JP2013189829A - 降伏機能分離型ブレース - Google Patents

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貴世 清川
Toshiyuki Fukumoto
敏之 福元
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淳 田上
Yasushi Akiyama
靖司 穐山
Yoshikazu Sawamoto
佳和 澤本
Naoki Tanaka
直樹 田中
Takashi Okayasu
隆史 岡安
Atsushi Kubota
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Abstract

【課題】柱・梁のフレーム内等に架設され、軸方向力を受けて降伏する降伏部を有するブレースにおいて、降伏部の座屈を防止しながら、軸力負担と降伏の機能を分離させる。
【解決手段】軸方向力の作用方向に直交する方向に互いに対向して接合され、軸方向力を負担する複数本の軸力部材5,6と、軸力部材5,6より短く、互いに接合される軸力部材5,6間に全長に亘って挟み込まれて各軸力部材5,6に接合され、軸力部材5,6が軸方向力を負担したときに降伏し得る降伏部材7からブレース4を構成する。
対向する軸力部材5,6を、降伏部材7を挟んで互いに接合された状態で軸方向力を負担したときに、互いに軸方向に相対移動可能に組み合わせる。
【選択図】図1

Description

本発明は柱・梁のフレーム内等に架設され、軸方向力を負担する軸力部材と軸方向力を負担して降伏する降伏部材が分離し、軸力部材が降伏部材の座屈を拘束する形式の降伏機能分離型ブレースに関するものである。
鋼材を用いたブレースは地震時等のフレームの層間変形時に繰り返して作用する軸方向力を受け、軸方向の一部に形成される塑性化区間において、軸方向引張力、あるいは軸方向圧縮力を受けて降伏することによりエネルギ吸収能力を発揮する。但し、軸方向圧縮力の負担により座屈を生じたとき以降は、耐力とエネルギ吸収能力を期待することができなくなるため、終局時にまで塑性化区間に座屈を発生させないこと、あるいは座屈が発生したときにそれを進展させないことがブレースを構成する上での課題になる。
ブレース全体の内、軸方向力を負担するブレース本体は軸方向には、フレームへの接合部分である両側の「接合区間」と、両「接合区間」の間に位置する「中間部区間」に区分される。「接合区間」は「中間部区間」が塑性化するまでフレームに接合された状態を維持する必要があるから、「中間部区間」より高い剛性を持つ形態に形成されるため、塑性化は「中間部区間」に発生し、座屈はその区間の一部に生ずる。
ブレース本体の塑性化区間である「中間部区間」への座屈の発生は、「中間部区間」を含むブレース本体を構成する鋼材の回りを座屈拘束用の別の鋼材(座屈拘束材)で包囲し、周囲から断面の中心側へ向かって変形を拘束することにより抑制することが可能である(特許文献1〜3参照)。
座屈はブレース本体部の全長の内、相対的に降伏耐力の低下した区間である前記の塑性化区間(中間部区間)に生ずる傾向があるから、座屈の発生が想定される座屈想定区間は塑性化区間の少なくとも一部になる(重複する)ため、座屈拘束材は少なくともこの座屈の発生が想定される区間を含む塑性化区間(中間部区間)に配置される必要がある(特許文献1〜3)。
特開2004−60234号公報(請求項1、段落0012〜0017、図1〜図4) 特開2004−92052号公報(請求項1、段落0010〜0013、図1〜図3) 特開2008−2133号公報(請求項1、段落0011〜0016、図1〜図5)
しかしながら、ブレース本体が全長に亘って軸方向力を負担する以上、ブレース本体はブレースが架設される区間の全長に亘る長さを持つ必要があるため、例えば柱・梁のフレームのいずれかの隅角部と、その対角線方向の端部である隅角部との間に架設されるだけの長さを持つ必要がある(特許文献1〜3)。
また座屈拘束型のブレースは軸方向力を負担するブレース本体とその座屈を防止するための座屈拘束材の少なくとも2種類の部材から構成され、座屈拘束材はブレース本体の塑性化区間を拘束する必要から、少なくとも2本で対になるため、ブレースはブレース本体と2本以上の座屈拘束材の3本以上の鋼材から構成される。
ここで、ブレース本体の塑性化区間に重なって座屈を拘束する座屈拘束材は塑性化区間(中間部区間)を跨いだ両側の「接合区間」間に跨る必要があるため、結局、座屈拘束材にもブレース本体と同等程度の長さが与えられる。従ってブレースを構成する少なくとも3本の全部材がブレースの架設区間に跨る程度の長さを持つ必要があるため、ブレースを構成するために使用される鋼材の量が多くなっている。
本発明は上記背景より、軸方向力を受けて降伏する降伏部を有しながら、降伏部の座屈を防止する上で、軸力負担と降伏の機能を分離させ、使用鋼材量を削減し得る合理的な設計を可能にする形態の降伏機能分離型ブレースを提案するものである。
請求項1に記載の発明の降伏機能分離型ブレースは、柱・梁のフレームに架設され、フレームの層間変形時に軸方向力を負担するブレースであり、前記軸方向力の作用方向に直交する方向に互いに対向して接合され、前記軸方向力を負担する複数本の軸力部材と、前記軸力部材より短く、互いに接合される前記軸力部材間に全長に亘って挟み込まれて前記各軸力部材に接合され、前記軸力部材が前記軸方向力を負担したときに降伏し得る降伏部材とを備え、
前記降伏部材が軸方向に距離を置き、前記軸力部材に接合されるための複数の接合部を持ち、互いに対向する前記軸力部材が軸方向の端部を除いた区間に軸方向に距離を置き、互いに接合されながら、前記降伏部材に接合されるための複数の中間部接合部を持ち、
前記複数の中間部接合部が前記軸力部材が前記降伏部材を挟んだときの前記降伏部材の接合部に対応した位置にあり、
前記対向する軸力部材が前記降伏部材を挟んで互いに接合された状態で前記軸方向力を負担したときに、互いに軸方向に相対移動可能であることを構成要件とする。
「柱・梁のフレームに架設される」とは、ブレース4がフレーム1の構面内(フレーム1内)に配置される場合と、構面の外側(フレーム1外)に配置される(外付けされる)場合を含む趣旨である。ブレース4の両端部は主に柱・梁の接合部(フレーム1の隅角部)に接合されるが、ブレース4は柱・梁の接合部(フレーム1隅角部)間の他、梁の中間部と柱・梁の接合部間等に架設される場合もあるため、ブレース4の両端部はそれぞれの架設状態に応じ、フレーム1のいずれかの部分に接合され、必ずしも柱・梁接合部に接合されるとは限らない。フレーム1のブレース4との接合部にはブレース4端部の接合部41,41が接合されるためのガセットプレート、ブラケット等の接合部材9が突設され、この接合部材9がフレーム1の接合部になる。
「軸方向力の作用方向」はブレースの軸方向であるから、それに直交する方向はブレースを構成する部材(材料)である軸力部材の厚さ方向、あるいは幅方向を指し、その方向がブレースを構成する複数本の軸力部材の内、少なくともいずれか2本の軸力部材が対向する方向を指す。この方向は降伏部材の座屈が生じ易い降伏部材の厚さ方向でもある。
降伏部材7は軸方向力である圧縮力、もしくは引張力によって軸方向のいずれかの区間(図5における塑性化部73)が降伏するから、図3−(a)、図4−(a)に示すように軸方向に直交する方向のいずれかの方向の降伏耐力が小さい断面形状に形成される。このため、降伏部材は基本的には断面性能に方向性のある板状に形成されるが、図8−(b)、(e)に示すように板状部材を十字形状、溝形状等、複数方向に組み合わせた形状に形成されることもある。
図8−(a)〜(h)に示すように降伏部材7は少なくとも2本の軸力部材5,6に降伏部材の厚さ方向に挟み込まれるため、軸力部材5,6は1本の降伏部材7を挟む2本以上の本数で対になる。よって1本のブレース4は少なくとも1本の降伏部材7と2本以上の軸力部材5,6から構成されるが、軸力部材5,6の断面形状と降伏部材7との組み合わせ方は任意である。
対向する軸力部材5,6が挟み込む降伏部材7は1本(枚)であるとは限らず、図8−(b)、(c)、(e)〜(g)に示すように1本の降伏部材7を2方向以上に3本以上の軸力部材5,6が挟み込むこともある。また図8−(c)、(f)、(g)に示すように2本以上の軸力部材5,6が組になり、組の状態で対向する軸力部材5,6が1本(枚)の降伏部材7を挟み込むこともある。
降伏部材7を挟んで対になる複数本(2本以上)の軸力部材5,6は降伏部材7の厚さ方向に互いに対向し、両者間に降伏部材7を挟んだ状態で接合される。対になる軸力部材5,6が降伏部材7を挟んで互いに接合された状態では、降伏部材7は軸力部材5,6より短いことで、図2、図5、図7に示すように降伏部材7の全長に亘って軸力部材5,6に厚さ方向に挟み込まれる。請求項1における「軸力部材間に全長に亘って挟み込まれ」とは、降伏部材7がその全長に亘って対向する軸力部材5,6間に厚さ方向に挟み込まれることを言う。
