JP2013191668A - 樹脂多層基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂多層基板のリジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させる。
【解決手段】樹脂多層基板107は、複数の樹脂層2が積層されることによって形成された樹脂構造体3を備える。樹脂構造体3は、樹脂層2が第1の積層数だけ積層されたフレキシブル部51と前記第1の積層数より大きい第2の積層数だけ前記樹脂層が積層されたリジッド部52とを含む。樹脂構造体3は、リジッド部52とフレキシブル部51との境界線において外部に露出しつつリジッド部52とフレキシブル部51とにまたがるように配置されている連結樹脂層23を備える。連結樹脂層23は、異なる高さの層に入り込むように配置されている。
【選択図】図31
【解決手段】樹脂多層基板107は、複数の樹脂層2が積層されることによって形成された樹脂構造体3を備える。樹脂構造体3は、樹脂層2が第1の積層数だけ積層されたフレキシブル部51と前記第1の積層数より大きい第2の積層数だけ前記樹脂層が積層されたリジッド部52とを含む。樹脂構造体3は、リジッド部52とフレキシブル部51との境界線において外部に露出しつつリジッド部52とフレキシブル部51とにまたがるように配置されている連結樹脂層23を備える。連結樹脂層23は、異なる高さの層に入り込むように配置されている。
【選択図】図31
Description
本発明は、樹脂多層基板およびその製造方法に関するものである。
樹脂多層基板において、リジッド部とフレキシブル部とを備えるものがある。このような構造の樹脂多層基板においては、フレキシブル部が曲げられた際に、リジッド部とフレキシブル部との境界において剥がれが生じやすいという問題があった。
この剥がれの問題に対処するために様々な技術が提案されている。そのうちのひとつが、特開2008−10689号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1では、補強用金属パターンを境界に配置する構成が開示されている。
さらに他の技術が、特開2008−85099号公報(特許文献2)に記載されている。特許文献2では、リジッド部とフレキシブル部との境界において、層間接着層の端面に対して基材層の端面がリジッド部側へ後退している構成が開示されている。
特許文献1に開示されたように補強用金属パターンを境界に配置した構成としても、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度が向上するわけではなく、剥がれの問題は残る。
特許文献2に開示された構成においては、リジッド部とフレキシブル部との間の段差が縮小されるものの、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度が向上するわけではなく、剥がれの問題は残る。
そこで、本発明は、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させることができる樹脂多層基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づく樹脂多層基板は、複数の樹脂層が積層されることによって形成された樹脂構造体を備える。上記樹脂構造体は、上記樹脂層が第1の積層数だけ積層されたフレキシブル部と上記第1の積層数より大きい第2の積層数だけ上記樹脂層が積層されたリジッド部とを含む。上記樹脂構造体は、上記リジッド部と上記フレキシブル部との境界線において外部に露出しつつ上記リジッド部と上記フレキシブル部とにまたがるように配置されている連結樹脂層を備える。上記連結樹脂層は、異なる高さの層に入り込むように配置されている。
本発明によれば、リジッド部とフレキシブル部との境界線において外部に露出しつつリジッド部とフレキシブル部とにまたがるように配置されている連結樹脂層が設けられているので、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させることができる。
(実施の形態1)
(構成)
