JP2013197134A - ダイオード - Google Patents

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Abstract

【課題】リカバリ特性に優れたダイオードを提供すること。
【解決手段】ダイオード1Aは、半導体上層4の表面から深部に向けて伸びている緩和領域42を備えている。緩和領域42は、カソード領域10とアノード領域20の間に配置されている。緩和領域42に用いられる材料の絶縁破壊電界強度が、半導体上層4の材料の絶縁破壊電界強度よりも大きい。
【選択図】図1

Description

本明細書で開示される技術は、ダイオードに関する。
例えば、絶縁分離技術を利用して、複数種類の半導体素子を集積した高耐圧ICの開発が進められている。このような高耐圧ICには、ダイオードが組み込まれている。
ダイオードは、n型のカソード領域と、p型のアノード領域と、カソード領域とアノード領域の間に設けられているn型のドリフト領域を備えている。この種のダイオードの一例が特許文献1に開示されている。
特開平11−233795号公報
この種のダイオードでは、リカバリ時において、半導体層の表面部に電界が集中する。この電界集中によってアバランシェ現象が発生すると、リカバリ電荷量が増大し、スイッチング損失が増大する。
本明細書で開示される技術は、リカバリ特性に優れたダイオードを提供することを目的としている。
本明細書で開示されるダイオードは、半導体層とカソード電極とアノード電極と緩和領域を備えている。カソード電極は、半導体層の表面に設けられている。アノード電極は、半導体層の表面に設けられており、カソード電極から離れている。緩和領域は、半導体層の表面から深部に向けて伸びている。半導体層は、第1導電型のカソード領域と第2導電型のアノード領域と第1導電型のドリフト領域を有している。カソード領域は、半導体層の表面部に設けられており、カソード電極に電気的に接続される。アノード領域は、半導体層の表面部に設けられており、アノード電極に電気的に接続される。ドリフト領域は、カソード領域とアノード領域の間に設けられており、カソード領域の不純物濃度よりも薄い。緩和領域は、カソード領域とアノード領域の間に配置されている。また、緩和領域に用いられる材料の絶縁破壊電界強度が、半導体層の材料よりも大きい。
上記態様のダイオードでは、緩和領域が半導体層の表面部の電界を負担する。緩和領域の絶縁破壊電界強度が大きいので、緩和領域の存在する箇所でアバランシェ現象の発生が抑えられる。リカバリ電荷量の増加が抑えられ、スイッチング損失の増大が抑制される。
図1は、図2のI-I線に対応した要部断面図であり、ダイオード1Aの構成を示す。 図2は、ダイオード1Aが形成されているSOI基板の要部平面図を示す(なお、SOI基板上の電極等は削除した状態で図示されている)。 図3は、カソード領域のレイアウトが異なるダイオード1Aの変形例を示す。 図4は、カソード領域のレイアウトが異なるダイオード1Aの他の変形例を示す。 図5は、要部断面図であり、ダイオード1Bの構成を示す。 図6は、要部断面図であり、ダイオード1Cの構成を示す。 図7は、ダイオード1Cのアノード領域の拡大要部断面図を示す。
本明細書で開示される技術の特徴を整理しておく。なお、以下に記す事項は、各々単独で技術的な有用性を有している。
(第1特徴)ダイオードは、半導体層とカソード電極とアノード電極と緩和領域を備えていてもよい。カソード電極は、半導体層の表面に設けられていてもよい。アノード電極は、半導体層の表面に設けられており、カソード電極から離れていてもよい。緩和領域は、半導体層の表面から深部に向けて伸びていてもよい。
(第2特徴)半導体層は、SOI基板の半導体上層でもよく、エピタキシャル基板でもよく、多結晶シリコン基板の溝内に形成された半導体層であってもよい。
(第3特徴)半導体層は、第1導電型のカソード領域と、第2導電型のアノード領域と、第1導電型のドリフト領域と、を有していてもよい。カソード領域は、半導体層の表面部に設けられており、カソード電極に電気的に接続されていてもよい。アノード領域は、半導体層の表面部に設けられており、アノード電極に電気的に接続されていてもよい。ドリフト領域は、カソード領域とアノード領域の間に設けられており、カソード領域の不純物濃度よりも薄くてもよい。
