JP2013200171A - 車輪作用力検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両への装着が容易であるとともに、構造が簡素で製造が容易でありかつ出力処理のため複雑な演算処理を行なう必要がない車輪作用力検出装置を提供する。
【解決手段】車輪作用力検出装置を、サスペンション装置によって支持される車体側部材に固定される取付部40と、車輪が固定されるとともに、取付部に対して車軸回りに回転可能に支持されたハブ10と、車軸と実質的に同心に形成された筒状部111を有し、この筒状部の一方の端部が取付部に固定され、他方の端部がハブベアリングを介してハブに接続された感受体110と、感受体の筒状部の周面に設けられた複数のひずみゲージを含むブリッジ回路を有する分力検出手段とを備える構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両の車輪作用力検出装置に関し、特に車両への装着が容易であるとともに、構造が簡素で製造が容易でありかつ出力処理のため複雑な演算処理を行なう必要がないものに関する。
例えば自動車の開発、評価や、車両制御等を目的として、車輪に作用する前後力、軸方向力や、各軸回りのモーメントを検出することが求められる場合がある。従来、このような車輪作用力を測定するため、例えば直交3軸方向の力、及び、車軸方向と直交する2軸回りのモーメントを検出可能な5分力ロードセル、あるいは、これに車軸回りのモーメント検出機能を加えた6分力ロードセルを用いることが提案されている。
従来、このような6分力検出装置として、十字形に形成されたビームの表面にひずみゲージを取り付けた構造のものが用いられている。
また、例えば特許文献1には、肉薄中空円筒体の周面における周方向に互いに独立な位置に、6つのひずみゲージを具備し、これらの各ひずみゲージで検出されるひずみ量から円筒体の両端間に加えられた力による各軸方向荷重と各軸曲げモーメントを演算して求める6分力検出装置が記載されている。
特開昭61− 79129号公報
しかし、一般的な十字形のビームを有する5分力ロードセルの場合、タイヤが取り付けられるリムの内径側にアウトボード配置することは困難であり、一般にアクスル中心から離れた点での入力の計測となるために、入力を車輪作用力に換算する何らかの演算式と、これを演算する信号処理装置が必要となる。さらに、ロードセルの構造が複雑でありかつインボード配置であるために、機械的強度の不足が懸念され、耐久性の確保が困難である。
また、このようなロードセルは、ビームの機械加工やその表面へのひずみゲージの実装など製造工程が煩雑で量産には不向きであり、コストが高価であった。
一方、車両のサスペンション装置においてハブユニットが取り付けられる部材であるアップライトにひずみゲージ等のセンサを設けることも考えられるが、この場合にも演算手段が必要であり、さらに、精度の確保も困難である。
また、特許文献1に記載されたように、円筒状の感受体を用いるロードセルであれば、例えばハブユニットに内装することは可能であるが、6つのひずみセンサの出力から演算によって6分力を算出することから、やはり信号処理装置が必要となり、特にリアルタイムでの演算を行なうためには、比較的高い演算負荷に対応したものが要求される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、車両への装着が容易であるとともに、構造が簡素で製造が容易でありかつ出力処理のため複雑な演算処理を行なう必要がない車輪作用力検出装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、サスペンション装置によって支持される車体側部材に固定される取付部と、車輪が固定されるとともに、前記取付部に対して車軸回りに回転可能に支持されたハブと、前記車軸と実質的に同心に形成された筒状部を有し、該筒状部の一方の端部が前記取付部に固定され、他方の端部がハブベアリングを介して前記ハブに接続された感受体と、前記感受体の前記筒状部の周面に設けられた1分力あたり少なくとも4個のひずみゲージを含むブリッジ回路を有する分力検出手段とを備えることを特徴とする車輪作用力検出装置である。
これによれば、分力測定用のロードセルをハブユニット内に設けることによって、既存のハブユニットと換装することによって容易に車両に装着することができる。また、車輪の中心に近接した箇所に配置することが可能となり、その出力をそのまま車輪作用力として用いることが可能となる。
また、例えば十字状のビームを感受体とする既存の多分力ロードセルに対して、感受体の製造及びひずみゲージの取付工程を簡素化することが可能となり、量産化が容易となってコストを低くすることができる。
さらに、筒状部における応力斑の対称性を利用して、各分力の相互干渉を抑えるとともに、ドリフトをバランスさせ、ブリッジ回路の出力に対する信号処理演算を不要とすることが可能となり、信号処理系の構造を大幅に簡素化することができる。
