JPH08281284A - 合併浄化槽 - Google Patents

合併浄化槽

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JPH08281284A
JPH08281284A JP9355395A JP9355395A JPH08281284A JP H08281284 A JPH08281284 A JP H08281284A JP 9355395 A JP9355395 A JP 9355395A JP 9355395 A JP9355395 A JP 9355395A JP H08281284 A JPH08281284 A JP H08281284A
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tank
treatment
nitrification
sludge
anaerobic
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JP9355395A
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Mikio Kitagawa
幹夫 北川
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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    • Y02W10/12

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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高度な処理水を安定して得ることができ、運
転管理が容易で、汚泥排出量が少なく、脱窒用基質やp
H調整薬品を必要とせず、その上、曝気動力等の電力使
用量が少ない合併浄化槽を提供する。 【構成】 生活系排水中のSSを、液化槽1で固形物破
砕手段P1 で破砕すると共に嫌気性処理し、更にUAS
B型嫌気槽2で処理する、嫌気処理水を脱窒槽3及び硝
化槽4で処理する。硝化槽4ではリンを凝集させ、浸漬
型中空糸膜分離装置5で膜分離処理する。硝化槽4の汚
泥は液化槽1に送る。 【効果】 合併浄化槽にUASB型嫌気槽及び膜分離機
構内蔵型脱リン硝化槽を適用して高水質処理水を容易か
つ効率的に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生活系排水を処理する
合併浄化槽に係り、特にUASB型(上向流式スラッジ
ブランケット型)嫌気槽を組み入れると共に、脱リンの
ための硝化槽を設けた合併浄化槽に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、下水道未整備地域において、生活
雑排水(台所、洗濯、風呂などから排出される排水)及
びし尿を浄化する装置として、合併浄化槽が実用化され
ている。合併浄化槽には、種々の規模があり、例えば5
0人程度の住居や施設から排出される生活系排水を対象
とするものでは、処理量13m3 /日程度のものが、ま
た、500人対象では130m3 /日程度のものが使用
される。
【0003】ところで、日本の湖沼、海域などの公共用
水域の汚染原因の約70%は生活系排水で占められてい
ることから、汚染対策の一環として、下水道未整備地域
における合併浄化槽の整備が行われている。この合併浄
化槽によると、BOD成分だけでなく窒素、リンの高度
処理も可能である。この合併浄化槽の処理方式として
は、嫌気・好気活性汚泥法、回分式活性汚泥法あるいは
間欠曝気法などと、硝化・脱窒、凝集沈澱などとを組み
合わせたものである。なお、具体的な処理方式として建
