JP2013188286A - 放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに放射線画像撮影システム - Google Patents

放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに放射線画像撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】X線の部分的な損失をほぼ発生させず、かつ、経時劣化を抑えた放射線画像撮影用の位相型グリッドを提供する。
【解決手段】位相型グリッド13は、シリコン基板41と封止部材43とを備える。シリコン基板41は、凹部46を透過するX線と凸部47を透過するX線との間に所定位相差を発生させるグリッド部42aと、グリッド部42aの周囲に凸状の周縁部42bが表面に形成されている。封止部材43は、グリッド部42a及び周縁部42bが形成されたシリコン基板41の表面に設けられ、少なくとも周縁部42bと当接してグリッド部42aを封止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、放射線画像の撮影に用いられるグリッド及びその製造方法と、このグリッドを用いた放射線画像撮影システムとに関する。
X線等の放射線(以下、X線を例にする)は、人体等の被検体に照射されると、被検体との相互作用により、強度と位相が変化する。従来普及しているX線撮影装置は、透過X線強度を画像化する。例えば、骨等はX線透過率が低く、筋肉等の組織はX線透過率が高いので、透過X線強度の分布を画像化すると、これらのX線透過率が異なる組織を識別することができる。このように、透過X線の強度を画像化したX線画像(以下、X線強度画像という)では、典型的にはX線透過率が高い組織は黒く、X線透過率が低い組織は白くなる。
X線強度画像によれば、X線透過率が異なる組織を識別することができるが、X線透過率が近い組織が隣接している場合には、これらの識別は容易ではない。例えば、軟骨等の軟部組織はX線透過率が高く、多くの場合、その周囲に隣接する組織や体液等もX線透過率が高いので、軟部組織はX線強度画像には写り難い。しかしながら、X線強度画像には写り難い組織にも病変は発生するので、これらもX線撮影により識別可能にすることが望まれている。
X線透過率が高くX線強度画像には写り難い組織も、透過X線に位相変化を与えていることが知られている。近年、透過X線の位相変化に基づいて被検体を画像化すること(以下、位相イメージングという)により、X線透過率が高い軟部組織等を識別可能なX線画像(以下、位相コントラスト画像という)を得るX線撮影システムが提案されている。
このX線撮影システムでは、透過X線の位相変化の情報を得るために、X線源とX線検出器との間に、少なくとも2つのグリッドを配置して被検体の撮影を行う。具体的には、X線源とX線検出器との間に第1グリッド及び第2グリッドを対向配置し、X線源から射出されたX線を、第1グリッドを通過させることにより、第1グリッドの自己像を有するX線像を生成する。このX線像の生成には、例えばタルボ効果が用いられる。そして、第1グリッドにより生成されたX線像に対して、第2グリッドの位置を面内方向に段階的に変化させながら、第1グリッドと第2グリッドを通過したX線像をX線検出器により撮影する。撮影により得られる複数の画像に基づいて位相コントラスト画像を生成することができる。これは縞走査法と呼ばれている。なお、X線源と第1グリッドとの間に、X線焦点を分散化し、X線像のコントラストを向上させるための線源グリッドが設けられることもある。
グリッドには、X線を部分的に吸収する吸収型グリッドと、部分的にX線の位相を偏重して透過する位相型グリッドが知られている。第2グリッドや線源グリッドにはアスペクト比が高い吸収型グリッドが用いられる。一方、第1グリッドには吸収型グリッドも位相型グリッドも用いることができる(特許文献1)。
位相型グリッドは、例えば、シリコン基板等の表面に凹凸構造を設け、この凹凸構造の凹部と凸部でX線が基板を透過する長さを調節することにより、凹部を透過するX線と凸部を透過するX線との間にπまたはπ/2の位相差を発生させる。この位相差により、タルボ効果が生じ、位相型グリッドを透過したX線は、所定の位置で該位相型グリッドの自己像を形成する。
このような基板表面に凹凸構造を形成するタイプの位相型グリッドは、吸収型グリッドを製造する工程で形成される同様の凹凸構造の基板を利用することができる。例えば、非特許文献1には、シリコン基板の表面に凹凸構造を形成し、その凹部にX線吸収材である金属を埋め込むことにより吸収型グリッドを製造する方法が開示されている。同様の方法でシリコン基板の表面に凹凸構造を形成すれば位相型グリッドが得られる。