図1〜図3を参照して、本発明に基づく実施の形態1における樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板101の断面図を図1に示し、平面図を図2に示す。樹脂多層基板101は、複数の樹脂層2が積層されることによって形成された樹脂構造体3を備える。樹脂構造体3は、樹脂層2が第1の積層数だけ積層されたフレキシブル部51と前記第1の積層数より大きい第2の積層数だけ樹脂層2が積層されたリジッド部52とを含む。樹脂構造体3は、リジッド部52とフレキシブル部51との境界線5において外部に露出しつつリジッド部52とフレキシブル部51とにまたがるように配置されている連結樹脂層23を備える。連結樹脂層23は、異なる高さの層に入り込むように配置されている。
(構成)
図1〜図3を参照して、本発明に基づく実施の形態1における樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板101の断面図を図1に示し、平面図を図2に示す。樹脂多層基板101は、複数の樹脂層2が積層されることによって形成された樹脂構造体3を備える。樹脂構造体3は、樹脂層2が第1の積層数だけ積層されたフレキシブル部51と前記第1の積層数より大きい第2の積層数だけ樹脂層2が積層されたリジッド部52とを含む。樹脂構造体3は、リジッド部52とフレキシブル部51との境界線5において外部に露出しつつリジッド部52とフレキシブル部51とにまたがるように配置されている連結樹脂層23を備える。連結樹脂層23は、異なる高さの層に入り込むように配置されている。
さらに好ましいことに、樹脂構造体3は、リジッド部52とフレキシブル部51との境界線5の近傍に貫通孔または凹部を有する受容樹脂層24を備える。連結樹脂層23が異なる高さの層に入り込む位置では、連結樹脂層23の一部が受容樹脂層24の前記貫通孔または凹部に入り込んでいる。
図1に示した例では、受容樹脂層24は貫通孔31を有し、連結樹脂層23の一部が貫通孔31に入り込んでいる。
なお、図3に示すように受容樹脂層24は凹部32を有し、連結樹脂層23の一部が凹部32に入り込んでいる構成の樹脂多層基板102であっても同様の効果を得ることができる。樹脂多層基板102の平面図を図4に示す。
なお、図1では、説明の便宜のため、樹脂多層基板の内部または表面に設けられた導体パターン、ビア導体、部品などについては図示省略しているが、実際には導体パターン、ビア導体、部品などが適宜配置されていてよい。このことは、以下に示される断面図についても同様にあてはまる。
(作用・効果)
本実施の形態における樹脂多層基板101,102では、リジッド部52とフレキシブル部51との境界線5において外部に露出しつつリジッド部52とフレキシブル部51とにまたがるように配置されている連結樹脂層23が設けられており、連結樹脂層23の一部が受容樹脂層24の貫通孔または凹部に入り込むように構成されているので、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させることができる。
本実施の形態における樹脂多層基板101,102では、リジッド部52とフレキシブル部51との境界線5において外部に露出しつつリジッド部52とフレキシブル部51とにまたがるように配置されている連結樹脂層23が設けられており、連結樹脂層23の一部が受容樹脂層24の貫通孔または凹部に入り込むように構成されているので、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させることができる。
なお、図1に示したように、連結樹脂層23の端は前記貫通孔または凹部に埋め込まれていることが好ましい。この構成を採用することにより、連結樹脂層23の端を起点とする剥離が生じにくくなり、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度をより確実に向上させることができる。
(実施の形態2)
(構成)
図5を参照して、本発明に基づく実施の形態2における樹脂多層基板について説明する。実施の形態1では、受容樹脂層が連結樹脂層の主な部分より下側にあるものを例示したが、本実施の形態における樹脂多層基板103では、受容樹脂層24が連結樹脂層23の主な部分より上側にある。樹脂多層基板103においては、受容樹脂層24はリジッド部にあるのみである。樹脂多層基板103では、受容樹脂層24が境界線の近傍に貫通孔または凹部を有するわけではないが、受容樹脂層24は、自らがリジッド部の端から後退することによって、他の層から入り込んでくる連結樹脂層23を受け入れる構成となっている。他の部分の構成は、実施の形態1で説明したものと同様である。
(構成)
