JP2011249671A - シリコン基板の表面処理方法および太陽電池 - Google Patents

シリコン基板の表面処理方法および太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を低コストで形成することができるシリコン基板の表面処理方法を提供する。
【解決手段】本発明のシリコン基板の表面処理方法は、シリコン基板の複数の部分に不純物を拡散させた後、前記シリコン基板をエッチング液によりウェットエッチングする工程を備え、前記複数の部分の前記エッチング液によるエッチング速度が前記不純物を拡散させていない部分の前記エッチング液によるエッチング速度より速いことを利用して前記シリコン基板の表面に凹凸構造を形成することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリコン基板の表面処理方法および太陽電池に関する。
現在最も生産量の多い住宅用量産型多結晶シリコン太陽電池用基板は、表面反射による入射光量の減少を防止するため、表面に凹凸構造(テクスチャ構造)が形成されている。この表面の凹凸構造は、例えば、混酸水溶液、アルカリ性水溶液、反応性ガス等を用いるエッチング処理を施すことにより、シリコン基板の表面のスライスダメージ層を取り除いた後に形成される(例えば、特許文献1、特許文献2または特許文献3参照)。
混酸水溶液を用いたエッチング処理によりシリコン基板の表面のスライスダメージ層を取り除いた場合、混酸水溶液によるエッチング速度は結晶方位に依存しないため、スライスダメージ層の表面の凹凸を利用した凹凸構造が形成されるのみで、表面反射を低減することができる凹凸構造は形成しにくい。
アルカリ性水溶液を用いたエッチング処理によりシリコン基板の表面のスライスダメージ層を取り除いた場合、アルカリ性水溶液によるエッチング速度は結晶方位に依存するため、シリコン基板の表面に凹凸構造が形成される。しかし、基板に多結晶シリコン基板を用いた場合、シリコン基板の表面に凹凸構造は形成されるが、基板表面の結晶方位が一定でないため、シリコン基板表面の凹凸構造の状態に結晶方位毎の差異が生じる。このため、シリコン基板の表面全体に表面反射を低減することができる凹凸構造は形成しにくい。
反応性ガスを用いたエッチング処理によりシリコン基板の表面のスライスダメージ層を取り除いた場合、多結晶シリコン基板の表面に表面反射を低減することができる凹凸構造を形成することができる。
特開平10−303443号公報 特開2000−183378号公報 特開2007−324165号公報
しかし、反応性ガスを用いたエッチング処理は、腐食性のガスを用いるため閉鎖系の装置が必要である。また、反応性ガスを用いてエッチング処理したシリコン基板は、さらにウェットエッチング処理を施す必要がある。このため、シリコン基板に凹凸構造を形成するための製造コストが高くなる。
また、反応性ガスを用いたエッチング処理に用いるエッチング装置は、ガス分圧の制御を必要とするため、および安全性と品質を維持するために、頻繁なメンテナンスを必要とする。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を低コストで形成することができるシリコン基板の表面処理方法を提供する。
本発明は、シリコン基板の複数の部分に不純物を拡散させた後、前記シリコン基板をエッチング液によりウェットエッチングする工程を備え、前記複数の部分の前記エッチング液によるエッチング速度が前記不純物を拡散させていない部分の前記エッチング液によるエッチング速度より速いことを利用して前記シリコン基板の表面に凹凸構造を形成することを特徴とするシリコン基板の表面処理方法を提供する。
本発明によれば、シリコン基板の不純物を拡散させた複数の部分の前記エッチング液によるエッチング速度が、前記不純物を拡散させていない部分の前記エッチング液によるエッチング速度より速いことを利用してシリコン基板の表面に凹凸構造を形成するため、シリコン基板の表面に表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することができる。
また、本発明によれば、シリコン基板の不純物を拡散させた複数の部分の前記エッチング液によるエッチング速度が、前記不純物を拡散させていない部分の前記エッチング液によるエッチング速度より速いことを利用するため、シリコン基板が、表面に種々の結晶方位が存在する多結晶シリコン基板の場合でも、シリコン基板の表面に表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することができる。