降伏部材7は対向する軸力部材5,6が重なった重複区間に配置され、軸力部材5,6に挟み込まれる結果として、降伏部材7は降伏耐力の小さい方向である面外方向に全長に亘って拘束され、面外方向の座屈が阻止される。
対向する複数本の軸力部材5,6が降伏部材7を挟んで接合された状態では、図2−(a)、(b)に示すように対向する軸力部材5,6の端部同士は軸方向に互いにずれた状態で互いに分離し、基本的に対向する軸力部材5,6の端部間同士では軸方向力の伝達が行われない状態になる。「軸方向力の伝達がされる状態には接合されない」とは、軸力部材5,6の端部同士が互いに接合されないことと、接合された場合でも軸力部材6(5)の軸方向に相対移動(変位)可能な状態に接合されることを言う。
軸力部材5,6間で軸方向力の伝達がされないことは、図2−(a)、(b)に示すように対向する軸力部材5,6の内、一方の軸力部材5の一方の端部がその側でフレーム1に接合されながらも、その側には他方の軸力部材6の一方の端部はフレーム1に接合されないことでもある。軸力部材6(5)のいずれかの端部がフレーム1の接合部に接合されない場合でも、軸力部材6(5)の端部同士はブレース4の全体曲げに抵抗するために、後述のように図2−(a)、(b)に二点鎖線で示すように対向する他方の軸力部材5(6)のその側の端部に、互いに軸方向に相対移動(変位)可能な状態に接合されることもある。
また図2に示すように「フレーム1の、一方の軸力部材5の一方の端部が接合された側に他方の軸力部材6の一方の端部が接合されないこと」は、「一方の軸力部材6の他方の端部がその側でフレーム1に接合されないこと」でもあるから、軸力部材5,6は軸方向のいずれか一方の端部においてフレーム1に接合され、他方の端部においては必ずしもフレーム1に接合される必要がないことを意味する。このことは、フレーム1におけるブレース4の架設区間の内、一方の接合部(接合部材9)には対向する軸力部材5,6の内の一方の軸力部材5が接合され、他方の軸力部材6は少なくとも軸方向力が伝達される状態には接合されないことでもある。
結局、ブレース4の架設区間であるフレーム1の一方の接合部(接合部材9)には前記した「ブレース4端部の接合部41」である一方の軸力部材5の一方の端部(接合部54)が接合され、その接合部(接合部材9)には他方の軸力部材6の一方の端部(接合部63)は軸方向力の伝達がされる状態には接合されない。同様にフレーム1の他方の接合部(接合部材9)には「ブレース4端部の接合部41」である他方の軸力部材6の他方の端部(接合部64)が接合され、その接合部(接合部材9)には一方の軸力部材5の他方の端部(接合部53)は軸方向力の伝達がされる状態には接合されない。
従って他方の軸力部材6の一方の端部(接合部63)と、一方の軸力部材5の他方の端部(接合部53)は必ずしもフレーム1には接合される必要がないため、図2−(a)、(b)に示すように各軸力部材5,6のいずれかの端部がフレーム1に接合されない場合に、各軸力部材5,6は必ずしもブレース4全体の架設区間に跨る長さを持つ必要がないことになる。
各軸力部材5,6が必ずしもブレース4全体の架設区間に跨る長さを持つ必要がないことで、軸力部材5,6の軸方向の両端部がフレーム1の接合部に接合される場合との対比では軸力部材5,6の全長が短縮されるため、軸力部材5,6を製作するための鋼材量が節減される。
「軸力部材5,6が軸方向にずれること」はまた、図2−(a)、(b)に示すように「軸力部材5,6の端部同士が軸方向に揃えられていない状態」であり、「軸力部材5,6が互いにずれた状態で分離すること」は、軸力部材5,6が同一寸法で、同一形状でありながらも(請求項5)、対向する軸力部材5,6が降伏部材7の軸方向中心に関して点対称の状態で使用可能であり、互換性のある形状であることを意味する。軸力部材5,6が同一寸法で、同一形状であれば(請求項5)、軸力部材5,6の兼用化が図られるため、ブレース4を構成する部材として少なくとも1種類、2本の軸力部材5(6)と、1本(枚)の降伏部材7を用意すればよく、必ずしもブレース4の構成部材数分の種類の部材を用意する必要がない。
「対向する軸力部材5,6が互いに分離すること」で、図2−(a)、(b)に太線で示すようにフレーム1に接合された一方の軸力部材5には、ブレース4の架設区間の一方の端部であるフレーム1の一方の接合部(接合部材9)から軸方向力が伝達され、分離している他方の軸力部材6にはそのフレーム1の一方の接合部(接合部材9)からは軸方向力は伝達されない。他方の軸力部材6にはブレース4の架設区間の他方側(反対側)であるフレーム1の他方の接合部(接合部材9)から軸方向力が伝達され、フレーム1の一方の接合部(接合部材9)からの軸方向力は軸力部材5,6に挟み込まれる降伏部材7を介して他方の接合部(接合部材9)へ他方の軸力部材6に反力として伝達される。図2中、太線の実線がフレーム1からの軸方向力の流れを示している。
一方の軸力部材5にはフレーム1の一方の接合部から軸方向力が伝達され、他方の軸力部材6にはフレーム1の他方の接合部から軸方向力が伝達されることで、軸力部材5,6が互いに分離することと併せ、対向する軸力部材5,6は軸方向に相対移動可能な状態になる。この対向する軸力部材5,6が軸方向に相対移動可能であることで、フレーム1からの軸方向力が軸力部材5,6に負担されることなく、両者に挟まれた降伏部材7に伝達され、負担されることになる。
ブレース4の架設区間の一方の接合部(接合部材9)に軸力部材5,6の一方の端部(接合部54,64)が接合され、軸力部材6の一方の端部(接合部53,63)が軸方向力の伝達がされる状態には接合されないことで、フレーム1の層間変形時の、ブレース4が架設されるフレーム1の接合部(接合部材9,9)間の相対移動(変位)時には、各軸力部材5,6は全長に亘って軸方向力を負担することがなく、図2−(a)、(b)に示すようにフレーム1に接合された一方の端部(接合部54,64)から降伏部材7との接合部(接合部51,61、52,62)までの区間で軸方向力を負担すればよい。
降伏部材7を挟んで対向する(対になる)複数本の軸力部材5,6が重なる重複区間の内、いずれかの軸力部材5(6)における、降伏部材7の軸方向両端部が位置する部分には、図5、図6に示すように降伏部材7とそれを挟んで対向する側に位置する軸力部材6(5)との接合のための複数の中間部接合部51,52(61,62)が形成される。この中間部接合部51,52(61,62)に対応した位置に降伏部材7の接合部71,72が形成される。
軸力部材5,6の中間部接合部51,52、61,62と、降伏部材7の接合部71,72は具体的にはボルト8が挿通するための複数個の挿通孔5a,5b、6a,6b、7a,7bから構成される(請求項2)。各挿通孔5a,5b、6a,6b、7a,7bは軸力部材5,6に作用する軸方向力が軸力部材5,6の全断面に均等に作用するよう、複数個形成される。
降伏部材7の接合部71,72はそれを挟み込む軸力部材5,6から軸方向力を受ける上で、軸方向両端部の2箇所に形成されていればよく、それに対応し、軸力部材5,6の中間部接合部51,52(61,62)も2箇所、形成されていればよい。但し、接合位置の調整、対になる軸力部材5,6に組み合わせられる降伏部材7の長さの相違への対応、ブレース4の架設長さの相違への対応等の理由から、降伏部材7の接合部71,72と軸力部材5,6の中間部接合部51,52(61,62)は軸方向に3箇所以上、形成されることもある。
降伏部材7の軸方向両端部が位置する部分に形成される接合部71,72に軸力部材5,6の中間部接合部51,52(61,62)が重なることから、降伏部材7は少なくとも軸力部材5,6の隣接する2箇所の中間部接合部間51,52(61,62)に跨る長さを持てばよいことになる。
図5、図6に示すように互いに対向する複数本の軸力部材5,6の内、いずれか(一方)の軸力部材5に形成される複数の中間部接合部51,52は降伏部材7を挟んで対向する側に位置し、互いに接合される他方の軸力部材6の複数の中間部接合部61,62に重なり、降伏部材7の接合部71,72とも重なる。
降伏部材7の接合部71,72と軸力部材5,6の中間部接合部51,52(61,62)は共に、接合のためのボルト8のせん断力による、もしくは軸力部材5,6と降伏部材7との間の接触面間の摩擦力によるフレーム1からの軸方向力伝達のための複数個のボルト挿通用の挿通孔5a,5b(6a,6b)、7a,7bを有する。ボルト8は一方の軸力部材5の中間部接合部51,52における挿通孔5a,5bと降伏部材7の接合部71,72における挿通孔7a,7b、及び他方の軸力部材6の中間部接合部61,62における挿通孔6a,6bを挿通し、反対側で緊結される。
