JP2013192378A - 配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法及び装置 - Google Patents

配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013192378A
JP2013192378A JP2012057169A JP2012057169A JP2013192378A JP 2013192378 A JP2013192378 A JP 2013192378A JP 2012057169 A JP2012057169 A JP 2012057169A JP 2012057169 A JP2012057169 A JP 2012057169A JP 2013192378 A JP2013192378 A JP 2013192378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
change amount
voltage
voltage change
period
svr
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012057169A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Izumi
健児 泉
Yuya Kawauchi
祐也 河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihen Corp filed Critical Daihen Corp
Priority to JP2012057169A priority Critical patent/JP2013192378A/ja
Publication of JP2013192378A publication Critical patent/JP2013192378A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

【課題】配電用自動電圧調整器(SVR)で電力が逆潮流している原因が系統切換にあるのか、二次側に分散電源が連系したことにあるのかを判定する方法を提供する。
【解決手段】タップ切換過程の開始後20ms毎にSVR2の一次側電圧変化量と二次側電圧変化量とを求め、300msの移動積算期間の間に求められた一次側電圧変化量及び二次側電圧変化量を積算する。各積算期間で演算された一次側電圧変化量の積算値から二次側電圧変化量の積算値を減じて電圧変化量差を演算し、演算された電圧変化量差の中から絶対値が最大になる電圧変化量差を最大電圧変化量差として抽出する。最大電圧変化量差の符号が正であるときに電力の逆潮流の原因が二次側で行われた系統切換にあると判定し、最大電圧変化量差の符号が負であるときに電力の逆潮流の原因が分散電源の連系にあると判定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、配電系統に設置された配電用自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じたときに、その逆潮流が系統の切換に起因するものであるのか、又は配電用自動電圧調整器の二次側で系統に分散電源が連系していることに起因するものであるのかを判定する配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法及び装置に関するものである。
配電系統においては、電力の需給バランスを図ったり、工事の際の停電を防いだりするために、複数の系統を連系させることが行われている。また近年、太陽光発電設備や風力発電設備などの発電設備が自家発電設備として設置されるようになったことに伴い、多くの自家発電設備が分散電源として配電系統と連系するようになっている。
配電系統においては、系統の各部の電圧を設定された範囲に保つために、系統に適宜の間隔で配電用自動電圧調整器(以下SVRともいう。)を設置して、系統の各部の電圧を設定範囲に保つように調整している。SVRは、例えば一次側にタップを有して一次側及び二次側がそれぞれ一次側(電源側)及び二次側の配電線に接続される調整変圧器と、調整変圧器のタップを切り換えるタップ切換装置とを備えていて、二次側の系統電圧(配電線電圧)を設定範囲に保つように調整変圧器のタップを切り換える調整動作を行う。
SVRの一次側から二次側に電力の潮流が生じているとき(SVRにおける電力の潮流が順潮流状態であるとき)には、各SVRに上記のような調整動作を行わせることにより、配電系統の各部の電圧を設定された電圧範囲に維持することができる。ところが、配電系統においては、常に各SVRにおける電力の潮流が順潮流状態であるとは限らず、系統の状態によっては、SVRにおける電力の潮流が、二次側から一次側に電力が逆送される逆潮流状態になることがある。
例えば複数の系統を連系させる配電系統においては、SVRの一次側及び二次側で系統の切換が行われて、SVRの一次側が電源変電所から切り離され、二次側が電源変電所に接続されたときには、SVRにおける電力の潮流が逆潮流状態になる。また複数の系統が連系していることに加えて、多数の分散電源が連係することがある配電系統においては、SVRの一次側が電源変電所に接続されている状態でも、二次側に多くの分散電源が連係したときに、SVRにおける電力の潮流が逆潮流状態になることがある。SVRで電力の逆潮流が生じると、正しい電圧調整を行うことができなくなって系統の各部の電圧が異常になるため、なんらかの対策を講じる必要がある。
複数の系統を連係させる配電系統に用いるSVRにおいては、その一次側が電源変電所から切り離されて、二次側が他の電源変電所に接続される系統切換が行われた際に、電力の逆潮流が生じる。この場合、SVRが二次側の系統電圧を設定範囲に保つべく、調整変圧器に昇圧動作を行わせるようにタップ切換を行うと、一次側の系統電圧が設定範囲の下限値未満に低下してしまい、SVRの一次側の配電系統の電圧が異常に低下してしまう。このような異常状態が生じるのを防ぐため、複数の系統を連係させる配電系統に用いるSVRは、電力の逆潮流が生じる系統の切換が行われる際に、変電所などに設置された指令所からの指令により、調整変圧器のタップを予め定めたタップに固定する動作を行うように構成されている。このような動作を行うSVRを、逆送時タップ固定型SVRと呼ぶことにする。また系統切換時に調整変圧器のタップを固定する動作を行わないSVRを一般型のSVRと呼ぶことにする。逆送時タップ固定型SVRにおいて、系統切替え時に選択する固定タップとしは、最初素通しタップが選択され、その後、電力の逆潮流時に一次側の系統電圧を昇圧させることになるタップが選択される。
複数の系統が連係している配電系統において、系統切換時のみにSVRで電力の逆潮流が生じる場合には、上記のような逆送時タップ固定型SVRを用いることにより、SVRで電力の逆潮流が生じた時に系統電圧が異常になるのを防ぐことができる。しかしながら、系統に分散電源が連係していることに起因してSVRで電力の逆潮流が生じる場合には、逆送時タップ固定型SVRを用いても適正な電圧調整を行うことができないことがある。このことを示すために、図6及び図7を参照して、一般型SVR及び逆送時タップ固定型SVRの種々の電力潮流状態における動作を説明する。
図6(A)ないし(C)はそれぞれ、一般型SVRが設置された配電系統において、SVRでの電力の潮流が順方向潮流状態であるとき、系統の切換によりSVRで電力の逆潮流が生じているとき、及び分散電源の連系によりSVRで電力の逆潮流が生じているときの系統の状態を示す単線結線図を、SVRが調整動作を行ったときに生じる系統の電圧分布の変化を示すグラフとともに示した説明図である。
また図7(A)ないし(C)はそれぞれ、逆送時タップ固定型SVRが設置された配電系統において、SVRでの電力の潮流が順方向潮流状態であるとき、系統の切換によりSVRで電力の逆潮流が生じているとき、及び分散電源の連系によりSVRで電力の逆潮流が生じているときの系統の状態を示す単線結線図を、系統の電圧分布の変化を示すグラフとともに示した説明図である。
図6(A)ないし(C)及び図7(A)ないし(C)に示された単線結線図において、1は系統の電源である変電所(電源変電所)を示し、2は変電所1に開閉器3と配電線4とを通して接続されたSVRを示している。また5はSVRの二次側に一端が接続された配電線を示し、6は配電線5の他端に開閉器7を介して接続された他系統の配電線を示している。図6(C)及び図7(C)において、8はSVRの二次側の配電線5に接続された分散電源を示している。図6及び図7に示されたグラフにおいて、max及びminはそれぞれ系統電圧の設定範囲の上限値及び下限値を示している。
