JP2013194145A - 亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板用防錆塗料組成物 - Google Patents
亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板用防錆塗料組成物 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 (A)数平均分子量1000〜10000、アミン価10〜50mgKOH/g及び水酸基価180〜280mgKOH/gを有するアミン変性エポキシ樹脂、(B)硬化剤ならびに(C)防錆顔料を含有する塗料組成物であり、かつ上記アミン変性エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)の合計固形分量100質量部に基づいて、固形分量で、アミン変性エポキシ樹脂(A)が85〜97質量部であり、硬化剤(B)が3〜15質量部である亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板用防錆塗料組成物。
【選択図】 なし
Description
例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂とフェノール樹脂のビヒクル成分に、防錆顔料として、珪酸カルシウムとバナジン酸リンとの組合せや、炭酸カルシウムと珪酸カルシウムとリン酸アルミニウムとバナジン酸リンとの組合せの防錆顔料を配合した塗料が記載されている。また、特許文献2には、ポリエステルに、防錆顔料として、第2リン酸マグネシウムと酸化マンガン・酸化バナジウム焼成物との組合せや、リン酸カルシウムと酸化バナジウムとの焼成物を配合した塗料が記載されている。しかしながら、特許文献1及び2に記載された塗料から形成された塗膜は、クロム系顔料を使用した塗料に比べ、耐食性に劣るものであり、特に加工部及び端面部における耐食性が不十分である。また、耐アルカリ性や耐酸性などの耐薬品性が劣ることが多い。また、防錆顔料を多量に使用すると耐水性が劣ることが多く、プレコート鋼板製造においてクロム系の防錆顔料を代替えするまでには至っていない。
すなわち、本発明は、(A)数平均分子量1000〜10000、アミン価10〜50mgKOH/g及び水酸基価180〜280mgKOH/gを有するアミン変性エポキシ樹脂、(B)硬化剤ならびに(C)防錆顔料を含有する塗料組成物であり、かつ上記アミン変性エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)の合計固形分量100質量部に基づいて、固形分量で、アミン変性エポキシ樹脂(A)が85〜97質量部であり、硬化剤(B)が3〜15質量部であることを特徴とする亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板用防錆塗料組成物に関する。
また、本発明は、表面に化成処理が施されていてもよい亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板上に、上記防錆塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装方法に関する。
さらに、本発明は、表面に化成処理が施されていてもよい亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板上に、上記防錆塗料組成物に基く硬化塗膜が形成されてなる塗装金属板に関する。
本発明塗料組成物における(A)成分であるアミン変性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂中にアミノ基を導入したものであり、数平均分子量1000〜10000、好ましくは2000〜6000、アミン価10〜50mgKOH/g、好ましくは15〜40mgKOH/g、及び水酸基価180〜280mgKOH/g、好ましくは200〜260mgKOH/gを有することが必要である。水酸基価のうち、1級水酸基に基づくものが、15〜50mgKOH/g程度であることが好適である。
アミン変性エポキシ樹脂(A)において、数平均分子量、アミン価、水酸基価の各値が、上記範囲内であることによって、アミン変性エポキシ樹脂(A)は、硬化剤(B)との反応性に優れ、得られる塗膜は、強靭性、被塗物金属や上塗塗膜との密着性、耐食性(平面部、切断端面部、加工部における耐食性)に優れた塗膜であることができる。
アミン変性エポキシ樹脂(A)としては、ポリエポキシド化合物にアミノ基含有化合物を付加反応させて得られるアミン付加エポキシ樹脂が好適である。
東ソー(株)社製、「HLC8120GPC」)で測定したクロマトグラムから標準ポリ
スチレンの分子量を基準にして算出した値である。カラムは、「TSKgel G−40
00HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500
HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名
)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、
検出器;RIの条件で行ったものである。また、本明細書において、樹脂のガラス転移温
度(Tg)は、示差熱分析(DSC)によるものである。
上記第1級アミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、モノエタノールアミン、n−プロパノールアミン、イソプロパノールアミン等を挙げることができる。第2級アミンとしては、例えばジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジn−プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン等を挙げることができる。第3級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等を挙げることができる。ポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等を挙げることができる。
本発明塗料組成物における(B)成分である硬化剤は、上記アミン変性エポキシ樹脂(A)と反応し、硬化塗膜を形成するものであり、加熱などにより上記アミン変性エポキシ樹脂(A)と反応して硬化させることができるものであれば特に制限なく使用することができる。なかでもアミノ樹脂、フェノール樹脂及びブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物が好適である。これらの硬化剤は、1種で又は2種以上組合せて使用することができる。
防錆顔料(C)
防錆顔料(C)としては、防錆性を有する顔料であれば、クロム系顔料、非クロム系顔料のいずれも使用することができるが、人体への健康面、環境保護の観点から非クロム系顔料であることが好適である。
バナジウム化合物(1)は、五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物である。五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムは、5価バナジウムイオンの水への溶出性に優れており、バナジウム化合物(1)から放出される5価バナジウムイオンが、素材金属と反応したり、他の防錆顔料混合物からのイオンと反応することにより耐食性向上に効果的に働く。
珪素含有化合物(2)は、金属珪酸塩及びシリカ微粒子のうちの少なくとも1種である。 金属珪酸塩は、二酸化珪素と金属酸化物とからなる塩であり、オルト珪酸塩、ポリ珪酸塩などのいずれであってもよい。珪酸塩としては、例えば、珪酸亜鉛、珪酸アルミニウム、オルト珪酸アルミニウム、水化珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムベリリウム、珪酸ナトリウム、オルト珪酸カルシウム、メタ珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ジルコニウム、オルト珪酸マグネシウム、メタ珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカルシウム、珪酸マンガン、オルト珪酸コバルト、メタ珪酸コバルト、オルト珪酸ニッケル、メタ珪酸ニッケル、珪酸バリウム、カンラン石、ザクロ石、トルトバイタイト、イキョク鉱、ベニトアイト、ネプチュナイト、リョクチュウ石、トウキ石、ケイカイ石、バラキ石、トウセン石、ゾノトラ石、タルク、ギョガン石、アルミノ珪酸塩、ホウ珪酸塩、ベリロ珪酸塩、チョウ石、フッ石などを挙げることができる。金属珪酸塩としては、なかでもオルト珪酸カルシウム、メタ珪酸カルシウム、オルト珪酸マグネシウム、メタ珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカルシウム、オルト珪酸コバルト、メタ珪酸コバルト、オルト珪酸ニッケル、メタ珪酸ニッケルが好適である。
カルシウムイオン交換シリカ微粒子は、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によってカルシウムイオンが導入されたシリカ微粒子である。カルシウムイオン交換シリカの市販品としては、SHIELDEX(シールデックス、登録商標)C303、同AC−3、 同C−5(以上、いずれもW.R.Grace & Co.社製)などを挙げることができる。マグネシウムイオン交換シリカ微粒子は、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によってマグネシウムイオンが導入されたシリカ微粒子である。イオン交換シリカは、平均粒子径0.5〜15μm、特に1〜10μmを有することが好ましく、また吸油量が30〜300cc/100g、特に30〜150cc/100gであることが好ましい。
