JP6003113B2 - 回転電気機械 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電気機械に関し、特に、ロータ構造に係るものである。
埋め込み磁石形モータは、ロータコアの内部に永久磁石が埋設されている。このようなモータでは、ロータコアに設けられたスロットと磁石とのクリアランスによっては、磁石がロータコア内部で動く可能性がある。これに対しては、スロットに爪を設ける等、ロータコアの一部で磁石を抑える技術が多数提案されている(例えば特許文献1を参照)。また、スロットに分割した磁石を設けて互いに反発しあう力を働かせることで、磁石を固定する例もある(例えば特許文献2を参照)。
特開平9−322449号公報 特開2007−174776号公報
しかしながら、起動時等の大きな電機子電流による吸引力が反発力に勝るときには、磁石が動いてしまうことがありえる。例えば、反発力と遠心力が同方向に働くV字型に磁石を埋め込んだロータ(図1を参照)においては、通電条件やロータ位置によっては、磁石に働く力が反転する場合(反発力や遠心力とは逆方向の力が働く場合)がある。
図2は、従来のモータにおいて、無通電時に磁石(101)に働くX方向(磁極面に平行な方向)の力の変化を示す図である。同図に示すように、基本的に、磁石(101)に働く力は、磁石(102)との反発力、及び隣接する磁極との間に働く吸引力であり、X方向の力は正となる。一方、図3は、従来のモータにおいて、電流位相30°で回転させたときの磁石(101)に働くX方向の力の変化を示す図である。同図に示すように、ロータの位置によっては、磁石(101)に働くX方向の力が負となる場合がある。
図1は、従来のモータにおける磁束線の解析例を示す図である。同図に示したロータ位置では、磁束線が−X方向に傾斜して、磁束線と磁石(101)の磁極面の成す角(θ)が90°を超えている。このロータ位置で、磁石(101)からの磁束がティース部(103)に流れると、磁石(101)には−X方向の力が働くことになる。つまり、この運転条件においては、磁石(101)がスロット内で動く可能性がある。特に、起動時の低速運転時においては、遠心力が磁石(101)等に働かないので、磁石がスロット内で動く可能性はより大きくなる。
本発明は前記の問題に着目してなされたものであり、2つの永久磁石がV字配置された磁極が複数形成されたロータを有する回転電気機械において、磁石を確実に固定できるようにすることを目的としている。
前記の課題を解決するため、第1の発明は、
コイル(26)を有して磁束を発生させるステータ(20)と、磁極面に平行な方向に移動可能な大きさのスロット(32)に挿入された複数の磁石(34a,34b)を有して、2つの前記磁石(34a,34b)がV字配置された磁極が複数形成されたロータ(30)とを備えた回転電気機械において、
前記ロータ(30)には、同極を成す2つの磁石(34a,34b)の間に、前記スロット(32)に隣接して、前記磁石(34a,34b)と1対1に対応する磁気障壁(36)が設けられ、
前記磁気障壁(36)は、対応する磁石(34a)から遠い側の端部(A)と、該対応する磁石(34a)と同極で対となる磁石(34b)における内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が、前記対となる磁石(34b)が最も外周側に位置する場合に、前記対となる磁石(34a)の磁極面と90°以下の角(θ)を成すように形成され
前記ロータ(30)は、電磁鋼板が積層されて前記スロット(32)が形成されたロータコア(31)を備え、
前記スロット(32)は、前記磁石(34a,34b)を正規の位置に挿入した状態で、外周側に外周端空隙(32b)が形成され、
前記磁気障壁(36)と前記外周端空隙(32b)との隙間の幅をWb、前記磁石(34a,34b)の動作点における磁束密度をBd、前記磁石(34a,34b)の幅をWm、前記ロータコア(31)に用いる電磁鋼板の飽和磁束密度をBcとした場合に、前記磁気障壁(36)と前記外周端空隙(32b)との隙間の幅Wbは、Bd×Wm/Bc>Wbとなるように定められていることを特徴とする。
この構成では、磁気障壁(36)の端部(A)と内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が、磁石(34b)の磁極面と90°以下の角を成すように、磁気障壁(36)を設けてある。そのため、磁石(34b)の磁極面と成す角度が90°を超えるような磁束は、磁気障壁(36)によって遮蔽される。