築基準法施工令で種々のものが認定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの処理方式の多
くは、窒素、リンの高度処理の観点からは優れた機能を
発揮しているが、維持管理面や省エネルギーの点からは
解決すべき課題が残されている。特に、下記の〜の
問題を解決することが要望されている。
【0005】 機能が異なる装置の組み合わせである
ため、処理施設の運転に当たり高度な技術が必要であ
る。合併浄化槽は、多くの場合、嫌気性処理、好気性処
理、脱窒、脱リン等、機能の異なった装置の組み合わせ
で構成されているため、高度な運転操作条件が求めら
れ、維持管理を行うに当たり専門知識を持ったオペレー
ターが必要とされる。
【0006】 通水量や負荷量の急激な変動により、
処理水の安定性が損なわれる。雨水混入や突発的な通水
量増加、又は処理可能な負荷量以上の負荷が流入した場
合(例えば、当該合併浄化槽の対象人員より多くの人員
による汚水が流入した場合)、処理水が一時的に悪化す
ることが多い。
【0007】 余剰汚泥の排出や薬品補充などのメン
テナンスが必要である。合併浄化槽は公共下水道の設置
が困難な山間部や離島の農漁村、又は季節によってのみ
使用されるリゾート地域が設置場所の対象となる。その
ため、機器の点検、薬品の補充や水槽の洗浄、蓄積した
汚泥の排出等のメンテナンスは、多くても年に数回程
度、特に人員50人未満を対象とする小規模浄化槽で
は、半年間に1回程度にする必要性が求められる。しか
し、現在の処理施設では、初沈汚泥や余剰汚泥の排出、
脱窒用基質(主にメタノール)や中和剤(主にカセイソ
ーダ)の補充、濾過装置の逆洗SSや凝集沈澱汚泥の排
出等のメンテナンスを頻繁に行う必要がある。
【0008】 曝気動力が多大で省エネルギー性が十
分でない。BOD及び窒素除去は長時間曝気や接触曝
気、間欠曝気処理が主体であるため、曝気動力が多く、
エネルギーコストが高くつく。
【0009】従って、合併浄化槽に求められる機能は、
異常時にも高度な処理水を安定して得ることができ、運
転管理が容易で専門的ないし高度な知識を必要とせず、
初沈汚泥や余剰汚泥の排出量が少なく、脱窒用基質やp
H調整薬品を必要とせず、その上、曝気動力を初めとす
る電力使用量が少ないことである。
【0010】本発明は、合併浄化槽に求められる上記機
能をすべて満足し得る合併浄化槽を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の合併浄化槽は、
生活系排水が導入されて嫌気性処理される、固形物破砕
手段を有する液化槽と、該液化槽からの流出水が導入さ
れてメタンガス化処理されるUASB型嫌気槽と、該嫌
気槽の処理水が導入されて硝化処理される硝化槽と、該
硝化槽の汚泥の一部を前記嫌気槽に循環する循環手段
と、を備えてなる合併浄化槽であって、前記硝化槽はリ
ンを凝集除去するための凝集剤添加手段と浸漬型中空糸
膜分離装置とを備える脱リン硝化槽であり、該浸漬型中
空糸膜分離装置の膜透過水を処理水として取り出すよう
にしたことを特徴とする。
【0012】
【作用】合併浄化槽に求められている前述の機能のいく
つかを満足する処理方式として、有機性産業排水処理で
多く適用されている嫌気性処理が挙げられる。一般的
に、嫌気性処理に適する排水は、BODが数千mg/L
(リットル)以上の高濃度排水であると言われている
が、嫌気性細菌を反応槽内に高濃度に保持することによ
り、BOD100〜200mg/Lの低濃度排水におい
ても、嫌気性処理は可能となる。また、嫌気性反応槽の
運転水温は、35℃付近の温度条件が好ましいが、負荷
量を調整することにより、20℃付近でも十分に処理で
きることが多くの研究者により実証されている。更に、
排水中のSS成分や処理施設から発生した有機性余剰汚
泥も、機械的に裁断し、十分な液化処理を行えば、嫌気
性処理で分解されることも明らかとなっている。
【0013】しかしながら、従来において、嫌気性処理