降伏部材7を挟んで対向する複数の軸力部材5,6における複数の中間部接合部51,52(61,62)の内、いずれか(一方)の軸力部材5の中間部接合部51,52は降伏部材7を挟んだ他方の軸力部材6のいずれかの中間部接合部61,62に重なる。この重なる一方の軸力部材5の中間部接合部51,52と他方の軸力部材6の中間部接合部61,62の内のいずれかの挿通孔5a,6aは、ボルト8が挿通し、ボルト8により他方の軸力部材6と接合された状態で、軸力部材5,6が負担する軸方向力に応じ、軸力部材同士5,6が軸方向に相対移動可能な状態になるよう、例えば軸力部材5,6の軸方向(長さ方向)に長い長孔状に形成される(請求項2)。図面では長孔状の挿通孔を5a,6aで示している。
軸力部材同士5,6が軸方向に相対移動することは、ボルト8が挿通する挿通孔が長孔状である場合(請求項2)の他、例えばボルト8自身がせん断耐力を超える軸方向力を受け、せん断降伏することによっても可能になる。但し、挿通孔が長孔である場合には、フレーム1からの軸方向力が軸力部材5(6)とそれが接触する降伏部材7との間の摩擦力を超える大きさになれば相対移動可能になるため、ボルト8の降伏に依存する場合より相対移動を生じさせ易い利点がある。図面では軸力部材5,6が互いに軸方向に相対移動可能にする手法として、ボルト8が挿通する挿通孔5a,6aを長孔状に形成する場合のみを示しているため、以下では長孔状に形成した場合の例で説明する。
対向する軸力部材5,6同士が軸方向に相対移動可能である理由は、フレーム1から受ける軸方向力により軸力部材5,6同士が相対移動可能でなければ、軸力部材5,6が軸方向力を負担することになるため、降伏部材7に十分に軸方向力を伝達することができず、降伏部材7を降伏させることもできないことによる。
降伏部材7の2箇所の接合部71,72に軸力部材5,6の2箇所の中間部接合部51,52(61,62)が相対移動可能でない状態で接合されているとすれば、降伏部材7はそれを挟み込む両側の軸力部材5,6と共に軸方向力を負担することになり、軸力部材5,6が弾性範囲で伸縮する限度で降伏部材7が軸方向力を負担するに留まるため、降伏部材7を降伏に至らせることが難しくなる。
これに対し、図3、図4、図6に示すように対向する軸力部材5,6が互いに軸方向に相対移動可能な状態に接合されていれば、前記のようにフレーム1からの軸方向力が伝達されない区間はフレーム1からの軸方向力を負担することがなく、フレーム1からの全軸方向力が降伏部材7に伝達されるため、降伏部材7のみが全長に亘って軸方向力を負担する状態になり、降伏部材7を降伏させることが可能になる。
各軸力部材5,6の中間部接合部51,52(61,62)が3箇所以上、形成されている場合には、2箇所以上の中間部接合部51,52(61,62)における挿通孔が長孔でなければ、軸方向に相対移動可能な状態にはならないため、いずれか1箇所の中間部接合部を除く残りの中間部接合部51,52(61,62)の挿通孔5a,6aが長孔状に形成される。
一方の軸力部材5(6)が他方の軸力部材6(5)に対して軸方向に相対移動可能であることで、フレーム1から一方の軸力部材5(6)の一方の端部と他方の軸力部材6(5)の他方の端部間に作用する軸方向力に伴って両軸力部材5,6間に相対移動が発生し、この相対移動によって降伏部材7に軸方向力が作用する。両軸力部材5,6間の相対移動は前記のように両接触面間の摩擦力を超える軸方向力が作用することによって、あるいはボルト8のせん断耐力を超える軸方向力が作用することによって発生する発生する。
対向する軸力部材5,6がフレーム1からの軸方向の作用時に軸方向に相対移動可能であることで、軸力部材5,6間の相対移動に伴い、両軸力部材5,6に挟まれた降伏部材7の接合部71,72には軸方向の引張力と圧縮力が作用するため、降伏部材7は軸方向の引張力と圧縮力を交互に負担し、弾性域を超えたときに、全長の内、相対的に降伏耐力の低下した部分(区間)である塑性化部73において軸方向力により降伏する。
フレーム1からの軸方向力の作用時には一方の軸力部材5の長孔でない挿通孔5bを挿通するボルト8と、他方の軸力部材6の長孔でない挿通孔6bを挿通するボルト8から降伏部材7に軸方向力が伝達される。塑性化部73は降伏部材7の全長が一様な材料から構成される場合には、例えば図3〜図5に示すように降伏部材7の全長の内、相対的に軸方向に直交する方向の断面積が低下した形状に形成されるが、この他、降伏強度の小さい材料を組み合わせることによっても形成される。
図3−(a)の場合、軸力部材5の長孔状でない挿通孔5bを挿通するボルト8は降伏部材7の挿通孔7aを挿通し、その下の軸力部材6の長孔状の挿通孔6aを挿通するから、そのボルト8が挿通孔6a内を移動できる範囲で、軸力部材6は軸力部材5に対して相対移動可能であり、降伏部材7の挿通孔7a部分は軸力部材6に対して伸縮可能である。同様に下側の軸力部材6の長孔状でない挿通孔6bを挿通するボルト8は降伏部材7の挿通孔7bを挿通し、その上の軸力部材5の長孔状の挿通孔5aを挿通するから、そのボルト8が挿通孔5a内を移動できる範囲で、軸力部材5は軸力部材6に対して相対移動可能であり、降伏部材7の挿通孔7b部分は軸力部材5に対して伸縮可能である。
降伏部材7が伸縮可能な範囲で、降伏部材7の両面はそれぞれの側の軸力部材5,6に対して接触したまま相対移動を生じ得るため、降伏部材7の両面と軸力部材5,6との間の接触面では摩擦力による減衰(エネルギ吸収)効果が期待される。但し、摩擦力による減衰を期待しない場合には、降伏部材7の軸力部材5,6に対する相対移動を積極的に生じさせるための低摩擦材が介在させられることもある。
ブレース4を構成する軸力部材5,6と降伏部材7の内、降伏部材7のみがフレーム1からの全軸方向力を負担し、対向する(対になる)複数本の軸力部材5,6が降伏部材7に全長に亘って重なることで、ブレース4はフレーム1からの全軸方向力を負担する降伏部材7と、その座屈を拘束する座屈拘束材としての対向する複数本の軸力部材5,6とに機能的に分離し、降伏部材7の全長がフレーム1からブレース4に作用する軸方向力を負担する。
ここで、従来のブレース本体は軸方向の両端部においてフレームに接合されることで、全長に亘って軸方向圧縮力と引張力を負担するため、従来のブレース本体には、全長がフレームからの軸方向力を負担する本発明の降伏部材7が相当する。但し、本発明の降伏部材7はブレース4の架設区間に跨る必要がなく、軸力部材5,6の全長の内の一部の区間である隣接する2箇所の中間部接合部51,52(61,62)間に亘る長さを有すればよいため、架設区間の内の一部区間で済む。
従って従来のようにブレース本体の全長がブレースの架設区間に跨る場合との対比では、ブレース本体に相当する降伏部材7の長さが短縮され、それだけブレース4を構成するための使用鋼材量が削減される。降伏部材7は少なくとも軸力部材5,6の隣接する2箇所の中間部接合部51,52(61,62)間に跨る長さを持っていればよいため、少なくとも軸力部材5,6の2箇所の中間部接合部51,52(61,62)に対応した位置に形成される接合部71,72間に跨る長さを持てばよい。
また軸方向圧縮力を負担する従来のブレース本体の座屈を防止するための座屈拘束材はブレース本体のフレームとの接合部である両端部を除く区間に重なるため、本発明においては降伏部材7に、その全長に亘って重なる軸力部材5,6が従来の座屈拘束材に相当する。但し、本発明では前記のように対向する(対になる)複数本の軸力部材5,6が軸方向に互いにずれる等により分離し、一方の軸力部材5の一方の端部がフレーム1の一方の接合部に接合され、他方の軸力部材6の他方の端部がフレーム1の他方の接合部に接合されることで、軸力部材5,6がブレース4全体の架設区間の全長に跨る必要がないため、従来の座屈拘束材と同等程度の長さを持てばよい。よって軸力部材5,6の使用が鋼材量の増加に結び付くことはない。
図2−(a)は各軸力部材5,6が軸方向力を負担する区間が短い(座屈長さが短い)場合のフレーム1内へのブレース4の架設例を示している、(b)は各軸力部材5,6が軸方向力を負担する区間が長い(座屈長さが長い)場合の架設例を示す。(a)と(b)ここでは、各軸力部材5,6が一方の端部においてその側に位置するフレーム1(の接合部(接合部材9))に接合され、他方の端部においてはその側に位置するフレーム1(の接合部(接合部材9))に接合されていない状態を示している。
図2−(a)はまた、対向する軸力部材5,6の内、フレーム1の一方(接合部材9)に固定状態で接合された一方の軸力部材5の一方の端部(接合部54)に近い側の中間部接合部51に降伏部材7が接合部71において固定状態で接合され、他方の端部(接合部53)に近い側の中間部接合部52には降伏部材7が接合部72において軸方向に相対移動可能状態に接合されている様子を示している。他方の軸力部材6の、フレーム1の他方(接合部材9)に固定状態で接合された他方側の端部(接合部64)に近い側の中間部接合部61には降伏部材7が接合部72において固定状態で接合され、フレーム1への接合端部から遠い側の中間部接合部62に降伏部材7が接合部71において軸方向に相対移動可能状態に接合されている。