さらに、本発明によれば、ウェットエッチングによりシリコン基板の表面に表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することができるため、腐食性ガスや閉鎖系装置を用いずに簡便なプロセスにより低コストでシリコン基板の表面に凹凸構造を形成することができる。
(a)は本発明の一実施形態のシリコン基板の表面処理方法により形成された凹凸構造を有するシリコン基板の概略平面図であり、(b)は(a)の点線A−Bにおけるシリコン基板の概略断面図である。 (a)〜(d)は本発明の一実施形態のシリコン基板の表面処理方法の各工程を示すシリコン基板の概略断面図である。 本発明の効果実証実験において、表面に凹凸構造を形成したシリコン基板の反射率の測定結果を示すグラフである。
本発明のシリコン基板の表面処理方法は、シリコン基板の複数の部分に不純物を拡散させた後、前記シリコン基板をエッチング液によりウェットエッチングする工程を備え、前記複数の部分の前記エッチング液によるエッチング速度が前記不純物を拡散させていない部分の前記エッチング液によるエッチング速度より速いことを利用して前記シリコン基板の表面に凹凸構造を形成することを特徴とする。
シリコン基板とは、シリコン単結晶からなる基板またはシリコン多結晶からなる基板である。
不純物とは、ドナーまたはアクセプタとなりうる原子である。
本発明のシリコン基板の表面処理方法において、前記不純物を拡散させる工程は、前記シリコン基板に前記不純物を含む液体を塗布した後、形成された塗布膜の上からレーザ光線を前記シリコン基板の複数の領域に照射する工程からなることが好ましい。
このような方法によれば、レーザ光線を照射したシリコン基板の部分に不純物を拡散させることができる。このことにより、レーザ光線を照射した部分と、照射していない部分との間に不純物濃度の差を形成することができ、不純物を拡散させた部分(不純物濃度が高い部分)がよりエッチング液によるエッチング速度が速いことを利用して、シリコン基板の表面に凹凸構造を形成することができる。
本発明のシリコン基板の表面処理方法において、前記レーザ光線を照射する領域は、10μm以上50μm以下の最大径を有することが好ましい。
このような方法によれば、シリコン基板の表面に、表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することができる。
本発明のシリコン基板の表面処理方法において、隣接する2つの前記レーザ光線を照射する領域の中心は、10μm以上100μm以下の間隔を有することが好ましい。
このような方法によれば、シリコン基板の表面に、表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することができる。
本発明のシリコン基板の表面処理方法において、前記シリコン基板をウェットエッチングする工程は、前記シリコン基板を前記エッチング液に浸漬させる工程からなることが好ましい。
このような方法によれば、シリコン基板の不純物を拡散させた複数の部分の前記エッチング液によるエッチング速度が前記不純物を拡散させていない部分の前記エッチング液によるエッチング速度より速いことを利用してシリコン基板の表面に凹凸構造を形成するため、シリコン基板の表面に表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することができる。
本発明のシリコン基板の表面処理方法において、前記エッチング液は、酸性水溶液であることが好ましい。
このような方法によれば、シリコン基板の表面に表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することができる。
本発明のシリコン基板の表面処理方法において、前記エッチング液は、アルカリ性水溶液であることが好ましい。
このような方法によれば、シリコン基板の表面に表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することができる。
本発明のシリコン基板の表面処理方法において、前記シリコン基板は、多結晶シリコンからなることが好ましい。
このような方法によれば、多結晶シリコンからなるシリコン基板の表面に表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することができる。
