JP2013194980A - 空気調和機の室内機及び空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドレンポンプ3によるドレン水W1の排出異常が発生したときの、吸込温度センサー6の検知温度、湿度センサー7の検知湿度、並びに計時部12により計測される冷房運転及び除湿運転を前回停止してから排出異常が発生するまでの時間の少なくともいずれかを、異常履歴として記録する異常履歴記録手段(制御部11及び記憶部13)と、異常履歴に基づいて、菌が繁殖しやすい条件である菌繁殖条件を算出する制御部11と、を備え、制御部11は、冷房運転及び除湿運転の停止中において、吸込温度センサー6の検知温度、湿度センサー7の検知湿度、並びに計時部12により計測される冷房運転及び除湿運転を停止してからの時間のいずれかが、菌繁殖条件を満たす場合に、ドレンポンプ3を動作させる。
【選択図】図1
Description
実施の形態1に係る空気調和機は、空調対象空間である室内に設置されて内部に室内熱交換器を有する室内機と、屋外に設置されて内部に室外熱交換器を有する室外機を備える。この空気調和機は、圧縮機、室内熱交換器、膨張器、及び室外熱交換器が順次冷媒配管で接続された冷凍サイクルを有し、冷房運転、除湿運転、及び暖房運転を行うものである。空気調和機は、室内熱交換器が蒸発器(冷却器)として機能する冷房運転と除湿運転を行い、この冷房運転及び除湿運転中の室内の除湿によってドレンパンに溜まったドレン水を排出する機能を有する。本実施の形態1は、ドレン水の排出に関する構成に特徴を有するため、以下では、特徴部分を中心に説明する。
図1は、実施の形態1に係る空気調和機の室内機の概略構成図である。
空気調和機の室内機内には、室内熱交換器1と、室内熱交換器1の下側に設けられたドレンパン2と、ドレンポンプ3と、ドレンポンプ3に連なる排水管4と、ドレンパン2内の水位を検知する水位センサー5が設けられている。ドレンポンプ3と水位センサー5は、制御装置10によって動作制御される。
空気調和機は、冷凍サイクルの一部を構成する圧縮機21及び膨張器22と、室内機内に設けられた室内送風機23と、室外機に設けられた室外送風機24と、吸込温度センサー6と、湿度センサー7とを備える。また、制御装置10は、制御部11と、計時部12と、異常履歴14を記憶する記憶部13とを備える。
また、制御部11は、当該空気調和機にて冷房運転及び除湿運転を行っている間、ドレンポンプ3を動作させることで、ドレンパン2に溜まったドレン水W1を排出する。
次に、実施の形態1に係る空気調和機の動作とその作用を説明する。
冷房運転及び除湿運転中においては、室内熱交換器1は凝縮器として機能する。空気中の水分は、室内熱交換器1にて凝縮して水滴となり、室内熱交換器1からドレンパン2内へ落下してドレンパン2内にドレン水W1として溜まる。制御部11は、冷房運転及び除湿運転中に、ドレンポンプ3を動作させ、ドレンパン2内に溜まったドレン水W1を排出させる。ドレンポンプ3は、冷房運転及び除湿運転中に常時動作してもよいし、ドレン水W1がある程度溜まったことを水位センサー5により検出したときにのみ動作してもよい。
冷房運転及び除湿運転の停止中において、吸込温度センサー6は、常時あるいは間欠的に、吸込温度センサー6の出力に基づいて室内空気の温度を検知する。また、湿度センサー7も、常時あるいは間欠的に、湿度センサー7の出力に基づいて室内空気の湿度を検知する。また、制御部11は、計時部12を用いて空気調和機の冷房運転及び除湿運転を停止してからの経過時間を計測する。
そして、制御部11は、検知される室内空気の温度、湿度、及び空気調和機の運転を停止してからの時間が、菌が繁殖しやすい条件である菌繁殖条件を満たすか否かを判断し、菌繁殖条件を満たした場合には、ドレンポンプ3を動作させる。
一般的に、菌は30〜40℃、カビは25〜35℃の温度環境で繁殖しやすい。冷房運転、除湿運転中においては室内機内は15℃程度であるため菌やカビは繁殖しにくいが、冷房運転、除湿運転を停止すると、室内機内の温度が上昇し、ドレンパン2内に溜まったドレン水W1に菌やカビが繁殖すると考えられる。
以下、菌繁殖条件の具体例を説明する。