(第4特徴)緩和領域は、カソード領域とアノード領域の間に配置されていてもよい。また、緩和領域に用いられる材料の絶縁破壊電界強度が、半導体層の材料の絶縁破壊電界強度よりも大きくてもよい。例えば、半導体層の材料がシリコンの場合、緩和領域には酸化シリコン、Si、ポーラスSiO、又はCVD膜が用いられる。
(第5特徴)緩和領域は、アノード領域のカソード領域側の端部に接触していてもよい。この態様によると、緩和領域は、電界が集中する箇所に対応して配置される。アバランシェ現象を効果的に抑制することができる。
(第6特徴)緩和領域は、アノード領域よりも深く形成されていてもよい。この態様によると、緩和領域は、電界が集中する箇所の大部分に対応して配置される。アバランシェ現象をより効果的に抑制することができる。
(第7特徴)緩和領域に用いられる材料が絶縁体であってもよい。この態様によると、リカバリ電流が緩和領域を迂回するように流れるので、リカバリ電流の電流経路を半導体層の表面から深部に向けて拡散させることができる。これにより、リカバリ電流の電流経路と電界が集中する箇所を不一致にすることができる。
(第8特徴)半導体層は、第2導電型の低濃度領域をさらに有していてもよい。低濃度領域は、第1アノード領域よりも深く形成されており、アノード領域よりも薄い不純物濃度であってもよい。
(第9特徴)ダイオードは、半導体層を一巡する絶縁分離トレンチで囲まれる島領域に形成されていてもよい。この場合、第8特徴において、低濃度領域は、絶縁分離トレンチに沿って島領域の周縁を一巡していてもよい。ダイオードの低濃度領域は、絶縁分離トレンチの側面に接していてもよい。
図1に示されるように、横型のダイオード1Aは、n型又はp型の半導体下層2と埋込み絶縁層3とn-型の半導体上層4が積層したSOI(Silicon On Insulator)基板5に形成されている。図2に示されるように、ダイオード1Aは、絶縁分離トレンチ8で囲まれた半導体上層4の島領域内に形成されている。絶縁分離トレンチ8は、半導体上層4の表面から半導体上層4を貫通して埋込み絶縁層3まで達しており、平面視したときに半導体上層4の一部を一巡している。一例では、半導体下層2と半導体上層4の材料には単結晶シリコンが用いられており、埋込み絶縁層3の材料には酸化シリコンが用いられている。埋込み絶縁層3は、耐圧500V以上を実現するために、その厚みが約3μm以上に設定されている。半導体上層4は、耐圧500V以上を実現するために、その不純物濃度が約7×1014cm−3であり、厚みが約10〜20μmである。
図1に示されるように、ダイオード1Aは、半導体上層4の表面に設けられているカソード電極6とアノード電極7とLOCOS酸化膜32と抵抗性フィールドプレート34を備えている。カソード電極6とアノード電極7は、半導体上層4の表面において、両者間に距離を置いて配置されており、電気的に絶縁している。カソード電極6とアノード電極7の材料にはチタン(Ti)/窒化チタン(TiN)/アルミニウム(Al)の積層電極が用いられており、チタンが半導体上層4に接触している。そのチタン部分では、必要に応じて、チタンにシリコンが混入したシリサイドが用いられてもよい。LOCOS酸化膜32は、カソード電極6とアノード電極7の間に設けられている。抵抗性フィールドプレート34は、LOCOS酸化膜32の表面に設けられており、一端がカソード電極6に電気的に接続されており、他端がアノード電極7に電気的に接続されている。LOCOS酸化膜32と抵抗性フィールドプレート34は、半導体上層4の表面部において、カソード電極6とアノード電極7の間の電位分布を均一化する。
半導体上層4の表面部には、n型のカソード領域10とp型のアノード領域20が形成されている。カソード領域10は、カソード電極6に電気的に接続している。アノード領域20は、アノード電極7に電気的に接続している。カソード領域10とアノード領域20の間には、ドリフト領域30が形成されている。ドリフト領域30は、半導体上層4にカソード領域10とアノード領域20を形成した残部である。ドリフト領域30には、必要に応じて、高耐圧化のための半導体領域(例えば、リサーフ領域)が形成されていてもよい。
