JP2013201259A - 端子成形方法、端子およびコンデンサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子リードの折曲げ加工の加工精度を高め、面実装などの接続の安定性を高めることにある。
【解決手段】端子リード(8−1、8−2)の折曲げ位置(10)に切欠部(12)を形成し、該切欠部が最深部(14)と該最深部を挟んで対向する二つの傾斜面(16−1、16−2)を有し、前記折り曲げ位置で前記傾斜面間の拡開方向に折り曲げ、前記端子リードの折曲げ角部(18)の背面に前記傾斜面を含む傾斜部(20)を生成させている。
【選択図】図2
【解決手段】端子リード(8−1、8−2)の折曲げ位置(10)に切欠部(12)を形成し、該切欠部が最深部(14)と該最深部を挟んで対向する二つの傾斜面(16−1、16−2)を有し、前記折り曲げ位置で前記傾斜面間の拡開方向に折り曲げ、前記端子リードの折曲げ角部(18)の背面に前記傾斜面を含む傾斜部(20)を生成させている。
【選択図】図2
Description
本発明は、回路基板への面実装(フェィスボンディング)などに用いられる端子に関し、たとえば、端子リードを折り曲げる端子成形方法、端子およびコンデンサの製造方法に関する。
小型のコンデンサなどの電子部品では、端子リードを折り曲げて面実装端子に加工することが行われている。たとえば、コンデンサでは、封口板から引き出された2本の端子リードを互いに反対方向に曲げ、保持部材上で配置されている。また、樹脂モールドで形成された樹脂外装では、外装面に沿って端子リードを折り曲げ、面実装端子に加工することが行われている。
このような端子リードの成形に関し、折曲げ部分に切欠部や凹部などを形成することが知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
ところで、端子リードには銅線などの剛性の高い金属が用いられている。このため、この端子リードに折曲げ加工を施した際に、スプリングバックにより端子リードの成形や成形維持が妨げられる。スプリングバックは、金属など素材が持つ弾性の復元力が素材の折曲げなどの成形加工に対し、原形状に復帰する現象である。
このスプリングバックを回避するには剛性の低い金属を用いればよいが、剛性が低い金属は軟弱であり、成形後に変形するおそれがある。剛性の高い金属を用いれば、端子リードは強度を増すが、スプリングバックの影響を受ける。端子リードに対する成形圧力を高めれば、ある程度加工精度を高められるが、端子リードに対する成形負荷が大きくなり、部品の信頼性を低下させるおそれがある。
加工精度の低い端子リードでは、面実装の際に部品本体の浮き上がりなどの不都合がある。浮き上がりなど不安定な状態で半田付けを行えば、半田付け不良など、接続強度の低下を起こし、振動などで基板から電子部品が脱落するなどの課題がある。
端子リードの成形性を高めるため、従来では端子リードの折曲げ位置に加工を施し、端子リードが持つ弾性を鈍化させて加工することが行われてきた。しかし、従来の加工では製造上、端子リードの加工精度を上げれば、端子リードの脆弱化を招き、脆弱化を回避すると、端子リードの加工精度が低下するという課題がある。実験や試作段階では、ある程度の加工精度が得られても、量産段階に入ると、電子部品としての性能に何らの問題もないにもかかわらず、端子リードの加工精度のみで不良品となってしまう課題がある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、端子リードの折曲げ加工の加工精度を高め、面実装などの接続の安定性を高めることにある。
上記目的を達成するため、本発明の端子成形方法は、端子リードの折り曲げ位置に切欠部を形成し、該切欠部が最深部と該最深部を挟んで対向する二つの傾斜面を有し、前記折り曲げ位置で前記傾斜面間の拡開方向に折り曲げ、前記端子リードの折曲げ角部の背面に前記傾斜面を含む傾斜部を生成させている。
上記端子成形方法において、前記切欠部は、各傾斜面の成す角度を60度ないし120度に設定してもよい。
上記端子成形方法において、前記切欠部の最深部の肉厚は、前記端子リードの肉厚の2分の1であってもよい。
上記端子成形方法において、前記切欠部の前記最深部が前記傾斜面の平坦面、突部または凹部に成形される。
