JP2013201118A - ターゲット物質精製装置、および、ターゲット供給装置 - Google Patents

ターゲット物質精製装置、および、ターゲット供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ターゲット物質を安定して供給するターゲット物質精製装置を提供すること。
【解決手段】ターゲット物質精製装置は、ターゲット物質を収容するための精製用タンクと、前記精製用タンク内を加熱するための加熱部と、前記ターゲット物質中に存在する酸素原子を除去するための酸素原子除去部とを備えてもよい。
【選択図】図5

Description

本開示は、ターゲット物質精製装置、および、ターゲット供給装置に関する。
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、例えば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度のEUV光を生成するための装置と縮小投影反射光学系とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
EUV光生成装置としては、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマを用いたLPP(Laser Produced Plasma)方式の装置と、放電によって生成されるプラズマを用いたDPP(Discharge Produced Plasma)方式の装置と、軌道放射光を用いたSR(Synchrotron Radiation)方式の装置との3種類の装置が知られている。
米国特許第7405416号明細書
概要
本開示の一態様によるターゲット物質精製装置は、ターゲット物質を収容するための精製用タンクと、前記精製用タンク内を加熱するための加熱部と、前記ターゲット物質中に存在する酸素原子を除去するための酸素原子除去部とを備えてもよい。
本開示の一態様によるターゲット供給装置は、上述のターゲット物質精製装置と、貫通孔を備えたノズルであって、当該貫通孔と前記ターゲット物質精製装置の前記精製用タンク内とが連通するように設置されたノズルとを備えてもよい。
本開示の他の態様によるターゲット供給装置は、上述のターゲット物質精製装置と、EUV光の生成が行われるチャンバ内にターゲット物質を出力するためのターゲット生成器と、前記ターゲット生成器内の前記ターゲット物質を加熱して溶融するための生成器用加熱部と、前記ターゲット物質精製装置の前記精製用タンク内の前記ターゲット物質を前記ターゲット生成器に移送するための移送部と、前記ターゲット生成器内の前記ターゲット物質の温度を、前記精製用タンク内の前記ターゲット物質の温度よりも高くするためのターゲット供給用制御部とを備えてもよい。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、例示的なLPP方式のEUV光生成装置の構成を概略的に示す。 図2は、ピエゾ素子を備えるEUV光生成装置の構成を概略的に示す。 図3は、ピエゾ素子および温度制御部を備えるEUV光生成装置の構成を概略的に示す。 図4は、スズに対する酸素原子の溶解度を示すグラフである。 図5は、第1実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示す。 図6は、第2実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示す。 図7は、第3実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示す。 図8は、第4実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示す。 図9は、第5実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示す。 図10Aは、第6実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示し、ゲッタリング物質が酸素原子と結合していない状態を示す。 図10Bは、第6実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示し、ゲッタリング物質が酸素原子と結合した状態を示す。 図11は、第7実施形態に係るターゲット物質精製装置を備えるEUV光生成装置の構成を概略的に示す。 図12は、ターゲット制御装置に係るEUV光の生成処理を示すフローチャートである。 図13Aは、低酸素化サブルーチンを示すフローチャートである。 図13Bは、低酸素化サブルーチンを示すフローチャートである。 図14は、ターゲット物質出力サブルーチンを示すフローチャートである。 図15Aは、低酸素化開始判定サブルーチンを示すフローチャートである。 図15Bは、低酸素化開始判定サブルーチンを示すフローチャートである。 図15Cは、低酸素化開始判定サブルーチンを示すフローチャートである。 図16は、第8実施形態に係るターゲット物質精製装置を備えるEUV光生成装置の構成を概略的に示す。 図17は、ターゲット制御装置に係るEUV光の生成処理を示すフローチャートである。 図18Aは、ターゲット原料精製サブルーチンを示すフローチャートである。 図18Bは、ターゲット原料精製サブルーチンを示すフローチャートである。 図18Cは、ターゲット原料精製サブルーチンを示すフローチャートである。 図19Aは、ターゲット原料精製開始判定サブルーチンを示すフローチャートである。 図19Bは、ターゲット原料精製開始判定サブルーチンを示すフローチャートである。 図19Cは、ターゲット原料精製開始判定サブルーチンを示すフローチャートである。
実施形態
内容
1.概要
2.EUV光生成装置の全体説明
2.1 構成
2.2 動作
3.ピエゾ素子を備えるEUV光生成装置
3.1 構成
3.2 動作
4.ピエゾ素子および温度制御部を備えるEUV光生成装置
4.1 構成
4.2 動作
5.ターゲット物質精製装置
5.1 用語の説明
5.2 第1実施形態
5.2.1 概略
5.2.2 スズに対する酸素原子の溶解度
5.2.3 構成
5.2.4 動作
5.3 第2実施形態
5.3.1 概略
5.3.2 構成
5.3.3 動作
5.4 第3実施形態
5.4.1 概略
5.4.2 構成
5.4.3 動作
5.5 第4実施形態
5.5.1 概略
5.5.2 構成
5.5.3 動作
5.6 第5実施形態
5.6.1 概略
5.6.2 構成
5.6.3 動作
5.7 第6実施形態
5.7.1 概略
5.7.2 構成
5.7.3 動作
6.ターゲット物質精製装置を備えるEUV光生成装置
6.1 第7実施形態
6.1.1 概略
6.1.2 構成
6.1.3 動作
6.2 第8実施形態
6.2.1 概略
6.2.2 構成
6.2.3 動作
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成および動作の全てが本開示の構成および動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
1.概要
本開示の実施形態においては、ターゲット物質精製装置は、精製用タンクと、加熱部と、酸素原子除去部とを備えてもよい。精製用タンクは、密閉空間にターゲット物質を収容してもよい。加熱部は、密閉空間内のターゲット物質を加熱して溶融してもよい。酸素原子除去部は、ターゲット物質中に存在する酸素原子を除去してもよい。
ここで、ターゲット物質中には、酸素原子が溶解し得る。ターゲット物質中の酸素原子の溶解度は、ターゲット物質の温度が低くなるほど小さくなり得る。このため、以下のような現象が生じうる。すなわち、所定温度(第1溶融温度という場合がある)まで加熱されて溶融しているターゲット物質には、当該第1溶融温度に対応する量(第1溶解量という場合がある)の酸素原子が溶解し得る。このターゲット物質の温度が下がると、ターゲット物質は、第1溶解量の酸素原子を含んだまま固化し得る。この後、EUV光の生成に用いるために、ターゲット物質を第1溶融温度よりも低い第2溶融温度で溶融すると、当該溶融したターゲット物質には、第2溶融温度に対応する量(第2溶解量という場合がある)の酸素原子が溶解し得る。上述のように、ターゲット物質の温度が低いほど酸素原子の溶解度が小さくなるため、第2溶解量は第1溶解量よりも少なくなり得る。したがって、第2溶融温度で溶融しているターゲット物質には、第1溶解量から第2溶解量を減じた量の酸素原子が溶解できないこととなり得る。その結果、この溶解できない酸素原子がターゲット物質と結合して、ターゲット物質の酸化物が析出し得る。この析出した酸化物は、ノズルのノズル孔で詰まり得る。また、析出した酸化物がノズル孔に集積すると、ターゲット物質の出力方向が変化し得る。
本開示の実施形態のターゲット物質精製装置では、ターゲット物質中に存在する酸素原子を低減し得る。したがって、このターゲット物質をEUV光の生成に用いる場合、ターゲット物質の酸化物の析出を抑制することが可能となり、酸化物がノズル孔に詰まる可能性が低減し得る。さらには、酸化物がノズル孔に集積する可能性が低減し、ターゲット物質の出力方向の変化を抑制し得る。
2.EUV光生成装置の全体説明
2.1 構成
図1は、例示的なLPP方式のEUV光生成装置1の構成を概略的に示す。EUV光生成装置1は、少なくとも1つのレーザ装置3と共に用いられてもよい。EUV光生成装置1およびレーザ装置3を含むシステムを、以下、EUV光生成システム11と称する。図1を参照に、以下に詳細に説明されるように、EUV光生成装置1は、チャンバ2を含んでもよい。チャンバ2は、密閉可能であってもよい。EUV光生成装置1は、ターゲット供給装置7をさらに含んでもよい。ターゲット供給装置7は、例えばチャンバ2に取り付けられていてもよい。ターゲット供給装置7から供給されるターゲットの材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、またはそれらのうちのいずれか2つ以上の組合せ等を含んでもよいが、これらに限定されない。
チャンバ2の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられていてもよい。その貫通孔をレーザ装置3から出力されたパルスレーザ光32が通過してもよい。あるいは、チャンバ2には、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光32が透過する少なくとも1つのウインドウ21が設けられてもよい。チャンバ2の内部には例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV集光ミラー23が配置されてもよい。EUV集光ミラー23は、第1焦点および第2焦点を有し得る。EUV集光ミラー23の表面には例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されてもよい。EUV集光ミラー23は、例えば、その第1焦点がプラズマ生成位置またはその近傍(プラズマ生成領域25)に位置し、その第2焦点が露光装置の仕様によって規定される所望の集光位置(中間焦点(IF)中間焦点292)に位置するように配置されるのが好ましい。EUV集光ミラー23の中央部には、パルスレーザ光33が通過するための貫通孔24が設けられてもよい。
EUV光生成装置1は、EUV光生成制御システム5を含んでいてもよい。また、EUV光生成装置1は、ターゲットセンサ4を含んでもよい。ターゲットセンサ4は、ターゲットの存在、軌道、位置等を検出してもよい。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有してもよい。
さらに、EUV光生成装置1は、チャンバ2内部と露光装置6内部とを連通させるための接続部29を含んでもよい。接続部29内部には、アパーチャが形成された壁291が設けられてもよい。壁291は、そのアパーチャがEUV集光ミラー23の第2焦点位置に位置するように配置されてもよい。
さらに、EUV光生成装置1は、レーザ光進行方向制御部34、レーザ光集光光学系22、ドロップレット27を回収するためのターゲット回収装置28等を含んでもよい。レーザ光進行方向制御部34は、レーザ光の進行方向を規定するための光学素子と、この光学素子の位置や姿勢等を調節するためのアクチュエータとを備えてもよい。
2.2 動作
図1を参照に、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御部34を経て、パルスレーザ光32としてウインドウ21を透過して、チャンバ2に入射してもよい。パルスレーザ光32は、少なくとも1つのレーザ光経路に沿ってチャンバ2内に進み、レーザ光集光光学系22で反射されて、パルスレーザ光33として少なくとも1つのドロップレット27に照射されてもよい。
ターゲット供給装置7からは、ドロップレット27がチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力されてもよい。ドロップレット27には、パルスレーザ光33に含まれる少なくとも1つのパルスレーザ光が照射され得る。パルスレーザ光33が照射されたドロップレット27はプラズマ化し、そのプラズマからEUVを含む光251(以下、「EUV光を含む光」を「EUV光」と表現する場合がある)が放射され得る。EUV光251は、EUV集光ミラー23によって集光されるとともに反射されてもよい。EUV集光ミラー23で反射されたEUV光252は、中間焦点292を通って露光装置6に出力されてもよい。なお、1つのドロップレット27に、パルスレーザ光33に含まれる複数のパルスレーザ光が照射されてもよい。