カソード領域10は、n型の第1カソード領域10aとn+型の第2カソード領域10bを備えている。第1カソード領域10a及び第2カソード領域10bは、イオン注入技術を利用して形成される。第1カソード領域10aの拡散深さは、第2カソード領域10bの拡散深さよりも深い。このため、第2カソード領域10bの全体は、第1カソード領域10aで覆われている。なお、第1カソード領域10aは、必要に応じて設けられていなくてもよい。図2に示されるように、カソード領域10は、絶縁分離トレンチ8で囲まれる島領域の中央に配置されており、略矩形の形状を有している。また、第2カソード領域10bは、複数個に分断されており、各第2カソード領域10bの間にp+型のコンタクト調整領域10cが形成されている。このように、第2カソード領域10bとコンタクト調整領域10cが、カソード領域10の長手方向に沿って交互に繰り返し形成されている。コンタクト調整領域10cは、カソード領域10とカソード電極6の接触面積を減らし、順バイアス時に注入される電子量を調整するために形成されている。第1カソード領域10aと第2カソード領域10bとコンタクト調整領域10cは、カソード電極6にオーミック接触している。一例では、第1カソード領域10aの表面濃度は約1.8×1017cm−3であり、拡散深さは約3〜7μmである。第2カソード領域10bの表面濃度は約6×1020cm−3であり、拡散深さは約0.1〜0.5μmである。コンタクト調整領域10cの表面濃度は約1×1020cm−3であり、拡散深さは約0.3〜0.6μmである。なお、図3に示されるように、コンタクト調整領域10cは、必要に応じて設けられていなくてもよい。あるいは、図4に示されるように、第2カソード領域10bとコンタクト調整領域10cの繰り返し構造の間に、第1カソード領域10aが介在してもよい。なお、これらのレイアウトは一例であり、必要に応じて、第1カソード領域10aと第2カソード領域10aとコンタクト調整領域10cの組合せには、様々なレイアウトを採用することができる。
アノード領域20は、p型の第1アノード領域20aとp+型の第2アノード領域20bを備えている。第1アノード領域20a及び第2アノード領域20bは、イオン注入技術を利用して形成される。第1アノード領域20aの拡散深さは、第2アノード領域20bの拡散深さよりも深い。このため、第2アノード領域20bの全体は、第1アノード領域20aで覆われている。図2に示されるように、アノード領域20は、絶縁分離トレンチ8で囲まれる島領域の周囲に配置されており、絶縁分離トレンチ8に沿って島領域の周縁を一巡している。第1アノード領域20aはアノード電極7にショットキー接触しており、第2アノード領域20bはアノード電極7にオーミック接触している。第2アノード領域20aとアノード電極7がショットキー接触していると、順バイアス時において、アノード領域20から注入される正孔量を抑えることができる。なお、第2アノード領域20aとアノード電極7がショットキー接触するためには、アノード電極7に用いられる材料の仕事関数が5.16eV以下であればよい。このため、アノード電極7の材料は、チタンに代えて、ニッケル又は銅等を用いてもよい。一例では、第1アノード領域20aの表面濃度は約9×1017cm−3であり、拡散深さは約1〜2μmである。第2アノード領域20bの表面濃度は約1×1020cm−3であり、拡散深さは約0.2〜0.6μmである。
ダイオード1Aはさらに、半導体上層4の表面から深部に向けて伸びている緩和領域42を備えている。緩和領域42の材料は絶縁体であり、この例では酸化シリコンである。酸化シリコンの絶縁破壊電界強度は約1×10V/cmであり、シリコンの絶縁破壊電界強度は約3×10V/cmである。このため、緩和領域42の絶縁破壊電界強度は、半導体上層4の絶縁破壊電界強度よりも大きい。緩和領域42は、異方性エッチング技術を利用して半導体上層4の表面からトレンチを形成した後に、化学気相成長法を利用してそのトレンチ内に酸化シリコンを充填することで形成することができる。
図1に示されるように、緩和領域42は、アノード領域20のカソード側の端部に接している。換言すると、緩和領域42は、アノード領域20とドリフト領域30のpn接合面に対応して設けられており、アノード領域20とドリフト領域30の間に配置されている。緩和領域42の深さは、アノード領域20よりも深い。また、図2に示されるように、緩和領域42は、アノード領域20のカソード側の側面に沿って一巡している。
次に、ダイオード1Aの動作を説明する。アノード電極7にカソード電極6よりも高電位が加わると、ダイオード1Aは順バイアスされる。これにより、カソード領域10からドリフト領域30に電子が注入され、アノード領域20からドリフト領域30に正孔が注入される。これにより、ダイオード1Aでは、アノード電極7からカソード電極6に向けて電流が流れる。
