JP2013189910A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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佑介 安木
Shuhei Oe
修平 大江
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Abstract

【課題】始動後に回転位相のロックが解除された内燃機関の通常運転中においてベーンロータの暴れを抑制する。
【解決手段】クランク軸と連動して回転するハウジング11と、カム軸2と連動して回転し、ハウジング内に区画した進角室22,23,24又は遅角室26,27,28に対する作動油の入出によりハウジングに対する回転位相が調整されるベーンロータ14と、進角室及び遅角室の間を連通する連通通路90と、内燃機関の始動中に回転位相をロックし、内燃機関の始動後の通常運転中に当該ロックを解除するロック手段と、内燃機関の通常運転中に進角室及び遅角室への空気の吸入が予測される場合に、進角室をポンプ4に接続し且つ遅角室をドレン5に接続した状態下、連通通路を設定時間開放してから閉塞する制御手段と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関においてドレンから供給源を通じて供給される作動油の圧力により、バルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸及びカム軸とそれぞれ連動して回転するハウジング及びベーンロータを備えたバルブタイミング調整装置が、知られている。こうした装置の一種として特許文献1には、ベーンロータによりハウジング内に区画した進角室又は遅角室に対する作動油の入出により、ハウジングに対するベーンロータの回転位相(以下、単に「回転位相」ともいう)を調整するものが、開示されている。
さて、特許文献1の装置は、進角室や遅角室の液圧が不足していること等に起因して、内燃機関の始動後に回転位相のロックが解除された瞬間にベーンロータの暴れが生じることを課題とし、当該課題に対処している。
特開2010−138698号公報
しかし、特許文献1の装置の場合、回転位相のロック解除時にはベーンロータの暴れを抑制できるが、当該解除後の通常運転中に進角室や遅角室に空気が吸入されて気泡になると、作動油の見かけ上の弾性率が低下することにより、ベーンロータの暴れを抑制できなくなる。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、始動後に回転位相のロックが解除された内燃機関の通常運転中においてベーンロータの暴れを抑制するバルブタイミング調整装置を、提供することにある。
本発明は、内燃機関においてドレン(5)から供給源(4)を通じて供給される作動油の圧力により、バルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、内燃機関のクランク軸と連動して回転するハウジング(11)と、内燃機関のカム軸(2)と連動して回転し、ハウジング内に区画した進角室(22,23,24)又は遅角室(26,27,28)に対する作動油の入出によりハウジングに対する回転位相が調整されるベーンロータ(14)と、進角室及び遅角室の間を連通する連通通路(90)と、内燃機関の始動中に回転位相をロックし、内燃機関の始動後の通常運転中に当該ロックを解除するロック手段(30,31,32,33,34,60,70,S101〜S104)と、内燃機関の通常運転中に進角室及び遅角室への空気の吸入が予測される場合に、進角室及び遅角室の一方を供給源に接続し且つ進角室及び遅角室の他方をドレンに接続した状態下、連通通路を設定時間開放してから閉塞する制御手段(30,31,32,33,34,60,70,S201〜S205,S2206,S301〜S310,S3302)と、を備える。
こうした特徴の本発明によると、始動後に回転位相のロックが解除された内燃機関の通常運転中において、進角室及び遅角室への空気の吸入が予測される場合には、進角室及び遅角室間の連通通路が設定時間開放されてから閉塞される。このとき、進角室及び遅角室の一方は供給源に接続され且つ進角室及び遅角室の他方はドレンに接続された状態となっているので、供給源から当該一方の室へと供給される作動油は、連通通路から当該他方の室を経てドレンに排出される。このような作動油経路の形成により、進角室及び遅角室に一旦は空気が吸入されても、当該空気を含んだ作動油を、供給源から供給される新たな作動油により置換しながら、ドレン側へと移送し得る。故に、進角室及び遅角室への吸入空気が気泡となることよりベーンロータが暴れる事態の抑制が、可能となる。
本発明のさらなる特徴によると、ロック手段は、回転位相をロックすると共に連通通路を開放するロック位置と、当該ロックを解除すると共に連通通路を閉塞する解除位置とに移動するロック部材を、制御手段と共有する。故に連通通路を閉塞する解除位置から、連通通路を開放するロック位置へロック部材を移動させることによれば、進角室及び遅角室の相互連通と同時に、回転位相のロックが実現される。これにより、カム軸からベーンロータへ伝達される変動トルクの作用に拘らず、相互連通した進角室及び遅角室の容積変化が抑えられて、それらの室から供給源側へと向かう逆流が規制され得る。その結果、進角室及び遅角室への吸入空気は確実にドレン側へ移送されることになるので、当該吸入空気の気泡化に起因したベーンロータの暴れの抑制効果につき、信頼性を高めることが可能となる。