図2−(a)に示す接合状態を簡略化した様子を図3−(a)に、その縦断面を(b)に示している。図2−(a)における固定状態での中間部接合部51と中間部接合部61は図3−(a)では長孔状でない挿通孔5b、6bに該当し、相対移動可能状態での中間部接合部52と中間部接合部62は図3−(a)では長孔状の挿通孔5a、6aに該当する。
図2−(a)の場合、フレーム1からの軸方向力はフレーム1の一方(接合部材9)に接合された軸力部材5の一方の端部(接合部54)から降伏部材7との固定状態での中間部接合部51(フレーム1との接合部側)までの区間に作用し、その降伏部材7との固定状態での中間部接合部51から他方の端部(接合部53)までの区間には作用しない。降伏部材7には軸力部材5,6の中間部接合部51,61に固定状態で接合されている接合部71,72間にフレーム1からの軸方向力が作用する。他方の軸力部材6においても同様であり、フレーム1の他方(接合部材9)に接合された軸力部材6の他方の端部(接合部64)から降伏部材7との固定状態での中間部接合部61(フレーム1との接合部側)までの区間に作用し、その降伏部材7との固定状態での中間部接合部61から他方の端部(接合部63)までの区間には作用しない。
図2−(a)、(b)では各軸力部材5,6のフレーム1との接合部寄りの中間部接合部を51,61で示し、その反対側であるフレーム1に接合されない側の中間部接合部を52,62で示し、中間部接合部51側の降伏部材7の接合部を71で示し、中間部接合部52側の降伏部材7の接合部を72で示している。
図2−(b)はまた、対向する軸力部材5,6の内、フレーム1の一方(接合部材9)に固定状態で接合された一方の軸力部材5の一方の端部(接合部54)から遠い側の中間部接合部52に降伏部材7が接合部72において固定状態で接合され、その一方の軸力部材5の一方の端部に近い側の中間部接合部51には降伏部材7が接合部71において軸方向に相対移動可能に接合されている様子を示している。他方の軸力部材6の他方側の端部(接合部64)はその側のフレーム1の他方(接合部材9)に固定状態で接合され、その接合された端部に近い側の中間部接合部61には降伏部材7が接合部72において軸方向に相対移動可能状態に接合され、フレーム1への接合端部から遠い側の中間部接合部62に降伏部材7が接合部71において固定状態で接合されている。
図2−(b)に示す接合状態を簡略化した様子を図4−(a)に、その縦断面を(b)に示している。図2−(b)における固定状態での中間部接合部52と中間部接合部62は図4−(a)では長孔状でない挿通孔5b、6bに該当し、相対移動可能状態での中間部接合部51と中間部接合部61は図4−(a)では長孔状の挿通孔5a、6aに該当する。
なお、図3−(a)、(b)、図4−(a)、(b)において軸力部材5,6の破断している側の端部はそれぞれの側においてフレーム1に固定状態で接合され、軸力部材5,6の破断していない側の端部はそれぞれの側においてフレーム1に接合されていないか、軸方向に相対移動可能状態に接合されていることを示している。
図2−(b)の場合も、フレーム1からの軸方向力はフレーム1の一方(接合部材9)に接合された軸力部材5の一方の端部(接合部54)から降伏部材7との固定状態での中間部接合部52までの区間に作用し、その降伏部材7との固定状態での中間部接合部52から他方の端部(接合部53)までの区間には軸方向力は作用しない。他方の軸力部材6にも降伏部材7に固定状態で接合された中間部接合部62からフレーム1との接合部までの区間にフレーム1からの軸方向力が作用する。降伏部材7には固定状態で接合されている軸力部材5の中間部接合部52に対応する接合部72と、軸力部材6の中間部接合部62に対応する接合部71との間にフレーム1からの軸方向力が作用する。
前記のように対向する軸力部材5,6の内、一方(他方)の軸力部材5の他方(一方)の端部(接合部53)と、他方(一方)の軸力部材6の一方(他方)の端部(接合部63)は少なくともフレームからの軸方向力の伝達がされる状態には接合されない。但し、例えばブレース4が軸方向圧縮力を受けることに伴い、全体曲げを生ずるような場合には軸力部材5,6が降伏部材7と共に曲げモーメントに抵抗する必要があるため、図6−(a)、(b)に示すように全体曲げに対しては対向する軸力部材5,6が組み合わせ梁の状態で挙動できるよう、それぞれの端部(接合部53,64、63,54)において互いに接合される場合もある。
その場合、各軸力部材5,6の全長が曲げ変形に伴って軸方向力を負担することがないよう、一方の軸力部材5の端部(接合部53、54)と他方の軸力部材6の端部(接合部64、63)間(接合部53−64間、接合部54−63間)では軸方向力を伝達させないために、端部同士は互いに軸方向に相対移動自在に接合される(請求項3)。この場合、互いに重なり得る、対向する軸力部材5,6の端部同士が互いに軸方向に相対移動自在に接合されるよう、双方の軸力部材5,6の内の少なくともいずれか一方には図5、図6に示すように軸方向に長い長孔状の挿通孔5c,6cが形成される。軸力部材5,6の他方には長孔状でない挿通孔5d,6dが形成されていればよい。
対向する軸力部材5,6の端部同士が少なくともいずれか一方に形成される長孔状の挿通孔5c,6cの形成によって軸方向に相対移動自在に接合されることで(請求項3)、全体曲げに対しては軸力部材5,6が組み合わせ梁として抵抗しながらも、曲げ変形に伴って軸方向力を負担することはない状態になる。各軸力部材5,6は曲げ変形しながらも、軸方向には相対変形可能であるから、独立して曲げモーメントに抵抗することになる。
図2−(a)と図2−(b)の例では、ブレース4全体がフレーム1から軸方向圧縮力を受けることで、全体曲げ座屈を起こそうとするときには、対向する軸力部材5,6が降伏部材7を挟んだ状態で接合されていることで、少なくとも2本の軸力部材5,6と降伏部材7が厚さ方向に重なった組み合わせ梁として曲げモーメントに抵抗しようとするため、軸力部材5,6、もしくは降伏部材7が単体で抵抗する場合より抵抗力(耐力)が向上する。
対向する軸力部材5,6の端部同士が軸方向に相対移動自在に接合される場合(請求項3)、互いに直接、もしくは間接的に接触している軸力部材5,6の端部同士(接合部53−64間、接合部54−63間)には曲げ変形、あるいは軸方向力を受けることに伴う相対移動(滑り)が生ずる。
このことから、軸力部材5,6の端部間(接合部53−64間、接合部54−63間)に軸力部材5,6の相対移動を積極的に生じさせるための低摩擦材を直接、もしくは間接的に介在させることで(請求項4)、各軸力部材5,6が曲げモーメントを分担しようとするときの端部における軸方向力や曲げモーメント等の局部的な応力を受けない状態に接合することが可能である。「直接」は軸力部材5,6の端部間に直接、低摩擦材を介在させることであり、「間接的」は軸力部材5,6の端部間にブレース4を接合するためのガセットプレート等の接合部材9が挟み込まれる場合に、その接合部材9と各軸力部材5,6との間に低摩擦材を介在させることを言う。
なお、軸力部材5,6の端部間(接合部53−64間、接合部54−63間)での軸方向の相対移動を生じさせながら、軸力部材5,6の端部同士が軸方向に摩擦力の伝達が可能な状態に接合されていれば、軸力部材5,6の曲げ変形に伴う軸方向の相対変形時に、接触面に摩擦力による減衰(エネルギ吸収)効果が期待される。
前記の通り、降伏部材7に形成される複数の接合部71,72と、軸力部材5,6に形成される複数の中間部接合部51,52(61,62)は共に、図5〜図7に示すように軸方向の一部の区間(領域)に、複数個の挿通孔5a,5b(6a,6b)、7a,7bが集合した形で形成される。軸力部材5,6の複数の中間部接合部51,52(61,62)は降伏部材7の複数の接合部71,72に重なり、両接合部の挿通孔5a,5b(6a,6b)、7a,7bを貫通するボルト8によって互いに接合される。ボルト8は対向する軸力部材5,6の中間部接合部51,61(52,62)と、両者に挟まれた降伏部材7の接合部71(72)を貫通し、これらを降伏部材7の厚さ方向に接合する。
図3−(a)、図4−(a)に示すように降伏部材7を挟んで対向する2本の軸力部材5,6の中間部接合部51,62の内の一方62と、中間部接合部52,61の内の一方52における挿通孔5a,6aは軸力部材5,6の軸方向(長さ方向)に長い形状(長孔状)をし、その挿通孔5a,6aを有する軸力部材5,6は他方の軸力部材6,5に対し、両部材5(6),7との接合状態で軸方向に相対移動可能な状態になる。降伏部材7の複数の接合部71,72に固定状態で接合される中間部接合部51,62における挿通孔5b,6bは長孔状でない形状に形成される。