次に、カソード電極6にアノード電極7よりも高電位が加わると、ダイオード1Aは逆バイアスされる。この逆バイアスが印加された直後のリカバリ時では、順バイアスのときにドリフト領域30に注入されていた電子はカソード領域10から排出され、正孔はアノード領域20から排出される。このように、リカバリ時において、ダイオード1Aにはリカバリ電流が流れる。このリカバリ電流の多くは、ドリフト領域30の表面部に沿って流れる。
ここで、緩和領域42が設けられていない場合を考える。リカバリ時では、アノード領域20とドリフト領域30のpn接合面が高電界領域となる。この電界集中によってアバランシェ現象が発生すると、リカバリ電荷量が増大し、スイッチング損失を悪化させる。また、高電界領域は、アノード領域20とドリフト領域30のpn接合面のうちの表面部である。このため、リカバリ電流の電流経路と高電界領域が一致する。この結果、場合によっては半導体上層4の表面部に大電流が流れ、素子破壊が問題となる。
ダイオード1Aでは、半導体上層4の表面部に緩和領域42が設けられている。特に、緩和領域42は、アノード領域20とドリフト領域30のpn接合面、すなわち高電界領域に対応して設けられている。また、緩和領域42はアノード領域20よりも深く形成されているので、高電界領域の全域に対応して設けられている。このため、緩和領域42で電界を負担することができるので、アバランシェ現象の発生が抑えられ、リカバリ電荷量の増大が抑制される。また、緩和領域42が設けられているので、リカバリ電流が緩和領域42を迂回するように、半導体上層4の表面部から深部に向けて拡散して流れる。このため、リカバリ電流の電流経路と高電界領域が一致するということがない。この結果、半導体上層4の表面部を大電流が流れるという事態も抑制され、素子破壊も抑制される。
図5に示されるように、ダイオード1Bは、半導体上層4の表面から深部に向けて伸びている第2緩和領域44をさらに備えていることを特徴としている。第2緩和領域44の材料は、酸化シリコンである。この例では、第2緩和領域44は、カソード領域10のうちのアノード側の側面に接している。換言すると、第2緩和領域44は、カソード領域10とドリフト領域30のpn接合面に対応して設けられており、カソード領域10とドリフト領域30の間に配置されている。第2緩和領域44の深さは、第1カソード領域10aよりも浅く、第2カソード領域10bよりも深い。また、第2緩和領域44は、カソード領域10のアノード側の側面に沿って一巡している。第2緩和領域44が設けられていると、カソード領域10のアノード側端部の電界集中が緩和され、リカバリ電荷量の増大の抑制、素子破壊が抑制される。
図6に示されるように、ダイオード1Cは、p型の2つの低濃度領域26a,26bをさらに備えていることを特徴とする。低濃度領域26a,26bの拡散深さは、第1アノード領域20a及び第2アノード領域20bの拡散深さよりも深い。低濃度領域26bはアノード電極7にショットキー接触している。
図7に示されるように、第1アノード領域20aは、カソード領域10側の第1側面20Aと、カソード領域10とは反対側の第2側面20Eと、第1側面20Aと第2側面20Eの間を伸びる底面20Cを有している。第1側面20Aと底面20Cの間には、第1コーナー部20Bが存在している。第2側面20Eと底面20Cの間には、第2コーナー部20Dが存在している。一方の低濃度領域26aは、第1アノード領域20aの第1コーナー部20Bを覆っている。また、低濃度領域26aは、緩和領域42も覆っている。他方の低濃度領域26bは、第1アノード領域20aの第2コーナー部20Dを覆っている。第1アノード領域20aの底面26aの一部は、低濃度領域26a,26bで覆われていない。一例では、低濃度領域26a,26bの表面濃度は約1.2×1016cm−3であり、拡散深さは約3〜5μmである。
図7に示されるように、第2アノード領域20bは、第1アノード領域20a内で偏在して設けられている。この例では、第1アノード領域20aの第2側面20E側(紙面左側)に偏在して設けられている。このため、第2アノード領域20bの一部は、低濃度領域26bと第1アノード領域20aが重複する位置に配置されている。