上記目的を達成するため、本発明の端子は、端子リードがリード基部と該リード基部から折曲げられた折曲げ部とを備え、前記リード基部と折曲げ部とが成す折曲げ角部の背面部に、前記折曲げ角部を二分する中心線と交差方向に広がる傾斜部を備える。
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサの製造方法は、コンデンサ本体から引き出される少なくとも一対の端子リードを形成し、前記端子リードの折曲げ位置に最深部と該最深部を挟んで対向する二つの傾斜面を持つ切欠部を形成し、前記端子リードを前記折り曲げ位置で前記傾斜面間の拡開方向に折り曲げ、前記端子リードの折曲げ角部に前記傾斜面を含む傾斜部を生成する。
(1) 本発明の端子成形方法によれば、端子の折曲げ加工の加工精度を高めることができる。
(2) 本発明の端子によれば、加工精度の高い折り曲げ部を持つ端子が得られる。
(3) 本発明のコンデンサの製造方法によれば、端子の折曲げ加工の加工精度を高めることができる。
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
<第1の実施の形態に係るコンデンサおよび端子リードの原形状(折曲げ前の形状)>
図1のAは、第1の実施の形態に係るコンデンサ2および端子リードの原形状を示している。図1のBは、図1のAのIB部を拡大して示している。
コンデンサ2は電子部品の一例であり、たとえば、電解コンデンサや電気二重層コンデンサである。このコンデンサ2はコンデンサ本体4と面実装部材6とを備えている。面実装部材6は絶縁合成樹脂などの絶縁体で形成されている。この面実装部材6は、コンデンサ本体4を面実装部品に加工するための台座でもよいし、コンデンサ本体4が実装される回路基板であってもよい。
この実施の形態のコンデンサ本体4には、単体として用いることができるコンデンサが用いられている。このコンデンサ本体4には、外装ケース42にコンデンサ素子44が封入されている。この外装ケース42は有底筒状のアルミニウムケースである。この外装ケース42の開口部には封口部材46が取り付けられている。この封口部材46はゴムなどの絶縁性ゴムで形成されている。コンデンサ素子44の同一素子面より導出した端子リード8−1、8−2は封口部材46を貫通させ、外装ケース42の開放端がカーリング処理されて封口部材46に食い込ませてある。この外装ケース42の開放端のカーリング部に面実装部材6を当接させている。なお、外装ケースおよび封口部材の形成材料は、上記材料に限定されることなく、適宜変更してもよい。また、封口方法における固定方法にはたとえば、レーザ溶接、抵抗溶接、プレス加工などを用いてもよい。また、外装ケース42に代え、コンデンサ素子44をモールドするモールド樹脂であってもよい。
コンデンサ本体4から引き出された一対の端子リード8−1、8−2は面実装部材6を貫通し、面実装部材6の下面側に引き出されている。各端子リード8−1、8−2は導電性のよい金属で形成されている。その断面形状は円柱状、角柱状のいずれであってもよい。
各端子リード8−1、8−2には面実装に適した位置、最適な加工位置としての折曲げ位置10が設定されている。各端子リード8−1、8−2の折曲げ位置10にはV字状の切欠部12が形成されている。切欠部12はプレス成形、切削などのいずれによって形成してもよい。各切欠部12は対向しており、各端子リード8−1、8−2は互いに反対方向に折り曲げられる。
各切欠部12は、最深部14を備える。この最深部14は、切欠部12の最も深い箇所を表す。この最深部14を挟んで対向する二つの傾斜面16−1、16−2が形成されている。したがって、各切欠部12は、最深部14と、この最深部14を挟んで二つの傾斜面16−1、16−2とでV字形の切欠凹部を形成している。この切欠部12は、プレス加工でもよいし、切削加工の何れで形成されてよい。この傾斜面16−1、16−2の成す角度をθ1とする。
<コンデンサ2および成形後の端子リード8−1、8−2>
図2のAは、コンデンサ2および成形後の端子リード8−1、8−2を示している。図2のBは、図2のAのIIB部(折曲げ角部18)を拡大して示している。