図3−(a)に示すように一方の軸力部材5における長孔状の挿通孔5aを有する中間部接合部52と、他方の軸力部材6における長孔状の挿通孔6aを有する中間部接合部62は対応した位置にはなく、軸方向に降伏部材7の接合部71,72間距離だけ互いにずれた位置にあるが、各軸力部材5,6の複数の中間部接合部51,52(61,62)は降伏部材7の複数の接合部71,72に重なる位置にある。
一方の軸力部材5における長孔状の挿通孔5aを有する中間部接合部52は降伏部材7を挟んで対向する軸力部材6の中間部接合部61,62の内、長孔状でない挿通孔6bを有する中間部接合部61に対応した位置に配置される。図3−(a)は図2−(a)に示す軸力部材5,6の配置状態に対応した中間部接合部51,61(52,62)の長孔状の挿通孔5a(6a)と長孔状でない挿通孔5b(6b)の関係を簡略化して示しており、軸力部材5,6の座屈長さを小さく設定する場合の使用例を示している。
降伏部材7の複数の接合部71,72は軸力部材5,6の複数の中間部接合部51,52(62,61)に重なるものの、降伏部材7の接合部71,72における挿通孔7a,7bは軸方向には長孔状でないため、その挿通孔7a,7bを挿通するボルト8が各軸力部材5,6の長孔状でない挿通孔5b,6b挿通することで、降伏部材7はその厚さ方向両面側に重なる軸力部材5,6を挿通するボルト8から軸方向力を受ける。この軸方向力はフレーム1の層間変形時に圧縮力と引張力として交互に作用する。
図3−(a)は一方の軸力部材5(6)の2箇所ある中間部接合部51,52(61,62)の内、その軸力部材5(6)がフレーム1に接合される側(破断側)の中間部接合部51(61)における挿通孔5b(6b)が長孔状でない場合の例を示している。この例の場合、図2−(a)のようにフレーム1の一方の接合部に接合されている軸力部材5のフレーム1への接合部から、長孔状でない挿通孔5bの中間部接合部51までの区間に軸方向力が作用し、その中間部接合部51から長孔状の挿通孔5aの中間部接合部52までの区間には軸方向力が作用しない。
図4−(a)は一方の軸力部材5(6)の2箇所ある中間部接合部51,52(61,62)の内、その軸力部材5(6)がフレーム1に接合される側(破断側)の中間部接合部51(61)における挿通孔5a(6a)が長孔状で、フレーム1に接合される側の反対側の中間部接合部52(62)における挿通孔5b(6b)が長孔状でない場合の例を示している。
図4−(a)の例でも、フレーム1の一方の接合部(接合部材9)に接合されている軸力部材5(6)のフレーム1への接合部54(64)から、長孔状でない挿通孔5b(6b)の中間部接合部52(62)までの区間に軸方向力が作用するため、軸力部材5(6)の軸方向力の負担区間は図3−(a)の場合より長くなる。このことは図2−(a)と(b)に実線の太線で示す、各軸力部材5,6の軸方向力の負担長さ(距離)の対比からも明らかである。図4−(a)は図2−(b)に示す軸力部材5,6の配置状態に対応した中間部接合部51,61(52,62)の長孔状の挿通孔5a(6a)と長孔状でない挿通孔5b(6b)の関係を簡略化して示しており、軸力部材5,6の座屈長さを大きく設定する場合の使用例になる。
因みに図3−(a)の場合、一方の軸力部材5の長孔状でない挿通孔5bを挿通するボルト8は降伏部材7の接合部71における挿通孔7aを挿通し、他方の軸力部材6の長孔状の挿通孔6aを挿通する。この他方の軸力部材6の長孔状の挿通孔6aをボルト8が挿通しながらも、挿通孔6aが軸力部材6の軸方向に長孔状であることで、他方の軸力部材6は挿通孔6aを挿通するボルト8からは、降伏部材7との接触面における摩擦力を超える軸方向力を受けることはない。同様に一方の軸力部材5は長孔状の挿通孔5aを挿通するボルト8からは降伏部材7との接触面における摩擦力を超える軸方向力を受けることはない。
図2−(a)、図3−(a)は各軸力部材5,6の2箇所の中間部接合部51,52(61,62)が降伏部材7の2箇所の接合部71,72に重なり、各軸力部材5,6の軸方向の一方側の端部においてその側に位置するフレーム1の接合部に接合され、そのフレーム1との接合部側の中間部接合部51,61において降伏部材7に固定状態で接合されている様子を示している。反対側の中間部接合部52,62においては降伏部材7に軸方向に相対移動可能に接合されている。降伏部材7に固定状態で接合されている中間部接合部51,61の挿通孔5b,6bは長孔状ではなく、相対移動可能に接合されている中間部接合部52,62の挿通孔5a,6aが長孔状に形成されている。
図2−(a)の状態で、降伏部材7が軸方向圧縮力を負担する状況になったときには、前記のように軸力部材5,6はフレーム1との接合部54,64から、降伏部材7との固定状態での中間部接合部51,61までの区間において圧縮力を負担し、その固定状態の中間部接合部51,61から相対移動可能な中間部接合部52,62側の端部までの区間においては圧縮力を負担しない。降伏部材7が軸方向引張力を負担する状況になったときも同様であり、軸力部材5,6はフレーム1との接合部54,64から、降伏部材7との固定状態での中間部接合部51,61までの区間において引張力を負担し、その固定状態の中間部接合部51,61から相対移動可能な中間部接合部52,62側の端部までの区間においては引張力を負担しない。
これに対し、図2−(b)、図4−(a)は各軸力部材5,6がフレーム1との接合部54,64から遠い側の中間部接合部52,62において降伏部材7に固定状態で接合され、フレーム1との接合部54,64寄りの中間部接合部51,61においては軸方向に相対移動可能に接合されている。この場合も、降伏部材7が軸方向圧縮力を負担する状況になったときには、軸力部材5,6はフレーム1との接合部54,64から、降伏部材7との固定状態での中間部接合部52,62までの区間において圧縮力を負担し、その固定状態の中間部接合部52,62からフレーム1との接合部の反対側の端部までの区間は圧縮力を負担しない。
降伏部材7が軸方向引張力を負担する状況になったときも同様であるから、図2−(b)の場合、軸力部材5,6の圧縮力と引張力の負担区間は(a)の場合より、中間部接合部間距離51,52(61,62)分、長くなる。降伏部材7が軸方向引張力を負担する状況になったときも同様である。
以上のように図2−(b)(図4−(a))の場合、図2−(a)(図3−(a))の場合より軸力部材5,6の圧縮力と引張力(軸方向力)の負担区間が長いことで、圧縮力を受けるときには座屈を生じ易くなるが、繰り返される引張力と圧縮力による伸び量と縮み量が図2−(a)の場合より大きくなるため、軸力部材5,6の軸方向力に起因する降伏によるエネルギ吸収効果を期待することができる利点がある。
ブレースが、軸方向力を負担し、互いに対向して接合される複数本の軸力部材と、軸力部材より短く、軸力部材間に全長に亘って挟み込まれる降伏部材を持ち、対向する軸力部材が軸方向力を負担したときに、軸方向に相対移動可能にすることで、フレームからの全軸方向力を降伏部材に負担させ、降伏させるため、従来のブレース本体に相当する降伏部材の長さが短縮され、ブレースを構成するための使用鋼材量を削減することができる。
またフレームからの軸方向力を降伏部材が負担することで、従来の座屈拘束材に相当する軸力部材は全長に亘って軸方向力を負担する必要がなく、必ずしもブレース全体の架設区間に跨る長さを持つ必要がないため、軸力部材の軸方向の両端部がフレームの接合部に接合される場合との対比では軸力部材の全長が短縮され、軸力部材を製作するための鋼材量が節減される。
(a)は柱・梁のフレーム内へのブレースの架設状態を示した立面図、(b)は(a)のx−x線断面図である。 (a)、(b)は軸力部材と降伏部材を組み合わせたブレースの構成例と、ブレース端部のフレームへの接合状態を示した、ブレースの軸方向に直交する方向に見たときの断面図であり、(a)は軸力部材のフレームとの接合部側の中間部接合部に降伏部材を固定状態で接合した場合、(b)は軸力部材のフレームとの接合部の反対側の中間部接合部に降伏部材を固定状態で接合した場合である。 (a)は図2−(a)に示す軸力部材と降伏部材の関係を簡略化して示した斜視図、(b)は(a)の縦断面図である。 (a)は図2−(b)に示す軸力部材と降伏部材の関係を簡略化して示した斜視図、(b)は(a)の縦断面図である。 (a)は図2−(a)における上側の軸力部材と降伏部材との関係を示した立面図であり、図7−(a)のa−a線断面図、(b)は図2−(a)における下側の軸力部材と降伏部材との関係を示した立面図であり、図7−(a)のb−b線断面図である。 (a)は図2−(a)における軸力部材と降伏部材を組み合わせた状態のブレースを図2−(a)の上側の軸力部材側から見たときの様子を示した立面図、(b)は図2−(a)の下側の軸力部材側から見たときの様子を示した立面図である。 (a)は図6−(b)の平面図、(b)は図6−(b)における軸力部材の軸方向に直交する方向に見たときの断面図、(c)は(a)のc−c線断面図、(d)は(a)のd−d線断面図である。 (a)〜(h)は軸力部材と降伏部材の組み合わせ例を示した軸方向に直交する方向の断面図である。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1−(a)は柱2・梁3のフレーム1に架設され、フレーム1の層間変形時に軸方向力を負担する降伏機能分離型ブレース(以下、ブレース)4のフレーム1内での架設例を示す。図1−(b)は(a)のx−x線の断面を示す。
