JP7256432B1 - 回転子、モータ、圧縮機および空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1~図4に示されるように、回転子10は、主として、回転子コア20、端板30、永久磁石40、および締結具50を有する。図1では、永久磁石40が省略されている。回転子10には、シャフト60を取り付けるためのシャフト貫通孔11が形成されている。
回転子コア20は、複数の電磁鋼板が積層して形成されている。回転子コア20は、円柱形状を有する。回転子コア20は、その円柱形状の円形の2つの面の中心を通る回転軸Cを有する。回転子コア20には、主として、1つのシャフト収容孔21、複数の磁石収容孔22、複数の締結具収容孔23、および、複数の磁束バリア24が形成されている。シャフト収容孔21、磁石収容孔22、および締結具収容孔23は、回転軸Cに沿って回転子コア20を貫く。
端板30は、永久磁石40が磁石収容孔22から外れることを抑制するための部材である。図4に示されるように、回転子コア20の上面25および下面26に、それぞれ、1枚の端板30が取り付けられている。端板30の材質は、ステンレス鋼やアルミニウム等の非磁性体である。
永久磁石40は、回転子コア20を着磁する。永久磁石40は、回転軸Cに沿って見た場合に、全体として、回転子10の内側に向かって凸となるU字形状を有する。以下において、回転軸Cに沿って見た場合に、永久磁石40の長手方向における両端部を減磁部40aと呼ぶ。永久磁石40は、一対の減磁部40aを有する。減磁部40aは、回転子10の外周面10aの近傍に位置し、回転子10の外側からの磁界による減磁の影響を受けやすい箇所である。
締結具50は、回転子コア20と、2枚の端板30とを相互に固定する。締結具50は、例えば、リベット、ボルト、およびナットである。締結具50は、回転子コア20の上面25側の端板30の締結具開口33、回転子コア20の締結具収容孔23、および、回転子コア20の下面26側の端板30の締結具開口33、を通るように配置される。その後、締結具50の下端をかしめる等の方法によって、回転子コア20と、2枚の端板30とが相互に固定される。
磁束バリア24は、回転軸Cに沿って見た場合に、永久磁石40の一対の減磁部40aの間に位置している。具体的には、回転軸Cに沿って見た場合に、それぞれの永久磁石40において、第1磁石41の減磁部40aの近傍に1つの磁束バリア24が形成され、第2磁石42の減磁部40aの近傍に1つの磁束バリア24が形成されている。それぞれの永久磁石40において、第1磁石41の減磁部40aと、第2磁石42の減磁部40aとの間には、2つの磁束バリア24が形成されている。
・半径R:回転子10の円筒形状の半径、言い換えると、回転軸Cと外周面10aとの間の距離(図1)。
・寸法L:回転軸Cに沿って見た場合に、減磁部40aが延びる第1方向Dにおける磁束バリア24の寸法(図5)。
・寸法H:回転軸Cに沿って見た場合に、減磁部40aの磁化方向(回転子10の周方向)における磁束バリア24の寸法(図5)。
図8に示されるように、モータ100は、主として、回転子10と、固定子70とを有する。回転子10は、回転軸Cの周りに回転可能に設けられる。回転子10のシャフト貫通孔11には、円柱形状のシャフト60が焼き嵌めによって固定されている。固定子70は、回転子10の外側において、回転子10を囲むように配置される。回転子10と固定子70との間には隙間が形成される。固定子70は、主として、固定子コア71と、コイル72とを有する。
圧縮機200は、冷凍装置に用いられる。冷凍装置は、例えば、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、建物等の室内の冷房および暖房を行うことが可能な空気調和装置である。空気調和装置は、例えば、本実施形態の圧縮機200と、四方切替弁と、室外熱交換器と、膨張機構と、室内熱交換器とが接続される冷媒回路を備える。この場合、圧縮機200、四方切替弁、室外熱交換器および膨張機構は、空気調和装置の室外機に搭載され、室内熱交換器は、空気調和装置の室内機に搭載される。四方切替弁は、冷房運転時の冷媒回路と、暖房運転時の冷媒回路とを切り替える。冷房運転時では、室外熱交換器は放熱器(凝縮器)として機能し、室内熱交換器6は吸熱器(蒸発器)として機能する。暖房運転時では、室外熱交換器4は吸熱器として機能し、室内熱交換器6は放熱器として機能する。圧縮機200は、空気調和装置のような冷凍装置の冷媒回路を循環する冷媒を圧縮する。圧縮機200は、例えば、回転式の圧縮機、または、スクロール式の圧縮機である。
永久磁石が回転子の内部に埋め込まれているモータ(IPMモータ)では、永久磁石として、例えば、フェライト磁石または希土類磁石が用いられる。しかし、フェライト磁石は、希土類磁石と比較して磁力が小さい。そのため、フェライト磁石を用いる場合、モータの性能を向上させるために、図10に示されるように、磁石の表面積が大きくなるような電磁構造が採用される。図10は、図5と同様の断面図であり、回転子10の磁石収容孔22に収容され、略U字形状を有する永久磁石140が示されている。永久磁石140は、2つの平板状磁石141と、1つの湾曲磁石142とから構成される。平板状磁石141は、回転子10の外側から内側に向かって延びる。湾曲磁石142は、回転子10の内側に向かって凸となる形状を有する。湾曲磁石142の両端部は、各平板状磁石141の内側の端部と接触している。