端子リード8−1、8−2は折曲げ位置10(図1のA)で互いに反対方向(傾斜面16−1、16−2を拡開させる方向:拡開方向)に直角に折り曲げられている。この折り曲げる角度をθ2とする。この成形後の端子リード8−1、8−2について、リード基部8Aと、折曲げ部8Bを定義する。リード基部8Aは、端子リード8−1、8−2の原形状部分である。折曲げ部8Bは、リード基部8Aと交差方向に折り曲げられた部分である。
リード基部8Aと折曲げ部8Bが成す折曲げ角部18の背面部には傾斜部20が形成されている。この傾斜部20には、原形状の傾斜面16−1、16−2、最深部14および伸長部22が含まれている。伸長部22は、折り曲げにより生成されたものであり、この場合、伸び幅W3を底辺とする三角形状である。伸び幅W3は傾斜面16−1、16−2および最深部14から形成されている。この伸長部22の断面面積および伸び幅W3は、図1Aに示す原形状の傾斜面16−1、16−2の成す角度θ1 と、図1Bに示すリード基部8Aと折曲げ部8Bが成す折曲げ角度θ2 、端子リード8−1、8−2の素材が持つ弾性に依存する。
<端子リード8−1、8−2の成形加工>
図3のA、BおよびCは、端子リード8−1、8−2の成形を示している。この成形工程は、本発明の端子成形方法およびコンデンサの製造方法の一例である。
図3のAに示すように、端子リード8−1、8−2の折曲げ位置10に形成された切欠部12の最深部14を中心に傾斜面16−1、16−2が形成されている。この実施の形態の傾斜面16−1、16−2の成す角度θ1 は一例として90度である。また、端子リード8−1、8−2の肉厚をW1、最深部14の肉厚をW2とする。W2=W1÷2とすると、最深部14の深さDは、D=W1÷2=W2である。つまり、最深部14の深さDは、端子リード8−1、8−2の肉厚の2分の1の深さである。
各端子リード8−1、8−2を図3のBに示すように、折曲げ位置10で先端側から時計方向または反時計方向に回転モーメントを加えて折り曲げる。つまり、切欠部12を背面側にして折り曲げる。折曲げ角度θ2 が45度であれば、傾斜面16−1、16−2の角度θ1 は原角度θ1 に45度を加えた角度つまり、θ1 =90度+45度=135度に拡開される。このとき、リード基部8Aと折曲げ部8Bが成す角度θ3 は、180度からθ2 を減算した値となる。つまり、θ3 =180度−45度=135度となる。
折曲げ角度θ2 をさらに45度だけ進め、θ2 =90度になると、図3のCに示すように、角度θ1 は、既述の135度に45度を加えた角度となる。つまり、θ1 =135度+45度=180度となる。これにより、傾斜面16−1、16−2にはV字状から連続した平坦な傾斜部20に遷移する。このとき、角度θ3 は90度となる。
傾斜部20は既述したとおり、傾斜面16−1、16−2、最深部14および伸長部22および伸び幅W3により形成される。そして傾斜部20は最深部14であった箇所を中心に角度θ1 =180度の平坦面となっている。つまり、折り曲げ角部18側にリード基部8Aと折曲げ部8Bを原形状に復帰させるための肉厚部が存在していない。このため、端子リード8−1、8−2の素材に弾性があっても、原形状に復帰するための復元力が生じない。この結果、スプリングバックが大幅に低減されている。
そして、最深部14の肉厚W2は多少の減少はあるものの、原形の肉厚が維持されるが、この肉厚部分は形状維持に寄与する。
したがって、スプリングバックが傾斜部20により相殺され、端子リード8−1、8−2が折曲げ形状に維持されている。
<切欠部12側に折り曲げた場合の比較例>
図4のAは、既述の端子リード8−1、8−2を切欠部12側に折り曲げる場合を示している。図4のBは、切欠部12を内側にして折り曲げられた端子リード8−1、8−2を示している。
この場合、折曲げ角部18には最深部14を頂点とする断面扇型の伸長部26が生じている。この伸長部26の断面積は、肉厚W2を半径とする円面積の4分の1の広さを持っている。伸び幅W4は、既述の伸び幅W3より大きく、しかも円弧を成している。これが、大きなスプリングバックの原因となる。このような折曲げはスプリングバックによる形状復帰性が高く、実用性に乏しい。
