JP2013187433A - 結晶シリコン太陽電池の製造方法 - Google Patents

結晶シリコン太陽電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶シリコン太陽電池の受光面拡散層と反射防止膜を同じ熱処理で形成するための、スピンコート工程において、塗布液の量を増大させることなく、短い工程時間で、膜厚の均一な塗布膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】受光面拡散層と反射防止膜を同時に形成するためのスピンコート工程において、結晶シリコン基板の中央部へ塗布液を吐出する吐出工程と、外縁部に塗布液を吐出する吐出工程と、基板を回転する基板回転工程を有しており、中央部へ吐出する塗布液は外縁部へ吐出する塗布液よりも濃度を大きくする。
【選択図】なし

Description

本発明は、結晶シリコン太陽電池の製造方法に関し、特に、スピンコート工程を有する製造方法に関する。
太陽光エネルギを直接電気エネルギに変換する太陽電池は、近年、特に地球環境問題の観点から、エネルギ源としての期待が急速に高まっている。太陽電池としては、化合物半導体または有機材料を用いたものなど種々の種類があるが、現在、主流となっているのは、シリコン基板を用いた結晶シリコン太陽電池である。
結晶シリコン太陽電池は、まずシリコンのインゴットからワイヤソーでウエハにスライスし、結晶シリコン基板とする。その後、表面反射を低減する為に微細な凹凸構造を、結晶シリコン基板の受光面側表面に形成する。
次に、例えばp型結晶シリコン基板の場合、ドナーとなるリン等のドーパントを拡散することにより、n型拡散層を形成する。n型拡散層の形成方法としては、拡散剤を含む溶液を基板表面にスピンコートにより塗布、乾燥した後に熱処理を行う方法や、炉にPOClの拡散剤をガスとして導入して熱処理を行う方法が、よく用いられている。
続いて反射防止膜を形成する。反射防止膜は、基板受光面側の表面反射率を低減する為に形成するものである。形成方法としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜、チタン酸化膜等を熱酸化法やプラズマCVD法、スパッタリング法で製膜する方法がよく知られている。
次に、スクリーン印刷法により基板裏面に銀ペースト及びアルミペーストを印刷、乾燥し、更に受光面に銀ペーストを印刷、乾燥した後に、結晶シリコン基板を焼成することにより裏面BSF(Back Surface Field)層、裏面アルミ電極、裏面銀電極、受光面銀電極を形成し、結晶シリコン太陽電池が完成する。
結晶シリコン太陽電池の製造工程において、pn接合形成工程は、最も重要な工程とされている。これは、pn接合の接合状態が、結晶シリコン太陽電池の発電効率に大きく影響するためである。
発電効率の向上に加えて、製造コストを下げることが結晶シリコン太陽電池には求められている。製造コストを下げることにつながる有望な方法として、n型拡散層と反射防止膜を同時に形成する方法も知られている(特許文献1)。この方法は、拡散剤とチタン化合物及びアルコールを含む塗布液を、結晶シリコン基板の受光面側に塗布、乾燥した後、同じ熱処でn型拡散層と反射防止膜を形成する方法である。
特開昭54−76629号公報
特許文献1に記載された受光面拡散層と反射防止膜の同時形成法では、拡散剤とチタン化合物及びアルコールを含む塗布液を、スピンコート法で塗布し、乾燥した後、熱処理を行う。スピンコート法において、塗布液の吐出量が少ない場合は、結晶シリコン基板の外縁部に被覆できていない箇所ができ、塗布液の吐出量が多い場合は、結晶シリコン基板の外縁部に、粘度の高まった溶液が振り切れずに残り、液溜まりができるという問題点があった。言い換えると、塗布膜の膜厚の均一化が困難であるという問題があった。
塗布液の吐出量をさらに増やし、高速で長い時間回転を行えば、膜厚分布を改善することは可能であるが、その場合、スピンコート工程時間が長くなるとともに、必要な塗布液の量が増加するという問題がある。