EUV光生成制御システム5は、EUV光生成システム11全体の制御を統括してもよい。EUV光生成制御システム5は、ターゲットセンサ4によって撮像されたドロップレット27のイメージデータ等を処理してもよい。EUV光生成制御システム5は、例えば、ドロップレット27を出力するタイミングやドロップレット27の出力速度等を制御してもよい。また、EUV光生成制御システム5は、例えば、レーザ装置3のレーザ発振タイミングやパルスレーザ光32の進行方向やパルスレーザ光33の集光位置等を制御してもよい。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御を追加してもよい。
3.ピエゾ素子を備えるEUV光生成装置
3.1 構成
図2は、ピエゾ素子を備えるEUV光生成装置の構成を概略的に示す。
EUV光生成装置1Aは、図2に示すように、チャンバ2と、ターゲット供給装置7Aとを備えてもよい。ターゲット供給装置7Aは、ターゲット生成部70Aと、ターゲット制御装置80Aとを備えてもよい。
ターゲット生成部70Aは、ターゲット生成器71と、圧力調整器72と、ピエゾ駆動部74Aとを備えてもよい。ターゲット生成器71は、内部にターゲット物質270を収容するためのタンク711を備えてもよい。タンク711は、筒状であってもよい。タンク711には、当該タンク711内のターゲット物質270を、ドロップレット27としてチャンバ2内に出力するためのノズル712が設けられていてもよい。ノズル712の先端部には、ノズル孔が設けられていてもよい。ターゲット生成器71は、タンク711がチャンバ2外部に位置し、ノズル712がチャンバ2内部に位置するように設けられてもよい。圧力調整器72は、タンク711に連結されてもよい。また、圧力調整器72は、ターゲット制御装置80Aに電気的に接続されてもよい。
ピエゾ駆動部74Aは、ピエゾ素子741Aと、ピエゾ素子電源742Aとを備えてもよい。ピエゾ素子741Aは、チャンバ2内において、ノズル712周辺の例えば外周面に設けられてもよい。ピエゾ素子741Aの代わりに、高速でノズル712に機械的力を加えることが可能な機構が設けられてもよい。ピエゾ素子電源742Aは、チャンバ2の壁部に設けられた図示しない導入端子を介して、ピエゾ素子741Aに接続されてもよい。ピエゾ素子電源742Aは、ターゲット制御装置80Aに接続されてもよい。
チャンバ2の設置形態によっては、予め設定されるターゲット物質270の出力方向(ノズル712の軸方向(設定出力方向10Aと称する))は、必ずしも重力方向10Bと一致するとは限らない。予め設定されるターゲット物質270の出力方向はノズル712の軸方向と同一であってもよく、以下、設定出力方向10Aと称する場合がある。重力方向10Bに対して、斜め方向や水平方向に、ターゲット物質270が出力されるよう構成されてもよい。なお、第1実施形態および後述する第2〜第5実施形態では、設定出力方向10Aが重力方向10Bと一致するようにチャンバ2が設置される場合について説明する。
3.2 動作
EUV光生成時には、ターゲット制御装置80Aは、圧力調整器72に信号を送信して、タンク711内の圧力を所定の圧力に調節してもよい。この所定の圧力とは、ノズル孔にターゲット物質270によるメニスカス面が形成される程度の圧力でよく、この状態ではドロップレット27は出力されなくともよい。
その後、ターゲット制御装置80Aは、例えば、オンデマンド方式でドロップレット27を生成するためのドロップレット生成信号12Aをピエゾ素子電源742Aに送信してもよい。ドロップレット生成信号12Aを受信したピエゾ素子電源742Aは、ピエゾ素子741Aに対して所定のパルス状の電力を供給してもよい。
電力の供給を受けたピエゾ素子741Aは、電力の供給タイミングに合わせて変形し得る。これにより、ノズル712周辺が高速で押圧され、ドロップレット27が出力され得る。タンク711内が所定の圧力に維持されていれば、電力供給のタイミングに合わせてドロップレット27が出力され得る。
あるいは、ターゲット制御装置80Aは、コンティニュアスジェット方式でジェットを生成するよう、タンク711内の圧力を調節するよう構成されてもよい。このときのタンク711内の圧力は上述の所定の圧力よりも高い圧力であってもよく、ターゲット物質はノズル712を介してジェット状で出力してもよい。ターゲット制御装置80Aは、ドロップレットを生成するための振動信号をピエゾ素子電源742Aに送信してもよい。振動信号を受信したピエゾ素子電源742Aは、ピエゾ素子741Aに対して当該ピエゾ素子741Aを振動させるための電力を供給してもよい。
電力の供給を受けたピエゾ素子741Aは、ノズル712を高速で振動させ得る。これにより、ジェットは、一定周期で分断され、ドロップレットとして出力され得る。そして、このように出力されたドロップレットにパルスレーザ光が照射されることで、EUV光が生成されてもよい。
4.ピエゾ素子および温度制御部を備えるEUV光生成装置
4.1 構成
図3は、ピエゾ素子および温度制御部を備えるEUV光生成装置の構成を概略的に示す。
EUV光生成装置1Bのターゲット供給装置7Bは、図3に示すように、ターゲット生成部70Bと、ターゲット制御装置80Bとを備えてもよい。
ターゲット生成部70Bは、ターゲット生成器71と、圧力調整器72と、ピエゾ駆動部74Aと、温度調節部75Bとを備えてもよい。
圧力調整器72には、不活性ガスボンベ721が接続されてもよい。圧力調整器72は、不活性ガスボンベ721から供給される不活性ガスの圧力を制御して、タンク711内の圧力を調節するよう構成されてもよい。
温度調節部75Bは、タンク711内のターゲット物質270の温度を調節するよう構成されてもよい。温度調節部75Bは、第1ヒータ751Bと、第1ヒータ電源752Bと、第1温度センサ753Bと、第1温度コントローラ754Bと、第2ヒータ755Bと、第2ヒータ電源756Bと、第2温度センサ757Bと、第2温度コントローラ758Bとを備えてもよい。第1ヒータ751Bと、第2ヒータ755Bはノズル712およびタンク711の周囲を囲む輪状に配置されていてもよい。
第1ヒータ751Bは、ノズル712の上端側および下端側のそれぞれの外周面に設けられてもよい。第1ヒータ電源752Bは、第1ヒータ751Bと第1温度コントローラ754Bとに電気的に接続されていてもよい。第1ヒータ電源752Bは、第1温度コントローラ754Bからの信号に基づいて、第1ヒータ751Bに電力を供給して第1ヒータ751Bを発熱させてもよい。それにより、ノズル712内のターゲット物質270が加熱され得る。
第1温度センサ753Bは、ノズル712の外周面に設けられてもよい。第1温度センサ753Bには、第1温度コントローラ754Bが電気的に接続されていてもよい。第1温度センサ753Bは、ノズル712の温度を検出して、当該検出された温度に対応する信号を第1温度コントローラ754Bに送信するよう構成されてもよい。第1温度コントローラ754Bは、第1温度センサ753Bからの信号に基づいて、ノズル712内のターゲット物質270の温度を判定し、ノズル712内のターゲット物質270の温度を所定温度に調節するための信号を第1ヒータ電源752Bに出力するよう構成されてもよい。
第2ヒータ755Bは、タンク711の外周面に設けられてもよい。第2ヒータ電源756Bは、第2ヒータ755Bと第2温度コントローラ758Bとに電気的に接続され、第2温度コントローラ758Bからの信号に基づいて、第2ヒータ755Bに電力を供給してもよい。
第2温度センサ757Bは、タンク711の外周面に設けられ、第2温度コントローラ758Bに電気的に接続されていてもよい。第2温度センサ757Bは、タンク711の温度を検出して、当該検出された温度に対応する信号を第2温度コントローラ758Bに送信するよう構成されてもよい。第2温度コントローラ758Bは、第2温度センサ757Bからの信号に基づいて、タンク711内のターゲット物質270の温度を所定温度に調節するための信号を第2ヒータ電源756Bに出力するよう構成されてもよい。
4.2 動作
チャンバ2内の圧力がEUV光を生成可能な圧力に調整された状態において、ターゲット制御装置80Bは、第1,第2温度コントローラ754B,758Bに信号を送信するよう構成されてもよい。この信号が入力されると、第1,第2温度コントローラ754B,758Bは、第1,第2温度センサ753B,757Bからの信号に基づいて、第1,第2ヒータ電源752B,756Bに供給される電力の制御を開始してもよい。このとき、第1,第2温度コントローラ754B,758Bは、ターゲット生成器71内のターゲット物質270の温度が融点以上となるように、第1,第2ヒータ電源752B,756Bを制御してもよい。ターゲット物質270の融点以上の温度は、ターゲット物質270がスズの場合には232℃以上、ガドリニウムの場合には1312℃以上、テルビウムの場合には1356℃以上であってもよい。
なお、ターゲット制御装置80Bは、ノズル孔付近でのターゲット物質270の酸化物の析出を抑制するために、ノズル712の温度がタンク711の温度よりも高くなるように第1,第2温度コントローラ754B,758Bを制御してもよい。
この後、ターゲット制御装置80Bは、圧力調整器72、ピエゾ駆動部74Aなどを制御することで、ターゲット生成器71からドロップレットを出力させてもよい。このドロップレットにレーザ光が照射されることでEUV光が生成されてもよい。
5.ターゲット物質精製装置
5.1 用語の説明
以下、ノズルの先端に近い側の方の温度を遠い方の温度よりも高くすることを、「軸方向に温度勾配を与える」と説明し得る。
精製用タンクの密閉空間のうちターゲット物質の上方部分を、「気体空間」と説明し得る。
5.2 第1実施形態
5.2.1 概略
本開示の第1実施形態によれば、ターゲット物質精製装置は、精製用タンクと、加熱部と、還元部と、排気部とを備えてもよい。還元部は、ターゲット物質中に存在する酸素原子を還元してもよい。排気部は、密閉空間を排気してもよい。
以上のような構成により、ターゲット物質精製装置は、ターゲット物質中に存在する酸素原子を還元することで水蒸気を生成し、当該水蒸気を密閉空間から排気し得る。その結果、ターゲット物質に含まれる酸素原子が低減され得る。したがって、このターゲット物質をEUV光の生成に用いる場合、ターゲット物質の酸化物の析出を抑制することが可能となり得る。
5.2.2 スズに対する酸素原子の溶解度
図4は、スズに対する酸素原子の溶解度を示すグラフである。
ターゲット物質270中には、酸素原子が溶解し得る。ターゲット物質270がスズの場合には、スズに対する酸素原子の溶解度は、図4に示すように、スズの温度が低くなるほど小さくなり得る。このため、第1溶融温度まで加熱した後に固化したスズを、第1溶融温度よりも低い第2溶融温度で再度溶融した場合には、第1溶解量(第1溶融温度のスズに溶解可能な酸素原子の量)から第2溶解量(第2溶融温度のスズに溶解可能な酸素原子の量)を減じた量の酸素原子がスズに溶解できないこととなる。その結果、この溶解できない酸素原子がスズと結合して酸化スズとして析出し得る。
例えば、液体スズ中の酸素原子の溶解度をS(原子%)、液体スズの温度をT(K)とすると、以下の式(1)を満たし得る。
S=A×exp(B/T) …(1)
ここで、A=1.03×10、B=−1.48×10である。
例えば、スズに含まれる酸素原子の濃度が1×10−4(原子%)の場合、スズの温度が350℃に制御されているとすると、溶解度は、5×10−6(原子%)となり得る。
このため、析出するスズの酸化物の量は、95×10−6(原子%)(1×10−4−5×10−6)に対応する量となり得る。
つまり、以下の式(2)を満たすように、液体スズの温度Tを制御することによって、スズの酸化物の析出を抑制し得る。
T(K)≧B/{ln(S/A)} …(2)
ここで、A=1.03×10、B=−1.48×10である。
式(2)から、例えば、スズ中に存在する酸素原子の割合が4×10−7(原子%)まで低減できた場合を仮定すると、温度を290℃(563.1K)以上に維持することで、スズの酸化物の析出を抑制し得る。
5.2.3 構成
図5は、第1実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示す。
ターゲット物質精製装置9Cは、図5に示すように、精製用タンク91Cと、加熱部92Cと、酸素原子除去部93Cと、制御部94Cとを備えてもよい。
精製用タンク91Cは、タンク本体911Cと、蓋912Cとを備えてもよい。タンク本体911Cは、下面が閉じられた筒状であってもよい。蓋912Cは、タンク本体911Cの上面を塞ぐことが可能な略板状であってもよい。タンク本体911Cと蓋912Cとが形成する密閉空間919Cには、ターゲット物質270が収容されてもよい。タンク本体911Cと蓋912Cとの接触部分には、密閉空間919Cの密閉性を高めるために、図示しないOリングなどの密閉部材が設けられてもよい。
タンク本体911Cおよび蓋912Cは、ターゲット物質270と反応して合金が生成されにくい材料により形成されてもよい。例えば、ターゲット物質270がスズの場合、タンク本体911Cおよび蓋912Cは、モリブデンや、グラファイト、タングステン、あるいはPBN(気相成長法(CVD法)によって生成された窒化ホウ素)で形成されてもよい。なお、タンク本体911Cおよび蓋912Cがターゲット物質270との反応性が高い材料により形成されている場合には、タンク本体911Cの内面および蓋912Cの下面が、モリブデンや、グラファイト、タングステン、あるいはPBNでコーティングされているものを用いてもよい。
加熱部92Cは、ヒータ921Cと、ヒータ電源922Cと、温度センサ923Cと、温度コントローラ924Cとを備えてもよい。
ヒータ921Cは、タンク本体911Cの外周面および下面に設けられてもよい。ヒータ電源922Cは、ヒータ921Cと温度コントローラ924Cとに電気的に接続されていてもよい。ヒータ電源922Cは、温度コントローラ924Cからの信号に基づいて、ヒータ921Cに電力を供給してヒータ921Cを発熱させてもよい。
温度センサ923Cは、タンク本体911C内のターゲット物質270に接するよう配置されてもよい。温度センサ923Cは、蓋912Cに設けられたフィードスルー925Cを介して、温度コントローラ924Cに電気的に接続されてもよい。温度センサ923Cは、タンク本体911C内のターゲット物質270の温度を検出して、当該検出された温度に対応する信号を温度コントローラ924Cに送信してもよい。