この比較例では、端子リード8−1、8−2を切欠部12側に折り曲げている。このように、端子リード8−1、8−2を折り曲げると、傾斜面16−1、16−2同士が当接する場合がある。傾斜面16−1、16−2同士が当接すると、互いに押し合う応力が発生する。この応力が集中すると、スプリングバックが生じ、傾斜面16−1、16−2間を引き離す方向に端子リード8−1、8−2を変形させてしまう。斯かるスプリングバックの抑制対策として、スプリングバックを見込んで端子リード8−1、8−2を折り曲げ、スプリングバックで復帰した端子リード8−1、8−2の角度が所望角度になるようにすることが行なわれる場合がある。しかし、スプリングバックは不安定であり、ばらつきがある。このようなスプリングバックを見込んだ折曲げは、傾斜面16−1、16−2を一定角度に成形できないという課題がある。
<第1の実施の形態の利点および効果>
この端子および端子成形方法には次のような利点がある。
(a) 折曲げ位置10に最深部14が設定されているので、折曲げ位置10が最深部14により特定される。折曲げ位置10を特定する折曲げ精度が高い。
(b) 最深部14の肉厚が薄いので、容易に端子リード8−1、8−2を折り曲げることができる。つまり、折曲げの容易化が図られる。
(c) 折曲げの結果、傾斜面16−1、16−2で一様な傾斜面20が生成され、リード基部8Aと折曲げ部8Bとの間のスプリングバックを防止できる。つまり、成形精度の向上とともに、形状維持性が高められる。
(d) 所定の角度たとえば、90度に端子リード8−1、8−2を折り曲げ、面実装端子に形成できる。これにより、基板面へのコンデンサ2の載置精度が高められる。半田付け精度が高められ、接続の信頼性を高めることができる。つまり、設置の安定化および接続の安定化を図ることができる。
(e) この実施の形態では、傾斜部20が生成された後、原形状である傾斜面16−1、16−2が対向しないので、原形状への復帰応力が生じる部位が存在しない。つまり、折曲げ方向と反対方向に作用する力が生じない。
(f) 端子リード8−1、8−2の折曲げを阻害することがなく、つまり、端子リード8−1、8−2の可動領域を制限することがない。端子リード8−1、8−2を90度以上に折り曲げることが可能である。また、折曲げ後、折曲げ角度を90度未満とすることができ、スプリングバックによる戻りを所望の折曲げ角度に調整することが可能である。
(g) 端子リード8−1、8−2に形成された切欠部12の最深部14が薄肉部となっているので、折曲げ開始の基点となる。切欠部12が折曲げ位置10を規制し、折曲げの位置精度を高めることができる。
(h) スプリングバックが防止され、端子リード8−1、8−2を面実装部材6と平行に配置できるので、回路基板への載置の安定化を図ることができ、半田付けの接続性を高めることができる。
(i) また、不安定なスプリングバックを想定した折曲げ角度の設定などの処理が不要であり、端子リード8−1、8−2の成形精度を高め、所望形状に折り曲げられた端子リード8−1、8−2の折曲げ形状に維持できる。
<第2の実施の形態に係る端子リード8−1、8−2>
図5のAは、切欠部12の角度θ1 を60度に設定している。図5のBは、端子リード8−1、8−2の折曲げ途上(θ2 =45度、θ3 =135度)の形態を示している。図5のCは、端子リード8−1、8−2の折曲げ完了(θ3 =90度)の形態を示している。
切欠部12の角度θ1 =60度に設定した場合には、図5のCに示すように、端子リード8−1、8−2の折曲げ角部18には緩やかなV字状の傾斜面16−1、16−2から成る傾斜部24が形成されている。この場合の伸長部26は、伸長部22(図3のB)に比較して小さくなっている。図5のCにおいて、W5は伸長部26の湾曲面側の大きさである。
そして、折り曲げ角部18側にリード基部8Aと折曲げ部8Bを原形状に復帰させるための肉厚部が存在していない。このため、端子リード8−1、8−2の素材に弾性があっても、原形状に復帰するための復元力が生じない。この結果、スプリングバックが大幅に低減される。
このように、切欠部12の角度を90度から60度にしても切欠部12の拡開方向に端子リード8−1、8−2を折り曲げれば、スプリングバックを低減できる。
<第3の実施の形態に係る端子リード8−1、8−2>
図6のAは、切欠部12の角度θ1 を120度に設定している。図6のBは、この場合の折曲げ途上(θ2 =45度、θ3 =135度)の形態を示している。図6のCは、この場合の折曲げ完了(θ3 =90度)の形態を示している。
