JP2013195490A - プロジェクター - Google Patents
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Abstract
【課題】投写画像のピントのずれを抑制することが可能なプロジェクターを提供する。
【解決手段】照明装置と、照明装置からの照明光を画像情報に応じて変調して光学像を形成する電気光学装置450と、電気光学装置450で形成された光学像を投写する投写レンズ600と、電気光学装置450と投写レンズ600とを連結するとともに、温度変化により伸縮可能な連結部材50と、連結部材50に設けられるとともに、連結部材50の温度を調整する熱電素子60と、環境温度を測定する温度センサ63と、温度センサ63で測定された環境温度と光学像の表示モードとの関係に基づいて、電気光学装置450と投写レンズ600との相対位置が変わらないよう熱電素子60を制御する制御装置64と、を含む。
【選択図】図3
【解決手段】照明装置と、照明装置からの照明光を画像情報に応じて変調して光学像を形成する電気光学装置450と、電気光学装置450で形成された光学像を投写する投写レンズ600と、電気光学装置450と投写レンズ600とを連結するとともに、温度変化により伸縮可能な連結部材50と、連結部材50に設けられるとともに、連結部材50の温度を調整する熱電素子60と、環境温度を測定する温度センサ63と、温度センサ63で測定された環境温度と光学像の表示モードとの関係に基づいて、電気光学装置450と投写レンズ600との相対位置が変わらないよう熱電素子60を制御する制御装置64と、を含む。
【選択図】図3
Description
本発明は、プロジェクターに関するものである。
近年、プロジェクターの高性能化に関して、表示品質に優れた画像を得ることが可能な技術の要求が高まっている。
この要求に対して、例えば特許文献1では、マイクロミラーデバイスと、屈折光学レンズと、ギア支持柱と、温度センサと、コントロールユニットと、を備えた画像表示装置が開示されている。マイクロミラーデバイスは、光画像信号を射出する。屈折光学レンズは、マイクロミラーデバイスから射出された光画像信号をスクリーンに投写する。ギア支持柱は、ギア機構により屈折光学レンズを光軸方向に移動させる。温度センサは、屈折光学レンズの温度を測定する。コントロールユニットは、温度センサで測定された屈折光学レンズの温度に基づいて、ギア機構を制御する。
このような構成によれば、温度変化に起因する、スクリーンに投写される画像(以下、投写画像と称する)のピントのずれを抑制できることが記載されている。しかしながら、このようなピントのずれは、屈折光学レンズの温度以外の要素によっても影響を受ける。そのため、屈折光学レンズの温度に基づいて制御するだけでは、投写画像のピントのずれを抑制することは困難である。また、屈折光学レンズは内部に複数のレンズを備えているが、正確にピントのずれを予測するには各レンズの温度をそれぞれ測定してピントのずれを計算しなくてはならず、複数の温度センサを備える必要がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、投写画像のピントのずれを抑制することが可能なプロジェクターを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明のプロジェクターは、照明装置と、前記照明装置からの照明光を画像情報に応じて変調して光学像を形成する電気光学装置と、前記電気光学装置で形成された前記光学像を投写する投写レンズと、前記電気光学装置と前記投写レンズとを連結するとともに、温度変化により伸縮可能な連結部材と、前記連結部材に設けられるとともに、前記連結部材の温度を調整する温度調整素子と、環境温度を測定する温度センサと、前記温度センサで測定された前記環境温度と前記光学像の表示モードとの関係に基づいて、前記電気光学装置と前記投写レンズとの相対位置が変わらないよう前記温度調整素子を制御する制御装置と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、制御装置の制御により、温度センサで測定された環境温度と光学像の表示モードとの関係に基づいて、電気光学装置と投写レンズとの相対位置が維持される。環境温度と表示モードから投写レンズおよび連結部材の温度を予測することが可能であり、ある環境温度下で所定の表示モードにおいて映像を投写したときに、連結部材は、温度調整素子により温度が調整され、当該位置関係のずれを補正するように伸縮する。つまり、投写レンズが連結部材との連結部分からある量伸縮した場合、連結部材は投写レンズとの連結部分から投写レンズの伸縮量分だけ伸縮する。これにより、電気光学装置と投写レンズとの位置関係のずれが相殺される。よって、投写画像のピントのずれを抑制することができる。
前記プロジェクターにおいて、前記制御装置は、さらに前記投写レンズに基づいて、前記温度調整素子を制御することが好ましい。
この構成によれば、制御装置の制御により、温度センサで測定された環境温度、表示モード、及び投写レンズの関係に基づいて、電気光学装置と投写レンズとの相対位置が維持される。例えば、投写レンズが交換可能になっているとする。この場合、投写レンズに起因する要素としては、投写レンズの種類、形状、サイズ、内蔵しているレンズの枚数等が挙げられる。投写レンズの交換により、プロジェクターで使用している投写レンズの種類、形状、サイズ、内蔵しているレンズの枚数等が異なると、環境温度の変化の前後において投写レンズの伸縮量も異なるからである。よって、さらに投写レンズに基づいて温度調整素子を制御することにより、投写画像のピントのずれを簡易な構成で高精度で抑制することができる。
前記プロジェクターにおいて、前記表示モードは、輝度モード、白黒比のうち少なくとも一つを含むことが好ましい。
この構成によれば、制御装置の制御により、温度センサで測定された環境温度と、投写レンズの温度への影響が大きい光学像の輝度モード、白黒比のうち少なくとも一つとの関係に基づいて、電気光学装置と投写レンズとの相対位置が維持される。よって、投写画像のピントのずれを高精度で抑制することができる。
前記プロジェクターにおいて、前記制御装置は、前記環境温度が基準温度よりも高いとき、前記温度調整素子が前記連結部材を冷却するよう前記温度調整素子を制御することが好ましい。