また、第2の発明は、
第1の発明の回転電気機械において、
隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、磁極面が内周側に鋭角に開く角度を成すことを特徴とする。
この構成では、隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、互いに引き合うことによって、外周方向への力が作用する。
また、第3の発明は、
第1又は第2の発明の回転電気機械において、
前記ステータ(20)には、集中巻方式で前記コイル(26)が巻回されていることを特徴とする。
この構成では、集中巻方式でコイル(26)が巻回されたことによって、特定のティース部(23)からの磁束が磁石(34b)に集中する。
また、第4の発明は、
第1から第3の発明の何れかの回転電気機械において、
前記コイル(26)は、脈動する直流を交流に変換するインバータ回路(60)から給電されることを特徴とする。
この構成では、インバータ回路(60)への入力(直流)が脈動することによって、回転電気機械の起動時のみならず定常運転中もコイル(26)の電流等が脈動する。そのため、磁石(34b)の磁極面と成す角度が90°を超えるような磁束が生じやすくなる。
また、第5の発明は、
コイル(26)を有して磁束を発生させるステータ(20)と、磁極面に平行な方向に移動可能な大きさのスロット(32)に挿入された複数の磁石(34a,34b)を有して、2つの前記磁石(34a,34b)がV字配置された磁極が複数形成されたロータ(30)とを備えた回転電気機械において、
前記ロータ(30)には、同極を成す2つの磁石(34a,34b)の間に、前記スロット(32)に連続、若しくは隣接して、前記磁石(34a,34b)と1対1に対応する磁気障壁(36)が設けられ、
前記磁気障壁(36)は、対応する磁石(34a)から遠い側の端部(A)と、該対応する磁石(34a)と同極で対となる磁石(34b)における内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が、前記対となる磁石(34b)が最も外周側に位置する場合に、前記対となる磁石(34a)の磁極面と90°以下の角(θ)を成すように形成され、
同極でV字を成す2つの磁石(34a,34b)が成す角(θm)は90°以上であり、
前記磁気障壁(36)は、前記V字の内角側に延びていることを特徴とする。
この構成では、磁気障壁(36)は、前記V字の内角側に延びているので、端部(A)と内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が、磁石(34b)の磁極面と90°以下の角を成すように、磁気障壁(36)を容易に配置できる。
また、第6の発明は、
第1から第4の発明の何れかの回転電気機械において、
同極を成す2つの磁石(34a,34b)が成す角(θm)は90°以下であることを特徴とする。
この構成では、端部(A)と内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が、磁石(34b)の磁極面と90°以下の角を成すように、磁気障壁(36)を容易に配置できる。
第1の発明によれば、磁石(34b)の磁極面と成す角度が90°を超えるような磁束は、磁気障壁(36)によって遮蔽されるので、ステータ(20)からの磁束は、磁石(34b)を内周側に引き寄せるようには働かない。したがって、起動時などの遠心力が働かない、若しくは小さい場合にも、磁石(34a,34b)を正規の位置に確実に固定できる。
また、第2の発明によれば、それぞれの磁石(34a,34b)が外周方向への力によって確実に固定できる。
また、第3の発明によれば、特定のティース部(23)からの磁束が磁石(34b)に集中しても、磁気障壁(36)の前記作用によって、ティース部(23)からの磁束が確実に遮蔽される。
また、第4の発明によれば、磁石(34b)の磁極面と成す角度が90°を超えるような磁束が生じやすい場合であっても、磁気障壁(36)の前記作用によって、ティース部(23)からの磁束が確実に遮蔽される。
また、第5、6のそれぞれの発明によれば、磁気障壁(36)を容易に配置できるので、それぞれの磁石(34a,34b)を正規の位置に確実に固定できる。