イオン交換シリカから放出されるカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの陽イオンは、電気化学的作用、種々の塩生成作用にかかわり、耐食性の向上に効果的に働く。また、塗膜中に固定化されるシリカは、腐食雰囲気下での塗膜の剥離抑制などに効果的に作用する。
有機溶剤分散性コロイダルシリカは、オルガノシリカゾルとも呼称され、アルコール類、グリコール類、エーテル類などの有機溶剤中に、粒子径が約5〜120nm程度のシリカ微粒子が安定に分散されたものであって、市販品としては、オスカル(OSCAL)シリーズ(触媒化成(株)製)、オルガノゾル(日産化学(株)製)などを挙げることができる。
これらのシリカ微粒子のうち、なかでもカルシウムイオン交換シリカ微粒子、マグネシウムイオン交換シリカ微粒子が好適である。
リン酸系金属塩(3)
リン酸系金属塩(3)は、リン酸金属塩、リン酸水素金属塩及びトリポリリン酸金属塩のうちの少なくとも1種である。リン酸系金属塩の金属は、特に制限されるものではなく、好適な金属として、Ca、Co、Ni、Mg、Zn又はAlを挙げることができる。
珪素含有化合物(2) :1〜50質量部、好ましくは5〜30質量部、
リン酸系金属塩(3) :1〜50質量部、好ましくは5〜30質量部。
本発明の塗装方法は、表面に化成処理が施されていてもよい亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板上に、上記本発明の防錆塗料組成物を塗装することを特徴とするものである。
コイルコーティング法などによって塗装したものを連続的に焼付ける場合には、通常、素材到達最高温度が160〜250℃、好ましくは180〜230℃となる条件で15〜60秒間焼付けられる。バッチ式で焼付ける場合には、通常、80〜200℃で10〜30分間焼付けることによっても行うことができる。また、硬化剤(B)として、ブロック化していないポリイソシアネートを用いる場合のような、塗膜形成過程における硬化反応に特に加熱を必要としない組み合わせの場合には、常法に従い、常温乾燥にて硬化させることが出来る。
本発明の塗装金属板は、表面に化成処理が施されていてもよい亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板上に、上記本発明の防錆塗料組成物に基く硬化塗膜が形成されてなるものである。
硬化塗膜が形成される被塗物である亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板としては、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、鉄−亜鉛合金メッキ鋼板(ガルバニル鋼板)、アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板(合金中アルミニウムを約55%含有する「ガルバリウム鋼板」、合金中アルミニウムを約5%含有する「ガルファン」)、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系合金メッキ鋼板(Al:2〜19質量%、Mg:1〜10質量%、Si:0〜2質量%で、かつAlとMgとの合計が20質量%以下であり、残部が実質的にZnの組成をもつメッキ層を有する合金メッキ鋼板)、ニッケル−亜鉛合金メッキ鋼板などを挙げることができる。
これらの亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板表面は、化成処理が施されていてもよく、化成処理としては、例えば、リン酸亜鉛処理やリン酸鉄処理などのリン酸塩処理、複合酸化膜処理、ジルコニウム酸化物処理などを挙げることができる。
この本発明塗料組成物による塗膜を形成した塗装金属板そのものを使用に供することができるが、さらに、この塗膜の上に上塗塗膜を設けることもできる。上塗塗膜の膜厚は、通常、8〜30μm、好ましくは10〜25μmであることが好適である。
特に、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系合金メッキ鋼板が被塗物である場合には、従来、塗膜密着性が劣るという問題があったが、この被塗物の場合においても、被塗物上に形成された本発明塗料組成物に基づく塗膜は優れた塗膜密着性を示すものであり、優れた平面部、加工部、端面部などにおける耐食性を発揮することができるものである。