この構成によれば、投写レンズが膨張して電気光学装置と投写レンズとの位置関係がずれた場合、つまり、投写レンズが連結部材との連結部分からある量伸びた場合、連結部材は投写レンズとの連結部分から投写レンズの伸び量分だけ縮む。これにより、電気光学装置と投写レンズとの位置関係のずれが相殺される。よって、投写画像のピントのずれを抑制することができる。
前記プロジェクターにおいて、前記制御装置は、前記環境温度が基準温度よりも低いとき、前記温度調整素子が前記連結部材を加熱するよう前記温度調整素子を制御することが好ましい。
この構成によれば、投写レンズが収縮して電気光学装置と投写レンズとの位置関係がずれた場合、つまり、投写レンズが連結部材との連結部分からある量縮んだ場合、連結部材は投写レンズとの連結部分から投写レンズの縮み量分だけ伸びる。これにより、電気光学装置と投写レンズとの位置関係のずれが相殺される。よって、投写画像のピントのずれを抑制することができる。
前記プロジェクターにおいて、前記制御装置は、前記環境温度が基準温度と同じとき、前記温度調整素子が前記連結部材を加熱もしくは冷却しないよう前記温度調整素子を制御することが好ましい。
この構成によれば、電気光学装置と投写レンズとの位置関係が変わらない場合、連結部材が伸縮しない。これにより、電気光学装置と投写レンズとの位置関係が維持される。よって、投写画像のピントのずれを抑制することができる。
前記プロジェクターにおいて、前記温度調整素子は、前記制御装置の制御に基づいて、前記連結部材の側の面と前記連結部材とは反対側の面とのうちいずれか一方の面が発熱面となり、他方の面が吸熱面となるよう構成されており、前記発熱面と前記吸熱面とが切り替え可能になっていることが好ましい。
この構成によれば、発熱面と吸熱面とを切り替えることにより、連結部材の加熱と冷却とを切り替えることができる。そのため、投写画像のピントのずれを抑制することが容易となる。
前記プロジェクターにおいて、前記温度調整素子がペルチェ素子であることが好ましい。
この構成によれば、簡素な構成で投写画像のピントのずれを抑制することができる。
前記プロジェクターにおいて、前記温度調整素子に蓄積される熱を放熱する放熱部材を含むことが好ましい。
この構成によれば、放熱部材により温度調整素子が冷却される。そのため、温度調整素子の発熱量が増えることを抑えることができる。よって、温度調整素子の温度調整効率が低下することを抑制することができる。
前記プロジェクターにおいて、前記温度調整素子を冷却する冷却ファンを含むことが好ましい。
この構成によれば、冷却ファンにより温度調整素子が冷却される。そのため、温度調整素子の発熱量が増えることを抑えることができる。よって、温度調整素子の温度調整効率が低下することを抑制することができる。
前記プロジェクターにおいて、前記電気光学装置は、第1電気光学変調装置と、第2電気光学変調装置と、第3電気光学変調装置と、クロスダイクロイックプリズムと、を含み、前記第1電気光学変調装置は、前記クロスダイクロイックプリズムの第1面に配置されており、前記第2電気光学変調装置は、前記クロスダイクロイックプリズムの第2面に配置されており、前記第3電気光学変調装置は、前記クロスダイクロイックプリズムの第3面に配置されており、前記連結部材は、前記クロスダイクロイックプリズムの第4面に連結されており、前記クロスダイクロイックプリズムの中心と前記第1電気光学変調装置の液晶面との間の距離と、前記クロスダイクロイックプリズムの中心と前記第2電気光学変調装置の液晶面との間の距離と、前記クロスダイクロイックプリズムの中心と前記第3電気光学変調装置の液晶面との間の距離と、が互いに同じになっており、前記温度調整素子は、前記第4面の法線方向から見て、前記クロスダイクロイックプリズムの中心と重なる位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、温度調整素子と第1電気光学変調装置との間の連結部材の長さと、温度調整素子と第2電気光学変調装置との間の連結部材の長さと、温度調整素子と第3電気光学変調装置との間の連結部材の長さと、を互いに同じにすることができる。そのため、制御装置の制御により、温度調整素子と第1電気光学変調装置との間の連結部材の伸縮量と、温度調整素子と第2電気光学変調装置との間の連結部材の伸縮量と、温度調整素子と第3電気光学変調装置との間の連結部材の伸縮量と、を互いに等しく調整することができる。よって、投写画像のピントのずれを高精度で抑制することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクター1の概略構成を示す図である。このプロジェクター1は、照明装置100から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、この光学像をスクリーンSCR上に拡大投射するものである。
図1は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクター1の概略構成を示す図である。このプロジェクター1は、照明装置100から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、この光学像をスクリーンSCR上に拡大投射するものである。
第1実施形態に係るプロジェクター1は、図1に示すように、照明装置100と、色分離導光光学系200と、3つの集光レンズ300R,300G,300Bと、電気光学装置450と、投写レンズ600と、を備えている。電気光学装置450は、電気光学変調装置としての3つの液晶装置400R,400G,400Bと、クロスダイクロイックプリズム500と、を備えている。
照明装置100は、光源装置10と、凹レンズ90と、第1レンズアレイ120と、第2レンズアレイ130と、偏光変換素子140と、重畳レンズ150とを備えている。
光源装置10は、発光管20と、リフレクター30と、を備えている。発光管20としては、高輝度発光する種々の発光管を採用できる。発光管20は、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等を採用できる。リフレクター30は、例えば、照明光軸OC上に第1焦点と第2焦点とを有する回転楕円面の一部である反射面を有する。光源装置10は、リフレクター30の第2焦点に向かって集束する照明光束を射出する。なお、リフレクター30の反射面の断面形状は、放物線状であってもよい。