請求項2に係る発明は、前記分力検出手段は、前記筒状部の径方向に作用する2分力をそれぞれ検出する第1の径方向分力検出手段及び第2の径方向分力検出手段と、前記筒状部の軸方向に作用する分力を検出する軸方向分力検出手段と、前記筒状部の径方向に沿った2軸回りに作用するモーメントをそれぞれ検出する第1の径方向回りモーメント検出手段及び第2の径方向回りモーメント検出手段とを含み、前記第1の径方向分力検出手段、前記第2の径方向分力検出手段、前記第1の径方向回りモーメント検出手段、前記第2の径方向回りモーメント検出手段は、それぞれ前記筒状部に設けられた第1乃至第4の単軸ひずみゲージを含むブリッジ回路を有し、第2の単軸ひずみゲージは、第1の単軸ひずみゲージに対して前記筒状部の中心軸方向に離間して配置され、第3の単軸ひずみゲージ及び第4の単軸ひずみゲージは、それぞれ第2の単軸ひずみゲージ及び第1の単軸ひずみゲージに対して前記筒状部の中心軸回りにほぼ180度ずらした位置に配置され、前記軸方向分力検出手段は、前記筒状部の周方向にほぼ等間隔に分散して設けられた第1乃至第4の単軸ひずみゲージを含むブリッジ回路を有することを特徴とする請求項1に記載の車輪作用力検出装置である。
これによれば、全ての分力、モーメントの中心軸が1点に集中するいわゆる単焦点型の構成とすることが容易であり、分力相互間の干渉が低減されて補償換算が不要となる。
請求項3に係る発明は、前記分力検出手段は、前記筒状部の軸回りに作用するモーメントを検出する軸方向回りモーメント検出手段を含み、前記軸方向回りモーメント検出手段は、前記筒状部の周方向にほぼ等間隔に分散して設けられた第1乃至第4のせん断形ひずみゲージを含むブリッジ回路を有することを特徴とする請求項2に記載の車輪作用力検出装置である。
これによれば、車軸回りのモーメントを検出することによって、転がり抵抗の測定や補償用、故障検出用などに利用することが可能となる。
請求項4に係る発明は、前記筒状部は、内径及び外径が実質的に一定あるいは一方の端部からの距離に比例して変化する円筒状に形成されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車輪作用力検出装置である。
これによれば、感受体を例えば簡単な旋盤加工等によって形成することが可能となり、その製造工程を簡素化して、量産により適した仕様とすることができる。
また、感受体を円形断面とすることによって、応力斑の対称性を確保することができる。
請求項5に係る発明は、前記ハブベアリングは前記ハブに固定され又は前記ハブと一体に形成される外輪、及び、前記外輪の内径側に配置される内輪を有し、前記感受体は、前記内輪に固定されるとともに、前記筒状部の少なくとも一部が前記内輪の内径側に挿入されることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車輪作用力検出装置である。
これによれば、ハブユニットをコンパクトにして軸方向長さを短縮することが可能となり、分力検出手段の焦点を車輪中心に近づけあるいは一致させることが容易となる。
請求項6に係る発明は、前記ハブは、ドライブシャフトのスプライン軸が挿入されるとともに、少なくとも一部が前記感受体の内径側に挿入されたドライブシャフト取付部を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車輪作用力検出装置である。
これによれば、ドライブシャフトが設けられる駆動輪であっても、容易に本発明の車輪作用力検出装置を装着することができる。
請求項7に係る発明は、前記分力検出手段の焦点を前記車輪の中心と実質的に一致させたことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の車輪作用力検出装置である。
これによれば、焦点と車輪の中心とがずれた場合に必要となる演算を不要として装置の簡素化を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、車両への装着が容易であるとともに、構造が簡素で製造が容易でありかつ出力処理のため複雑な演算処理を行なう必要がない車輪作用力検出装置を提供することができる。
本発明を適用した車輪作用力検出装置の実施例であるハブユニットを示す図である。 図1のハブユニットにおける感受体を中心軸を含む平面で切って見た断面図である。 図2の感受体に設けられるひずみゲージの配置を示す模式的斜視図である。 実施例のハブユニットにおける力検出系のブリッジ回路の構成を示す図である。 実施例のハブユニットにおけるモーメント検出系のブリッジ回路の構成を示す図である。
本発明は、車両への装着が容易であるとともに、構造が簡素で製造が容易でありかつ出力処理のため複雑な演算処理を行なう必要がない車輪作用力検出装置を提供する課題を、アップライトとハブベアリングとの間に円筒部を有する感受体を配置し、円筒部の表面に一分力あたり4つのひずみゲージを設けてブリッジ回路を構成することによって解決した。