また、本発明は、別の観点から本発明のシリコン基板の表面処理方法により表面処理されたシリコン基板を備える太陽電池も提供する。
本発明の太陽電池によれば、シリコン基板の表面反射率が十分に低減されるため高効率でシリコン基板に光を入射させることができ、かつ、低コストで製造することができる太陽電池を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
シリコン基板の表面処理方法
図1(a)は本発明の一実施形態のシリコン基板の表面処理方法により形成された凹凸構造を有するシリコン基板の概略平面図であり、図1(b)は(a)の点線A−Bにおけるシリコン基板の概略断面図である。
図2(a)〜(d)は本発明の一実施形態のシリコン基板の表面処理方法の各工程を示すシリコン基板の概略断面図である。
本実施形態のシリコン基板の表面処理方法は、シリコン基板1の複数の部分に不純物を拡散させた後、シリコン基板1をエッチング液によりウェットエッチングする工程を備え、前記複数の部分の前記エッチング液によるエッチング速度が前記不純物を拡散させていない部分の前記エッチング液によるエッチング速度より速いことを利用してシリコン基板1の表面に凹凸構造を形成することを特徴とする。
以下、本実施形態のシリコン基板の表面処理方法について説明する。
1.シリコン基板
シリコン基板1は、単結晶シリコンからなる基板または多結晶シリコンからなる基板であれば特に限定されない。特にシリコン基板1が表面に種々の結晶方位が存在する多結晶シリコン基板である場合でも、本実施形態の表面処理方法では、シリコン基板1に含まれる不純物の濃度差を利用して凹凸構造を形成するため、表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することができる。
また、シリコン基板1は、太陽電池用の単結晶シリコン基板でもよく、太陽電池用の多結晶シリコン基板であってもよい。
また、シリコン基板1は、p型多結晶シリコン基板であってもよく、n型多結晶シリコン基板であってもよい。この場合、シリコン基板1に含まれる不純物は、例えば、p型の場合、ホウ素やアルミニウムなどであり、n型の場合、リン、砒素、アンチモンなどである。シリコン基板1がp型多結晶シリコン基板またはn型多結晶シリコン基板の場合、不純物の濃度は、特に限定されないが、例えば、1013/cm3以上1018/cm3以下である。
シリコン基板1の厚さは、特に限定されないが、例えば、100μm以上300μm以下である。100μm以上とすることにより、シリコン基板1が十分な強度を有することができ、300μm以下とすることにより、太陽電池などを低コストで製造することができる。
シリコン基板1の大きさは特に限定されないが、例えば、126mm×126mm又は156mm×156mmである。
シリコン基板1の電気抵抗率は、特に限定されないが、例えば、0.5Ωcm以上15Ωcm以下とすることが太陽電池の特性上一般的となっている。
2.不純物の拡散
不純物は、シリコン基板1の複数の部分に拡散される。不純物は、シリコン結晶に拡散されることでドナーまたはアクセプタとなる原子であれば特に限定されない。ドナーとなる原子としては、V族元素であり、例えば、リン、砒素、アンチモンである。アクセプタとなる原子としては、III族元素であり、例えば、ホウ素やアルミニウムである。
シリコン基板1が不純物を含む場合、拡散させる不純物は、シリコン基板1に含まれる不純物と同一元素であってもよく、異なる元素であってもよい。
不純物を、シリコン基板1に拡散させる方法は、特に限定されないが、例えば、まず、不純物を含む液体をシリコン基板1に塗布し乾燥させることにより、図2(b)のように塗布膜3を形成する。その後、図2(c)のように塗布膜3の上からレーザ光線を照射することにより、塗布膜3に含まれる不純物をシリコン基板1に拡散させることができる。このことにより、シリコン基板1に不純物が拡散された不純物拡散部5を形成することができる。
不純物を含む液体は、特に限定されないが、不純物を含む化合物を溶剤に溶解させた溶液であり、例えば、五酸化二リンおよびイソプロピルアルコールからなる混合溶液である。