凹レンズ90は、光源装置10の光束が射出される側に配置されている。凹レンズ90は、光源装置10からの集束光を略平行光として、第1レンズアレイ120に向けて射出する。第1レンズアレイ120は、凹レンズ90から射出される照明光束を複数の部分光束に分割するものである。第1レンズアレイ120は、複数の第1小レンズ122を備えている。複数の第1小レンズ122は、照明光軸OCと略直交する面内にマトリクス状に配列されている。図示による説明は省略するが、第1小レンズ122の外形形状は、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域の外形形状に関して相似形である。
第2レンズアレイ130は、第1レンズアレイ120により分割された複数の部分光束を集光するものである。第2レンズアレイ130は、複数の第2小レンズ132を備えている。複数の第2小レンズ132は、第1レンズアレイ120の複数の第1小レンズ122に対応して、照明光軸OCに略直交する面内にマトリクス状に配列されている。
偏光変換素子140は、第2レンズアレイ130からの各部分光束を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光に変換して射出するものである。偏光変換素子140は、偏光分離層と、反射層と、位相差板と、を有している。偏光分離層は、光源装置10からの照明光束に含まれる偏光成分のうち一方の直線偏光成分をそのまま透過する。偏光分離層は、他方の直線偏光成分を照明光軸OCに垂直な方向に反射する。反射層は、偏光分離層で反射された他方の直線偏光成分を照明光軸OCに平行な方向に反射する。位相差板は、反射層で反射された他方の直線偏光成分を一方の直線偏光成分に変換する。
重畳レンズ150は、第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130、および偏光変換素子140を経て射出される複数の部分光束を集光して液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域近傍に重畳させるものである。なお、重畳レンズ150は、図1では1枚のレンズとして図示されているが、これに限らない。例えば、重畳レンズ150は、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210,220と、反射ミラー230,240,250と、入射側レンズ260と、リレーレンズ270とを有している。色分離導光光学系200は、照明装置100から射出される照明光束を赤色光、緑色光、および青色光の3つの色光に分離する。色分離導光光学系200は、分離した3つの色光を照明対象となる液晶装置400R,400G,400Bに導く。
ダイクロイックミラー210,220は、基板上に波長選択膜が形成された光学素子である。波長選択膜は、所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過するものである。光路前段に配置されるダイクロイックミラー210は、赤色光成分を反射し、その他の色光成分を透過するものである。光路後段に配置されるダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射し、青色光成分を透過するものである。
ダイクロイックミラー210で反射された赤色光成分は、反射ミラー230により曲折され、集光レンズ300Rを介して赤色光用の液晶装置400R(第1電気光学変調装置)の画像形成領域に入射する。集光レンズ300Rは、重畳レンズ150からの各部分光束を各主光線に対して略平行な光束に変換する。他の液晶装置400G,400Bの光路前段に配設される集光レンズ300G,300Bも、集光レンズ300Rと同様に構成されている。
ダイクロイックミラー210を通過した緑色光成分および青色光成分のうち緑色光成分は、ダイクロイックミラー220によって反射され、集光レンズ300Gを通過して緑色光用の液晶装置400G(第2電気光学変調装置)の画像形成領域に入射する。一方、青色光成分は、ダイクロイックミラー220を透過し、入射側レンズ260、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ270、射出側の反射ミラー250、および集光レンズ300Bを通過して青色光用の液晶装置400B(第3電気光学変調装置)の画像形成領域に入射する。入射側レンズ260、リレーレンズ270、および反射ミラー240,250は、ダイクロイックミラー220を透過した青色光成分を液晶装置400Bまで導く機能を有している。
なお、青色光の光路にこのような入射側レンズ260、リレーレンズ270、および反射ミラー240,250が設けられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。第1実施形態に係るプロジェクター1においては、青色光の光路の長さが長いのでこのような構成とされているが、これに限らない。例えば、赤色光の光路の長さを長くして、入射側レンズ260、リレーレンズ270、および反射ミラー240,250を赤色光の光路に用いる構成としてもよい。
液晶装置400R,400G,400Bは、色分離導光光学系200で分離された3つの色光のそれぞれを画像情報に応じて変調するものである。液晶装置400R,400G,400Bは、照明装置100の照明対象となっている。
図示を省略するが、各集光レンズ300R,300G,300Bと各液晶装置400R
,400G,400Bとの間には、それぞれ入射側偏光板が配置されている。各液晶装置400R,400G,400Bと固定部材40との間には、それぞれ射出側偏光板が配置されている。これら入射側偏光板、液晶装置400R,400G,400B、および射出側偏光板によって、入射する各色光の光変調が行われる。
,400G,400Bとの間には、それぞれ入射側偏光板が配置されている。各液晶装置400R,400G,400Bと固定部材40との間には、それぞれ射出側偏光板が配置されている。これら入射側偏光板、液晶装置400R,400G,400B、および射出側偏光板によって、入射する各色光の光変調が行われる。
液晶装置400R,400G,400Bは、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入したものである。液晶装置400R,400G,400Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像信号に応じて、入射側偏光板から射出された1種類の直線偏光の偏光方向を変調する。