図1は、従来のモータにおける磁束線の解析例を示す図である。 図2は、従来のモータにおいて、無通電時に磁石に働くX方向の力の変化を示す図である。 図3は、従来のモータにおいて、電流位相30°で回転させたときの磁石に働くX方向の力の変化を示す図である。 図4は、本発明の実施形態1に係るモータの横断面図である。 図5は、磁石用スロット部分の拡大図である。 図6(A)は、電磁鋼板のB-H曲線を模式的に示す図であり、図6(B)は、磁石のB-H曲線とパーミアンス係数との関係を示す図である。 図7は、本発明の実施形態2に係るロータの横断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の回転電気機械の一例としてモータを説明する。図4は、本発明の実施形態1に係るモータ(10)の横断面図である。このモータ(10)は、例えば空気調和機(図示は省略)の電動圧縮機に用いる。
〈モータの構成〉
モータ(10)は、図4に示すように、ステータ(20)、ロータ(30)、及び駆動軸(40)を備え、前記電動圧縮機のケーシング(50)に収容されている。なお、以下の説明において、軸方向とは駆動軸(40)の軸心の方向をいい、径方向とは前記軸心と直交する方向をいう。また、外周側とは前記軸心からより遠い側をいい、内周側とは前記軸心により近い側をいう。
〈ステータの構成〉
ステータ(20)は、図4に示すように、円筒状のステータコア(21)と、コイル(26)とを備えている。
ステータコア(21)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて積層板を作成し、複数の積層板を軸方向に積層した積層コアである。ステータコア(21)は、図4に示すように、1つのバックヨーク部(22)、それぞれ複数のティース部(23)、及びツバ部(24)を備えている。
それぞれのティース部(23)は、図4に示すように、ステータコア(21)において径方向に伸びる直方体状の部分である。ツバ部(24)は、それぞれのティース部(23)の内周側に連なる部分である。ツバ部(24)は、ティース部(23)よりも幅(周方向の長さ)が大きく構成されている。ツバ部(24)は、内周側の面が円筒面である。その円筒面は、後述のロータコア(31)の外周面(円筒面)と所定の距離(エアギャップ)をもって対向している。
ティース部(23)には、いわゆる集中巻方式で、コイル(26)が巻回されている。勿論、コイル(26)は、分布巻方式で巻回することも可能である。ティース部(23)とティース部(23)の間の空間が、コイル(26)が収容されるコイル用スロット(25)である。これらのコイル(26)は、例えば直流を交流に変換するインバータ回路(60)で電力を供給する。
バックヨーク部(22)は、ステータコア(21)の外周側の円環状の部分である。バックヨーク部(22)は、各ティース部(23)を該ティース部(23)の外周側で連結している。バックヨーク部(22)の外周部は、ケーシング(50)の内面に固定されている。
〈ロータの構成〉
ロータ(30)は、ロータコア(31)、及び複数の永久磁石(34a,34b)(以下単に磁石という)を備え、円筒状である。この例では、ロータ(30)は、6つの磁極が形成されている。ロータ(30)では、2つの磁石(34a,34b)でひとつの磁極を構成している。それぞれの磁極の磁石(34a,34b)は、外周側が開いたV字状に配置されている。この実施形態では、同極の磁石(34a,34b)がなす角(θm)は、90°以上である。また、隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、磁極面が互いに平行でない。詳しくは、図4の例では、磁極(P1)の磁石(34b)と、磁極(P2)の磁石(34a)とは、内周側に鋭角に開く角度を成している。
