機能が良好な有機トランジスタ装置を提供するものである。
本発明は、強誘電性薄膜を用いる代わりに活性層と制御電極の間に浮遊電極を導入し、そこに保持する電荷を制御することにより、メモリ機能を持たせるものである。
すなわち、本発明は、ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、その上面もしくは下面に設けた絶縁層と、その絶縁層の中に設けた浮遊電極と、その絶縁層の近傍に設けた制御電極を有する有機トランジスタ装置からなり、前記浮遊電極に蓄積した電荷の有無あるいは符合の違いを利用して情報を記憶することを特徴とする有機トランジスタ装置である。
すなわち、本発明は、ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、その上面もしくは下面に設けた絶縁層と、その絶縁層の中に設けた浮遊電極と、その絶縁層の近傍に設けた制御電極を有する有機トランジスタ装置からなり、前記浮遊電極に蓄積した電荷の有無あるいは符合の違いを利用して情報を記憶することを特徴とする有機トランジスタ装置である。
前記浮遊電極が無機半導体材料を含むことが好ましい。
前記浮遊電極が多結晶シリコンを含むことが好ましい。
前記浮遊電極の外側の絶縁層が酸化シリコンを含むことが好ましい。
前記浮遊電極が多結晶シリコンを含むことが好ましい。
前記浮遊電極の外側の絶縁層が酸化シリコンを含むことが好ましい。
また、本発明は、ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、該有機半導体層の上面側もしくは下面側に設けた絶縁層と、その絶縁層の中に設けた浮遊電極と、前記浮遊電極の電荷を制御するための制御電極を有する装置である。
本発明は、メモリ機能が良好な有機トランジスタ装置を提供することができる。
本発明の有機トランジスタ装置は、上記浮遊電極に電荷を保持させた場合、電極の電荷と活性層中のキャリアのクーロン相互作用は、両者間の距離に反比例する。すなわち、その距離依存性は、1/rに比例する。強誘電性層を用いた従来の方法では、相互作用エネルギーは1/r2 に比例する。距離rが大きくなると、後者、すなわち従来の方法の場合ではすぐに0に近づくのに対し、前者、すなわち本発明では、1/r2 に比べより減衰しにくく、相互作用を大きく出来、その結果、メモリ機能を向上させることが可能になる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のメモリ機能を有する有機トランジスタ装置の一実施態様を示す断面図である。図1において、1は有機半導体層、1aはチャネル領域、3、4,5はそれぞれソース電極、ドレイン電極、制御電極である。さらに、7はプラスチック基板、11は絶縁層、12は浮遊電極である。
図1は、本発明のメモリ機能を有する有機トランジスタ装置の一実施態様を示す断面図である。図1において、1は有機半導体層、1aはチャネル領域、3、4,5はそれぞれソース電極、ドレイン電極、制御電極である。さらに、7はプラスチック基板、11は絶縁層、12は浮遊電極である。
前記有機半導体層1は、例えば、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセンなどの低分子半導体や、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリピロールなどの高分子半導体を用いることが出来る。
また、ソース電極、ドレイン電極は、例えば、金などの金属の電極や、ドーピングを行った多結晶シリコンなどを用い、制御電極はドープした多結晶シリコン、あるいは、アルミニウムや銅などの導電性を有する金属を用いる。
浮遊電極には、有機半導体薄膜もしくは無機半導体薄膜を用いる。後者の例としては、多結晶シリコンがある。この多結晶シリコンなどの浮遊電極は、ドーピングをしなくてもしてもよい。例えば、砒素などのn型のドーパントをドープした場合、マジョリティキャリアとして電子がいるが、制御電極に対してソース電極、及びドレイン電極に負の大きな電位を印加することにより、浮遊電極にいる電子を制御電極側へ移動させることが出来る。逆に、制御電極に対してソース電極、及びドレイン電極に正の大きな電極を印加することにより制御電極から浮遊電極側に電子を移動させることが出来る。このようにして、浮遊電極への電荷の注入及び、除去が可能となる。キャリアは浮遊電極と制御電極の間のみをトンネル効果により移動するだけなので、上側の有機トランジスタの領域への影響はない、あるいは小さい。
図2は、本発明のメモリ機能を有する有機トランジスタ装置の他の実施態様を示す断面図である。図2のように、浮遊電極と制御電極の間を例えば11aで示す無機絶縁層、例えば、酸化シリコン膜により形成することにより、絶縁性有機物のエレクトレット現象、すなわち、絶縁性有機物中に注入された電荷がトラップされ除去できなくなってしまう現象を回避することにより、より素子の信頼性を向上させることが可能となる。