クロスダイクロイックプリズム500は、3つの液晶装置400R,400G,400Bによって変調され、射出側偏光板から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。クロスダイクロイックプリズム500は、4つの
直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなしている。直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。
直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなしている。直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。
略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は、赤色光を反射するものである。他方の界面に形成された誘電体多層膜は、青色光を反射するものである。これらの誘電体多層膜によって赤色光および青色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられる。これにより、3つの色光が合成される。
投写レンズ600は、クロスダイクロイックプリズム500によって合成されたカラー画像を、所望の倍率でスクリーンSCR等の投写面に拡大投写する。これにより、スクリーンSCR等の投写面上に画像が形成される。
プロジェクター1における上述の各装置や構成部材は、投写レンズ600の投写面側の先端部等の一部を除いて、外装ケース(図示省略)内に収納されている。
図2は、第1実施形態に係る電気光学装置450とクロスダイクロイックプリズム500とを固定する構造を示す図である。なお、図2においては、便宜上、熱電素子60、放熱部材61、冷却ファン62、温度センサ63、及び制御装置64の図示を省略している。
図2において、符号500S1は、クロスダイクロイックプリズム500の第1面である。符号500S2は、クロスダイクロイックプリズム500の第2面である。符号500S3は、クロスダイクロイックプリズム500の第3面である。符号500S4は、クロスダイクロイックプリズム500の第4面である。
図2に示すように、第2面500S2は第1面500S1と直交している。第3面500S3は第1面500S1と対向している。第4面500S4は、第1面500S1、第2面500S2、及び第3面500S3と直交している。
赤色光用の液晶装置400Rは、固定部材40を介してクロスダイクロイックプリズム500の第1面500S1に配置されている。緑色光用の液晶装置400Gは、固定部材40を介してクロスダイクロイックプリズム500の第2面500S2に配置されている。青色光用の液晶装置400Bは、固定部材40を介してクロスダイクロイックプリズム500の第3面500S3に配置されている。液晶装置400R,400G,400Bは、固定部材40を介して、クロスダイクロイックプリズム500と一体に保持されている。連結部材50の第1固定部51は、クロスダイクロイックプリズム500の第4面500S4に連結されている。
投写レンズ600は、円筒状である。投写レンズ600は、鏡筒602の内部に収納されたレンズ等の光学部品と、フランジ601とを備えている。
図3は、第1実施形態に係る電気光学装置450と投写レンズ600とを固定する構造を示す図である。図3は、赤色光用の液晶装置400Rの側から見た図である。
図3に示すように、本実施形態のプロジェクター1は、連結部材50と、熱電素子60(温度調整素子)と、放熱部材61と、冷却ファン62と、温度センサ63と、制御装置64と、を備えている。
連結部材50は、電気光学装置450と投写レンズ600とを連結する。連結部材50により、電気光学装置450と投写レンズ600との相互の位置が固定されている。連結部材50は、電気光学装置450と投写レンズ600とを固定した状態で、プロジェクター1の外装ケース(図示省略)に固定されている。なお、以下では、連結部材50における投写レンズ600側を前方と呼び、その反対側を後方と呼ぶ。
連結部材50は、略L字形状をなしている。連結部材50は、第1固定部51と、第2固定部52と、を有している。第1固定部51は、電気光学装置450を固定するためのものである。第2固定部52は、投写レンズ600を固定するためのものである。第1固定部51と第2固定部52とは、一体で形成されている。
連結部材50は、温度変化により伸縮可能である。連結部材50の形成材料は、例えば、ポリカーボネート(PC)等の合成樹脂材料を用いる。なお、連結部材50の形成材料は、マグネシウムやアルミニウム等の金属やこれらを含む合金を用いてもよい。
投写レンズ600の鏡筒602には、連結部材50の側にフランジ601が設けられている。フランジ601は、第2固定部52に固定されている。
電気光学装置450は、第1固定部51に固定されている。なお、電気光学装置450は、直接第1固定部51に固定されることに限らない。例えば、電気光学装置450は、取付部材(図示略)を介して第1固定部51に固定されていてもよい。
電気光学装置450と投写レンズ600とは、投写レンズ600のバックフォーカス位置に液晶装置400R,400G,400Bが配置されるように、相互の位置関係が設定されている。ここで、バックフォーカスとは、投写レンズ600を構成するレンズの後端から後側焦点位置までの距離をいう。さらに、投写レンズ600のフォーカス調整を行うことで、投写面に鮮明な画像が投写される。
温度調整素子としての熱電素子60は、連結部材50に設けられている。熱電素子60は、制御装置64により制御される電気エネルギーに基づいて、連結部材50の温度を調整する。熱電素子60は、電圧可変駆動あるいはデューティー比可変駆動になっている。
熱電素子60は、制御装置64の制御に基づいて、連結部材50の側の面と連結部材50とは反対側の面とのうちいずれか一方の面が発熱面となり、他方の面が吸熱面となるよう構成されている。熱電素子60は、発熱面と吸熱面とが切り替え可能になっている。
本実施形態においては、熱電素子60として、ペルチェ素子を用いる。これにより、簡素な構成で投写画像のピントのずれを抑制することができる。
放熱部材61は、熱電素子60の連結部材50とは反対側の面に配置されている。放熱部材61は、熱電素子60に蓄積される熱を放熱する。放熱部材61の熱伝導率は、熱電素子60の熱伝導率よりも大きくなっている。放熱部材61の形成材料は、例えば、アルミニウムや銅等の金属を用いる。放熱部材61は、例えば、複数のフィンを有するヒートシンクである。
