JP2013186358A - 波長合分波素子およびそれを用いた光学装置 - Google Patents

波長合分波素子およびそれを用いた光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スペクトル平坦性および低クロストークに優れた合分波特性を有し、かつ、小型化にも適した波長合分波素子を提供する。
【解決手段】波長合分波素子1は、一方のアーム導波路にリング共振器を備え、かつ、他方のアーム導波路が遅延導波路となる遅延干渉計20が多段にカスケード接続されており、該各遅延干渉計におけるアーム導波路間の光路長差およびリング共振器の周回長が、合分波する光信号のチャネル間隔に応じて、多段カスケード接続のステージ毎に異なる値に設定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、光通信や光インターコネクトなどに利用される波長合分波素子およびそれを用いた光学装置に関する。
近年、大容量インターコネクトに向けた有望な技術として、シリコン(Si)フォトニクスが注目を集めている。Siフォトニクス技術の主な利点は、断面積が数百nm角であるため、高密度集積が可能になることや、Siチップ内での波長多重(WDM:wavelength division multiplexing)により、光配線1本当りの伝送容量向上が期待できること等が挙げられる。Siチップ内でWDM光を送受信するためには、光源、光変調素子および波長合分波素子等のコンポーネントが必要となる。
上記波長合分波素子は、WDM光を必要に応じて合波および分波する光デバイスである。Siチップ内でのWDM光の送受信を行う場合に波長合分波素子に求められる特性としては、合分波スペクトルの平坦性、低チャネル間偏差および低チャネル間クロストーク等が挙げられる。これらの条件を満たす候補技術として、遅延マッハ・ツェンダ干渉計(DMZI:delayed Mach-Zehnder interferometer)を多段にカスケード接続した波長合分波素子が活発に研究開発されている。
従来の波長合分波素子の一例としては、図1に示すようなDMZI型1×8Ch波長合分波素子が公知である(例えば、非特許文献1参照)。この波長合分波素子は、図1(A)の概略図にあるように、3段ステージのDMZIで構成されており、一部のDMZIは内部に±π/2または±π/4の位相制御領域を備えている。また、各DMZIの遅延導波路長は400GHzのチャネル間隔を満たすように調整されている。このような波長合分波素子では、図1(B)の合分波スペクトルに示すように、良好な合分波特性が得られるものの、各チャネルCh−1〜Ch−8に対応した透過帯域のスペクトル形状がガウス関数(Gaussian function)的に定まるため、透過率が最も高くなるピーク部分が丸みを帯びて平坦化していないことや、クロストークが理論的に−13dB程度に限定されてしまうことが問題である。
上記問題に対処可能な従来技術の一つとして、図2に示すような干渉計のアーキテクチャーの異なるDMZI型1×8Ch波長合分波素子が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。この波長合分波素子は、図2(A)の概略図にあるように、3段ステージのDMZIのうちの第1および第2ステージについて、光路長差の異なる複数のDMZIをカスケード接続したものをそれぞれ適用すると共に、各DMZIにおける光結合率および位相シフト量を適正化している。これにより、図2(B)の合分波スペクトルに示すように、各チャネルに対応した透過帯域として、高透過率部分で平坦なスペクトル形状が得られており、合分波特性のスペクトル平坦性を実現できると同時に、クロストークも理論上は−18dB程度まで改善できる。
また、上記のような従来の波長合分波素子に関連する技術として、図3(A)の概略図に示すような1段の遅延干渉計について一方のアーム導波路にリング共振器を位置させた光回路素子がある(例えば、特許文献1参照)。この光回路素子では、複数の波長λ〜λを含むWDM光が遅延干渉計の一方の入力ポートに与えられると、一方の出力ポートP1から各波長λ,λ,λの光信号が出力され、他方の出力ポートP2から各波長λ,λ,λの光信号が出力される。図3(B)は各出力ポートP1,P2に対応した透過スペクトルを示しており、光回路素子は、入力されるWDM光を2つの出力ポートへ1チャネルおきに振り分けて出力するインターリーバとして機能する。
特開2000−298222号公報
Dae Woong Kim et al., "Silicon-on-insulator eight-channel optical multiplexer based on a cascade of asymmetric Mach-Zehnder interferometers", OSA Optics Letters vol.33 no.5, pp.530-532, 2008年3月1日 Folkert Horst, "Silicon Integrated Waveguide Devices for Filtering and Wavelength Demultiplexing", Optical Fiber Communication (OFC), collocated National Fiber Optic Engineers Conference, 2010 Conference on (OFC/NFOEC), OWJ3, 2010年3月21-25日