本発明は、結晶シリコン太陽電池の受光面拡散層と反射防止膜を同じ熱処理で形成するための、スピンコート工程において、塗布液の量を増大させることなく、短い工程時間で、膜厚の均一な塗布膜を形成する方法を提供するものである。
本発明に係る結晶シリコン太陽電池の製造方法は、結晶シリコン基板の表面に拡散剤とチタン化合物とアルコールとを含む塗布液でスピンコートを行うスピンコート工程と、熱処理工程とを有する結晶シリコン太陽電池の製造方法であって、スピンコート工程は、結晶シリコン基板の該中央部に塗布液を吐出する中央部への吐出工程と、結晶シリコン基板の外縁部に塗布液を吐出する外縁部への吐出工程と、結晶シリコン基板を回転させる基板回転工程とを有し、外縁部への吐出工程で用いる塗布液は、中央部への吐出工程で用いる塗布液の濃度よりも小さいことを特徴としている。
本発明に係る結晶シリコン太陽電池の製造方法は、中央部への吐出工程と外縁部への吐出工程とのうち、少なくともいずれか一方は、結晶シリコン基板を回転させながら吐出する回転吐出工程であることを特徴としている。
本発明に係る結晶シリコン太陽電池の製造方法は、回転吐出工程における回転数が、100rpmから1000rpmであることを特徴としている。
本発明に係る結晶シリコン太陽電池の製造方法は、基板回転工程における回転数が、4000rpmから6000rpmであることを特徴としている。
本発明に係る結晶シリコン太陽電池の製造方法は、外縁部への吐出工程における結晶シリコン基板の中央部から滴下箇所までの距離と結晶シリコン基板に内接する円の半径との比が、0.8から0.9であることを特徴としている。
本発明に係る結晶シリコン太陽電池の製造方法は、中央部への吐出工程が終了する前に、外縁部への吐出工程が始まることを特徴としている。
本発明に係る結晶シリコン太陽電池の製造におけるスピンコート工程は、塗布液の量を増大させることなく、短い工程時間で、膜厚の均一な塗布膜を形成することができるという効果を奏する。従って本発明は、発電効率が高く、製造コストの低い結晶シリコン太陽電池を製造することができるという効果を奏するものである。
本発明の実施形態1の結晶シリコン太陽電池を模式的に示す図であって、(a)は受光面側からみた図、(b)は裏面側からみた図である。 本発明の実施形態1を示すものであって、結晶シリコン太陽電池の端面模式図である。 本発明の実施形態1を示すものであって、結晶シリコン太陽電池の製造工程を示すフロー図である。 本発明の実施形態1を示すものであって、結晶シリコン基板を、スピンコート工程における塗布面側からみた図である。 本発明の実施形態1を示すものであって、スピンコート工程のシーケンスを示した図である。 本発明の実施形態1を示すものであって、実施例と比較例の条件を示した図である。 本発明の実施形態2を示すものであって、スピンコート工程のシーケンスの他の例を示した図である。 本発明の実施形態2を示すものであって、反射防止膜の膜厚を示した図である。 本発明の実施形態2を示すものであって、反射防止膜の膜厚を示した図である。 本発明の実施形態3を示すものであって、スピンコート工程のシーケンスの他の例を示した図である。
本発明の結晶シリコン太陽電池の製造方法の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1により製造される結晶シリコン太陽電池の構造を示す図である。(a)は受光面側からみた図、(b)は裏面側からみた図である。太陽電池セルの受光面側には、サブグリッド電極4、受光面電極5が形成されており、裏面側には裏面銀電極6と裏面アルミ電極7が形成されている。
図2は、図1(a)におけるA−A´断面を示す図である。結晶シリコン基板1の受光面10の側に、受光面拡散層2、反射防止膜3、受光面電極5が形成されている。結晶シリコン基板1の受光面10の逆側である裏面側には、裏面銀電極6、裏面アルミ電極7、BSF(Back Surface Field)層8が形成されている。
図3は、本実施形態の太陽電池セルの製造方法を示すフロー図である。