不純物を含む液体をシリコン基板1に塗布する方法は、特に限定されないが、例えば、スピンコート法等で塗布することができる。スピンコート法による塗布は、スピンコーターを用いて塗布することができ、例えば、不純物を含む液体をシリコン基板1上に滴下し、シリコン基板1を高速で回転させることにより、不純物を含む液体をシリコン基板1の表面に均一に塗布することができる。不純物を含む液体の滴下量は、例えば、シリコン基板1の面積100cm2あたり0.3cc〜5ccの分量で、スピンコーターの回転数は200〜7000rpmで1〜10秒間回転させることができる。
塗布膜3は、シリコン基板1の上に塗布した不純物を含む液体を乾燥させることにより形成することができる。
なお、シリコン基板1上に形成された塗布膜3に厚さの不均一性があった場合や、シリコン基板の裏面上に塗布膜3が形成された場合でも、不純物拡散部5の形成には、大きな影響を与えないため、工程の管理が容易である。
図2(c)のように、塗布膜3を形成したシリコン基板1に、塗布膜3の上からレーザ光線を照射することにより、塗布膜3に含まれる不純物をシリコン基板1に拡散させることができ、シリコン基板1に不純物が拡散された不純物拡散部5を形成することができる。また、シリコン基板1に塗布膜を介してレーザ光線を照射するため、レーザ光線の照射によるシリコン基板のダメージを軽減することができる。
レーザ光線の照射に使用されるレーザは、特に限定されないが、例えば、短波長(Nd:YAGレーザ0.53μmのSHG光、0.35μm THG光等)レーザを使用することができる。
レーザ光線の照射は、例えば、強度0.1〜5mJ/pulse、照射直径10μm以上50μm以下のシングルパルスでシリコン基板に照射をすることができる。このことにより、シリコン基板に塗布膜3に含まれる不純物を拡散させることができ、シリコン基板1に不純物拡散部5を形成することができる。
不純物拡散部5は、図2(c)のように最大径a10μm以上50μm以下の領域に形成することができる。このことにより、後述のウェットエッチングにより表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することが可能な不純物拡散部5を形成することができる。不純物拡散部5を最大径a10μm以上50μm以下の領域に形成する方法は、例えば、照射直径10μm以上50μm以下のレーザ光線をシリコン基板1にスポット照射することにより形成することができる。
不純物拡散部5が形成される深さbは、特に限定されないが、例えば、シリコン基板1の厚さの5%以上20%以下とすることができる。具体的には、シリコン基板1の厚さが180μmの場合、不純物拡散部5の深さは、9μm以上36μm以下とすることができる。このことにより、シリコン基板1の強度を保ったまま、シリコン基板1の表面に表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することが可能となる。不純物拡散部5の深さは、シリコン基板1に照射するレーザ光線の強度や照射時間を調節することにより上記の範囲とすることができる。
不純物拡散部5の不純物濃度は、エッチング液によるエッチング速度が不純物を拡散させていない部分より速くなるような濃度であれば、特に限定されないが、例えば、1015/cm3以上1021/cm3以下とすることができる。シリコン基板1に、拡散させる不純物と同一元素の不純物を含むものを用いた場合、不純物拡散部5の不純物濃度は、不純物を拡散させていない部分の不純物濃度に比べ、10倍以上107倍以下高いことが好ましい。このことにより、不純物拡散部5のエッチング液によるエッチング速度を、不純物を拡散させていない部分のエッチング液によるエッチング速度に比べ、十分に速くすることができる。
図2(c)のように隣接する2つのレーザ光線を照射する領域の中心は、10μm以上100μm以下の間隔を有することができる。このことにより、不純物拡散部5を複数形成することができ、後述のウェットエッチングにより表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することが可能な不純物拡散部5を形成することができる。また、前記2つの領域の重複領域の面積は、前記2つの領域のそれぞれの面積の合計の0%以上20%以下とすることができる。
不純物拡散部5をシリコン基板1の塗布膜3を形成した側の面の全面に形成することができる。このことにより、後述のウェットエッチングにより凹凸構造をシリコン基板の片面全体に形成することができる。さらに、この面を太陽電池の入射面とすることにより、表面反射が低減され、入射する光を多く吸収する太陽電池とすることができる。