以上では、浮遊電極はn型のドーピングを行った場合の説明を行った。他の例として、ボロンなどのp型のドーピングを行った場合、正孔がマジョリティキャリアとして浮遊電極中に存在し、それを制御電極側へ移動させることも可能である。さらに浮遊電極へのドーピングは行わず、制御電極から電子、あるいはホールを注入したり、除去することにより浮遊電極の電位を制御することが可能となる。
図3は本発明の実施例で示したメモリ機能を有した有機トランジスタ装置における素子特性の説明図である。図3において、本発明により提供される素子の特性を示す。図3では、(1)過剰の電子の存在、あるいは、正孔を取り去ったことによる負のドーパントの存在により、浮遊電極の電位が低い場合と、(2)過剰の電子がない場合、あるいは、正孔を浮遊電極に戻した場合に浮遊電極の電位が高くなった場合の素子特性である。有機半導体活性層が、p型の場合、ソースドレイン間に一定の電圧を印可した場合を考える。制御電極に負の電位を印加すると、浮遊電極の電位が低い場合、電位の絶対値がより小さい段階でトランジスタを電流が流れ始める。一方、浮遊電極の電位が高い場合、トランジスタを電流が流れ始める制御電極電圧は高くなる。従って、例えば、図3の横軸に矢印で示した電圧V1において、浮遊電極の電位により電流が変化し、このようにして、メモリ機能を持たせることが可能となる。
本発明の有機トランジスタ装置は、メモリ機能が良好なので、ICタグ中のメモリ、あるいは、メモリ機能を兼ね備えた駆動素子に利用することができる。また、フレキシブルディスプレイやポータブルディスプレイなどにおけるメモリ、あるいは、メモリ機能を兼ね備えた駆動素子等にも利用することができる。
1 有機半導体層
1a チャネル領域
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5 制御電極
7 プラスチック基板
11 絶縁層
11a 無機絶縁層
12 浮遊電極
1a チャネル領域
3 ソース電極
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5 制御電極
7 プラスチック基板
11 絶縁層
11a 無機絶縁層
12 浮遊電極
Claims (5)
- ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、該有機半導体層の上面側もしくは下面側に設けた絶縁層と、その絶縁層の中に設けた浮遊電極と、前記浮遊電極の電荷を制御するための制御電極を有する有機トランジスタ装置を含み構成され、前記浮遊電極に蓄積した電荷の有無あるいは符合の違いを利用して情報を記憶することを特徴とする有機トランジスタ装置。
- 前記浮遊電極が無機半導体材料を含むことを特徴とする請求項1記載の有機トランジスタ装置。
- 前記浮遊電極が多結晶シリコンを含むことを特徴とする請求項1または2記載の有機トランジスタ装置。
- 前記浮遊電極の外側の絶縁膜が酸化シリコンを含むことを特徴とする請求項1記載の有機トランジスタ装置。
- ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、該有機半導体層の上面側もしくは下面側に設けた絶縁層と、その絶縁層の中に設けた浮遊電極と、前記浮遊電極の電荷を制御するための制御電極を有する装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004351850A JP2006165123A (ja) | 2004-12-03 | 2004-12-03 | 有機トランジスタ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP (1) | JP2006165123A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008182088A (ja) * | 2007-01-25 | 2008-08-07 | Kyushu Institute Of Technology | 有機電界効果トランジスタ |
CN102879963A (zh) * | 2012-09-27 | 2013-01-16 | 京东方科技集团股份有限公司 | 阵列基板及其制备方法、液晶面板、液晶显示装置 |
JP2013201295A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 有機薄膜トランジスタ |
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2004
- 2004-12-03 JP JP2004351850A patent/JP2006165123A/ja active Pending
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CN102879963B (zh) * | 2012-09-27 | 2015-02-04 | 京东方科技集团股份有限公司 | 阵列基板及其制备方法、液晶面板、液晶显示装置 |
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