まず、テクスチャ形成工程S1において、結晶シリコン基板1の受光面側表面にテクスチャを形成した。結晶シリコン基板1として、p型のシリコン基板を用いた。NaOHとIPAを含む高温の溶液に浸漬することにより、結晶シリコン基板1の受光面側表面に、高さ数μmのピラミッド状のテクスチャを形成した。テクスチャ形成工程の前に、アルカリ溶液を用いて、結晶シリコン基板1のスライスダメージを除去してもよい。基板表面を均質化しておくことで、再現性の高いテクスチャ構造を得ることができる。
次に、スピンコート工程S2において、スピンコート法を用いて塗布液を塗布することにより、結晶シリコン基板1の受光面側表面に、塗布膜を形成した。塗布液として、PTG(Phosphoric Titanate Glss)液を用いた。PTG液とは、リン化合物とチタン化合物とアルコールを含む混合液である。均一な膜厚の塗布膜を形成することで、均一な膜厚の受光面拡散層2と反射防止膜3を得ることができる。
反射防止膜3の膜厚に面内分布があると、結晶シリコン太陽電池の受光面における反射を十分に防止することができなくなる。反射防止膜の膜厚設計値に対し、薄すぎる領域または厚すぎる領域では、反射防止機能が十分に働かないためである。反射防止機能が十分に働かないと、結晶シリコン太陽電池の電流値が十分に得られず、変換効率があがらないことになる。よって、反射防止膜の膜厚を均一にすることは、高い変換効率を得るために重要な要素であるといえる。
スピンコート工程S2は、中央部への吐出工程と、外縁部への吐出工程と、基板回転工程とを有する。これらの工程については、後で詳細に説明する。
その後、第1熱処理工程S3において、受光面側に塗布膜が形成された結晶シリコン基板1を石英炉に入れ、熱処理を行った。熱処理は、N及びOの混合雰囲気中で、設定温度860℃、10分間行った。塗布膜に含まれるリン化合物中のn型ドーパントであるリンを、結晶シリコン基板1中に熱拡散することにより、n型拡散層である受光面側拡散層2を形成した。同時に、塗布膜に含まれるチタン化合物中のチタンから、酸化チタン膜を形成することで、反射防止膜3を形成した。第1熱処理工程S3の熱処理条件としては、温度850℃〜900℃、熱処理時間5分〜30分程度が望ましい。
スピンコート工程S2と第1熱処理工程S3を行うことで、受光面拡散層2と反射防止膜3を同時に形成した。
次に、電極形成工程S4において、受光面電極5、裏面銀電極6、裏面アルミ電極7を形成した。まず、結晶シリコン基板1の裏面側に、銀ペースト及びアルミペーストをスクリーン印刷により印刷し、乾燥させた。その後、結晶シリコン基板1の受光面側に、銀ペーストをスクリーン印刷により印刷し、乾燥させた。
次に、第2熱処理工程S5において、電極の形成された状態の結晶シリコン基板1の熱処理を行った。熱処理は、N及びOの混合雰囲気中で、設定温度850℃、1分間行った。熱処理により、受光面電極5を構成する銀ペーストの一部は、反射防止膜3を貫通し受光面拡散層2に達し、受光面電極5と受光面拡散層2を電気的に接続させた。さらに、裏面アルミ電極6を構成するアルミペーストの一部を結晶シリコン基板1中に熱拡散させることで、BSF層を形成した。第2熱処理工程S5の熱処理条件としては、温度500℃〜900℃、熱処理時間3分以下が望ましい。
テクスチャ形成工程S1から第2熱処理工程S5を行うことで、本実施形態の結晶シリコン太陽電池が完成した。
以下に、スピンコート工程S2について、詳細に述べる。
スピンコート装置として、塗布液を滴下するノズルが、中央ノズルと外縁ノズルの2つある装置を用いた。中央ノズル、外縁ノズルとも、単位時間あたりの塗布液の吐出量は同じである。外縁ノズルから吐出されるPTG液(B液とする)は、中央ノズルから吐出されるPTG液(A液とする)を溶媒として用いているアルコールで約2倍に希釈したものである。B液は、A液と比較して、PTG液成分中のリン化合物やチタン化合物が約半分となるため、物性的には粘度が低くなる。さらにアルコールと比較して高価であるリン化合物やチタン化合物の単位体積あたりの含有量が減るため、材料費も低くなる。言い換えると、A液3ccとB液2ccの計5ccは、A液5ccと比較して、材料費が低くなることになる。