上記のように、菌やカビの繁殖には、温度と湿度が関係している。したがって、異常履歴14に記録された排出異常が発生したときの温度及び湿度に基づいて、排水異常が発生しやすい温度条件及び湿度条件を算出し、これらを菌繁殖条件とする。そして、空気調和機の運転停止中に検知された温度及び湿度が、菌繁殖条件として設定された温度条件及び湿度条件を満たした場合に、ドレンポンプ3を動作させる。なお、温度と湿度の両方を菌繁殖条件とするのではなく、いずれか一方のみであってもよい。
上記のように、排水異常が発生する原因の一つは、運転停止中にドレンパン2内に発生したスライムやバイオフィルムによる排水経路の詰まりであり、スライムやバイオフィルムは、運転を停止してからの時間の経過とともに発生、成長する。そして、運転停止状態ののちドレンポンプ3の動作を開始させたときに、運転停止中に発生、成長したスライムやバイオフィルムがドレンポンプ3に吸い込まれて、排水異常を生じさせうる。このため、空気調和機の運転を停止してから排水異常が発生するまでの時間は、菌繁殖条件の一つとなりうる。そこで、冷房運転及び除湿運転を停止してから排水異常が発生するまでの経過時間を異常履歴14に記録しておき、これに基づいて排水異常が発生しやすい運転停止からの経過時間を算出し、これを菌繁殖条件とする。そして、空気調和機の運転を停止してからの経過時間が、菌繁殖条件として設定された運転停止からの経過時間を満たした場合に、ドレンポンプ3を動作させる。
上記(1)、(2)を組み合わせて菌繁殖条件としてもよい。
例えば、温度条件及び湿度条件を満たし、かつ、運転停止からの経過時間を満たした場合に、菌繁殖条件を満たしたと判断することができる。
また、例えば、温度条件及び湿度条件に関し、運転停止からの経過時間が長くなるほど、温度条件及び湿度条件を緩和するように、複数段階の温度条件及び湿度条件を設定してもよい。具体的には、運転停止からの経過時間が相対的に長くなるほど、基準となる温度条件及び湿度条件に対して緩和した条件を設定する。運転停止からの経過時間が長くなるほど、スライムやバイオフィルムが発生する可能性が高くなるため、上記のようにすることでスライムやバイオフィルムの発生を抑制できる。また、運転停止からの経過時間が相対的に短い場合は、長い場合よりもスライムやバイオフィルムの発生の可能性が低いため、運転停止からの経過時間が長い場合よりも温度条件及び湿度条件を厳しくすることで、過度なドレンポンプ3の運転を控えることができる。
前述の実施の形態1では、空気調和運転の停止中において、ドレンポンプ3を動作させた後にドレンポンプ3を停止させると、排水管4内の菌やカビは、ドレンポンプ3へ戻る水の勢いによってドレンポンプ3の吸込口31から遠くへ運ばれる、ドレンポンプ3の吸込口31近傍でのスライムやバイオフィルムの発生を抑止できることを説明した。しかし、ドレンポンプ3の吸込口31から離れた所でスライムやバイオフィルムが発生した場合でも、時間の経過とともに、新たにドレンパン2内に溜まったドレン水W1に運ばれてドレンポンプ3の吸込口31の近傍に近づきうる。本実施の形態2では、このような場合を考慮した構成例を説明する。なお、本実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付す。
図3は、実施の形態2に係る空気調和機の室内機の概略構成図である。図4は、実施の形態2に係るドレンポンプの吸水口と壁を説明する図である。
図3に示すように、ドレンポンプ3の吸込口31の外周から径方向に距離をおいた位置に、ドレンパン2の底面から壁8が起立している。壁8は、図4に示すように、平面的にみて略円形の吸込口31の外周側を囲む略円形の平面形状を有している。なお、壁8の平面形状は図示のものに限定されず、吸込口31の平面形状やドレンパン2の形状を考慮して決定することができる。
次に、実施の形態2に係る空気調和機の動作とその作用を説明する。
空気調和運転の停止中において、検知される室内空気の温度及び湿度が菌繁殖条件を満たす場合にドレンポンプ3を動作させるという制御は、実施の形態1と同様である。
そして、ドレンポンプ3を停止させると、排水管4の水の一部は、ドレンポンプ3に向かって進み、ドレンポンプ3の吸込口31を介してドレンパン2内に戻る。この過程において、排水管4内に存在しうる菌やカビは、水によって運ばれてドレンパン2に戻り、その水の勢いによって吸込口31から遠くへと運ばれる。