図6(A)に示されているように、一般型SVRが設置された配電系統において、系統切換が行われておらず、SVRにおける電力の潮流が順潮流状態である場合には、図に破線で示したように系統電圧が設定範囲の下限値未満に下降しようとした時に、SVRがその二次側の電圧を上昇させる方向に調整変圧器のタップを切り換える。また系統電圧が上昇して設定範囲の上限値を超えようとした時には、SVRがその二次側の電圧を下降させる方向に調整変圧器のタップを切り換えて、系統電圧を設定範囲に保つ調整動作を行う。SVRでの電力の潮流が順潮流状態であるときには、図7(A)に示すように、逆送時タップ固定型SVRも一般型SVRと同様の動作を行う。
また一般型SVRが設置された配電系統において、図6(B)に示されているように、系統切換により、SVRを通しての電力の潮流が逆潮流状態になった場合には、図に破線で示したように二次側の系統電圧が下降しようとした時にSVRがその二次側電圧を上昇させる方向にタップを切り換えるため、結果的に一次側電圧が下降させられることになり、SVRの一次側の系統電圧が設定範囲の下限値未満に低下する異常状態が生じることがある。また系統電圧が設定範囲の上限値を超えて上昇しようとした時には、SVRがその二次側電圧を下降させる方向にタップを切り換えるため、結果的に一次側電圧を上昇させることになり、SVRの一次側の系統電圧が設定範囲の上限値を超える異常状態が生じることがある。
これに対し、逆送時タップ固定型SVRが設置された配電系統においては、系統切換によりSVRでの電力の潮流が逆潮流状態になったときに、SVRが、変電所からの指令により、逆潮流時にその一次側の系統電圧を上昇させるように予め指定したタップに調整変圧器のタップを固定する動作を行うため、図7(B)に示されているように、SVRの二次側電圧が低下しようとしたときに一次側電圧を上昇させ、二次側電圧が上昇しようとしたときには一次側電圧を下降させて、系統電圧を設定範囲に保つことができる。
上記のように、系統切換によりSVRで電力の逆潮流が生じた際に系統電圧を異常に低下させたり、上昇させたりしないようにするためには、SVRとして、逆送時タップ固定型SVRを用いればよいが、SVRの一次側に電源がある状態で、SVRの二次側で系統に分散電源が連係したことによりSVRで電力の逆潮流が生じた場合には、以下に示すように、逆送時タップ固定型SVRを用いると、SVRの二次側の系統電圧が異常に低下する現象が生じることがある。
一般型SVRが設置された配電系統において、図6(C)に示されているように、SVRの一次側が電源変電所に接続され、二次側で系統に分散電源が連系していることに起因してSVRで電力の逆潮流状態が生じている状態で、図6(C)に破線で示されているように、二次側の系統電圧が設定範囲の上限値を超えて上昇しようとしたときには、SVRがその二次側の系統電圧を下降させる方向にタップを切り換えて、系統電圧を設定範囲に保つ調整動作を行う。また二次側の系統電圧が設定範囲の下限値未満に下降しようとしたときには、SVRがその二次側の系統電圧を上昇させる方向に調整変圧器のタップを切り換えて、一次側の系統電圧を設定範囲に保つ調整動作を行う。従って、一般型SVRが設置された配電系統においては、SVRの一次側が電源変電所に接続され、二次側で分散電源が連系していることに起因してSVRで電力の逆潮流が生じている状態でも、系統電圧を設定範囲に保つことができる。
これに対し、逆送時タップ固定型SVRが設置された配電系統において、変電所1の開閉器3が閉じ、SVRの一次側が電源変電所1に接続されている状態で、SVRの二次側で系統に分散電源が連系していることに起因してSVRで電力の逆潮流が生じたときには、逆潮流時に一次電圧を上昇させるように予め指定したタップに調整変圧器のタップが固定されるが、電源変電所に接続されているSVRの一次側電圧が大容量の系統電圧により固定されているため、結果的に、図7(C)に示すように、二次側電圧が押し下げられて、二次側の系統電圧が設定範囲の下限値minを下回る異常状態が生じることがある。
上記のことから、系統切換によりSVRで電力の逆潮流が生じた場合及び一次側が電源変電所に接続されている状態で二次側の系統に分散電源が連係したことによりSVRで電力の逆潮流が生じた場合の何れの場合にも系統電圧を適正な範囲に維持するためには、系統切換によりSVRで電力の逆潮流が生じたときにSVRを逆送時タップ固定型SVRの動作モードで動作させ、分散電源が系統に連係したことによりSVRで電力の逆潮流が生じたときには、SVRを一般型SVRの動作モードで動作させることが必要であることが分かる。
上記のようにSVRの動作モードを切り換えるためには、SVRで電力の逆潮流が生じた際に、その逆潮流の原因が系統切換に起因するのか、一次側に電源があるSVRの二次側で系統に分散電源が連係したことに起因するのかを判定する必要がある。
逆送時タップ固定型SVRが用いられる場合には、系統の切換が行われる際に変電所などに設けられた指令所から与えられる素通し制御指令により、SVRの調整変圧器のタップを一旦素通しタップに切り換える素通し制御が行われる。従って、SVRで電力の逆潮流が検出されたときに素通し制御指令が与えられている場合には、電力の逆潮流が生じた原因が、系統切換が行われたことにあり、SVRで電力の逆潮流が検出されたときに素通し制御指令が与えられていない場合には、電力の逆潮流が生じた原因が、系統に分散電源が連係したことにあると一応判定することができる。しかしながら、SVRの動作モードの切換を誤りなく行うためには、電力の逆潮流の原因を更に別の方法によっても行って、原因特定の正確を期することが好ましい。また素通し制御を行わない系統において、SVRの電力逆潮流時の動作モードの切換を適確に行わせるためには、素通し制御指令によらずに電力の逆潮流の原因を判定する方法を確立することが必須である。
そこで、本出願人等は先に、特許文献1に示されているように、電力の逆潮流が検出されている状態でタップ切換が行われた時に生じるSVRの一次側電圧の変化量と二次側電圧の変化量とから逆潮流の原因を特定する方法を提案した。この方法では、SVRの一次側が電源変電所に接続されている状態では、タップ切換時に系統容量が大きいSVRの一次側(変電所側)で生じる電圧の変化量が、SVRの二次側(負荷側)で生じる電圧の変化量に比べて小さくなることに着目して、電力の逆潮流の原因を判別する。
系統の状態とタップ切換時の一次側電圧の変化及び二次側電圧の変化との関係を、表にまとめた形で図8に示した。図8に示された関係は下記の(a)ないし(c)の通りである。
(a)SVRの一次側が電源変電所に接続されていてSVRを通して順方向に電力が潮流しているとき:
SVRの二次側電圧を上昇させる方向にタップを切換えた際に二次側電圧がほぼステップ状に上昇するが、一次側電圧はほとんど変化しない。
また二次側電圧を下降させる方向にタップを切換えた際には、二次側電圧がほぼステップ状に下降するが、一次側電圧はほとんど変化しない。
(b)SVRの一次側が電源変電所から切り離され、二次側が他系統の変電所に接続された(系統切換が行われた)ために電力が逆潮流しているとき:
SVRの二次側電圧を上昇させる方向にタップを切換えた際に一次側電圧がほぼステップ状に下降する(負側に変化する)。このときっSVRの二次側電圧はステップ状に上昇するがその変化量は僅かである。
またSVRの二次側電圧を下降させる方向にタップを切換えた際には、一次側電圧がほぼステップ状に上昇する(正側に変化する)。このときSVRの二次側電圧は僅かに下降するがその変化量は僅かである。
(c)SVRの一次側が変電所に接続されている状態で、二次側に分散電源が連系しているためにSVRを通して電力が逆潮流しているとき:
SVRの二次側電圧を上昇させる方向にタップを切換えた際に二次側電圧がステップ状に上昇する。SVRの一次側電圧は僅かに下降するがその変化量は僅かである。
またSVRの二次側電圧を下降させる方向にタップを切換えた際に二次側電圧がステップ状に下降する。このときSVRの一次側電圧は僅かに上昇するがその変化量は僅かである。
系統の状態と、SVRのタップ切換時の一次側電圧及び二次側電圧の変化との間には上記のような関係があるため、SVRで電力の逆潮流が検出されている状態でタップ切換が行われた際に生じる一次側電圧の変化量及び二次側電圧の変化量との関係を判別することにより、その逆潮流が如何なる原因で生じたかを判別することができる。