また、本発明のさらなる特徴によると、制御手段(70,S303,S306,S309)は、作動油の温度が低くなるのに応じて、設定時間を延長する。故に、作動油の温度が低くなるのに応じて作動油の粘度が高くなっても、連通通路を開放する設定時間が延長されるので、空気を含んだ当該高粘度油は、進角室及び遅角室からドレンへ確実に移送され得る。また逆に、作動油の温度が高くなるのに応じて作動油の粘度が低くなったときには、空気を含んだ当該低粘度油を移送する上での必要最小限にまで、設定時間を短縮し得る。これらによれば、ベーンロータの暴れを抑制する効果の信頼性を高めながらも、当該効果を得るために進角室及び遅角室間を連通させることで内燃機関の通常運転に与える影響を、小さく抑えることが可能となる。
第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 変動トルクについて説明するための特性図である。 図1のバルブタイミング調整装置の一作動状態を示す模式図である。 図1のバルブタイミング調整装置の別の作動状態を示す模式図である。 図1のバルブタイミング調整装置の別の作動状態を示す模式図である。 図1のバルブタイミング調整装置の別の作動状態を示す模式図である。 図1の制御回路による第一制御を示すフローチャートである。 図1の制御回路による第二制御を示すフローチャートである。 図1の制御回路による第三制御を示すフローチャートである。 位相変動量と作動油圧力との相関を示すグラフである。 第二実施形態による第二制御を示すフローチャートである。 第三実施形態による第三制御を示すフローチャートである。 第一実施形態の変形例による第二制御を示すフローチャートである。 第一実施形態の変形例による第三制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
図1に示すように、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1は、車両の内燃機関に搭載され、ドレン5から「供給源」としてのポンプ4を通じて供給される作動油の圧力により、吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本構成)
まず、バルブタイミング調整装置1の基本構成につき、説明する。図1,2に示すようにバルブタイミング調整装置1は、内燃機関においてクランク軸(図示しない)からからカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達経路に設置の回転機構系10と、当該回転機構系10を駆動するために作動油の入出を制御する制御系50とを、備えている。
(回転機構系)
回転機構系10においてハウジング11は、シューケーシング12の軸方向両端部にリアプレート13及びフロントプレート15を締結してなる。シューケーシング12は、ハウジング本体120及びシュー121,122,123を有している。複数のシュー121,122,123は、円筒状のハウジング本体120において回転方向に所定間隔ずつあけた箇所から、それぞれ径方向内側に突出している。回転方向において隣り合うシュー121,122,123の間には、それぞれ収容室20が形成されている。リアプレート13は、タイミングチェーン(図示しない)を介してクランク軸と連繋するスプロケット134を、有している。かかる連繋により、クランク軸からスプロケット134へ機関トルクが伝達されるときには、ハウジング11がクランク軸と連動して一定方向(図2の時計方向)に回転する。
ベーンロータ14は、ハウジング11内に同軸上に収容されており、軸方向両端部をそれぞれリアプレート13とフロントプレート15とに摺接させる。ベーンロータ14は、回転軸140及びベーン141,142,143を有している。本実施形態では三部材140a,140b,140cから構成されている円筒状の回転軸140は、円筒状のカム軸2に対して同軸上に連結されている。かかる連結によりベーンロータ14は、カム軸2と連動してハウジング11と同一方向(図2の時計方向)に回転しつつ、当該ハウジング11に対して相対回転可能となっている。
複数のベーン141,142,143は、回転軸140において回転方向に所定間隔ずつあけた箇所から、それぞれ径方向外側に突出している。各ベーン141,142,143は、それぞれ対応する収容室20に収容されることで、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28をハウジング11内に区画している。具体的には、シュー121及びベーン141の間には進角室22が形成され、シュー122及びベーン142の間には進角室23が形成され、シュー123及びベーン143の間には進角室24が形成されている。一方、シュー122及びベーン141の間には遅角室26が形成され、シュー123及びベーン142の間には遅角室27が形成され、シュー121及びベーン143の間には遅角室28が形成されている。
ベーン141は、円柱状のロック部材30と、圧縮コイルスプリングからなる付勢部材32とを、円筒孔状の支持孔31内に支持している。ロック部材30は、支持孔31の内周面により軸方向に往復移動可能に支持され、軸方向のフロントプレート15側へ向かって付勢部材32の付勢力を受けている。ここでフロントプレート15には、円筒孔状の嵌合孔33が設けられており、軸方向において支持孔31と対向するときの当該嵌合孔33に、ロック部材30が嵌合可能となっている。かかる嵌合によりロック部材30は、図1,4に示すように、ハウジング11に対するベーンロータ14の回転位相(以下、単に「回転位相」という)を、所定のロック位相にロックする。本実施形態においてロック位相は、内燃機関の始動時に実現されてその始動性を確保するために、図2に示す如き最遅角位相及び最進角位相間の中間位相に予設定されている。
図1に示すように支持孔31は、ロック部材30との間にロック解除室34を形成している。ロック部材30は、このロック解除室34に導入される作動油の圧力を受けることで、嵌合孔33から付勢部材32の付勢力に抗して脱出可能となっている。かかる脱出によりロック部材30は、図5〜7に示すように、ロック位相における回転位相ロックを解除する。また一方、ロック解除室34から作動油が排出されることでロック部材30は、上述の如く嵌合孔33に嵌合することで、回転位相のロックを実現する。
