JP2013196971A - プラズマ形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ密度の不均一さを改善するプラズマ形成装置の提供。
【解決手段】プラズマ形成装置は、減圧容器内でプラズマを形成する装置であって、減圧空間を有する減圧容器と、第1の電極板30及び第2の電極板31と、高周波電源22と、マッチングボックス26と、第2の可変コンデンサ61と、を備える。第1及び第2の電極30,31は、互いに間隔をあけて直列に接続され、X方向に延在する。高周波電源22は、第1の電極板30の第2の電極板31と反対側の長手方向の一端に接続されている。マッチングボックス26は、高周波電源22と第1の電極板30の間に配された第1の可変コンデンサ60を含む。第2の可変コンデンサ61は、第2の電極板31の第1の電極板30と反対側の一端側に配されている。第2の可変コンデンサ61の第2の電極板31と反対側の一端側は接地されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、減圧容器内でプラズマを形成するプラズマ形成装置に関する。
減圧容器内でプラズマを形成するプラズマ形成装置として、従来より、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)方式のプラズマ形成装置が用いられている。このICP方式のプラズマ形成装置の例として、減圧容器の壁面に設けられた開口部を覆うように取り付けられる板状の高周波アンテナ導体を備えた装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
板状の高周波アンテナ導体を備えた上記プラズマ形成装置は、減圧容器の開口部に高周波アンテナ導体が取り付けられた構造によって、広い範囲に亘って均一性の高いプラズマを形成することができる。そして、形成されたプラズマを用いて、減圧容器内に配した基板に薄膜の形成やスパッタリング処理を行うことができる。この種のプラズマ形成装置では、電極としての高周波アンテナ導体は、その周りを囲むように配された絶縁部材によって、金属製の減圧容器に対して絶縁されている。絶縁部材には、例えばアルミナが用いられる。
ところで、近年、薄膜太陽電池パネルのように大型化された基板に対しては、均一なアモルファスSi薄膜や微結晶Si薄膜を形成することが望まれ、成膜時には減圧容器内に高密度なプラズマが均一に形成されている必要がある。このため、一方向に延在した長い形状の電極を用いることによって、より広範囲に高密度で均一なプラズマを形成することが有効と考えられる。
しかし、上述のアルミナからなる絶縁部材は、長辺が1.2m程度のサイズのものしか作製することができず、絶縁部材の大型化が難しい。このため、これより大きな長さを有する電極を用いようとすると、1本の電極の縁を複数の絶縁部材で囲む必要がある。したがって、この場合、減圧容器の気密性を保てず、減圧時に十分な真空度が得られない。そこで、2つの電極を長手方向に配置し、電極それぞれの縁を絶縁部材で囲み、かつ、それぞれの電極の一端を接地し、それぞれの電極の他端から高周波電流を流すことで、広範囲にプラズマを形成することが考えられる。
国際公開第2009/142016号パンフレット
しかし、上述の2つの電極を長手方向に配置したプラズマ形成装置では、2つの電極の間の部分の鉛直下方で形成されるプラズマの密度が低くなり易い。このため、大型化された基板に対し均一に成膜を行うのが困難である。
本発明は、分割された複数の電極を用いて減圧容器内にプラズマを形成するプラズマ形成装置において、プラズマ密度の不均一さを改善することを目的とする。
本発明の一態様は、プラズマ形成装置であって、
基板が配されて減圧される減圧空間を有する前記減圧容器と、
減圧空間にプラズマを発生させるための、互いに間隔をあけて直列に接続された、第1の方向に延在する第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極の前記第2の電極と反対側の長手方向の一端に接続され、前記第1の電極及び第2の電極に高周波電流を供給する高周波電源と、
前記高周波電源と前記第1の電極の間に配された第1の可変コンデンサを含むマッチングボックスと、
前記第2の電極の前記第1の電極と反対側の一端側に配された第2の可変コンデンサと、を備え、