本実施の形態3は、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付す。
図5は、実施の形態3に係る空気調和機の室内機の概略構成図である。
図5に示す室内機の構成は、実施の形態1の図1で示したものと同様である。
次に、実施の形態3に係る空気調和機の動作とその作用を説明する。
前述の実施の形態1では、空気調和運転の停止中において、菌繁殖条件が満たされた場合には、ドレンポンプ3を動作させることを説明した。本実施の形態3では、このドレンポンプ3の動作と合わせて、室内機を蒸発器として機能させる運転を行う。すなわち、空気調和運転の停止中にドレンポンプ3を動作させるとき、制御部11は、圧縮機21、膨張器22、室内送風機23、及び室外送風機24を動作させて、冷房運転または除湿運転を行う。
Claims (6)
- 冷凍サイクルを有し、冷房運転及び除湿運転の少なくとも一方が可能な空気調和機の室内機であって、
ドレン水を溜めるドレンパンと、
前記ドレンパンに溜められた前記ドレン水を吸い込んで外部に排出するドレンポンプと、
当該室内機の近傍の温度を検知する温度検知手段、当該室内機の近傍の湿度を検知する湿度検知手段、及び計時手段のうちの少なくともいずれかと、
前記ドレンパンからの排水異常が発生したときの、前記温度検知手段の検知温度、前記湿度検知手段の検知湿度、並びに前記計時手段により計測される前記冷房運転及び前記除湿運転を前回停止してから前記排水異常が発生するまでの経過時間のうちの少なくともいずれかを、異常履歴として記録する異常履歴記録手段と、
前記ドレンポンプの動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記異常履歴に基づいて、温度、湿度、及び経過時間のうちの少なくともいずれかに関して菌が繁殖しやすい条件である菌繁殖条件を算出し、
前記冷房運転及び前記除湿運転の停止中において、前記温度検知手段の検知温度、前記湿度検知手段の検知湿度、並びに前記計時手段により計測される前記冷房運転及び前記除湿運転を前回停止してからの経過時間のいずれかが、前記菌繁殖条件を満たす場合に、前記ドレンポンプを動作させる
ことを特徴とする空気調和機の室内機。 - 前記ドレンパンの底面から起立し、前記ドレンポンプの吸込口の外周側を囲む壁を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の空気調和機の室内機。 - 前記制御手段は、
前記冷房運転及び前記除湿運転の停止中において、前記菌繁殖条件が満たされたときは、前記ドレンポンプを動作させることに加えて、前記冷房運転または前記除湿運転を行うように前記冷凍サイクルを制御する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の空気調和機の室内機。 - 前記異常履歴は、前記排水異常が発生したときの、前記温度検知手段の検知温度、前記湿度検知手段の検知湿度、並びに前記計時手段により計測される前記冷房運転及び前記除湿運転を前回停止してから前記排水異常が発生するまでの経過時間のすべてを含み、
前記制御手段は、
前記冷房運転及び前記除湿運転の停止中において、前記温度検知手段の検知温度、前記湿度検知手段の検知湿度、並びに前記計時手段により計測される前記冷房運転及び前記除湿運転を停止してからの経過時間が、前記菌繁殖条件を満たす場合に、前記ドレンポンプを動作させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。 - 前記制御手段は、
前記計時手段により計測された前記冷房運転及び前記除湿運転を停止してからの時間が長くなるほど、前記温度及び前記湿度に関する前記菌繁殖条件を緩和する
ことを特徴とする請求項4記載の空気調和機の室内機。 - 室外機と、
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の室内機とを備えた
ことを特徴とする空気調和機。
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