次に、中央ノズル、外縁ノズルのそれぞれから吐出された塗布液の滴下箇所について説明する。図4は、塗布面側からみた図である。塗布面は、結晶シリコン基板1の受光側の面である。結晶シリコン基板1は、一辺の長さ約150mmの該正方形であり、受光面にはテクスチャが形成されている状態である。塗布液は、中央ノズルを通して滴下箇所20へ吐出され、外縁ノズルを通して滴下箇所30へ吐出される。滴下箇所20は、基板のほぼ中心であり、滴下箇所30は、基板の中心から約60mm離れた箇所とした。基板の中心から滴下箇所30までの距離の、基板に内接する円の半径に対する比は、約0.8である。
実施例1について説明する。図5は、実施例1のスピンコート工程S2のシーケンスを示したものである。基板を回転させていない状態で、中央部への吐出工程として中央ノズルからA液3ccを吐出した後、外縁部への吐出工程として外縁ノズルからB液2ccを吐出した。その後、基板回転工程として回転数5000rpmで、10s間、結晶シリコン基板1を回転させた。
実施例1の塗布膜の外観検査を行ったところ、後述の比較例1、2、4、5のようなストリエーションや液溜まりが観察されず、均一に塗布膜が形成されていることが確認された。
さらに第1熱処理工程S3後に、分光エリプソメーター(装置名:VASE J.A. Woollam社製)を用いて反射防止膜3の膜厚を測定した。膜厚測定に際しては、受光面にテクスチャの形成されていない結晶シリコン基板を用いた。用いた基板以外の条件については、同じである。膜厚は、結晶シリコン基板1の中心と、結晶シリコン基板1の対角線上に中心から23mm、46mm、69mm、92mm離れた計17箇所について測定した。膜厚の平均値は、115nmであった。
次に、比較例1〜3について説明する。実施例と比較例の異なる点は、比較例においてはいずれもA液のみを吐出し、B液の吐出は行っていないことである。図6に、実施例1及び比較例のスピンコート工程におけるシーケンス及び検査の結果を示す。
比較例1においては、中央ノズルからA液5ccを吐出し、回転数5000rpmで10s間、結晶シリコン基板を回転させた。比較例2においては、回転数、回転時間は比較例1と同じままで、A液の吐出量を6ccとした。比較例3においては、中央ノズルからA液5ccを吐出し、回転数1500rpmで3s間、その後、7000rpmで10s間回転させた。
比較例1の回転後の塗布膜の外観検査を行ったところ、結晶シリコン基板の各角部にストリエーションが形成されていた。比較例2の回転後の塗布膜の外観検査を行ったところ、結晶シリコン基板の各角部に液溜まりが形成されていた。
本実施の形態においては、略正方形の結晶シリコン基板を用いている。スピンコート法を用いて塗布を行った場合、略正方形に内接する円内での塗布膜の膜厚は概ね良好であるが、略正方形に内接する円の外側の領域においては、膜厚のむらが発生しやすい。比較例1のように、塗布液が少ない場合は、塗布膜がついていない箇所、ストリエーションが形成されやすい。また、比較例2のように、塗布液が多い場合は、塗布膜が厚い箇所、液溜まりがでやすい。略正方形の基板に対し、吐出量を調整するだけでは、安定して、均一な膜厚の塗布膜を形成することは困難である。
比較例3では、1500rpmで3s間回転させることで、結晶シリコン基板1全体に塗布液を拡げ、その後7000rpmで10s間回転させることで、基板面内の塗布膜厚を均一に近付ける方法を用いた。比較例3の回転後の塗布膜10は、外観検査を行ったところ、比較例1、2よりも均一な塗布膜が形成されていた。さらに第1熱処理工程S3の後に、反射防止膜3の膜厚測定を行ったところ、平均値は、113nmであった。実施例1と比較例3は、同程度の膜厚の反射防止膜が形成されていることがわかった。スピンコート工程全体の工程時間が実施例1は15秒であり、比較例3は18秒である。よって、実施例1の方が、短い工程時間で、同じ膜厚の塗布膜を形成することができたことがわかる。さらに、塗布液の材料費についても、実施例1の方が安くなるという効果も得られた。実施例1で用いたA液3ccとB液2ccの計5ccは、比較例3で用いたA液5ccと比較して、リン化合物やチタン化合物の絶対量が少ないためである。