以上の構成により回転機構系10では、ロック部材30による回転位相のロックが解除された状態下、進角室22,23,24に作動油が導入され且つ遅角室26,27,28から作動油が排出されることで、バルブタイミングを決める回転位相が進角調整される。また、回転位相ロックが解除された状態下、遅角室26,27,28に作動油が導入され且つ進角室22,23,24から作動油が排出されることで、回転位相が遅角調整される。さらにまた、回転位相ロックが解除された状態下、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に対する作動油の入出が止められて、それら各室に作動油が留められることで、回転位相が変動トルクの作用による変動の範囲内で保持調整される。ここで、カム軸2からベーンロータ14へ伝達される変動トルクは、図3に示すように、ハウジング11に対する進角方向に作用する負トルクと、ハウジング11に対する遅角方向に作用する正トルクとの間において、交番変動する。
(制御部)
図1,2に示す制御系50において、進角通路51は回転軸140に形成され、進角室22,23,24を互いに連通させている。遅角通路52は回転軸140に形成され、遅角室26,27,28を互いに連通させている。ロック解除通路53は回転軸140に形成され、ロック解除室34と連通している。
主供給通路54は回転軸140に形成され、カム軸2及びその軸受6を貫通する搬送通路3を介して、ポンプ4と連通している。ここでポンプ4は、本実施形態では、内燃機関のクランク軸から機関トルクを受けることで駆動されるメカポンプであり、ドレン5から吸入した作動油を搬送通路3へ吐出する。したがって、内燃機関においてクランキングによる始動中並びに始動により完爆した後の通常運転中には、エンジン回転速度に追従して上昇する供給圧力により、作動油がドレンパン5からポンプ4を通じて主供給通路54に供給される。
副供給通路55は回転軸140に形成され、主供給通路54から分岐している。副供給通路55は、主供給通路54を介してポンプ4の供給作動油を受ける。図1に示すようにドレン通路56は、回転機構系10及びカム軸2の外部において大気開放状態のドレン5へ作動油を排出可能に、設けられている。
制御弁60は、リニアソレノイド62が発生する駆動力と、リターンスプリング64が当該駆動力と反対向きに発生する復原力とを利用して、スリーブ66内のスプール68(図2も参照)を軸方向に往復移動させるスプール弁である。制御弁60は、進角ポート661、遅角ポート662、ロック解除ポート663、主供給ポート664、副供給ポート665及びドレンポート666を、スリーブ66に有している。ここで、進角ポート661は進角通路51と連通し、遅角ポート662は遅角通路52と連通し、ロック解除ポート663は、ロック解除通路53と連通している。また、主供給ポート664は主供給通路54と連通し、副供給ポート665は副供給通路55と連通し、ドレンポート666はドレン通路56と連通している。制御弁60は、スプール68の移動位置に応じて、これらポート661,662,663,664,665,666間の接続状態及び遮断状態を切り替える。かかる切り替え作動により制御弁60は、各室22,23,24,26,27,28,34に対する作動油の入出を制御する。
制御回路70はマイクロコンピュータを主体に構成され、リニアソレノイド62及び内燃機関の各種電装品(図示しない)と電気接続されている。制御回路70は、内部メモリに記憶のコンピュータプログラムに従って、リニアソレノイド62への通電を含む内燃機関の運転を制御する。
以上の構成により制御系50では、制御回路70の通電制御に従ったスプール68の移動により、制御弁60が図4のロック制御状態Slとなると、進角ポート661が主供給ポート664と接続される。その結果、進角室22,23,24が通路51,54,3を介してポンプ4と接続されるので、ポンプ4の供給作動油が進角室22,23,24へ導入される。それと共にロック制御状態Slでは、遅角ポート662及びロック解除ポート663が共にドレンポート666と接続される。その結果、遅角室26,27,28及びロック解除室34が通路52,53,56を介してドレン5と接続されるので、遅角室26,27,28及びロック解除室34の作動油がドレン5へ排出される。したがって、本実施形態においてロック制御状態Slが実現される内燃機関の始動中並びに通常運転中には、回転位相がロック位相にロックされた状態下、進角室22,23,24に対する作動油の導入が継続される状態となる。
制御回路70の通電制御に従ったスプール68の移動により、制御弁60が図5の進角制御状態Saとなると、進角ポート661とロック解除ポート663とがそれぞれ主供給ポート664と副供給ポート665とに接続される。その結果、進角室22,23,24及びロック解除室34が通路51,53,54,55,3を介してポンプ4と接続されるので、ポンプ4の供給作動油が進角室22,23,24及びロック解除室34へ導入される。それと共に進角制御状態Saでは、遅角ポート662がドレンポート666と接続される。その結果、遅角室26,27,28が通路52,56を介してドレン5と接続されるので、遅角室26,27,28の作動油がドレン5へ排出される。したがって、本実施形態において進角制御状態Saが実現される内燃機関の通常運転中には、回転位相ロックが解除された状態下、回転位相と共にバルブタイミングが進角調整される。