は合併浄化槽に積極的に採用されていない。この理由
は、嫌気性細菌を高濃度で反応槽内に保持する技術が十
分に確立されていなかったためと考えられる。
【0014】ところで、反応槽内に嫌気性細菌を保持す
る方式として、濾材や充填材の表面に付着固定化する嫌
気性濾床や嫌気性生物膜濾過方式と、嫌気性細菌を生物
学的に自己造粒させて微細なグラニュール状汚泥として
保持するUASB方式が代表的である。このうち、嫌気
性濾床や生物膜濾過方式では、処理対象液中にSS成分
が多量に含まれると、そのSSが濾材や充填材に付着し
閉塞現象が生じ、濾材や充填材層を適宜、逆洗する必要
がある。そのため、機構が複雑となり、維持管理が煩雑
になる可能性がある。一方、UASB方式は、濾材や充
填材層が不要であり、汚泥が流動しているため、SSや
活性汚泥が流入しても、閉塞の心配はなく、従って、逆
洗機構は不要となり、処理装置も簡単で維持管理も容易
である。
【0015】このUASB方式の最大の課題は、グラニ
ュール状汚泥が安定して増殖する条件の設定にある。し
かし、仮りに、合併浄化槽処理施設内でグラニュール状
汚泥を増殖させることが困難であっても、UASB方式
で処理している処理場から発生する余剰のグラニュール
状汚泥を反応槽内に投入することで、容易に短期間でU
ASB方式の嫌気性処理を安定運転域まで立ち上げるこ
とが可能である。現在、このグラニュール状汚泥を投入
する手段は、多くの産業排水でその効果が実証されてい
る。
【0016】嫌気性処理の最大の特徴は省エネルギー性
と余剰汚泥の発生量の低減にある。更に運転負荷を、排
水の水温に見合った負荷量より低く設定することで、反
応槽内のpH調整は不要となる。また、嫌気性処理は半
年間以上にわたり、排水の流入が停止しても、嫌気性細
菌の活性は残存しており、新たな排水が流入しても短期
間で正常な処理が可能となる。この特徴を活かして、嫌
気性処理は季節操業の産業排水処理、例えばビート製糖
所の排水処理に用いられている。このように、嫌気性処
理は運転管理が容易で有効な処理方式である。
【0017】しかし、嫌気性処理の最大の課題はBOD
20mg/L以下の高度な処理水を得ることが困難であ
る点にある。また、生活系排水中の窒素成分の多くはア
ンモニア性窒素に還元分解され、硝酸や亜硝酸態窒素の
形態に転換することはない。また、排水中のリンの多く
はオルトリン酸態のリンに分解され、窒素除去やリン除
去は非常にわずかである。そのため、嫌気性処理の後処
理として、脱窒、脱リン機能を持った別個な処理装置、
例えば硝化・脱窒装置や凝集沈殿処理装置を設置して、
窒素除去と凝集反応によるリン除去を行う必要がある。
【0018】ところで、最近、BOD除去と硝化反応を
目的とした好気性処理装置の曝気槽内に平膜やコルゲー
ト膜、中空糸膜等の形状のMF(精密濾過)膜やUF
(限外濾過)膜を組み入れた膜分離機構付き好気性生物
処理が開発されている。これらの各種の膜分離機構付き
生物処理装置によれば、好気性反応槽内の生物濃度を飛
躍的に高めることが可能となり、更に、処理水は膜分離
されるため、処理水に残留するSSは殆どない。
【0019】また、曝気槽内にアルミニウム塩や鉄塩を
添加することで、リンを不溶性のアルミニウム塩や鉄塩
に転換させ、これを膜分離することにより、リン除去も
可能となる。
【0020】従って、嫌気性処理の後処理として、膜分
離機構付き脱窒処理装置を設置し、その処理装置にアル
ミニウム塩や鉄塩を添加することで、活性汚泥を分離す
る沈殿槽や凝集反応槽、更には凝集沈殿槽を不要とする
ことができる。
【0021】また、反応槽内に膜分離装置を内蔵するこ
とにより、反応槽と膜分離装置が完全に一体化され、装
置が非常にコンパクトとなる。特に、中空糸膜を用いる
ことで、反応槽内への分離膜の設置が容易となる。
【0022】本発明者は、以上の観点から、合併浄化槽