温度コントローラ924Cは、制御部94Cに電気的に接続されてもよい。温度コントローラ924Cは、温度センサ923Cからの信号に基づいて、ターゲット物質270の温度を判定し、ターゲット物質270の温度を所定温度に調節するための信号を、ヒータ電源922Cに出力するよう構成されてもよい。
酸素原子除去部93Cは、還元部95Cと、排気部としてのポンプ96Cとを備えてもよい。
還元部95Cは、水素ガスボンベ951Cと、第1マスフローコントローラ952Cと、アルゴンガスボンベ953Cと、第2マスフローコントローラ954Cと、純化装置955Cと、バブリング機構956Cとを備えてもよい。
第1マスフローコントローラ952Cには、水素ガスボンベ951Cと純化装置955Cとが接続されてもよい。また、第1マスフローコントローラ952Cは、制御部94Cに電気的に接続されてもよい。第1マスフローコントローラ952Cは、水素ガスボンベ951Cから供給される水素ガスの流量を制御して、当該水素ガスを純化装置955Cに供給してもよい。第2マスフローコントローラ954Cには、アルゴンガスボンベ953Cと純化装置955Cとが接続されてもよい。第2マスフローコントローラ954Cは、制御部94Cに電気的に接続されてもよい。第2マスフローコントローラ954Cは、アルゴンガスボンベ953Cから供給されるアルゴンガスの流量を制御して、当該アルゴンガスを純化装置955Cに供給してもよい。
純化装置955Cには、バブリング機構956Cが接続されてもよい。また、純化装置955Cは、制御部94Cに電気的に接続されてもよい。純化装置955Cは、供給されたガス中の水および酸素の濃度を低減するラインピュリファイヤであってもよい。例えば、純化装置955Cは、マグネシウムを保持したフィルタを加熱して、当該フィルタとガスとを接触させることで、接触したガスから酸素を除去できるように構成されてもよい。
純化装置955Cには、水素ガスとアルゴンガスとが混合した還元ガスが供給され得る。純化装置955Cは、この還元ガス中の水および酸素の濃度を低減して、バブリング機構956Cへ供給してもよい。
バブリング機構956Cは、管状に形成されてもよい。バブリング機構956Cは、一端が純化装置955Cに接続され、他端がタンク本体911Cを貫通し、タンク本体911Cの下端側に位置するように形成されてもよい。バブリング機構956Cは、水および酸素含有量を低減された還元ガスを溶融したターゲット物質270内に導入して、バブル90Cを生成してもよい。バブル90Cが生成されると、ターゲット物質270中に水素原子が溶解し得る。この溶解した水素原子によってターゲット物質270中の酸素原子が還元され、水蒸気が生成され得る。そして、この水蒸気は、密閉空間919Cにおける気体空間918Cに排出され得る。
ポンプ96Cは、配管961Cに接続されてもよい。この配管961Cは、気体空間918C内の気体をポンプ96Cに導くことができるように、タンク本体911C内部に連通していてもよい。また、ポンプ96Cは、制御部94Cに電気的に接続されてもよい。ポンプ96Cは、制御部94Cから送信される信号に基づいて、気体空間918Cを排気してもよい。気体空間918Cを排気することにより、ターゲット物質270中の酸素原子の還元により生成された水蒸気が、気体空間918Cの外部に排出され得る。
5.2.4 動作
ターゲット物質精製装置9Cは、以下のような処理を行うことで、ターゲット物質270中の酸素原子を減少させてもよい。
ターゲット物質精製装置9Cの制御部94Cは、精製用タンク91Cの密閉空間919C内に固体のターゲット物質270が収容された状態において、ターゲット物質270を所定温度まで加熱するための信号を温度コントローラ924Cに送信してもよい。
所定温度は、ターゲット物質がスズであり、精製用タンク91Cのスズに接する部分がモリブデンあるいはタングステンで形成されている場合、232℃以上370℃未満であってもよい。232℃未満の場合、ターゲット物質270が溶融しないおそれがある。一方で、370℃以上の場合には、スズとモリブデンあるいはタングステンの合金が生成し得る。また、精製用タンク91CがグラファイトやPBNで形成されている場合、ターゲット物質270の加熱温度は、1000℃以下であってもよい。グラファイトやPBNは、1000℃でも化学的に比較的安定であってよい。また、1000℃はスズの蒸発温度より低いため、スズは、1000℃に加熱されても蒸発が抑制され得る。
温度コントローラ924Cは、制御部94Cから信号を受信すると、ヒータ電源922Cに制御信号を送信して、ヒータ921Cの発熱を制御してもよい。このとき、温度コントローラ924Cは、温度センサ923Cからの信号に基づいて、ヒータ電源922Cに制御信号を送信してもよい。温度コントローラ924Cは、温度センサ923Cからの信号が示す温度が、たとえば一定時間、スズの融点以上の所定温度範囲にある場合、ターゲット物質270が所定温度まで加熱されて溶融したと判定してもよい。その場合、温度コントローラ924Cは、この溶融した状態を維持するとともに、溶融完了信号を制御部94Cへ送信してもよい。
制御部94Cは、溶融完了信号を受信すると、第1,第2マスフローコントローラ952C,954C、純化装置955C、ポンプ96Cに信号を送信して、これらを駆動してもよい。この信号を受信した第1,第2マスフローコントローラ952C,954Cは、水素ガスおよびアルゴンガスの流量を制御して、還元ガスを生成してもよい。この還元ガス中の水素ガスの濃度は、3%以上5%以下に調整されてもよい。
この還元ガスは、純化装置955Cで水および酸素の濃度が低減された後、バブリング機構956Cを介してターゲット物質270内に導入され得る。そして、この還元ガスによってターゲット物質270中の酸素原子が還元されて、水蒸気が気体空間918Cに排出され得る。ポンプ96Cは、気体空間918Cを排気することによって、水蒸気を排出してもよい。以上の処理によって、ターゲット物質270中の酸素原子が減少し得る。
上述のように、ターゲット物質精製装置9Cは、精製用タンク91C内のターゲット物質270に還元ガスを導入して、ターゲット物質270内の酸素原子を還元し、還元により生成した水蒸気を精製用タンク91Cから排出してもよい。
これにより、ターゲット物質270に含まれる酸素原子を除去し得るため、ターゲット物質270の酸化物の析出を抑制することが可能となり得る。
また、ターゲット物質270内に還元ガスを導入するだけの簡単な構成で、ターゲット物質270内の酸素原子が減少し得る。
さらに、還元ガスの導入時間や、還元ガス中の水素ガスの濃度を調節することで、酸素原子の除去量や除去速度を調節することが可能となり得る。したがって、ターゲット物質270の製造ロットや保管状況によって異なる酸素の含有量に応じて、適切に酸素原子を減少させることが可能となり得る。
なお、バブリング機構956Cに導入するガスとしては、水素ガスとアルゴンガスとを混合させたものに限らず、アルゴンガスのみであってもよい。アルゴンガス等、酸素を含まない不活性ガスをバブリング機構956Cに導入することで、不活性ガスとターゲット物質270との界面において、ターゲット物質270から不活性ガスへの酸素の拡散が起きてもよい。これにより、ターゲット物質270中の酸素原子が減少しうる。この場合、アルゴンガスボンベ953Cは本発明の不活性ガス供給部として機能してもよい。また、還元ガスとして一酸化炭素ガスや、メタンガスを導入してもよい。一酸化炭素ガスを導入した場合には、酸素原子が還元されて、二酸化炭素ガスが生成され得る。一方、メタンガスを導入した場合には、酸素原子が還元されて、水と二酸化炭素ガスが生成され得る。
5.3 第2実施形態
5.3.1 概略
本開示の第2実施形態によれば、ターゲット物質精製装置は、精製用タンク内に設置された固体の還元剤により、ターゲット物質内の酸素原子を還元してもよい。そして、この還元により生成されたガスを、精製用タンクから排出してもよい。
以上のような構成により、ターゲット物質に含まれる酸素原子を除去し得る。
5.3.2 構成
図6は、第2実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示す。
第2実施形態のターゲット物質精製装置9Dと第1実施形態のターゲット物質精製装置9Cとの相違点は、図6に示すように、酸素原子除去部93Dおよび制御部94Dの構成であってもよい。
酸素原子除去部93Dは、還元部としてのグラファイト95Dと、ポンプ96Cとを備えてもよい。
グラファイト95Dは、板状に形成されて、精製用タンク91C内部における底面に設置されてもよい。
制御部94Dは、温度コントローラ924Cと、ポンプ96Cとに電気的に接続されてもよい。
5.3.3 動作
ターゲット物質精製装置9Dは、以下のような処理を行うことで、ターゲット物質270中の酸素原子を減少させてもよい。
ターゲット物質精製装置9Dの制御部94Dは、グラファイト95Dが設置された密閉空間919C内に固体のターゲット物質270が収容された状態において、ターゲット物質270を所定温度まで加熱するために温度コントローラ924Cを制御してもよい。そして、制御部94Dは、ターゲット物質270が溶融した旨の溶融完了信号を温度コントローラ924Cから受信すると、ポンプ96Cを駆動してもよい。
ターゲット物質270が溶融すると、ターゲット物質270中の酸素原子がグラファイト95Dにより還元され、一酸化炭素ガスのバブル90Dが生成され得る。この一酸化炭素ガスは、気体空間918Cに排出され得る。ポンプ96Cは、気体空間918Cを排気することによって、一酸化炭素ガスを排出してもよい。以上の処理によって、ターゲット物質270中の酸素原子が減少し得る。
上述のように、ターゲット物質精製装置9Dは、精製用タンク91C内に設置されたグラファイト95Dによってターゲット物質270内の酸素原子を還元し、この還元により生成した一酸化炭素ガスを精製用タンク91Cから排出してもよい。これにより、ターゲット物質270に含まれる酸素原子を除去し得る。
また、ターゲット物質270内にグラファイト95Dを設置するだけの簡単な構成で、ターゲット物質270内の酸素原子が減少し得る。
なお、グラファイト95Dは、塊や粒状あるいは粉状であってもよい。さらに、グラファイト95Dは、精製用タンク91Cの側面に設置されてもよい。
また、グラファイト以外の固体の還元剤が使用されてもよく、例えばアルミニウムやシリコンが精製用タンク91C内に設置されてもよい。
5.4 第3実施形態
5.4.1 概略
本開示の第3実施形態によれば、ターゲット物質精製装置は、精製用タンクと、加熱部と、酸素分圧調節部と、排気部とを備えてもよい。酸素分圧調節部は、密閉空間の酸素分圧をターゲット物質の酸素分圧よりも低くしてもよい。排気部は、密閉空間を排気してもよい。
以上のような構成により、酸素分圧の差によってターゲット物質中の酸素原子を低減して、当該酸素原子を密閉空間から排気し得る。その結果、ターゲット物質に含まれる酸素原子が減少し、酸化物の析出を抑制し得る。
5.4.2 構成
図7は、第3実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示す。
第3実施形態のターゲット物質精製装置9Eと第1実施形態のターゲット物質精製装置9Cとの相違点は、図7に示すように、酸素原子除去部93Eおよび制御部94Eの構成であってもよい。
酸素原子除去部93Eは、酸素分圧調節部としての無酸素ガス供給部95Eと、ポンプ96Cとを備えてもよい。
無酸素ガス供給部95Eは、水素ガスボンベ951Cと、第1,第2マスフローコントローラ952C,954Cと、アルゴンガスボンベ953Cと、純化装置955Cとを備えてもよい。すなわち、無酸素ガス供給部95Eは、還元部95Cのバブリング機構956C以外の構成を備えてもよい。
純化装置955Cには、配管956Eの一端が接続されてもよい。この配管956Eは、他端が気体空間918C内に位置するように、タンク本体911C内に連通してもよい。配管956Eは、水および酸素を低減した還元ガス、すなわち無酸素ガスを気体空間918C内に導入してもよい。無酸素ガスが気体空間918C内に導入されると、気体空間918Cの酸素分圧がターゲット物質270の酸素分圧よりも低くなり、ターゲット物質270中の酸素原子が気体空間918C中に拡散し得る。
5.4.3 動作
ターゲット物質精製装置9Eは、以下のような処理を行うことで、ターゲット物質270中の酸素原子を減少させてもよい。
ターゲット物質精製装置9Eの制御部94Eは、密閉空間919C内に固体のターゲット物質270が収容された状態において、ターゲット物質270を所定温度まで加熱するために温度コントローラ924Cを制御してもよい。
このとき、ターゲット物質270の温度が高いほど、当該ターゲット物質270の液面において酸素の蒸気圧が高くなり得る。このため、酸素原子の低減量を増やしたい場合には、加熱温度をなるべく高くしてもよい。例えば、無酸素ガスとしてアルゴンガスのみを気体空間918Cに導入する場合には、加熱温度を1000℃に設定してもよい。
また、無酸素ガスとして水素ガスとアルゴンガスとの混合ガスを導入する場合には、水素ガスの還元効果を利用できるため、300℃以上370℃以下であっても、ターゲット物質270中の酸素濃度が低減しうる。本実施形態では、水素ガスの濃度が3%以上5%以下の無酸素ガスを導入してもよい。
そして、制御部94Eは、ターゲット物質270が溶融した旨の溶融完了信号を温度コントローラ924Cから受信すると、無酸素ガス供給部95Eの第1,第2マスフローコントローラ952C,954C、純化装置955C、ポンプ96Cを駆動してもよい。この信号を受信した第1,第2マスフローコントローラ952C,954C、ポンプ96Cは、水および酸素の濃度が低減された無酸素ガスを生成して、気体空間918C内に導入してもよい。