前記第2の可変コンデンサの前記第2の電極と反対側の一端側は接地されている、
ことを特徴とする。
本発明によれば、電極間におけるプラズマ密度が従来に比べ高くなり、プラズマ密度の不均一さが改善される。
本発明の一実施形態であるプラズマ形成装置の構成を表す概略図である。 図1に示すプラズマ形成装置に用いる電極板の一例を示す斜視図である。 図1に示すプラズマ形成装置に用いる電極板の一例を示す平面図である。 図1に示すプラズマ形成装置に用いる電極板の変形例を模式的に示す断面図である。 従来及び本発明のプラズマ形成装置を用いて測定した電子密度の分布を示すグラフである。
以下、本発明のプラズマ形成装置について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるプラズマ形成装置10の構成を示す概略図である。
図1に示すプラズマ形成装置10は、成膜容器内でプラズマを形成し、ガラス基板に薄膜を形成するCVD装置である。プラズマ形成装置10は、電極板を流れる電流によって生成される磁界によりプラズマを生成するICP方式を採用し、かつ内部電極方式の装置である。この方式は、モノポールアンテナ等のアンテナ素子の共振により発生する高電圧によりプラズマを生成する容量結合プラズマ(Capacitive Coupled Plasma:CCP)方式と異なる。プラズマ形成装置10は、CVD成膜装置の他にPEALD(Plasma Enhanced Atomic Layer Deposition)装置にも適用できる。
(プラズマ形成装置)
以下、図1の他に図2及び図3も参照して、薄膜としてアモルファスSi膜あるいは微結晶Si薄膜を形成する例を用いて、プラズマ形成装置10について説明する。図2は、電極板30,31及びその周囲に注目して説明する長手方向断面図である。図3は、電極板30,31及びその周囲に注目して説明する平面図である。
プラズマ形成装置10は、給電ユニット12と、成膜容器(減圧容器)14と、ガス供給部16と、ガス排気部18と、を有する。
給電ユニット12は、高周波電源22と、高周波ケーブル24と、マッチングボックス26と、伝送線28,29と、電極板30,31と、絶縁部材34と、銅板66と、可変コンデンサ(第2の可変コンデンサ)61と、を有する。
高周波電源22は、例えば、100〜3000Wで数MHz〜数10MHzの高周波電力を電極板30に給電する。
(マッチングボックス)
マッチングボックス26は、高周波ケーブル24を通して提供される電力が電極板30、31の負荷回路に効率よく供給されるように、インピーダンスを整合する。マッチングボックス26は、高周波電源22に直接接続された可変コンデンサ60と、可変コンデンサ60に並列接続された可変コンデンサ62とを備える。可変コンデンサ60は、伝送線28を通して、電極板30及び電極板31に直列接続されている。したがって、マッチングボックス26では、電極板30,31の負荷回路と高周波電源22との間でインピーダンスがマッチングするように、可変コンデンサ60,62のキャパシタンスが自動的に調整される。
マッチングボックス26から延びる伝送線28は、例えば、一定の幅を備える銅板状の伝送線路であり、電極板30へ、例えば数十アンペアの電流を流すことができる。
伝送線29は、電極板31から延び、可変コンデンサ61を介して接地されている。
(電極板)
電極板30,31は、後述する成膜空間40にプラズマを発生させるためのプラズマ源であり、いずれも、後述する隔壁32上に固定された一方向に長い平板状の部材である。なお、電極板30、31は、図1において、長手方向断面が示されている。電極板30,31は、成膜容器14の上部に設けられた開口部41を覆うよう配されている。
電極板30の電極板31と反対側の端面30a(図2参照)には、伝送線28が接続されている。電極板30の電極板31側の端面30b(図2参照)と、電極板31の電極板30側の端面31a(図2参照)とは、後述する銅板66で接続されている。電極板31の電極板30と反対側の端面31b(図2参照)には、伝送線29が接続されている。これにより、伝送線28から供給される電流は、電極板30、銅板66、電極板31を長手方向(図2及び図3中、X方向)に流れて、伝送線29に流れる。
電極板30,31には、例えば、銅、アルミニウム等が用いられる。電極板30,31は、それぞれ下面30c,31c(図2参照)を有し、下面30c,31cは、成膜空間40を向いている。下面30c,31cは、電極板30,31の各表面のうち、上面とともに最も広い面である。