冷却ファン62は、熱電素子60及び放熱部材61の側方に配置されている。冷却ファン62は、熱電素子60及び放熱部材61に向けて風を送り、熱電素子60及び放熱部材61を冷却する。
温度センサ63は、環境温度を測定する。温度センサ63は、例えば、サーミスタである。温度センサ63で測定された環境温度のデータは、制御装置64に伝達される。以下、温度センサ63で測定された環境温度を単に環境温度と称する場合がある。
制御装置64は、熱電素子60、冷却ファン62、及び温度センサ63を統括制御する。本実施形態において、制御装置64は、環境温度と表示モードと投写レンズ600との関係に基づいて、電気光学装置450と投写レンズ600との相対位置が変わらないよう熱電素子60を制御する。
本実施形態の表示モードは、輝度モード、白黒比を含む。ここで、輝度は投写画像、すなわち投写される光学像の明るさである。輝度が高いほど投写画像が明るくなる。白黒比は、ある時間内における平均値な投写画像の明るさ(白さ)を示す指標である。例えば、スクリーンSCRの表示領域の全域が白表示である場合、明るさが最大となる。一方、スクリーンSCRの表示領域の全域が黒表示である場合、明るさが最小となる。
なお、表示モードは、輝度モードのみを含んでいてもよいし、白黒比のみを含んでいてもよい。すなわち、表示モードは、輝度モード、白黒比のうち少なくとも一つを含んでいればよい。また、表示モードとして他のモードを含んでいてもよい。
ここで、投写レンズ600は、環境温度の変化の前後においてプロジェクター1で使用している投写レンズ600である。
例えば、投写レンズ600が交換可能になっているとする。この場合、投写レンズ600に起因する要素としては、投写レンズ600の種類、形状、サイズ、内蔵しているレンズの枚数等が挙げられる。投写レンズ600の交換により、プロジェクター1で使用している投写レンズ600の種類、形状、サイズ、内蔵しているレンズの枚数等が異なると、環境温度の変化の前後において投写レンズ600の伸縮量も異なるからである。
例えば、投写レンズ600の種類としては、単焦点レンズ、ズームレンズ等がある。単焦点レンズは、焦点距離が固定されたレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自由に変更可能なレンズである。これは、ユーザーが、プロジェクター1に予め附属している投写レンズ600を、単焦点レンズやズームレンズ等のオプションレンズに交換する場合を想定したものである。
なお、プロジェクター1で使用している投写レンズ600の種類、形状、サイズ、内蔵しているレンズの枚数が同じ場合においても、投写レンズ600の製造誤差や投写レンズ600の鏡筒602の内部にレンズを取り付ける際の設置ずれ等により、環境温度の変化の前後において投写レンズ600の伸縮量が異なるようになる場合がある。よって、投写レンズ600に起因する要素としては、投写レンズ600の製造誤差や設置ずれ等も加味しても良い。
表1は、温度センサ63で測定された環境温度、表示モード、及び投写レンズ600のパラメータと、これらに基づいて演算された演算結果と、の関係を示すテーブルである。表1の中には、ある環境温度のときの表示モードと投写レンズ600との関係に基づいて、演算装置(図示略)により演算された演算結果が表示される。
表1においては、一例として、環境温度を第1の温度範囲A、第2の温度範囲B、第3の温度範囲Cの3つに分けている。第1の温度範囲Aは、投写レンズ600の基準温度よりも高い温度範囲に設定されている。第2の温度範囲Bは、投写レンズ600の基準温度よりも低い温度範囲に設定されている。第3の温度範囲Cは、投写レンズ600の基準温度と略同じになっている。つまり。第3の温度範囲Cは、投写レンズ600の基準温度に誤差等を加味した温度範囲に設定されている。
本実施形態において、基準温度とは、投写レンズ600の製造時の環境温度を意味する。以下、投写レンズ600の製造時の環境温度を単に製造温度と称する場合がある。例えば、製造温度は、投写レンズ600と電気光学装置450とを連結部材50に取り付けて、投写レンズ600と電気光学装置450との相対位置の位置合わせをするときの温度である。製造温度は、例えば、20℃〜25℃である。
例えば、第3の温度範囲Cは、製造温度の温度範囲と同じ範囲(20℃〜25℃)に設定される。この場合、第1の温度範囲Aは、例えば、25℃〜35℃に設定される。第2の温度範囲Bは、10℃〜20℃に設定される。
なお、環境温度の範囲は3つに限らず、1つ、2つ、もしくは4つ以上の複数範囲等、種々の範囲を適用可能である。例えば、環境温度の範囲が1つの場合は、製品の仕向け地の環境温度が生産地の環境温度よりも高い場合を想定したものである。
一例として、輝度モードを高輝度、低輝度の2つのモードとしている。例えば、投写画像を明るくしたい場合には高輝度モードに設定する。高輝度モードの場合は、投写レンズ600が温度上昇し、投写レンズ600が膨張しやすくなる。投写画像を暗くしたい場合には低輝度モードに設定する。低輝度モードの場合は、投写レンズ600が温まりにくくなる。そのため、投写レンズ600が膨張しにくくなる。なお、輝度モードは3つに限らず、1つ、2つ、もしくは4つ以上の複数モード等、種々のモードを適用可能である。例えば、輝度モードが1つの場合は、投写画像の明るさが標準の輝度モードとして、高輝度モードと低輝度モードの中間の輝度モードを想定したものである。
一例として、白黒比を100%、75%、50%、25%、0%の5つのパターンとしている。
例えば、スクリーンSCRの表示領域の全域が白表示である場合は、100%に該当する。白黒比が100%に近づくにつれて、ある時間内において投写画像が明るくなる割合が大きくなる。ある時間内において投写画像が明るくなる割合が大きくなると、投写レンズ600が温度上昇し、投写レンズ600が膨張しやすくなる。
一方、スクリーンSCRの表示領域の全域が黒表示である場合は、0%に該当する。白黒比が0%に近づくにつれて、ある時間内において投写画像が暗くなる割合が大きくなる。ある時間内において投写画像が暗くなる割合が大きくなると、投写レンズ600が温まりにくくなる。そのため、投写レンズ600が膨張しにくくなる。
白表示及び黒表示以外、つまり、スクリーンSCRに何らかの投写画像を写している場合は、0%〜100%の範囲内に該当する。なお、白黒比のパターンは5つに限らず、2つないし4つ、もしくは6つ以上の複数パターン等、種々のパターンを適用可能である。