特許文献1に示された方法では、SVRの一次側及び二次側でそれぞれ生じる電圧の変化を検出し、SVRで電力の逆潮流が生じていることが検出され、かつタップが切り換えられた際に生じるSVRの一次側電圧の変化量が二次側電圧の変化量よりも大きいことが検出されたときに、SVRの一次側が電源変電所から切り離されて二次側が他系統の電源変電所に接続される系統切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じていると判定する。またSVRで電力の逆潮流が生じていることが検出され、かつタップが切り換えられた際に生じるSVRの二次側電圧の変化量が一次側電圧の変化量よりも大きいことが検出されたときに、SVRの一次側が電源変電所に接続されている状態でSVRの二次側の系統に分散電源が連系していることに起因して電力の逆潮流が生じていると判定する。
即ち、特許文献1に示された方法では、SVRで電力の逆潮流が生じている状態で、タップ切換時に検出される一次側電圧の変化量と二次側電圧の変化量との間に「一次側電圧の変化量<二次側電圧の変化量」の関係があるときに、電源がSVRの一次側にあると判定して、SVRでの電力の逆潮流の原因がSVRの二次側で系統に分散電源が連係していることにあると判定し、「一次側電圧の変化量>二次側電圧の変化量」の関係があるときに、電源がSVRの二次側にあると判定して、電力の逆潮流の原因が系統の切換が行われたことにあると判定する。
以下の説明では、SVRの一次側が電源変電所から切り離されて二次側が他系統の電源変電所に接続される系統切換が行われたことに起因してSVRで起こる電力の逆潮流を、「系統切換に起因する電力の逆潮流」と呼び、SVRの一次側が電源変電所に接続されている状態でSVRの二次側の系統に分散電源が連系していることに起因してSVRで起こる電力の逆潮流を「分散電源の連系に起因する電力の逆潮流」と呼ぶ。
特開2000−295774号公報
特許文献1に示された方法により電力の逆潮流が生じた原因を正確に特定するためには、タップが切り換えられた際に生じる一次側電圧の変化量及び二次側電圧の変化量を正確に検出する必要がある。従来の方法では、SVRがタップ切換動作を開始した後、該切換動作が終了するまでの期間を計測期間として、SVRの一次側電圧及び二次側電圧を一定の時間間隔で発生する検出タイミングで検出し、各検出タイミングで検出した一次側電圧の計測値と、2つ前の検出タイミングで検出した一次側電圧の計測値との差の絶対値を一次側電圧の変化量として順次求める。同様に、各検出タイミングで検出した二次側電圧の計測値と、2つ前の検出タイミングで検出した二次側電圧の計測値との差の絶対値を二次側電圧の変化量として順次求め、タップ切り換え時の一次側電圧の変化量及び二次側電圧の変化量が求まる毎に、両者の変化量の差を電圧変化量差として演算して、この電圧変化量差の大小関係から、系統の状態を判定する。しかしながら、このような判定方法では、系統の負荷変動によりSVRの一次側電圧及び二次側電圧が変動した場合に、判定を誤ることがあった。
一例として、SVRの一次側が電源変電所に接続されている状態でSVRの二次側で系統に分散電源が連係したことに起因して電力の逆潮流が生じている状態で、SVRの二次側電圧を下降させる方向にタップを切り換えた場合を例にとって、誤判定が生じる理由につき説明する。
図5(A)は、SVRの一次側電圧及び二次側電圧を計測する期間を定める計測指令信号で、この信号は、計測期間Ta とそれ以外の期間とで異なるレベルを示す矩形波信号である。計測期間Ta は、SVRがタップ切換動作を行う期間を含むように設定される。通常SVRのタップ切換装置は、タップ切換指令が与えられたときにモータにより駆動軸を回転させて、該駆動軸が所定の角度回転する間に、調整変圧器のタップを切り換えるために必要な一連の動作を行わせる。上記計測期間は例えば、タップ切換指令が与えられたタイミングで始まり、調整変圧器のタップが新たなタップに切り換えられた後、更に一定の時間が経過したタイミングで終了するように設定される。
図5(B)及び(C)はそれぞれ分散電源が連係したことに起因してSVRで電力の逆潮流が起こっている状態で、SVRの二次側電圧を降圧させる方向にタップを切り換えた際に生じるSVRの一次側電圧の変化及び二次側電圧の変化を示したものである。SVRの一次側が変電所に接続されていて、二次側で分散電源が連係したことよりSVRを通して逆方向に電力が潮流している状態でSVRの二次側電圧を下降させる方向にタップを切り換えたときには、図5(B)に実線で示したように、一次側電圧はほとんど変化しないが、二次側電圧は、同図(C)に実線で示したように、タップ切換時にほぼステップ状に下降する。図5(C)に符号aで示した電圧変化がタップ切換の際に二次側電圧に生じる変化である。SVRで電力の逆潮流が検出されている状態で、このタップ切換時の二次側電圧の変化量が、一次側電圧の変化量よりも大きいことが検出されたときに、その電力の逆潮流の原因が、SVRの二次側で系統に分散電源が連係したことにあると判定することができる。
従来の方法では、計測指令信号が発生するタイミングt1を最初の検出タイミングとして、一定の時間毎に発生する検出タイミングt1,t2,t3,…,tnでSVRの一次側電圧V11,V12,…,V1n及び二次側電圧V21,V22,…,V2nを検出し、各検出タイミングtk(k=3,4,…,n)で検出した一次側電圧の計測値と、2つ前の検出タイミングtk-2で検出した一次側電圧の計測値との差の絶対値を一次側電圧の変化量ΔV1k=|V1k-2 −V1k|として順次求める。同様に、各検出タイミングで検出した二次側電圧の計測値と、2つ前の検出タイミングで検出した二次側電圧の計測値との差の絶対値を二次側電圧の変化量ΔV2k=|V2k-2 −V2k|として順次求め、一次側電圧の変化量ΔV1k及び二次側電圧の変化量ΔV2kが演算される毎に、一次側電圧の変化量と二次側電圧の変化量との差ΔVk=ΔV1k−ΔV2kを電圧変化量差として求めて、この電圧変化量差ΔVkの符号が正であるか負であるかを判別する。その結果、電圧変化量差ΔVkが正でその絶対値がしきい値以上であることが検出されたときに、系統切換に起因してSVRで電力の逆潮流が生じていると判定する。また、電圧変化量差ΔVkが負で、その絶対値がしきい値以上であることが検出されたときに、分散電源の連系に起因してSVRで電力の逆潮流が生じていると判定する。
図5に示した例において、一次側電圧及び二次側電圧がそれぞれ図に実線で示したように変化した場合には、検出タイミングtn-1で、ΔV1n-1=|V1n-3 −V1n-1|、ΔV2n-1=|V2n-3 −V2n-1|が演算され、ΔVn-1=ΔV1n-1 − ΔV2n-1<0であると判定されるため、検出タイミングtn-1で、分散電源の連係に起因して電力の逆潮流が生じていると判定することができる。
しかしながら、SVRの調整変圧器でタップ切換が行われた際にたまたま系統の負荷変動により、図5に波線で示したようにSVRの一次側電圧及び二次側電圧が変動した場合には、ΔVn-1=ΔV1n-1 − ΔV2n-1>0となるため、系統切換に起因して電力の逆潮流が生じているとの誤った判定がされることになる。
本発明の目的は、配電系統に設置された自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが検出されたときにその原因を正確に判定することができるようにした配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法及びこの方法を実施するために用いる逆潮流原因判定装置を提供することにある。
本発明は、配電系統に設置された負荷時タップ切換式の配電用自動電圧調整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたときに、その原因を判定する配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法を対象とする。
本発明に係る判定方法においては、配電用自動電圧調整器で電力の逆潮流が検出されたときに、該自動電圧調整器がタップ切換を行う期間を含むように設定した一定の計測期間の間、該自動電圧調整器の一次側電圧及び二次側電圧を一定の周期で発生する検出タイミングで検出して、以下の(1)ないし(5)の処理を行う。
(1)各検出タイミングから次の検出タイミングまでの期間を単位期間として、各単位期間の間に生じた一次側電圧の変化量の絶対値を各単位期間で生じた一次側電圧変化量として演算し、各単位期間の間に生じた二次側電圧の変化量の絶対値を各単位期間で生じた二次側電圧変化量として演算する電圧変化量演算処理。