しかし、上記図2に示したような従来技術による波長合分波素子については、素子全体でのDMZIの数が上記図1に示した場合よりも必然的に増加するので、素子サイズが増大してしまうという課題がある。また、個々のDMZIは一対のアーム導波路の前後に光カプラを有しており、該光カプラは光結合率(光分岐比)の調整が必要である。このため、素子全体でのDMZI数の増加により、上記光カプラにおける光結合率の調整箇所が非常に多くなってしまうという課題もある。
また、上記図3に示した光回路素子(インターリーバ)に関しては、当該構成のみにより、波長合分波素子としての機能、すなわち、波長の異なる複数の光信号を合波してWDM光を生成すると共に、WDM光を分波して各波長の光信号を生成する機能を実現できない。また、上記光回路素子を一つの単位構成として、これを単にカスケード接続したとしても、所望の合分波スペクトルを得ることは困難である。つまり、リング共振器を備えた遅延干渉計を応用して、スペクトル平坦性および低クロストークに優れた波長合分波素子を実現しようとした場合、合分波する光信号の波長やチャネル間隔等に対応させて、各ステージの遅延干渉計の相対的な設計条件をどのようにして最適化するかが重要な課題となる。
本発明は上記のような従来技術の課題に着目してなされたもので、スペクトル平坦性および低クロストークに優れた合分波特性を有し、かつ、小型化にも適した波長合分波素子それを用いた光学装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の一態様は、多段にカスケード接続された複数の遅延干渉計を備え、波長の異なる複数の光信号を前記複数の遅延干渉計により合波してWDM光を生成すると共に、WDM光を前記複数の遅延干渉計により分波して波長の異なる複数の光信号を生成する波長合分波素子を提供する。この波長合分波素子において、前記複数の遅延干渉計は、それぞれ、前記複数の光信号が入出力される一対の光カプラと、該各光カプラの間を接続する第一のアーム導波路および第二のアーム導波路と、前記第一のアーム導波路の近傍に配置されたループ導波路とを含み、前記第一のアーム導波路が、前記ループ導波路との組み合わせによりリング共振器を構成し、前記第二のアーム導波路が、前記第一のアーム導波路に対して遅延導波路となり、前記各遅延干渉計における前記第一および第二のアーム導波路間の光路長差、並びに、前記各遅延干渉計内にある前記リング共振器の周回長が、前記複数の光信号の波長およびチャネル間隔に応じて、多段カスケード接続のステージ毎に異なる値に設定される。
上記波長合分波素子によれば、一方のアーム導波路にリング共振器を備えた遅延干渉計を多段カスケード接続し、各遅延干渉計における光路長差とリング共振器の周回長をステージ毎に異なる値としたことで、良好なスペクトル平坦性および低クロストークを有する波長合分波特性を実現できると同時に、遅延干渉計の総数を最小限に抑えて素子全体の小型化を図ることが可能である。
従来の波長合分波素子の一例を示す図である。 従来の波長合分波素子の他の例を示す図である。 上記従来の波長合分波素子に関連した光回路素子を示す図である。 本発明による波長合分波素子の一実施形態の構成を示す平面図である。 上記実施形態における第一ステージの遅延干渉計の具体例を示す図である。 上記実施形態における導波路の製造方法の一例を説明するための図である。 図6に関連した他の製造方法を説明するための図である。 上記実施形態におけるリング共振器の光結合率に対する合分波スペクトル特性を示す図である。 方向性結合器の結合特性を説明するための図である。 MMIカプラの概略構成を示す図である。 上記実施形態において全ての条件を満足したときの合分波特性の一例を示す図である。 上記実施形態においてリング共振器の非共振条件が満たされない場合の合分波特性の劣化を説明するための図である。 上記実施形態における波長合分波特性のスペクトル平坦性および低クロストークを定量的に説明するための図である。 上記実施形態の構成を応用した光送信装置の概略構成を示す平面図である。 上記実施形態の構成を応用した光受信装置の概略構成を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図4は、本発明による波長合分波素子の一実施形態の構成を示す平面図である。