一例として、投写レンズをa,b,cの3つの分類としている。例えば、プロジェクター1で使用中の投写レンズ600をaとする。例えば、オプションレンズとして、単焦点レンズをb、ズームレンズをcとする。なお、投写レンズ600の分類は3つに限らず、2つ、もしくは4つ以上の複数分類等、種々の分類を適用可能である。
一例として、第1の演算結果をX1、第2の演算結果をX2、第3の演算結果をX3としている。例えば、これらの演算結果は、投写レンズ600のずれを補正するための熱電素子60に印加する電圧値である。制御装置64は、当該電圧値に基づいて熱電素子60を駆動させる。なお、演算結果は、電圧値に限らず、デューティー比も適用可能である。
また、演算結果は、投写レンズ600の伸縮量、投写レンズ600のずれを補正するための連結部材50の伸縮量等、種々の演算結果を適用可能である。この場合、これらの演算結果により演算された電圧値に基づいて熱電素子60が駆動される。
図2に戻り、符号CPは、クロスダイクロイックプリズム500の中心(以下、プリズム中心CPと称する)である。符号L1は、フランジ601の第2固定部52の側の面601a(以下、フランジ面601aと称する)からプリズム中心CPまでの距離である。符号LRは、プリズム中心CPと赤色光用の液晶装置400Rの液晶面400Raとの間の距離(以下、第1の距離LRと称する)である。符号LGは、プリズム中心CPと緑色光用の液晶装置400Gの液晶面400Gaとの間の距離(以下、第2の距離LGと称する)である。符号LBは、プリズム中心CPと青色光用の液晶装置400Bの液晶面400Baとの間の距離(以下、第3の距離LBと称する)である。ここで、液晶面とは、液晶層(図示略)を挟んで配置された一対の基板の界面とする。液晶層の厚みは、基板の厚みに比べて無視できるほど薄いからである。
ここで、フランジ面601aと赤色光用の液晶装置400Rの液晶面400Raとの間の距離を、第1のフランジバックERとする。第1のフランジバックERは、下記の(1)式により表される。
ER=L1+LR ・・・(1)
フランジ面601aと緑色光用の液晶装置400Gの液晶面400Gaとの間の距離を、第2のフランジバックEGとする。第2のフランジバックEGは、下記の(2)式により表される。
EG=L1+LG ・・・(2)
フランジ面601aと青色光用の液晶装置400Bの液晶面400Baとの間の距離を、第3のフランジバックEBとする。第3のフランジバックEBは、下記の(3)式により表される。
EB=L1+LB ・・・(3)
フランジバックは、連結部材50の温度変化に伴って伸縮する。つまり、フランジバックは、制御装置64の制御により、熱電素子60に付与する電気エネルギーを調整することによって伸縮する。
ここで、連結部材50の温度変化に伴って伸縮する第1のフランジバックERの伸縮量を、第1のフランジバック伸縮量ΔERとする。連結部材50の線膨張率をαとする。環境温度の変化前後の温度差をΔTとする。温度差ΔTは、製造温度T0(基準温度)から使用している投写レンズ600の環境温度T1を引いた値である(ΔT=T0−T1)。
第1のフランジバック伸縮量ΔERは、上記の(1)式、連結部材50の線膨張率α、及び温度差ΔTに基づいて、下記の(4)式により表される。
ΔER=α・ΔT・ER ・・・(4)
連結部材50の温度変化に伴って伸縮する第2のフランジバックEGの伸縮量を、第2のフランジバック伸縮量ΔEGとする。第2のフランジバック伸縮量ΔEGは、上記の(2)式、連結部材50の線膨張率α、及び温度差ΔTに基づいて、下記の(5)式により表される。
ΔEG=α・ΔT・EG ・・・(5)
連結部材50の温度変化に伴って伸縮する第3のフランジバックEBの伸縮量を、第3のフランジバック伸縮量ΔEBとする。第3のフランジバック伸縮量ΔEBは、上記の(3)式、連結部材50の線膨張率α、及び温度差ΔTに基づいて、下記の(6)式により表される。
ΔEB=α・ΔT・EB ・・・(6)
図3に戻り、環境温度の変化前におけるフランジバックをEとする。なお、図3においては、便宜上、フランジバックとして第2のフランジバックEGを図示し、第1のフランジバックER、第3のフランジバックEBの図示を省略している。
ここで、投写レンズ600の伸縮量について説明する。投写レンズ600は、汚れ防止等のためにレンズ群が鏡筒602により密閉されている。そのため、プロジェクター1の使用時に投写レンズ600の鏡筒内の温度が上昇する。この鏡筒内の温度上昇に伴い、投写レンズ600が熱膨張すると、液晶装置が投写レンズのバックフォーカス位置からずれてしまう。
例えば、電気光学装置450と投写レンズ600との位置関係が、環境温度の範囲、輝度モード、白黒比のパターン、投写レンズ600の分類の組合せに起因して伸縮量が異なる場合がある。投写レンズ600の伸縮量は、鏡筒内の温度以外の要素によって影響を受ける。投写レンズ600の伸縮量は、環境温度、輝度モード、白黒比のパターン、投写レンズ600の分類の組合せによって異なる。
例えば、環境温度を第1の温度範囲A、輝度モードを高輝度、白黒比を75%、投写レンズ600の分類をaとしたときの組合せを組合せVとする。一方、環境温度の範囲を第2の温度範囲B、輝度モードを低輝度、白黒比を25%、投写レンズ600の分類をbとしたときの組合せを組合せWとする。組合せVと組合せWとでは、投写レンズ600の伸縮量が互いに異なる。
本実施形態のプロジェクター1では、投写レンズ600が伸縮しても、液晶装置400R,400G,400Bと投写レンズ600のバックフォーカス位置とのずれが抑えられる構成となっている。
本実施形態においては、環境温度の温度上昇に伴い、環境温度が基準温度よりも高いときを例に挙げて説明する。この場合、投写レンズ600の照明光軸OCに沿った方向における長さが環境温度の上昇前に比べて長くなる。環境温度が上昇して投写レンズ600が熱膨張したときの投写レンズ600の位置を、図3に2点鎖線で示す。
環境温度の上昇前、環境温度が基準温度と同じときの第2固定部52の前方側の面52aから投写レンズ600の先端までの距離をD0とする。また、環境温度の上昇後における投写レンズ600が熱膨張したときの、面52aから投写レンズ600の先端までの距離をD1とする。すると、投写レンズ600は、熱膨張により、面52aに対して(D1−D0)だけ前方に伸びたことになる。つまり、液晶装置400R,400G,400Bは、投写レンズ600のバックフォーカス位置から(D1−D0)だけ後方にずれたことになる。