(2)各単位期間と各単位期間に続いて現れるp−1個(pは2以上の整数)の単位期間とを含む連続するp個の単位期間からなる期間を積算期間Ti (iは2以上の整数)として、各積算期間に含まれるp個の単位期間でそれぞれ生じたp個の一次側電圧変化量を積算し、各積算期間に含まれるp個の単位期間でそれぞれ生じたp個の二次側電圧変化量を積算する電圧変化量積算処理。
(3)各積算期間で積算された一次側電圧変化量の積算値と二次側電圧変化量の積算値との差を電圧変化量差として演算して記憶する電圧変化量差演算処理。
(4)計測期間の間に記憶された一連の電圧変化量差の中から絶対値が最大の値をとる電圧変化量差を最大電圧変化量差として抽出する最大電圧変化量差抽出処理。
(5)抽出された最大電圧変化量差の演算に用いられた一次側電圧変化量の積算値が最大電圧変化量差の演算に用いられた二次側電圧変化量の積算値よりも大きいときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源から切り離されて二次側が他の系統の電源に接続されたことに起因して前記電力の逆潮流が生じたと判定し、最大電圧変化量差の演算に用いられた一次側電圧変化量の積算値が最大電圧変化量差の演算に用いられた二次側電圧変化量の積算値よりも小さいときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源に接続された状態で二次側に分散電源が連系したことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定する判定処理。
系統で負荷変動が生じたときには、SVRの一次側電圧も二次側電圧も同じ変化を示す。従って、上記のように、各検出タイミングから次の検出タイミングまでの期間を「単位期間」として、各単位期間の間に生じた一次側電圧及び二次側電圧の変化量を演算するとともに、各単位期間と各単位期間に続くp−1個(pは2以上の整数)の単位期間とを含む連続するp個の単位期間からなる期間を「積算期間」として、各積算期間に含まれるp個の単位期間でそれぞれ生じたp個の一次側電圧変化量及びp個の二次側電圧変化量をそれぞれ積算し、各積算期間で積算された一次側電圧変化量の積算値と二次側電圧変化量の積算値との差を「電圧変化量差」として演算すると、負荷変動に伴う一次側電圧及び二次側電圧の変化は電圧変化量差を演算する際にキャンセルされ、タップ切換により一次側電圧及び二次側電圧が変動したときに、該電圧変化量差の絶対値が最大になる。従って、上記のように、計測期間の間に演算された一連の電圧変化量差の中から絶対値が最大の値をとる電圧変化量差を最大電圧変化量差として抽出することにより、タップ切換時に生じる一次側及び二次側の電圧変化を正確に検出することができ、タップ切換時に生じた一次側電圧の変化量と二次側電圧の変化量との関係からSVRで電力の逆潮流が生じた原因を特定することができる。
本発明の好ましい態様では、各単位期間の始点となる検出タイミング及び終点となる検出タイミングでそれぞれ検出された一次側電圧の検出値の差の絶対値を各単位期間の間に生じた一次側電圧変化量として演算し、各単位期間の始点となる検出タイミング及び終点となる検出タイミングでそれぞれ検出された二次側電圧の検出値の差の絶対値を各単位期間の間に生じた二次側電圧変化量として演算することにより電圧変化量演算処理を行う。
本発明の好ましい態様では、判定処理において、最大電圧変化量差の符号から最大電圧変化量差の演算に用いられた一次側電圧変化量及び二次側電圧変化量の大小を判別する。
本発明の好ましい態様では、上記電圧変化量差演算処理において、一次側電圧変化量の積算値から二次側電圧変化量の積算値を減じることにより電圧変化量差を演算する。この場合、判定処理では、最大電圧変化量差が正であるときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源から切り離されて二次側が他の系統の電源に接続されたことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定し、最大電圧変化量差が負であるときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源に接続された状態で二次側に分散電源が連系したことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定する。
上記の判定方法を実施する配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定装置は、配電用自動電圧調整器で電力の逆潮流が検出されたときに、自動電圧調整器がタップ切換を行う期間を含むように設定した一定の計測期間の間自動電圧調整器の一次側電圧及び二次側電圧をそれぞれ一定周期で発生する検出タイミングで検出する電圧検出装置と、各検出タイミングから次の検出タイミングまでの期間を単位期間として、各単位期間の間に生じた一次側電圧の変化量の絶対値を各単位期間で生じた一次側電圧変化量として演算し、各単位期間の間に生じた二次側電圧の変化量の絶対値を各単位期間で生じた二次側電圧変化量として演算する電圧変化量演算手段と、各単位期間と各単位期間に続いて現れるp−1個(pは2以上の整数)の単位期間とを含む連続するp個の単位期間からなる期間を積算期間として、各積算期間に含まれるp個の単位期間でそれぞれ生じたp個の一次側電圧変化量を積算し、各積算期間に含まれるp個の単位期間でそれぞれ生じたp個の二次側電圧変化量を積算する電圧変化量積算手段と、各積算期間で積算された一次側電圧変化量の積算値と二次側電圧変化量の積算値との差を電圧変化量差として演算して記憶する電圧変化量差演算手段と、計測期間の間に記憶された一連の電圧変化量差の中から絶対値が最大の値をとる電圧変化量差を最大電圧変化量差として抽出する最大電圧変化量差抽出手段と、抽出された最大電圧変化量差の演算に用いられた一次側電圧変化量の積算値が最大電圧変化量差の演算に用いられた二次側電圧変化量の積算値よりも大きいときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源から切り離されて二次側が他の系統の電源に接続されたことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定し、最大電圧変化量差の演算に用いられた一次側電圧変化量の積算値が最大電圧変化量差の演算に用いられた二次側電圧変化量の積算値よりも小さいときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源に接続された状態で二次側に分散電源が連系したことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定する判定手段とを備えることにより構成される。
本発明によれば、負荷変動に伴う一次側電圧及び二次側電圧の変化をキャンセルして、タップ切換時に生じるSVRの一次側及び二次側の電圧変化を正確に検出することができるため、タップ切換時に生じた一次側電圧の変化量と二次側電圧の変化量との関係からSVRで電力の逆潮流が生じた原因を正確に特定することができる。
本発明の一実施形態のハードウェアの構成を概略的に示した構成図である。 マイクロプロセッサにより構成される各手段を含む本発明の一実施形態の構成を示したブロック図である。 SVRの構成の一例を示した結線図である。 本発明に係わる判定方法を説明するために用いる各部の信号波形図である。 従来の判定方法を説明するために用いる各部の信号波形図である。 (A)ないし(C)はそれぞれ、一般型SVRが設置された配電系統において、SVRでの電力の潮流が順方向潮流状態であるとき、系統の切換によりSVRで電力の逆潮流が生じているとき、及び分散電源の連系によりSVRで電力の逆潮流が生じているときの系統の状態を示す単線結線図を、系統の電圧分布の変化を示すグラフとともに示した説明図である。 (A)ないし(C)はそれぞれ、逆送時タップ固定型SVRが設置された配電系統において、SVRでの電力の潮流が順方向潮流状態であるとき、系統の切換によりSVRで電力の逆潮流が生じているとき、及び分散電源の連系によりSVRで電力の逆潮流が生じているときの系統の状態を示す単線結線図を、系統の電圧分布の変化を示すグラフとともに示した説明図である。 系統の状態とタップ切換時の一次側電圧の変化及び二次側電圧の変化との関係をまとめて示した図表である。