制御回路70の通電制御に従ったスプール68の移動により、制御弁60が図6の遅角制御状態Srとなると、遅角ポート662とロック解除ポート663とがそれぞれ主供給ポート664と副供給ポート665とに接続される。その結果、遅角室26,27,28及びロック解除室34が通路52,53,54,55,3を介してポンプ4と接続されるので、ポンプ4の供給作動油が遅角室26,27,28及びロック解除室34へ導入される。それと共に遅角制御状態Srでは、進角ポート661がドレンポート666と接続される。その結果、進角室22,23,24が通路51,56を介してドレン5と接続されるので、進角室22,23,24の作動油がドレン5へ排出される。したがって、本実施形態において遅角制御状態Srが実現される内燃機関の通常運転中には、回転位相ロックが解除された状態下、回転位相と共にバルブタイミングが遅角調整される。
制御回路70の通電制御に従ったスプール68の移動により、制御弁60が図7の保持制御状態Shとなると、ポート661,662が他のポートとの間を遮断される。その結果、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28はいずれも、ポンプ4及びドレン5との非接続状態となることで、作動油の入出を止められるので、それら各室に作動油が留められる。それと共に保持制御状態Shでは、ロック解除ポート663が副供給ポート665に接続される。その結果、ロック解除室34が通路53,54,55,3を介してポンプ4と接続されるので、ポンプ4の供給作動油がロック解除室34へ導入される。したがって、本実施形態において保持制御状態Shが実現される内燃機関の通常運転中は、回転位相ロックが解除された状態下、回転位相と共にバルブタイミングが保持される。
(連通通路)
以下、図1,2に示すように回転機構系10に設けられる連通通路90について、詳細に説明する。進角室22及び遅角室26の間を連通するための連通通路90は、進角室側通路部91と遅角室側通路部92とから構成されている。
進角室側通路部91及び遅角室側通路部92は、ロック部材30の支持孔31を有するベーン141に、それぞれ貫通孔状に形成されている。進角室側通路部91は、ベーン141において進角室22を区画する側面と、支持孔31の内周面とに開口している。かかる開口形態により進角室側通路部91は、進角室22と支持孔31との間を連通している。遅角室側通路部92は、ベーン141において遅角室26を区画する側面と、支持孔31の内周面とに開口している。かかる開口形態により遅角室側通路部92は、遅角室26と支持孔31との間を連通している。
回転位相をロックするロック位置に図4の如く移動したロック部材30は、支持孔31の内周面に摺接する最外周部30oにより、各通路部91,92の支持孔31側の開口を露出させることで、それら通路部91,92間を連通させる。その結果、進角室22及び遅角室26の間において、連通通路90が開放される。また一方、回転位相ロックを解除する解除位置に図5〜7の如く移動したロック部材30は、支持孔31の内周面に摺接する最外周部30oにより、各通路部91,92の支持孔31側の開口を覆うことで、それら通路部91,92間の連通を遮断する。その結果、進角室22及び遅角室26の間において、連通通路90が閉塞されることになる。
(制御)
以下、制御系50において制御回路70がコンピュータプログラムを実行することにより実現される第一〜第三制御について、詳細に説明する。
(第一制御)
まず、内燃機関の始動前の停止状態から第二制御の開始まで繰り返し実現される第一制御の詳細を、図8に基づき説明する。尚、内燃機関の停止状態においては、回転位相がロック位相にロックされているものとする。
第一制御のS101では、内燃機関の始動指令の有無を、判定する。ここで始動指令とは、例えばエンジンスイッチのオン指令、アイドルストップシステムの再始動指令等である。
始動指令が確認されない場合には、今回の第一制御が終了する。一方、始動指令を確認することで移行するS102では、リニアソレノイド62への通電制御により、制御弁60をロック制御状態Slに保持する。その結果、ロック位置のロック部材30により、回転位相がロック位相にロックされると共に連通通路90が開放される(図4参照)。このとき、内燃機関のクランキングによりエンジン回転速度が上昇するのに伴って、ポンプ4の供給圧力も上昇するので、作動油の導入継続状態となる進角室22,23,24からは、当該作動油が連通通路90を通じて遅角室26,27,28にも導入される。
続くS103では、内燃機関が完爆したか否かを、判定する。内燃機関が始動中、即ちクランキング中である間は、ロック制御状態SlのままS102が繰り返し実行され、内燃機関が完爆すると、通常運転を開始してS104に移行する。
内燃機関始動後の通常運転中となるS104では、リニアソレノイド62への通電制御により、制御弁60を保持制御状態Shへ切り替える。その結果、解除位置へ移動したロック部材30により、回転位相ロックが解除されると共に連通通路90が閉塞される(図7参照)が、回転位相がロック位相に保持されたまま第一制御が終了することになる。
(第二制御)
続いて、内燃機関の通常運転中において回転位相ロックの解除後、第三制御の開始まで繰り返し実現される第二制御の詳細を、図9に基づき説明する。
第二制御のS201では、その実行開始時点がロック解除から所定の初期期間Pi内にあるか否かを、判定する。ここで初期期間Piは、ロック解除後において進角室22,23,24及び遅角室26,27,28への空気の吸入が予測される期間の最大長さに、S201の実行毎に設定される。したがって、S201の実行開始時点が初期期間Pi内にある場合とは、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28への空気の吸入が予測される場合を、意味することになる。尚、初期期間Piについては、例えば先の第一制御により始動するまでに内燃機関が停止していた時間の長さ等に基づいて、設定することができる。