図4において、本実施形態の波長合分波素子1は、基板10上で多段にカスケード接続された複数の遅延干渉計20を備える。ここでは、例えば7個の遅延干渉計20が3段にカスケード接続されている。具体的に、図中で左側に位置する第一ステージの遅延干渉計20には、中央に位置する第二ステージの2つの遅延干渉計202A,202Bが接続される。また、第二ステージの遅延干渉計202Aには、図中で右側に位置する第三ステージの4つの遅延干渉計203A,203B,203C,203Dうちの遅延干渉計203A,203Bが接続され、第二ステージの遅延干渉計202Bには、第三ステージの残りの遅延干渉計203C,203Dが接続される。
図5は、第一ステージの遅延干渉計20の具体的な一例を示す図であり、(A)が遅延干渉計20の概略構成を拡大して示した平面図、(B)が透過スペクトル特性である。図5(A)において、第一ステージの遅延干渉計20は、一対の光カプラ21,22と、該各光カプラ21,22の間を接続する第一のアーム導波路23および第二のアーム導波路24と、第一のアーム導波路23の近傍に配置されたループ導波路25とを有する。各光カプラ21,22は、50%の光結合率を有する。第一のアーム導波路23は、ループ導波路25との組み合わせによりオールパス型リング共振器を構成する。第二のアーム導波路24は、第一のアーム導波路23に対して遅延導波路となっている。つまり、遅延干渉計20は、一方のアーム導波路にリング共振器を備えた遅延マッハ・ツェンダ干渉計(DMZI)の構造を持つ。
上記リング共振器は、その周回長(ループ導波路25の一周の長さ)LM1がDMZIにおける光路長差LD1(各アーム導波路23,24の光路長の差分)に応じて設定される。このリング共振器の周回長LM1の設定は、DMZIの透過スペクトル特性に対して、リング共振器の透過スペクトル特性が非共振条件を満たすように行われる。すなわち、図5(B)に示すリング共振器の透過スペクトル特性(波線)における非共振波長(一点鎖線)が、DMZIの透過スペクトル特性(実線)における各透過帯の中心波長に位置するように、DMZIにおける光路長差LD1に応じてリング共振器の周回長LM1が設定される。また、リング共振器は、アーム導波路23およびループ導波路25の間の光結合率が80%以上となるように設定されている。なお、リング共振器の周回長LM1および光結合率の設定については、後で詳しく説明する。
第二ステージの各遅延干渉計202A,202Bおよび第三ステージの各遅延干渉計203A〜203Dについても、上記図5に示した第一ステージの遅延干渉計20と同様にして、一方のアーム導波路にリング共振器を備えたDMZIの構造をそれぞれ持つ。以下の説明では、第二ステージの各遅延干渉計202A,202Bにおける、光路長差およびリング共振器の周回長をLD2およびLM2とすると共に、第三ステージの各遅延干渉計203A〜203Dにおける、光路長差およびリング共振器の周回長をLD3およびLM3とする(図4参照)。各ステージの遅延干渉計における光路長差LD1〜LD3は、波長合分波素子1により合分波する光信号のチャネル間隔に対応させて設定される。
また、上記図4に示したように、第二ステージの遅延干渉計202Bおよび第三ステージの遅延干渉計203Bについては、リング共振器を備えた一方のアーム導波路上に、−π/2の位相シフト量を有する位相シフタ26がそれぞれ設けられている。同様にして、第三ステージの遅延干渉計203Cには、+π/4の位相シフト量を有する位相シフタ26が設けられ、第三ステージの遅延干渉計203Dには、−π/4の位相シフト量を有する位相シフタ26が設けられている。
ここで、上記のような波長合分波素子1における導波路の製造方法の一例について図6を参照しながら説明する。図6の例では、まず、Si基板101上のSiO(BOX)層102およびSiコア層103(例えば、膜厚Hが0.25μm)を有するSOIウェハを用い、光露光プロセスによって光合分岐器素子1の該当領域における導波路ストライプ構造をパターニングする。光半導体導波路パターンは光露光装置のフォトマスクにて規定される。この場合、光露光の代わりに、電子ビーム露光を用いても構わない。
そして、描画されたパターンを例えば反応性イオンエッチングなどの方法でドライエッチングを行い、スラブ高0.05μm程度を有するリブ導波路構造(例えば、導波路幅Wが0.48μm)を形成する。その後、導波路ストライプパターンの上部を、蒸着装置などを用い、SiO膜104で被覆すると、本実施形態の波長合分波素子1が完成する。
なお、上記図6ではリブ導波路構造の一例を示したが、本発明における導波路構造はこれに限らず、例えば図7に示すようなチャネル構造であっても差し支えない。この場合、上記リブ導波路構造の製造工程においてスラブ厚を残さずにエッチングを行うことで、チャネル導波路構造を形成することができる。
上記図4に示したような構成の波長合分波素子1では、一定のチャネル間隔で波長配置された複数の光信号を含むWDM光が第一ステージの遅延干渉計20に与えられると、該WDM光が第一乃至第三ステージの各遅延干渉計を伝搬することで波長に応じて分波され、該各波長の光信号が第三ステージの対応する遅延干渉計203A〜203Dからそれぞれ出力される。ここでは、第三ステージの遅延干渉計203Aから出力される各光信号をチャネルCh−1,Ch−2とし、遅延干渉計203Bから出力される各光信号をチャネルCh−3,Ch−4とし、遅延干渉計203Cから出力される各光信号をチャネルCh−5,Ch−6とし、遅延干渉計203Dから出力される各光信号をチャネルCh−7,Ch−8とする。また、上記WDM光の分波とは逆に、各チャネルCh−1〜Ch−8に該当する光信号が第三ステージの対応する遅延干渉計203A〜203Dに与えられると、該各光信号が第三乃至第一ステージの各遅延干渉計を伝搬することで1つに合波されて、第一ステージの遅延干渉計20からWDM光が出力される。