先ず図4(A)ないし(C)を参照して、本発明の一実施形態に係る判定方法を説明する。図4(A)はSVRで電力の逆潮流が検出されたときに、SVRの一次側電圧及び二次側電圧を計測する期間Taを定めるために用いる計測指令信号を示している。この信号は、計測期間Ta とそれ以外の期間とで異なるレベルを示す矩形波信号であり、計測期間Ta は、SVRがタップ切換動作を行う期間を含むように設定される。通常SVRのタップ切換装置は、タップ切換指令が与えられたときにモータにより駆動軸を回転させて、該駆動軸が所定の角度回転する間に、調整変圧器のタップを切り換えるために必要な一連の動作を行わせる。この場合、上記計測期間は、タップ切換指令が与えられたタイミングで始まり、調整変圧器のタップが新たなタップに切り換えられた後、更に一定の時間が経過したタイミングで終了するように設定するのが好ましい。
図4(B)及び(C)はそれぞれ分散電源の連係に起因してSVRで電力の逆潮流が起こっている状態で、SVRの二次側電圧を降圧させる方向にタップを切り換えた際に生じるSVRの一次側電圧の変化及び二次側電圧の変化を示したものである。SVRの一次側が変電所に接続されていて、SVRを通して逆方向に電力が潮流している状態でSVRの二次側電圧を下降させる方向にタップを切り換えたときには、図4(B)に実線で示したように、一次側電圧はほとんど変化しないが、二次側電圧は、同図(C)に実線で示したように、タップ切換時にほぼステップ状に下降する。SVRのタップ切換が行われる際に系統の負荷変動が生じた場合には、図4(B)及び(C)に波線で示したように、SVRの一次側電圧及び二次側電圧が同じような変化を示す。
本実施形態に係る逆潮流判定方法では、SVRで電力の逆潮流が検出されたときに、SVRがタップ切換を行う期間を含むように設定した一定の計測期間Taの間、SVRの一次側電圧及び二次側電圧を一定の周期で発生する検出タイミングt1 ,t2 ,…,tn で検出し、各検出タイミングから次の検出タイミングまでの期間を単位期間To として、各単位期間の間に生じた一次側電圧の変化量の絶対値を各単位期間で生じた一次側電圧変化量として演算し、各単位期間の間に生じた二次側電圧の変化量の絶対値を各単位期間で生じた二次側電圧変化量として演算する電圧変化量演算処理を行う。この電圧変化量演算処理では、各単位期間の始点となる検出タイミング及び終点となる検出タイミングでそれぞれ検出された一次側電圧の検出値の差の絶対値を各単位期間の間に生じた一次側電圧変化量として演算し、各単位期間の始点となる検出タイミング及び終点となる検出タイミングでそれぞれ検出された二次側電圧の検出値の差の絶対値を各単位期間の間に生じた二次側電圧変化量として演算する。
例えば、検出タイミングt1 からt2 までの1番目の単位期間To の間に生じた一次側電圧変化量は、検出タイミングt1 で検出された一次側電圧と検出タイミングt2 で検出された一次側電圧との差の絶対値を演算することにより求め、1番目の検出タイミングt1 からt2 までの単位期間To の間に生じた二次側電圧変化量は、検出タイミングt1 で検出された二次側電圧と検出タイミングt2 で検出された二次側電圧との差の絶対値を演算することにより求める。
本実施形態の判定方法ではまた、各単位期間と各単位期間に続いて現れるp−1個(pは2以上の整数)の単位期間とを含む連続するp個の単位期間からなっていて、検出タイミングが進む毎に時間軸に沿って時間の経過方向に移動していく期間を積算期間Ti1,Ti2,…,Timとして、各積算期間に含まれるp個の単位期間でそれぞれ生じたp個の一次側電圧変化量を積算し、各積算期間に含まれるp個の単位期間でそれぞれ生じたp個の二次側電圧変化量を積算する電圧変化量積算処理を行う。
また各積算期間で一次側電圧変化量の積算値及び二次側電圧変化量の積算値が演算される毎に、演算された一次側電圧変化量の積算値と二次側電圧変化量の積算値との差を電圧変化量差として演算して記憶する電圧変化量差演算処理を行う。
そして、計測期間Taに含まれるすべての積算期間で電圧変化量差を演算した後、計測期間Taの間に記憶された一連の電圧変化量差の中から絶対値が最大の値をとる電圧変化量差を最大電圧変化量差として抽出する最大電圧変化量差抽出処理を行い、抽出された最大電圧変化量差を用いて判定処理を行う。
判定処理では、抽出された最大電圧変化量差の演算に用いられた一次側電圧変化量の積算値が最大電圧変化量差の演算に用いられた二次側電圧変化量の積算値よりも大きいときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源から切り離されて二次側が他の系統の電源に接続されたことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定し、最大電圧変化量差の演算に用いられた一次側電圧変化量の積算値が最大電圧変化量差の演算に用いられた二次側電圧変化量の積算値よりも小さいときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源に接続された状態で二次側に分散電源が連系したことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定する。
上記の判定処理は、最大変化量差の符号を判別することにより簡単に行うことができる。例えば、電圧変化量差演算処理において、一次側電圧変化量の積算値から二次側電圧変化量の積算値を減じることにより電圧変化量差を演算する場合には、最大電圧変化量差が正であるときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源から切り離されて二次側が他の系統の電源に接続されたことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定することができ、最大電圧変化量差が負であるときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源に接続された状態で二次側に分散電源が連系したことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定することができる。
SVRがタップ切換を行った際にたまたま系統で負荷変動が生じたときには、SVRの一次側電圧及び二次側電圧が図4(B)及び(C)に波線で示したような変化を示すが、上記のように、検出タイミングが進む毎に移動していく積算期間Ti1,Ti2,…,Timにそれぞれ含まれるp個の単位期間でそれぞれ生じたp個の一次側電圧変化量及びp個の二次側電圧変化量をそれぞれ積算し、各積算期間で積算された一次側電圧変化量の積算値と二次側電圧変化量の積算値との差を「電圧変化量差」として演算するようにすると、電圧変化量差を演算する際に負荷変動に伴う一次側電圧及び二次側電圧の変化をキャンセルすることができ、タップ切換により一次側電圧及び二次側電圧が変動したときに、該電圧変化量差の絶対値が最大になる。従って、上記のように、計測期間の間に演算された一連の電圧変化量差の中から絶対値が最大の値をとる電圧変化量差を最大電圧変化量差として抽出することにより、タップ切換時に生じる一次側及び二次側の電圧変化を正確に検出することができ、図8に示されたような、タップ切換時に生じる一次側電圧の変化量と二次側電圧の変化量との関係からSVRで電力の逆潮流が生じた原因を正確に特定することができる。
図1は、本発明の判定方法を実施する判定装置のハードウェアの構成を概略的に示したものである。同図において2はSVR、4は一端が図示しない変電所のトランスに開閉器を介して接続され、他端がSVRの一次側に接続されたU,V,W三相の一次側配電線である。また5は一端がSVR2の二次側に接続され、他端が開閉器を介して他の系統の配電線に接続されたU,V,W三相の二次側配電線である。
SVR2は、例えば図3に示すように構成される。図3において、2Aはタップa1 〜a9 を有する単巻変圧器からなる調整変圧器、2Bは調整変圧器のタップを切り換える負荷時タップ切換装置である。調整変圧器2Aの一次側には負荷時タップ切換装置2Bを通して配電線4の電圧が入力されている。また調整変圧器2Aの二次側は配電線5に接続されている。2CはSVRの二次側の電圧V1 を検出する計器用変圧器(PT)、2Dは二次側電圧を目標電圧に保つようにタップ切換装置2Bにタップ切換指令を与える電圧調整継電器(90リレー)、2Eは電圧調整継電器2Dに対して直列に接続された線路電圧降下補償器(LDC)で、電圧調整継電器2Dと線路電圧降下補償器2Eとの直列回路が計器用変圧器2Cの出力端子間に接続されている。LDC2Eには、二次側の配電線5を流れる負荷電流IL を検出する変流器(CT)2Fの出力が入力されている。V1及びV2はそれぞれSVRの一次側電圧及び二次側電圧である。