S201の実行開始時点が初期期間Piを経過している場合には、今回の第二制御が終了する。一方、S201の実行開始時点が初期期間Pi内にあることで移行するS202では、制御回路70の内部タイマによる計時を開始し、続くS203では、リニアソレノイド62への通電制御により、制御弁60をロック制御状態Slへ切り替える。その結果、ロック位置へ移動したロック部材30により、回転位相がロック位相にロックされると共に連通通路90が開放される(図4参照)。
さらに続くS204では、内部タイマによる計測時間が設定時間Tiに到達したか否かを、判定する。その結果、計測時間が設定時間Tiに未到達である間は、ロック制御状態SlのままS203が繰り返し実行され、計測時間が設定時間Tiに到達すると、S205に移行する。ここで設定時間Tiは、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28への吸入空気を排出するために必要な時間であって、内燃機関の通常運転に与える影響を小さく抑える時間となるように、S204の実行毎に設定される。特に本実施形態では、設定時間Tiの長さが初期期間Piの長さに一致乃至は近付けて設定されることで、S201からS202への移行が内燃機関の始動毎に実質一回だけ実現されるようになっている。尚、こうした設定時間Tiについては、例えば進角室22,23,24及び遅角室26,27,28の容積や、ロック制御状態Sl(図4参照)にて通路3,54,51,90,52,56が接続されてなる作動油経路の容積乃至は長さ、初期期間Piの長さ等に基づいて、設定することができる。
連通通路90の開放が設定時間Ti継続された後となるS205では、リニアソレノイド62への通電制御により、制御状態Sa,Sr,Shのうち内燃機関の通常運転に適した制御状態へ制御弁60を切り替える。その結果、解除位置へ移動したロック部材30により、回転位相ロックが解除されると共に連通通路90が閉塞された状態下(図5〜7参照)、回転位相が調整されて第二制御が終了する。
(第三制御)
続いて、内燃機関の通常運転中において初期期間Piの経過後、内燃機関の停止までに繰り返し実現される第三制御の詳細を、図10に基づき説明する。尚、初期期間Pi後の通常運転中には、第二制御のS205に準じた制御状態の切り替えが制御弁60において逐次行われているものとする。
第三制御のS301では、リニアソレノイド62への通電制御により制御弁60が保持制御状態Shへ切り替えられているか否かを、判定する。保持制御状態Sh以外の制御状態が確認される場合には、今回の第三制御が終了する一方、保持制御状態Shへの切り替えが確認されると、S302に移行する。
保持制御状態Sh(図7参照)の実現により作動油が進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に留められた中でのS302では、変動トルクによる回転位相の変動量(以下、「位相変動量」という)が設定量ΔVを超えているか否かを、判定する。ここで設定量ΔVは、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28への空気の吸入が予測されるときの位相変動量の最小値よりも小さな安全値に、予設定されている。したがって、位相変動量が設定量ΔVを超える場合とは、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28への空気の吸入が予測される場合を、意味することになる。
また、S302において設定量ΔVと比較する実際の位相変動量については、例えば内燃機関のクランク角センサやカム角センサの出力信号、又は回転位相を検出する専用のセンサの出力信号等に基づいて、算出することができる。あるいは、位相変動量と作動油の圧力との間には、図11に示すような相関があることから、例えば作動油の圧力が同図の閾値Othを下回ることにより位相変動量が設定量ΔVを超えたものとして、判断することができる。尚、後者の判断は、油圧センサにより直接検出した作動油圧力に基づき行なってもよいし、エンジン回転速度等の内燃機関の運転条件と、直接検出される作動油温度又はエンジン冷却水温度から予測される作動油温度とから、作動油圧力を推定して、当該推定圧力に基づき行なってもよい。
以上の如き位相変動量が設定量ΔV以下である場合、今回の第三制御が終了する。一方、位相変動量が設定量ΔVを超えたことで移行するS303では、直接検出される作動油温度又はエンジン冷却水温度から予測される作動油温度が設定温度TEMPを超えているか否かを、判定する。その結果、作動油温度が設定温度TEMPを超えている場合には、S304へ移行する一方、作動油温度が設定温度TEMP以下の場合には、S307へ移行する。
ここで、作動油温度が設定温度TEMP超えの高温となっているS304では、制御回路70の内部タイマによる計時を開始し、続くS305では、リニアソレノイド62への通電制御により、制御弁60をロック制御状態Slへ切り替える。その結果、ロック位置へ移動したロック部材30により、回転位相がロック位相にロックされると共に連通通路90が開放される(図4参照)。
さらに続くS306では、内部タイマによる計測時間が高温時設定時間Thに到達したか否かを、判定する。その結果、計測時間が高温時設定時間Thに未到達である間は、ロック制御状態SlのままS305が繰り返し実行される。ここで高温時設定時間Thは、粘度低下により流動性の上昇した高温の作動油を利用することで、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28への吸入空気を排出するのに必要な最小限の時間となるように、予設定されている。尚、こうした高温時設定時間Thについては、例えば設定温度TEMP超えの作動油の粘度や、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28の容積、先のS204に関して説明した作動油経路の容積乃至は長さ等に基づいて、設定することができる。