ここで、第一乃至第三ステージの各遅延干渉計の具体的な設定について詳しく説明する。
本実施形態の波長合分波素子1では、前述したようにDMZIの構造を持つ各遅延干渉計の透過スペクトル特性に対して、該各遅延干渉計内にあるリング共振器の透過スペクトル特性が非共振条件を満たすことが求められる。第一ステージの遅延干渉計20について非共振条件を考えると、遅延干渉計20における光路長差LD1に対して、リング共振器の周回長LM1は2×LD1若しくはその近傍となる。
具体的な一例として、波長が1.55μm近傍でチャネル間隔が400GHzの各光信号を波長合分波素子1で合分波する場合を想定すると、第一ステージの遅延干渉計20における光路長差LD1は約90μmとなる。なお、この光路長差LD1の値は、前述の図6および図7に示したSi細線導波路の分散特性を考慮して得られた結果である。この場合の第一ステージの遅延干渉計20内にあるリング共振器の周回長LM1は約180μmとなる。
第二ステージ以降については、ステージを重ねる度に、遅延干渉計の数が2S−1(但し、Sはステージの数とする)の割合で増加することになる。すなわち、第二ステージにおける遅延干渉計の数は22−1=2となり、第三ステージにおける遅延干渉計の数は23−1=4となる。波長合分波素子を構成する遅延干渉計の総数は2−1であり、本実施形態ではS=3であるので遅延干渉計の総数は7となる。
第一ステージの遅延干渉計20にカスケード接続される第二ステージ以降の遅延干渉計における光路長差は、2(1−S)×LD1の関係式に従って変化するよう設定すればよい。すなわち、第二ステージの各遅延干渉計202A,202Bにおける光路長差LD2は、LD2=2(1−2)×LD1=0.5×LD1に設定し、第三ステージの各遅延干渉計203A〜203Dにおける光路長差LD3は、LD3=2(1−3)×LD1=0.25×LD1に設定可能である。前述した具体例の想定(波長が1.55μm近傍でチャネル間隔が400GHzの各光信号の合分波)では、第二ステージについての光路長差LD2は約45μm、第三ステージについての光路長差LD3は約22.5μmとなる。
また、第二ステージ以降の遅延干渉計内にあるリング共振器の周回長は、2(2−S)×LD1の関係式に従って変化するよう設定すればよい。すなわち、第二ステージについてのリング共振器の周回長LM2は、2(2−2)×LD1=LD1に設定し、第三ステージについてのリング共振器の周回長LM3は、2(2−3)×LD1=0.5×LD1に設定が可能である。前述した具体例の想定では、第二ステージについてのリング共振器の周回長LM2は約90μm、第三ステージについてのリング共振器の周回長LM3は約45μmとなる。
次に、第二ステージ以降の各遅延干渉計内にあるリング共振器がそれぞれの遅延干渉計に対して非共振条件を満足するためには、第一ステージの遅延干渉計内にあるリング共振器の中心波長(λ1st=λ)に対して、第二ステージの遅延干渉計内にあるリング共振器の中心波長をそれぞれλ+0.5×Δνおよびλ−0.5×Δνに設定すればよい。但し、Δνは、合分波する光信号のチャネル間隔とする。第三ステージ以降の遅延干渉計内にあるリング共振器の中心波長については、ステージを重ねる度に、前段ステージの遅延干渉計における中心波長を中心にして、それぞれの隣り合う遅延干渉計における中心波長の差分を2(S−2)×Δνの関係式に従って変化させればよい。
以下に示す(1)〜(7)式は、第一乃至第三ステージの各遅延干渉計内にあるリング共振器の中心波長を具体的に求めたものである。
第一ステージ:λ1st=λ …(1)
第二ステージ:λ2nd−A=λ+0.5×Δν …(2)
λ2nd−B=λ−0.5×Δν …(3)
第三ステージ:λ3rd−A=λ+1.5×Δν …(4)
λ3rd−B=λ−0.5×Δν …(5)
λ3rd−C=λ−1.5×Δν …(6)
λ3rd−D=λ+0.5×Δν …(7)
ここで、λ2nd−Aおよびλ2nd−Bは、第二ステージの各遅延干渉計202A,202B内にあるリング共振器の中心波長である。また、λ3rd−A、λ3rd−B、λ3rd−Cおよびλ3rd−Dは、第三ステージの各遅延干渉計203A,203B,203Cおよび203D内にあるリング共振器の中心波長である。
