JP2013196916A - 負極及びこれを用いた電池 - Google Patents

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裕一 沢井
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Abstract

【課題】負極金属表面の不働態化および電解液の分解を抑制する。
【解決手段】金属イオンの吸蔵、放出が可能な金属を含む負極において、前記金属の表面にVの非晶質を含む酸化物相が形成されていることを特徴とする負極。
【選択図】 図1

Description

本発明は、負極及びこれを用いた電池に関する。
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化・高電力化に伴い情報関連機器、通信機器の分野では、これらの機器に用いる電源として、リチウム電池が実用化され広く普及するに至っている。近年では、上記携帯機器の高性能化及び消費電力の増大、また電気自動車及びハイブリッド自動車の開発・普及、さらには電力貯蔵用蓄電池の需要増大により、電池の一層の高エネルギー密度化が求められている。
電池の高エネルギー密度化を目的とした際、負極に金属元素単体を用いる場合が最も高電圧となるために望ましい。しかしながら金属元素単体を用いた場合、例えばリチウム金属を用いた電池の場合にはデンドライトの生成が、マグネシウムやアルミニウム金属を用いた電池の場合には、表面の不働態化及び電解液の分解等が問題となる。したがって、負極に金属元素単体を用いる場合には、上記問題を解決する必要がある。
例えば特許文献1では、マグネシウム二次電池におけるマグネシウム負極の不働態膜が生じない電解液として、グリニャール試薬RMgX(R=アルキル基、またはアリール基、X=Cl、またはBr)のエーテル溶液が紹介されている。また特許文献2では、アルミニウム空気電池におけるアルミニウム負極として、Mn、Cr、Sn、Ca、Mg、Pb、Si、In及びZnよりなる群から選択される少なくとも1種類の遷移金属元素を含有するアルミニウム合金が紹介されている。
米国特許第4894302号 特開2011−198752号公報
しかし上記特許文献のものでは、何れも不働態化を防止できるものの、電解液が分解してしまうという課題がある。
本発明の目的は、負極表面の不働態化および電解液の分解を抑制することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、金属イオンの吸蔵、放出が可能な金属を含む負極において、前記金属の表面にVの非晶質を含む酸化物相が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、負極表面の不働態化および電解液の分解を抑制することができる。
実施例の負極材料を示す模式図である。 リチウム及びマグネシウム二次電池の内部構造の断面模式図である。 アルミニウム空気電池の内部構造の断面模式図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施例に限定されることはなく、適宜組み合わせてもよい。
以下、図を用いて説明する。
(負極材料)
図1は、本発明に係る実施形態の負極材料の断面の概略図である。図1に示すように、負極活物質101の表面には、Vの非晶質を含む酸化物相102が被覆されている。負極活物質101は、電池として動作させるための金属元素単体(例えばLi、Mg、Al等)もしくはそれを含む合金である。負極活物質101とVの非晶質を含む酸化物相102との間には、不働態膜(例えばMgO、Al23等)は存在しない。Vの非晶質を含む酸化物相102は負極活物質101を覆い、電解液と負極活物質の接触を阻害するが、負極活物質101は金属イオンを吸蔵、放出できる能力がある。そのため電解液の分解の抑制と負極活物質の不働態化を抑制することができる。
ここで、酸化物に非晶質を含む理由は、非晶質の方が結晶よりも構造中における金属イオンが出入りするための空間が広いためである。そのため、非晶質と金属イオンとの相互作用が小さく、結晶よりもスムーズに金属イオンを吸蔵、放出することができる。ガラス形成成分であるP、Te、Bを含有することで、非晶質を形成しやすくすることができる。
また、前記Vの非晶質を含む酸化物相102は、低融点ガラスであり、その転移点が400℃以下である際には、作製時に低温で作製できるために好ましい。ここでガラスの「転移点」とは、示差熱分析(DTA)により測定したデータの第一吸熱ピークのことを示す。また、前記Vの非晶質を含む酸化物相102は、厚すぎる場合には抵抗成分が大きくなってしまうために400nm未満の厚みが好ましい。
(二次電池)
以下、二次電池の構成について説明する。
図2は、二次電池201の内部構造を模式的に示す図である。二次電池201とは、電解質中における電極へイオンを吸蔵したり、電極からイオンを放出したりすることで、電気エネルギーを貯蔵、利用可能とする電気化学デバイスである。二次電池に用いられる負極活物質として、前述のLi、Mg、Al等があり、金属イオンを吸蔵、放出できるものであればよい。