以上に対して、作動油温度が設定温度TEMP以下の低温となっているS307では、S304と実質同一内容の処理を、続くS308では、S305と実質同一内容の処理をそれぞれ実行する。さらに続くS309では、内部タイマによる計測時間が低温時設定時間Tlに到達したか否かを、判定する。その結果、計測時間が低温時設定時間Tlに未到達である間は、ロック制御状態SlのままS308が繰り返し実行される。ここで低温時設定時間Tlは、粘度上昇により流動性の低下した低温度の作動油を利用することによっても、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28への吸入空気を排出できる時間となるように、高温時設定時間Thよりも長い時間に予設定されている。尚、こうした低温時設定時間Tlについては、例えば設定温度TEMP以下の作動油の粘度や、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28の容積、先のS204に関して説明した作動油経路の容積乃至は長さ等に基づいて、行うことができる。
こうしたS309により計測時間の低温時設定時間Tlへの到達が確認された場合と、S306により計測時間の高温時設定時間Thへの到達が確認された場合はいずれも、S310へ移行して、S205と実質同一内容の処理を実行することになる。
(作用効果)
ここまで説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
第一実施形態では、始動後に回転位相ロックが解除された内燃機関の通常運転中において、第二及び第三制御が実現される。これら第二及び第三制御によると、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28への空気の吸入が予測される場合には、進角室22及び遅角室26間の連通通路90が設定時間Ti,Th,Tlだけ開放されてから、閉塞される。このとき、互いに連通する進角室22,23,24はポンプ4に接続され、且つ互いに連通する遅角室26,27,28はドレン5に接続された状態となっている。故に、ポンプ4から進角室22,23,24へと供給される作動油は、連通通路90から遅角室26,27,28を経てドレン5に排出される。このような作動油経路の形成により、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に一旦は空気が吸入されても、当該空気を含んだ作動油を、ポンプ4から供給される新たな作動油により置換しながら、ドレン5側へと移送し得る。故に、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28への吸入空気が気泡となることよりベーンロータ14が暴れる事態の抑制が、可能となる。
ここで、第一実施形態の第二制御において空気の吸入が予測される場合とは、内燃機関の通常運転中にロック解除されてから所定の初期期間Pi内に、設定されている。故にその場合には、内燃機関により駆動されるポンプ4から作動油が供給されることで、始動前における作動油経路内の滞留空気が進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に押し出されても、当該滞留空気を含んだ作動油はさらに、ドレン5側へと移送され得る。これによれば、ロック解除直後に作動油経路内から押し出される空気が、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に吸入されることでベーンロータ14を暴れさせることにつき、その抑制が可能となる。
また一方、第一実施形態の第三制御において空気の吸入が予測される場合とは、内燃機関の通常運転中において進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に作動油を留めた状態下、位相変動量が設定量ΔVを超える場合に、設定されている。故に通常運転中には、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に作動油を留めることで保持させたい回転位相が設定量ΔVを超えて変動すると、当該ΔV超えの要因となる空気を含んだ作動油がドレン5側へと移送され得る。これによれば、通常運転中に進角室22,23,24及び遅角室26,27,28への供給作動油の圧力が不足して空気が負圧吸入されたとしても、当該吸入空気の気泡化による回転位相変動を収束させて、ベーンロータ14の暴れを抑制することが可能となる。
さらに、第一実施形態の第三制御において連通通路90を開放する設定時間については、作動油温度が設定温度TEMP超となるときの時間Thよりも、作動油温度が設定温度TEMP以下となるときの時間Tlが長くなる。即ち、作動油温度が低くなるのに応じて作動油粘度が高くなっても、連通通路90の開放時間が延長されることになるので、空気を含んだ当該高粘度油は、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28からドレン5へ確実に移送され得る。また逆に、作動油温度が高くなるのに応じて作動油粘度が低くなったときには、空気を含んだ当該低粘度油を移送する上での必要最小限にまで、設定時間Thを短縮し得る。これらによれば、ベーンロータ14の暴れを抑制する効果の信頼性を高めながらも、当該効果を得るために進角室22及び遅角室26間を連通させることで内燃機関の通常運転に与える影響を、小さく抑えることが可能となる。
加えて、第一実施形態の第二及び第三制御において連通通路90を閉塞する解除位置から、連通通路90を開放するロック位置へロック部材30を移動させることによれば、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28の相互連通と同時に、回転位相のロックが実現される。これにより、カム軸2からベーンロータ14へ伝達される変動トルクの作用に拘らず、相互連通した進角室22,23,24及び遅角室26,27,28の容積変化が抑えられて、それらの室からポンプ4側へと向かう逆流が規制され得る。その結果、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28への吸入空気は確実にドレン5側へ移送されることになるので、当該吸入空気の気泡化に起因したベーンロータ14の暴れの抑制効果につき、信頼性を高めることが可能となる。