不純物拡散部5を複数形成した場合、不純物拡散部5を形成するときのレーザの強度や照射領域、隣接する2つの照射領域の中心の間隔は、不均一であってもよい。不均一であったとしても、表面反射率を十分に低減することができる凹凸構造を形成することは可能であるからである。また、複数の不純物拡散部5は、それぞれ上記の不純物拡散部の形成範囲、深さの範囲、濃度の範囲に入るように形成されてもよく、各隣接する2つの不純物拡散部5の中心は、10μm以上100μm以下の間隔で形成されてもよい。また、隣接する2つの不純物拡散部5は、それらの一部が重複して形成されてもよい。これらのことにより、工程の管理を容易にすることができる。
なお、不純物拡散部5は、不純物薬液塗布装置、レーザ照射装置を用いて形成することができ、これらの装置は、クリーンルーム環境やガス、排水、排気設備を一切必要とせず、極端な汚染の無い作業環境でさえあればよいため、設備維持コストは安価で済む。
3.ウェットエッチング
不純物が拡散され不純物拡散部5が形成されたシリコン基板1は、エッチング液によりウェットエッチングされる。シリコン基板1をウェットエッチングする方法は、特に限定されないが、例えば、シリコン基板1をエッチング液に浸漬することにより行うことができる。このことにより、不純物拡散部5のエッチング液によるエッチング速度が不純物を拡散させていない部分のエッチング液によるエッチング速度より速いことを利用して図1および図2(d)のようにシリコン基板の表面に凹凸構造を形成することができる。
なお、不純物を含むシリコン基板のエッチング液を用いてウェットエッチングした場合、シリコン基板に含まれる不純物の濃度が高い部分ほどエッチング速度が速くなる。従って、シリコン基板1に不純物拡散部5を上記の範囲に形成し、ウェットエッチングを行うことにより、表面反射率を十分に低減できる凹凸構造をシリコン基板1の表面に形成することができる。
エッチング液は、シリコン基板1をエッチングすることができるものであれば、特に限定されないが、例えば、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液とすることができる。また、エッチング液は、シリコン基板1に含まれる不純物の濃度に応じてシリコン基板1のエッチング速度が異なるものを使用することができる。
エッチング液を酸性水溶液とした場合、シリコン基板に存在する結晶方位に影響されることなく凹凸構造を形成することができる。
また、エッチング液をアルカリ性水溶液とした場合、不純物拡散部5を形成することにより形成される凹凸構造に加え、シリコン基板に存在する結晶方位に基づく凹凸構造も形成される。
エッチング液は、例えば、硝酸、硫酸、過酸化水素水などの酸化力を持つ酸と、フッ酸などのシリコン酸化膜をエッチングする酸との混合水溶液(混酸)を用いることができる。この混合水溶液によりシリコン基板をウェットエッチングすることができる。また、このエッチング液に酢酸などのエッチング速度を抑制する物質が添加されていてもよい。
ここで用いる混酸の濃度は、水溶液中の酸の濃度が5〜50%で用いることができる。フッ酸と硝酸の混酸を用いた場合、フッ酸と硝酸の混合比は、一般的な50%濃度のフッ酸と60%の硝酸を用いた場合、水溶液の重量比で、フッ酸:硝酸=10:1〜1:10とすることができる。ただし、酸による化学エッチングが進行する条件であればこの限りではない。
エッチング液である混酸の温度は、0〜30℃の範囲内とすることができる。このことにより、混酸にフッ酸が含まれる場合、常温常圧で気体であるフッ化水素が水に溶解したフッ酸を安定してウェットエッチングに用いることができる。
混酸によるウェットエッチングに要する時間は、混酸の濃度、温度、組成及びシリコン基板1の厚さと所望のエッチング後の厚さによって決められるが、0.5〜30分程度である。ここで、シリコン基板1のエッチング量は、片面で、ウェハ面内平均5〜20μm程度となるエッチング量が最適である。
太陽電池
シリコン基板1にpn接合を有するものを用い、上記の表面処理方法により、受光面に凹凸構造を形成し、受光面側にpn接合を形成した後に受光面と裏面にそれぞれ電極を形成することにより、太陽電池を製造することができる。太陽電池の表面反射率が低減されるほど、短絡電流が大きい太陽電池を製造することができる。
本発明による太陽電池の受光面に形成する凹凸構造は、低コストで形成することができ、かつ、大きな反射率低減効果を有するため、太陽電池の出力ワットあたりの単価を下げることができる。よって、低コストで従来品よりも高性能な太陽電池を作製することが可能となる。