電極板30,31の長手方向長さは、特に制限されないが、後述する絶縁部材34の最も長い辺の長さより小さければよく、例えば1.2m未満である。また、電極板30,31の長手方向長さは等しく、電極板30,31に電力が印加されて生じる電位の定在波の節が、電極板30,31の間に位置しやすくなっている。なお、電極板30,31の長手方向長さは、電位の定在波の節の位置を調節する目的で異ならせてもよい。また、電極板30,31の幅方向(図1及び図2の紙面奥行き方向。図3のY方向)長さは、特に制限されないが、等しく、例えば10cmである。
電極板30と電極板31は、長手方向に、例えば30cmの間隔をあけて直列に接続されている。この電極板30,31間の間隔は、電極板30,31によって生成する磁場の強さを確保して、プラズマ密度の均一性に与える影響を抑える観点から、30cmを超えないのが好ましい。
(絶縁部材)
絶縁部材34は、電極板30,31それぞれの周囲を囲むよう形成された枠状の部材であり、電極板30,31を金属製の成膜容器14から絶縁する。絶縁部材34は、例えばアルミナからなる。絶縁部材34のサイズは、例えば、最長の辺(長手方向に延びる辺)の長さが1.2mを超えない。これにより、単枚の絶縁部材34で電極板30,31の周囲を囲むことができ、成膜容器14の気密性を保ち、減圧時の十分な真空度を確保できる。
(銅板)
銅板66は、銅からなる板状部材である。銅板66は、電極板30から電極板31へ高周波電流を流す。銅板66は、電極板30,31の向い合う端面30b,31aから、成膜容器14から離れるよう上方に屈曲させた、下を向くコの字形状をしており、電極板30,31の周囲を囲む各絶縁部材34を跨いでいる。このような銅板66によって、電極板30,31間の鉛直下方において弱い磁界を発生させることできる。また、電極板30,31内で電流が幅方向に拡大し、縮小するような電流の流れを作らないために、銅板66は、電極板30,31の幅方向長さと同じ幅方向長さを有している。なお、他の実施形態では、銅板66に代えて、アルミニウム等、抵抗率の比較的低い他の材質からなる板状部材が用いてもよい。
(可変コンデンサ61)
可変コンデンサ61は、電極板31の端面31bに接続され、電極板31と反対側の端面は接地されている。可変コンデンサ61は、キャパシタンスが可変であり、発生させるプラズマの条件に応じて適宜変更できる。可変コンデンサ61は、例えば、可変コンデンサ60と同じキャパシタンスの範囲で調整可能なものが用いられる。プラズマ形成時、マッチングボックス26では、可変コンデンサ60,62を調整して電極板30,31と高周波電源22との間でインピーダンスマッチングが行われるが、このインピーダンスマッチングにより定められた可変コンデンサ60のキャパシタンスに応じて、可変コンデンサ61のキャパシタンスは調整される。具体的には、電極板30の端面30aと電極板31の端面30bとの間で所望の定在波を発生させることができるように、可変コンデンサ61は調整される。より具体的には、電極板30と電極板31との間に電位の定在波の節がくるように、可変コンデンサ61は調整される。なお、節の位置は、可変コンデンサ61のキャパシタンスを変更することにより調節できる。例えば、可変コンデンサ61のキャパシタンスを、可変コンデンサ60のキャパシタンスと等しくなるよう調節することで、電位の定在波の節を電極板30,31の間に位置させることができる。この状態では、節付近での電位が低いため、成膜容器14内のプラズマが電流モードで維持されやすく、プラズマ密度を増加させることができる。これは、電極板30,31、銅板66の電位の低い場所の鉛直下方の空間では、電流により生成された磁場に基づいて生成されるプラズマ(電流に由来するプラズマ)が支配的である(電流モードである)のに対し、電位の高い場所の鉛直下方の空間では、高電位によって生成されるプラズマ(電圧に由来するプラズマ)が支配的であることに起因する。このため、電極板30,31、銅板66において高電位の場所の鉛直下方の空間では、電子のエネルギーが低く、高密度なプラズマが生成されにくい。
(成膜容器)