気体空間918Cに無酸素ガスが導入されると、気体空間918Cの酸素分圧がターゲット物質270の酸素分圧よりも低くなり得る。そして、ターゲット物質270中の酸素原子は、気体空間918C内に放出され、ポンプ96Cによって気体空間918Cを介して排出され得る。以上の処理によって、ターゲット物質270中の酸素原子が減少し得る。
上述のように、ターゲット物質精製装置9Eは、気体空間918C内に無酸素ガスを導入して、気体空間918Cの酸素分圧をターゲット物質270の酸素分圧よりも低くしてもよい。
これにより、ターゲット物質270に含まれる酸素原子が気体空間918Cを介して、精製用タンク91Cの外部に排出され、ターゲット物質270の酸素原子を除去し得る。したがって、ターゲット物質270の酸化物の析出を抑制することが可能となり得る。
また、ターゲット物質270内に無酸素ガスを導入するだけの簡単な構成で、ターゲット物質270内の酸素原子を除去し得る。
さらに、無酸素ガスの導入時間など調節することで、酸素原子の除去量を調節することが可能となり得る。したがって、ターゲット物質270の製造ロットや保管状況によって異なる酸素の含有量に応じて、適切に酸素原子を除去することが可能となり得る。
5.5 第4実施形態
5.5.1 概略
本開示の第4実施形態によれば、ターゲット物質精製装置は、精製用タンク内の密閉空間が真空に近い低圧となるように排気して、密閉空間の酸素分圧をターゲット物質の酸素分圧よりも低くしてもよい。
以上のような構成により、酸素分圧の差(分布)によってターゲット物質中の酸素原子が低減されて、当該酸素原子が密閉空間から排出され得る。その結果、ターゲット物質に含まれる酸素原子が減少し、酸化物の析出を抑制し得る。
5.5.2 構成
図8は、第4実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示す。
第4実施形態のターゲット物質精製装置9Fと第3実施形態のターゲット物質精製装置9Eとの相違点は、図8に示すように、酸素原子除去部93Fおよび制御部94Fの構成であってもよい。
酸素原子除去部93Fは、酸素分圧調節部を構成する排気部としてのターボ分子ポンプ96Fを備えてもよい。ターボ分子ポンプ96Fは、配管961Fに接続されてもよい。この配管961Fは、当該配管961F内を通して気体空間918C内の気体をターボ分子ポンプ96Fにより排出することができるように、タンク本体911C内に連通してもよい。また、ターボ分子ポンプ96Fは、制御部94Fに電気的に接続されてもよい。ターボ分子ポンプ96Fは、制御部94Fから送信される信号に基づいて、気体空間918C内を真空に近い低圧まで排気してもよい。例えば、ターボ分子ポンプ96Fは、真空度が1×10−10Paとなるように排気してもよい。気体空間918Cを真空に近い低圧とすることにより、気体空間918Cの酸素分圧がターゲット物質270の酸素分圧よりも低くなり、ターゲット物質270中の酸素原子が気体空間918Cを介して精製用タンク91Cの外部に排出し得る。なお、ターボ分子ポンプ96Fは適当なバッキングポンプを備えてもよい。
5.5.3 動作
ターゲット物質精製装置9Fは、以下のような処理を行うことで、ターゲット物質270中の酸素原子を減少させてもよい。
ターゲット物質精製装置9Fの制御部94Fは、密閉空間919C内に固体のターゲット物質270が収容された状態において、ターゲット物質270を所定温度まで加熱するために温度コントローラ924Cを制御してもよい。なお、制御部94Fは、密閉空間919C内に固体のターゲット物質270が収容される前に、精製用タンク91Cの内壁に付着した水や酸素を低減するために、精製用タンク91Cをベークしてもよい。
そして、制御部94Fは、ターゲット物質270が溶融した旨の溶融完了信号を温度コントローラ924Cから受信すると、ターボ分子ポンプ96Fを駆動して、気体空間918Cを真空に排気してもよい。あるいは、ターゲット物質270を加熱する過程でターボ分子ポンプ96Fを駆動していてもよい。
気体空間918Cが排気されると、気体空間918Cの酸素分圧がターゲット物質270の酸素分圧よりも低くなり、ターゲット物質270中の酸素原子は、ターボ分子ポンプ96Fによって気体空間918Cを介して排出され得る。このとき、ターボ分子ポンプ96Fによって気体空間918Cを真空に近い低圧まで排気するとよい。たとえば、真空度が1×10−10Paとなるように排気してもよい。以上の処理によって、ターゲット物質270中の酸素原子が減少し得る。
上述のように、ターゲット物質精製装置9Fは、気体空間918Cを真空に近い低圧まで排気することで気体空間918Cの酸素分圧をターゲット物質270の酸素分圧よりも低くしてもよい。
これにより、ターゲット物質270に含まれる酸素原子が気体空間918Cを介して、精製用タンク91Cの外部に排出され、ターゲット物質270の酸素原子が減少し得る。したがって、ターゲット物質270の酸化物の析出を抑制することが可能となり得る。
5.6 第5実施形態
5.6.1 概略
本開示の第5実施形態によれば、ターゲット物質精製装置は、酸素原子と他の元素との酸化物を析出させ、この酸化物を除去してもよい。
以上のような構成により、ターゲット物質に含まれる酸素原子を酸化物として除去し得る。その結果、酸化物の析出を抑制し得る。
5.6.2 構成
図9は、第5実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示す。
第5実施形態のターゲット物質精製装置9Gと第4実施形態のターゲット物質精製装置9Fとの相違点は、図9に示すように、酸素原子除去部93Gおよび制御部94Gの構成であってもよい。
ターゲット物質精製装置9Gは、精製用タンク91Cと、酸素原子除去部93Gと、制御部94Gとを備えてもよい。酸素原子除去部93Gは、析出部としての加熱部92Gと、酸化物除去部95Gとを備えてもよい。加熱部92Gは、加熱部92Cと同一の構成を有してもよい。
酸化物除去部95Gは、1軸ステージ951Gと、シャフト952Gと、メッシュフィルタ953Gと、ドライバ954Gとを備えてもよい。1軸ステージ951Gは、蓋912Cの上面から上方に延びるステージ本体955Gと、このステージ本体955Gが備える駆動機構によって上下に移動するスライダ956Gとを備えてもよい。ステージ本体955Gは、ドライバ954Gに電気的に接続されてもよい。ステージ本体955Gは、ドライバ954Gからの信号に基づいて、スライダ956Gを上下に移動させてもよい。
シャフト952Gは、上端側がスライダ956Gに固定され、下端側が密閉空間919C内に位置するメッシュフィルタ953Gに固定されてもよい。シャフト952Gは、蓋912Cの貫通孔915Gを貫通していてもよい。貫通孔915Gには、シャフト952Gが上下に移動した場合でも密閉空間919Cの密閉性を保つために、図示しないシール部が設けられてもよい。
メッシュフィルタ953Gは、シャフト952Gの下端に固定されてもよい。メッシュフィルタ953Gは、複数の開口957Gを有してもよい。開口957Gの断面積は、ターゲット生成器71のノズル712のノズル孔の断面積よりも小さくてもよい。
ドライバ954Gは、制御部94Gに電気的に接続されてもよい。
5.6.3 動作
ターゲット物質精製装置9Gは、以下のような処理を行うことで、ターゲット物質270中の酸素原子を減少させてもよい。
まずメッシュフィルタ953Gが密閉空間919Cの底部近傍に位置し、かつ、密閉空間919C内に固体のターゲット物質270が収容された状態にしてもよい。その状態でターゲット物質精製装置9Gの制御部94Gは、ターゲット物質270を所定温度まで加熱するために加熱部92Gの温度コントローラ924Cを制御してもよい。
このとき、ターゲット物質270の温度は、第1溶融温度よりも低い第2溶融温度であってもよい。第2溶融温度は、232℃以上370℃以下であってもよい。
例えば、図4および上記式(2)に示すように、350℃でターゲット物質270としてスズを溶融した場合、酸素原子の溶解度は、5×10−6(原子%)となり得る。このため、溶融する前のターゲット物質270に5×10−6(原子%)以上の酸素原子が含まれる場合は、スズの酸化物が析出物901Gとして析出し得る。
制御部94Gは、ターゲット物質270が溶融した旨の溶融完了信号を温度コントローラ924Cから受信すると、ターボ分子ポンプ96Fを駆動して、気体空間918Cを真空に近い低圧に排気してもよい。気体空間918Cが排気されると、ターゲット物質270中の酸素原子は、ターボ分子ポンプ96Fによって気体空間918Cを介して排出され得る。以上の処理によって、ターゲット物質270中の酸素原子が減少し得る。
また、制御部94Gは、溶融完了信号を受信したときに、ドライバ954Gに除去開始信号を送信してもよい。除去開始信号は、メッシュフィルタ953Gをターゲット物質270内から気体空間918Cに移動させるためのものであってもよい。除去開始信号を受信したドライバ954Gは、1軸ステージ951Gを駆動して、メッシュフィルタ953Gをターゲット物質270内から上昇させてもよい。そして、ドライバ954Gは、メッシュフィルタ953Gが気体空間918Cに到達したときにメッシュフィルタ953Gの上昇を終了してもよい。このメッシュフィルタ953Gの上昇中に、開口957Gよりも大きい析出物901Gがメッシュフィルタ953Gでターゲット物質270内から除去され得る。
次に、制御部94Gは、ターゲット物質270の温度を下げるために加熱部92Gの温度コントローラ924Cを制御してもよい。ターゲット物質270の温度が融点よりも低くなると、ターゲット物質270が固化し得る。
この後、固化したターゲット物質270は、再度加熱溶融されてEUV光の生成に用いられてもよい。
ここで、ターゲット物質270であるスズを350℃に加熱した条件において、メッシュフィルタ953Gにより析出物901Gをほぼ全て除去できた場合、精製されたターゲット物質270中の酸素原子の割合は、5×10−6(原子%)以下となり得る。この場合、ターゲット生成器においてターゲット物質270が350℃以上を維持するように加熱制御することによって、ターゲット物質270の酸化物の析出を抑制し得る。
したがって、精製されたターゲット物質270に含まれる酸素原子の割合をさらに小さくする場合には、スズであるターゲット物質270を融点(232℃)に加熱した状態で、上記の処理を行ってもよい。図4および上記式(2)に示すように、232℃でのターゲット物質270における酸素原子の溶解度は、1.93×10−9(原子%)となり得る。ターゲット物質270を232℃に加熱した場合、ターゲット物質270を350℃に加熱した場合と比べて析出物901Gの析出量が多くなり、この析出物901Gをメッシュフィルタ953Gで除去することにより、精製されたターゲット物質270中の酸素原子がより多く減少し得る。
また、析出物901G(酸化スズ)は、液体のターゲット物質270と比べて比重が小さいため、析出物901Gが液体の表面に浮き得る。表面に浮いた析出物901Gも、メッシュフィルタ953Gによって除去が可能であってもよい。
上述のように、ターゲット物質精製装置9Gは、ターゲット物質270の溶融温度を制御して、酸化物を析出物901Gとして析出させ、この析出物901Gをターゲット物質270から除去してもよい。
これにより、溶融温度を制御するだけの簡単な構成で、酸素原子を析出物901Gとして除去することが可能となり、ターゲット物質270中の酸素原子が減少し得る。したがって、ターゲット物質270の酸化物の析出を抑制することが可能となり得る。
なお、メッシュフィルタ953Gが密閉空間919Cの底部近傍に位置する状態で、ターゲット物質270の溶融を開始したが、以下のような処理を行ってもよい。すなわち、メッシュフィルタ953Gが気体空間918Cに位置する状態で、ターゲット物質270を溶融してもよい。この後、メッシュフィルタ953Gを密閉空間919Cの底部近傍まで下降させた後、ターゲット物質270の温度を当初の溶融温度よりも低く、且つ融点以上の温度に下げることで、析出物901Gを析出させてもよい。そして、この析出物901Gをメッシュフィルタ953Gで除去してもよい。
5.7 第6実施形態
5.7.1 概略
本開示の第6実施形態によれば、ターゲット物質精製装置は、液体のターゲット物質中に例えばケイ素(Si)の粒をゲッタリング物質として入れてもよい。このゲッタリング物質は酸素原子と結合する元素であるため、当該ゲッタリング物質の表面にシリカ(SiO)膜が形成され得る。そして、このシリカ膜が形成されたゲッタリング物質を除去してもよい。
以上のような構成により、ターゲット物質に含まれる酸素原子を除去し得る。その結果、ターゲット物質をEUV光の生成に用いる場合、酸化物の析出を抑制し得る。
5.7.2 構成
図10Aは、第6実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示し、ゲッタリング物質が酸素原子と結合していない状態を示す。図10Bは、第6実施形態に係るターゲット物質精製装置の構成を概略的に示し、ゲッタリング物質が酸素原子と結合した状態を示す。
第6実施形態のターゲット物質精製装置9Hと第5実施形態のターゲット物質精製装置9Gとの相違点は、図10Aに示すように、ゲッタリング物質901Hの有無であってもよい。
5.7.3 動作
ターゲット物質精製装置9Hは、以下のような処理を行うことで、ターゲット物質270中の酸素原子を減少させてもよい。
メッシュフィルタ953Gが密閉空間919Cの底部近傍に位置する状態において、密閉空間919C内に、ゲッタリング物質901Hと固体のターゲット物質270とを入れておいてもよい。ゲッタリング物質901Hは、メッシュフィルタ953Gの、開口957Gを通り抜けない大きさにしておくとよい。次に、制御部94Hは、ターゲット物質270を第2溶解温度まで加熱するために温度コントローラ924Cを制御してもよい。