施設にUASB方式の嫌気性処理を適用し、嫌気性処理
の後処理として膜分離機構内蔵型脱リン硝化槽を設置す
ることにより、前述の合併浄化槽に要求される機能がす
べて実現されることを見出した。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の合併浄化槽の
運転方法及び処理機構等を詳細に説明する。図1は本発
明の合併浄化槽の一実施例を示す系統図である。
【0024】図中、1は液化槽、2はUASB型嫌気槽
(以下「UASB反応槽」と称す。)、3は脱窒槽、4
は硝化槽、5は浸漬型中空糸膜分離装置、6は薬注装
置、P1 ,P2 ,P3 ,P4 ,P5 はポンプ(ただし、
1 は破砕機能付きのポンプ(以下「破砕ポンプ」と称
す。)、P5 は減圧ポンプである。)、Bはブロワ、F
は吹き込みファン、11〜23の各符号は配管である。
【0025】図示の合併浄化槽は、基本的に、液化槽1
とUASB反応槽2による嫌気性処理と、脱窒槽3及び
膜分離機構内蔵型硝化槽4による脱窒脱リン処理との2
つの機構に大別されるため、以下、その機構毎に説明す
る。
【0026】[嫌気性処理]嫌気性処理は、原水及び後
工程の硝化槽4からの返送汚泥中のSSを破砕ポンプP
1 で破砕しながら微細なSSの液化分解を行う液化槽1
と、メタン生成反応を行うUASB反応槽2とで行われ
る。
【0027】即ち、原水(生活系排水)は配管11より
液化槽1に導入される。液化槽1では、排水中に含有さ
れる夾雑物(食品、紙、ゴミ、汚泥(SS)など)を破
砕ポンプP1 で10〜100μm程度の大きさに微細化
すると共に、微生物の作用で分解して液化し、有機物は
有機酸に分解する。
【0028】この液化槽1には、後段の硝化槽4の余剰
汚泥や凝集汚泥が配管14より移送され、破砕ポンプP
1 で原水のSSと同様に破砕される。
【0029】この液化槽1の滞留時間は、被処理水の流
量均一化を兼ね、人員50人未満の小規模施設ではほぼ
1日間、中規模から大規模施設でも12時間以上は必要
とされる。
【0030】液化槽1の流出水は、一部が配管12より
循環され、残部は配管13よりUASB反応槽2に送給
され、嫌気性処理される。
【0031】なお、液化槽1の下部はコーン状に縮径さ
れており、生物学的に分解困難なSS、例えば、砂等の
無機物が堆積したときは、配管15より適宜系外へ抜き
出せるように構成されている。
【0032】UASB反応槽2のBOD容積負荷量は、
排水の水温が20℃付近で0.5Kg−BOD/m3・日
以下(滞留時間としては生活系排水量に対して9時間以
上)に、水温が25℃以上となる地域では0.7Kg−
BOD/m3・日付近(滞留時間としては生活系排水量に
対して6.4時間付近)まで高めることが可能である。
UASB反応槽2内の水温は、液化槽1内の破砕ポンプ
1 として水中形式のポンプを使用することで、モータ
ーやポンプから発生するジュール熱により加温して、原
水の水温より高めることができる。
【0033】液化槽1及びUASB反応槽2における嫌
気性処理で被処理のBODの70%以上が分解され、嫌
気性処理水、即ち、UASB反応槽2の処理水のBOD
は60mg/L以下となる。
【0034】UASB反応槽2から発生する硝化ガス
は、人員50人未満の小規模施設では1m3 /日程度、
500人程度の大規模でも10m3 /日程度であるた
め、液化槽1から発生する臭気排ガスとともに、配管1
6,17,18を経て硝化槽4に吹き込み、生物脱臭処
理を行った後、曝気排ガスとともに大気放散処理するの
が適当である。
【0035】[脱窒脱リン処理]液化槽1及びUASB
反応槽2による嫌気性処理の後段には、UASB反応槽
2の処理水中に残留するBODの除去と排水の窒素を生
物脱窒すると共に、リンをアルミニウム塩や鉄塩により
凝集して脱リンするための脱窒槽3及び中空糸膜内蔵型
硝化槽4が設置されている。