図5を参照して、本発明に基づく実施の形態2における樹脂多層基板について説明する。実施の形態1では、受容樹脂層が連結樹脂層の主な部分より下側にあるものを例示したが、本実施の形態における樹脂多層基板103では、受容樹脂層24が連結樹脂層23の主な部分より上側にある。樹脂多層基板103においては、受容樹脂層24はリジッド部にあるのみである。樹脂多層基板103では、受容樹脂層24が境界線の近傍に貫通孔または凹部を有するわけではないが、受容樹脂層24は、自らがリジッド部の端から後退することによって、他の層から入り込んでくる連結樹脂層23を受け入れる構成となっている。他の部分の構成は、実施の形態1で説明したものと同様である。
樹脂多層基板103は、複数の樹脂層2が積層されることによって形成された樹脂構造体3を備える。樹脂構造体3は、樹脂層2が第1の積層数だけ積層されたフレキシブル部51と前記第1の積層数より大きい第2の積層数だけ樹脂層2が積層されたリジッド部52とを含む。樹脂構造体3は、リジッド部52とフレキシブル部51との境界線5において外部に露出しつつリジッド部52とフレキシブル部51とにまたがるように配置されている連結樹脂層23を備える。連結樹脂層23は、異なる高さの層に入り込むように配置されている。
(作用・効果)
本実施の形態における樹脂多層基板103は、貫通孔または凹部を有する受容樹脂層を備えているわけではないが、本実施の形態においても、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させることができる。
本実施の形態における樹脂多層基板103は、貫通孔または凹部を有する受容樹脂層を備えているわけではないが、本実施の形態においても、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させることができる。
(実施の形態3)
(構成)
図6を参照して、本発明に基づく実施の形態3における樹脂多層基板について説明する。実施の形態2では、連結樹脂層23の主な部分が位置する高さより1つ上の層として受容樹脂層24が配置されていたが、本実施の形態における樹脂多層基板104では、受容樹脂層自体がない構造となっている。この場合も、連結樹脂層23はリジッド部52とフレキシブル部51とにまたがるように配置されており、なおかつ、連結樹脂層23は異なる高さの層に入り込むように配置されているといえる。受容樹脂層がないため、リジッド部52のうちのある1層は、連結樹脂層23によって完全に占められている。リジッド部52の内部には、連結樹脂層23の端同士が当接する継ぎ目が存在する。他の部分の構成は、実施の形態1で説明したものと同様である。
(構成)
図6を参照して、本発明に基づく実施の形態3における樹脂多層基板について説明する。実施の形態2では、連結樹脂層23の主な部分が位置する高さより1つ上の層として受容樹脂層24が配置されていたが、本実施の形態における樹脂多層基板104では、受容樹脂層自体がない構造となっている。この場合も、連結樹脂層23はリジッド部52とフレキシブル部51とにまたがるように配置されており、なおかつ、連結樹脂層23は異なる高さの層に入り込むように配置されているといえる。受容樹脂層がないため、リジッド部52のうちのある1層は、連結樹脂層23によって完全に占められている。リジッド部52の内部には、連結樹脂層23の端同士が当接する継ぎ目が存在する。他の部分の構成は、実施の形態1で説明したものと同様である。
(作用・効果)
本実施の形態においても、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させることができる。図6に示した樹脂多層基板104では、連結樹脂層23が左右別の部材であって中央で隙間なく互いに当接する形となっていたが、図7に示す樹脂多層基板104iのように連結樹脂層23がリジッド部を中間に挟むようにして一方のフレキシブル部から他方のフレキシブル部までひとつながりとなるように構成されてもよい。
本実施の形態においても、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させることができる。図6に示した樹脂多層基板104では、連結樹脂層23が左右別の部材であって中央で隙間なく互いに当接する形となっていたが、図7に示す樹脂多層基板104iのように連結樹脂層23がリジッド部を中間に挟むようにして一方のフレキシブル部から他方のフレキシブル部までひとつながりとなるように構成されてもよい。
(実施の形態4)
(構成)
図8を参照して、本発明に基づく実施の形態4における樹脂多層基板について説明する。図8に示すように、連結樹脂層が複数層存在していてもよい。本実施の形態における樹脂多層基板105では、連結樹脂層23a,23bがいずれもリジッド部52とフレキシブル部51との境界線5において外部に露出しつつリジッド部52とフレキシブル部51とにまたがるように配置されている。連結樹脂層23a,23bは、いずれも異なる高さの層に入り込むように配置されている。