さらに加えて、第一実施形態の第一制御において内燃機関の始動中には、進角室22,23,24がポンプ4に接続され且つ遅角室26,27,28がドレン5に接続された状態となることで、それらの両室に作動油が迅速導入されて、当該導入油の充填性が高められる。故に、内燃機関始動後のロック解除時には、進角室22,23,24又は遅角室26,27,28での作動油不足によりベーンロータ14の暴れが生じる事態についても、抑制可能となるのである。
尚、以上の第一実施形態では、ロック部材30、支持孔31、付勢部材32、嵌合孔33、ロック解除室34、制御弁60、並びにS101〜S104を実行する制御回路70の共同により、「ロック手段」が構成されている。それと共に第一実施形態では、ロック部材30、支持孔31、付勢部材32、嵌合孔33、ロック解除室34、制御弁60、並びにS101〜S104,S201〜S205,S301〜S310を実行する制御回路70の共同により、ロック部材30を「ロック手段」と共有する「制御手段」が、構成されている。
(第二実施形態)
図12に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態の第二制御において、初期期間Piよりも短い設定時間Ti開放した連通通路90をS205の実行により閉塞した後には、S2206へ移行する。このS2206では、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28の総容積に対する気泡の割合として気泡率が、設定率Riを超えているか否かを、判定する。ここで設定率Riは、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28における気泡率がベーンロータ14の暴れを招くと予測されるときの最小値よりも小さな安全値に、予設定されている。また、S2206にて設定率Riと比較する実際の気泡率は、例えば作動油の圧力や位相変動量に基づいて、判断される。尚、そうした気泡率の判断基準となる作動油圧力及び位相変動量については、第三制御のS302に準じて算出乃至は推定することができる。
気泡率が設定率Riを超えていない場合には、今回の第二制御を終了する。一方、気泡率が設定率Riを超えている場合には、S201へと戻り、さらに当該S201の開始時点が初期期間Piの経過前である場合には、S202〜S205が再度実行される。即ち再度、連通通路90が設定時間Ti開放されてから、閉塞されることになる。
このように第二実施形態では、ロック解除から初期期間Piが経過するまでの間にて、連通通路90を開閉しても進角室22,23,24及び遅角室26,27,28での気泡率が低下しない場合には、当該気泡率の設定率Ri超えを条件として、連通通路90が再度開閉される。これによれば、ロック解除直後に作動油経路内から押し出されて進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に吸入された空気の気泡率を、設定率Ri以下に確実に抑えて、ベーンロータ14の暴れを抑制することが可能となる。
尚、以上の第二実施形態では、ロック部材30、支持孔31、付勢部材32、嵌合孔33、ロック解除室34、制御弁60、並びにS101〜S104,S201〜S205,S2206,S301〜S310を実行する制御回路70の共同により、ロック部材30を「ロック手段」と共有する「制御手段」が、構成されている。
(第三実施形態)
図13に示すように、本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例である。第三実施形態の第三制御では、S302に代わるS3302の実行により、第二実施形態のS2206と実質同一内容の気泡率判定が実現される。その結果、気泡率が設定率Ri以下である場合には、今回の第三制御が終了するが、気泡率が設定率Riを超えている場合には、S303以降のステップの実行により、連通通路90が高温時設定時間Th又は低温時設定時間Tlだけ開放されることになる。
このような第三実施形態の第三制御において空気の吸入が予測される場合とは、内燃機関の通常運転中において進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に作動油を留めた状態下、気泡率が設定率Riを超える場合となる。故に通常運転中には、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に作動油を留めることで回転位相を保持させたいにも拘らず、それらの室における気泡率が設定率Riを超える場合には、当該Ri超えの要因となる空気を含んだ作動油がドレン5側へ移送され得る。これによれば、通常運転中に進角室22,23,24及び遅角室26,27,28への供給作動油の圧力が不足して空気が負圧吸入されたとしても、当該吸入空気の気泡化によるベーンロータ14の暴れを抑制することが、可能となる。
尚、以上の第三実施形態では、ロック部材30、支持孔31、付勢部材32、嵌合孔33、ロック解除室34、制御弁60、並びにS101〜S104,S201〜S205,S301,S3302,S303〜S310を実行する制御回路70の共同により、ロック部材30を「ロック手段」と共有する「制御手段」が、構成されている。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に第一〜第三実施形態では、第一〜第三制御のうち一つ乃至は二つを実現しない構成を、採用してもよい。また、第一〜第三実施形態の第二制御では、図14に変形例(同図は第一実施形態の変形例)を示すように、S202〜S204を実行する代わりに、第三制御のS303〜S309を実行してもよい。逆に、第一〜第三実施形態の第三制御では、図15に変形例(同図は第一実施形態の変形例)を示すように、S303〜S309を実行する代わりに、第二制御のS202〜S204を実行してもよい。