また、他の構造の位相型グリッドとしては、シリコン基板等の表面に上述の凹凸構造に対応するピッチでX線の屈折率が異なる材料を配列し、その厚さを適宜調節することにより、これらの各材料を透過したX線にπやπ/2の位相差を発生させるものが知られている。例えば、非特許文献2では、撮影に使用するX線をほぼ透過可能な程度に極薄の金薄膜とX線レジストとを配列したパターンをシリコン基板上に形成することにより、金薄膜とX線レジストをそれぞれ透過するX線に位相差を発生させる位相型グリッドが開示されている。
特開2012−035050号公報
C.David et al. Microelectromic Engineering 84(2007)1172-1177 Atsushi Momose et al. Japanease Journal of Applied Physics Vol. 45, No. 6A, 2006, pp. 5254-5262
位相型グリッドには、上述のように、2タイプの構造が知られているが、それぞれ下記のような問題点がある。
まず、シリコン基板等の表面に凹凸構造を形成し、凸部と凹部とを透過するX線に位相差を生じさせる第1のタイプの位相型グリッドは、凹凸構造が空気にさらされているために、経時劣化によって所望の位相差が得られなくなってしまうことがある。具体的には、凹凸構造がさらされる空気には酸素や水蒸気が含まれており、シリコン基板は酸素や水蒸気に接すると表面に酸化膜が形成される。このため、当初、凹凸構造の凸部と凹部で所定位相差が発生するように位相型グリッドを製造しておいたとしても、表面に酸化膜が形成されると、もとのシリコン基板に対して透過率や屈折率等の物性が変化し、凹部と凸部で発生する位相差が所定値からずれてしまう。これは予め凹凸構造の表面に酸化膜を形成した場合でも同様である。酸素や水蒸気に露呈されていることにより経時的に酸化膜の厚さが変化すると、凹部及び凸部で生じる位相差が所定値からからずれてしまうことがある。
また、酸化膜の形成によって凸部に応力が加わり、凹凸構造の間隔や垂直度が変化していまうことがあるが、このような場合にも凹部と凸部で生じる位相差が所定値からずれてしまう。さらに、酸化膜が形成されたことによって凸部に応力が加わり続けると、凸部が破損してしまうこともある。
シリコン基板の表面に金薄膜とレジストを交互に配列したのパターンを形成することによって、金薄膜を透過したX線とレジストを透過したX線に所定位相差を発生させるタイプの位相型グリッドの場合、金薄膜がX線を吸収するので、金薄膜を透過するX線が少なからず損失してしまう。位相グリッドは、X線を損失せずに部分的に位相差のみを発生させることが望ましいが、このタイプの位相型グリッドでは、所定位相差を発生させるだけでなく、X線の線量までもが損失してしまう。
また、X線の吸収を十分に抑えるためには、金薄膜をできる限り薄く形成すればよい。しかし、X線レジストの部分を透過するX線に対して、金薄膜を透過するX線に所定位相差を発生させるためには、X線の屈折率に応じて定まる所定の厚さにしなければならない。このため、金薄膜の厚さを任意に変更し、薄くすることはできない。
本発明は、X線の損失が少なく、かつ、経時劣化も発生し難い位相型グリッドを提供することを目的とする。
本発明の放射線画像撮影用グリッドは、凹部を透過する放射線と凸部を透過する放射線との間に所定位相差を発生させるグリッド部と、前記グリッド部の周囲に設けられた凸状の周縁部とが表面に形成された基板と、少なくとも周縁部と当接してグリッド部を封止する封止部材と、を備えることを特徴とする。
凸部は周縁部よりも薄く、凸部と封止部材の間に隙間があることが好ましい。
凸部の上面が封止部材と接合されていても良い。
グリッド部は封止部材によって真空に封止されていることが好ましい。
グリッド部は封止部材によって空気または空気よりも軽い気体を充填して封止されていても良い。
基板と封止部材は陽極接合により接合されていることが好ましい。
陽極接合をする場合、基板はシリコン基板であり、封止部材はイオン導電性基板であることが好ましい。
基板と封止部材はともにシリコン基板でも良い。
封止部材がある側の面が凸になるように湾曲される場合、封止部材のヤング率が基板のヤング率よりも小さいことが好ましい。
封止部材がある側の面が凹になるように湾曲される場合、封止部材のヤング率が基板のヤング率よりも大きいことが好ましい。
基板を所定材料からなる第1基板と封止部材と同じ材料からなる第2基板との接合基板にし、グリッド部及び周縁部を第1基板に形成しても良い。