(構成)
図8を参照して、本発明に基づく実施の形態4における樹脂多層基板について説明する。図8に示すように、連結樹脂層が複数層存在していてもよい。本実施の形態における樹脂多層基板105では、連結樹脂層23a,23bがいずれもリジッド部52とフレキシブル部51との境界線5において外部に露出しつつリジッド部52とフレキシブル部51とにまたがるように配置されている。連結樹脂層23a,23bは、いずれも異なる高さの層に入り込むように配置されている。
(作用・効果)
本実施の形態のような構成であっても、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させることができる。図8に示した例では、連結樹脂層が2層存在していたが、連結樹脂層は2層とは限らず、3層以上であってもよい。
本実施の形態のような構成であっても、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させることができる。図8に示した例では、連結樹脂層が2層存在していたが、連結樹脂層は2層とは限らず、3層以上であってもよい。
(実施の形態5)
(構成)
図9、図10を参照して、本発明に基づく実施の形態5における樹脂多層基板について説明する。図9に示すように、本実施の形態における樹脂多層基板106は、実施の形態1で説明した構成を同様に備える。すなわち、樹脂構造体3は、リジッド部52とフレキシブル部51との境界線5の近傍に貫通孔または凹部を有する受容樹脂層24とを備える。連結樹脂層23の一部が受容樹脂層24の凹部32a,32b,32cに入り込んでいる。
(構成)
図9、図10を参照して、本発明に基づく実施の形態5における樹脂多層基板について説明する。図9に示すように、本実施の形態における樹脂多層基板106は、実施の形態1で説明した構成を同様に備える。すなわち、樹脂構造体3は、リジッド部52とフレキシブル部51との境界線5の近傍に貫通孔または凹部を有する受容樹脂層24とを備える。連結樹脂層23の一部が受容樹脂層24の凹部32a,32b,32cに入り込んでいる。
樹脂多層基板106では、さらに凹部は1つの境界線5について複数設けられている。受容樹脂層24に設けられた凹部の位置関係を示す平面図を図10に示す。図10では、凹部32a,32b,32cが示されている。凹部32a,32b,32cは境界線5と平行な線状の凹部としてそれぞれ設けられている。
なお、受容樹脂層24に設けられるものは、凹部の代わりに貫通孔であってもよい。
(作用・効果)
本実施の形態では、1つの境界線5について複数の貫通孔または凹部が設けられているので、連結樹脂層23は複数の箇所で受容樹脂層24の貫通孔または凹部に入り込むことができ、連結樹脂層23と受容樹脂層24との密着力を高めることができる。したがって、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させることができる。
(作用・効果)
本実施の形態では、1つの境界線5について複数の貫通孔または凹部が設けられているので、連結樹脂層23は複数の箇所で受容樹脂層24の貫通孔または凹部に入り込むことができ、連結樹脂層23と受容樹脂層24との密着力を高めることができる。したがって、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させることができる。
受容樹脂層24に設けられる貫通孔または凹部の配置は、図10に示した配置に限られない。図11に示すように、境界線5に対して斜めとなる線状に設けてもよい。図12に示すように、境界線5に対して垂直な方向に延在する線状に設けてもよい。図13に示すように、V字形のパターンを複数並べることとしてもよい。図14に示すように、折れ線状のパターンを配置してもよい。ここで図示したのはあくまで例であり、ここで図示した以外のパターンであってもよい。
受容樹脂層24に設けられる貫通孔または凹部は、線状のパターンの組み合わせとする以外に、図15、図16、図17または図18に示すように、貫通孔または凹部をドット状のパターンとして設けた構成であってもよい。
図19に示すように、1つ1つがたとえばT字形状のパターンを配列することとしてもよい。ここでは、一例として個々のパターンをT字形状としたが、他の形状であってもよい。
(実施の形態6)
(製造方法)