図3に示したSVRにおいては、電圧調整継電器2Dが計器用変圧器2Cの出力電圧VL'から二次側電圧V2 を検出して、一次側配電線4側から二次側配電線5側に電力が送られているとき(電力順送時)に二次側電圧V2 を目標電圧に保つようにタップ切換装置2Bにタップ切換指令を与える。タップ切換装置2Bは、電圧調整継電器2Dから与えられるタップ切換指令に応じて調整変圧器2Aのタップを切り換えて、SVRの二次側電圧V2 を目標電圧に保つように(二次側電圧V2 と目標電圧との差を許容範囲に収めるように)調整する。
即ち、電力順送時に二次側電圧V2 が目標電圧よりも低くなったときには電圧調整継電器2Dが昇圧指令を発生し、これにより調整変圧器2Aのタップを昇圧側に切り換えて二次側電圧V2 と目標電圧との差を許容範囲以下にするように電圧を調整する。また二次側電圧V2 が目標電圧を超えたときには電圧調整継電器2Dが降圧指令を発生し、これにより調整変圧器2Aのタップを降圧側に切り換えて二次側電圧と目標電圧との差を許容範囲以下とするように電圧を調整する。
線路電圧降下補償器2Eは、配電線5の線路インピーダンスを模擬した抵抗とリアクタンスとから成っていて、該抵抗及びリアクタンスにCT2Fの出力電流ILDC が流れるように設けられている。線路電圧降下補償器2Eの両端には、線路インピーダンスによる電圧降下に比例した電圧降下VLDC が生じる。このとき電圧調整継電器2Dに加わる電圧V90はV2 −VLDC となり、線路電圧降下補償器2Eが挿入されていない場合に比べて、VLDCだけ低くなる。そのため電圧調整継電器2Dは、調整変圧器2Aのタップを線路電圧降下VLDC 分だけ昇圧側に切り換えるように負荷時タップ切換装置2Bにタップ切換指令を与えて、線路インピーダンスによる電圧降下を補償する。
図1において、10はSVRの二次側に設けられてW相電流と位相が反転されたU相電流とが入力された変流器、11は変流器10の出力が入力された逆電力継電器で、変流器10と逆電力継電器11とにより電力逆潮流検出装置12が構成されている。13及び14はそれぞれSVRのU,W相間から一次側電圧V1 及び二次側電圧V2 を検出する計器用変圧器(PT)である。計器用変圧器13及び14から得られる一次側電圧及び二次側電圧の検出信号はそれぞれ負担抵抗などを備えた一次側電圧検出回路15及び16を通して第1及び第2のA/D変換器17及び18に入力されてデジタル信号に変換される。19は電力逆潮流検出装置12が電力の逆潮流を検出している状態で、SVRのタップ切換装置がタップ切換を行う際に計測指令信号を発生する計測指令信号発生手段である。計測指令信号発生手段19は、タップ切換指令が与えられたタイミングで立ち上がり、調整変圧器のタップが新たなタップに切り換えられた後、更に一定の時間が経過したタイミングで立ち下がる矩形波状の計測指令信号を発生する。第1及び第2のA/D変換器17及び18から得られるデジタル信号は、電力逆潮流検出装置12の出力及び計測指令信号発生手段19の出力とともにマイクロプロセッサ20に入力されている。
マイクロプロセッサ20は、所定のプログラムを実行することにより、種々の機能を果たす手段を構成する。図2は、マイクロプロセッサ20により構成される手段を含む本実施形態に係る判定装置の構成を示したものである。本実施形態では、電力逆潮流検出装置12がSVRで電力の逆潮流が生じたことを検出しているときに、SVR2がタップ切換(調整動作)を行う期間を含むように設定した一定の計測期間Taの間、計器用変圧器13が検出したSVRの一次側電圧V1の検出値をデジタル値に変換する第1のA/D変換器17の出力を、一定の時間間隔で発生する検出タイミングt1,t2,…,tn で検出してホールドする第1のサンプルホールド手段21と、電力逆潮流検出装置12が電力の逆潮流が生じたことを検出しているときに、上記計測期間Taの間、計器用変成器14が検出したSVRの二次側電圧V2 の検出値をデジタル値に変換する第2のA/D変換器18の出力を上記検出タイミングt1,t2,…,tn で検出してホールドする第2のサンプルホールド手段22とがマイクロプロセッサ20により構成されている。
本実施形態では、計器用変圧器13,14と、一次側電圧検出回路15及び二次側電圧検出回路16と、第1のA/D変換器17及び第2のA/D変換器18と、第1のサンプルホールド手段21及び第2のサンプルホールド手段22とにより、SVR2で電力の逆潮流が生じていることが検出されたときに、SVR2がタップ切換を行う期間を含むように設定した一定の計測期間Taの間SVRの一次側電圧及び二次側電圧をそれぞれ一定周期で発生する検出タイミングで検出する電圧検出装置25が構成されている。
マイクロプロセッサ20はまた、一次側電圧変化量演算手段26と、二次側電圧変化量演算手段27とを構成する。一次側電圧変化量演算手段26は、各検出タイミングから次の検出タイミングまでの期間を単位期間Toとして、各単位期間To の始点となる検出タイミング及び終点となる検出タイミングでそれぞれ検出された一次側電圧の検出値の差の絶対値(各単位期間Toの間に生じた一次側電圧の変化量の絶対値)を各単位期間Toで生じた一次側電圧変化量として演算する。また二次側電圧変化量演算手段27は、各単位期間の始点となる検出タイミング及び終点となる検出タイミングでそれぞれ検出された二次側電圧の検出値の差の絶対値(各単位期間Toの間に生じた二次側電圧の変化量の絶対値)を各単位期間Toで生じた二次側電圧変化量として演算する。計測開始時からx番目(x=1,2,…,z)の単位期間Toで生じた一次電圧変化量をΔV1xとし、x番目の単位期間で生じた二次電圧変化量をΔV2xとする。なお、z=n−1である。
例えば、検出タイミングt1 からt2 までの1番目の単位期間To の間に生じた一次側電圧変化量ΔV11は、検出タイミングt1 で検出された一次側電圧V11と検出タイミングt2 で検出された一次側電圧V12との差の絶対値|V11−V12|を演算することにより求め、1番目の検出タイミングt1 からt2 までの単位期間To の間に生じた二次側電圧変化量は、検出タイミングt1 で検出された二次側電圧V21と検出タイミングt2 で検出された二次側電圧V22との差の絶対値|V21−V22|を演算することにより求める。本実施形態では、一次側電圧変化量演算手段26と、二次側電圧変化量演算手段27とにより電圧変化量演算手段28が構成される。
マイクロプロセッサ20は更に、一次側電圧変化量積算手段29と、二次側電圧変化量積算手段30と、電圧変化量差演算手段32と、最大電圧変化量差抽出手段34と、判定手段35とを構成する。
一次側電圧変化量積算手段29は、各単位期間Toと各単位期間に続いて現れるp−1個(pは2以上の整数)の単位期間とを含む連続するp個の単位期間からなるm個の期間を積算期間Ti1,Ti2,…,Tim(m=1,2,…,n−1)として、各積算期間に含まれるp個の単位期間Toでそれぞれ生じたp個の一次側電圧変化量を積算して一次側電圧変化量積算値ΣΔV1y(y=1,2,…,m)を演算するように構成される。また二次側電圧変化量積算手段30は、上記各積算期間に含まれるp個の単位期間Toでそれぞれ生じたp個の二次側電圧変化量を積算して二次側電圧変化量積算値ΣΔV2y(y=1,2,…,m)を演算するようにするように構成される。計測期間Taに含まれる単位期間Toの数をz(=n−1)とすると、積算期間の数mは、m=z−p−1で与えられる。
本実施形態では、20msecの間隔で、検出タイミングt1,t2,…,tnを発生させる。従って、上記単位期間Toの長さは20msecである。また本実施形態では、p=15に設定され、各積算期間Ti1,Ti2,…は300msecに設定される。
電圧変化量差演算手段32は、各積算期間で一次側電圧変化量の積算値ΣΔV1yと二次側電圧変化量の積算値ΣΔV2yとが演算される毎に、演算された一次側電圧変化量の積算値ΣΔV1yと二次側電圧変化量ΣΔV2yの積算値との差(ΣΔV1y−ΣΔV2y)を電圧変化量差ΔΣVi(i=1,2,…,m)として演算して、これらを記憶手段33に記憶する。
計測期間Taに含まれる単位期間Toの数をz(=n−1)とし、各積算期間に含まれる単位期間の数をp=15とした場合、一次側電圧変化量積算値ΣΔV11,ΣΔV12,…,ΣΔV1mは、下記の[数1]に示された式により演算される。
Figure 2013192378
また計測期間Taに含まれる単位期間Toの数をz(=n−1)とし、各積算期間に含まれる単位期間の数をp=15とした場合、二次側電圧変化量積算値ΣΔV21,ΣΔV22,…,ΣΔV2mは、下記の[数2]に示された式により演算される。
Figure 2013192378
また電圧変化量差ΣV1,ΣV2,…,ΣVmは、下記の[数3]に示された式により演算される。
Figure 2013192378
最大電圧変化量差抽出手段34は、計測期間Taの間に記憶手段33に記憶された一連の電圧変化量差ΣV1,ΣV2,…,ΣVmの中から絶対値が最大の値をとる電圧変化量差を最大電圧変化量差ΣΔVimaxとして抽出する。