本発明の放射線画像撮影用グリッドの製造方法は、所定材料からなる基板の表面をエッチングして、凹部を透過する放射線と凸部を透過する放射線との間に所定位相差を発生させるグリッド部と、前記グリッド部の周囲に設けられた凸状の周縁部とを基板表面に形成するエッチング工程と、封止部材を少なくとも前記周縁部に当接させ、基板と封止部材を接合し、グリッド部をを封止する接合工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の放射線画像撮影システムは、放射線源から照射される放射線を位相型グリッドを介して撮影し、位相コントラスト画像を生成する放射線画像撮影システムであり、位相型グリッドは、凹部を透過する放射線と凸部を透過する放射線との間に所定位相差を発生させるグリッド部と、前記グリッド部の周囲に設けられた凸状の周縁部が表面に形成された基板と、少なくとも周縁部と当接してグリッド部を封止する封止部材と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、基板の凹凸構造により所定位相差を発生させることによりX線の部分的な損失をほぼ発生させず、かつ、所定位相差を発生させる凹凸構造を封止するので経時劣化を抑えることができる。
X線画像撮影システムの構成を示す説明図である。 第1グリッドの構成を模式的に示す断面図(図3におけるII−II断面)である。 凹凸構造の構成を模式的に示すZ方向から見た平面図である。 第1グリッドの製造工程を示す説明図である。 第1グリッドを湾曲させて用いる態様を示す断面図である。 封止部材を一部薄くして凸部との間に隙間を設けた変形例を示す断面図である。 封止部材を一部薄くして凸部との間に隙間を設けた第1グリッドの製造工程を示す説明図である。 凸部を薄くして封止部材との間に隙間を設けた変形例を示す断面図である。 凸部を薄くして封止部材との間に隙間を設けた第1グリッドの製造工程を示す説明図である。 シリコン基板の代わりにシリコンとガラスの接合基板を用いた変形例を示す断面図である。
図1に示すように、X線画像撮影システム10は、X線照射方向であるZ方向に沿って、X線源11、線源グリッド12、第1グリッド13、第2グリッド14、及びX線画像検出器15を備える。
X線源11は、回転陽極型のX線管(図示せず)と、X線の照射野を制限するコリメータ(図示せず)とを有し、被検体HにX線を放射する。
線源グリッド12及び第2グリッド14は、X線を部分的に吸収する吸収型グリッドであり、直線状のX線吸収部とX線透過部が交互に配列されている。第1グリッド13は基板の凹凸構造により所定位相差(例えばπまたはπ/2)を発生させる位相型グリッドである。各グリッド12〜14は、Z方向においてX線源11に対向配置されており、いずれも格子線がX方向に沿って設けられている。
線源グリッド12と第1グリッド13との間には、被検体Hが配置可能な間隔が設けられている。第1グリッド13と第2グリッド14との距離は、例えばタルボ距離に設定する。タルボ距離とは、第1グリッド13を通過したX線が、タルボ効果により第1グリッド13の自己像を生成する距離である。
X線画像検出器15は、半導体回路を用いたフラットパネル検出器であり、第2グリッド14の背後に配置されている。
X線源11から放射されたX線は、線源グリッド12のX線吸収部によって部分的に遮蔽されることにより、Y方向に関する実効的な焦点サイズが縮小され、Y方向に配列された多数のライン状のX線が形成される。各ライン状のX線は、被検体Hを通過する際に位相が変化する。この各X線が第1グリッド13を通過することにより、被検体Hの屈折率と透過光路長とから決定される被検体Hの透過位相情報を反映した縞画像(第1グリッド13の自己像)が形成される。各ライン状のX線により生成された縞画像は、第2グリッド14に投影され、第2グリッド14の位置で重なり合う。
縞画像は、第2グリッド14により部分的に遮蔽されることにより強度変調される。本実施形態では、縞走査法を用いて位相コントラスト画像を生成する。すなわち、第1グリッド13に対して第2グリッド14を間欠移動させるとともに、その停止中に、X線源11から被検体HにX線を照射してX線画像検出器15により撮影を行う。この間欠移動は、格子ピッチを等分割(例えば、5分割)した一定の走査ピッチでY方向に行う。
X線画像検出器15の各画素の画素データの強度変化を表す強度変調信号の位相ズレ量(被検体Hがある場合とない場合とでの位相のズレ量)を算出することにより、位相微分画像が得られる。位相微分画像は、被検体HでのX線の屈折角度の分布に対応する。この位相微分画像をX方向に沿って積分することにより、位相コントラスト画像が得られる。
以下、位相型グリッドである第1グリッド13の構造を説明する。図2に示すように、第1グリッド13は、凹凸構造42が形成されたシリコン基板41と、凹凸構造42の上部を封止する封止部材43を備える。また、凹凸構造42は、シリコン基板41の一方の表面に形成され、実質的に位相型グリッドとして機能するグリッド部42aと、シリコン基板41の周縁部分である周縁部42bとを有する。