図20〜図31を参照して、本発明に基づく実施の形態6における樹脂多層基板の製造方法について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板の製造方法のフローチャートを図20に示す。
(製造方法)
図20〜図31を参照して、本発明に基づく実施の形態6における樹脂多層基板の製造方法について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板の製造方法のフローチャートを図20に示す。
本実施の形態における樹脂多層基板の製造方法は、樹脂層が第1の積層数だけ積層されたフレキシブル部と前記第1の積層数より大きい第2の積層数だけ前記樹脂層が積層されたリジッド部とを含む樹脂多層基板の製造方法であって、前記リジッド部と前記フレキシブル部との境界線の近傍に貫通孔または凹部を有する、受容樹脂層を配置する工程S1と、前記リジッド部と前記フレキシブル部との境界線において外部に露出しつつ前記リジッド部と前記フレキシブル部とにまたがるように、連結樹脂層を配置する工程S2と、前記連結樹脂層を含む前記樹脂層の積層体を加熱しながら加圧することによって、前記連結樹脂層の一部を前記貫通孔または凹部に入り込ませる工程S3とを含む。
以下により具体的に示す。まず、図21に示すような導体箔付き樹脂シート12を用意する。導体箔付き樹脂シート12は、樹脂層2の片面に導体箔17が付着した構造のシートである。樹脂層2は、たとえば熱可塑性樹脂であるLCP(液晶ポリマー)からなるものである。樹脂層2の材料としては、LCPの他に、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PPS(ポニフェニレンスルファイド)、PI(ポリイミド)などであってもよい。導体箔17は、たとえばCuからなる厚さ18μmの箔である。なお、導体箔17の材料はCu以外にAg、Al、SUS、Ni、Auであってもよく、これらの金属のうちから選択された2以上の異なる金属の合金であってもよい。本実施の形態では、導体箔17は厚さ18μmとしたが、導体箔17の厚みは3μm以上40μm以下程度であってよい。導体箔17は、回路形成が可能な厚みであればよい。
図22に示すように、導体箔17と反対の側からレーザ光を照射するなどの方法によって、樹脂層2にビア孔11をあける。レーザ光はたとえば炭酸ガスレーザ光であってよい。ビア孔11はのちにビア導体を形成するためのものである。ビア孔11は、樹脂層2を貫通しているが導体箔17を貫通していない。図23に示すようにレジストパターン13を形成する。図24に示すようにレジストパターン13をマスクとして導体箔17のエッチングを行ない、導体パターン7を形成する。レジストパターン13を剥離させ、図25に示す構造を得る。ビア孔11に導体ペーストを充填し、図26に示すようにビア導体6を形成する。
図27に示すように樹脂層2を所望の数だけ積層する。図27に示した例では、2層を積層しているが、1層であっても3層以上であってもよい。図27に示した例では、下から2層目は下から1層目に比べて裏返した姿勢となっている。したがって、ビア導体6の広くなった面同士が当接する構造となっている。これはあくまで一例であって、このような重ね方に限るものではない。
さらに別途作製した受容樹脂層24を図28に示すように積み重ねる。この作業が工程S1に相当する。受容樹脂層24にも導体パターン7およびビア導体6が形成されている。受容樹脂層24には予め貫通孔31が設けられている。
さらに別途作製した連結樹脂層23を図29に示すように積み重ねる。この作業が工程S2に相当する。連結樹脂層23は、リジッド部の領域よりも広い面積を有している。連結樹脂層23は、リジッド部とフレキシブル部との境界線にまたがるように配置される。この時点では、連結樹脂層23は、受容樹脂層24の貫通孔31に確実に入り込んでいなくてもよい。
図30に示すように、連結樹脂層23の上側にさらに他の樹脂層2を所望の数だけ積層する。ここでは一例として、連結樹脂層23の上側にさらに2層の樹脂層2を積層している。
工程S3として、連結樹脂層23を含む樹脂層2の積層体を加熱しながら加圧することによって、連結樹脂層23の一部を受容樹脂層24の貫通孔または凹部に入り込ませる。その結果、図31に示すように連結樹脂層23の一部が貫通孔31に入り込んだ形となる。こうして樹脂多層基板107が得られる。
導体パターン7のうち積層体の最下層に露出したものは、外部電極18となり、最上層に露出したものは、外部電極19となる。