切欠部12の角度θ1 =120度に設定した場合には、図6のCに示すように、端子リード8−1、8−2の折曲げ角部18には最深部14側が突出して緩やかな山型の傾斜面16−1、16−2から成る傾斜部28が形成されている。この場合の伸長部30は、伸長部22(図4のB)に比較して小さくなっている。
そして、折曲げ角部18側にリード基部8Aと折曲げ部8Bを原形状に復帰させるための肉厚部が存在していない。このため、端子リード8−1、8−2の素材に弾性があっても、原形状に復帰するための復元力が生じない。この結果、スプリングバックが大幅に低減される。
このように、切欠部12の角度を90度から120度にしても切欠部12の拡開方向に端子リード8−1、8−2を折り曲げれば、スプリングバックを低減できる。
<第4の実施の形態に係る端子リード8−1、8−2>
この実施の形態では、切欠部12を持たない端子リード8−1、8−2を90度だけ折り曲げた後、折曲げ角部18を切除して傾斜部32(図7のB)、34(図7のC)、36(図7のD)を形成している。
図7のAは、比較のため、切欠部12を持たない端子リード8−1、8−2を90度だけ折り曲げた状態を示している。つまり、リード基部8Aと折曲げ部8Bとで折曲げ角部18が形成されている。この折曲げ角部18の背面部には円弧状の伸び幅W7を持つ伸長部38が形成されている。スプリングバックの大きさは、材料のヤング率等に依存するが、伸長部38の大きさ(図中の円弧状面の面積)もスプリングバックに影響を与える。
図7のBは、図7のAに示す折曲げ角部18の背面側の一部を切削して傾斜部32が形成されている。この傾斜部32は、リード基部8Aと折曲げ部8Bとが成す折曲げ角部18の背面部に対し、折曲げ角度θ3 を二分する中心線50と交差方向に広がりを持つ傾斜面である。
この傾斜部32を形成すれば、伸長部38(図7のA)は二等辺三角形の伸長部52に大幅に削減され、しかも、伸び幅W7は伸び幅W8に削減されている。この結果、スプリングバックは、図7のAの場合に比較し、大幅に低減される。
図7のCは、図7のAに示す折曲げ角部18の背面側の一部を切削して傾斜部34に形成されている。この傾斜部34は、リード基部8Aと折曲げ部8Bとが成す折曲げ角部18の背面部に対し、折曲げ角度θ3 を二分する中心線50を中心に交差方向に広がりを持つ二つの傾斜面34−1、34−2を備えている。この場合、傾斜面34−1、34−2の成す角度θ1 はたとえば、120度である。
この傾斜部34を形成すれば、伸長部38(図7のA)は二等辺三角形の伸長部54に大幅に削減され、しかも、伸び幅W7は伸び幅W9に削減されている。この結果、スプリングバックは、図7のAの場合に比較し、大幅に低減される。
図7のDは、図7のAに示す折曲げ角部18の背面側の一部を切削して傾斜部36に形成されている。この傾斜部36は、リード基部8Aと折曲げ部8Bとが成す折曲げ角部18の背面部に対し、折曲げ角度θ3 を二分する中心線50を中心に交差方向に広がりを持つ二つの傾斜面36−1、36−2を備えている。この場合、傾斜面36−1、36−2の成す角度θ1 はたとえば、90度である。
この傾斜部36を形成すれば、伸長部38(図7のA)は大幅に削減されている。この結果、スプリングバックは、図7のAの場合に比較し、大幅に低減される。
このように切欠部12のない端子リード8−1、8−2を折り曲げ、折曲げ角部18の一部を切除して傾斜部を形成すれば、スプリングバックを低減することができる。
<他の実施の形態>
(1) 上記実施の形態ではコンデンサを例示したが、コンデンサ以外の電子部品であってもよい。
(2) 上記実施の形態では、コンデンサの端子リードの折曲げについて説明したが、コンデンサの製造方法には、コンデンサ素子の形成、外装部材による外装などの他の処理を含むものである。たとえば、上記実施の形態では、有底筒状の外装ケース42を用いたコンデンサ本体4を例示しているが、コンデンサ本体4には樹脂モールドタイプのチップ型コンデンサを用いてもよい。樹脂モールドタイプでは、コンデンサ素子の周囲を外装樹脂層で被覆する。この外装樹脂層の形成には、液状樹脂にコンデンサ素子を浸漬するいわゆる浸漬法や、コンデンサ素子を被覆する外装樹脂層を金型で成型する成型法などのいずれを用いてもよい。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