判定手段35は、最大電圧変化量差抽出手段34により抽出された最大電圧変化量差ΣΔVimaxの演算に用いられた一次側電圧変化量の積算値が最大電圧変化量差ΔVimax の演算に用いられた二次側電圧変化量の積算値よりも大きいときにSVRの一次側が系統の電源変電所から切り離されて二次側が他の系統の電源変電所に接続されたことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定し、最大電圧変化量差ΔVimaxの演算に用いられた一次側電圧変化量の積算値が最大電圧変化量差ΔVimaxの演算に用いられ二次側電圧変化量の積算値よりも小さいときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源に接続された状態で二次側に分散電源が連系したことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定する。
最大電圧変化量差ΣΔVimaxの演算に用いられた一次側電圧変化量と二次側電圧変化量との大小関係は、最大電圧変化量差の符号から判別することができる。例えば、電圧変化量差演算処理において、一次側電圧変化量の積算値から二次側電圧変化量の積算値を減じることにより電圧変化量差を演算する場合には、最大電圧変化量差ΔVimaxが正であるときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源から切り離されて二次側が他の系統の電源に接続されたことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定し、最大電圧変化量差ΔVimaxが負であるときには、自動電圧調整器の一次側が系統の電源に接続された状態で二次側に分散電源が連系したことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定することができる。
また、電圧変化量差演算処理において、二次側電圧変化量の積算値から一次側電圧変化量の積算値を減じることにより電圧変化量差を演算する場合には、最大電圧変化量差ΔVimaxが負であるときに自動電圧調整器の一次側が系統の電源から切り離されて二次側が他の系統の電源に接続されたことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定し、最大電圧変化量差ΔVimaxが正であるときには、自動電圧調整器の一次側が系統の電源に接続された状態で二次側に分散電源が連系したことに起因して電力の逆潮流が生じたと判定することができる。
上記の実施形態では、各積算期間で一次側電圧変化量の積算値と二次側電圧変化量の積算値とが演算される毎に一次側電圧変化量の積算値と二次側電圧変化量の積算値との差を電圧変化量差として演算するようにしたが、各積算期間で演算された一次側電圧変化量の積算値と二次側電圧変化量の積算値とを記憶させておいて、計測期間Taに含まれるすべての積算期間で一次側電圧変化量の積算値と二次側電圧変化量の積算値とを演算した後に、各積算期間で演算された一次側電圧変化量の積算値と二次側電圧変化量の積算値との差を演算するようにしても良い。
本発明は、太陽光発電設備や風力発電設備のような分散電源が連係する配電系統において、SVRで電力の逆潮流が生じたときに、その原因が系統切換にあるのか、分散電源の連係にあるのかを正確に特定できるため、SVRで電力の逆潮流が生じたときに、SVRの動作モードを系統の状態に適したモードに切換えるための情報を適確に得ることができる。従って、分散電源が連係する配電系統に設置されるSVRに適用することにより、当該SVRの動作を適確に行わせて、系統の安定化に寄与することができる。
1 系統の電源変電所
2 SVR
3 変電所の開閉器
4 一次側配電線
5 二次側配電線
6 他系統の配電線
7 他系統との間に設けられた開閉器
10 変流器
11 逆電力継電器
12 電力逆潮流検出装置
13 計器用変圧器
14 計器用変圧器
15 一次側電圧検出回路
16 二次側電圧検出回路
17 第1のA/D変換器
18 第2のA/D変換器
19 計測指令信号発生手段
20 マイクロプロセッサ
21 第1のサンプルホールド手段
22 第2のサンプルホールド手段
25 電圧検出装置
26 一次側電圧変化量演算手段
27 二次側電圧変化量演算手段
28 電圧変化量演算手段
29 一次側電圧変化量積算手段
30 二次側電圧変化量積算手段
31 電圧変化量積算手段
32 電圧変化量差演算手段
33 記憶手段
34 最大変化量差抽出手段
35 判定手段

Claims (4)

  1. 配電系統に設置された負荷時タップ切換式の配電用自動電圧調整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたときに、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法において、
    前記配電用自動電圧調整器で電力の逆潮流が検出されたときに、該自動電圧調整器がタップ切換を行う期間を含むように設定した一定の計測期間の間、該自動電圧調整器の一次側電圧及び二次側電圧を一定の周期で発生する検出タイミングで検出し、
    各検出タイミングから次の検出タイミングまでの期間を単位期間として、各単位期間の間に生じた前記一次側電圧の変化量の絶対値を各単位期間で生じた一次側電圧変化量として演算し、各単位期間の間に生じた前記二次側電圧の変化量の絶対値を各単位期間で生じた二次側電圧変化量として演算する電圧変化量演算処理と、
    各単位期間と各単位期間に続いて現れるp−1個(pは2以上の整数)の単位期間とを含む連続するp個の単位期間からなる期間を積算期間として、各積算期間に含まれるp個の単位期間でそれぞれ生じたp個の一次側電圧変化量を積算し、各積算期間に含まれるp個の単位期間でそれぞれ生じたp個の二次側電圧変化量を積算する電圧変化量積算処理と、
    各積算期間で積算された一次側電圧変化量の積算値と二次側電圧変化量の積算値との差を電圧変化量差として演算して記憶する電圧変化量差演算処理と、
    前記計測期間の間に記憶された一連の電圧変化量差の中から絶対値が最大の値をとる電圧変化量差を最大電圧変化量差として抽出する最大電圧変化量差抽出処理と、
    抽出された最大電圧変化量差の演算に用いられた一次側電圧変化量の積算値が前記最大電圧変化量差の演算に用いられた二次側電圧変化量の積算値よりも大きいときに前記自動電圧調整器の一次側が系統の電源から切り離されて二次側が他の系統の電源に接続されたことに起因して前記電力の逆潮流が生じたと判定し、前記最大電圧変化量差の演算に用いられた一次側電圧変化量の積算値が前記最大電圧変化量差の演算に用いられた二次側電圧変化量の積算値よりも小さいときに前記自動電圧調整器の一次側が系統の電源に接続された状態で二次側に分散電源が連系したことに起因して前記電力の逆潮流が生じたと判定する判定処理と、
    を行うことを特徴とする配電用自動電圧調整器の逆潮流原因判定方法。
  2. 前記電圧変化量演算処理では、各単位期間の始点となる検出タイミング及び終点となる検出タイミングでそれぞれ検出された前記一次側電圧の検出値の差の絶対値を各単位期間の間に生じた一次側電圧変化量として演算し、各単位期間の始点となる検出タイミング及び終点となる検出タイミングでそれぞれ検出された前記二次側電圧の検出値の差の絶対値を各単位期間の間に生じた二次側電圧変化量として演算することを特徴とする請求項1に記載の配電用自動電圧調整器の逆潮流原因判定方法。
  3. 前記判定処理では、前記最大電圧変化量差の符号から前記最大電圧変化量差の演算に用いられた一次側電圧変化量及び二次側電圧変化量の大小を判別することを特徴とする請求項1又は2に記載の配電用自動電圧調整器の逆潮流原因判定方法。
  4. 配電系統に設置された負荷時タップ切換式の配電用自動電圧調整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたときに、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定装置において、
    前記配電用自動電圧調整器で電力の逆潮流が検出されたときに、前記自動電圧調整器がタップ切換を行う期間を含むように設定した一定の計測期間の間前記自動電圧調整器の一次側電圧及び二次側電圧をそれぞれ一定周期で発生する検出タイミングで検出する電圧検出装置と、