【0036】UASB反応槽2の処理水は配管19よ
り、脱窒槽3を介して硝化槽4へ送られ、ブロワを備え
る曝気配管20による曝気下で硝化処理され、アンモニ
ア成分が硝酸態窒素又は亜硝酸態窒素に硝化される。
【0037】また、硝化槽4には、薬注装置6から、ポ
ンプP3 を備える配管21より、凝集剤として、塩化第
二鉄、硫酸第一鉄等の鉄塩、硫酸バンド、ポリ塩化アル
ミニウム(PAC)等のアルミニウム塩が添加されてお
り、これにより、排水中の溶解性リンが凝集、難溶化さ
れる。この凝集剤の添加量は生活系排水中のリン濃度に
対し反応当量の2倍以上とするのが好ましい。排水中の
リン濃度が8mg/Lである場合、塩化第2鉄は38重
量%濃度の水溶液を220mg/L以上添加するのが好
ましい。硫酸バンドは、Al23 換算で8%濃度の水
溶液を350mg/L以上添加するのが好ましい。
【0038】硝化処理液の一部はポンプP2 及び循環配
管22より脱窒槽3へ返送され、該脱窒槽3内において
硝酸態窒素又は亜硝酸態窒素が窒素に還元される。
【0039】このようにして脱窒された液は、硝化槽4
から、浸漬型中空糸膜分離装置5を経て処理水として系
外へ排出される。
【0040】即ち、硝化槽4内に浸漬された浸漬型中空
糸膜分離装置5の膜の透過水側は、減圧ポンプP5 で減
圧されているため、硝化槽4内の液は減圧ポンプP5
よる吸引で浸漬型中空糸膜分離装置5で膜分離処理され
た後、配管23より排出される。
【0041】この浸漬型中空糸膜分離装置5による膜分
離処理で、リンの不溶化凝集汚泥が除去される。
【0042】なお、硝化槽4で発生する余剰汚泥量は、
UASB反応槽2から流出する未分解のSS量を含め
て、排水量当たり30〜60g−SS/m3 −排水であ
り、この発生余剰汚泥は嫌気性処理の液化槽1に移送
し、破砕ポンプP1 で微細化させて液化後、UASB反
応槽2で分解される。
【0043】上記条件で、嫌気及び脱窒脱リン処理を行
うことにより、膜分離装置5からは、BOD10mg/
L以下、全窒素10mg/L以下、全リン2mg/L以
下の高水質処理水を得ることができる。
【0044】本発明において、硝化槽4は、浮遊状態の
汚泥を用いた完全混合型の曝気槽か、硝化細菌を充填材
に付着固定させた固定床や接触曝気方式とされるが、長
期間にわたり閉塞の心配が無く、また、逆洗の必要性の
無い曝気槽方式が適していると考えられる。接触曝気方
式を採用する場合には、その充填材は槽内で浮遊する性
状を持つ、例えば、スポンジ状の充填材を選定すること
が好ましい。硝化槽4の負荷量は、硝化槽水温を20℃
に設定した場合で、0.03Kg−N/m3・日付近の低
負荷(滞留時間としては40時間付近)に設定すること
が、安定した硝化とBOD除去が可能である。
【0045】また、浸漬型中空糸膜分離装置5に使用す
る分離膜としては、分画特性が0.1μm程度の中空糸
型MF膜が適当である。
【0046】浸漬型中空糸膜分離装置の分離膜として中
空糸膜を使用した場合、中空糸が硝化細菌の付着固定化
媒体となるため、硝化槽4内の保持汚泥量を単なる完全
混合方式より高めることが可能となる。
【0047】硝化槽4内液の脱窒槽3への循環液量比は
1:1〜1:2(排水量と同等か2倍量)が適当であ
る。循環比を過度に高めると脱窒槽3内のORP(酸化
還元電位)が高まり脱窒処理に悪影響を生じる可能性が
ある。
【0048】前述の如く、浸漬型中空糸膜分離装置5の
透過水側は減圧ポンプP5 で大気圧以下に減圧すること
により、膜の透過水を吸引するが、この際、連続的に透
過水を吸引する方式より、1〜5時間の一定時間吸引
後、30分〜1時間の一定時間吸引休止の間欠吸引方式
で行うのが、膜の目詰り防止の面から好ましい。
【0049】本発明において、生物学的に分解困難なS
Sは、前述の如く、液化槽1で分離して、適宜、廃棄汚
泥として外部に排出するが、その廃棄汚泥は主として凝