成膜容器14は、成膜空間40を有している。なお、図1において、成膜容器14は、断面が示されている。成膜空間40は、ガラス基板20が配されて減圧される空間である。なお、成膜容器14の上方には、上部空間39が隣接して、成膜容器14と一体に形成されている。開口部41は、上部空間39側に開口する。開口部41には、隔壁32が配され、成膜空間40を上部空間39に対してシールしている。成膜容器14は、例えば、アルミニウム等の材質で形成され、成膜空間40を1〜100Paの減圧状態にできるように、密閉されている。
上部空間39には、上述のマッチングボックス26と、伝送線28,29と、電極板30,31と、が配されている。隔壁32の上部空間39に面する側には、電極板30,31が固定されている。隔壁32の成膜空間40に面する側には、誘電体36が、電極板30,31の下面30c,31cに設けられている。誘電体36には、例えば石英板が用いられる。誘電体36を設けるのは、プラズマと電極板30とのアーキングを防ぎ、かつ安定したプラズマの生成を実現するためである。なお、誘電体36は、電極板30,31の下面30c,31c両方に及ぶ大きさの1枚の部材であってもよい。
成膜容器14の成膜空間40には、ヒータ42と、サセプタ44と、昇降機構46と、が設けられている。
ヒータ42は、サセプタ44に載置するガラス基板20を所定の温度、例えば250℃程度に加熱する。
サセプタ44は、ガラス基板20を載置する。
昇降機構46は、ガラス基板20を載置したサセプタ44をヒータ42ともに、成膜空間40内を自在に昇降する。成膜プロセス段階では、電極板30に近接するように、ガラス基板20を所定の位置にセットする。
ガス供給部16は、ガスタンク48と、マスフローコントローラ50と、を有する。
ガスタンク48は、薄膜用原料ガスであるモノシランガス(SiH4)を貯蔵する。
マスフローコントローラ50は、モノシランガスの流量を調整する部分である。例えば形成される膜の膜厚や膜質等の結果に応じてモノシランガスの流量を調整することができる。モノシランガスは、成膜容器14の成膜空間40の側壁から成膜空間40内に供給される。
ガス排気部18は、成膜空間40内の側壁から延びる排気管と、ターボ分子ポンプ52と、ドライポンプ54と、を有する。ドライポンプ54は、成膜空間40内を粗引きし、ターボ分子ポンプ52は、成膜空間40内の圧力を1×10-4Pa以下に高精度に減圧を維持する。ターボ分子ポンプ52とドライポンプ54とは、排気管で接続されている。
以上のプラズマ形成装置10を用いたアモルファスSi薄膜の成膜プロセスでは、まず、成膜の対象であるガラス基板20をサセプタ44に載置し、昇降機構46により、電極板30,31に近接するよう所定の高さ位置にセットされる。そして、ガラス基板20は、ヒータ42により加熱される。一方、ガス供給部16からモノシランガスが、マスフローコントローラ50により流量を調整されながら、成膜容器14の成膜空間40内に供給される。このとき、高周波電源22から電極板30,31に高周波電流が供給されることにより、成膜空間40内に誘導電界が発生し、この誘導電界によって成膜空間40内のモノシランガスが電離し、プラズマが生成する。これにより、ガラス基板20表面にアモルファスSi薄膜が形成される。なお、成膜空間40は、プロセスの間、常時、ガス排気部18によって排気され、成膜空間40内で成膜に用いられなかったモノシランガスは排気される。
以上のプロセスの間、電極板30,31には、高周波電流が流れることで、端面30a,31bとの間で電位の定在波が発生する。このとき、電極板30,31間の中間位置(以下、中央ともいう)に定在波の節(電位の節)が来ていなければ、可変コンデンサ61のキャパシタンスを変更して、定在波の節(電位の節)が中央に位置するよう調節する。電極板30,31間の中央に定在波の節(電位の節)が来ていることは、例えば、電極板30,31の各端面30a,31bにおける電位を測定し、これらの絶対値が等しいことにより分かる。
こうして、2つの電極板30,31の中央に電位の定在波の節が位置する状態では、電極板30,31間の中央での電位が低いため、その鉛直下方の成膜容器14内のプラズマが電流モードで維持されやすく、その結果、比較的密度の高いプラズマが得られる。また、直列に接続された電極板30,31にはほぼ同位相の電流が流れ、かつ、電極板30,31をそれぞれ囲む絶縁部材34の上方を通る銅板66による磁界も作用して、電極板30,31間でプラズマ中の電子は、ほとんどエネルギーを失わず存在できる。その結果、電極板30,31の間の鉛直下方でのプラズマ密度も高めることができ、プラズマの不均一性が改善される。