ブレース4は軸方向力の作用方向に直交する方向に互いに対向して接合され、軸方向力を負担する複数本の軸力部材5,6と、軸力部材5,6より短く、互いに接合される軸力部材5,6間に全長に亘って挟み込まれて各軸力部材5,6に接合され、軸力部材5,6が軸方向力を負担したときに降伏し得る降伏部材7とを備える。
軸力部材5と降伏部材7が互いに降伏部材7の厚さ方向に重なった状態でボルト8により接合される部分には、図3、図4に示すようにそれぞれ少なくとも2箇所の中間部接合部51,52と、少なくとも2箇所の接合部71,72が形成される。同様に軸力部材6の、降伏部材7と互いに重なった状態でボルト8により接合される、接合部71,72に対応した部分にも、少なくとも2箇所の中間部接合部61,62が形成される。
図3は図2−(a)に示す軸力部材5,6と降伏部材7の組み合わせ例の概要を、図4は図2−(b)に示すように軸力部材5,6と降伏部材7の組み合わせ例の概要を示しているが、図6−(a)、(b)に示すように軸力部材5の中間部接合部51,52と、軸力部材6の中間部接合部61,62はそれぞれ複数個の挿通孔5a,5b、6a,6bから構成される。軸力部材5,6の中間部接合部51,52、61,62における挿通孔5a,5b、6a,6bの形成に対応し、降伏部材7の接合部71,72も図5に示すように複数個の挿通孔7a,7bから構成される。後述のように軸力部材5,6の中間部接合部51,52、61,62における挿通孔5a、6aは図6に示すように軸方向に長孔状に形成されるのに対し、降伏部材7の挿通孔7a,7bは図5に示すように長孔状でない形状に形成される。
図1は、後述のように軸力部材6の軸方向両端部の内、フレーム1に固定状態で接合された側(接合部64側)の挿通孔6aが長孔状で、反対側(フレーム1に相対移動可能状態で接合された側(接合部63側))の挿通孔6bが長孔状でない点で、図4に示す組み合わせ例の軸力部材5,6と降伏部材7から構成されるブレース4のフレーム1への架設例を示している。
図1ではブレース4の接合部41における、軸方向に直交する2方向の曲げ剛性を上げるために、接合部41をブレース4の軸方向に直交する二方向のプレートから十字形の断面形状に形成している。それに伴い、十字形断面の接合部41を受ける接合部材9も直交する二方向のプレートから接合部41と同一の断面形状をし、接合部41と接合部材9は軸方向に互いに突き合わせられ、双方のプレートに継手プレートが渡されることにより接合される。
ブレース4は図8−(a)〜(h)に示す具体例のように2本以上の対向する軸力部材5,6と、軸力部材5,6に挟み込まれる降伏部材7から構成されるが、ブレース4としては軸方向両端部の接合部41,41において、フレーム1の構面内、もしくは構面外に突設されるガセットプレート等の接合部材9に接合される。図1では接合部材9を柱2と梁3の接合部であるフレーム1の隅角部に配置しているが、柱2の軸方向中間部、または梁3の軸方向中間部に配置することもある。
図8−(a)は平板状(I形断面)の降伏部材7を2本の溝形鋼である軸力部材5,6のウェブにおいて挟持した場合、(b)は十字形断面の降伏部材7を4本の山形鋼である軸力部材5,6によって挟持した場合である。(c)は2本の山形鋼を組み合わせた(一体化させた)形の2組の軸力部材5,6で平板状の降伏部材7を挟持した場合、(d)は(c)における2本の山形鋼を1本化させた形状のT形鋼の軸力部材5,6で平板状(I形断面)の降伏部材7を挟持した場合である。
図8−(e)は十字形断面の降伏部材7を4本の溝形鋼である軸力部材5,6によって挟持した場合、(f)は(e)における2本の溝形鋼を組み合わせて1本化させた形状の2組の軸力部材5,6で平板状の降伏部材7を挟持した場合、(g)は(f)における2本の溝形鋼の組み合わせ方と平板状の降伏部材7の向きを変えた状態で、2組の軸力部材5,6で平板状の降伏部材7を挟持した場合である。
図8−(h)は寸法の相違する2本の角形鋼管を軸力部材5,6として用い、その2本の軸力部材5,6間に平板状の降伏部材7を介在させた場合である。(h)では2本の軸力部材5,6間には形成される2方向に対向する空隙の内、1方向に対向する空隙に降伏部材7を介在させているが、2方向に対向する空隙に降伏部材7を介在させること、または2方向に跨る隅角部に介在させることもある。軸力部材5,6と降伏部材7には主に鋼材等の金属材料が使用されるが、必ずしもその必要はない。
ブレース4が図1、図3〜図7に示すように2本の軸力部材5,6と降伏部材7から構成される場合に、図1に示すように両軸力部材5,6の軸方向両端部がフレーム1(接合部材9)に接合される場合には、一方の軸力部材5における一方の接合部54と、他方の軸力部材6における一方の接合部64がブレース4の一方の接合部41になり、各軸力部材5,6の他方の接合部53,63がブレース4の他方の接合部41になる。
図2−(a)、(b)に示すようにフレーム1(接合部材9)には一方の軸力部材5の一方の接合部54と、他方の軸力部材6の他方の接合部64のみが固定状態で接合され、一方の軸力部材5の他方の接合部53と、他方の軸力部材6の一方の接合部63は接合されないこともある。図面ではフレーム1(接合部材9)に固定状態で接合される接合部を54,64で示し、フレーム1(接合部材9)に接合されないか、相対移動可能状態に接合される接合部を53,63で示している。
一方の軸力部材5の接合部53と他方の軸力部材6の接合部63はフレーム1(接合部材9)に接合されない場合も、相対移動可能状態に接合される場合も、ブレース4として両軸力部材5,6が組み合わせられた状態で、図7−(a)に矢印で示す全体曲げに抵抗する上では、図6−(a),(b)に示すようにそれぞれが対向する側の軸力部材6,5の接合部64,54に互いに軸方向に相対移動可能状態に接合される。図2−(a),(b)の二点鎖線は一方の軸力部材5の接合部53と、それに対向する他方の軸力部材6の接合部64が互いに直接、もしくは図1に示すように接合部材9を挟んで間接的に接合され、他方の軸力部材6の接合部63と、それに対向する一方の軸力部材5の接合部54も直接、もしくは間接的に互いに接合されることがあることを示している。
ここで互いに接合される接合部53と接合部64、及び接合部63と接合部54は軸力部材5,6の軸方向に相対移動可能状態に接合されるから、図面では一方の接合部、例えばフレーム1に接合されない側の接合部53,63に複数個の、軸方向に長い長孔状の挿通孔5c,6cを形成している。挿通孔5c,6cが複数個である理由は軸方向力を軸力部材5,6の全断面に均等に作用させるためである。
図1に示すように2本の軸力部材5,6が共に、両端部の接合部53,54、63,64においてフレーム1に接合される場合には、降伏部材7にフレーム1からの軸方向力を伝達させ、負担させるために、(a)、(b)に示すように一方の軸力部材5の一方の接合部53はフレーム1(接合部材9)には軸方向に相対移動可能状態に接合され、他方の接合部54がフレーム1(接合部材9)に固定状態で接合される。同様に他方の軸力部材6の他方の接合部63がフレーム1(接合部材9)に軸方向に相対移動可能状態に接合され、一方の接合部64はフレーム1(接合部材9)に固定状態で接合される。ここで言う「一方の接合部53,64」と「他方の接合部54,63」は各軸力部材5,6において互いに軸方向の反対側の接合部を指している。
一方の軸力部材5の一方の接合部53と他方の軸力部材6の他方の接合部63がフレーム1に対して可動状態にあり、一方の軸力部材5の他方の接合部54と他方の軸力部材6の一方の接合部64がフレーム1に固定状態に接合される理由は、フレーム1の層間変形時(相対変形時)に軸力部材5,6間に相対移動を生じさせることで、降伏部材7に軸方向力を負担させるためである。
図1では軸力部材5,6の軸方向両端部の接合部の内、フレーム1(接合部材9)に軸方向に相対移動可能状態に接合される接合部を53,63で示し、フレーム1(接合部材9)に固定状態で接合される接合部を54,64で示している。上記のように軸力部材5,6の、フレーム1(接合部材9)に軸方向に相対移動可能状態に接合される接合部53,63はフレーム1に接合されないこともある。
