JP2013199341A - 建設工事用の運搬容器、及びその補修方法 - Google Patents

建設工事用の運搬容器、及びその補修方法 Download PDF

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【課題】コンクリートバケット等の建設工事用の運搬容器を軽量化することにより1回のコンクリートの運搬量を増やすと共に、該運搬容器の補修作業に要する手間と時間とを減らすことを課題とする。
【解決手段】コンクリートバケット10は、コンクリートが入れられるバケット本体20が、鉄よりも軽い材料で形成された複数の板材201〜204が結合され、該複数の板材201〜204が結合を解除して分離できるように構成されていることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、コンクリートバケット等の建設工事用の運搬容器、及びその補修方法に関する。
ダム建設等のコンクリートが多量に使用される建設工事では、コンクリートプラントでコンクリートバケットにコンクリートを入れて、そのコンクリートバケットをクレーンによって打設現場まで搬送し、コンクリートバケットからコンクリートを投下する(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のコンクリートバケットでは、底部に開閉ゲートが設けられており、この開閉ゲートが開かれるとコンクリートが投下される。
特開平9−278353号公報
クレーンの1回当たりの運搬量は揚重能力により限られ、また、従来の鉄製のコンクリートバケットは大重量であった。そのため、1回当たりのコンクリートの運搬量を少なくせざるを得なかった。また、従来のコンクリートバケットは開閉ゲートの部分を除いて鉄板により一体で形成されていたことから、コンクリートバケットの一部が磨耗により薄くなった場合には、鉄板を溶接することにより補修していた。このため、コンクリートバケットの補修には溶接が必要となり、手間と時間とを要していた。
ここで、クレーンの1回当たりの運搬量を増やすために、鉄よりも軽量である材料でコンクリートバケットを作製することが考えられるが、選択する材料によっては、鉄よりも磨耗や破損が生じ易くなる場合があり、その場合には、コンクリートバケットを補修する回数が増えてしまうため、手間と時間とがかさむという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コンクリートバケット等の建設工事用の運搬容器を軽量化することにより1回当たりの運搬量を増やすと共に、該運搬容器の補修作業に要する手間と時間とを減らすことを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係る建設工事用の運搬容器は、建設工事での運搬物が入れられる容器本体を備える建設工事用の運搬容器であって、前記運搬容器は、複数の部材が結合され、該複数の部材が結合を解除して分離できるように構成されており、前記複数の部材の少なくとも一つが鉄よりも軽い材料で形成された軽量部材であることを特徴とする。
また、前記建設工事用の運搬容器において、前記容器本体には前記運搬物を投下させるための投下口が設けられ、前記投下口を開閉する開閉部をさらに備え、前記軽量部材は、前記容器本体に含まれてもよい。
また、前記運搬物はコンクリートであってもよい。
また、本発明に係る建設工事用の運搬容器の補修方法は、補修対象の部材を他の部材との結合を解除して前記容器本体から分離して交換することを特徴とする。
本発明によれば、コンクリートバケット等の建設工事用の運搬容器を軽量化することにより1回当たりの運搬量を増やすと共に、該運搬容器の補修作業に要する手間と時間とを減らすことができる。
一実施形態に係るコンクリートバケットを示す正面図である。 一実施形態に係るコンクリートバケットを示す側面図(図1の2−2矢視図)である。 一実施形態に係るコンクリートバケットのバケット本体を示す平面図(図1の3−3矢視図)である。 コンクリートバケットのバケット本体を分解した状態を示す正面図である。 コンクリートバケットのバケット本体を分解した状態を示す平面図(図4の5−5矢視図)である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係るコンクリートバケット10を示す正面図であり、図2は、該コンクリートバケット10を示す側面図(図1の2−2矢視図)であり、図3は、該コンクリートバケット10のバケット本体20を示す平面図(図1の3−3矢視図)である。なお、以下の説明で使う「前後左右」は図1で示す状態の「前後左右」であり、「前後」、「左右」は夫々、図2で示す状態の「左右」、「前後」に対応する。