ガラス基板の大面積化のために長尺化された電極板には、長手方向長さの増加分に応じて、電位の振幅の大きな定在波が立ち、プラズマ密度の分布に悪影響を及ぼすことが考えられる。しかし、本実施形態では、電極板30,31の両端に接続した可変コンデンサ60,61によって、その電位を半分程度に低減できるため、プラズマ密度の均一性がより有効に改善される。
また、銅板66と電極板30,31の幅方向長さが等しいため、電極板30,31間の隙間のプラズマ密度の均一性をより一層改善できる。さらに、電極板30,31は、長手方向長さが等しいため、電位の定在波の節を電極板30,31間の中央に位置させやすく、また、幅方向長さが等しいため、高周波電流が電極板30から電極板31にスムーズに流れることによっても、プラズマ密度の均一性改善が促進される。
なお、本発明のプラズマ形成装置は、ICP方式であれば、特に制限されず、成膜空間40を画する隔壁の外側にプラズマ源を配置した外部電極方式のものであってもよい。また、直列に接続される電極板の数は、2本に制限されず、3本以上であってもよい。3本以上の場合、直列に接続された複数の電極の長手方向中央部分に位置する、電極板間の部分若しくは中央に位置する電極板の中央部分に電位の定在波の節が来るように可変コンデンサ61を調整するとよい。
(変形例)
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図4は、プラズマ形成装置の電極板30,31付近を拡大して模式的に示す幅方向断面図である。図4において、電極板30の断面が示される。
この変形例では、プラズマ形成装置は、上述の直列に接続された2つの電極板30,31からなる電極板ユニット68を3つ備える。3つの電極板ユニット68は、電極板30,31の幅方向に等間隔に、互いに平行に配されている。高周波電源22から延びる高周波ケーブル24が3つに分岐して、それぞれ、マッチングボックス26を介して各電極板ユニット68の電極板30の端面30aに接続されている。また、各電極板ユニット68の電極板31の端面31bからは、伝送線29が延びてそれぞれ接地されている。これにより、高周波電源22からの高周波電流が、各電極板30に対して、分岐して供給される。また、各電極板ユニット68の電極板30,31間には、上述の銅板66が配され、電極板30と電極板31とを接続している。
この変形例では、長手方向のみでなく、電極板ユニット68の幅方向にも広がって、成膜容器14内でプラズマが形成されるため、さらに大面積化した基板20に対する成膜も行うことができる。そして、この変形例では、各電極板ユニット68において、電極板30,31には、上述の例と同様に、中央に電位の節を有する定在波が立つことにより、電極板30,31間の鉛直下方におけるプラズマ密度の低下が抑えられている。
なお、プラズマ形成装置が備える電極板ユニット68の数は、3つに制限されず、2つ又は4つ以上であってよい。この場合、高周波電流を各電極板ユニットに対して均等に供給することが容易な点で、偶数用いることが好ましい。
(実験例)
本発明の効果を確認するために、従来のプラズマ形成装置及び本発明のプラズマ形成装置を用いて、2つの電極板間でのプラズマ密度を測定し、比較した。
従来のプラズマ形成装置としては、上述のプラズマ形成装置10において、電極板31の端面31b側に可変コンデンサを配さず、また、電極板30,31間を銅板66に代えて複数の導線で接続したものを用いた。本発明のプラズマ形成装置としては、上述のプラズマ形成装置10を用いた。
なお、各装置で用いた電極板ユニットは、1つである。電極板30,31のサイズは、等しく、いずれも幅10cm、縦(長手方向)115cm、厚さ24mmであった。また、電極板30,31間の間隔は30cmであった。さらに、本発明の装置では、幅10cmの銅板を電極板30,31間に配し、電極板30,31を接続した。また、本発明の装置では、予め、可変コンデンサ60,61を調節して、電極板30,31の各端面30a,31bでの電位を等しくし、電極板30,31間の中央に電位の定在波の節が来るようにした。なお、可変コンデンサ61のキャパシタンスは、インピーダンスマッチングにより定められた可変コンデンサ60のキャパシタンスに応じて調整され、電極板30,31の間に電位の節が来るようにした。具体的には可変コンデンサ60のキャパシタンスは、可変コンデンサ60のキャパシタンスと同じになるように調整された。