グリッド部42aは、X線の透過位置に応じて所定位相差を発生させる凹部46と凸部47がX線の照射方向に対して垂直な方向に交互に配列された構造を有する。凹部46及び凸部47は、X方向に直線状に延伸して設けられた柱板状構造であり、凹部46内は真空である。本明細書で真空とは、大気圧よりもある程度減圧され、少なくとも空気に比べて酸素及び水蒸気の含有量が低減されていることを言う。凹部46の深さ(凸部47の高さ)は、凹部46を透過するX線48と凸部47を透過するX線49の間に所定位相差が発生するように、凸部46を形成するシリコン基板41の屈折率と凹部46(真空)の屈折率に応じて定められている。シリコン基板41の屈折率は、真空の屈折率よりも大きいので、凸部47を透過するX線49は、凹部46を透過するX線48に対して位相が遅れる。
凹部46や凸部47のX方向の幅、凹部46と凸部47の配列ピッチ(凹部46と凸部47のX方向の合計幅)は、第1グリッド13を配置するX線源11からの距離や、吸収型グリッドである線源グリッド11のX線吸収部とX線透過部の配列ピッチ等に応じて定められる。
周縁部42bは、図2に示すように、グリッド部42aの凸部47と同じ高さに設けられた凸状構造である。但し、図3に示すように、周縁部42bは、シリコン基板41の端部に、全周にわたって設けられ、グリッド部42aを形成する凹部46及び凸部47の外周を隙間なく囲む。このため、少なくとも周縁部42bが封止部材43と接合されることにより、凹凸構造42は封止され、第1グリッド13の外部にある空気から遮断される。また、図2及び図3から分かるように、周縁部42bは、面内方向(X方向及びY方向)に十分な厚さに形成されており、面内方向において少なくとも凸部47よりも厚い。これは、封止部材43との接合によって、周縁部42bや凸部47が破損しないようにするためである。なお、第1グリッド13では、周縁部42bと凸部47が同じ高さに設けられているので、周縁部42bだけでなく、凸部47の上面が封止部材43に接合される。このため、各凹部46はそれぞれ独立して外部にある空気から遮断されている。
なお、シリコン基板41は、凹凸構造42の凸部47を透過するX線48を吸収しない程度の厚さに設けられている。このため、凹部46を透過するX線49と凸部47を透過するX線48とは、互いに位相差を有するが、線量はほぼ同じである。
封止部材43は、例えばホウケイ酸ガラスからなるガラス基板であり、周縁部42bと凸部47の上面に接合される。後述するように封止部材43と、周縁部42b及び凸部47の上面との接合は、真空中で行われるので、凹部46内は真空になるが、封止部材43は、周縁部42b及び凸部47の上面と陽極接合により隙間なく強固に接合されているので、封止部材43と周縁部42b及び凸部47の上面と封止部材43との接合界面から外部の空気等が凹部46内に流入することはない。
以下、第1グリッド13の製造方法を説明する。第1グリッド13を製造するときには、まず、図4(A)に示すように、平行平板状のシリコン基板41にレジストを塗布し、凹凸構造42に対応するレジストパターン51を形成する(レジストパターン形成工程)。次いで、レジストパターン51をマスクにして、図4(B)に示すようにシリコン基板41の表面をエッチングし、凹凸構造42を形成する(エッチング工程)。
そして、図4(C)に示すように、凹凸構造42が形成されたシリコン基板41の表面に封止部材43を当接させ、加熱しつつ、封止部材43が陰極になるように直流電圧を印加することにより、凹凸構造42の周縁部42b及び凸部47の上面と封止部材43を陽極接合することにより(接合工程)、第1グリッド13が完成する。接合工程は、真空チャンバ等を用いることにより、凹凸構造42や封止部材43の周囲を真空にした状態で行う。なお、陽極接合は、ガラスと導体(半導体あるいは金属)を接合する接合方法であり、接合界面にではガラスと導体の共有結合が形成される。
上述のように、第1グリッド13は、シリコン基板41の表面に凹凸構造42が設けられていることにより、凹部46を透過するX線と凸部47を透過するX線との間に所定位相差を生じさせる。シリコン基板41は、金等の金属薄膜と比較すればX線の吸収能は極めて低く、X線画像の撮影においてシリコン基板41によるX線の吸収はほぼ無視することができる。このため、第1グリッド13は、X線の線量を部分的に変化させずに、凹部46及び凸部47の位置に応じて透過するX線に部分的に所定位相差を生じさせることができる。
さらに、第1グリッド13は、凹凸構造42の上面を封止部材43で封止し、外部から隔絶されており、また、凹部46は真空に保たれている。このため、第1グリッド13の凹凸構造42は、空気中に含まれる酸素や水蒸気等に接することによる経時劣化を抑えることができる。