以下、本発明を適用した車輪作用力検出装置の実施例であるハブユニットについて説明する。
図1は、本発明を適用した車輪作用力検出装置の実施例であるハブユニットを示す図であって、図1(a)は車軸(車輪の回転中心軸)を通る鉛直面で切って見た断面図であり、図1(b)は図1(a)のb−b部矢視図である。
実施例のハブユニットは、例えば乗用車等の自動車において、車体に対して揺動するサスペンションアームの先端部に支持されたアップライト(ハウジング)に固定されるとともに、タイヤ及びリムからなる車輪を回転可能に支持するものである。
例えばサスペンション装置がストラット式である場合は、アップライトは上端部がサスペンションストラットを構成するショックアブソーバのシェルケース下端部に固定され、下端部がボールジョイント等を介してロワアームに連結される。
また、サスペンション装置がマルチリンク式やダブルウィッシュボーン式である場合は、アップライトはその上端部及び下端部がそれぞれアッパアーム及びロワアームに揺動可能に連結され、さらに、必要に応じてトレーリングアーム等が接続される。
図1に示すように、ハブユニット1は、ハブ10、ベアリング20、感応部30、取付部40、6分力検出装置100等を有して構成されている。
ハブ10は、図示しない車輪のリムセンター部が固定され、車輪とともに車軸回りに回転する部材である。
ハブ10は、円盤部11、センター部12、ドライブシャフト取付部13、外筒部14、ベアリング固定リング15等を有して構成されている。
円盤部11は、車軸と実質的に同心に形成され、ほぼ平板状に形成されている。
円盤部11には、車輪の締結に用いられるハブボルトBが例えば5本、所定のピッチ円上に等間隔に分散して配置されている。
センター部12は、円盤部11の中央部から車幅方向外側へ突き出した円筒状の部分である。
センター部12は、リムに設けられた図示しない凹部に挿入され、車輪取付時に車輪とハブ10とが同心に取付可能なよう案内するものである。
ドライブシャフト取付部13は、円盤部11の中央部から車幅方向内側へ突き出した円筒状の部分である。
ドライブシャフト取付部13の内径側には、図示しないドライブシャフトのスプライン軸部とスプライン係合するスプライン穴部が形成される。
また、ドライブシャフト取付部13は、その主要部が、6分力検出装置100の感受体110の内径側に挿入されている。
外筒部14は、円盤部11の外周縁部から車幅方向内側へ突き出して形成された円筒状の部分である。外筒部14は、車軸と実質的に同心に形成されている。
外筒部14は、ベアリング20の外輪21が固定される部分である。
外筒部14の内周面部には、外輪21を保持するために、車幅方向内側の端部から、外輪21の幅と実質的に同じ幅まで内径を段状に大きくした部分が形成され、外輪21はその内部に嵌め込まれる。
以上説明した円盤部11、センター部12、ドライブシャフト取付部13、外筒部14は、例えば鍛造によって形成されたワークに対し機械加工を施すことによって、一体に形成されている。
ベアリング固定リング15は、外筒部14の車幅方向内側の端部に、例えばビス止めによって固定される円環状の部材である。
ベアリング固定リング15は、外筒部14と実質的に同等の外径、及び、ベアリング20の外輪21の外径よりも小さい内径を有し、外筒部14に組み込まれた外輪21の車幅方向内側の端部を保持してその脱落を防止するものである。
ベアリング20は、ハブ10を車軸回りに回転可能に支持する例えば複列の深溝玉軸受であって、内径側に軌道面が形成された外輪21、外径側に軌道面が形成された内輪22、及び、これらの間に組み込まれる転動体である鋼球23等を有して構成されている。
感応部30は、ハブ10の外筒14の内径側に配置され、ベアリング20の内輪22が固定される部材である。
感応部30は、円盤部31、外筒部32、ベアリング固定リング33等を有して構成されている。
円盤部31は、車軸と実質的に同心かつほぼ平板状に形成されている。円盤部31の中央部には、ハブ10のドライブシャフト取付部13が挿入される円形開口が形成されている。
円盤部31の内周縁部には、後述する6分力検出装置100の感受体110の第1フランジ112が締結される。
外筒部32は、円盤部31の外周縁部から車幅方向内側に突き出して形成された円筒状の部分である。外筒部32は、車軸と実質的に同心に形成されている。
外筒部32は、ベアリング20の内輪22が固定される部分である。
外筒部32の外周面部には、内輪22を保持するために、車幅方向外側の端部から、内輪22の幅と実質的に同じ幅まで外径を段状に小さくした部分が形成され、この部分は内輪22の内径側に挿入される。
以上説明した円盤部31及び外筒部32は、例えば鍛造によって形成されたワークに対し機械加工を施すことによって、一体に形成されている。