攪拌機、加温・温度制御装置を具備した反応容器中に、酢酸メトキシブチル溶剤20部、jER828(三菱化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、数平均分子量約370、エポキシ当量約190)29.1部、ビスフェノールAを9.5部、オクチルアミン1.5部を仕込み、撹拌しながら、窒素雰囲気下にて、160℃に加温し2時間反応を行った。この反応物に、ジメチロールプロピオン酸3.1部を添加し、撹拌しながら、160℃にて1時間反応を行った。樹脂酸価が1以下であることを確認後、メチルエタノールアミン1.7部を添加し、更に160℃にて1時間反応を行った後、酢酸メトキシブチル溶剤にて希釈し、固形分45%のアミン変性エポキシ樹脂AE1溶液を得た。得られた樹脂の固形分は、アミン価43、水酸基価278、数平均分子量約2000を有していた。
攪拌機、加温・温度制御装置を具備した反応容器中に、酢酸メトキシブチル溶剤20部、jER1004(三菱化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、数平均分子量約1700、エポキシ当量約920)41.2部、オクチルアミン1.4部を仕込み、窒素雰囲気下にて、撹拌しながら、160℃に加温し2時間反応を行った。この反応物に、ジエタノールアミン2.4部を添加し、更に160℃にて1時間反応を行った後、酢酸メトキシブチル溶剤にて希釈し、固形分45%のアミン変性エポキシ樹脂AE2溶液を得た。得られた樹脂の固形分は、アミン価42、水酸基価246、数平均分子量約4000を有していた。
製造例3、4、8及び10
製造例2において、溶剤以外の原料を、下記表1に示す配合に変更する以外、製造例2と同様にして固形分45%のアミン変性エポキシ樹脂を得た。製造例8及び10で得たアミン変性エポキシ樹脂は、比較例用である。
製造例5〜7、9及び11
製造例1において、溶剤以外の原料を、下記表1に示す配合に変更する以外、製造例1と同様にして固形分45%のアミン変性エポキシ樹脂を得た。製造例7、9、11で得たアミン変性エポキシ樹脂は、比較例用である。
(注1)jER1007:三菱化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、数平均分子量約2900、エポキシ当量約2000。
反応容器に、p−クレゾール100部、37%ホルムアルデヒド水溶液178部及び水酸化ナトリウム1部を配合し、60℃で3時間反応させた後、減圧下、50℃で1時間脱水した。ついでn−ブタノール100部とリン酸3部を加え、110〜120℃で2時間反応を行った。反応終了後、得られた溶液を濾過して生成したリン酸ナトリウムを濾別し、固形分約50%のレゾール型フェノール樹脂R1溶液を得た。得られた樹脂は、数平均分子量880で、ベンゼン核1核当たり平均メチロール基数が0.4個及び平均アルコキシメチル基数が1.0個であった。
jER1009F(三菱化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約2000)80部を混合溶剤1[シクロヘキサノン/エチレングリコールモノブチルエーテル/スワゾール1500(丸善石油化学(株)製、高沸点芳香族炭化水素系溶剤)=3/1/1(質量比)]120部に溶解したエポキシ樹脂溶液200部に、チタン白40部、バリタ40部及び混合溶剤1の適当量を混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が20ミクロン以下となるまで顔料分散を行った。次いで、この分散物に、デスモジュールBL−3175(住化バイエルウレタン社製、メチルエチルケトオキシムでブロック化したHDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物溶液、固形分約75%)26.7部(固形分量で20部)、タケネートTK−1(武田薬品社製、有機錫系ブロック剤解離触媒、固形分約10%)2部を加えて均一に混合し、さらに上記混合溶剤1を加えて粘度約80秒(フォードカップ#4/25℃)に調整して裏面用塗料を得た。
実施例1
製造例1で得た固形分45%のアミン変性エポキシ樹脂AE1溶液200部(固形分量で90部)に、五酸化バナジウム20部、リン酸カルシウム20部、メタ珪酸カルシウム20部、チタン白20部、バリタ20部及び混合溶剤1の適当量を混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が20ミクロン以下となるまで顔料分散を行った。次いで、この分散物に、デスモジュールBL−3175を13.3部(固形分量で10部)、タケネートTK−1(武田薬品社製、有機錫系ブロック剤解離触媒、固形分約10%)2部を加えて均一に混合し、さらに上記混合溶剤1を加えて粘度約80秒(フォードカップ#4/25℃)に調整して防錆塗料組成物を得た。
実施例1において、使用するアミン変性エポキシ樹脂、硬化剤、その他樹脂、防錆顔料、その他顔料を下記表2に示すとおりとする以外は、実施例1と同様に行い、各防錆塗料組成物を得た。顔料分散は、樹脂として表2中のアミン変性エポキシ樹脂、その他樹脂を用いて行った。但し、実施例12及び13、ならびに比較例2及び9においては、2部のタケネートTK−1に代えて、ネイキュア5225(米国キングインダストリイズ社製、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和溶液)1部を各々配合した。