これらの図に示すように、コンクリートバケット10は、バケット本体20と、バケット本体20の底部の開口21を開閉する開閉ゲート30とを備えており、開閉ゲート30が開口21を開放した状態でバケット本体20の底部からコンクリートを投下する。バケット本体20は、正面視及び側面視にて逆台形状の上下が開口した器体であり、底部に矩形状の開口21が設けられている。また、左右の側面22の上部には、PC鋼線等の吊材を取り付けるための吊板23が固定され、該側面22の下部には、前後一対の鉄製のプロテクタ板25が固定されている。また、前後の側面24の下部には、左右一対の鉄製のプロテクタ板26が固定されている。
開閉ゲート30は、左右一対の鋼製の可動板31と、各可動板31に開閉動作をさせる左右一対の油圧シリンダ32とを備えている。可動板31は、平面視にて矩形状の板であり、幅方向にかけて円弧状に湾曲しており、その長手方向両端部には、扇形状の支持板33が固定されている。この支持板33は、閉状態の可動板31から上側に延びており、その先端がプロテクタ板26に、可動板31の長手方向(前後方向)と平行な軸の周りに回動可能に支持されている。これにより、左右一対の可動板31は、その長手方向と平行な軸の周りに回動可能に、プロテクタ板26に支持されており、互いに接近する方向に回動して開口21を閉じ、互いに離間する方向に回動して開口21を開く。
また、左右一対の油圧シリンダ32は、吊板23の下部に揺動可能に支持されており、油圧シリンダ32のピストン32Aの先端は可動板31の幅方向一端部に回動可能に連結されている。このため、油圧シリンダ32のピストン32Aがシリンダ32Bから押し出されると、可動板31が下側へ回動して開口21を閉じる動作をし、油圧シリンダ32のピストン32Aがシリンダ32Bに引き込まれると、可動板31が上側へ回動して開口21を開く動作をする。
ここで、バケット本体20は、鉄よりも軽量の複数の板材201〜204がボルト及びナットで結合されて構成されている。まず、バケット本体20は、上部20Uと下部20Lとに2分割されており、さらに上部20U及び下部20Lは、夫々8分割されている。
上部20Uでは、夫々4枚の板材201、202が、バケット本体20の周方向に交互に配されている。前後左右に対向するように配された4枚の板材201は、台形状の平坦な板材であり、左右と下の辺に外側に突出したフランジ201Fが形成されている。また、開口21の対角線の方向に対向するように配された4枚の板材202は、円弧状に湾曲した板材であり、左右と下の辺に外側に突出したフランジ202Fが形成されており、その左右のフランジ202Fが、板材201の左右のフランジ201Fとボルト及びナットで締結される。なお、左右に対向する板材201には、吊板23が固定されている。
また、下部20Lでは、夫々4枚の板材203、204が、バケット本体20の周方向に交互に配されている。前後左右に対向するように配された4枚の板材203は、台形状の平坦な板材であり、左右と上の辺に外側に突出したフランジ203Fが形成されている。また、開口21の対角線の方向に対向するように配された4枚の板材204は、円弧状に湾曲した板材であり、左右と上の辺に外側に突出したフランジ204Fが形成されており、その左右のフランジ204Fが、板材203の左右のフランジ203Fとボルト及びナットで締結されている。なお、左右の板材201には、プロテクタ板25が固定され、前後の板材201には、プロテクタ板26が固定されている。
そして、上部20Uと下部20Lとは、板材201の下側のフランジ201Fと板材203の上側のフランジ203F、板材202の下側のフランジ202Fと板材204の上側のフランジ204Fがボルト及びナットで締結されることにより、結合されている。
ここで、バケット本体20は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やケブラー(登録商標:正式名称はポリパラフェニレンテレフタルアミド)やチタン等の鉄よりも軽量の(密度が小さい)材料で形成されており、コンクリートバケット10は、従来の鋼鉄製のコンクリートバケットに比して軽量化されている。これにより、コンクリートバケット10を軽量化できた分だけ、クレーンの揚重能力に余裕が生じ、その余裕の分だけ、コンクリートバケット10へのコンクリートの投入量、即ち、1回当たりのコンクリートの運搬量を増やすことができる。