次に、ダイオード1Cの特徴を説明する。ダイオード1Cは、低濃度領域26a,26bを備えていることを特徴とする。低濃度領域26a,26bが設けられていると、アノード領域20とドリフト領域30のpn接合の電界強度が低く抑えられる。このため、リカバリ時において、アノード領域20に流入する正孔によって引き起こされるダイナミックアバランシェ現象が抑えられ、リカバリ電荷量も抑えられる。この結果、ダイオード1Cのスイッチング損失が小さいものとなる。
ダイオード1Cの他の特徴を列記する。
(1)図7に示されるように、ダイオード1Cでは、第2アノード領域20bが、低濃度領域26bと第1アノード領域20aが重複する位置に配置されている。このため、第2アノード領域20bが第1アノード領域20a内においてカソード領域10とは反対側に偏在して設けられている。この構成によると、順バイアス時の電流経路が、アノード領域20において広がるので、ドリフト領域30の広い範囲を電流経路として利用することができ、オン抵抗を低下させることができる。
(2)図7に示されるように、低濃度領域26bは、絶縁分離トレンチ8の側面に接している。このため、低濃度領域26bと絶縁分離トレンチ8の界面における表面再結合効果を利用した電流経路が形成されるので、リカバリ時において、リカバリ電流の一部がこの界面に形成される電流経路を流れる。この結果、リカバリ電流の電流集中が緩和されるので、ダイナミックアバランシェ現象の発生が抑えられる。
(3)図7に示されるように、緩和領域42は、低濃度領域26aによって覆われている。このため、緩和領域42の角部の電界集中が緩和される。
(4)図7に示されるように、本実施例のダイオード1Cでは、第1アノード領域20aの底面20Cの一部が低濃度領域26a,26bによって覆われていない。例えば、低濃度領域26a,26bが第1アノード領域20aを完全に覆うように形成されていても、第1アノード領域20aのコーナー部20B,20D及び緩和領域42の角部の電界を緩和するという点で有益である。しかしながら、そのような大きな低濃度領域26a,26bが設けられていると、不純物濃度が薄く調整されていても、順バイアス時の正孔の注入量が増加する虞がある。本実施例のダイオード1Cのように、低濃度領域26a,26bが第1アノード領域20aのコーナー部20B,20Dのみを選択的に被覆することで、低濃度領域26a,26bの形成範囲を大きくすることなく、電界集中を緩和することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上記実施例では半導体材料にシリコンを用いたものを例示したが、この例に代えて、炭化珪素半導体、窒化物半導体等のワイドバンドギャップの化合物半導体を用いてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1A,1B,1C:ダイオード
2:半導体下層
3:埋込み絶縁層
4:半導体上層
5:SOI基板
6:カソード電極
7:アノード電極
10:カソード領域
20:アノード領域
30:ドリフト領域
42,44:緩和領域

Claims (4)

  1. 半導体層と、
    前記半導体層の表面に設けられているカソード電極と、
    前記半導体層の表面に設けられており、前記カソード電極から離れているアノード電極と、
    前記半導体層の表面から深部に向けて伸びている緩和領域と、を備えており、
    前記半導体層は、
    表面部に設けられており、前記カソード電極に電気的に接続される第1導電型のカソード領域と、
    表面部に設けられており、前記アノード電極に電気的に接続される第2導電型のアノード領域と、
    前記カソード領域と前記アノード領域の間に設けられており、前記カソード領域の不純物濃度よりも薄い第1導電型のドリフト領域と、を有しており、
    前記緩和領域は、前記カソード領域と前記アノード領域の間に配置されており、
    前記緩和領域に用いられる材料の絶縁破壊電界強度が、前記半導体層の材料の絶縁破壊電界強度よりも大きいダイオード。
  2. 前記緩和領域は、前記アノード領域の前記カソード領域側の端部に接触している請求項1に記載のダイオード。
  3. 前記緩和領域は、前記アノード領域よりも深く形成されている請求項1又は2に記載のダイオード。
  4. 前記緩和領域に用いられる材料は、絶縁体である請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイオード。
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