(5-1)第1変形例
磁束バリア24の変形例について、図面を参照しながら説明する。本変形例では、磁束バリア24は孔である。図12に示されるように、回転軸Cに沿って見た場合に、回転子10の外側における磁束バリア24の周方向の寸法H1は、回転子10の内側における磁束バリア24の周方向の寸法H2よりも長い。言い換えると、磁束バリア24の周方向の寸法は、第1方向Dにおいて一定ではなく、回転子10の外側から内側に向かって徐々に短くなる。
実施形態および第1変形例では、磁束バリア24は孔であるが、磁束バリア24は、切り欠きであってもよい。磁束バリア24が切り欠きである場合、図13および図14に示されるように、磁束バリア24は、第1方向Dにおいて、回転子コア20の外側の表面まで延びている。図13に示される磁束バリア24は、図5に示される実施形態の磁束バリア24を、回転子コア20の外側の表面まで延長することで形成される切り欠きである。図14に示される磁束バリア24は、図12に示される第1変形例の磁束バリア24を、回転子コア20の外側の表面まで延長することで形成される切り欠きである。本変形例の磁束バリア24も、実施形態および第1変形例の磁束バリア24と同じ関係式を満たす。本変形例の磁束バリア24は、実施形態の磁束バリア24と同様の効果を有する。
実施形態では、永久磁石40は、第1磁石41と第2磁石42と第3磁石43とから構成される。しかし、永久磁石40は、第1磁石41と第2磁石42と第3磁石43とが一体となった1つの磁石から構成されてもよい。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
10a :回転子の外周面
20 :回転子コア(コア)
22 :磁石収容孔(第2空間)
24 :磁束バリア(第1空間)
40 :永久磁石(磁石)
40a :減磁部(第1部)
41 :第1磁石
42 :第2磁石
43 :第3磁石
70 :固定子
100 :モータ
200 :圧縮機
C :回転軸
Claims (10)
- 回転軸(C)の周りに回転可能に設けられる、モータの回転子であって、
前記回転軸に沿って見た場合に前記回転子の外周面(10a)の近傍に配置される第1部(40a)を有する磁石(40)と、
前記回転軸に沿って見た場合に前記第1部の近傍に配置される孔または切り欠きである第1空間(24)を形成するコア(20)と、
を備え、
前記第1部の磁化方向は、前記回転子の周方向を向いており、
前記回転子は、半径Rの円筒形状を有し、
前記回転軸に沿って見た場合に前記第1部が延びる第1方向における前記第1空間の寸法をLとする場合、0<L/R≦0.08の関係式を満たし、
前記第1空間の長手方向は、前記第1方向であり、
前記回転軸に沿って見た場合に、前記回転子の径方向において、前記第1空間の前記外周面の側の端部の位置は、前記第1部の前記外周面の側の端部の位置と同じである、
回転子(10)。 - 前記磁石は、前記回転軸に沿って見た場合に前記回転子の内側に向かって凸となる形状を有し、
前記第1空間は、前記磁石の両端部である一対の前記第1部の間に位置している、
請求項1に記載の回転子。 - 前記磁石は、
前記回転軸に沿って見た場合に前記回転子の内側から外側に向かって延び、かつ、平板状である、第1磁石(41)および第2磁石(42)と、
前記第1磁石の前記内側の端部と、前記第2磁石の前記内側の端部との間に配置され、かつ、前記回転軸に沿って見た場合に前記内側に向かって凸となる形状を有する第3磁石(43)と、
を有し、
前記第1空間は、前記第1磁石および前記第2磁石の前記外周面の側の端部である一対の前記第1部の間に位置している、
請求項1に記載の回転子。 - 前記磁石は、フェライト磁石である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の回転子。 - 前記回転軸に沿って見た場合に、前記回転子の外側における前記第1空間の前記周方向の寸法は、前記回転子の内側における前記第1空間の前記周方向の寸法よりも長い、
請求項1から3のいずれか1項に記載の回転子。 - 前記コアは、前記回転軸に沿って見た場合に、前記磁石が挿入される第2空間(22)を形成し、
前記回転軸に沿って見た場合に、前記第1空間と前記第2空間との間の距離は、ゼロより大きい、
請求項1から3のいずれか1項に記載の回転子。 - 前記回転軸に沿って見た場合に、前記回転子の径方向において、前記第1空間の前記外周面の側の端部の位置は、前記第2空間の前記外周面の側の端部の位置と同じである、
請求項6に記載の回転子。 - 固定子(70)と、
請求項1から3のいずれか1項に記載の回転子と、
を備える、
モータ(100)。 - 請求項8に記載のモータを備える、
圧縮機(200)。 - 請求項9に記載の圧縮機を備える、
空気調和装置。
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