具体的な一例として、チャネル間隔Δνが400GHzの場合を想定すると、第二ステージについての各リング共振器の中心波長は、上記(2)式および(3)式に従って、λ2nd−A=λ+200GHzおよびλ2nd−B=λ−200GHzに設定可能である。また、第三ステージについての各リング共振器の中心波長は、上記(4)式〜(7)式に従って、λ3rd−A=λ+600GHz、λ3rd−B=λ−200GHz、λ3rd−C=λ−600GHzおよびλ3rd−D=λ+200GHzに設定可能である。このように第三ステージにおいて隣り合う遅延干渉計におけるリング共振器間の中心波長の差分はいずれの場合も2×Δν(800GHz)となっており、また、第二ステージのλ2nd−Aおよびλ2nd−Bに対しても、均等な配置(400GHz等間隔)となっている。つまり、各遅延干渉計内にあるリング共振器の中心波長は、当該遅延干渉計の中心波長に対して、リング共振周波数間隔の略半分ずれている。したがって、3段ステージの全ての遅延干渉計内にあるリング共振器は非共振条件を満足する。
なお、各遅延干渉計にて用いるリング共振器の中心波長は以下の方法により調整することができる。通常、リング共振器の中心波長λは、次の(8)式のように定まる。
λ=(NWG×LMRR)/m …(8)
ここで、NWGはループ導波路の実効屈折率、LMRRはリング領域の周回長、mはリング共振器の回折次数である。つまり、リング領域にて、NWG或いはLMRRを調整することにより、中心波長を制御することができる。
また、第一乃至第三ステージの各遅延干渉計内にあるリング共振器については、前述したように各々の光結合率が80%以上になるように調整する必要がある。これについて詳しく説明すると、スペクトル平坦性および低クロストークに優れた合分波特性を得るためには、遅延干渉計の内部の湾曲した長いアーム導波路24およびリング共振器を備えた短いアーム導波路23について、透過帯域内における位相変化のスロープを等しくすることが重要になる。但し、長いアーム導波路24の場合とは異なり、リング共振器を備えた短いアーム導波路23の場合、位相変化のスロープが一定でなく、リング共振現象により、周期的に位相変化のスロープが変化する傾向となる。通常、リング共振器の光結合率を80%以上に設定すると、透過帯域内において、短いアーム導波路23の位相変化のスロープが、長いアーム導波路24の位相変化のスロープとマッチングする傾向となるため、良好な合分波特性が期待できる。これに対して、リング共振器の光結合率が80%を下回って低下するにつれ、上記位相変化のスロープがマッチングしなくなり、その結果、クロストークが増大し、合分波特性が大幅に劣化してしまう。
図8は、遅延干渉計内にあるリング共振器の光結合率に対する合分波スペクトル特性を1つのチャネルについてプロットしたもので、(A)は光結合率が85%の場合、(B)は光結合率が35%の場合を示している。図8(A)および(B)に示す各特性を比較することにより、リング共振器の光結合率が低下すると、クロストークが顕著に増大し、合分波スペクトル特性が大幅に劣化することが分かる。
ここで、リング共振器の光結合率を80%以上に増大可能な構成例について説明する。リング共振器の光結合率は、上記図5に示した遅延干渉計の構成において、アーム導波路23およびループ導波路25の近接部分で構成される光カプラの結合特性で決まる。この光カプラの構成例としては、方向性結合器や多モード干渉(MMI:multimode interference)型カプラが挙げられる。
図9は、前述の図7に示したSi細線チャネル導波路構造を有する方向性結合器の結合特性の一例を示したものである。図9に示すように、一対の導波路が近接する結合領域における導波路の間隔GAPDCが減少するほど、短い結合長で高い光結合率が得られることが分かる。図9の例では、導波路の間隔GAPDCを0.1μmとした場合(下段のグラフにおける実線)、13μm程度の結合長で85%以上の光結合率を得ることができる。
一方、MMIカプラの場合、上記方向性結合器とは動作原理が異なり、ポート間の光結合率を自由に調整することは困難である。但し、MMIカプラの形状を所定のものに設定することで、例えば72%および85%といった離散的な光結合率を得ることは可能である。図10は、85%の光結合率が得られるMMIカプラの概略図である。図10において、例えば、入出力導波路の幅WIOを0.5μmに設定した場合、MMI領域の幅WMMIは2.0μmとなる。また、MMI領域の長さLMMIは、MMI領域の屈折率をNMMI、光波長をλとして、次の(9)式に示す関係に従う。
MMI=(NMMI×WMMI )/λ …(9)
次に、各ステージの遅延干渉計における相対的な位相差の条件について詳しく説明する。
本実施形態の波長合分波素子1において、WDM光が波長ごとに振り分けられる機能性は、遅延干渉計による光干渉作用に基づくものである。つまり、多段にカスケード接続された各遅延干渉計における、前述した各ステージの光路長差LD1〜LD3の関係、および(1)式〜(7)式に示したリング共振器の中心波長の関係λ1st〜λ3rd−Dの関係に加えて、各遅延干渉計間の相対的な位相差が所定の関係を満足することが求められる。
具体的に、第一乃至第三ステージの各遅延干渉計における遅延領域は、次の(10)式〜(16)式に示すような位相変化量(単位;ラジアン)を有する必要がある。
第一ステージ:φ1st=0 …(10)