ベアリング固定リング33は、外筒部32の車幅方向外側の端部に、例えばビス止めによって固定される円環状の部材である。
ベアリング固定リング33は、内輪22の内径よりも大きい外径を有し、外筒部32に組み込まれた内輪22の車幅方向外側の端部を保持してその脱落を防止するものである。
取付部40は、図示しないアップライトに固定されるプレート状の部材である。
取付部40の外周縁部には、外径側へ張り出して形成され、アップライトへの固定用ボルトが締結されるボルト孔を有する取付用タブ41が、例えば4箇所形成されている。
取付部40の中央部には、6分力検出装置100の感受体110が挿入される円形開口が形成されている。この円形開口の内周縁部には、感受体110の第2フランジ113が締結される。
6分力検出装置100は、実質的に円筒状に形成され、感応部30と取付部40とを連結する感受体110及びこの感受体110に設けられた複数のひずみゲージ及びこのひずみゲージを含むブリッジ回路を有して構成されている。
図2は、実施例の6分力検出装置100における感受体110を中心軸を含む平面で切って見た断面図である。
図2に示すように、感受体110は、円筒部111、第1フランジ112、第2フランジ113等を有して形成されている。
円筒部111は、所定の軸方向長さにわたって内径及び外径が実質的に一定である円筒状に形成された部分であって、後述する複数のひずみゲージが貼付(接着)される部分である。円筒部111は、車軸と実質的に同心に配置されている。
第1フランジ112は、円筒部111の一方の端部に設けられ、円筒部111に対して外径側及び内径側にそれぞれ張り出して形成された平板状の部分である。
第1フランジ112は、感応部30の円盤部31の内周縁部が固定されるものであって、図示しないボルトが締結されるネジ孔112aが形成されている。
また、円筒部111と第1フランジ112との間には、外径及び内径がこれらの中間となるように設定された中間部114が設けられている。中間部114の外周面は、円筒部111の外周面に対して段状に径を大きくして形成されている。また、中間部114の内周面は、円筒部111の内周面に対して段状に径を小さくして形成されている。
第1フランジ112の外径側における第2フランジ113側の端面と、中間部114の外周面との間には、R部(R1)が設けられている。
中間部114の外径側における第2フランジ113側の端面と、円筒部111の外周面との間には、R部(R2)が設けられている。
第1フランジ112の内径側における第2フランジ113側の端面と、中間部114の内周面との間には、R部(R3)が設けられている。
中間部114の内径側における第2フランジ113側の端面と、円筒部111の内周面との間には、R部(R4)が設けられている。
上述した各R部(R1〜R4)のうち、R1とR3とは、感受体110の軸方向における位置がほぼ一致して配置されている。
また、R2とR4とは、感受体110の軸方向における位置が、R2のほうが第2フランジ113側となるようにオフセットして配置されている。
第2フランジ113は、円筒部111の第1フランジ112とは反対側の端部に設けられ、円筒部111に対して外径側及び内径側にそれぞれ張り出して形成された平板状の部分である。
第2フランジ113は、取付部40の内周縁部が固定されるものであって、図示しないボルトが挿入されるボルト孔113aが形成されている。
図1に示すように、取付部40の内周縁部は、第2フランジ113の第1フランジ112側の面部と当接するように配置され、第2フランジ113のボルト孔113aに車幅方向内側から挿入されるボルトによって締結される。
円筒部111と第2フランジ113との間には、外径及び内径がこれらの中間となるように設定された中間部115が設けられている。中間部115の外周面は、円筒部111の外周面に対して段状に径を大きくして形成されている。また、中間部115の内周面は、円筒部111の内周面に対して段状に径を小さくして形成されている。
第2フランジ113の外径側における第1フランジ112側の端面と、中間部115の外周面との間には、R部(R5)が設けられている。
中間部115の外径側における第1フランジ112側の端面と、円筒部111の外周面との間には、R部(R6)が設けられている。
第2フランジ113の内径側における第1フランジ112側の端面と、中間部115の内周面との間には、R部(R7)が設けられている。
中間部115の内径側における第1フランジ112側の端面と、円筒部111の内周面との間には、R部(R8)が設けられている。
上述した各R部(R5〜R8)のうち、R5とR7とは、感受体110の軸方向における位置がほぼ一致して配置されている。
また、R6とR8とは、感受体110の軸方向における位置が、R6のほうが第1フランジ112側となるようにオフセットして配置されている。
なお、第1フランジ112の厚さt1及び第2フランジ113の厚さt2は、円筒部111の肉厚t0に対して十分大きくなるように設定される。