ここでは、受容樹脂層24に貫通孔31が設けられている場合を例にとって図示しながら説明したが、貫通孔の代わりに凹部が設けられている場合も同様に考えることができる。また、積層される樹脂層2の数については、ここで図示したものは一例に過ぎず、他の数であってもよい。
(作用・効果)
本実施の形態における樹脂多層基板の製造方法によれば、リジッド部とフレキシブル部との境界線において外部に露出しつつリジッド部とフレキシブル部とにまたがるように配置された連結樹脂層が設けられ、その後に加熱しながら加圧されることによって、連結樹脂層の一部が受容樹脂層の貫通孔または凹部に入り込む構造が得られるので、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させた樹脂多層基板を容易に得ることができる。
本実施の形態における樹脂多層基板の製造方法によれば、リジッド部とフレキシブル部との境界線において外部に露出しつつリジッド部とフレキシブル部とにまたがるように配置された連結樹脂層が設けられ、その後に加熱しながら加圧されることによって、連結樹脂層の一部が受容樹脂層の貫通孔または凹部に入り込む構造が得られるので、リジッド部とフレキシブル部との境界における層同士の密着強度を向上させた樹脂多層基板を容易に得ることができる。
図31においては、樹脂層2に設けられたビア導体6、導体パターン7などを表示しているが、上記各実施の形態においても、実際にはこのようにビア導体6、導体パターン7などが適宜配置されていてよい。
上記各実施の形態では内蔵部品、実装部品などを示してこなかったが、本発明に基づく樹脂多層基板としては、実際には、積層体の内部に内蔵部品があってもよい。また、積層体の最外表面に実装部品があってもよい。本発明に基づく樹脂多層基板は、内蔵部品と実装部品との両方を備えていてもよい。たとえば図32に示す樹脂多層基板108は、リジッド部52において積層体である樹脂構造体3の内部に内蔵部品4aを備え、積層体の上面に実装部品4b,4cを備える。
なお、上記各実施の形態において、図に示した縦方向および横方向の長さの比率は、説明の便宜のために誇張されたものであり、実際の比率は必ずしもこの通りではない。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
2 樹脂層、3 樹脂構造体、4a 内蔵部品、4b,4c 実装部品、5 境界線、6 ビア導体、7 導体パターン、11 ビア孔、12 導体箔付き樹脂シート、13 レジストパターン、17 導体箔、18,19 外部電極、23,23a,23b 連結樹脂層、24 受容樹脂層、31 貫通孔、32 凹部、51 フレキシブル部、52 リジッド部、101,102,103,104,104i,105,106,107,108 樹脂多層基板。
Claims (5)
- 複数の樹脂層が積層されることによって形成された樹脂構造体を備え、
前記樹脂構造体は、前記樹脂層が第1の積層数だけ積層されたフレキシブル部と前記第1の積層数より大きい第2の積層数だけ前記樹脂層が積層されたリジッド部とを含み、
前記樹脂構造体は、前記リジッド部と前記フレキシブル部との境界線において外部に露出しつつ前記リジッド部と前記フレキシブル部とにまたがるように配置されている連結樹脂層を備え、
前記連結樹脂層は、異なる高さの層に入り込むように配置されている、樹脂多層基板。 - 前記樹脂構造体は、前記リジッド部と前記フレキシブル部との境界線の近傍に貫通孔または凹部を有する受容樹脂層を備え、前記連結樹脂層が異なる高さの層に入り込む位置では、前記連結樹脂層の一部が前記受容樹脂層の前記貫通孔または凹部に入り込んでいる、請求項1に記載の樹脂多層基板。
- 前記貫通孔または凹部は1つの前記境界線について複数設けられている、請求項2に記載の樹脂多層基板。
- 前記連結樹脂層の端は前記貫通孔または凹部に埋め込まれている、請求項2または3に記載の樹脂多層基板。
- 樹脂層が第1の積層数だけ積層されたフレキシブル部と前記第1の積層数より大きい第2の積層数だけ前記樹脂層が積層されたリジッド部とを含む樹脂多層基板の製造方法であって、
前記リジッド部と前記フレキシブル部との境界線の近傍に貫通孔または凹部を有する、受容樹脂層を配置する工程と、
前記リジッド部と前記フレキシブル部との境界線において外部に露出しつつ前記リジッド部と前記フレキシブル部とにまたがるように、連結樹脂層を配置する工程と、
前記連結樹脂層を含む前記樹脂層の積層体を加熱しながら加圧することによって、前記連結樹脂層の一部を前記貫通孔または凹部に入り込ませる工程とを含む、樹脂多層基板の製造方法。
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