第二ステージ:φ2nd−A=0 …(11)
φ2nd−B=+0.5×π …(12)
第三ステージ:φ3rd−A=0 …(13)
φ3rd−B=+0.5×π …(14)
φ3rd−C=−0.25×π …(15)
φ3rd−D=+0.25×π …(16)
ここで、φ1stは、第一ステージの遅延干渉計20における遅延領域の適正な位相変化量である。φ2nd−Aおよびφ2nd−Bは、第二ステージの各遅延干渉計202A,202Bにおける遅延領域の適正な位相変化量である。φ3rd−A、φ3rd−B、φ3rd−Cおよびφ3rd−Dは、第三ステージの各遅延干渉計203A,203B,203Cおよび203Dにおける遅延領域の適正な位相変化量である。
図11は、上述した全ての条件を満足する波長合分波素子1における合分波特性の一例を示した図である。ここでは、合分波する光信号のチャネル間隔を400GHzに設定している。図11に示すように、上述の図2(B)に示した従来の波長合分波素子の場合と比べて、良好なスペクトル平坦性および低クロストークを有する波長合分波特性が得られている。本実施形態の波長合分波素子1は、図2(A)に示した従来構成よりも遅延干渉計の数を減らすことができ、素子全体の小型化にも適している。
なお、本実施形態の波長合分波素子1では、上述した条件のうちのいずれか1つが満たされなくなると合分波特性の劣化が生じる。例えば、各遅延干渉計内にあるリング共振器の非共振条件について考えると、全ての遅延干渉計で非共振条件が満たされた場合に得られる合分波特性は、図12(A)に示すようなスペクトルとなる。但し、図12では、合分波特性の変化を分かり易くするために、8チャネルのうちの4チャネルに対応した合分波スペクトルのみをプロットしている。一方、第一ステージの遅延干渉計でのみ非共振条件が満たされ、他の遅延干渉計では非共振条件が満たされていない場合に得られる合分波特性は、図12(B)に示すようなスペクトルとなり合分波特性が劣化する。但し、上述した条件のうちで、例えばリング共振器の光結合率が80%以上の条件を満たしていなくても、図1に示した従来の場合に比べれば波長合分波特性の改善が可能になる場合もある。この場合、図2に示した従来技術のような素子サイズの大型化および調整箇所の増加を回避しつつ、波長合分波特性の改善を図ることが可能である。
ここで、前述した波長合分波特性のスペクトル平坦性および低クロストークについて定量的な説明を加えておく。ここでは、スペクトル平坦性に関し、その性能指数として、ある1つのチャネルの透過帯域における透過率が−10dBのときの帯域幅に対する、透過率が−1dBのときの帯域幅の比(以下、「シェイプファクタ」と呼ぶ)を定義し、該シェイプファクタを用いて平坦性の度合いを評価することにする。
図13は、波長合分波素子における1つのチャネル(ここではCh−2)に対応した透過帯域のスペクトル特性を例示しており、(A)が本実施形態の波長合分波素子1の場合、(B)が図2に示した従来の波長合分波素子の場合、(C)が図1に示した従来の波長合分波素子の場合にそれぞれ該当する。図13の例において、シェイプファクタは、(A)0.73、(b)0.64および(c)0.33と見積ることができる。また、クロストーク成分のレベルXTは、それぞれ最大で(a)−32dB、(b)−18dBおよび(c)−13dBと見積ることができる。このように本実施形態の波長合分波素子1は、スペクトル平坦性および低クロストークの双方の観点で最も優れていることが分かる。
なお、上述した実施形態では、7個の遅延干渉計を3段にカスケード接続することにより8チャネルの光信号に対応した波長合分波素子の一例について説明したが、本発明における遅延干渉計のカスケード接続の段数は3段に限られるものではなく、合分波の対象となる光信号の最大チャネル数に応じて適宜にカスケード接続の段数を設定することができる。また、波長合分波素子が対応するチャネル間隔の具体例として400GHzの場合を説明したが、400GHz以外の任意のチャネル間隔についても、上述した実施形態の場合と同様にして波長合分波素子の各パラメータを適正化することにより対応可能である。
次に、上述した実施形態の構成を応用した各種光学装置について説明する。
図14は、波長合分波素子1の構成を応用した光送信装置の概略構成を示す平面図である。図14に示す光送信装置300は、例えば、互いに異なる波長λ〜λの光を発生する光源部310と、該光源部310からの各波長λ〜λの光を変調する光変調部320と、該光変調部320で変調された各光信号を合波する波長合波部330とを備える。