6分力検出装置100は、上述した感受体110の円筒部111に設けられるひずみゲージを含むブリッジ回路をそれぞれ有するFx検出系、Fy検出系、Fz検出系、Mx検出系、My検出系、Mz検出系をそれぞれ有する。
Fx検出系は、感受体110の円筒部111に作用する径方向(以下、x軸方向と称する)の力Fxを検出するものである。
Fy検出系は、感受体110の円筒部111に作用するx軸方向と直交する方向の径方向(以下、y軸方向と称する)の力Fyを検出するものである。
Fz検出系は、感受体110の円筒部111に作用する軸方向(以下、z軸方向と称する)の力Fzを検出するものである。
Mx検出系は、感受体110の円筒部111に作用するx軸回りのモーメントMxを検出するものである。
My検出系は、感受体110の円筒部111に作用するy軸回りのモーメントMyを検出するものである。
Mz検出系は、感受体110の円筒部111に作用するz軸回りのモーメントMzを検出するものである。
上述したFx検出系、Fy検出系、Fz検出系、Mx検出系、My検出系、Mz検出系は、それぞれ4つのひずみゲージを含むブリッジ回路を有して構成されている。
図3は、実施例の6分力検出装置におけるひずみゲージの配置を示す模式的斜視図である。
図4は、実施例の6分力検出装置における力検出系のひずみゲージの配置及びブリッジ回路の構成を示す図である。図4(a)、図4(b)、図4(c)は、それぞれFx検出系、Fy検出系、Fz検出系を示している。
図5は、実施例の6分力検出装置におけるモーメント検出系のブリッジ回路の構成を示す図である。図5(a)、図5(b)、図5(c)は、それぞれMx検出系、My検出系、Mz検出系を示している。
なお、図4、図5においては、中間部114、115等は図示を省略している。
図3及び図4に示すように、Fx検出系は、ひずみゲージ121〜124を有して構成されている。ひずみゲージ121〜124は、単軸のひずみゲージであって、その検出方向が円筒部111の中心軸方向と平行となるように、円筒部111の外周面に貼付されている。
ひずみゲージ121は、円筒部111の外周面における第1フランジ112側の領域(中間部114に近接した領域)に配置されている。
ひずみゲージ122は、ひずみゲージ121を通りかつ円筒部111の軸方向と平行な直線上に配置され、円筒部111の外周面における第2フランジ113側の領域(中間部115に近接した領域)に配置されている。
ひずみゲージ123は、ひずみゲージ122からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ122に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
ひずみゲージ124は、ひずみゲージ121からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ121に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
また、図4(a)に示すように、Fx検出系のブリッジ回路は、ひずみゲージ121〜124をループ状に順次接続し、ひずみゲージ122とひずみゲージ123との間、及び、ひずみゲージ121とひずみゲージ124との間に電源の正極、負極をそれぞれ接続するとともに、ひずみゲージ121とひずみゲージ122との間、及び、ひずみゲージ123とひずみゲージ124との間の電位差を出力として抽出するものである。
Fy検出系は、ひずみゲージ131〜134を有して構成されている。ひずみゲージ131〜134は、単軸のひずみゲージであって、その検出方向が円筒部111の中心軸方向と平行となるように、円筒部111の外周面に貼付されている。
ひずみゲージ131は、Fx検出系のひずみゲージ121に対して、円筒部111の中心軸回りに90度ずらして配置されている。
ひずみゲージ132は、Fx検出系のひずみゲージ122に対して、円筒部111の中心軸回りに90度ずらして配置されている。
ひずみゲージ131とひずみゲージ132とは、円筒部111の軸方向と平行な同一直線上に配置されている。
ひずみゲージ133は、ひずみゲージ132からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ132に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
ひずみゲージ134は、ひずみゲージ131からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ131に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
