JP2013188650A - 水処理システム及び水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】嫌気微生物の働きによって、廃水中の有機汚濁分を分解する嫌気リアクタ10と、嫌気リアクタの後段に配される、水の散水により空気中の酸素を溶解させることによって酸素を供給し、内部に微生物を付着させるための充填物を充填した散水型好気リアクタ12と、嫌気リアクタの後段に配される、固液分離のための分離膜を生物反応槽内に有した膜分離活性汚泥リアクタ13とを備え、嫌気リアクタで処理された処理水のうち、再生水の需要量分を膜分離活性汚泥リアクタで処理し、残り分を散水型好気リアクタで処理する水処理システムである。
【選択図】図1
Description
図1は、第1の実施形態の水処理システムの構成を示す図である。
水処理システム1は、嫌気リアクタ10、流量分配器11、散水型好気リアクタ12、膜分離活性汚泥リアクタ(MBR: Membrane Bio-Reactor)13を備える。
上述のように、嫌気リアクタ10からの処理水は、流量分配器11によって分配されて散水型好気リアクタ12とMBR13とに供給される。この際の処理量比は、MBR13の再生水の需要量により決定される。
水処理システム1には、情報処理を担当する再生水需要量予測システム50が設けられている。再生水需要量予測システム50は、複数の需要家a,b,c・・・の所有する情報処理端末とネットワーク、通信回線などで接続されている。ここで、需要家とは、例えば、再生水を利用する工場、公園やビルを管理する会社、自治体などである。
第1の実施の形態の水処理システム1では、前段に嫌気リアクタ10を配し、後段に散水型好気リアクタ12とMBR13とを配する。このようにMBR13と散水型好気リアクタ12とを組み合わせて使用することでコストを低減することができる。
膜分離活性汚泥法⇒BOD<3[mg/L]、SS<1[mg/L]、T−N<10[mg/L]
嫌気リアクタ+散水型好気リアクタ⇒BOD<15[mg/L]、SS<15[mg/L]、T−N<25[mg/L]
都市下水を処理対象としたランニングコストの例では、
膜分離活性汚泥法⇒ 0.5〜1.0kwh/m3下水
嫌気リアクタ+散水型好気リアクタ⇒ 0.1〜0.25kwh/m3下水
そこで、需要家からの情報に基づいて、再生水の需要量を予測し、再生水の需要量分だけMBR13で処理し、残り分は低コスト方式である散水型好気リアクタ12で処理した後で公共水域に放流する。これによって、処理施設全体の運転コストを低減することができる。
更に、嫌気リアクタ10での処理によって、バイオガスからのエネルギー回収を行うことができ、このエネルギーを活用することでコストを低減することができる。
図3は、第2の実施の形態の水処理システム1の構成を示す図である。第2の実施の形態の水処理システム1では、公共水域に放流される散水型好気リアクタ12の処理水の有機物濃度が放流基準を満たすように構成されている。第1の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付してその詳細の説明は省略する。
UV計27の測定値(UVpv)が所定の目標値(UVsv)よりも小さい場合は、水質が基準内にあるため、通常状態であるとして散水型好気リアクタ12とMBR13の流入量(Q)と流出量(q)とを次の関係が成立するように制御する。
q1=Q0−Q1
q2=Q1
q3=0
ここで、Q0:全流入量(m3/h)、Q1:再生水需要量(m3/h)、q1:散水型好気リアクタ流入量、q2:MBR流入量、q3:MBR処理水ポンプ流量である。
q1=Q0−Q1−k(UVpv−UVsv)
q2=Q1+k(UVpv−UVsv)
q3=k(UVpv−UVsv)
ここで、k>0:比例定数、UVsv:UV目標値、UVpv:UV計測定値である。
第2の実施の形態の水処理システム1では、公共水域に放流する処理水の悪化リスクの低減とイニシャルコスト、メンテナンスコストの低減を図ることができる。
図4は、第3の実施の形態の水処理システム1の構成を示す図である。第3の実施の形態の水処理システム1では、MBR13の無酸素槽13aの脱窒状態が所定の状態に維持されるように構成されている。第1の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付してその詳細の説明は省略する。
第3の実施の形態によれば、無酸素槽13aのORPを−50mV〜−150mVとなるように管理することができるため、MBR13において、良好な窒素除去率を達成することが可能となる。
図5は、第4の実施の形態の水処理システム1の構成を示す図である。第4の実施の形態の水処理システム1では、MBR13の無酸素槽13aの脱窒状態が所定の状態に維持されるように構成されている。第3の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付してその詳細の説明は省略する。
第4の実施の形態によれば、無酸素槽13aのORPを−50mV〜−150mVとなるように管理することができるため、MBR13において、良好な窒素除去率を達成することが可能となる。
また、汚泥処理量の削減が見込めるため、汚泥処理コストの低減が見込める。
脱窒状態の監視は、ORP計で行うものでなくとも、無酸素槽13a内に硝酸性窒素を測定するセンサ(硝酸計)を設置し、行うものであってもよい。
図6は、第5の実施の形態の水処理システム1の構成を示す図である。第5の実施の形態の水処理システム1では、MBR13の無酸素槽13aの脱窒状態が所定の状態に維持されるように構成されている。第4の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付してその詳細の説明は省略する。
第5の実施の形態によれば、第4の実施の形態の効果に加え、嫌気リアクタ10ならびに散水型好気リアクタ12から汚泥を排出し、汚泥処理施設へ送泥するための配管、ポンプなどの機器が不要となり、MBR13からの余剰汚泥ラインのみで済むことからイニシャルコストの低減につながる。