制御部94Hは、ターゲット物質270が溶融した旨の溶融完了信号を温度コントローラ924Cから受信すると、ターボ分子ポンプ96Fを駆動して、気体空間918Cを真空に排気することで、ターゲット物質270中の酸素原子を精製用タンク91Cから排出してもよい。以上の処理によって、ターゲット物質270中の酸素原子が減少し得る。また、図10Bに示すように、ターゲット物質270中の酸素原子がゲッタリング物質901Hと結合して、ゲッタリング物質901Hの表面にシリカ膜902Hが形成され得る。以下、シリカ膜902Hが形成されたゲッタリング物質901Hを除去物903Hという場合がある。
そして、制御部94Hは、溶融完了信号を受信したときに、図10Bに示すように、メッシュフィルタ953Gを上昇させて、メッシュフィルタ953Gが気体空間918Cに到達したときにメッシュフィルタ953Gの上昇を終了してもよい。このメッシュフィルタ953Gの上昇中に、開口957Gよりも大きい除去物903Hがメッシュフィルタ953Gでターゲット物質270から除去され得る。
次に、制御部94Hは、ターゲット物質270の温度を下げるために温度コントローラ924Cを制御してもよい。ターゲット物質270の温度が融点よりも低くなると、ターゲット物質270が固化し得る。
この後、固化したターゲット物質270は、再度加熱溶融されてEUV光の生成に用いられてもよい。
上述のように、ターゲット物質精製装置9Hは、液体のターゲット物質270中の酸素原子をゲッタリング物質901Hで捕捉させることで除去物903Hを生成して、この除去物903Hをターゲット物質270から除去してもよい。
これにより、ターゲット物質270を溶融するだけの簡単な構成で、酸素原子を除去物903Hとして除去することが可能となり、ターゲット物質270の酸素原子が減少し得る。したがって、ターゲット物質270の酸化物の析出を抑制することが可能となり得る。
なお、ゲッタリング物質901Hとしては、酸素原子と結合する元素であればよく、例えばアルミニウムであってもよい。
また、精製用タンク91Cの外部から密閉空間919Cにゲッタリング物質901Hを供給できるゲッタリング物質供給装置を別途設けてもよい。
6.ターゲット物質精製装置を備えるEUV光生成装置
6.1 第7実施形態
6.1.1 概略
本開示の第7実施形態によれば、EUV光生成装置のターゲット供給装置は、ターゲット物質中の酸素原子を低減するためのターゲット物質精製装置と、このターゲット物質精製装置で酸素原子が除去されたターゲット物質をチャンバ内に出力するためのノズルとを備えてもよい。
以上のような構成により、ターゲット供給装置は、固体のターゲット物質に酸素原子が多く含まれる場合でも、ターゲット物質の酸化物の析出を抑制することが可能となり、ノズル孔に酸化物が詰まることを抑制し得る。これにより、酸化物がノズル孔に堆積した場合に生じうる、ターゲット物質の出力方向の変化を抑制し得る。
さらに、ターゲット供給装置は、例えば精製用タンク内に存在していた酸素原子によって、ターゲット物質中の酸素原子が増加したとしても、当該酸素原子を除去して低減することが可能となり、酸化物の析出を抑制し得る。
6.1.2 構成
図11は、第7実施形態に係るターゲット物質精製装置を備えるEUV光生成装置の構成を概略的に示す。
第7実施形態のEUV光生成装置1Jは、第1実施形態のターゲット物質精製装置9Cと同様のターゲット物質精製装置9Jを備えてもよい。EUV光生成装置1Jは、ターゲット物質精製装置9Jで精製されたターゲット物質270を用いてEUV光を生成してもよい。
EUV光生成装置1Jは、図11に示すように、チャンバ2と、EUV光生成制御システム5と、ターゲット供給装置7Jとを備えてもよい。ターゲット供給装置7Jは、ターゲット生成部70Jと、ターゲット制御装置80Jとを備えてもよい。
ターゲット生成部70Jは、ターゲット生成器71Jと、圧力調整器72と、温度調節部75Jとを備えてもよい。また、図示および説明は省略するが、ターゲット生成部70Jは、図2に示したピエゾ駆動部74Aを備えていてもよい。
ターゲット生成器71Jは、ターゲット物質270を精製するためのターゲット物質精製装置9Jを備えてもよい。ターゲット物質精製装置9Jは、精製用タンク91Jと、加熱部92Jと、酸素原子除去部93Jとを備えてもよい。
精製用タンク91Jには、タンク本体911C内のターゲット物質270をチャンバ2内に出力するためのノズル77Jが設けられてもよい。ノズル77Jは、チャンバ2内に配置されてもよい。ノズル77Jは、タンク本体911Cの底面中央から下方に延びるノズル本体部916Jと、このノズル本体部916Jの先端に取り付けられたノズル先端部771Jとを備えてもよい。
ノズル本体部916Jは、筒状に形成されてもよい。ノズル本体部916Jの中空部は、タンク本体911C内のターゲット物質270をノズル先端部771Jに導くための貫通孔917Jであってもよい。
ノズル先端部771Jは、孔形成用部材772Jと、固定部材773Jとを備えてもよい。
孔形成用部材772Jは、板状に形成され、中央部に錐状孔775Jが設けられてもよい。錐状孔775Jは、図中上から下に向かうに従って径寸法が大きくなる円錐状に形成されてもよい。錐状孔775Jの上端部には、ノズル孔776Jが形成されてもよい。たとえばノズル孔776Jの径は、6μm以上30μm以下であってもよい。固定部材773Jは、上面に嵌合用溝774Jが設けられた板状に形成されてもよい。嵌合用溝774Jの形状は、孔形成用部材772Jが嵌め込めるよう孔形成用部材772Jの形状と相似形であってよい。嵌合用溝774Jの深さは孔形成用部材772Jの厚みと同等あるいは僅かに浅く形成されてもよい。
ノズル先端部771Jは、図示しないボルトなどによって、ノズル本体部916Jの下面に固定されてもよい。このとき、ノズル先端部771Jは、ノズル孔776Jの中心がノズル本体部916Jの中心軸上に位置し、かつ、孔形成用部材772Jおよび固定部材773Jがノズル本体部916Jに密着するように固定されてもよい。
なお、孔形成用部材772J、固定部材773Jは、精製用タンク91Jの材料と熱膨張率がほぼ同じ材料で形成してもよい。孔形成用部材772J、固定部材773J、精製用タンク91Jを熱膨張率がほぼ同じ材料で形成することにより、ターゲット物質270の温度が上昇した場合でも、孔形成用部材772Jおよび固定部材773Jと、ノズル本体部916Jとのシール性が維持されやすくなってよい。孔形成用部材772J、固定部材773Jは、精製用タンク91Jの材料は同じであってもよく、例えば、モリブデンあるいはタングステンで形成してもよい。
ターゲット制御装置80Jには、第1タイマ81Jと、第2タイマ82Jとが電気的に接続されてもよい。
加熱部92Jは、第3ヒータ921Jと、第3ヒータ電源922Jと、第3温度センサ923Jと、第3温度コントローラ924Jとを備えてもよい。第3ヒータ921Jは、タンク本体911Cの外周面のみに設けられてもよい。第3温度センサ923Jは、タンク本体911Cの外周面であり、かつ、第3ヒータ921Jのノズル77Jに近い側に設けられてもよい。第3温度センサ923Jは、タンク本体911Cにおいてターゲット物質270に近い部分の温度を検出可能なように、タンク本体911Cの外周面に窪みを設けて、窪みの内部に配置してもよい。
酸素原子除去部93Jは、還元部95Jと、ポンプ96Cとを備えてもよい。
還元部95Jの純化装置955Cは、圧力調整器72に接続されてもよい。純化装置955Cは、水および酸素の濃度を低減した還元ガスとアルゴンガスとの混合ガスを圧力調整器72に供給してもよい。バブリング機構956Cは、一端が圧力調整器72に接続されてもよい。バブリング機構956Cは、圧力調整器72から供給される還元ガスとアルゴンガスとの混合ガスをターゲット物質270内に導入してもよい。
温度調節部75Jは、第1,第2ヒータ751J,755Jと、第1,第2ヒータ電源752J,756Jと、第1,第2温度センサ753J,757Jと、第1,第2温度コントローラ754J,758Jとを備えてもよい。
第1ヒータ751Jは、固定部材773Jの下面の外縁に沿うように設けられてもよい。第1ヒータ751Jは、主に孔形成用部材772Jおよび固定部材773Jを加熱してもよい。
第1ヒータ電源752Jは、第1ヒータ751Jと第1温度コントローラ754Jとに電気的に接続され、第1温度コントローラ754Jからの信号に基づいて、第1ヒータ751Jに電力を供給してもよい。
第1,第2温度センサ753J,757Jは、第1,第2温度コントローラ754J,758Jにそれぞれ電気的に接続されてもよい。
第1温度センサ753Jは、固定部材773Jの下面における第1ヒータ751Jの内側(錐状孔775J側)に配置されてもよい。第1温度センサ753Jは、主にノズル先端部771Jの温度を検出して、当該検出された温度に対応する信号を第1温度コントローラ754Jに送信してもよい。ここで、ノズル先端部771Jの上面にはノズル孔776Jが設けられているため、ノズル先端部771Jを加熱することで、ノズル孔776Jの周縁に位置するターゲット物質270を加熱することが可能となり得る。また、ノズル先端部771Jの温度を検出することで、ノズル孔776Jの周縁の温度を判定することが可能となり得る。
第2ヒータ755Jは、ノズル本体部916Jの外周面に設けられてもよい。
第2ヒータ電源756Jは、第2ヒータ755Jと第2温度コントローラ758Jとに電気的に接続され、第2温度コントローラ758Jからの信号に基づいて、第2ヒータ755Jに電力を供給してもよい。
第2温度センサ757Jは、第2ヒータ755Jのノズル77Jに近い側に配置されてもよい。第2温度センサ757Jは、主にノズル本体部916Jの温度(ノズル本体部916J内のターゲット物質270の温度に近い値)を検出して、当該検出された温度に対応する信号を第2温度コントローラ758Jに送信してもよい。
第1,第2温度コントローラ754J,758Jは、ターゲット制御装置80Jにそれぞれ電気的に接続されてもよい。第1温度コントローラ754Jは、第1温度センサ753Jからの信号に基づいて、ノズル孔776Jの周縁の温度を判定し、当該ノズル孔776J周縁の温度を所定温度に調節するための信号を、第1ヒータ電源752Jに出力するよう構成されてもよい。第2温度コントローラ758Jは、第2温度センサ757Jからの信号に基づいて、ノズル本体部916J内のターゲット物質270の温度を判定し、当該ターゲット物質270の温度を所定温度に調節するための信号を、第2ヒータ電源756Jに出力するよう構成されてもよい。
6.1.3 動作
図12は、ターゲット制御装置80Jに係るEUV光の生成処理を示すフローチャートである。図13Aおよび図13Bは、低酸素化サブルーチンを示すフローチャートである。図14は、ターゲット物質出力サブルーチンを示すフローチャートである。図15A、図15B、および、図15Cは、低酸素化開始判定サブルーチンを示すフローチャートである。
ターゲット制御装置80Jは、精製用タンク91C内に固体のターゲット物質270が収容され、かつ、タンク本体911Cに蓋912Cが取り付けられることで密閉空間919Cが形成された状態のときに、図12に示す処理を実行してもよい。まず、ターゲット物質270を溶融した際に、差圧によってターゲット物質270が出力しないようにチャンバ2内の圧力を調整してもよい(ステップS1)。
次に、ターゲット制御装置80Jは、低酸素化サブルーチンに基づく処理を行ってもよい(ステップS2)。このステップS2の処理によって、ターゲット物質精製装置9Jに収容されたターゲット物質270の酸素原子が低減し得る。
具体的に、ターゲット制御装置80Jは、図13Aに示すように、第1タイマ81Jおよび第2タイマ82Jをリセットしてもよい(ステップS11)。次に第1〜第3ヒータ751J,755J,921Jそれぞれの目標温度T1t,T2t,T3tを、それぞれ温度T1t0,T2t0,T3t0に設定してもよい(ステップS12)。温度T1t0,T2t0,T3t0は図示しないメモリー等に保持され、必要に応じて随時読み出すことができてもよい。温度T1t0,T2t0,T3t0は、温度T1t0が最も高く、温度T3t0が最も低くてもよい。また、温度T1t0,T2t0,T3t0は、ターゲット物質270の融点Tm以上であってもよい。温度T1t0,T2t0,T3t0のそれぞれ温度差は、例えばおよそ10℃であってもよい。例えば、温度T1t0,T2t0,T3t0は、それぞれおよそ370℃,360℃,350℃であってもよい。
次に、ターゲット制御装置80Jは、第1〜第3温度コントローラ754J,758J,924Jに、それぞれ目標温度T1t,T2t,T3tを設定して、第1〜第3ヒータ751J,755J,921Jを駆動してもよい(ステップS13)。
このステップS13の処理によって、第1〜第3ヒータ751J,755J,921Jは、軸方向に温度勾配が与えられるように(ノズル77Jの先端に近い側の方の温度を遠い方の温度よりも温度が高くなるように)、ターゲット生成器71J内のターゲット物質270を加熱してもよい。そして、第1〜第3温度センサ753J,757J,923Jは、ターゲット物質270における主に第1〜第3ヒータ751J,755J,921Jが加熱した部分付近の温度を検出して、当該温度に対応する信号を第1〜第3温度コントローラ754J,758J,924Jにそれぞれ送信してもよい。第1〜第3温度コントローラ754J,758J,924Jは、第1〜第3温度センサ753J,757J,923Jから受信した信号をターゲット制御装置80Jに送信してもよい。
この後、ターゲット制御装置80Jは、第1〜第3温度コントローラ754J,758J,924Jから受信した信号に基づいて、以下の式(3)〜(5)の条件を全て満たすか否かを判定してもよい(ステップS14)。
ΔTr1≧|T1t−T1| … (3)
ΔTr2≧|T2t−T2| … (4)
ΔTr3≧|T3t−T3| … (5)
T1:第1温度センサ753Jが検出した温度
T2:第2温度センサ757Jが検出した温度
T3:第3温度センサ923Jが検出した温度
ΔTr1,ΔTr2,ΔTr3:各ヒータが制御された結果の温度の許容誤差範囲