ロータコア(31)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて積層板を作成し、複数の積層板を軸方向に積層した積層コアである。ロータコア(31)には、磁石(34a,34b)をそれぞれ装着する、複数の磁石用スロット(32)が形成されている。磁石用スロット(32)は、本発明のスロットの一例である。この例では、磁石用スロット(32)は、ロータコア(31)の軸心回りに60°ピッチで配置されている。それぞれの磁石用スロット(32)は、軸方向から見て概ねV字状に形成され、ロータコア(31)を軸方向に貫通している。磁石(34a,34b)の厚さ方向となる側の磁石用スロット(32)の幅は、磁石(34a,34b)の幅よりもごくわずかに大きく形成されている。具体的には、磁石用スロット(32)に磁石(34a,34b)がスムースに入る程度大きければ十分である。同様に、磁石用スロット(32)において磁石(34a,34b)の長手方向となる側の幅は、磁石(34a,34b)の長手方向の幅(Wm)よりも大きく形成されている。それぞれの磁石用スロット(32)は、磁石(34a,34b)を正規の位置に挿入した状態で、外周側に外周端空隙(32b)が形成される。同様に、磁石用スロット(32)の内周側にも、内周端空隙(32c)が形成される。外周端空隙(32b)及び内周端空隙(32c)は、磁気障壁として機能する。
磁石(34a,34b)と磁石用スロット(32)と寸法関係から、磁石(34a,34b)は、磁石用スロット(32)内では、比較的小さな外力で、該磁石(34a,34b)の長手方向に動く可能性がある。ただし、各磁石用スロット(32)には、磁石(34a,34b)に遠心力が加わった場合にも、正規の位置よりも外周側には動かないように、ツメ(37a)を設けてある。また、遠心力の反対側にも、磁石が一定距離動いたら止まる位置に段差(37b)を設けている。これは、磁石用スロット(32)や磁石(34a,34b)の長手方向の幅は、多少の公差を有するため、まったく磁石(34a,34b)が動かないようにはできないためである。
ロータコア(31)には、図4及び図5に示すように、磁石(34a,34b)と1対1に対応して空隙(36)が設けられている。これらの空隙(36)は、同極を成す2つの磁石(34a,34b)の間(V字の内側)に位置し、対応する磁石(34a)の磁石用スロット(32)に隣接している。
〈空隙(磁気障壁)の構成〉
それぞれの空隙(36)は、ロータコア(31)を貫通する孔であり、磁気障壁として機能する(以下、これらの空隙(36)を磁気障壁とも呼ぶ)。磁気障壁(36)は、磁石用スロット(32)の外周端空隙(32b)との隙間が、電磁鋼板を打ち抜き可能な最小幅となるように、磁石用スロット(32)に近接させてある。具体的には、前記隙間の大きさ(幅(Wb)とする)は、電磁鋼板の板厚と同等、若しくは板厚の1.5倍程度である。なお、幅(Wb)は、外周端空隙(32b)の最外周とロータコア(31)の最外周との間に形成されるブリッジ(31a)(図5を参照)と同等の幅に設定することもできる。
幅(Wb)は、このような製造上の観点から決定する他に、磁気的な要因からも検討しておく必要がある。すなわち、外周端空隙(32b)と磁気障壁(36)との隙間は、例えば、高調波をキャンセル可能な幅の上限値以下に設定するのがよい。具体的には、前記隙間の幅をWb、磁石(34a,34b)の動作点における磁束密度をBd、磁石(34a,34b)の幅をWm(図5を参照)、ロータコア(31)に用いる電磁鋼板の飽和磁束密度をBcとした場合に、Bd×Wm/Bc>Wbとなるように、前記隙間の幅(Wb)を定める。前記隙間に通せる磁束が、1つの磁石(34a)から出る磁束よりも少ないことにより、磁石(34b)の磁極面と成す角度が90°を超えるような磁束(後述)を遮断できるからである。なお、電磁鋼板の飽和磁束密度(Bc)は、使用する電磁鋼板のB‐H曲線から求めることができる(図6(A)参照)。また、動作点における磁束密度(Bd)は、磁石(34a,34b)のB‐H曲線とパーミアンス係数(Pc)とから求めることができる(図6(B)参照)。
そして、それぞれの磁気障壁(36)は、対応する磁石(ここでは磁石(34a)とする)から遠い側の端部(A)と、磁石(34a)と同極で対となる磁石(34b)における内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が、磁石(34b)が最も外周側に位置する場合に、該磁石(34b)の磁極面と90°以下の角(θとする)を成すように形成してある。
〈磁石に作用するステータ磁束〉