図7は、第6の実施の形態の水処理システム1の構成を示す図である。第6の実施の形態の水処理システム1では、需要家に再処理水を供給するMBR13の処理水の水質悪化を防止するように構成されている。第1の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付してその詳細の説明は省略する。
アンモニア濃度計35の測定値(NH4pv)が所定の目標値(NH4sv)よりも小さい場合は、水質が基準内にあるため、通常状態であるとして散水型好気リアクタ12とMBR13との流入量(Q)と流出量(q)とを次の関係が成立するように制御する。
q1=Q0−Q1
q2=Q1
q3=0
ここで、Q0:全流入量(m3/h)、Q1:再生水需要量(m3/h)、q1:散水型好気リアクタ流入量、q2:MBR流入量、q3:散水型好気処理水返送ポンプ流量である。
q1=Q0−Q1+k(NH4pv−NH4sv)
q2=Q1−k(NH4pv−NH4sv)+q3
q3=k(NH4pv−NH4sv)
ここで、k>0:比例定数、NH4sv:NH4目標値、NH4pv:NH4計測定値である。
第6の実施の形態の水処理システム1では、MBRの処理水量=再生水の需要量の関係を崩すことなく、需要家に供給する再生水の水質改善を図ることができる。
上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
Claims (11)
- 嫌気微生物の働きによって、廃水中の有機汚濁分を分解する嫌気リアクタと、
前記嫌気リアクタの後段に配される、水の散水により空気中の酸素を溶解させることによって酸素を供給し、内部に微生物を付着させるための充填物を充填した散水型好気リアクタと、
前記嫌気リアクタの後段に配される、固液分離のための分離膜を生物反応槽内に有した膜分離活性汚泥リアクタと
を備え、
前記嫌気リアクタで処理された処理水のうち、再生水の需要量分を膜分離活性汚泥リアクタで処理し、残り分を散水型好気リアクタで処理することを特徴とする水処理システム。 - 再生水の需要家毎に取得した再生水の必要量に関する情報に基づいて所定期間における再生水需要量を演算する演算器を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の水処理システム。
- 散水型好気リアクタの処理水の濁度、BOD、COD、UV、pHのうち少なくとも一つの水質を測定するセンサと、
測定した水質が運転管理値の範囲を超過した場合に、膜分離活性汚泥リアクタの処理水の一部で前記散水型好気リアクタの処理水を希釈して前記水質を運転管理値の範囲内に制御するとともに、前記膜分離活性汚泥リアクタの処理水量を増加させる第1の制御装置とを更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の水処理システム。 - 散水型好気リアクタの処理水の一部を膜分離活性汚泥リアクタの前段に流入させる流路と、
膜分離活性汚泥リアクタの処理水のアンモニア濃度を測定する第2のセンサと、
測定したアンモニア濃度が目標値を超過した場合に、前記流路を介して散水型好気リアクタの処理水の一部を膜分離活性汚泥リアクタの前段に流入させるとともに、散水型好気リアクタで処理する水量を増加させる第2の制御装置とを更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の水処理システム。 - 膜分離活性汚泥リアクタは、無酸素槽と好気槽とを有し、
嫌気リアクタをバイパスして、原水を前記膜分離活性汚泥リアクタに導入する流路と、
無酸素槽内の処理水の硝酸性窒素濃度を測定するセンサと、
測定結果で前記硝酸性窒素濃度が高くなった場合に、嫌気リアクタをバイパスして、膜分離活性汚泥リアクタに直接原水を導入するように流路を切り替える切替え装置と
を更に備えたことを特徴とする請求項1または2記載の水処理システム。 - 嫌気リアクタの前段に配される原水中の浮遊成分を固液分離するための固液分離槽で分離された固形分を膜分離活性汚泥法の無酸素槽に導入する流路を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の水処理システム。
- 嫌気リアクタと散水型好気リアクタの少なくとも一つで生じた余剰汚泥を膜分離活性汚泥槽の無酸素槽に導入する流路を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の水処理システム。
- 散水型好気リアクタは、膜分離活性汚泥法よりも低コスト型の好気性微生物を使って処理することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の水処理システム。
- 嫌気微生物の働きによって、廃水中の有機汚濁分を分解する嫌気リアクタを配し、
水の散水により空気中の酸素を溶解させることによって酸素を供給し、リアクタ内部に微生物を付着させるための充填物を充填させた散水型好気リアクタを前記嫌気リアクタの後段に配し、
固液分離のための分離膜を生物反応槽内に有した膜分離活性汚泥リアクタを前記嫌気リアクタの後段に配し、
前記嫌気リアクタで処理された処理水のうち、再生水の需要量分を膜分離活性汚泥リアクタで処理し、残り分を散水型好気リアクタで処理すること
を特徴とする水処理方法。 - 散水型好気リアクタの処理水の濁度、BOD、COD、UV、pHのいずれか一つ以上の水質を測定し、
測定した水質が運転管理値の範囲を超過した場合に、膜分離活性汚泥リアクタの処理水の一部で前記散水型好気リアクタの処理水を希釈して前記水質を運転管理値の範囲内に制御し、
前記膜分離活性汚泥リアクタの処理水量を増加させることを特徴とする請求項9に記載の水処理方法。 - 散水型好気リアクタの処理水の一部を膜分離活性汚泥リアクタの前段に流入させる流路を設け、
膜分離活性汚泥リアクタの処理水のアンモニア濃度を測定し、
測定したアンモニア濃度が目標値を超過した場合に、前記流路を介して散水型好気リアクタの処理水の一部を膜分離活性汚泥リアクタの前段に流入させ、
散水型好気リアクタで処理する水量を増加させることを特徴とする請求項9に記載の水処理方法。
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