ここで、許容誤差範囲ΔTr1〜ΔTr3は、例えば、1℃以上3℃以下の範囲内のいずれかの温度範囲であってもよい。また、許容誤差範囲ΔTr1〜ΔTr3は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ターゲット制御装置80Jは、ステップS14において、式(3)〜(5)の条件のうち、少なくとも1つの条件を満たしていないと判定した場合、所定時間経過後にステップS14の処理を再度行ってもよい。一方で、ターゲット制御装置80Jは、ステップS14において、式(3)〜(5)の条件を全て満たすと判定した場合、還元ガス中の水素の濃度が所定の濃度となるように、第1,第2マスフローコントローラ952C,954Cを設定してもよい(ステップS15)。所定の濃度は、第1実施形態で説明した濃度であってよい。ステップS14において、上記条件を全て満たすと判定された場合、ターゲット物質270は、溶融して液体となり得る。
次に、ターゲット制御装置80Jは、図13Bに示すように、ターゲット生成器71J内部の圧力が所定の圧力となるように、圧力調整器72に信号を送信してもよい(ステップS16)。そして、ターゲット制御装置80Jは、ポンプ96Cに排気駆動信号を送信してもよい(ステップS17)。なお、所定の圧力は実験等によって決定しておくとよい。
以上のステップS16,S17の処理によって、純化装置955Cによって水および酸素の濃度を低減された還元ガスが、バブリング機構956Cを介して精製用タンク91J内に導入され得る。そして、この還元ガスによってバブル90Cが生成され、ターゲット物質270中の酸素原子が水蒸気として気体空間918Cに排出され得る。ポンプ96Cは、気体空間918Cを排気することによって、水蒸気を排出してもよい。以上の処理によって、ターゲット物質270中の酸素原子が減少し得る。
この後、ターゲット制御装置80Jは、第2タイマ82Jをセットして時間R2の計時を開始してもよい(ステップS18)。その後、第2タイマ82Jの計測時間R2が設定時間K2を経過したか否かを判定してもよい(ステップS19)。設定時間K2は、図示しないメモリー等に保持され、必要に応じて随時読み出すことができてもよい。設定時間K2は、ターゲット物質270中の所望量の酸素原子が水蒸気として排出され得る長さに設定されてもよい。
ターゲット制御装置80Jは、ステップS19において、設定時間K2を経過していないと判定した場合、ステップS19の処理を再度行い、設定時間K2を経過したと判定した場合、ポンプ96Cに排気停止信号を送信して、(ステップS20)、第2タイマ82Jをリセットしてもよい(ステップS21)。
以上の処理によって、設定時間K2の間、還元ガスによる酸素原子の低減処理が行われ、精製用タンク91J内のターゲット物質270の酸素原子が低減し得る。
この後、ターゲット制御装置80Jは、図12に示すように、ターゲット物質出力サブルーチンに基づく処理を行ってもよい(ステップS3)。このステップS3の処理によって、ターゲット制御装置80Jは、ステップS2で酸素原子を低減したターゲット物質270を用いてEUV光を生成し得る。
具体的に、ターゲット制御装置80Jは、図14に示すように、EUV光生成制御システム5からターゲット出力停止信号を受信したか否かを判定してもよい(ステップS30)。ターゲット制御装置80Jは、ステップS30においてターゲット出力停止信号を受信していないと判定した場合、ステップS31の処理に移行してもよい。一方、ターゲット制御装置80Jは、ステップS30においてターゲット出力停止信号を受信したと判定した場合、ステップS36の処理に移行してもよい。ターゲット制御装置80Jは、EUV光生成制御システム5からターゲット出力信号を受信したか否かを判定してもよい(ステップS31)。ターゲット制御装置80Jは、ステップS31においてターゲット出力信号を受信していないと判定した場合、所定時間経過後にステップS31の処理を再度行ってもよい。一方で、ターゲット制御装置80Jは、ステップS31においてターゲット出力信号を受信したと判定した場合、ターゲット生成器71J内部の圧力が所定の圧力となるように、圧力調整器72に信号を送信してもよい(ステップS32)。このとき同時にチャンバ2内の圧力は、ターゲット物質270を出力してEUV光の生成が可能な圧力に調整されてもよい。
圧力調整器72は、この信号を受信したときに、ターゲット生成器71J内(精製用タンク91Jおよびノズル77J内)の圧力を、ターゲット物質270がドロップレット271として出力され得る圧力に調節してもよい。このとき、第1マスフローコントローラ952Cをゼロに設定して、アルゴンガスのみで気体空間918Cを加圧してもよい。
出力されたドロップレット271の位置、速度、大きさ、進行方向、所定位置における通過タイミングおよび通過周期、それらの安定性等を示す情報は、ターゲットセンサ4(図2参照)によって検出されてもよい。この検出された情報は、それぞれ信号として、ターゲット制御装置80Jが受信してもよい。
そして、ターゲット制御装置80Jは、ドロップレット271の位置安定性が所定範囲となったか否か、すなわちドロップレット271が出力された位置が所定範囲内にあるか否かを判定してもよい(ステップS33)。このステップS33において、ターゲット制御装置80Jは、所定範囲となっていないと判定した場合、再度、ステップS33の処理を行ってもよい。一方、ターゲット制御装置80Jは、ステップS33において、所定範囲となったと判定した場合、EUV光生成制御システム5にターゲット生成OK信号を送信してもよい(ステップS34)。
EUV光生成制御システム5は、ターゲット生成OK信号を受信すると、ドロップレット271がプラズマ生成領域25(図2参照)に到達したときにドロップレット271にパルスレーザ光が照射されるように、レーザ装置3(図2参照)にパルスレーザ光の発振トリガを入力するよう構成されてもよい。
レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光は、ドロップレット271に照射されてもよい。ドロップレット271にパルスレーザ光が照射されると、ドロップレット271はプラズマ化し、EUV光を含む電磁波が放射され得る。
そして、EUV光生成制御システム5は、EUV光の生成を終了する場合、レーザ装置3によるパルスレーザ光の出力を終了するとともに、ターゲット制御装置80Jにターゲット出力停止信号を送信してもよい。
ターゲット制御装置80Jは、EUV光生成制御システム5からターゲット出力停止信号を受信したか否かを判定してもよい(ステップS35)。ターゲット制御装置80Jは、ステップS35において、受信していないと判定した場合、所定時間経過後にステップS35の処理を再度行ってもよい。一方、ターゲット制御装置80Jは、ステップS35において、受信したと判定した場合、ターゲット生成器71J内部の圧力をドロップレット271が出力しない圧力とするような信号を圧力調整器72に送信してもよい(ステップS36)。これにより、圧力調整器72がターゲット生成器71J内部の圧力を調整し、ターゲット生成器71Jからドロップレット271が出力しなくなり得る。
その後、ターゲット制御装置80Jは、EUV光生成制御システム5からターゲット装置停止信号を受信したか否かを判定してもよい(ステップS37)。ターゲット制御装置80Jは、ステップS37において、受信していないと判定した場合、ターゲット物質出力サブルーチンに基づく処理を終了し図12のステップS4に移行してもよい。一方、ステップS37において、受信したと判定した場合、EUV光の生成処理を終了してもよい。EUV光の生成処理を終了する場合は、ターゲット生成器71J内部の圧力を大気圧付近に調整し、各ヒータへの電力供給を停止してもよい。
この後、ターゲット制御装置80Jは、図12に示すように、ターゲット生成器71J内にターゲット物質270が残っているか否かを判定してもよい(ステップS4)。ターゲット物質270が残っているか否かの判定は、たとえばドロップレット271が出力された時間に基づいて行われてもよい。このステップS4において、ターゲット制御装置80Jは、ターゲット物質270が残っていないと判定した場合、EUV光の生成処理を終了してもよい。一方、ターゲット制御装置80Jは、ターゲット物質270が残っていると判定した場合、低酸素化開始判定サブルーチンに基づく処理を行ってもよい(ステップS5)。このステップS5の処理によって、次に行う処理が判定され得る。
具体的に、ターゲット制御装置80Jは、ステップS5の処理として、図15A、図15B、図15Cに示す処理のうち少なくとも1つの処理を行ってもよい。
図15Aに示す処理では、ターゲット制御装置80Jは、第1タイマ81Jによる計測時間R1が設定時間K1を経過したか否かを判定してもよい(ステップS41)。計測時間R1の計測は、例えば、ステップS2の低酸素化サブルーチンに基づく処理を開始するタイミングと同じであってもよい。
ターゲット制御装置80Jは、ステップS41において、設定時間K1を経過したと判定した場合、次に低酸素化サブルーチンを行うと判定してもよい(ステップS42)。一方、ターゲット制御装置80Jは、設定時間K1を経過していないと判定した場合、次にターゲット物質出力サブルーチンを行うと判定してもよい(ステップS43)。
つまり、ターゲット制御装置80Jは、設定時間K1の周期で低酸素化サブルーチンを行ってもよい。
また、図15Bに示す処理では、ターゲット制御装置80Jは、ノズル孔776Jが詰まったか否かを判定してもよい(ステップS44)。ノズル孔776Jが詰まったことは、ターゲットセンサ4からの出力によって判定されてもよい。ターゲット物質出力サブルーチンのステップS34を実行中に、ターゲットセンサ4によって、ドロップレット271が検出されなくなった場合、ターゲット制御装置80Jはノズル孔776Jが詰まったと判定してもよい。一方、ターゲット物質出力サブルーチンのステップS34を実行中に、ドロップレット271が検出されていた場合、ターゲット制御装置80Jはノズル孔776Jが詰まっていないと判定してもよい。
ターゲット制御装置80Jは、ステップS44において、ノズル孔776Jが詰まったと判定した場合、次に低酸素化サブルーチンを行うと判定し(ステップS45)、ノズル孔776Jが詰まっていないと判定した場合、次にターゲット物質出力サブルーチンを行うと判定してもよい(ステップS46)。
また、図15Cに示す処理では、ターゲット制御装置80Jは、ドロップレット271の位置安定性が許容範囲を超えたか否かを判定してもよい(ステップS47)。ドロップレット271の位置安定性は、ターゲット物質出力サブルーチンのステップS34を実行中に、ターゲットセンサ4によって検出されてもよい。
ターゲット制御装置80Jは、ステップS47において、ドロップレット271の位置安定性が許容範囲を超えたと判定した場合、次に低酸素化サブルーチンを行うと判定し(ステップS48)、ドロップレット271の位置安定性が許容範囲を超えていないと判定した場合、次にターゲット物質出力サブルーチンを行うと判定してもよい(ステップS49)。
そして、ターゲット制御装置80Jは、図12に示すように、ステップS5での判定結果に基づいて、低酸素化サブルーチンを行うか否かを判定してもよい(ステップS6)。
このステップS6において、ターゲット制御装置80Jは、低酸素化サブルーチンを行うと判定した場合、ステップS2の処理を行い、ターゲット物質出力サブルーチンを行うと判定した場合、ステップS3の処理を行ってもよい。
上述のように、ターゲット供給装置7Jは、ターゲット物質270中の酸素原子を除去するためのターゲット物質精製装置9Jと、酸素原子が除去されたターゲット物質270を用いてドロップレット271を出力するためのノズル77Jとを備えてもよい。
これにより、ターゲット供給装置7Jは、ターゲット物質精製装置9Jに収容する固体のターゲット物質に酸素原子が多く含まれる場合でも、ターゲット物質270の酸化物の析出を抑制することが可能となり、ノズル孔776Jに酸化物が詰まることを抑制し得る。また、ターゲット供給装置7Jは、酸化物がノズル孔776Jに堆積した場合に生じ得る、ドロップレット271の出力方向の変化を抑制し得る。さらに、ターゲット供給装置7Jは、精製用タンク91J内に酸素原子が存在していた場合でも、当該酸素原子を低減することが可能となり、酸化物の析出を抑制し得る。
また、ターゲット供給装置7Jは、設定時間K1の周期で低酸素化サブルーチンを行ってもよい。
このように、ターゲット供給装置7Jは、ターゲット物質270中の酸素原子の低減処理を定期的に行うことで、ノズル孔776Jに酸化物が堆積することを適切に抑制し得る。
さらに、ターゲット供給装置7Jは、ノズル孔776Jが詰まったと判定した場合に、低酸素化サブルーチンを行ってもよい。また、ターゲット供給装置7Jは、ドロップレット271の位置安定性が許容範囲を超えたと判定した場合に、低酸素化サブルーチンを行ってもよい。
ここで、定期的に酸素原子の低減処理を行う構成にすると、ターゲット供給装置7Jは、ターゲット物質270が適切に出力されており当該低減処理が不要な場合にも、当該低減処理を行い得る。
ターゲット供給装置7Jは、ターゲット物質270の出力状態に基づいてターゲット物質270中の酸素原子の低減処理を行うことで、必要なタイミングのみにおいて、酸素原子の低減処理を行い得る。
また、ターゲット供給装置7Jは、ターゲット物質270に軸方向の温度勾配を与えてもよい。
このような温度制御によって、ターゲット生成器71Jにおけるノズル孔776J側の酸素原子の溶解量を、上端側の酸素原子の溶解量よりも多くすることが可能となり、ノズル孔776Jに酸化物が堆積することを抑制し得る。
なお、ターゲット物質精製装置9Jとしては、第1実施形態のターゲット物質精製装置9Cと同様のものに限らず、第2,第3,第4,第5,第6実施形態のターゲット物質精製装置9D,9E,9F,9G,9Hと同様のものを適用してもよい。
6.2 第8実施形態
6.2.1 概略