そのため、本実施形態においては、環境温度が上昇して投写レンズ600が熱膨張したときには、制御装置64の制御により、熱電素子60が連結部材50を冷却する。例えば、制御装置64の制御により、緑色光用の液晶装置400Gの液晶面400Gaを、フランジ面601aに対してフランジバック伸縮量ΔEGだけ前方に移動させる(ΔEG=(D1−D0))。これにより、液晶装置400R,400G,400Bの投写レンズ600のバックフォーカス位置からのずれを補正することができる。
このように、環境温度の変化の前後において、電気光学装置450と投写レンズ600との相対位置が変わらないよう制御装置64による制御が行われる。
なお、図3においては、環境温度が基準温度よりも高いとき、投写レンズ600が伸びた場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。環境温度が基準温度よりも低いとき、投写レンズ600が縮んだ場合においても本発明を適用可能である。この場合、投写レンズ600の照明光軸OCに沿った方向における長さが環境温度の上昇前に比べて短くなる。そのため、環境温度が低下して投写レンズ600が収縮したときには、制御装置64の制御により、熱電素子60が連結部材50を加熱する。例えば、制御装置64の制御により、緑色光用の液晶装置400Gの液晶面400Gaを、フランジ面601aに対してフランジバック伸縮量ΔEGだけ後方に移動させる。
また、環境温度が基準温度と同じときは投写レンズ600の照明光軸OCに沿った方向における長さが変化しない。そのため、制御装置64の制御により、熱電素子60が連結部材50を加熱もしくは冷却しない。例えば、制御装置64の制御により、緑色光用の液晶装置400Gの液晶面を、フランジ面601aに対して移動させない。
また、図3においては、投写レンズ600の照明光軸OCに沿った方向における長さが環境温度の変化の前後において伸縮する場合を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、投写レンズ600の照明光軸OCと交差する方向における長さが環境温度の変化の前後において伸縮する場合にも適用可能である。その場合、制御装置64の制御により、液晶装置400R,400Bの液晶面400Ra,400Baを、フランジバック伸縮量ΔER,ΔEBだけ左右に移動させてもよい。
以上説明したように、第1実施形態に係るプロジェクター1によれば、制御装置64の制御により、環境温度と表示モードと投写レンズ600との関係に基づいて、電気光学装置450と投写レンズ600との相対位置が維持される。例えば、環境温度の範囲、輝度モード、白黒比のパターン、投写レンズ600の分類の組合せより電気光学装置450と投写レンズ600との位置ずれを推定し、連結部材50は当該位置関係のずれを補正するように伸縮する。つまり、投写レンズ600が連結部材50との連結部分からある量伸縮した場合、連結部材50は投写レンズ600との連結部分から投写レンズ600の伸縮量分だけ伸縮する。これにより、電気光学装置450と投写レンズ600との位置関係のずれが相殺される。よって、投写画像のピントのずれを抑制することができる。
さらに、熱電素子60は、電圧可変駆動あるいはデューティー比可変駆動になっている。そのため、プロジェクター1の使用中、つまり、環境温度の変化中の投写画像のピントのずれを抑制することができる。その結果、使用時に温度が変化しても鮮明な画像が投写されるプロジェクター1を提供することができる。
また、本実施形態においては、環境温度を測定しているため、投写レンズの温度を直接測定する構成に比べて、温度測定が容易となる。よって、投写画像のピントのずれを高精度で抑制することができる。
また、この構成によれば、制御装置64の制御により、環境温度と、輝度及び白黒比と、投写レンズ600との関係に基づいて、電気光学装置と投写レンズとの相対位置が維持される。よって、投写画像のピントのずれを簡易な構成で高精度で抑制することができる。
また、この構成によれば、放熱部材61、冷却ファン62により、熱電素子60が冷却されるため、熱電素子60の発熱量が増えることを抑えることができる。よって、熱電素子60の温度調整効率が低下することを抑制することができる。
なお、本実施形態のプロジェクター1では、制御装置64が、環境温度と表示モードと投写レンズ600との関係に基づいて、熱電素子60を制御しているが、これに限らない。例えば、制御装置64が、環境温度と表示モードとの関係に基づいて、熱電素子60を制御してもよい。この場合、投写レンズ600の分類は1つの分類を適用することとなる。
なお、本実施形態のプロジェクター1では、光均一化光学系として第1レンズアレイおよび第2レンズアレイからなるレンズインテグレーター光学系を用いたが、これに限定されるものではない。光均一化光学系として、例えば、導光ロッドからなるロッドインテグレーター光学系を用いることもできる。
また、本実施形態におけるプロジェクター1は透過型のプロジェクターであるが、これに限定されるものではない。例えば、反射型のプロジェクターであってもよい。ここで、「透過型」とは、透過型の液晶装置等のように電気光学変調装置が光を透過するタイプであることを意味している。「反射型」とは、反射型の液晶装置等のように電気光学変調装置が光を反射するタイプであることを意味している。反射型のプロジェクターに本発明を適用した場合にも、透過型のプロジェクターと同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態におけるプロジェクター1は3つの液晶装置を用いた三板式のプロジェクターであるが、これに限定されるものではない。例えば、1つの液晶装置を用いた単板式のプロジェクターにも適用することができる。
また、本実施形態のプロジェクター1では、電気光学変調装置として液晶装置を用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。電気光学変調装置としては、一般に、画像情報に応じて入射光を変調するものであればよく、マイクロミラー型光変調装置等を利用してもよい。マイクロミラー型光変調装置としては、例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)(TI社の商標)を用いることができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る電気光学装置と投写レンズとを固定する構造を示す図である。なお、図4においては、便宜上、放熱部材61、冷却ファン62、温度センサ63、及び制御装置64の図示を省略している。