なお、鉄の密度は、7.9g/cmであるのに対して、CFRPの密度は、1.5〜1.7g/cmであり、ケブラーの密度は、1.4g/cmであり、チタンの密度は、4.5g/cmである。
図4は、コンクリートバケット10のバケット本体20を分解した状態を示す正面図であり、図5は、コンクリートバケット10のバケット本体20を分解した状態を示す平面図(図4の5−5矢視図)である。これらの図に示すように、バケット本体20は、フランジ201Fとフランジ202Fやフランジ201Fとフランジ203F等を締結しているボルト及びナットを外すことにより、板材201〜204に分割することができる。
このため、バケット本体20の一部に破損や磨耗等が生じて補修する必要が生じた場合には、その部分の板材201〜204をバケット本体20から分離して新しい板材201〜204に交換することができる。従って、バケット本体20の補修を溶接作業を要することなく実施できるため、手間と時間を減らすことができる。特に、バケット本体20の材料として、鉄よりも磨耗や破損が生じ易いものを選択した場合には、バケット本体20を補修する回数が増えるため、その効果は顕著である。また、一般にコンクリートの単位体積重量(約23kN/m)は、土砂や流動化処理土の単位体積重量(約16kN/m)よりも大きく、バケットが受ける衝撃や磨耗は、土砂や流動化処理土よりもコンクリートの方が大きくなることから、本発明をコンクリートバケットに適用することで、より大きな効果を得ることができる。
また、各板材201〜204の結合を、フランジ201F〜204Fを重ね合わせてボルト及びナットで締結することにより行ったことによって、バケット本体20の側面22、24において、ボルト及びナットで締結されたフランジ201F〜204Fが補強リブとして機能する。従って、バケット本体20の側面22、24の強度を高めることができる。
なお、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。例えば、上述の実施形態では、コンクリートバケットを例に挙げて本発明を説明したが、土砂や流動化処理土を運搬するバケット等の他の建設工事用の運搬容器にも本発明を適用できる。
また、バケット本体20(開閉ゲート30の可動板31及びプロテクタ板25、26以外の部分全体)を鉄よりも軽量の材料で形成した軽量部材で構成したが、バケット本体20の一部のみを軽量部材で構成してもよい。さらに、本実施形態では、開閉ゲート30の駆動装置として油圧シリンダ32を用いたが、エアシリンダを用いてもよい。
10 コンクリートバケット、20 バケット本体(容器本体)、20U 上部、20L 下部、21 開口(投下口)、22 側面、23 吊板、24 側面、25、26 プロテクタ板、30 開閉ゲート(開閉部)、31 可動板(開閉部)、32 油圧シリンダ、32A ピストン、32B シリンダ、33 支持板、201〜204 板材(部材、軽量部材)、201F〜204F フランジ

Claims (4)

  1. 建設工事での運搬物が入れられる容器本体を備える建設工事用の運搬容器であって、
    前記運搬容器は、複数の部材が結合され、該複数の部材が結合を解除して分離できるように構成されており、
    前記複数の部材の少なくとも一つが鉄よりも軽い材料で形成された軽量部材であることを特徴とする建設工事用の運搬容器。
  2. 前記容器本体には前記運搬物を投下させるための投下口が設けられ、
    前記投下口を開閉する開閉部をさらに備え、
    前記軽量部材は、前記容器本体に含まれていることを特徴とする請求項1に記載の建設工事用の運搬容器。
  3. 前記運搬物はコンクリートである請求項1又は請求項2に記載の建設工事用の運搬容器。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の建設工事用の運搬容器の補修方法であって、
    補修対象の部材を他の部材との結合を解除して前記容器本体から分離して交換することを特徴とする建設工事用の運搬容器の補修方法。
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