JP2013192294A - 回転電気機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータ(30)には、スロット(32)に連続、若しくは隣接する磁気障壁(36)を、同極を成す2つの磁石(34a,34b)の間に設ける。磁気障壁(36)は、対応する磁石(34a)から遠い側の端部(A)と、該対応する磁石(34a)と同極で対となる磁石(34b)における内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が、対となる磁石(34b)が最も外周側に位置する場合に、対となる磁石(34a)の磁極面と90°以下の角(θ)を成すように形成する。
【選択図】図4
Description
コイル(26)を有して磁束を発生させるステータ(20)と、磁極面に平行な方向に移動可能な大きさのスロット(32)に挿入された複数の磁石(34a,34b)を有して、2つの前記磁石(34a,34b)がV字配置された磁極が複数形成されたロータ(30)とを備えた回転電気機械において、
前記ロータ(30)には、同極を成す2つの磁石(34a,34b)の間に、前記スロット(32)に連続、若しくは隣接して、前記磁石(34a,34b)と1対1に対応する磁気障壁(36)が設けられ、
前記磁気障壁(36)は、対応する磁石(34a)から遠い側の端部(A)と、該対応する磁石(34a)と同極で対となる磁石(34b)における内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が、前記対となる磁石(34b)が最も外周側に位置する場合に、前記対となる磁石(34a)の磁極面と90°以下の角(θ)を成すように形成されていることを特徴とする。
第1の発明の回転電気機械において、
隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、磁極面が内周側に鋭角に開く角度を成すことを特徴とする。
第1又は第2の発明の回転電気機械において、
前記ステータ(20)には、集中巻方式で前記コイル(26)が巻回されていることを特徴とする。
第1から第3の発明の何れかの回転電気機械において、
前記コイル(26)は、脈動する直流を交流に変換するインバータ回路(60)から給電されることを特徴とする。
第1から第4の発明の何れかの回転電気機械において、
同極でV字を成す2つの磁石(34a,34b)が成す角(θm)は90°以上であり、
前記磁気障壁(36)は、前記V字の内角側に延びていることを特徴とする。
第1から第4の発明の何れかの回転電気機械において、
同極を成す2つの磁石(34a,34b)が成す角(θm)は90°以下であることを特徴とする。
本発明の回転電気機械の一例としてモータを説明する。図4は、本発明の実施形態1に係るモータ(10)の横断面図である。このモータ(10)は、例えば空気調和機(図示は省略)の電動圧縮機に用いる。
モータ(10)は、図4に示すように、ステータ(20)、ロータ(30)、及び駆動軸(40)を備え、前記電動圧縮機のケーシング(50)に収容されている。なお、以下の説明において、軸方向とは駆動軸(40)の軸心の方向をいい、径方向とは前記軸心と直交する方向をいう。また、外周側とは前記軸心からより遠い側をいい、内周側とは前記軸心により近い側をいう。
ステータ(20)は、図4に示すように、円筒状のステータコア(21)と、コイル(26)とを備えている。
ロータ(30)は、ロータコア(31)、及び複数の永久磁石(34a,34b)(以下単に磁石という)を備え、円筒状である。この例では、ロータ(30)は、6つの磁極が形成されている。ロータ(30)では、2つの磁石(34a,34b)でひとつの磁極を構成している。それぞれの磁極の磁石(34a,34b)は、外周側が開いたV字状に配置されている。この実施形態では、同極の磁石(34a,34b)がなす角(θm)は、90°以上である。また、隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、磁極面が互いに平行でない。詳しくは、図4の例では、磁極(P1)の磁石(34b)と、磁極(P2)の磁石(34a)とは、内周側に鋭角に開く角度を成している。
それぞれの空隙(36)は、ロータコア(31)を貫通する孔であり、磁気障壁として機能する(以下、これらの空隙(36)を磁気障壁とも呼ぶ)。磁気障壁(36)は、磁石用スロット(32)の外周端空隙(32b)との隙間が、電磁鋼板を打ち抜き可能な最小幅となるように、磁石用スロット(32)に近接させてある。具体的には、前記隙間の大きさ(幅(Wb)とする)は、電磁鋼板の板厚と同等、若しくは板厚の1.5倍程度である。なお、幅(Wb)は、外周端空隙(32b)の最外周とロータコア(31)の最外周との間に形成されるブリッジ(31a)(図5を参照)と同等の幅に設定することもできる。