次に、比較例4及び5について説明する。実施例1と異なる点は、比較例4は、塗布液Bとして塗布液Aと同じ濃度の塗布液を用いており、比較例5は、塗布液とBと塗布液Aの濃度を逆にしていることである。その他については、実施例1と同じ条件とした。比較例4、5いずれの場合についても、結晶シリコン基板1の外縁部に液溜まりが形成された。塗布液Aの濃度が、塗布液Bの濃度より大きいときに、均一な膜厚の塗布膜を形成することができることがわかった。
尚、塗布液Bは塗布液Aを約2倍に希釈したものを用いた場合について説明したが、1.5倍、3倍に希釈した場合にも同様の効果が得られている。
〔実施形態2〕
本発明の別の例を、実施形態2を用いて示す。実施形態2の、実施形態1と異なる点は、
塗布液を吐出する際に、基板を回転させている点である。言い換えると、中央部への吐出工程と、外縁部への吐出工程は、基板を回転させながら吐出する回転吐出工程である点である。
図7に、実施形態2のシーケンスを示す。基板を回転させている状態で、中央部への吐出工程として中央ノズルからA液3ccを吐出した後、外縁部への吐出工程として外縁ノズルからB液2ccを吐出した。その後、基板回転工程として回転数5000rpmで、10s間、結晶シリコン基板1を回転させた。
図8に、回転吐出工程における回転数と、得られた反射防止膜3の平均膜厚と、面内分布とを実施例2から実施例10を用いて示す。平均膜厚、面内分布は、結晶シリコン基板1の中心と、対角線上に中心から23mm、46mm、69mm、92mm離れた箇所、計17箇所について測定し、計算を行った。いずれも、外観検査では、ストリエーションや液溜まりが観察されず、均一な膜が形成されていた。
平均値については、回転数1000rpm以下であれば、実施例1と同等の膜厚が得られていることがわかった。
膜厚の面内分布は、基板を回転させた状態で塗布液を吐出した場合のほうが、小さくなっていることがわかった。すなわち、基板を回転させた状態で塗布液を吐出することで、膜厚をより均一化できることがわかった。回転数100rpm以上であれば、面内分布がより小さくなることもわかった。
よって、回転吐出工程における回転数は、100rpmから1000rpmが望ましい。100rpmより小さいと膜厚の面内分布が大きくなり、1000rpmより大きいと膜厚が薄くなるからである。
図9に、回転吐出工程における回転数を300rpmとし、吐出後に基板を回転させる基板回転工程における回転数を変えた場合の回転数と、得られた反射防止膜3の平均膜厚と、面内分布とを実施例5、および実施例11から実施例14を用いて示す。いずれも外観検査では、均一な膜が形成されていた。
基板回転工程における回転数は、4000rpmから6000rpmが望ましい。4000rpmより小さいと、膜厚の面内分布が大きくなり、6000rpmより大きいと、平均膜厚が薄くなるからである。
さらに、回転吐出工程における回転数を300rpmとし、基板回転工程における回転数を5000rpmとして、塗布液Bを滴下する箇所を変えて検討を行った。中央ノズルから吐出されるA液の量は3ccであり、外縁ノズルから吐出されるB液の量は2ccである。
基板の中心から、塗布液Bを滴下する箇所である滴下箇所30までの距離と基板に内接する円の半径との比は、約0.8から0.9が望ましい。結晶太陽電池基板1として、一辺約150mmの該正方形の基板を用いた場合、中心から滴下箇所30までの距離は60mmから68mmが望ましい。中心から滴下箇所30までの距離が近すぎると、基板の最外縁部の膜厚が薄くなり、中心から滴下箇所30までの距離が遠すぎると、基板の外縁部の膜厚が薄くなり、膜厚分布が大きくなるからである。
実施形態2として、中央部への吐出工程と外縁部への吐出工程のいずれの工程においても、塗布液を吐出する際に基板を回転させている場合について記載したが、いずれか一方の工程でのみ塗布液を吐出する際に基板を回転させている場合についても、同様の効果を得ることができる。