また、位相型グリッドの凹凸構造42は非常に微細であり、アスペクト比も高いので、表面に付着した僅かなゴミを取り除くために気体を吹き付けるだけでも破損してしまうことすらある。このため、凹凸構造42が露呈されている通常の位相型グリッドは、凹凸構造を破損させないために、位相型グリッドの製造中あるいは製造後にX線画像撮影装置10に組み込む作業時等において、特別な作業装置や極めてクリーンな環境を必要とするので、凹凸構造42が露呈された位相型グリッドは高コストである。
一方、上述の第1グリッド13は、凹凸構造42が封止されているので、取り扱いに一定の注意は必要ではあるが、凹凸構造42が露呈されている位相型グリッドのような特殊環境や特殊装置は不要である。このため、第1グリッド13は、凹凸構造42が露呈された位相型グリッドよりも、低コストに製造可能である。また、封止部材43上にゴミ等が付着した場合に、これを除くためにエアを吹き付けるなどしても凹凸構造42は破損しないので、封止部材43があることにより、第1グリッド13の完成後に第1グリッド13が破損する機会は低減される。
なお、上述の実施形態では、第1グリッド13を平行平板状に形成し、平行平板状のままX線画像撮影システム10に用いる例を説明したが、X線源11から照射されるX線はコーンビーム状に広がるので、図5に示すように、X線のコーンビーム状の広がりに応じて第1グリッド13をX方向に湾曲させて用いることが好ましい。
このように、第1グリッド13を湾曲させる場合、上述の実施形態のように凸部47の上面が封止部材43と接合されていると、湾曲により凸部47が傾倒する等して、凹凸構造42が破損することがある。このため、図6に示す第1グリッド50のように、凸部47の上面が封止部材43と接合しないように、封止部材43の凹凸構造42(特に凸部47)に対応する部分を薄くしておくことにより、凸部47の上面と封止部材43の間に隙間を設けることが好ましい。こうすると、凹凸構造42の破損せずに第1グリッド13を湾曲させることができる。
第1グリッド50は、例えば次のように製造することができる。
まず、図7(A)に示すように、平行平板状の封止部材43の表面に、周縁部42bに対応するレジストパターン52を形成し、図7(B)に示すように、封止部材43の表面をエッチングして溝53を形成する。溝53を形成するエッチングは、例えば、フッ酸を含む溶液によるウェットエッチングで行うことができる。その後、レジストパターン52を除去し、図7(C)に示すように、溝53と凹凸構造42が向き合うように封止部材43とシリコン基板41を周縁部42bで当接させ、陽極接合により接合する。なお、シリコン基板41への凹凸構造42の形成方法は、前述と同様である(図4(A),(B)参照)。
上述の例では、封止部材43の凹凸構造42に対応する箇所を薄くして封止部材43と凸部47の上面の間に隙間を設けるが、図8に示す第1グリッド60のように、封止部材43を平板状のままにし、周縁部42bに対して、凸部47の厚さを薄くすることにより、凸部47と封止部材43の間に隙間を設けても良い。
第1グリッド60は、例えば次のように製造することができる。
図9(A)に示すように、まず、シリコン基板41の表面に周縁部42bに対応するレジストパターン(図示しない)を形成し、これをマスクとしてシリコン基板41をエッチングすることにより、凹部26及び凸部47からなるグリッド部42aの位置に対応した溝54を形成する。このとき、溝54は例えば、凸部47の上面と封止部材43との間隔に応じた深さにしておく。
次いで、図9(B)に示すように、溝54の上に、レジストを塗布し、凸部47及び周縁部42bに対応するレジストパターン56を形成する。こうすると、レジストパターン56には、凸部47に対応する部分と周縁部に対応する部分とで、予め形成した溝54の深さに対応する段差が形成される。このため、図9(C)に示すように、レジストパターン56をマスクとしてシリコン基板41の表面をさらにエッチングすると、凸部47よりも周縁部42bが厚い(周縁部42bよりも凸部47が薄い)凹凸構造42を形成される。
その後、図9(D)に示すように、封止部材43をシリコン基板41に接合する接合工程は前述の実施形態と同様にして行えば、前述の例と同様、封止部材43は周縁部42bの上面と当接させると、凸部47の上面は封止部材43と接触しないので、封止部材43は周縁部42bの上面でだけシリコン基板41と接合される。
なお、凸部47と封止部材43の間に隙間を設ける場合に、封止部材43を一部薄くする例と、周縁部42bに対して凸部47を薄くする例を説明したが、これらを組み合わせて、封止部材43を一部薄くし、かつ、周縁部42bに対して凸部47を薄くすることによって、凸部47と封止部材43の間に隙間を設けても良い。