また、図4(b)に示すように、Fy検出系のブリッジ回路は、ひずみゲージ131〜134をループ状に順次接続し、ひずみゲージ132とひずみゲージ133との間、及び、ひずみゲージ131とひずみゲージ134との間に電源の正極、負極をそれぞれ接続するとともに、ひずみゲージ131とひずみゲージ132との間、及び、ひずみゲージ133とひずみゲージ134との間の電位差を出力として抽出するものである。
Fz検出系は、ひずみゲージ141〜144を有して構成されている。ひずみゲージ141〜144は、単軸のひずみゲージであって、その検出方向が円筒部111の中心軸方向と平行となるように、円筒部111の外周面に貼付されている。
ひずみゲージ141は、Fx検出系のひずみゲージ121、122の中間に配置されている。
ひずみゲージ142,143,144は、それぞれひずみゲージ141に対して、円筒部111の中心軸回りの位相が、90度、180度、270度ずれた位置に配置されている。
また、図4(c)に示すように、Fz検出系のブリッジ回路は、ひずみゲージ141,142,144,143をループ状に順次接続し、ひずみゲージ141とひずみゲージ143との間、及び、ひずみゲージ142とひずみゲージ144との間に電源の正極、負極をそれぞれ接続するとともに、ひずみゲージ141とひずみゲージ142との間、及び、ひずみゲージ143とひずみゲージ144との間の電位差を出力として抽出するものである。
図3及び図5に示すように、Mx検出系は、ひずみゲージ151〜154を有して構成されている。ひずみゲージ151〜154は、単軸のひずみゲージであって、その検出方向が円筒部111の中心軸方向と平行となるように、円筒部111の外周面に貼付されている。
ひずみゲージ151は、Fy検出系のひずみゲージ131に対して、円筒部111の中心軸方向に隣接して配置されている。
ひずみゲージ152は、Fy検出系のひずみゲージ132に対して、円筒部111の中心軸方向に隣接して配置されている。
ひずみゲージ151とひずみゲージ152とは、円筒部111の軸方向と平行な同一直線上に配置されている。
ひずみゲージ153は、ひずみゲージ152からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ152に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
ひずみゲージ154は、ひずみゲージ151からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ151に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
また、図5(a)に示すように、Mx検出系のブリッジ回路は、ひずみゲージ151,153,152,154をループ状に順次接続し、ひずみゲージ151とひずみゲージ153との間、及び、ひずみゲージ152とひずみゲージ154との間に電源の正極、負極をそれぞれ接続するとともに、ひずみゲージ151とひずみゲージ154との間、及び、ひずみゲージ153とひずみゲージ152との間の電位差を出力として抽出するものである。
My検出系は、ひずみゲージ161〜164を有して構成されている。ひずみゲージ161〜164は、単軸のひずみゲージであって、その検出方向が円筒部111の中心軸方向と平行となるように、円筒部111の外周面に貼付されている。
ひずみゲージ161は、Fx検出系のひずみゲージ121に対して、円筒部111の中心軸方向に隣接して配置されている。
ひずみゲージ162は、Fx検出系のひずみゲージ122に対して、円筒部111の中心軸方向に隣接して配置されている。
ひずみゲージ161とひずみゲージ162とは、円筒部111の軸方向と平行な同一直線上に配置されている。
ひずみゲージ163は、ひずみゲージ162からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ162に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
ひずみゲージ164は、ひずみゲージ161からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ161に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
また、図5(b)に示すように、My検出系のブリッジ回路は、ひずみゲージ161,163,162,164をループ状に順次接続し、ひずみゲージ161とひずみゲージ163との間、及び、ひずみゲージ162とひずみゲージ164との間に電源の正極、負極をそれぞれ接続するとともに、ひずみゲージ161とひずみゲージ164との間、及び、ひずみゲージ163とひずみゲージ162との間の電位差を出力として抽出するものである。
Mz検出系は、ひずみゲージ171〜174を有して構成されている。ひずみゲージ171〜174は、せん断形のひずみゲージであって、その検出方向が円筒部111の周方向となるように、円筒部111の外周面に貼付されている。