光源部310は、例えば、4つのレーザ311〜311および4つのSi導波路型フィルタ312〜312を有する。各レーザ311〜311は、ここでは利得媒質として半導体光増幅器(SOA:semiconductor optical amplifier)を用い、該SOAで増幅された光を対応するSi導波路型フィルタ312〜312に与えて発振波長を選択する。各Si導波路型フィルタ312〜312は、共通基板301上に形成されたリング共振器およびブラッグ反射鏡を有している。共通基板301は、上述の図4に示した波長合分波素子1における基板10と同様なSi細線導波路構造(図7または図8参照)を持つものである。各Si導波路型フィルタ312〜312では、リング共振器およびブラッグ反射鏡の各パラメータを制御することにより、レーザ光の発振波長が選択される。ここでは、Si導波路型フィルタ312〜312で互いに異なる発振波長λ〜λが選択され、該各波長λ〜λの発振光がレーザ共振構造の内部に位置する光カプラを介して光変調部320に出力される。
光変調部320は、例えば、共通基板301上に形成された4つのオールパスリング共振器型変調器321〜321を有する。この光変調部320では、光源部310から出力される各波長λ〜λのレーザ光が対応する上記変調器321〜321でそれぞれ変調され、該各変調光が波長合波部330に出力される。
波長合波部330は、共通基板301上において、一方のアーム導波路にリング共振器を備えたDMZIの構造を持つ3つの遅延干渉計331,3312A,3312Bがカスケード接続されている。各遅延干渉計331,3312A,3312Bは、上述の図4に示した波長合分波素子1における各遅延干渉計20,202A,202Bにそれぞれ対応しており、ここでは、光変調部320から出力される、波長λ,λの各光信号が遅延干渉計3312Bに与えられ、波長λ,λの各光信号が遅延干渉計3312Aに与えられる。波長合波部330では、各遅延干渉計3312A,3312Bに与えられた波長λ〜λの各光信号が一つに合波されてWDM光が生成され、該WDM光が遅延干渉計331から外部に送信される。
上記のような光送信装置300では、波長合波部330の合波特性が上述の図11に示した波長合分波素子1の合分波特性と同様にしてスペクトル平坦性および低クロストークに優れるため、光源部310から光変調部320を介して波長合波部330に与えられる各光信号の波長が多少変動しても、良好な合波特性を保つことができる。したがって、光送信装置300は、良好な多チャネルトランスミッタとして機能することが可能である。
図15は、波長合分波素子1の構成を応用した光受信装置の概略構成を示す平面図である。図15に示す光受信装置400は、例えば、互いに異なる波長λ〜λの光信号を含むWDM光が与えられる波長分波部410と、該波長分波部410で分波された各波長λ〜λの光信号を受光する受光部420とを備える。
波長分波部410は、共通基板401上において、一方のアーム導波路にリング共振器を備えたDMZIの構造を持つ3つの遅延干渉計411,4112A,4112Bがカスケード接続されている。共通基板401および各遅延干渉計411,4112A,4112Bは、上述の図4に示した波長合分波素子1における基板10および各遅延干渉計20,202A,202Bにそれぞれ対応している。波長分波部410では、WDM光が遅延干渉計411に与えられ、該WDM光が分波されて波長λ,λの各光信号が遅延干渉計4112Aから受光部420に出力されると共に、波長λ,λの各光信号が遅延干渉計4112Bから受光部420に出力される。
受光部420は、4つの受光器421〜421を有しており、波長分波部410から出力される各波長λ〜λの光信号を対応する上記受光器421〜421でそれぞれ検出する。各受光器421〜421は、例えば、共通基板(Si基板)401上にGeを結晶成長して形成することができる。通常、Si基板上のGe型受光器の場合、1.5〜1.6μmの波長帯の光信号の検出が可能である。
上記のような光受信装置400では、波長分波部410の分波特性が上述の図11に示した波長合分波素子1の合分波特性と同様にしてスペクトル平坦性および低クロストークに優れるため、受信したWDM光に含まれる各光信号の波長が多少変動しても、良好な分波特性を保つことができる。したがって、光受信装置400は、高効率な多チャネルレシーバとして機能することが可能である。
以上の各実施形態に関して、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) 多段にカスケード接続された複数の遅延干渉計を備え、波長の異なる複数の光信号を前記複数の遅延干渉計により合波してWDM光を生成すると共に、WDM光を前記複数の遅延干渉計により分波して波長の異なる複数の光信号を生成する波長合分波素子であって、
前記複数の遅延干渉計は、それぞれ、
前記複数の光信号が入出力される一対の光カプラと、
該各光カプラの間を接続する第一のアーム導波路および第二のアーム導波路と、
前記第一のアーム導波路の近傍に配置されたループ導波路と、を含み、
前記第一のアーム導波路が、前記ループ導波路との組み合わせによりリング共振器を構成し、
前記第二のアーム導波路が、前記第一のアーム導波路に対して遅延導波路となり、
前記各遅延干渉計における前記第一および第二のアーム導波路間の光路長差、並びに、前記各遅延干渉計内にある前記リング共振器の周回長が、前記複数の光信号の波長およびチャネル間隔に応じて、多段カスケード接続のステージ毎に異なる値に設定されることを特徴とする波長合分波素子。