jER1009F(ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約2000、アミン価0mgKOH/g)80部を混合溶剤1[シクロヘキサノン/エチレングリコールモノブチルエーテル/スワゾール1500=3/1/1(質量比)]149部に溶解して35%エポキシ樹脂溶液229部を得た。得られた35%エポキシ樹脂溶液のうちの160部(固形分量で56部)に、クロム酸ストロンチウム50部、チタン白10部、バリタ10部及び混合溶剤1の適当量を混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が20ミクロン以下となるまで顔料分散を行った。次いで、この分散物に、35%エポキシ樹脂溶液のうちの残りの69部(固形分量で24部)、デスモジュールBL−3175を26.7部(固形分量で20部)、タケネートTK−1(武田薬品社製、有機錫系ブロック剤解離触媒、固形分約10%)2部を加えて均一に混合し、さらに上記混合溶剤2を加えて粘度約80秒(フォードカップ#4/25℃)に調整して防錆塗料組成物を得た。
比較例1において、配合する顔料組成を表2に示すとおりに変更する以外は、比較例1と同様に行い、粘度約80秒(フォードカップ#4/25℃)の防錆塗料組成物を得た。
(注2)サイメル303:日本サイテックインダストリイズ(株)社製、商品名、メチルエーテル化メラミン樹脂。
(注3)jER154:三菱化学(株)製、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量約178。
(注4)Caイオン交換シリカ:W.R.Grace & Co.社製のSHIELDEX(シールデックス、登録商標)C303。
(注5)Mgイオン交換シリカ:濃度5質量%の塩化マグネシウム水溶液10000質量部中に、10質量部のサイリシア710(富士シリシア化学(株)製、商品名、平均粒子径約2.8μm、吸油量105cc/100gのシリカ微粒子)を添加し、5時間、撹拌混合した後、濾過して固形分を取出し、固形分をよく水洗し乾燥してマグネシウムイオン交換シリカを得た。
上記実施例及び比較例で得た各防錆塗料組成物、製造例13で得た裏面塗料及び下記上塗塗料を用い、下記の塗装仕様にて各素材に塗装し焼付けを行い、各試験用塗装板を得た。
化成処理が施されたガルバリウム鋼板(板厚0.35mm、アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板、合金中アルミニウムを約55%含有、合金メッキ目付量150g/m2、表2中「GL鋼板」と表示する。)に、前記製造例13で得た裏面用塗料を乾燥膜厚8μmとなるようにバーコーターにて塗装し、素材到達最高温度が180℃となるようにして30秒間焼き付けて裏面塗膜を形成した。この裏面塗膜を形成した塗装板の裏面塗膜と反対側の鋼板面に、上記各例で得た各防錆塗料組成物を乾燥膜厚5μmとなるようにバーコーターにて塗装し、素材到達最高温度が220℃となるようにして40秒間焼き付けて各プライマー塗膜を形成した。冷却後、これらのプライマー塗膜上に、KPカラー1580B40(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル系上塗塗料、青色、硬化塗膜のガラス転移温度約70℃)をバーコーターにて乾燥膜厚が約15μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が220℃となるようにして40秒間焼き付けて各試験用塗装板を得た。
化成処理が施されたアルミニウム−マグネシウム−亜鉛合金メッキ鋼板(新日本製鐵(株)製、板厚0.35mm、合金中、アルミニウムを11%、マグネシウムを3%、微量のケイ素、残量の亜鉛を含有;合金メッキ目付量160g/m2、表2中「SD鋼板」と表示する。)に、前記製造例13で得た裏面用塗料を乾燥膜厚8μmとなるようにバーコーターにて塗装し、素材到達最高温度が180℃となるようにして30秒間焼き付けて裏面塗膜を形成した。この裏面塗膜を形成した塗装板の裏面塗膜と反対側の鋼板面に、上記各例で得た各防錆塗料組成物を乾燥膜厚5μmとなるようにバーコーターにて塗装し、素材到達最高温度が220℃となるようにして40秒間焼き付けて各プライマー塗膜を形成した。冷却後、これらのプライマー塗膜上に、KPカラー1580B40(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル系上塗塗料、青色、硬化塗膜のガラス転移温度約70℃)をバーコーターにて乾燥膜厚が約15μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が220℃となるようにして40秒間焼き付けて各試験用塗装板を得た。