    各検出タイミングから次の検出タイミングまでの期間を単位期間として、各単位期間の間に生じた前記一次側電圧の変化量の絶対値を各単位期間で生じた一次側電圧変化量として演算し、各単位期間の間に生じた前記二次側電圧の変化量の絶対値を各単位期間で生じた二次側電圧変化量として演算する電圧変化量演算手段と、
    各単位期間と各単位期間に続いて現れるp−1個(pは2以上の整数)の単位期間とを含む連続するp個の単位期間からなる期間を積算期間として、各積算期間に含まれるp個の単位期間でそれぞれ生じたp個の一次側電圧変化量を積算し、各積算期間に含まれるp個の単位期間でそれぞれ生じたp個の二次側電圧変化量を積算する電圧変化量積算手段と、
    各積算期間で積算された一次側電圧変化量の積算値と二次側電圧変化量の積算値との差を電圧変化量差として演算して記憶する電圧変化量差演算手段と、
    前記計測期間の間に記憶された一連の電圧変化量差の中から絶対値が最大の値をとる電圧変化量差を最大電圧変化量差として抽出する最大電圧変化量差抽出手段と、
    抽出された最大電圧変化量差の演算に用いられた一次側電圧変化量の積算値が前記最大電圧変化量差の演算に用いられた二次側電圧変化量の積算値よりも大きいときに前記自動電圧調整器の一次側が系統の電源から切り離されて二次側が他の系統の電源に接続されたことに起因して前記電力の逆潮流が生じたと判定し、前記最大電圧変化量差の演算に用いられた一次側電圧変化量の積算値が前記最大電圧変化量差の演算に用いられた二次側電圧変化量の積算値よりも小さいときに前記自動電圧調整器の一次側が系統の電源に接続された状態で二次側に分散電源が連系したことに起因して前記電力の逆潮流が生じたと判定する判定手段と、
    を具備したことを特徴とする配電用自動電圧調整器の逆潮流原因判定装置。
JP2012057169A 2012-03-14 2012-03-14 配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法及び装置 Pending JP2013192378A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012057169A JP2013192378A (ja) 2012-03-14 2012-03-14 配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012057169A JP2013192378A (ja) 2012-03-14 2012-03-14 配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013192378A true JP2013192378A (ja) 2013-09-26

Family

ID=49392101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012057169A Pending JP2013192378A (ja) 2012-03-14 2012-03-14 配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013192378A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017112663A (ja) * 2015-12-14 2017-06-22 株式会社ダイヘン 電圧調整装置
JP6212229B1 (ja) * 2017-02-16 2017-10-11 株式会社ダイヘン 自動電圧調整器、及び送電方向判定装置
CN107465169A (zh) * 2017-09-13 2017-12-12 山东航海电器设备有限公司 一种数字式逆功率继电器
JP2018133982A (ja) * 2017-04-28 2018-08-23 株式会社ダイヘン 自動電圧調整器、及び送電方向判定装置
CN109038606A (zh) * 2018-08-08 2018-12-18 全球能源互联网研究院有限公司 一种有载调压变压器及统一潮流控制系统
JP7457608B2 (ja) 2020-08-27 2024-03-28 株式会社ダイヘン 電圧調整装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017112663A (ja) * 2015-12-14 2017-06-22 株式会社ダイヘン 電圧調整装置
JP6212229B1 (ja) * 2017-02-16 2017-10-11 株式会社ダイヘン 自動電圧調整器、及び送電方向判定装置
JP2018133982A (ja) * 2017-04-28 2018-08-23 株式会社ダイヘン 自動電圧調整器、及び送電方向判定装置
CN107465169A (zh) * 2017-09-13 2017-12-12 山东航海电器设备有限公司 一种数字式逆功率继电器
CN109038606A (zh) * 2018-08-08 2018-12-18 全球能源互联网研究院有限公司 一种有载调压变压器及统一潮流控制系统
CN109038606B (zh) * 2018-08-08 2024-04-02 全球能源互联网研究院有限公司 一种有载调压变压器及统一潮流控制系统
JP7457608B2 (ja) 2020-08-27 2024-03-28 株式会社ダイヘン 電圧調整装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2605083C2 (ru) Способ управления электрическим генератором
JP4850019B2 (ja) 電力系統に接続された自家発電設備における蓄電池設備および蓄電池設備の運転方法
JP2013192378A (ja) 配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法及び装置
US20160087445A1 (en) Method for feeding electrical power into an electrical supply network
EP2482415A1 (en) On-load tap changer control method, excitation control system carrying out said control method and power excitation chain
CN113261171B (zh) 电力变换系统以及电力变换装置
EP2680425A1 (en) Power conversion device
JP6762680B2 (ja) 太陽光発電システム
EP3217512A1 (en) Pumped-storage power generation control device and pumped-storage power generation control method
JP6517857B2 (ja) 電圧調整機器の電圧制御装置およびその電圧制御方法
JP2018078671A (ja) 系統電圧調整システム、系統電圧調整方法、及びプログラム
EP2945249A2 (en) Hvdc transmission system
JP5939894B2 (ja) 配電系統の電圧調整装置、電圧調整方法および電力制御システム
JP6889026B2 (ja) 電力変換装置
CA3070188C (en) Over-voltage prevention apparatus and method of distribution line connected with distributed generator
EP3301776A1 (en) Power fluctuation mitigation system
JP2014023303A (ja) 配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法及び装置
JP2003116225A (ja) 分散電源システム
JP6070077B2 (ja) 電圧制御装置及び電圧制御方法
US6847184B2 (en) Excitation controller
JP6226756B2 (ja) 電圧制御システム及び電圧制御プログラム
JP6069060B2 (ja) 自動電圧調整器の送電状態判定装置及び送電状態判定方法
JP6012492B2 (ja) 配電系統の電圧調整システム及び電圧調整方法
KR101661822B1 (ko) 신재생 에너지원의 출력 변동률 제어 시스템 및 방법
US8946946B2 (en) Converter device and method for converting electrical power