図4は、本発明の第2実施形態に係る電気光学装置と投写レンズとを固定する構造を示す図である。なお、図4においては、便宜上、放熱部材61、冷却ファン62、温度センサ63、及び制御装置64の図示を省略している。
図4に示すように、本実施形態においては、熱電素子60の配置位置が上述の第1実施形態に係る熱電素子60の配置位置と異なっている。その他の点は上述の構成と同様であるので、図2、図3と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、第1の距離LR、第2の距離LG、及び第3の距離LBが互いに同じになっている(LR=LG=LB)。つまり、第1のフランジバックER、第2のフランジバックEG、及び第3のフランジバックEBが互いに同じになっている(ER=EG=EB)。熱電素子60は、第4面500S4の法線方向から見て、プリズム中心CPと重なる位置に配置されている。
本実施形態では、熱電素子60と赤色光用の液晶装置400Rとの間の連結部材50の長さと、熱電素子60と緑色光用の液晶装置400Gとの間の連結部材50の長さと、熱電素子60と青色光用の液晶装置400Bとの間の連結部材50の長さと、を互いに同じにしている。そのため、制御装置64の制御により、熱電素子60と赤色光用の液晶装置400Rとの間の連結部材50の伸縮量と、熱電素子60と緑色光用の液晶装置400Gとの間の連結部材50の伸縮量と、熱電素子60と青色光用の液晶装置400Bとの間の連結部材50の伸縮量と、を互いに等しく調整することができる。よって、投写画像のピントのずれを高精度で抑制することができる。
本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクターに適用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェクターに適用する場合にも、適用することができる。
1…プロジェクター、50…連結部材、60…熱電素子(温度調整素子)、61…放熱部材、62…冷却ファン、63…温度センサ、64…制御装置、100…照明装置、400R…赤色光用の液晶装置(第1電気光学変調装置)、400Ra…赤色光用の液晶装置の液晶面(第1電気光学変調装置の液晶面)、400G…緑色光用の液晶装置(第2電気光学変調装置)、400Ga…緑色光用の液晶装置の液晶面(第2電気光学変調装置の液晶面)、400B…青色光用の液晶装置(第3電気光学変調装置)、400Ba…青色光用の液晶装置の液晶面(第3電気光学変調装置の液晶面)、450…電気光学装置、500…ダイクロイックプリズム、600…投写レンズ、CP…プリズム中心(クロスダイクロイックプリズムの中心)、LR…第1の距離(クロスダイクロイックプリズムの中心と第1電気光学変調装置の液晶面との間の距離)、LG…第2の距離(クロスダイクロイックプリズムの中心と第2電気光学変調装置の液晶面との間の距離)、LB…第3の距離(クロスダイクロイックプリズムの中心と第3電気光学変調装置の液晶面との間の距離)、T0…製造温度(基準温度)
Claims (11)
- 照明装置と、
前記照明装置からの照明光を画像情報に応じて変調して光学像を形成する電気光学装置と、
前記電気光学装置で形成された前記光学像を投写する投写レンズと、
前記電気光学装置と前記投写レンズとを連結するとともに、温度変化により伸縮可能な連結部材と、
前記連結部材に設けられるとともに、前記連結部材の温度を調整する温度調整素子と、
環境温度を測定する温度センサと、
前記温度センサで測定された前記環境温度と前記光学像の表示モードとの関係に基づいて、前記電気光学装置と前記投写レンズとの相対位置が変わらないよう前記温度調整素子を制御する制御装置と、
を含むプロジェクター。 - 前記制御装置は、さらに前記投写レンズに基づいて、前記温度調整素子を制御する請求項1に記載のプロジェクター。
- 前記表示モードは、輝度モード、白黒比のうち少なくとも一つを含む請求項1または2に記載のプロジェクター。
- 前記制御装置は、前記環境温度が基準温度よりも高いとき、前記温度調整素子が前記連結部材を冷却するよう前記温度調整素子を制御する請求項1ないし3のいずれか一項に記載のプロジェクター。
- 前記制御装置は、前記環境温度が基準温度よりも低いとき、前記温度調整素子が前記連結部材を加熱するよう前記温度調整素子を制御する請求項1ないし3のいずれか一項に記載のプロジェクター。
- 前記制御装置は、前記環境温度が基準温度と同じとき、前記温度調整素子が前記連結部材を加熱もしくは冷却しないよう前記温度調整素子を制御する請求項1ないし3のいずれか一項に記載のプロジェクター。
- 前記温度調整素子は、前記制御装置の制御に基づいて、前記連結部材の側の面と前記連結部材とは反対側の面とのうちいずれか一方の面が発熱面となり、他方の面が吸熱面となるよう構成されており、前記発熱面と前記吸熱面とが切り替え可能になっている請求項1ないし6のいずれか一項に記載のプロジェクター。
- 前記温度調整素子がペルチェ素子である請求項7に記載のプロジェクター。
- 前記温度調整素子に蓄積される熱を放熱する放熱部材を含む請求項1ないし8のいずれか一項に記載のプロジェクター。
- 前記温度調整素子を冷却する冷却ファンを含む請求項1ないし9のいずれか一項に記載のプロジェクター。
- 前記電気光学装置は、第1電気光学変調装置と、第2電気光学変調装置と、第3電気光学変調装置と、クロスダイクロイックプリズムと、を含み、
前記第1電気光学変調装置は、前記クロスダイクロイックプリズムの第1面に配置されており、
前記第2電気光学変調装置は、前記クロスダイクロイックプリズムの第2面に配置されており、
前記第3電気光学変調装置は、前記クロスダイクロイックプリズムの第3面に配置されており、
前記連結部材は、前記クロスダイクロイックプリズムの第4面に連結されており、
前記クロスダイクロイックプリズムの中心と前記第1電気光学変調装置の液晶面との間の距離と、前記クロスダイクロイックプリズムの中心と前記第2電気光学変調装置の液晶面との間の距離と、前記クロスダイクロイックプリズムの中心と前記第3電気光学変調装置の液晶面との間の距離と、が互いに同じになっており、
前記温度調整素子は、前記第4面の法線方向から見て、前記クロスダイクロイックプリズムの中心と重なる位置に配置されている請求項1ないし10のいずれか一項に記載のプロジェクター。
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