フレーム1(接合部材9)に軸方向に相対移動可能状態に接合される接合部53,63には図1−(b)、図5、図6に示すように接合部材9に対して軸力部材5,6の軸方向に相対移動可能になるための複数個の長孔状の挿通孔5c,6cが形成され、固定状態で接合される接合部54,64には複数個の長孔状でない挿通孔5d,6dが形成される。一方の軸力部材5の接合部53における長孔状の挿通孔5cを挿通するボルト8は接合部材9のプレートを貫通し、他方の軸力部材6の接合部64における長孔状でない挿通孔6dを挿通する。同様に他方の軸力部材6の接合部63における長孔状の挿通孔6cを挿通するボルト8は接合部材9のプレートを貫通し、一方の軸力部材5の接合部54における長孔状でない挿通孔5dを挿通する。長孔状の挿通孔5c,6cを挿通するボルト8が貫通するプレートの挿通孔は長孔状ではない。
一方の軸力部材5(6)の接合部53,63における長孔状の挿通孔5c(6c)を挿通するボルト8が接合部材9(プレート)を貫通し、対向する他方の軸力部材6(5)の長孔状でない挿通孔5d(6d)を挿通することで、挿通孔5c(6c)を有する軸力部材5(6)の接合部53,63はそれが直接接触している接合部材9に対して軸方向に相対移動可能状態になる。このことから、接合部材9に対する軸力部材6(5)の相対移動を積極的に生じさせる場合には、軸力部材5(6)の接合部53,63と接合部材9(のプレート)との間にPTFE(四フッ化エチレン樹脂)等の低摩擦材のシートを介在させることもある。
図1の場合、ブレース4を構成する一方の軸力部材5の一方の端部(接合部53)がフレーム1(接合部材9)に軸方向に相対移動可能状態に接合され、他方の端部(接合部54)がフレーム1(接合部材9)に固定状態で接合されることで、その軸力部材5の全長にはフレーム1からの軸方向力は作用しない。また他方の軸力部材6の他方の端部(接合部63)がフレーム1(接合部材9)に軸方向に相対移動可能状態に接合され、一方の端部(接合部64)がフレーム1(接合部材9)に固定状態で接合されることで、その軸力部材6の全長にもフレーム1からの軸方向力は作用しない。
対向する軸力部材5,6は軸方向中間部の前記中間部接合部51,52と中間部接合部61,62において降伏部材7を挟んで少なくとも2箇所で互いに接合されるが、図1−(b)、図2〜図4に示すように一方の中間部接合部51,61(52,62)において軸方向に相対移動可能状態に接合されながら、他方の中間部接合部52,62(51,61)において固定状態で接合されることで、軸力部材5,6は全体として互いに軸方向に相対移動可能な状態になる。対向する軸力部材5,6が互いに軸方向に相対移動可能な状態にあることで、フレーム1の層間変形時にフレーム1からの軸方向力を対向する軸力部材5,6が挟み込む降伏部材7に伝達する状態にある。
図1−(b)に示すように軸力部材5の中間部接合部51,52における各挿通孔5a,5bと軸力部材6の中間部接合部61,62における各挿通孔6a,6bを挿通するボルト8は降伏部材7の接合部71,72における挿通孔7a,7bを挿通するが、挿通孔7a,7bは長孔状でないため、降伏部材7は少なくとも軸方向の2箇所で厚さ方向両側の軸力部材5,6に固定状態で接合される。
降伏部材7が少なくとも軸方向の2箇所で軸力部材5,6に固定状態で接合され、軸力部材5,6が軸方向に相対移動可能状態にあることで、降伏部材7には軸力部材5,6の相対移動に伴って軸方向力が作用する。降伏部材7は軸力部材5,6から受ける軸方向力によって降伏し、塑性変形時の履歴ループによりエネルギを吸収する。降伏部材7の軸方向中間部の、接合部71,72を除いた領域には軸力部材5,6からの軸方向力により他の部分より先行して降伏(塑性化)するための塑性化部73が形成される。
塑性化部73は軸方向力を受けて降伏するから、図3〜図5に示すように断面を絞る、または溝や孔を形成する等により何らかの形で他の部分より相対的に断面積の小さい形状に形成されていればよいが、降伏強度の小さい材料を接合部71,72間に挟み込む形で接合部71,72に一体化させることによっても形成される。図3〜図5では塑性化部73の幅をその他の部分である接合部71,72の幅より小さくすることで、塑性化部73の断面積を接合部71,72の断面積より小さくし、塑性化部73の降伏耐力を合部71,72の降伏耐力より低下させている。この場合、塑性化部73の断面積は接合部71,72における挿通孔7a,7bの断面欠損分を差し引いた断面積より小さくなる。
図2−(a)、(b)はブレース4が対向する2本の軸力部材5,6と降伏部材7から構成される場合に、一方の軸力部材5の一方の端部(長孔状でない挿通孔5dを有する接合部54)がフレーム1(接合部材9)に固定状態で接合され、他方の端部(長孔状の挿通孔5cを有する接合部53)がフレーム1(接合部材9)に接合されないか、軸方向に相対移動可能状態に接合されている場合の状況を模式化して示している。他方の軸力部材6の他方の端部(長孔状でない挿通孔6dを有する接合部64)はフレーム1(接合部材9)に固定状態で接合され、他方の端部(長孔状の挿通孔6cを有する接合部63)はフレーム(接合部材9)に接合されないか、軸方向に相対移動可能状態に接合されている。
図2−(a)はまた、各軸力部材5,6の軸方向に2箇所ある中間部接合部51,52、61,62の内、フレーム1(接合部材9)に固定状態で接合された側(接合部54,64側)の中間部接合部51、61が降伏部材7の接合部71,72に固定状態で接合され、フレーム1に相対移動可能状態に接合されている側(接合部53,63側)の中間部接合部52、62が降伏部材7の接合部72,71に相対移動可能状態に接合されている場合の状況を模式的に示している。
この場合、フレーム1の一方の接合部材9からの軸方向力は接合部材9から、降伏部材7に固定状態で接合されている軸力部材5の中間部接合部51まで伝達され、中間部接合部51から降伏部材7の全長(接合部71,72間)を通じ、降伏部材7の接合部72からそれに固定状態で接合されている軸力部材6の中間部接合部61に伝達され、中間部接合部61からフレーム1の反対側の接合部材9に伝達される。軸方向力は圧縮力と引張力を指す。
図2−(b)はフレーム1(接合部材9)に相対移動可能状態に接合された側(接合部53,63側)の中間部接合部52、62が降伏部材7の接合部72,71に固定状態で接合され、フレーム1に固定状態で接合された側(接合部54,64側)の中間部接合部51、61が降伏部材7の接合部71,72に相対移動可能状態に接合されている場合の状況を模式的に示している。
この場合、フレーム1の一方の接合部材9からの軸方向力は接合部材9から、降伏部材7に固定状態で接合されている軸力部材5の中間部接合部52まで伝達され、中間部接合部52から降伏部材7の全長(接合部71,72間)を通じ、降伏部材7の接合部72からそれに固定状態で接合されている軸力部材6の中間部接合部62に伝達され、中間部接合部62からフレーム1に固定状態で接合された接合部64を経てフレーム1の反対側の接合部材9に伝達される。
図3−(a)は図2−(a)に示す軸力部材5,6と降伏部材7の組み合わせ例における軸力部材5,6と降伏部材7の接合状態を簡略化して示している。(b)は(a)の縦断面を示す。
この例では軸力部材5の接合部54側(フレーム1への固定側)の中間部接合部51における長孔状でない挿通孔5bを挿通するボルト8が降伏部材7の接合部71における挿通孔7aと、軸力部材6の中間部接合部62における長孔状の挿通孔6aを挿通するため、降伏部材7が軸方向に伸縮可能な範囲で、軸力部材6が軸力部材5に対して相対移動可能な状態にある。同様に軸力部材6の接合部64側(フレーム1への固定側)の中間部接合部61における長孔状でない挿通孔6bを挿通するボルト8が降伏部材7の接合部72における挿通孔7bと、軸力部材5の中間部接合部52における長孔状の挿通孔5aを挿通するため、降伏部材7が軸方向に伸縮可能な範囲で、軸力部材5が軸力部材6に対して相対移動可能な状態にある。
図4−(a)は図2−(b)に示す軸力部材5,6と降伏部材7の組み合わせ例における軸力部材5,6と降伏部材7の接合状態を簡略化して示している。(b)は(a)の縦断面を示す。
この例では軸力部材5の接合部53側(フレーム1に対して可動側)の中間部接合部52における長孔状でない挿通孔5bを挿通するボルト8が降伏部材7の接合部72における挿通孔7bと、軸力部材6の中間部接合部61における長孔状の挿通孔6aを挿通するため、降伏部材7が軸方向に伸縮可能な範囲で、軸力部材6が軸力部材5に対して相対移動可能な状態にある。同様に軸力部材6の接合部63側(フレーム1に対して可動側)の中間部接合部62における長孔状でない挿通孔6bを挿通するボルト8が降伏部材7の接合部71における挿通孔7aと、軸力部材5の中間部接合部51における長孔状の挿通孔5aを挿通するため、降伏部材7が軸方向に伸縮可能な範囲で、軸力部材5が軸力部材6に対して相対移動可能な状態にある。
図5−(a)は図1−(b)に相当する図7−(a)のa−a線断面図であり、一方の軸力部材5の一方の端部側の図2−(a)における上側の軸力部材5と降伏部材7との位置関係を示す。図5−(b)は図7−(a)のb−b線断面図であり、図2−(a)における下側の軸力部材6と降伏部材7との位置関係を示す。図7−(a)はブレース4の全長を軸方向に直交する方向に見たときの断面図である。