本発明の端子成形方法、端子およびコンデンサの製造方法によれば、回路基板への面実装(フェィスボンディング)などに用いられる端子リードの成形に関し、折曲げ位置にV字状の切欠部を形成することにより、または折曲げ角部側の背面部を切除することにより、折り曲げられた端子リードのスプリングバックを軽減し、成形精度を高めることができ、製品品質を向上させることができる。
2 コンデンサ
4 コンデンサ本体
6 面実装部材
8−1、8−2 端子リード
10 折曲げ位置
12 切欠部
14 最深部
16−1、16−2 傾斜面
18 折曲げ角部
20 傾斜部
22 伸長部、基部
24 折曲げ側端部24、傾斜部
26 伸長部
28 傾斜部
30 伸長部
32、34、36 傾斜部
34−1、34−2 傾斜面
36−1、36−2 傾斜面
38 伸長部
42 外装ケース
44 コンデンサ素子
46 封口部材
50 中心線
52 伸長部
54 伸長部
4 コンデンサ本体
6 面実装部材
8−1、8−2 端子リード
10 折曲げ位置
12 切欠部
14 最深部
16−1、16−2 傾斜面
18 折曲げ角部
20 傾斜部
22 伸長部、基部
24 折曲げ側端部24、傾斜部
26 伸長部
28 傾斜部
30 伸長部
32、34、36 傾斜部
34−1、34−2 傾斜面
36−1、36−2 傾斜面
38 伸長部
42 外装ケース
44 コンデンサ素子
46 封口部材
50 中心線
52 伸長部
54 伸長部
Claims (6)
- 端子リードの折り曲げ位置に切欠部を形成し、該切欠部が最深部と該最深部を挟んで対向する二つの傾斜面を有し、
前記折り曲げ位置で前記傾斜面間の拡開方向に折り曲げ、
前記端子リードの折曲げ角部の背面に前記傾斜面を含む傾斜部を生成させた
ことを特徴とする端子成形方法。 - 前記切欠部は、各傾斜面の成す角度が60度ないし120度であることを特徴とする、請求項1に記載の端子成形方法。
- 前記切欠部の最深部の肉厚は、前記端子リードの肉厚の2分の1であることを特徴とする請求項1または2の何れかの請求項に記載の端子成形方法。
- 前記切欠部の前記最深部が前記傾斜面の平坦面、突部または凹部に成形されることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の端子成形方法。
- 端子リードがリード基部と該リード基部から折曲げられた折曲げ部とを備え、
前記リード基部と折曲げ部とが成す折曲げ角部の背面部に、前記折曲げ角部を二分する中心線と交差方向に広がる傾斜部を備えることを特徴とする端子。 - コンデンサ本体から引き出される少なくとも一対の端子リードを形成し、
前記端子リードの折曲げ位置に最深部と該最深部を挟んで対向する二つの傾斜面を持つ切欠部を形成し、
前記端子本体を前記折り曲げ位置で前記傾斜面間の拡開方向に折り曲げ、
前記端子本体の折曲げ角部に前記傾斜面を含む傾斜部を生成する
ことを特徴とするコンデンサの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012068353A JP2013201259A (ja) | 2012-03-23 | 2012-03-23 | 端子成形方法、端子およびコンデンサの製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015035454A (ja) * | 2013-08-07 | 2015-02-19 | ニチコン株式会社 | 面実装型電子部品およびその製造方法 |
JP2021103911A (ja) * | 2019-12-24 | 2021-07-15 | 住友電装株式会社 | 電気接続箱 |
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2012
- 2012-03-23 JP JP2012068353A patent/JP2013201259A/ja active Pending
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