図2の二次電池201では、正極207、負極208、および両電極の間に挿入されたセパレータ209からなる電極群を、電池容器202に収納し密閉している。電極群の構造は、図2に示した短冊状電極の積層したもの、あるいは円筒状、扁平状などの任意の形状に捲回したもの等、種々の形状にすることができる。電池容器の形状は、電極群の形状に合わせ、円筒型、扁平長円形状、角型などの形状を選択してもよい。
セパレータ209は、電極群の末端に配置されている電極と電池容器202の間にも挿入し、正極207と負極208が電池容器202を通じて短絡しないようにしている。セパレータ209と各電極207、208の表面および細孔内部に、電解液が保持されている。
電池容器202の上部に蓋203があり、その蓋203に正極外部端子204、負極外部端子205、注液口206を有する。電池容器202に電極群を収納した後に、蓋203を電池容器202に被せ、蓋203の外周を溶接して電池容器202と一体にした。電池容器202への蓋203の取り付けには、溶接の他に、かしめ、接着等の他の方法を採ることができる。
電極群の上部には、リード線を介して外部端子に電気的に接続されている。正極207は正極リード線210を介して正極外部端子204に接続されている。負極208は負極リード線211を介して負極外部端子204に接続されている。なお、正極リード線210、負極リード線211は、ワイヤ状、板状などの任意の形状を採ることができる。電流を流したときにオーム損失を小さくすることのできる構造であり、かつ電解液と反応しない材質であれば、正極リード線210、負極リード線211の形状、材質は任意である。
また、正極外部端子204または負極外部端子205と、電池容器202との間には絶縁性シール材料212を挿入し、両端子が短絡しないようにしている。絶縁性シール材料212にはフッ素樹脂、熱硬化性樹脂、ガラスハーメチックシールなどから選択することができ、電解液と反応せず、かつ気密性に優れた任意の材質を使用することができる。
正極リード線210または負極リード線211の途中、あるいは正極リード線210と正極外部端子204の接続部、または負極リード線211と負極外部端子205の接続部に、正温度係数(PTC;Positive temperature coefficient)抵抗素子を利用した電流遮断機構を設けると、電池内部の温度が高くなったときに、リチウム及びマグネシウム二次電池201の充放電を停止させ、電池を保護することが可能となる。なお、リード線210、211は箔状、板状等、任意の形状にすることができる。
正極207は、二次電池用の正極活物質の粉体に導電材及びバインダを混合し、ペースト状の正極合剤を調整し、正極集電体の表面にこの正極合剤を塗工して形成することができる。導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、高比表面積の炭素材料、例えばカーボンブラックや活性炭を使用できる。また、気相成長炭素、またはピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料に高温で炭化して製造した繊維、アクリル繊維から製造した炭素繊維等の導電性繊維も、導電材として使用できる。炭素繊維とともに高比表面積の炭素材料を使用することが好ましい。高比表面積の炭素材料は、正極活物質と導電性繊維との導電性に補助的に作用し、導電性繊維のみのときよりも導電性がさらに向上する。
また、正極の充放電範囲にて酸化溶解しない材料であり、正極活物質よりも電気抵抗の低い金属材料を使用することも可能である。たとえばチタン、金等の耐蝕性金属、SiCやWCなどのカーバイド、Si34、BN等の窒化物が例示される。これらの導電材の製造方法としては溶融法、化学気相成長法など既存の製法を利用することができる。上記の導電材を1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
正極活物質および導電材を、正極集電体箔の表面に保持するためのバインダには、テフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂やポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等の公知の材料を用いることができる。
正極合剤は、塗工時の都合に応じて、分散性や粘度を調整するための添加剤(例えば、N−メチル−2−ピロリドン、カルボキシメチルセルロース等の有機溶剤)を添加しても良い。
正極集電体は、材質、形状、製造方法等に制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。正極集電体には、厚さが10〜100μmのアルミニウム箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmのアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等が用いられる。正極集電体の材質は、アルミニウムの他にステンレス、チタンなども適用可能である。