ひずみゲージ171は、Fz検出系のひずみゲージ141、142の中間に配置されている。
ひずみゲージ172は、Fz検出系のひずみゲージ142,144の中間に配置されている。
ひずみゲージ173,174は、それぞれひずみゲージ172,171に対して、円筒部111の中心軸対称となる位置に配置されている。
また、図5(c)に示すように、Mz検出系のブリッジ回路は、ひずみゲージ171,173,174,172をループ状に順次接続し、ひずみゲージ171とひずみゲージ173との間、及び、ひずみゲージ172とひずみゲージ174との間に電源の正極、負極をそれぞれ接続するとともに、ひずみゲージ171とひずみゲージ172との間、及び、ひずみゲージ173とひずみゲージ174との間の電位差を出力として抽出するものである。
上述した各検出系のひずみゲージは、各検出系がそれぞれ有する焦点Fが、図示しない車輪の中心(車軸上におけるタイヤ幅の中心)と実質的に一致するように配置されている。
以上説明した実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)分力測定用のロードセルである6分力検出装置100をハブユニット1内に設けることによって、既存のハブユニットと換装することによって、容易に本実施例のハブユニット1を車両に装着することができる。また、車輪の中心に近接した箇所に配置することが可能となり、その出力をそのまま車輪作用力として用いることが可能となる。
また、感受体110は、例えば旋盤による機械加工等によって比較的容易に形成することが可能であり、ひずみゲージは円筒部111の表面側のみに実装されることから、例えば十字状のビームを感受体とする既存の6分力検出装置に対して、感受体110の製造及びひずみゲージの取付工程を簡素化することが可能となり、量産に適しかつコストが安価である。
さらに、回路もプリントにより一体に形成することが可能である。
(2)円筒部111における応力斑の対称性を利用して、各分力の相互干渉を抑えるとともに、ドリフトをバランスさせ、ブリッジ回路の出力に対する信号処理演算を不要とすることが可能となり、信号処理系の構造を大幅に簡素化することができる。
(3)全ての分力、モーメントの中心軸が1点に集中するいわゆる単焦点型の構成とすることが容易であり、分力相互間の干渉が低減されて補償換算が不要となる。
また、このような焦点を車輪の中心と実質的に一致させることによって、計測位置と車輪中心とのずれに起因して必要となる演算処理を不要とすることができる。
(4)円筒部111と中間部114との間のR部R2,R4をオフセットして配置するとともに、円筒部111と中間部115との間のR部R6、R8をオフセットして配置することによって、第1フランジ112、第2フランジ113に支持部または入力部を固定する際の締結トルク等の影響が円筒部111に及ぶことを防止し、より高精度な6分力の検出を行なうことができる。
(5)車輪の上下力、前後力、軸方向力、及び、鉛直軸、前後軸回りのモーメントからなる5分力に加えて、車軸回りのモーメントも検出することによって、転がり抵抗の測定や補償用、故障検出用などを行なうことができる。
(6)感受体110がベアリング20の内径側に配置される構成とすることによって、ハブユニット1をコンパクトにして軸方向長さを短縮することが可能となり、6分力検出装置100の各検出系の焦点を車輪中心に近づけあるいは一致させることが容易となる。
(7)ハブ10のドライブシャフト取付部13を感受体110の内径側に配置したことによって、ドライブシャフトが設けられる駆動輪であっても容易に実施例のハブユニット1を装着することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)ハブユニットを構成する各部材の形状、構造、材質、配置等は、適宜変更することが可能である。
例えば、ベアリングの外輪又は内輪を、例えばハブや感応部等の他の部材と一体に形成してもよい。また、実施例ではハブ側に外輪を設けているが、ハブ側を内輪としてもよい。
さらに、ベアリングの種類も例えば円錐ころ軸受など他の種類のものであってもよい。
(2)実施例では、6分力検出装置の感受体の筒状部は、一例として一様の外径、内径を有する円筒状に形成したが、本発明はこれに限らず、例えば、外径及び内径が軸方向距離に応じて変化するテーパ状の筒状体としてもよい。さらに、断面形状も円形には限定されず、多角形断面やその他の断面形状であってもよい。
(3)実施例では、例えば6分力を検出しているが、本発明はこれに限らず、これらのうち一部の分力のみ検出する構成としてもよい。例えば、車軸回りのモーメントを省略した5分力を検出する構成としてもよい。
(4)各分力検出系において用いられる各ひずみゲージは、単一のひずみゲージからなる構成に限らず、複数のひずみゲージを並列あるいは直列に接続して一つのひずみゲージとして用いるようにしてもよい。このような構成とすることによって、感度の向上等を図ることができる。