本実施形態では、端部(A)と内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が磁石(34b)の磁極面と90°以下の角(θ)を成すように、磁気障壁(36)を設けてあるので、磁石(34b)の磁極面と成す角が90°を超えるような磁束は、磁気障壁(36)によって遮蔽される。また、磁石用スロット(32)の外周端空隙(32b)と磁気障壁(36)との隙間は、ステータ(20)からの磁束が通過できないように設定してある。したがって、本実施形態では、外周端空隙(32b)と磁気障壁(36)との間に隙間があっても、磁石(34b)には、内周側に該磁石(34b)を引き寄せる方向の力が作用することはない。なお、本実施形態では、隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、磁極面が内周側に鋭角に開く角度を成している。そのため、隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、互いに引き合うことによって、外周方向への力が作用する。すなわち、隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)には、遠心力と同方向の力が働いている。
〈本実施形態における効果〉
以上のとおり、磁気障壁(36)の作用によって、ステータ(20)からの磁束は、磁石(34b)を内周側に引き寄せるようには働かない。したがって、本実施形態では、起動時などの遠心力が働かない、若しくは小さい場合にも、磁石(34a,34b)を正規の位置(ツメ(37a)に当接する位置)に確実に固定できる。
特に、本実施形態のようにコイル(26)が集中巻方式で巻回された場合には特定のティース部(23)からの磁束が磁石(34b)に集中する。しかしながら、本実施形態では、磁気障壁(36)の作用によって、ステータ(20)からの磁束は、磁石(34b)を内周側に引き寄せるようには働かない。すなわち、本実施形態のロータ(30)は、集中巻方式のコイル(26)を有したステータ(20)との組み合わせに有用である。
また、モータに電力を供給する電力変換装置(コンバータ回路とインバータ回路の組み合わせなど)には、コンバータ回路とインバータ回路との間に設けられる直流リンクを、電解コンデンサやリアクトルを用いずに構成する例がある。このような電力変換装置では、インバータ回路へ入力される直流が脈動し、モータの起動時のみならず定常運転中もコイルの電流等が脈動するし、電流の位相も変動する。そのため、本実施形態のインバータ回路(60)の入力を脈動する直流とした場合には、磁石(34b)の磁極面と成す角が90°を超えるような磁束が生じやすくなる。しかしながら、本実施形態では、このような磁束は磁気障壁(36)で遮蔽され、磁石(34a,34b)を正規の位置により確実に固定できる。すなわち、本実施形態のロータ(30)は、脈動する直流を交流に変換するインバータ回路(60)から給電されるステータ(20)との組み合わせに有用である。
《発明の実施形態2》
図7は、本発明の実施形態2に係るロータ(30)の横断面図である。この実施形態でも、それぞれの磁極の磁石(34a,34b)は、外周側が開いたV字状に配置されている。同極の2つの磁石(34a,34b)がなす角(θm)は、90°以下である。隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、磁極面が内周側に鋭角に開く角度を成している。
また、磁気障壁(36)は、磁石用スロット(32)に連続して形成されている。すなわち、磁石用スロット(32)の外周端空隙(32b)が磁気障壁(36)を兼ねている。そして、本実施形態においても、それぞれの磁気障壁(36)(すなわち外周端空隙(32b))は、対応する磁石(例えば磁石(34a))から遠い側の端部(A)と、磁石(34a)と同極で対となる磁石(34b)における内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が、磁石(34b)が最も外周側に位置する場合に、該磁石(34b)の磁極面と90°以下の角(θ)を成すように形成されている。同極の2つの磁石(34a,34b)がなす角(θm)を90°以下としたことで、端部(A)と内周側端部(B)とを結ぶ線(L)と、磁石(34b)の磁極面とが成す角度を容易に90°以下とすることが可能になる。
本実施形態においても、実施形態1の例と同様に、磁気障壁(36)(外周端空隙(32b))の作用によって、ステータ(20)からの磁束が磁石(34b)を内周側に引き寄せるようには働かない。したがって、起動時などの遠心力が働かない、若しくは小さい場合にも、磁石(34a,34b)を正規の位置に確実に固定できる。
《その他の実施形態》
なお、ロータ(30)の磁極の数は例示である。