なお、図5,図6,図8で示したように、凹凸構造42及び封止部材43がある面が凸になるように第1グリッド13,50,60を湾曲させる場合、シリコン基板41と封止部材43の歪の大きさを比較すれば、封止部材43の歪みが大きい。このため、封止部材43がシリコン基板41よりも硬いと、封止部材43が破損することがあるので、凹凸構造42及び封止部材43がある面が凸になるように第1グリッド13を湾曲させる場合には封止部材43がシリコン基板41よりも柔らかいことが好ましい。より具体的には、封止部材43のヤング率がシリコン基板41のヤング率よりも小さい範囲内で封止部材43の材料を選定することが好ましい。凹凸構造42を形成する基板をシリコン以外の材料からなる基板にする場合にも同様である。
さらに、図5,図6,図8で示したのとは逆に、凹凸構造42及び封止部材43がある面が凹になるように第1グリッド13,50,60を湾曲させても、第1グリッド13は機能する。このため、凹凸構造42及び封止部材43がある面が凹になるように第1グリッド13を湾曲させる場合には、上述とは逆に、シリコン基板41が封止部材43よりも柔らかいことが好ましい。この場合、封止部材43のヤング率がシリコン基板41のヤング率よりも大きい範囲内で封止部材43の材料を選定すれば良い。当然ながら、封止部材43の材料等を任意に決定し、封止部材43のヤング率がシリコン基板41のヤング率よりも小さい場合には、凹凸構造42及び封止部材43がある面を凸になるように湾曲させ、封止部材43のヤング率がシリコン基板41のヤング率よりも大きい場合には、凹凸構造42及び封止部材43がある面が凹になるように湾曲させれば良い。
なお、第1グリッド13を湾曲させるときに、凸部47と封止部材43の間に隙間を設ける変形例を説明したが、周縁部42b及び凸部47の上面と封止部材43との間にレジスト等を介入させることによって第1グリッド13を湾曲させた時に発生する応力を緩和させても良い。この場合、封止部材43とシリコン基板41を陽極接合のような強固な接合により接合して凹凸構造42を密閉することができないが、凹凸構造42の経時劣化を抑制するために少なくとも少なくとも凹部46への空気の流入を防ぐ事ができる程度の接着力で接着されていれば良い。
なお、上述の実施形態では、第1グリッド13は、真空状態で凹凸構造42を設けたシリコン基板41に封止部材43を接合して凹凸構造42を封止されているが、窒素ガスや希ガス雰囲気下で凹凸構造42を封止し、凹部46に窒素ガス等を封入しても良い。凹凸構造42が空気中にさらされていることによる経時劣化は、主に空気中に含まれる酸素や水蒸気との接触によるものであるから、上述のようにシリコン基板41と反応性の低い気体を凹部46に充填しておく場合にも、真空にする場合と同様に経時劣化を抑えることができる。
封止された凹凸構造42の内部(凹部46)を真空にしておく場合、凹凸構造42の内外の圧力差があるので、X線の吸収をより抑えるために封止部材43やシリコン基板41を薄くすると、僅かな変形や衝撃等により破損しやすいことがあるが、封止された凹凸構造42の内圧が大気圧と釣り合うように窒素ガス等を封入しておけば、封止部材43やシリコン基板41を薄くしても破損し難い第1グリッド13を得ることができる。
また、凹部46に充填するガスは、ヘリウムや水素、窒素、あるいはこれらの混合気体等、空気よりも軽い気体であることが好ましい。このように、空気よりも軽い気体を凹部46に充填しておくと、所定深さ(厚さ)の凹部46及び凸部47について空気が充填されている場合と比較すると、より位相差を大きくすることが可能である。このため、凹部46を浅く、凸部47を薄くすることができるので、第1グリッド13の製造が容易になる。また、第1グリッド13が薄くなれば、第1グリッド13によるX線の吸収や散乱を低減される。
なお、凹部46に充填するガスは、空気でもよい。凹部46に充填するガスが空気の場合は、充填した空気に含まれる酸素や水蒸気の分、凹凸構造42が経時劣化するが、封止部材43で封止されていることにより外部の空気との入れ替えが起きないので、凹部46に封入された空気に含まれる酸素や水蒸気によって凹凸構造42が劣化した後に、さらに経時劣化が進むことがない。このため、凹部46に空気を充填する場合も、経時劣化を抑えることができる。
なお、上述の実施形態では、封止部材43にホウケイ酸ガラスからなるガラス基板を用いるが、封止部材43は凹凸構造42と接合可能であり、凹凸構造42を封止することができれば任意の材料を用いることができる。例えば、封止部材43にシリコン基板を用いても良い。封止部材43にシリコン基板を用いる場合には、接合工程において、陽極接合の代わりに、いわゆるシリコン接合や常温接合により、凹凸構造42を形成したシリコン基板41と封止部材とを接合することができる。
また、上述の実施形態のように、陽極接合によりシリコン基板41と封止部材43を接合する場合には、封止部材43がイオン導電性基板であることが必要である。封止部材43には、上述の実施形態で用いたホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標)やテンパックス(登録商標))の他に、ソーダガラス、カリウムソーダ鉛ガラス、アルミノシリケート、ベータアルミナ、ジルコニア等を用いることができる。