正極合剤の塗工には、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法等の既知の製法を採ることができ、手段に制限はない。塗工して形成された正極は、シート状のものであるが、このシート状の正極は、作製しようとする電池の形状等に応じ、種々の厚さとすることができ、また、裁断等の手段により種々の大きさのものとすることができる。また、必要に応じ、正極合剤の密度を高めるべく、プレス等の手段で加圧したものであってもよい。この際、正極活物質の粒径は、合剤層の厚さ以下になるように規定される。正極活物質粉末中に合剤層の厚さ以上のサイズを有する粗粒がある場合、予めふるい分級、風流分級等により粗粒を除去し、合剤層の厚さ以下の粒子を作製する。
セパレータ209は、正極と負極とを分離し電解液を保持するものである。非水系電解液を用いる場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるポリオレフィン系高分子シート、あるいはポリオレフィン系高分子と4フッ化ポリエチレンを代表とするフッ素系高分子シートを溶着させた多層構造のセパレータ、不織布、紙等を使用することが可能である。
水系電解液の場合は、不織布、紙等を用いることができる。これらのセパレータは、電池の充放電時に金属イオンを透過させる必要があるため、一般に細孔径が0.01〜10μm、気孔率が20〜90%であれば、二次電池201に使用可能である。
また、電池温度が高くなったときにセパレータが収縮しないように、セパレータの表面にセラミックスとバインダの混合物を薄層状に形成しても良い。
二次電池201にリチウムまたはマグネシウムを使用する場合、電解液は、キャリアとなるリチウムまたはマグネシウムをイオン状態で含む液体であり、支持塩となるリチウム塩またはマグネシウム塩を溶媒に溶解したものである。例えば、リチウム二次電池用のリチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiAsF6等を用いることができる。マグネシウム二次電池用のマグネシウム塩としては、Mg(BF4)2、Mg(PF6)2、Mg(ClO4)2、Mg(CF3SO3)2、Mg(AsF6)2等を用いることができる。
また、有機溶媒には非プロトン系有機溶媒を用いることができる。例えば、環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテルあるいは鎖状エーテル等の1種または2種以上からなる混合溶媒を用いることができる。環状カーボネートの例示としてはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が、鎖状カーボネートの例示としてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等が、環状エステルの例示としてはガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等が、環状エーテルの例示としてはテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等が、鎖状エーテルの例示としてはジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がそれぞれ挙げられる。これらの内いずれか1種を単独で用いることも、また2種以上を混合させて用いることもできる。非水電解液中の支持塩濃度は、0.8〜1.5Mとすることが望ましい。低濃度にすると導電率が低下、高濃度にすると粘度が高くなりすぎて低温特性が悪化する。本発明の電池に使用できる有機溶媒は上記に代表されるものから任意に選ぶことができ、またこれに限定されるものではない。
(空気電池)
以下、空気電池の構成について説明する。
図3は、空気電池301の内部構造を模式的に示す図である。空気電池に用いられる負極活物質として、前述のLi、Mg、Al等があり、金属イオンを吸蔵、放出できるものであればよい。底のある筒状の電池容器302は負極を兼ねることができ、電池容器302内には、セパレータ303が収納されている。図3では正極集電体305側を上、セパレータ303側を下とする。ペレット状の正極合剤304は、電池容器302内のセパレータ303上に設けられている。円盤状の正極集電体305は、正極合剤304に重ねられている。電解液は、正極合剤304及びセパレータ303に含浸されている。金属製正極封口板306は電池容器302を密閉するために、電池容器302にリング状の絶縁ガスケット307を介してかしめ固定されている。金属製正極封口板306は電池容器302の上面から下方にせり出した筒状になっており、正極合剤304側面を覆っている。
図3の空気電池301においては、電池容器302内に負極合剤を更に収納しても良い。この場合、電池容器302内には、負極合剤、セパレータ、正極合剤および正極集電体をこの順番に収納する。また、図3に示した構造は、上記に限定されるところではなく、各種用途に応じて変形させることができる。