化成処理が施された溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚0.35mm、亜鉛メッキ目付量250g/m2、表2中「GI鋼板」と表示する。)に、前記製造例13で得た裏面用塗料を乾燥膜厚8μmとなるようにバーコーターにて塗装し、素材到達最高温度が180℃となるようにして30秒間焼き付けて裏面塗膜を形成した。この裏面塗膜を形成した塗装板の裏面塗膜と反対側の鋼板面に、上記各例で得た各防錆塗料組成物を乾燥膜厚5μmとなるようにバーコーターにて塗装し、素材到達最高温度が220℃となるようにして40秒間焼き付けて各プライマー塗装板を得た。冷却後、これらのプライマー塗装板上に、KPカラー1580B40(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル系上塗塗料、青色、硬化塗膜のガラス転移温度約70℃)をバーコーターにて乾燥膜厚が約15μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が220℃となるようにして40秒間焼き付けて各試験用塗装板を得た。
上記塗装仕様により得られた各試験用塗装板について、下記試験方法に従って塗膜性能試験を行った。試験結果を後記表3に示す。
折り曲げ加工性:20℃の室温において、6cm×12cmの大きさに切断した各試験用塗装板に、折り曲げ部の長さが6cmとなるように、4T折り曲げ加工(塗装板の表面側を外側にして折り曲げ、その内側に塗装板と同じ厚さの板を4枚挟み、上記塗装板を万力にて180度折り曲げする加工)を施した。折り曲げ加工部の塗膜の耐ワレ性及び折り曲げ加工部の塗膜の密着性を下記基準により評価した。折り曲げ加工部の塗膜の密着性は、折り曲げ部分にセロハン粘着テープを貼り付け、そのテープを瞬時に剥がした時の折り曲げ加工部の塗膜の剥がれ程度を評価した。
(折り曲げ加工部の塗膜の耐ワレ性)
◎:加工部に塗膜のワレが認められない
○:加工部に塗膜のワレがわずかに認められる
△:加工部に塗膜のワレがかなり認められる
×:加工部に塗膜のワレが著しく認められる。
(折り曲げ加工部の塗膜の密着性)
◎:加工部に塗膜の剥がれが認められない
○:加工部に塗膜の剥がれがわずかに認められる
△:加工部に塗膜の剥がれがかなり認められる
×:加工部全面の塗膜が剥離する。
○:塗膜にワレ、剥がれが認められない
△:塗膜にワレ、剥がれがわずかに認められる
×:塗膜にワレ、剥がれが多く認められる。
◎:塗膜にフクレの発生、白化などの異常がなく、残存碁盤目数100個、
○:塗膜にフクレの発生、白化などの異常がなく、残存碁盤目数91〜99個、
△:塗膜にフクレ又は白化などの異常がわずかに認められ、残存碁盤目数91〜99個である、又は塗膜にフクレの発生、白化などの異常がないが、残存碁盤目数71〜90個、
×:塗膜にフクレの発生がかなりもしくは著しく認められる、又は残存碁盤目数70個以下。
◎:フクレの発生がなく、カット部からのテープ剥離幅が1.5mm以下、
○:フクレの発生がなく、カット部からのテープ剥離幅が1.5mmを超え、3mm以下、
△:フクレの発生が少し認められるが、カット部からのテープ剥離幅が3mm以下、又はフクレの発生が認められないが、カット部からのテープ剥離幅が3mmを超える、
×:フクレの発生が認められ、かつカット部からのテープ剥離幅が3mmを超える。
◎:傷の部分に金属の素地は見られない、
○:傷の部分に金属の素地がわずかに見られる、
△:傷の部分に金属の素地がかなり見られる、
×:傷の部分に塗膜がほとんど残らず金属の素地がきれいに見られる。
の大きさに切断した各試験用塗装板の表面側中央部に素地に達する狭角30度、線幅0.5mmのクロスカットをカッターナイフの背中を用いて入れ、塗装板上端エッジ部を防錆塗料にてシールし、上端部に4T折り曲げ加工部(塗装板の表面側を外側にして折り曲げ、その内側に塗装板と同じ厚さの板を4枚挟み、上記塗装板を万力にて180度折り曲げする加工)を設けた塗装板について、(35℃で5%食塩水噴霧2時間)−(60℃で乾燥4時間 相対湿度95%)−(50℃で湿潤2時間 相対湿度95%)を1サイクルとして、100サイクル(合計800時間)試験を行った。この試験後の塗装板の4T折り曲げ加工部、クロスカット部、エッジ部の状態を評価した。
◎:錆の発生が認められない、
○:白錆が認められるが20mm未満、
△:白錆が20mm以上でかつ40mm未満、
×:白錆が40mm以上、又は赤錆の発生が認められる。
◎:地金露出部における白錆発生長さ割合50%未満でかつフクレ幅3mm未満、
○:地金露出部における白錆発生長さ割合50%以上でかつフクレ幅3mm未満、又は地金露出部における白錆発生長さ割合50%未満でかつフクレ幅3mm以上で5mm未満、
△:地金露出部における白錆発生長さ割合50%以上でかつフクレ幅5mm以上で10mm未満、
×:地金露出部における白錆発生長さ割合50%以上でかつフクレ幅10mm以上。
◎:5mm未満、