また、封止部材43として有機フィルムや有機基板を用い、これを凹凸構造42を形成したシリコン基板41に貼り付けることも可能である。この場合、貼付け時の熱や有機フィルム及び有機基板の伸縮性による応力によって凹凸構造42が破損してしまうことがある。このため、封止部材43として有機フィルムや有機基板を用いる場合には、第1グリッドを湾曲させない場合であっても、図6や図8の第1グリッド50,60のように、凸部47が封止部材43と接触しないようにすることが好ましい。封止部材43として利用可能な有機材料は、比較的剛性が保てる材料であることが好ましく、例えばポリイミド、PEEK、PET、PEN、アクリル等を使用することができる。
なお、封止部材43に有機材料を用いると、シリコン基板41との密着不良によって凹部46に空気が流入して経時劣化の抑止効果が得られないことがあるので、陽極接合等によってシリコン基板41と強固に接合可能なガラス基板やシリコン基板等の無機材料を封止部材43として用いることがより好ましい。
さらに、上述の実施形態では、凹凸構造42を形成したシリコン基板41とガラス基板である封止部材43を陽極接合によって接合し、前述の変形例においては封止部材43にシリコン基板を用いるときには封止部材と凹凸構造42を形成したシリコン基板41をシリコン接合によって接合するが、拡散接合によって封止部材43とシリコン基板41を接合しても良い。具体的には周縁部42bの上面と封止部材43の対応する部分に金属薄膜を成膜しておき、互いの金属薄膜を当接させ、加熱及び加圧すれば、金属薄膜同士の拡散接合によって封止部材43とシリコン基板41を接合することができる。但し、金属薄膜は、極めて薄く設けたとしてもシリコン基板やガラス基板に比べてX線吸収性が高いので、凸部47の上面に金属薄膜を設けることは避けるべきである。
なお、上述の実施形態では、シリコン基板41の表面に凹凸構造42を設ける例を説明したが、凹凸構造42を設ける基板は一様なシリコン基板41でなくても良い。例えば、図10に示すように、上述の実施形態におけるシリコン基板41の代わりに、シリコン基板62とガラス基板63の接合基板64を用いて第1グリッド70を形成しても良い。この場合、凹部46は、例えばガラス基板63をエッチストッパとし、シリコン基板62を貫通してガラス基板63が露呈されるように形成される。こうすると、シリコン基板41に所定深さの凹部46を設ける場合とひかくして、各凹部62の深さのばらつきがなくなるので、凹部46を透過するX線と凸部47を透過するX線の間に、より正確な位相差を発生させることができる。
なお、熱膨張係数の差が大きい材料を接合すると、熱膨張が発生した時に発生する応力によって破損してしまうことがあるが、封止部材43とガラス基板63を同じ材料にすれば熱膨張係数の差が緩和されるので、熱膨張による破損を防ぐことができる。シリコンの熱膨張係数は3.0×10−6/℃、ホウケイ酸ガラスの熱膨張係数は3.2×10−6/℃なので、シリコン基板41と封止部材43の熱膨張係数はほぼ等しいが、上述のようにシリコン基板62とガラス基板63の接合基板を用いれば、より確実に熱膨張による破損を防ぐことができる。
また、図10では、凸部47の上面が封止部材43に接合されている例を説明したが、前述のように、封止部材43を一部薄くして凸部47と封止部材43の間に隙間を設けても良いし、凸部47を周縁部42bよりも薄くして凸部47と封止部材43の間に隙間を設けても良い。
なお、シリコン基板62とガラス基板63は陽極接合により接合可能であり、接合基板64を用いる場合も、その後の第1グリッド70の製造方法は上述の実施形態と同様である。
なお、上述の実施形態では説明を省略したが、シリコン基板41の表面に凹凸構造42を形成するエッチング工程では、深堀り用のエッチングが好適である。深堀用のエッチングには、例えば、ボッシュプロセスと呼ばれるドライエッチングが好適である。ボッシュプロセスは、例えば、シリコン(シリコン基板41)をエッチングするSFガスと、保護膜を形成するためのCガスとを用いるエッチング方法である。SFガスでシリコン基板41をエッチングすると深さ方向だけでなく、横方向にもエッチングが進行するため、これだけでは第2グリッド14のようにアスペクト比が大きい溝を形成することができない。このため、ボッシュプロセスでは、SFガスで所定時間エッチングした後、Cガスに切り換え、プラズマにより生成されるCFのポリマーを凹部46内に付着させて保護膜を形成する。そして、再びSFガスによりエッチングを行う。このボッシュプロセスによれば、底面に比べて側面のエッチング速度は低いため、ほぼ底面だけをエッチングして凹部46を深堀りすることができる。