正極合剤304に含まれる正極活物質としては、例えば、金属酸化物、金属硫化物等を挙げることができる。前記金属酸化物としては、例えば、二酸化マンガン(MnO2)、二酸化鉛(PbO2)、例えばFeO、Fe23等の酸化鉄等を挙げることができる。金属硫化物としては、例えば、硫化鉄、硫化ニッケルなどを挙げることができる。正極合剤は、正極活物質、導電剤及びバインダ混合した後、ペレット状に加圧成形することにより作製される。バインダとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等である。
正極集電体305は、材質、形状、製造方法等に制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。正極集電体には、例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)等で厚さが10〜100μmのものが使用できる。その他、炭素質を含有するもの(例えばカーボンシート等)でも代用可能である。また、セパレータ303は、図2のものと同様なものを使用することができる。電解液は、アルカリ性または中性の水溶液が使用できる。例えば、塩化ナトリウム、水酸化カリウム水溶液などを用いることにより酸素の授受が効率良く行われ、電池としての特性が向上するため望ましい。
以下、実施例を用いて更に詳細に説明する。ただし、本発明は、ここで取り上げた実施例の記載に限定されることはなく、適宜組み合わせてもよい。
(酸化物ガラスの作製)
表1は作製・検討したガラス組成を示したものである。
いずれの成分も酸化物換算の質量%(質量パーセント)で表示した。各成分の原料は、五酸化バナジウム、五酸化リン、酸化第二鉄である。リチウム、バリウムについては、炭酸リチウム、炭酸バリウムを用いた。
酸化物ガラスの作製は、以下の手順で行った。原料化合物を表1の組成となるように配合・混合した混合粉末300gを白金ルツボに入れ、電気炉を用いて5〜10℃/min(℃/分)の昇温速度で表1に記載の加熱温度までそれぞれ加熱して2時間保持した。保持中は均一なガラスとするために攪拌した。次に、白金ルツボを電気炉から取り出し、予め200〜300℃に加熱しておいたステンレス板上に流し込み、酸化物ガラスを得た。この時、ガラスの転移点はDTAの第一吸熱ピークより測定した。
(負極の作製)
上記で作製したガラスを研磨加工し、厚さ5mm、直径120mmの円盤状のDCスパッタ用ターゲット材とした。裏面に真空用有機系接着剤を用いてCu製バッキングプレートを張り付け、スパッタリングはArガスを用いて行った。このときのパワーは200mWとした。スパッタリング中、基板を回転させることで基板中に均一に成膜した。この時、負極活物質としては厚さ100μmのLi金属を用いて、引き出し電極部分(15mm×15mm)をマスキングし、60mm×110mmとなるようにLi金属の両面にガラスをスパッタした。ガラス薄膜の膜厚は、100nm前後となるようにスパッタ時間を調整して負極を作製した。
(正極の作製)
シュウ酸鉄二水和物(FeC24・2H2O)とリン酸二水素リチウム(LiH2PO4)を等モル秤量し、さらにスクロースを15質量%混合した。これらの原料を湿式ボールミルを用いて混合した後、乾燥して原料混合粉を得た。
原料混合粉は箱型電気炉を用いて仮焼成した。仮焼成雰囲気は空気とし、仮焼成温度は440℃で、仮焼成時間は10時間とした。この仮焼成体に対し、炭素源及び粒径制御剤として、重量比7wt%の割合でスクロースを添加した。これを、湿式ボールミルを用いて2時間粉砕、混合した。次に、雰囲気制御可能な管状炉を用いて、本焼成を行った。焼成雰囲気はAr雰囲気とし、焼成温度は700℃で、焼成時間は10時間とした。
作製した上記の正極活物質粉末85重量部に、導電材としてケッチェンブラック(ライオン製、EC600JD、粒径:34nm以下)を10重量部、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(クレハ製#7305)を5重量部混合し、さらにN−メチル−2−ピロリドンを添加して15Pa・sの粘度にした正極合剤を調整した。この正極合剤を厚さ20μmのアルミニウム箔集電体(三菱アルミニウム製、N5−8X−073)の両面に塗工し、加圧成形して正極合剤の厚さが片面50μmとなるシートを作製し、次いで、このシートを塗工部分の面積が50mm×100mm、引き出し電極として未塗工部分が15mm×15mmとなるように裁断し、正極を作製した。
(電池の評価)
上記正極と負極との間に挿入するセパレータには、厚さ30μmのPP(ポリプロピレン)製多孔質膜を用いた。リチウム二次電池は、負極を11枚、正極を10枚交互に積層し、正極と負極の間に上記のセパレータを挿入した。この積層された正極および負極、セパレータをラミネートセルに入れて電解液を注入し、正極または負極がラミネートセルの外から電気的接続ができるよう引き出し電極を設けた。次いで、ラミネートセルを封止し、ラミネートセル型リチウム二次電池を完成させた。