以上の要領で用意した各プラズマ形成装置において、電極板に、2kWで13.56MHzの高周波電流を流して、成膜空間内でプラズマを発生させ、2つの電極板間近辺における電子密度の分布を測定した。測定は、電極板の長手方向の複数の位置で行った。電子密度は、ラングミュアプローブを用いて測定した。試料ガスとして、アルゴンガスを用いた。結果を、図5に示す。なお、グラフの縦軸は生成されたプラズマ中の電子密度(個/cm)を示す。横軸は、2つの電極板の中央を0とした場合の、電極中央からの長手方向の位置(cm)を示す。
図5から明らかなように、本発明のプラズマ形成装置では、従来のプラズマ形成装置に比べ、2つの電極板間における電子密度が高い。これより、プラズマ密度が均一になっていることがわかる。すなわち、図5の結果より、本発明の装置は、プラズマ密度の不均一さを改善していることが分かる。
以上、本発明のプラズマ形成形成装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 プラズマ処理装置
14 成膜容器(減圧容器)
20 ガラス基板
22 高周波電源
26 マッチングボックス
28,29 伝送線
30 電極板(第1の電極板)
30a,30b 電極板の端面
31 電極板(第2の電極板)
31a,31b 電極板の端面
34 絶縁部材
40 成膜空間
60 可変コンデンサ(第1の可変コンデンサ)
61 可変コンデンサ(第2の可変コンデンサ)
66 銅板(導電性板状部材)
68 電極板ユニット

Claims (7)

  1. 減圧容器内でプラズマを形成するプラズマ形成装置であって、
    基板が配されて減圧される減圧空間を有する前記減圧容器と、
    減圧空間にプラズマを発生させるための、互いに間隔をあけて直列に接続された、第1の方向に延在する第1の電極及び第2の電極と、
    前記第1の電極の前記第2の電極と反対側の長手方向の一端に接続され、前記第1の電極及び第2の電極に高周波電流を供給する高周波電源と、
    前記高周波電源と前記第1の電極の間に配された第1の可変コンデンサを含むマッチングボックスと、
    前記第2の電極の前記第1の電極と反対側の一端側に配された第2の可変コンデンサと、を備え、
    前記第2の可変コンデンサの前記第2の電極と反対側の一端側は接地されている、
    ことを特徴とするプラズマ形成装置。
  2. 前記第2の可変コンデンサは、前記第1の電極と前記第2の電極の間に、電位の定在波の節が位置するように調整される、請求項1に記載のプラズマ形成装置。
  3. 前記第1の電極及び第2の電極は板状部材であり、
    前記第1の電極及び前記第2の電極のそれぞれの周囲には、絶縁材が設けられ、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に配された絶縁材を前記減圧空間から離れるように跨いで、前記第1の電極と前記第2の電極を接続する導電性板状部材を備えた、請求項1または2に記載のプラズマ形成装置。
  4. 前記第1の電極及び前記第2の電極の前記第1の方向と直交する第2の方向における前記導電性板状部材の長さが、前記第1の電極及び第2の電極の前記第2の方向の長さと等しい、請求項3に記載のプラズマ形成装置。
  5. 前記第1の電極及び第2の電極の前記第1の方向の長さが等しい、請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ形成装置。
  6. 前記第1の電極及び第2の電極は板状部材であり、
    前記第1の電極板及び第2の電極板の前記第1の方向と直交する第2の方向の長さが等しい、
    請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマ形成装置。
  7. 前記第1の電極と前記第2の電極を1つの電極ユニットというとき、
    前記マッチングボックスと前記第2の可変コンデンサとの間に、複数の電極ユニットが並列して設けられている、
    請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ形成装置。
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