本開示の第8実施形態によれば、EUV光生成装置のターゲット供給装置は、ターゲット物質中の酸素原子を低減するためのターゲット物質精製装置と、ターゲット生成器と、生成器用加熱部と、移送部と、ターゲット供給用制御部とを備えてもよい。生成器用加熱部は、ターゲット生成器を加熱してもよい。移送部は、ターゲット物質精製装置で酸素原子が除去されたターゲット物質を、ターゲット生成器に移送してもよい。ターゲット供給用制御部は、ターゲット生成器内のターゲット物質の温度を、ターゲット物質精製装置を構成する精製用タンク内のターゲット物質の温度よりも高くしてもよい。
以上のような構成により、ターゲット供給装置は、第7実施形態と同様の効果を奏し得る。
また、ターゲット物質精製装置において、ターゲット物質の溶融温度を制御するだけの簡単な構成で、酸素原子を酸化物として除去し得る。特に、精製用タンクにおいて、低い温度でターゲット物質を加熱することで、高い温度で加熱する場合と比べて、多くの酸素原子を酸化物として除去し得る。そして、ターゲット生成器において、高い温度で加熱することで、低い温度で加熱する場合と比べて、多くの酸素原子がターゲット物質に溶解し得る。このため、EUV光を生成するためのターゲット物質の酸化物の析出を抑制し得る。
6.2.2 構成
図16は、第8実施形態に係るターゲット物質精製装置を備えるEUV光生成装置の構成を概略的に示す。
第8実施形態のEUV光生成装置1Kは、第5実施形態のターゲット物質精製装置9Gと同様のターゲット物質精製装置9Kと、第7実施形態のターゲット生成器71Jと同様のターゲット生成器71Kを備えてもよい。EUV光生成装置1Kは、ターゲット物質精製装置9Kで生成されたターゲット物質270を用いて、EUV光を生成してもよい。
EUV光生成装置1Kは、図16に示すように、チャンバ2と、EUV光生成制御システム5と、ターゲット供給装置7Kと、ターゲット物質精製装置9Kと、移送部99Kとを備えてもよい。
ターゲット供給装置7Kは、ターゲット生成部70Kと、ターゲット供給用制御部としてのターゲット制御装置80Kとを備えてもよい。
ターゲット生成部70Kは、ターゲット生成器71Kと、圧力調整器72と、生成器用加熱部としての温度調節部75Kと、第1排気装置78Kとを備えてもよい。第1排気装置78Kはポンプであってもよい。また、図示および説明は省略するが、ターゲット生成部70Kは、図2に示したピエゾ駆動部74Aを備えていてもよい。
ターゲット生成器71Kは、タンク711Kを備えてもよい。タンク711Kは、タンク本体713Kと、蓋714Kとを備えてもよい。タンク本体713Kは、筒状であってもよい。蓋714Kは、タンク本体713Kの上面を塞ぐことが可能な略板状であってもよい。タンク711K内には、ターゲット物質272が収容されてもよい。
また、タンク711Kには、タンク本体713K内のターゲット物質272をチャンバ2内に出力するためのノズル712Kが設けられてもよい。ノズル712Kは、タンク本体713Kの底面中央から下方に延びるノズル本体部715Kと、このノズル本体部715Kの先端に取り付けられたノズル先端部771Jとを備えてもよい。
ノズル本体部715Kは、筒状に形成されてもよい。ノズル本体部715Kの中空部は、タンク本体713K内のターゲット物質272をノズル先端部771Jに導くための連通部716Kを構成してもよい。
ノズル先端部771Jは、第7実施形態と同様の構成を有してもよい。
圧力調整器72は、純化装置721Kを介してアルゴンガスボンベ722Kに接続されてもよい。圧力調整器72は、配管723Kを介してタンク711Kの上端側に接続されてもよい。圧力調整器72は、ターゲット制御装置80Kに電気的に接続されてもよい。純化装置721Kは、水および酸素の濃度が低減されたアルゴンガスを圧力調整器72に供給してもよい。圧力調整器72は、純化装置721Kから供給されたアルゴンガスの圧力を調整してターゲット生成器71K内に導入してもよい。
温度調節部75Kは、第1,第2,第3ヒータ751J,755J,759Kと、第1,第2,第3ヒータ電源752J,756J,760Kと、第1,第2,第3温度センサ753J,757J,761Kと、第1,第2,第3温度コントローラ754J,758J,762Kとを備えてもよい。
第3ヒータ759Kは、タンク711Kの外周面に設けられてもよい。
第3ヒータ電源760Kは、第3ヒータ759Kと第3温度コントローラ762Kとに電気的に接続され、第3温度コントローラ762Kからの信号に基づいて、第3ヒータ759Kに電力を供給してもよい。
第3温度センサ761Kは、タンク711Kの外周面であり、かつ、第3ヒータ759Kの下側に設けられてもよい。第3温度センサ761Kは、タンク711Kの温度を検出して、当該検出された温度に対応する信号を第3温度コントローラ762Kに送信してもよい。
第3温度コントローラ762Kは、ターゲット制御装置80Kに電気的に接続されてもよい。第3温度コントローラ762Kは、第3温度センサ761Kからの信号に基づいて、タンク711K内のターゲット物質272の温度を判定し、当該ターゲット物質272の温度を所定温度に調節するための信号を、第3ヒータ電源760Kに出力するよう構成されてもよい。
第1排気装置78Kは、配管781Kを介して、タンク711Kの上端側に接続されてもよい。第1排気装置78Kは、ターゲット制御装置80Kに電気的に接続されてもよい。第1排気装置78Kは、ターゲット制御装置80Kから送信される信号に基づいて、タンク711K内を排気してもよい。
ターゲット制御装置80Kには、第1タイマ81Kと、第2タイマ82Kと、第3タイマ83Kとが電気的に接続されてもよい。
ターゲット物質精製装置9Kは、精製用タンク91Cと、酸素原子除去部93Kと、酸素分圧調節部および排気部としての第2排気装置96Kとを備えてもよい。
酸素原子除去部93Kは、析出部としての加熱部92Kと、酸化物除去部95Gとを備えてもよい。
加熱部92Kは、第4ヒータ921Kと、第4ヒータ電源922Kと、第4温度センサ923Kと、第4温度コントローラ924Kとを備えてもよい。
第4ヒータ921Kは、タンク本体911Cの外周面に設けられてもよい。
第4ヒータ電源922Kは、第4ヒータ921Kと第4温度コントローラ924Kとに電気的に接続され、第4温度コントローラ924Kからの信号に基づいて、第4ヒータ921Kに電力を供給してもよい。
第4温度センサ923Kは、タンク本体911Cの外周面であり、かつ、第4ヒータ921Kの下側に設けられてもよい。第4温度センサ923Kは、タンク本体911Cの温度を検出して、当該検出された温度に対応する信号を第4温度コントローラ924Kに送信してもよい。
第4温度コントローラ924Kは、ターゲット制御装置80Kに電気的に接続されてもよい。第4温度コントローラ924Kは、第4温度センサ923Kからの信号に基づいて、タンク本体911C内のターゲット物質270の温度を判定し、当該ターゲット物質270の温度を所定温度に調節するための信号を、第4ヒータ電源922Kに出力するよう構成されてもよい。
酸化物除去部95Gのドライバ954Gは、ターゲット制御装置80Kに電気的に接続されてもよい。
第2排気装置96Kは、ターボ分子ポンプであってもよい。第2排気装置96Kは、適当なバッキングポンプを備えてもよい。第2排気装置96Kは、配管961Kを介してタンク本体911Cの上端側に接続されてもよい。第2排気装置96Kは、ターゲット制御装置80Kに電気的に接続されてもよい。第2排気装置96Kは、ターゲット制御装置80Kから送信される信号に基づいて、精製用タンク91C内を真空に近い低圧に排気してもよい。
移送部99Kは、移送配管991Kを備えてもよい。
移送配管991Kは、管状に形成されてもよい。移送配管991Kは、ターゲット物質270を精製用タンク91C内部からタンク711K内に移送できるように、精製用タンク91Cの底面部とタンク711Kの上面部とに連結されてもよい。
また、移送配管991Kには、バルブ992Kが設けられてもよい。
バルブ992Kには、ターゲット制御装置80Kが電気的に接続されてもよい。バルブ992Kは、ターゲット制御装置80Kの制御によって、精製用タンク91C内のターゲット物質270をタンク711K内に移送可能な開状態と、移送しない閉状態とを切り替えできるように構成されてもよい。
6.2.3 動作
図17は、ターゲット制御装置80Kに係るEUV光の生成処理を示すフローチャートである。図18A、図18B、および、図18Cは、ターゲット原料精製サブルーチンを示すフローチャートである。図19A、図19B、および、図19Cは、ターゲット原料精製開始判定サブルーチンを示すフローチャートである。
なお、第8実施形態では、ターゲット物質出力サブルーチンとして、図14に示すような第7実施形態と同様の処理を行ってもよい。
ターゲット制御装置80Kは、メッシュフィルタ953Gが密閉空間919Cの底部近傍に位置し、かつ、密閉空間919C内に固体のターゲット物質270が収容された状態のときに、図17に示すように、ステップS1の処理を行ってもよい。なお、ステップS1の処理を行う前に、固体のターゲット物質272がターゲット生成器71K内に収容されていてもよいし、収容されていなくてもよい。また、ステップS1の処理を行う前に、バルブ992Kは、閉状態であってもよい。
この後、ターゲット制御装置80Kは、ターゲット原料精製サブルーチンに基づく処理を行ってもよい(ステップS51)。このステップS51の処理によって、ターゲット物質精製装置9Kに収容されたターゲット物質270の酸素原子が低減し得る。
具体的に、ターゲット制御装置80Kは、図18Aに示すように、第1,第2,第3タイマ81K,82K,83Kをリセットして(ステップS61)、第1〜第4ヒータ751J,755J,759K,921Kの目標温度T11t,T12t,T13t,T14tを、それぞれ温度T11t0,T12t0,T13t0,T14t0に設定してもよい(ステップS62)。温度T11t0,T12t0,T13t0,T14t0は図示しないメモリー等に保持され、必要に応じて随時読み出すことができてもよい。温度T11t0〜T14t0は、温度T11t0が最も高く、温度T14t0が最も低くてもよい。また、温度T11t0〜T14t0は、ターゲット物質270,ターゲット物質272の融点Tm以上であってもよい。温度T11t0〜T13t0のそれぞれ温度差は、例えばおよそ10℃であってもよい。例えば、温度T11t0,T12t0,T13t0は、それぞれおよそ370℃,360℃,350℃であってもよい。また、温度T14tは、例えば、およそ232℃(ターゲット物質270,272の融点Tm)であってもよい。
次に、ターゲット制御装置80Kは、第1〜第4温度コントローラ754J,758J,762K,924Kに、それぞれ目標温度T11t〜T14tを設定して、第1〜第4ヒータ751J,755J,759K,921Kを駆動してもよい(ステップS63)。
このステップS63の処理によって、第1〜第3ヒータ751J,755J,759Kは、軸方向に温度勾配が与えられるように(ノズル712Kの先端に近い側の方の温度を遠い方の温度よりも温度が高くなるように)、ターゲット生成器71Kを加熱してもよい。そして、第1〜第3温度センサ753J,757J,761Kは、ターゲット生成器71Kにおける主に第1〜第3ヒータ751J,755J,759Kが加熱した部分付近の温度を検出して、当該温度に対応する信号を第1〜第3温度コントローラ754J,758J,762Kにそれぞれ送信してもよい。第1〜第3温度コントローラ754J,758J,762Kは、第1〜第3温度センサ753J,757J,761Kから受信した信号をターゲット制御装置80Kに送信してもよい。
また、第4ヒータ921Kは、析出物901Gの析出量が多くなるように、精製用タンク91C内のターゲット物質270を加熱してもよい。第4温度センサ923Kは、ターゲット物質270の温度を検出して、当該温度に対応する信号を第4温度コントローラ924Kに送信してもよい。第4温度コントローラ924Kは、第4温度センサ923Kから受信した信号をターゲット制御装置80Kに送信してもよい。
この後、ターゲット制御装置80Kは、第1〜第4温度コントローラ754J,758J,762K,924Kから受信した信号に基づいて、以下の式(6)〜(9)の条件を全て満たすか否かを判定してもよい(ステップS64)。
ΔTr11≧|T11t−T1| … (6)
ΔTr12≧|T12t−T2| … (7)
ΔTr13≧|T13t−T3| … (8)
ΔTr14≧|T14t−T4| … (9)
T1:第1温度センサ753Jが検出した温度
T2:第2温度センサ757Jが検出した温度
T3:第3温度センサ761Jが検出した温度
T4:第4温度センサ923Kが検出した温度
ΔTr11,ΔTr12,ΔTr13,ΔTr14:各ヒータが制御された結果の温度の許容誤差範囲
ここで、許容誤差範囲ΔTr11〜ΔTr14は、例えば、1℃以上3℃以下の範囲内のいずれかの温度範囲であってもよい。また、許容誤差範囲ΔTr11〜ΔTr14は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ターゲット制御装置80Kは、ステップS64において、式(6)〜(9)の条件のうち、少なくとも1つの条件を満たしていないと判定した場合、所定時間経過後にステップS64の処理を再度行ってもよい。一方で、ターゲット制御装置80Kは、ステップS64において、式(6)〜(9)の条件を全て満たすと判定した場合、第2排気装置96Kに排気駆動信号を送信してもよい(ステップS65)。
ステップS64において、上記条件を全て満たすと判定された場合、精製用タンク91C内のターゲット物質270は、溶融して液体となり得る。また、ターゲット生成器71K内にターゲット物質272が収容されている場合、ターゲット物質272は、軸方向に温度分布が与えられた状態で液体となり得る。
排気駆動信号を受信した第2排気装置96Kは、気体空間918Cを真空に近い低圧に排気してもよい。気体空間918Cが真空に近い低圧に排気されると、気体空間918Cの酸素分圧がターゲット物質270の酸素分圧よりも低くなり、ターゲット物質270中の酸素原子は、第2排気装置96Kによって気体空間918Cを介して排出され得る。以上の処理によって、ターゲット物質270中の酸素原子が減少し得る。