なお、電解液には、非水性の有機溶媒のエチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)を体積比1:2:2で混合したものに、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/L溶解させたものを用いた。
上記リチウム二次電池に対して充放電試験機(東洋システム社製:TOSCAT3100U)を用いて充放電試験を行った。充放電試験は、充電終止電圧4.0Vまで1Cの定電流で充電を行い、次いで、放電終止電圧2.0Vまで1Cの定電流で放電を行う充放電サイクルを繰り返すものとし、短絡するまでの充放電回数をカウントした。ここで、「1Cの定電流」とは、電池を放電し切った状態から充電する場合において、1時間で100%の充電を完了すること、及び電池を充電し切った状態から放電する場合において、1時間で100%の放電を完了することをいう。すなわち、充電または放電の速さが1時間当たり100%であることを指す。
比較例としてガラス薄膜をLi金属表面に形成しない電池を上記同様作製して検討を行ったところ、212回のサイクルで正極と負極が短絡した。一方で、本実施例で作製した負極を使用した電池では、600回のサイクル経過後にも正極と負極の短絡は見られず、正常に電池として動作した。以上の結果から、上記Vの非晶質相を含む酸化物を負極活物質表面に被覆することにより、Liのデンドライト析出による短絡を抑制できることが判明した。
(負極の作製)
負極活物質としては厚さ100μmのMg金属を用いた。このMg金属に実施例1で作製したNo.6ガラスをスパッタ用ターゲット材として使用し、実施例1同様に引き出し電極部分(15mm×15mm)をマスキングし、60mm×110mmとなるようにMg金属を両面にガラスをスパッタして負極を作製した。
(正極の作製)
正極活物質としては、V25(高純度化学製)を用いた。正極活物質粉末50重量部に、導電材としてケッチェンブラック(ライオン製、EC600JD、粒径:34nm以下)を45重量部、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(クレハ製#7305)を5重量部混合し、さらにN−メチル−2−ピロリドンを添加して15Pa・sの粘度にした正極合剤を調整した。この正極合剤を厚さ20μmのアルミニウム箔集電体(三菱アルミニウム製、N5−8X−073)の両面に塗工し、加圧成形して正極合剤の厚さが片面50μmとなるシートを作製し、次いで、このシートを塗工部分の面積が50mm×100mm、引き出し電極として未塗工部分が15mm×15mmとなるように裁断し、正極を作製した。
(電池の評価)
上記正極と負極との間に挿入するセパレータには、厚さ100μmの不織布を用いた。マグネシウム二次電池は、負極を11枚、正極を10枚交互に積層し、正極と負極の間に上記のセパレータを挿入した。この積層された正極および負極、セパレータをラミネートセルに入れて電解液を注入し、正極または負極がラミネートセルの外から電気的接続ができるよう引き出し電極を設けた。次いで、ラミネートセルを封止し、ラミネートセル型マグネシウム二次電池を完成させた。
なお、電解液には、溶媒にプロピレンカーボネート、電解質としてMg(ClO4)2を1mol/lの濃度で溶解させた非水系電解液を用いた。
上記マグネシウム電池に対して、電位走査範囲±1V、電位走査速度1mV/sの条件でサイクリックボルタモグラム測定を行い、電解液の分解電圧を測定した。比較例としてガラス薄膜をMg金属表面に形成しない電池を上記同様作製して検討を行ったところ−0.9Vに電解液の分解ピークが見られた。一方で本実施例で作製した電池では、Mgの酸化還元電位のみが現れ、電解液の分解と見られるピークは存在しなかった。以上の結果から、上記Vの非晶質を含む酸化物相を負極活物質表面に被覆することにより電解液の分解を防止できることが分かった。
また、本実施例のうちMg金属表面にVの非晶質を含む酸化物相を膜厚400nm以上蒸着させた際には、上記サイクリックボルタモグラム測定においてMgが溶解しにくくなった。そのため、蒸着させる厚みは400nm以下が望ましい。
(負極の作製)
負極活物質としては厚さ20μm、直径19mmのAl箔を用いた。このAl箔に対し、実施例1で作製したガラスをスパッタ用ターゲット材として使用し、膜厚100nmのガラス薄膜をAl箔上に形成した負極を作製した。
(正極の作製)
正極活物質として二酸化マンガン(高純度化学製)を用い、これに導電剤としてアセチレンブラックを10重量%と、バインダとしてポリテトラフルオロエチレンを3重量%とを添加して混合した後、加圧成形により正極ペレットを作製した。正極集電体としては、厚さが100μmのカーボンシートを使用した。
(電池の評価)
有底円筒形状で、板厚が0.3mmのアルミニウム製容器を用意した。この容器内に、上記負極及びセパレータとして厚さが30μmのガラス繊維製シートを収納し、このセパレータ上に正極ペレットを配置し、さらに正極ペレット上に正極集電体を配置した。次いで、容器内に電解液を注入後、この容器に有底円筒形の金属製正極封口板を絶縁ガスケットを介してかしめ固定することにより、直径が20mmで、厚さが1.6mmのコイン型アルミニウム電池を作製した。なお、電解液には、1mol/lの塩化ナトリウム水溶液を用いた。