また、例えば、シリコン単結晶の面方位によってエッチング速度が異なる異方性のウェットエッチングで凹部46を形成しても良い。
また、上記実施形態では、被検体HをX線源と第1グリッドとの間に配置しているが、被検体Hを第1グリッドと第2グリッドとの間に配置してもよい。この場合にも同様に位相コントラスト画像が生成される。また、上記実施形態では、線源グリッドを設けているが、線源グリッドを省略してもよい。
本発明は、医療診断用の放射線画像撮影システムのほか、工業用や、非破壊検査等のその他の放射線撮影システムに適用可能である。また、本発明は、放射線として、X線以外にガンマ線等を用いる放射線画像撮影システムにも適用可能である。
10 X線画像撮影システム
11 X線源
12 線源グリッド
13,50,60,70 第1グリッド
14 第2グリッド
15 X線画像検出器
41 シリコン基板
42 凹凸構造
43 封止部材
46 凹部
47 凸部

Claims (13)

  1. 凹部を透過する放射線と凸部を透過する放射線との間に所定位相差を発生させるグリッド部と、前記グリッド部の周囲に設けられた凸状の周縁部とが表面に形成された基板と、
    少なくとも前記周縁部と当接して前記グリッド部を封止する封止部材と、
    を備えることを特徴とする放射線画像撮影用グリッド。
  2. 前記凸部と前記封止部材の間に隙間があることを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影用グリッド。
  3. 前記凸部の上面が前記封止部材と接合されていることを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影用グリッド。
  4. 前記グリッド部は前記封止部材によって真空に封止されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像撮影用グリッド。
  5. 前記グリッド部は前記封止部材によって空気または空気よりも軽い気体を充填して封止されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像撮影用グリッド。
  6. 前記基板と前記封止部材は陽極接合により接合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線画像撮影用グリッド。
  7. 前記基板はシリコン基板であり、前記封止部材はイオン導電性基板であることを特徴とする請求項6記載の放射線画像撮影用グリッド。
  8. 前記基板と前記封止部材はともにシリコン基板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線画像撮影用グリッド。
  9. 前記封止部材のヤング率が前記基板のヤング率よりも小さく、前記封止部材がある側の面が凸になるように湾曲されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の放射線画像撮影用グリッド。
  10. 前記封止部材のヤング率が前記基板のヤング率よりも大きい、前記封止部材がある側の面が凹になるように湾曲されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の放射線画像撮影用グリッド。
  11. 前記基板は、所定材料からなる第1基板と、前記封止部材と同じ材料からなる第2基板との接合基板であり、
    前記グリッド部及び前記周縁部は、前記第1基板に形成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の放射線画像撮影用グリッド。
  12. 所定材料からなる基板の表面をエッチングして、凹部を透過する放射線と凸部を透過する放射線との間に所定位相差を発生させるグリッド部と、前記グリッド部の周囲に設けられた凸状の周縁部とを前記基板の表面に形成するエッチング工程と、
    封止部材を少なくとも前記周縁部に当接させ、前記基板と前記封止部材を接合し、前記グリッド部を封止する接合する接合工程と、
    を備える放射線画像撮影用グリッドの製造方法。
  13. 放射線源から照射される放射線を位相型グリッドを介して撮影し、位相コントラスト画像を生成する放射線画像撮影システムにおいて、
    前記位相型グリッドは、凹部を透過する放射線と凸部を透過する放射線との間に所定位相差を発生させるグリッド部と、前記グリッド部の周囲に設けられた凸状の周縁部が表面に形成された基板と、
    少なくとも前記周縁部と当接して前記グリッド部を封止する封止部材と、
    を備えることを特徴とする放射線画像撮影システム。
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