ブレース4の架設区間はフレーム1を構成する軸方向両側の接合部材9,9間距離に相当する。図5−(a)中の降伏部材7と(b)中の降伏部材7は同じ降伏部材7を指す。図5〜図7において軸力部材5と軸力部材6には形状と寸法が同一で、互換性のある部材が使用されている。
図5〜図7は軸力部材5のフレーム1への固定側の接合部54寄りの中間部接合部51が降伏部材7に固定状態で接合され、反対側の中間部接合部52が降伏部材7に可動状態で接合されている図2−(a)に示す例において、二点鎖線で示すように対向する接合部53,64同士、及び接合部63,54同士が軸方向に相対移動可能状態に接合されている場合の具体例を示している。
前記のようにフレーム1への固定側の接合部54,64の反対側の接合部53,63は必ずしもフレーム(接合部材9)に接合される必要がないため、図5に示すように軸力部材5と軸力部材6の長さはブレース4の架設区間より短い大きさで足りる。対向する軸力部材5,6の接合部53,64同士、及び接合部63,54同士は一体的にブレース4の全体曲げに抵抗可能になるよう、互いに接合される関係で、それぞれ一方の端部(接合部54,64)においてフレーム1(接合部材9)に固定状態で接合されたときに、他方の端部である接合部53,63において対向する軸力部材6,5の接合部64,54の少なくとも一部と互いに接合可能な程度に重複する。
互いに重複する一方の軸力部材5の接合部53と他方の軸力部材6の接合部64、及び他方の軸力部材6の接合部63と一方の軸力部材5の接合部54はそれぞれ軸方向に相対移動可能状態に接合されるために、少なくともいずれか一方の接合部53,63には前記のように複数個の長孔状の挿通孔5c,6cが形成される。図面では他方の接合部54,64に長孔状でない挿通孔5d,6dを形成しているが、挿通孔5d,6dも長孔状に形成することもある。
互いに接合される接合部53,64同士、及び接合部63,54同士は軸方向のいずれの向きにも相対移動可能なように、図6−(a)、(b)に示すように長孔状でない挿通孔5d,6dの中心が長孔状の挿通孔5c,6cの中心に位置するように重なり、両者を貫通するボルト8によって軸方向に相対移動可能状態に接合される。
軸力部材5,6の軸方向両側の接合部53,54、63,64を除く中間部には軸方向に距離(間隔)を置いて2箇所以上の、降伏部材7との接合のための中間部接合部51,52、61,62が形成され、それぞれに複数個の挿通孔5a,5b、6a,6bが形成される。図面では中間部接合部51,52、61,62を各軸力部材5,6に2箇所、形成し、それに伴い、降伏部材7の接合部71,72も2箇所、形成しているが、ブレース4の架設区間の相違に対応するため等のために、それぞれ3箇所以上、形成することもある。
軸力部材5の2箇所の中間部接合部51,52は図5、図6に示すように降伏部材7の2箇所の接合部71,72の位置に対応した位置に形成され、同じく軸力部材6の中間部接合部61,62も降伏部材7の接合部71,72の位置に対応した位置に形成される。軸力部材5の中間部接合部51,52と軸力部材6の中間部接合部61,62は降伏部材7を挟んで対応した位置に形成されることになる。
中間部接合部51,52のいずれか一方の挿通孔5aと中間部接合部61,62のいずれか一方の挿通孔6aは図6−(a)、(b)に示すように軸力部材5,6同士が軸方向力によって互いに軸方向に相対移動可能状態に接合されるよう、長孔状に形成される。他方の挿通孔5b、6bは軸力部材5,6からの軸方向力を降伏部材7に伝達するために長孔状でない形状に形成される。互いに接合される中間部接合部51,62同士、及び中間部接合部61,52同士は図1、図3、図4に示すように両者を貫通するボルト8によって軸方向に相対移動可能状態に接合される。
図7は対向する軸力部材5,6を、両者間に降伏部材7を挟んで互いに接合した構造のブレース4の構成を示している。(a)はブレース4が軸方向力の負担に伴い、全体曲げを受けるときの様子を、(b)はフレーム1からの軸方向力の流れを示している。(c)は(a)のc−c線の断面を、(d)は(a)のd−d線の断面を示している。
図7は各軸力部材5,6の、フレーム1に固定状態で接合されない側の接合部53,63がフレーム1に対して可動状態にあるため、図7−(b)は図2−(a)と同じ状況を示している。この場合、フレーム1からの軸方向力は降伏部材7の全長で負担されるものの、軸力部材5,6にはフレーム1に固定状態で接合される接合部54,64から、降伏部材7に固定状態で接合される中間部接合部51,61までの区間にのみ作用する。
図7−(a)に示すようにブレース4が軸方向圧縮力を負担することにより全体曲げ座屈が発生しようとするときには、見かけ上、ブレース4の軸方向中央部である降伏部材7の軸方向中央部に面外方向の外力を受ける状態になり、ブレース4全体では仮想の外力により曲げモーメントを受ける。このとき、軸力部材5,6の、フレーム1に固定状態で接合されない側の接合部53,63が互いに分離しているとすれば、各軸力部材5,6は独立して曲げモーメントに抵抗することになる。
これに対し、図7では軸力部材5,6の、フレーム1に固定状態で接合されない側の接合部53,63がフレーム1に対して可動状態にありながらも、図6に示すように互いに軸方向に相対移動可能状態に接合されているため、ブレース4全体に作用する面外方向の曲げモーメントに対しては接合部53,63同士が滑りながら、各軸力部材5,6が組み合わせ梁として協同して抵抗し、曲げモーメントを分担する。各軸力部材5,6が曲げモーメントを分担するときに、接合部53,63間に滑りが生じなければ、全体的な曲げモーメント以外の軸方向力と局部的な曲げモーメントを受けることになるが、滑りが生じ得ることで、過剰な応力を負担せずに済むことになる。
1……フレーム、2……柱、3……梁、
4……降伏機能分離型ブレース、41……接合部、
5……軸力部材、
51……中間部接合部、5a……挿通孔(長孔状)、
52……中間部接合部、5b……挿通孔(非長孔状)、
53……接合部、5c……挿通孔(長孔状)、
54……接合部、5d……挿通孔(非長孔状)、
6……軸力部材、
61……中間部接合部、6a……挿通孔(長孔状)、
62……中間部接合部、6b……挿通孔(非長孔状)、
63……接合部、6c……挿通孔(長孔状)、
64……接合部、6d……挿通孔(非長孔状)、
7……降伏部材、
71……接合部、7a……挿通孔、
72……接合部、7b……挿通孔、
73……塑性化部、
8……ボルト、9……接合部材。

Claims (5)

  1. 柱・梁のフレームに架設され、フレームの層間変形時に軸方向力を負担するブレースであり、前記軸方向力の作用方向に直交する方向に互いに対向して接合され、前記軸方向力を負担する複数本の軸力部材と、前記軸力部材より短く、互いに接合される前記軸力部材間に全長に亘って挟み込まれて前記各軸力部材に接合され、前記軸力部材が前記軸方向力を負担したときに降伏し得る降伏部材とを備え、
    前記降伏部材は軸方向に距離を置き、前記軸力部材に接合されるための複数の接合部を持ち、互いに対向する前記軸力部材は軸方向の端部を除いた区間に軸方向に距離を置き、互いに接合されながら、前記降伏部材に接合されるための複数の中間部接合部を持ち、
    前記複数の中間部接合部は前記軸力部材が前記降伏部材を挟んだときの前記降伏部材の接合部に対応した位置にあり、
    前記対向する軸力部材は前記降伏部材を挟んで互いに接合された状態で前記軸方向力を負担したときに、互いに軸方向に相対移動可能であることを特徴とする降伏機能分離型ブレース。
  2. 前記降伏部材の接合部と前記各軸力部材の中間部接合部は共に、ボルト挿通用の複数個の挿通孔を有し、前記各軸力部材の複数の中間部接合部の内、いずれかの中間部接合部における前記挿通孔は前記軸力部材の軸方向に長い形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の降伏機能分離型ブレース。
  3. 前記対向する軸力部材の軸方向の端部同士は互いに軸方向に相対移動可能に接合されていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の降伏機能分離型ブレース。
  4. 前記対向する軸力部材の端部間に、前記軸方向の相対移動を生じさせるための低摩擦材が直接、もしくは間接的に介在させられていることを特徴とする請求項3に記載の降伏機能分離型ブレース。
  5. 前記各軸力部材は同一寸法で、同一形状であり、互換性があることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の降伏機能分離型ブレース。
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