集したリンや生活系排水中の無機成分や難分解性物質で
あり、廃棄汚泥量は大幅に低減されている。
【0050】以下に具体的な実施例を挙げて本発明をよ
り詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0051】実施例1 図1に示す合併浄化槽により、BOD:200mg/
L、TOC:100mg/L、N:50mg/L、P:
10mg/Lの生活系排水の処理を行った。各槽の容量
は、液化槽1が5L、UASB反応槽2が2L、脱窒槽
3が1L、硝化槽4が10Lであり、硝化槽4内には、
分離分画特性が0.1μmの中空糸状のMF膜(有効表
面積0.2m2 )を備える浸漬型中空糸膜分離装置5を
設置した。UASB反応槽2内にはビール排水を嫌気性
処理しているUASB反応槽の汚泥を20g−VSS投
入し、硝化槽4には都市下水処理場の曝気槽内汚泥を4
0g−VSS投入した。
【0052】通液量を5L/日とし、処理水は、膜分離
装置5から硝化槽4内液を吸引ポンプP5 で吸引して抜
き出した。なお、液化槽1内には小型のギヤーポンプP
1 を設置し、槽内液を絶えず混合・撹拌させた。また、
薬注装置6より硝化槽4に塩化第二鉄38重量%水溶液
を1.0mL/日で添加した。硝化槽4内液は脱窒槽3
に液量10L/日で循環返送した。
【0053】この合併浄化槽は20℃の恒温室内で運転
した。
【0054】以上の条件で約1カ月間にわたり連続通水
した結果、UASB反応槽2からの流出液のBODは平
均40mg/Lとなり、膜分離処理水のBODは5mg
/L以下、全窒素は8mg/L以下、全リンは2mg/
Lであった。
【0055】以上の結果より、合併浄化槽施設に、UA
SB方式を用いた嫌気性処理を適用すると共に、硝化槽
内でリン除去を行い、膜分離することにより、高度な処
理水が得られることが明らかである。
【0056】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の合併浄化槽
によれば、 発生する余剰汚泥は主としてリン除去の凝集汚泥の
みであり、余剰汚泥の排出が大幅に低減される。 運転が容易で槽内の閉塞の心配の無いUASB方式
を採用するため、メンテナンスが容易となる。 硝化槽内で脱リンを行うため、凝集反応槽が不要と
なる。 硝化槽内に中空糸膜を内蔵することで、最終沈殿槽
や凝集沈殿槽が不要となり、コンパクトな処理設備が可
能である。また、槽内の保持汚泥量の増大も図れる。 処理水として、BOD:10mg/L以下、N:1
0mg/L以下、P:2mg/L以下の高水質処理水を
安定して得ることができる。 といった効果が奏され、生活系排水を、容易かつ効率的
に処理することが可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合併浄化槽の一実施例を示す系統図で
ある。
【符号の説明】
1 液化槽 2 UASB反応槽 3 脱窒槽 4 硝化槽 5 浸漬型中空糸膜分離装置 6 薬注装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生活系排水が導入されて嫌気性処理され
    る、固形物破砕手段を有する液化槽と、 該液化槽からの流出水が導入されてメタンガス化処理さ
    れるUASB型嫌気槽と、 該嫌気槽の処理水が導入されて硝化処理される硝化槽
    と、 該硝化槽の汚泥の一部を前記嫌気槽に循環する循環手段
    と、を備えてなる合併浄化槽であって、 前記硝化槽はリンを凝集除去するための凝集剤添加手段
    と浸漬型中空糸膜分離装置とを備える脱リン硝化槽であ
    り、 該浸漬型中空糸膜分離装置の膜透過水を処理水として取
    り出すようにしたことを特徴とする合併浄化槽。
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