〔実施形態3〕
本発明の別の例を、実施形態3を用いて示す。実施形態3の、実施形態2と異なる点は、
塗布液を吐出する際の、中央ノズルと外縁ノズルの吐出のタイミングである。
図10に、実施例2から実施例4のシーケンスを示す。実施例2は、中央ノズルからの塗布液Aの吐出が終わってから、外縁ノズルから塗布液Bの吐出を開始しており、実施例3は、中央ノズルからの塗布液Aの吐出と、外縁ノズルからの塗布液Bの吐出を同時に開始している。実施例4は、中央ノズルから塗布液Aの吐出が終わる前に、外縁ノズルからの吐出を開始している。いずれの場合も、外観検査を行ったところ、均一な塗布膜が形成されていることが確認された。得られた反射防止膜3の膜厚の面内分布を測定したところ、実施例15、16、17はそれぞれ12%、11%、9%であった。実施例15と比較して、実施例16は、膜厚の面内分布が小さく、実施例17のほうが、さらに膜厚分布が小さくなることがわかった。よって、中央ノズルから塗布液の吐出が終わる前に、外縁ノズルからの吐出を開始することで、さらに塗布膜の膜厚の面内分布を小さくすることが可能なことがわかった。
中央ノズルから塗布液の吐出が終わる前に、外縁ノズルからの吐出を開始することで、スピンコート工程の工程時間を短くすることができるという効果も得られた。
本実施の形態においては、略正方形の基板を用いた場合について述べたが、略円形のシリコン基板を用いた場合でも、同様の結果が得られることは明らかである。
以上、実施形態1から実施形態3について具体的に説明を行ったが、本発明はそれらに限定されるものではない。上述した3つの実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
ここで開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る結晶シリコン太陽電池の製造方法は、結晶シリコン太陽電池の製造全般に広く適用することができる。
1 結晶シリコン基板
2 受光面側拡散層
3 反射防止膜
4 サブグリッド電極
5 受光面電極
6 裏面銀電極
7 裏面アルミ電極
8 BSF層
10 受光面
20、30 滴下箇所

Claims (6)

  1. 結晶シリコン基板の表面に拡散剤とチタン化合物とアルコールとを含む塗布液でスピンコートを行うスピンコート工程と、熱処理工程とを有する結晶シリコン太陽電池の製造方法であって、
    前記スピンコート工程は、前記結晶シリコン基板の該中央部に塗布液を吐出する中央部への吐出工程と、
    前記結晶シリコン基板の外縁部に塗布液を吐出する外縁部への吐出工程と、
    前記結晶シリコン基板を回転させる基板回転工程とを有し、
    前記外縁部への吐出工程で用いる塗布液は、前記中央部への吐出工程で用いる塗布液の濃度よりも小さい結晶シリコン太陽電池の製造方法。
  2. 前記中央部への吐出工程と前記外縁部への吐出工程とのうち少なくともいずれか一方は、前記結晶シリコン基板を回転させながら吐出する回転吐出工程である請求項1記載の結晶シリコン太陽電池の製造方法。
  3. 前記回転吐出工程における回転数は、100rpmから1000rpmである請求項1または2記載の結晶シリコン太陽電池の製造方法。
  4. 前記基板回転工程における回転数は、4000rpmから6000rpmである請求項1から3のいずれかに記載の結晶シリコン太陽電池の製造方法。
  5. 前記外縁部への吐出工程における前記結晶シリコン基板の中央部から滴下箇所までの距離と前記結晶シリコン基板に内接する円の半径との比が、0.8から0.9である請求項1から4のいずれかに記載の結晶シリコン太陽電池の製造方法。
  6. 前記中央部への吐出工程が終了する前に、前記外縁部への吐出工程が始まる請求項1から5のいずれかに記載の結晶シリコン太陽電池の製造方法。
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