本実施形態では、端部(A)と内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が磁石(34b)の磁極面と90°以下の角(θ)を成すように、磁気障壁(36)を設けてあるので、磁石(34b)の磁極面と成す角が90°を超えるような磁束は、磁気障壁(36)によって遮蔽される。また、磁石用スロット(32)の外周端空隙(32b)と磁気障壁(36)との隙間は、ステータ(20)からの磁束が通過できないように設定してある。したがって、本実施形態では、外周端空隙(32b)と磁気障壁(36)との間に隙間があっても、磁石(34b)には、内周側に該磁石(34b)を引き寄せる方向の力が作用することはない。なお、本実施形態では、隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、磁極面が内周側に鋭角に開く角度を成している。そのため、隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、互いに引き合うことによって、外周方向への力が作用する。すなわち、隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)には、遠心力と同方向の力が働いている。
以上のとおり、磁気障壁(36)の作用によって、ステータ(20)からの磁束は、磁石(34b)を内周側に引き寄せるようには働かない。したがって、本実施形態では、起動時などの遠心力が働かない、若しくは小さい場合にも、磁石(34a,34b)を正規の位置(ツメ(37a)に当接する位置)に確実に固定できる。
図7は、本発明の実施形態2に係るロータ(30)の横断面図である。この実施形態でも、それぞれの磁極の磁石(34a,34b)は、外周側が開いたV字状に配置されている。同極の2つの磁石(34a,34b)がなす角(θm)は、90°以下である。隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、磁極面が内周側に鋭角に開く角度を成している。
なお、ロータ(30)の磁極の数は例示である。
20 ステータ
26 コイル
30 ロータ
32 磁石用スロット(スロット)
34a 磁石
34b 磁石
36 空隙(磁気障壁)
60 インバータ回路
Claims (6)
- コイル(26)を有して磁束を発生させるステータ(20)と、磁極面に平行な方向に移動可能な大きさのスロット(32)に挿入された複数の磁石(34a,34b)を有して、2つの前記磁石(34a,34b)がV字配置された磁極が複数形成されたロータ(30)とを備えた回転電気機械において、
前記ロータ(30)には、同極を成す2つの磁石(34a,34b)の間に、前記スロット(32)に連続、若しくは隣接して、前記磁石(34a,34b)と1対1に対応する磁気障壁(36)が設けられ、
前記磁気障壁(36)は、対応する磁石(34a)から遠い側の端部(A)と、該対応する磁石(34a)と同極で対となる磁石(34b)における内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が、前記対となる磁石(34b)が最も外周側に位置する場合に、前記対となる磁石(34a)の磁極面と90°以下の角(θ)を成すように形成されていることを特徴とする回転電気機械。 - 請求項1の回転電気機械において、
隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、磁極面が内周側に鋭角に開く角度を成すことを特徴とする回転電気機械。 - 請求項1又は請求項2の回転電気機械において、
前記ステータ(20)には、集中巻方式で前記コイル(26)が巻回されていることを特徴とする回転電気機械。 - 請求項1から請求項3の何れかの回転電気機械において、
前記コイル(26)は、脈動する直流を交流に変換するインバータ回路(60)から給電されることを特徴とする回転電気機械。 - 請求項1から請求項4の何れかの回転電気機械において、
同極でV字を成す2つの磁石(34a,34b)が成す角(θm)は90°以上であり、
前記磁気障壁(36)は、前記V字の内角側に延びていることを特徴とする回転電気機械。 - 請求項1から請求項4の何れかの回転電気機械において、
同極を成す2つの磁石(34a,34b)が成す角(θm)は90°以下であることを特徴とする回転電気機械。
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