上記アルミニウム空気電池に対し、10mAで0.8Vまで放電試験を行い、放電容量を測定した。その値を表2に示す。この時、比較例としてガラス薄膜をAl箔表面に形成しない電池を作製し、この電池の放電容量を100として記載している。
表2に示す結果より、Vの非晶質を含む酸化物相を負極活物質表面に被覆することにより放電容量が向上すること判明した。これは、負極のAl箔と電解液との接触が避けられているために作製した電池の自己放電を抑制できたためと考えられる。また、本発明における電池は、常温で放置しておいても電池の劣化が進行することはなかった。
(負極の作製)
負極活物質としては平均粒径(D50)が3μmのAl粉末(高純度化学製)を使用した。これに実施例1で作製したガラスNo.6をジェットミルを用いて平均粒径3.6μmに粉砕し、Al粉末に対して表3に示す割合で混合した。次いで、4重量%のエチルセルロースを溶解させたブチルカルビトールアセテートを固形分濃度70%になるように混合することでペーストを作製した。作製したペーストを厚さ20μm、直径19mmのAl箔上に50μmギャップのドクターブレードを用いて塗布し、箱形電気炉を用いて120℃で10分乾燥後、420℃で30min焼成して負極を作製した。作製した負極に対し、薄膜X線回折測定及び透過型電子顕微鏡を用いて分析したところ、負極活物質であるAl粉末表面にはいずれもAl23は観察されなかった。また、負極活物質の表面は上記ガラスによって覆われていることが確認できた。
上記負極以外は、実施例3と同様にしてアルミニウム空気電池を作製して評価を行った。その結果を表3に併記する。以上の結果より、負極に含有させるガラス粉末(Vの非晶質を含む酸化物相)は、0.5重量%以上30重量%未満であるときに放電容量が向上することが判明した。30重量%以上の時は、実施例2同様にAlが溶解しにくくなるためであると考えられる。
101 負極活物質
102 Vの非晶質を含む酸化物相
201 二次電池
202、302 電池容器
203 蓋
204 正極外部端子
205 負極外部端子
206 注液口
207 正極(電極)
208 負極(電極)
209、303 セパレータ
210 正極リード線
211 負極リード線
212 絶縁性シール材料
301 空気電池
304 正極合剤
305 正極集電体
306 金属製正極封口板
307 絶縁ガスケット

Claims (11)

  1. 金属イオンの吸蔵、放出が可能な金属を含む負極において、前記金属の表面にVの非晶質を含む酸化物相が形成されていることを特徴とする負極。
  2. 請求項1において、前記金属イオンは、Mg、Al、Liのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする負極。
  3. 請求項1において、前記金属は、Mg、Al、Liのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする負極。
  4. 請求項1において、前記Vの非晶質を含む酸化物相の厚みが400nm未満であることを特徴とする負極。
  5. 請求項1において、前記金属は、粒子または箔であることを特徴とする負極。
  6. 請求項1において、前記負極中の前記Vの非晶質を含む酸化物相が0.5重量%以上30重量%未満であることを特徴とする負極。
  7. 請求項1において、前記Vの非晶質を含む酸化物相は、さらにP、Te、Bのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする負極。
  8. 請求項1において、前記Vの非晶質を含む酸化物相は、Vを含む酸化物ガラス粉末と溶剤とバインダとを含むペーストを焼成して形成することを特徴とする負極。
  9. 請求項8において、前記酸化物ガラス粉末は、転移点が400℃以下であることを特徴とする負極。
  10. 請求項1に記載の負極と、正極と、前記負極と前記正極との間に設けられるセパレータとを備えることを特徴とする二次電池。
  11. 請求項1に記載の負極と、正極と、前記負極と前記正極との間に設けられるセパレータとを備えることを特徴とする空気電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015095463A (ja) * 2013-11-13 2015-05-18 トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド マグネシウム電池用カソードおよびそれを含むマグネシウム電池
JP2018142439A (ja) * 2017-02-27 2018-09-13 富士通株式会社 全固体電池、及びその製造方法、並びに接合材

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