○:5mm以上でかつ10mm未満、
△:10mm以上でかつ20mm未満、
×:20mm以上。
◎:カット部からのフクレ・錆進行幅がカットを跨いで平均3mm以下であり、その他異常が認められない、
○:カット部からのフクレ・錆進行幅が3mmを超え、かつ5mm以下であり、平面部その他に異常は認められない、又は、平面部に若干のフクレ発生が認められるものの、カット部からのフクレ・錆進行幅は、3mm以下である、
△:カット部からのフクレ・錆進行幅が3mmを超え、かつ5mm以下であり、平面部に若干のフクレ発生が認められる、
×:カット部からのフクレ・錆進行幅が5mmを越える、又は平面部に著しいフクレの発生が認められる。
Claims (13)
- (A)数平均分子量1000〜10000、アミン価10〜50mgKOH/g及び水酸基価180〜280mgKOH/gを有するアミン変性エポキシ樹脂、(B)硬化剤ならびに(C)防錆顔料を含有する塗料組成物であり、かつ上記アミン変性エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)の合計固形分量100質量部に基づいて、固形分量で、アミン変性エポキシ樹脂(A)が85〜97質量部であり、硬化剤(B)が3〜15質量部であることを特徴とする亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板用防錆塗料組成物。
- アミン変性エポキシ樹脂(A)が、ビスフェノール型エポキシ樹脂と第1級水酸基を含有するアミンとを付加反応させてなるものである請求項1記載の防錆塗料組成物。
- 上記ビスフェノール型エポキシ樹脂が、ビスフェノール型ポリエポキシドに炭素原子数4〜18のアルキル基含有第1級アミンを反応させて鎖延長したエポキシ樹脂である請求項2記載の防錆塗料組成物。
- 硬化剤(B)が、アミノ樹脂及びブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種の架橋剤である請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- 防錆顔料(C)が、非クロム系防錆顔料である請求項1〜4のいずれか一項に記載の防錆塗料組成物。
- 防錆顔料(C)が、(1)五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物、(2)金属珪酸塩及びシリカ微粒子のうちの少なくとも1種の珪素含有化合物及び(3)リン酸系金属塩を含有することを特徴する請求項5記載の防錆塗料組成物。
- 珪素含有化合物(2)及びリン酸系金属塩(3)のうちの少なくとも1種が、水中において、Caイオン、Mgイオン、Coイオン又はNiイオンを生成するものである請求項6記載の防錆塗料組成物。
- 上記アミン変性エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)の合計固形分量100質量部に基づいて、防錆顔料(C)におけるバナジウム化合物(1)の量が1〜50質量部、珪素含有化合物(2)の量が1〜50質量部、及びリン酸系金属塩(3)の量が1〜50質量部である請求項6又は7に記載の防錆塗料組成物。
- さらに、樹脂成分として、ノボラック型エポキシ樹脂を含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の防錆塗料組成物。
- 亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板が、Al:2〜19質量%、Mg:1〜10質量%、Si:0〜2質量%で、かつAlとMgとの合計が20質量%以下であり、残部が実質的にZnの組成をもつZn−Al−Mg系メッキ層を有する亜鉛合金メッキ鋼板である請求項1〜9のいずれか一項記載の防錆塗料組成物。
- 表面に化成処理が施されていてもよい亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板上に、上記請求項1〜9のいずれか1項に記載の防錆塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装方法。
- 表面に化成処理が施されていてもよい亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板上に、上記請求項1〜9のいずれか1項に記載の防錆塗料組成物に基く硬化塗膜が形成されてなる塗装金属板。
- 亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板が、Al:2〜19質量%、Mg:1〜10質量%、Si:0〜2質量%で、かつAlとMgとの合計が20質量%以下であり、残部が実質的にZnの組成をもつZn−Al−Mg系メッキ層を有する亜鉛合金メッキ鋼板である請求項12記載の塗装金属板。
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