また、ロータコア(31)の材料は、電磁鋼板には限定されない。例えば圧粉磁心などでロータコア(31)を構成してもよい。
また、磁石用スロット(32)の形状も例示である。例えば、磁石用スロット(32)は、V字を成すそれぞれの磁石(34a,34b)に対して別個に設けるようにしてもよい。
また、ロータ(30)は、発電機に適用してもよい。
以上のとおり、本発明は、回転電気機械のロータ構造について有用である。
10 モータ(回転電気機械)
20 ステータ
26 コイル
30 ロータ
32 磁石用スロット(スロット)
34a 磁石
34b 磁石
36 空隙(磁気障壁)
60 インバータ回路

Claims (6)

  1. コイル(26)を有して磁束を発生させるステータ(20)と、磁極面に平行な方向に移動可能な大きさのスロット(32)に挿入された複数の磁石(34a,34b)を有して、2つの前記磁石(34a,34b)がV字配置された磁極が複数形成されたロータ(30)とを備えた回転電気機械において、
    前記ロータ(30)には、同極を成す2つの磁石(34a,34b)の間に、前記スロット(32)に隣接して、前記磁石(34a,34b)と1対1に対応する磁気障壁(36)が設けられ、
    前記磁気障壁(36)は、対応する磁石(34a)から遠い側の端部(A)と、該対応する磁石(34a)と同極で対となる磁石(34b)における内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が、前記対となる磁石(34b)が最も外周側に位置する場合に、前記対となる磁石(34a)の磁極面と90°以下の角(θ)を成すように形成され
    前記ロータ(30)は、電磁鋼板が積層されて前記スロット(32)が形成されたロータコア(31)を備え、
    前記スロット(32)は、前記磁石(34a,34b)を正規の位置に挿入した状態で、外周側に外周端空隙(32b)が形成され、
    前記磁気障壁(36)と前記外周端空隙(32b)との隙間の幅をWb、前記磁石(34a,34b)の動作点における磁束密度をBd、前記磁石(34a,34b)の幅をWm、前記ロータコア(31)に用いる電磁鋼板の飽和磁束密度をBcとした場合に、前記磁気障壁(36)と前記外周端空隙(32b)との隙間の幅Wbは、Bd×Wm/Bc>Wbとなるように定められていることを特徴とする回転電気機械。
  2. 請求項1の回転電気機械において、
    隣接する磁極間で互いに対向する2つの磁石(34a,34b)は、磁極面が内周側に鋭角に開く角度を成すことを特徴とする回転電気機械。
  3. 請求項1又は請求項2の回転電気機械において、
    前記ステータ(20)には、集中巻方式で前記コイル(26)が巻回されていることを特徴とする回転電気機械。
  4. 請求項1から請求項3の何れかの回転電気機械において、
    前記コイル(26)は、脈動する直流を交流に変換するインバータ回路(60)から給電されることを特徴とする回転電気機械。
  5. コイル(26)を有して磁束を発生させるステータ(20)と、磁極面に平行な方向に移動可能な大きさのスロット(32)に挿入された複数の磁石(34a,34b)を有して、2つの前記磁石(34a,34b)がV字配置された磁極が複数形成されたロータ(30)とを備えた回転電気機械において、
    前記ロータ(30)には、同極を成す2つの磁石(34a,34b)の間に、前記スロット(32)に連続、若しくは隣接して、前記磁石(34a,34b)と1対1に対応する磁気障壁(36)が設けられ、
    前記磁気障壁(36)は、対応する磁石(34a)から遠い側の端部(A)と、該対応する磁石(34a)と同極で対となる磁石(34b)における内周側端部(B)とを結ぶ線(L)が、前記対となる磁石(34b)が最も外周側に位置する場合に、前記対となる磁石(34a)の磁極面と90°以下の角(θ)を成すように形成され、
    同極でV字を成す2つの磁石(34a,34b)が成す角(θm)は90°以上であり、
    前記磁気障壁(36)は、前記V字の内角側に延びていることを特徴とする回転電気機械。
  6. 請求項1から請求項4の何れかの回転電気機械において、
    同極を成す2つの磁石(34a,34b)が成す角(θm)は90°以下であることを特徴とする回転電気機械。
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