次に、ターゲット制御装置80Kは、図18Bに示すように、第2タイマ82Kをセットして時間R12の計時を開始してもよい(ステップS66)。その後、第2タイマ82Kの計測時間R12が設定時間K12を経過したか否かを判定してもよい(ステップS67)。設定時間K12は、図示しないメモリー等に保持され、必要に応じて随時読み出すことができてもよい。設定時間K12は、温度T14tで溶解できない酸素原子の所望量が、析出物901Gとして析出し得る長さに設定されてもよい。
ターゲット制御装置80Kは、ステップS67において、設定時間K12を経過していないと判定した場合、ステップS67の処理を再度行い、設定時間K12を経過したと判定した場合、第2タイマ82Kをリセットしてもよい(ステップS68)。
以上の処理によって、温度T14tで溶解できない酸素原子のほぼ全てが、析出物901Gとして析出し得る。
次に、ターゲット制御装置80Kは、ドライバ954Gを介して1軸ステージ951Gに除去開始信号を送信してもよい(ステップS69)。この除去開始信号によって、ドライバ954Gは、メッシュフィルタ953Gをターゲット物質270内から気体空間918Cに上昇させ得る。このメッシュフィルタ953Gの上昇中に、析出物901Gがメッシュフィルタ953Gで除去され、ターゲット物質270の酸素原子が低減し得る。ターゲット制御装置80Kは、第2排気装置96Kに排気停止信号を送信して、気体空間918Cの排気を終了してもよい(ステップS70)。
ターゲット制御装置80Kは、第1排気装置78Kに排気駆動信号を送信して、ターゲット生成器71K内を排気してもよい(ステップS71)。ターゲット制御装置80Kは、バルブ992Kを開いて(ステップS72)、図18Cに示すように、第3タイマ83Kをセットしてもよい(ステップS73)。
ターゲット制御装置80Kは、第3タイマ83Kの計測時間R13が設定時間K13を経過したか否かを判定してもよい(ステップS74)。設定時間K13は、図示しないメモリー等に保持され、必要に応じて随時読み出すことができてもよい。設定時間K13は、精製用タンク91C内の所定量のターゲット物質270をターゲット生成器71K内に供給可能な長さに設定されてもよい。
ターゲット制御装置80Kは、ステップS74において、設定時間K13を経過していないと判定した場合、ステップS74の処理を再度行い、設定時間K13を経過したと判定した場合、第3タイマ83Kをリセットしてもよい(ステップS75)。
以上の処理によって、酸素原子が低減されたターゲット物質270がターゲット生成器71K内に供給され得る。
ターゲット制御装置80Kは、バルブ992Kを閉じて(ステップS76)、第1排気装置78Kに排気停止信号を送信してもよい(ステップS77)。
そして、ターゲット制御装置80Kは、上記式(6)〜(8)の条件を全て満たすか否かを判定してもよい(ステップS78)。このステップS78において、ターゲット制御装置80Kは、上記条件を満たしていないと判定した場合、所定時間経過後にステップS78の処理を再度行ってもよい。一方で、ターゲット制御装置80Kは、ステップS78において、上記条件を満たすと判定した場合、ターゲット原料精製サブルーチンに基づく処理を終了してもよい。
ここで、ステップS64において、軸方向の温度分布が与えられるようにターゲット生成器71Kを加熱するが、ステップS74,S75においてターゲット物質270がターゲット生成器71K内に供給されることで、ターゲット生成器71Kの温度が下がり得る。ステップS78の処理を行うことで、ターゲット生成器71K内のターゲット物質272には、軸方向の温度分布が与えられ得る。
この後、ターゲット制御装置80Kは、図17に示すように、ターゲット物質出力サブルーチンに基づく処理を行ってもよい(ステップS3)。ターゲット物質出力サブルーチンは図14に示すものと同様であってよい。ステップS3の処理によって、ターゲット制御装置80Kは、ステップS51で酸素原子を低減したターゲット物質272を用いてEUV光を生成し得る。
ステップS3の処理を終えると、ターゲット制御装置80Kは、精製用タンク91C内にターゲット物質270が残っているか否かを判定してもよい(ステップS52)。ターゲット物質270が残っているか否かの判定は、例えばドロップレット271が出力された時間に基づいて行われてもよい。このステップS52において、ターゲット制御装置80Kは、ターゲット物質270が残っていないと判定した場合、EUV光の生成処理を終了してもよい。一方、ターゲット制御装置80Kは、ターゲット物質270が残っていると判定した場合、ターゲット原料精製開始判定サブルーチンに基づく処理を行ってもよい(ステップS53)。このステップS53の処理によって、次に行う処理が判定され得る。
具体的に、ターゲット制御装置80Kは、ステップS53の処理として、図19A、図19B、図19Cに示す処理のうち少なくとも1つの処理を行ってもよい。
図19Aに示す処理では、ターゲット制御装置80Kは、第1タイマ81Kによる計測時間R11が設定時間K11を経過したか否かを判定してもよい(ステップS81)。計測時間R11の計測は、例えば、ステップS51のターゲット原料精製サブルーチンに基づく処理を開始するタイミングと同じであってもよい。
ターゲット制御装置80Kは、ステップS81において、設定時間K11を経過したと判定した場合、次にターゲット原料精製サブルーチンを行うと判定してもよい(ステップS82)。一方、ターゲット制御装置80Kは、設定時間K11を経過していないと判定した場合、ステップS43の処理を行ってもよい。
つまり、ターゲット制御装置80Kは、設定時間K11の周期でターゲット原料精製サブルーチンを行ってもよい。
また、図19Bに示す処理では、ターゲット制御装置80Kは、ステップS44の処理によりノズル孔776Jが詰まったか否かを判定してもよい。ノズル孔776Jが詰まったか否かの判定は、図15Bで説明したものと同様であってよい。ターゲット制御装置80Kは、ステップS44において、ノズル孔776Jが詰まったと判定した場合、次にターゲット原料精製サブルーチンを行うと判定し(ステップS85)、ノズル孔776Jが詰まっていないと判定した場合、ステップS46の処理を行ってもよい。
また、図19Cに示す処理では、ターゲット制御装置80Kは、ステップS47の処理によりドロップレット271の位置安定性が許容範囲を超えたか否かを判定してもよい。ドロップレット271の位置安定性の検出は、図15Cで説明したものと同様であってよい。ターゲット制御装置80Kは、ステップS47において、ドロップレット271の位置安定性が許容範囲を超えたと判定した場合、次にターゲット原料精製を行うと判定し(ステップS88)、ドロップレット271の位置安定性が許容範囲を超えていないと判定した場合、ステップS49の処理を行ってもよい。
そして、ターゲット制御装置80Kは、図17に示すように、ステップS53での判定結果に基づいて、ターゲット原料精製サブルーチンを行うか否かを判定してもよい(ステップS54)。このステップS54において、ターゲット制御装置80Kは、ターゲット原料精製サブルーチンを行うと判定した場合、ステップS51の処理を行い、ターゲット物質出力サブルーチンを行うと判定した場合、ステップS3の処理を行ってもよい。
上述のように、ターゲット供給装置7Kは、ターゲット物質精製装置9Kと、酸素原子が除去されたターゲット物質270をターゲット生成器71Kに移送するための移送部99Kと、ターゲット生成器71K内のターゲット物質272の温度を精製用タンク91C内のターゲット物質270内の温度よりも高くするためのターゲット制御装置80Kとを備えてもよい。
これにより、ターゲット供給装置7Kは、ターゲット物質精製装置9Kに収容する固体のターゲット物質に酸素原子が多く含まれる場合でも、ターゲット物質272の酸化物の析出を抑制することが可能となり、第7実施形態と同様の効果を奏し得る。
特に、精製用タンク91Cにおいて、低い温度でターゲット物質270を加熱することで、高い温度で加熱する場合と比べて、多くの酸素原子を析出物901Gとして除去し得る。そして、ターゲット生成器71Kにおいて、高い温度で加熱することで、低い温度と加熱する場合と比べて、多くの酸素原子がターゲット物質272に溶解し得る。このため、ターゲット物質272の酸化物の析出を抑制し得る。
また、ターゲット供給装置7Kは、設定時間K11の周期でターゲット原料精製サブルーチンを行ってもよい。
このように、ターゲット供給装置7Kは、ターゲット物質270中の酸素原子の低減処理を定期的に行うことで、776Kに酸化物が析出することを適切に抑制し得る。
さらに、ターゲット供給装置7Kは、ノズル孔776Jが詰まったと判定した場合に、あるいは、ドロップレット271の位置安定性が許容範囲を超えたと判定した場合に、ターゲット原料精製サブルーチンを行ってもよい。
ターゲット供給装置7Kは、ターゲット物質270の出力状態に基づいてターゲット物質270中の酸素原子の低減処理を行うことで、必要なタイミングのみにおいて、酸素原子の低減処理を行い得る。
なお、ターゲット物質精製装置9Kとしては、第5実施形態のターゲット物質精製装置9Gと同様のものに限らず、第1,第2,第3,第4,第6実施形態のターゲット物質精製装置9C,9D,9E,9F,9Hと同様のものを適用してもよい。
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される修飾句「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
9C,9D,9E,9F,9G,9H,9J,9K…ターゲット物質精製装置、91C…精製用タンク、71J,71K…ターゲット生成器、75K…生成器用加熱部としての温度調節部、77J,712K…ノズル、80K…ターゲット供給用制御部としてのターゲット制御装置、92C,92J…加熱部、92G,92K…析出部としての加熱部、93C,93D,93E,93G,93F,93J,93K…酸素原子除去部、95C,95J…還元部、95D…還元部としてのグラファイト、95E…不活性ガス供給部として機能しうる酸素分圧調節部としての無酸素ガス供給部、95G…酸化物除去部、96C…排気部としてのポンプ、96F…酸素分圧調節部および排気部としてのターボ分子ポンプ、96K…酸素分圧調節部および排気部としての第2排気装置、99K…移送部。

Claims (11)

  1. EUV光の生成に用いられるターゲット物質を精製するターゲット物質精製装置において、
    ターゲット物質を収容するための精製用タンクと、
    前記精製用タンク内を加熱するための加熱部と、
    前記ターゲット物質中に存在する酸素原子を除去するための酸素原子除去部とを備えるターゲット物質精製装置。
  2. 請求項1に記載のターゲット物質精製装置において、
    前記酸素原子除去部は、
    前記酸素原子を還元するための還元部と、
    前記精製用タンク内を排気するための排気部とを備えるターゲット物質精製装置。
  3. 請求項1に記載のターゲット物質精製装置において、
    前記酸素原子除去部は、
    前記精製用タンク内の酸素分圧を前記ターゲット物質の酸素分圧よりも低くするための酸素分圧調節部と、
    前記精製用タンク内を排気するための排気部とを備えるターゲット物質精製装置。
  4. 請求項3に記載のターゲット物質精製装置において、
    前記酸素分圧調節部は、無酸素ガスを前記精製用タンク内に供給するための無酸素ガス供給部であるターゲット物質精製装置。
  5. 請求項3に記載のターゲット物質精製装置において、
    前記酸素分圧調節部は、前記精製用タンク内を真空になるように排気するための前記排気部で構成されるターゲット物質精製装置。
  6. 請求項1に記載のターゲット物質精製装置において、
    前記酸素原子除去部は、
    前記ターゲット物質内に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給部と、
    前記精製用タンク内を排気するための排気部とを備えるターゲット物質精製装置。
  7. 請求項1に記載のターゲット物質精製装置において、
    前記酸素原子除去部は、
    前記酸素原子と他の元素との酸化物を析出させるための析出部と、
    前記酸化物を除去するための酸化物除去部とを備えるターゲット物質精製装置。
  8. 請求項7に記載のターゲット物質精製装置において、
    前記析出部は、前記ターゲット物質の溶融温度を制御して、前記酸素原子と前記ターゲット物質との酸化物を析出させるための前記加熱部であるターゲット物質精製装置。
  9. 請求項2に記載のターゲット物質精製装置において、
    前記還元部は、
    前記酸素原子と酸化物を生成するゲッタリング物質を含むターゲット物質精製装置。
  10. 請求項3に記載のターゲット物質精製装置と、
    貫通孔を備えたノズルであって、当該貫通孔と前記ターゲット物質精製装置の前記精製用タンク内とが連通するように設置されたノズルとを備えるターゲット供給装置。
  11. 請求項8に記載のターゲット物質精製装置と、
    EUV光の生成が行われるチャンバ内にターゲット物質を出力するためのターゲット生成器と、
    前記ターゲット生成器内の前記ターゲット物質を加熱して溶融するための生成器用加熱部と、
    前記ターゲット物質精製装置の前記精製用タンク内の前記ターゲット物質を前記ターゲット生成器に移送するための移送部と、
    前記ターゲット生成器内の前記ターゲット物質の温度を、前記精製用タンク内の前記ターゲット物質の温度よりも高くするためのターゲット供給用制御部とを備えるターゲット供給装置。
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