(5)円筒部の両端に設けられる段部の有無、寸法、形状や、境界部におけるRの設定などは、上述した実施例の構成に限らず、適宜変更することが可能である。
(6)実施例では各ひずみゲージは円筒部の外周面に貼付されているが、内周面に貼付する構成としてもよい。
1 ハブユニット 10 ハブ
11 円盤部 12 センター部
13 ドライブシャフト取付部 14 外筒部
15 ベアリング固定リング 20 ベアリング
21 外輪 22 内輪
23 鋼球 30 感応部
31 円盤部 32 外筒部
33 ベアリング固定リング 40 取付部
41 取付用タブ
100 6分力検出装置 110 感受体
111 円筒部 112 第1フランジ
112a ネジ孔 113 第2フランジ
113a ボルト孔 114 中間部
115 中間部 R1〜R8 R部
121〜124 Fx検出系の単軸ひずみゲージ
131〜134 Fy検出系の単軸ひずみゲージ
141〜144 Fz検出系の単軸ひずみゲージ
151〜154 Mx検出系の単軸ひずみゲージ
161〜164 My検出系の単軸ひずみゲージ
171〜174 Mz検出系のせん断形ひずみゲージ
F 焦点 B ハブボルト

Claims (7)

  1. サスペンション装置によって支持される車体側部材に固定される取付部と、
    車輪が固定されるとともに、前記取付部に対して車軸回りに回転可能に支持されたハブと、
    前記車軸と実質的に同心に形成された筒状部を有し、該筒状部の一方の端部が前記取付部に固定され、他方の端部がハブベアリングを介して前記ハブに接続された感受体と、
    前記感受体の前記筒状部の周面に設けられた1分力あたり少なくとも4個のひずみゲージを含むブリッジ回路を有する分力検出手段と
    を備えることを特徴とする車輪作用力検出装置。
  2. 前記分力検出手段は、前記筒状部の径方向に作用する2分力をそれぞれ検出する第1の径方向分力検出手段及び第2の径方向分力検出手段と、前記筒状部の軸方向に作用する分力を検出する軸方向分力検出手段と、前記筒状部の径方向に沿った2軸回りに作用するモーメントをそれぞれ検出する第1の径方向回りモーメント検出手段及び第2の径方向回りモーメント検出手段とを含み、
    前記第1の径方向分力検出手段、前記第2の径方向分力検出手段、前記第1の径方向回りモーメント検出手段、前記第2の径方向回りモーメント検出手段は、それぞれ前記筒状部に設けられた第1乃至第4の単軸ひずみゲージを含むブリッジ回路を有し、第2の単軸ひずみゲージは、第1の単軸ひずみゲージに対して前記筒状部の中心軸方向に離間して配置され、第3の単軸ひずみゲージ及び第4の単軸ひずみゲージは、それぞれ第2の単軸ひずみゲージ及び第1の単軸ひずみゲージに対して前記筒状部の中心軸回りにほぼ180度ずらした位置に配置され、
    前記軸方向分力検出手段は、前記筒状部の周方向にほぼ等間隔に分散して設けられた第1乃至第4の単軸ひずみゲージを含むブリッジ回路を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の車輪作用力検出装置。
  3. 前記分力検出手段は、前記筒状部の軸回りに作用するモーメントを検出する軸方向回りモーメント検出手段を含み、
    前記軸方向回りモーメント検出手段は、前記筒状部の周方向にほぼ等間隔に分散して設けられた第1乃至第4のせん断形ひずみゲージを含むブリッジ回路を有すること
    を特徴とする請求項2に記載の車輪作用力検出装置。
  4. 前記筒状部は、内径及び外径が実質的に一定あるいは一方の端部からの距離に比例して変化する円筒状に形成されること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車輪作用力検出装置。
  5. 前記ハブベアリングは前記ハブに固定され又は前記ハブと一体に形成される外輪、及び、前記外輪の内径側に配置される内輪を有し、
    前記感受体は、前記内輪に固定されるとともに、前記筒状部の少なくとも一部が前記内輪の内径側に挿入されること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車輪作用力検出装置。
  6. 前記ハブは、ドライブシャフトのスプライン軸が挿入されるとともに、少なくとも一部が前記感受体の内径側に挿入されたドライブシャフト取付部を有すること
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車輪作用力検出装置。
  7. 前記分力検出手段の焦点を前記車輪の中心と実質的に一致させたこと
    を特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の車輪作用力検出装置。
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