効果実証実験
156mm×156mmのp型多結晶シリコン基板の一方の面の全面に上述の表面処理方法により凹凸構造を形成し、反射率の測定を行った。この結果を図3に示す。
まず、(1)シリコン基板の表面に五酸化リンとエタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒からなる混合液(五酸化リンの濃度:2〜8%程度)をスピンコーターにより塗布し、乾燥させることにより塗布膜を形成し、(2)塗布膜の上からシリコン基板に、Nd:YAGレーザを用いて凹凸構造が得られるように複数の領域にレーザ光線の照射を行い、不純物拡散部をシリコン基板に形成した。Nd:YAGレーザは、強度3W、照射径25μmのシングルパルスで、照射間隔40μmで照射した。
その後、不純物拡散部が形成されたシリコン基板をフッ酸と硝酸の混合水溶液(混合比1:2)に3分浸漬させ、シリコン基板をウェットエッチングし、シリコン基板の表面に凹凸構造を形成した。そして、シリコン基板の凹凸構造を形成した面の反射率の測定を行った。この測定結果を図3の曲線(A)に示している。
また、比較のために、塗布膜を形成していないp型多結晶シリコン基板の表面の複数箇所に上述と同様の条件でレーザ光線の照射を行い、フッ酸と硝酸の混合水溶液によるウェットエッチングにより凹凸構造を形成したシリコン基板を作成し、反射率の測定を行った。この測定結果を図3の曲線(B)に示している。
なお、このシリコン基板に形成される凹凸構造は、レーザ光線の照射により形成される凹凸構造(レーザテクスチャ)によるものである。
さらに、比較のために、塗布膜の形成も、レーザ光線の照射も行っていないp型多結晶シリコン基板についてフッ酸と硝酸の混合水溶液によるウェットエッチングを行ったシリコン基板を作成し、反射率の測定を行った。この測定結果を図3の曲線(C)に示している。
図3を見ると、360nmから740nmの波長範囲において、不純物拡散部を形成しウェットエッチングを行うことにより凹凸構造を形成したシリコン基板が低い反射率を示すことがわかった。また、この反射率が低減されたシリコン基板を用いて太陽電池を作成することにより短絡電流値を0.5〜1%程度向上させることが可能となると考えられる。
1: シリコン基板 3:塗布膜 5:不純物拡散部

Claims (9)

  1. シリコン基板の複数の部分に不純物を拡散させた後、前記シリコン基板をエッチング液によりウェットエッチングする工程を備え、
    前記複数の部分の前記エッチング液によるエッチング速度が前記不純物を拡散させていない部分の前記エッチング液によるエッチング速度より速いことを利用して前記シリコン基板の表面に凹凸構造を形成することを特徴とするシリコン基板の表面処理方法。
  2. 前記不純物を拡散させる工程は、前記シリコン基板に前記不純物を含む液体を塗布した後、形成された塗布膜の上からレーザ光線を前記シリコン基板の複数の領域に照射する工程からなる請求項1に記載の方法。
  3. 前記レーザ光線を照射する領域は、10μm以上50μm以下の最大径を有する請求項2に記載の方法。
  4. 隣接する2つの前記レーザ光線を照射する領域の中心は、10μm以上100μm以下の間隔を有する請求項3に記載の方法。
  5. 前記シリコン基板をウェットエッチングする工程は、前記シリコン基板を前記エッチング液に浸漬させる工程からなる請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 前記エッチング液は、酸性水溶液である請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 前記エッチング液は、アルカリ性水溶液である請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
  8. 前記シリコン基板は、多結晶シリコンからなる請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つの方法により表面処理されたシリコン基板を備える太陽電池。
JP2010123149A 2010-05-28 2010-05-28 シリコン基板の表面処理方法および太陽電池 Withdrawn JP2011249671A (ja)

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