さらに第一〜第三実施形態では、「進角」と「遅角」の関係を逆にしてもよい。そして本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置1以外にも、排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、それら吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置に適用することができるのである。
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、4 ポンプ、5 ドレン、10 回転機構系、11 ハウジング、14 ベーンロータ、22,23,24 進角室、26,27,28 遅角室、30 ロック部材、31 支持孔、32 付勢部材、33 嵌合孔、34 ロック解除室、50 制御系、60 制御弁、70 制御回路、90 連通通路、91 進角室側通路部、92 遅角室側通路部、Pi 初期期間、Ri 設定率、TEMP 設定温度、Th 高温時設定時間、Ti 設定時間、Tl 低温時設定時間、ΔV 設定量

Claims (8)

  1. 内燃機関においてドレン(5)から供給源(4)を通じて供給される作動油の圧力により、バルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記内燃機関のクランク軸と連動して回転するハウジング(11)と、
    前記内燃機関のカム軸(2)と連動して回転し、前記ハウジング内に区画した進角室(22,23,24)又は遅角室(26,27,28)に対する前記作動油の入出により前記ハウジングに対する回転位相が調整されるベーンロータ(14)と、
    前記進角室及び前記遅角室の間を連通する連通通路(90)と、
    前記内燃機関の始動中に前記回転位相をロックし、前記内燃機関の前記始動後の通常運転中に当該ロックを解除するロック手段(30,31,32,33,34,60,70,S101〜S104)と、
    前記内燃機関の通常運転中に前記進角室及び前記遅角室への空気の吸入が予測される場合に、前記進角室及び前記遅角室の一方を前記供給源に接続し且つ前記進角室及び前記遅角室の他方を前記ドレンに接続した状態下、前記連通通路を設定時間開放してから閉塞する制御手段(30,31,32,33,34,60,70,S201〜S205,S2206,S301〜S310,S3302)と、
    を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記ロック手段は、前記回転位相をロックすると共に前記連通通路を開放するロック位置と、当該ロックを解除すると共に前記連通通路を閉塞する解除位置とに移動するロック部材を、前記制御手段と共有することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記制御手段(70,S303,S306,S309)は、前記作動油の温度が低くなるのに応じて、前記設定時間を延長することを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記作動油は、前記内燃機関により駆動される前記供給源から供給され、
    前記制御手段(30,31,32,33,34,60,70,S201〜S205,S2206)は、前記内燃機関の前記通常運転中において前記ロックが解除されてから所定の初期期間内を、前記空気の吸入が予測される場合とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記制御手段(30,31,32,33,34,60,70,S201〜S205,S2206)は、前記連通通路を前記設定時間開放してから閉塞した後、前記進角室及び前記遅角室における気泡率が設定率を超え且つ前記ロックが解除されてから前記初期期間が経過する前においては、再度、前記連通通路を前記設定時間開放してから閉塞することを特徴とする請求項4に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記制御手段(30,31,32,33,34,60,70,S301〜S310)
    は、前記内燃機関の前記通常運転中において前記進角室及び前記遅角室に前記作動油を留めた状態下、前記回転位相の変動量が設定量を超える場合を、前記空気の吸入が予測される場合とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記制御手段(30,31,32,33,34,60,70,S301,S3302,S303〜S310)は、前記内燃機関の前記通常運転中において前記進角室及び前記遅角室に前記作動油を留めた状態下、前記進角室及び前記遅角室における気泡率が設定率を超える場合を、前記空気の吸入が予測される場合とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記制御手段(30,31,32,33,34,60,70,S101〜S104)は、前記内燃機関の前記始動中に、前記進角室及び前記遅角室の一方を前記供給源に接続し且つ前記進角室及び前記遅角室の他方を前記ドレンに接続した状態下、前記連通通路を開放することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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