(付記2) 付記1に記載の波長合分波素子であって、
前記各遅延干渉計内にある前記リング共振器の周回長は、当該遅延干渉計の透過スペクトル特性に対して、前記リング共振器の透過スペクトル特性が非共振条件を満たすように設定されることを特徴とする波長合分波素子。
(付記3) 付記2に記載の波長合分波素子であって、
前記多段カスケード接続は、第一ステージに位置する1つの前記遅延干渉計に対して、第二ステージに位置する2つの前記遅延干渉計がカスケード接続され、該第二ステージ以降ステージを重ねる度に、前記遅延干渉計の数が、ステージの段数をSとして、2S−1の割合で増加する接続構成であり、
前記複数の遅延干渉計は、前記多段カスケード接続の第一ステージに位置する遅延干渉計における前記第一および第二のアーム導波路間の光路長差がLD1であるとき、前記多段カスケード接続の第Sステージに位置する遅延干渉計における前記第一および第二のアーム導波路の光路長差が2(1−S)×LD1に設定されると共に、該第Sステージの遅延干渉計内にある前記リング共振器の周回長が2(2−S)×LD1に設定され、かつ、前記リング共振器の中心波長が当該遅延干渉計の中心波長に対してリング共振周波数間隔の略半分ずれていることを特徴とする波長合分波素子。
(付記4) 付記3に記載の波長合分波素子であって、
前記複数の遅延干渉計は、前記多段カスケード接続の第一ステージに位置する遅延干渉計内にある前記リング共振器の中心波長がλであるとき、第二ステージに位置する各遅延干渉計内にある前記リング共振器の中心波長が、前記複数の光信号のチャネル間隔をΔνとして、λ+0.5×Δνおよびλ−0.5×Δνにそれぞれ設定され、第三ステージ以降に位置する各遅延干渉計内にある前記リング共振器の中心波長については、ステージを重ねる度に、前段ステージの遅延干渉計における中心波長を中心にして、それぞれの隣り合う遅延干渉計における中心波長の差分が2(S−2)×Δνに設定されることを特徴とする波長合分波素子。
(付記5) 付記1〜4のいずれか1つに記載の波長合分波素子であって、
前記各遅延干渉計内にある前記リング共振器は、前記第一のアーム導波路および前記ループ導波路間の光結合率が80%以上であることを特徴とする波長合分波素子。
(付記6) 付記5に記載の波長合分波素子であって、
前記各遅延干渉計内にある前記リング共振器は、前記第一のアーム導波路および前記ループ導波路間の光結合が、方向性結合器または多モード干渉カプラを介して行われることを特徴とする波長合分波素子。
(付記7) 付記1〜6のいずれか1つに記載の波長合分波素子であって、
前記複数の遅延干渉計は、前記一対の光カプラが50%の光結合率をそれぞれ有することを特徴とする波長合分波素子。
(付記8) 互いに異なる波長を有する複数の光を発生する光源部と、該光源部からの各波長の光を変調する光変調部と、該光変調部で変調された各光信号を合波してWDM光を送信する波長合波部と、を備えた光学装置であって、
前記波長合波部が、付記1〜7のいずれか1つに記載の波長合分波素子を含むことを特徴とする光学装置。
(付記9) 付記8に記載の光学装置であって、
前記光源部、前記光変調部および前記波長合波部は、共通のシリコン基板上に形成されることを特徴とする光学装置。
(付記10) 互いに異なる波長を有する複数の光信号を含むWDM光を受信して分波する波長分波部と、該波長分波部で分波された各波長の光信号を受光する受光部と、を備えた光学装置であって、
前記波長分波部が、付記1〜7のいずれか1つに記載の波長合分波素子を含むことを特徴とする光学装置。
(付記11) 付記10に記載の光学装置であって、
前記波長分波部および前記受光部は、共通のシリコン基板上に形成されることを特徴とする光学装置。
1…波長合分波素子
10…基板
20,202A,202B,203A〜203D…遅延干渉計
21,22…光カプラ
23,24…アーム導波路
25…ループ導波路
26…位相シフタ
101…Si基板
102…SiO(BOX)層
103…Siコア層
104…SiO
300…光送信装置
301,401…共通基板
310…光源部
311〜311…レーザ
312〜312…Si導波路型フィルタ
320…光変調部
321〜321…オールパスリング共振器型変調器
330…波長合波部
331,3312A,3312B,411,4112A,4112B…遅延干渉計
400…光受信装置
410…波長分波部
420…受光部
421〜421…受光器
D1〜LD3…光路長差
M1〜LM3…周回長

Claims (5)

  1. 多段にカスケード接続された複数の遅延干渉計を備え、波長の異なる複数の光信号を前記複数の遅延干渉計により合波してWDM光を生成すると共に、WDM光を前記複数の遅延干渉計により分波して波長の異なる複数の光信号を生成する波長合分波素子であって、
    前記複数の遅延干渉計は、それぞれ、
    前記複数の光信号が入出力される一対の光カプラと、
    該各光カプラの間を接続する第一のアーム導波路および第二のアーム導波路と、
    前記第一のアーム導波路の近傍に配置されたループ導波路と、を含み、
    前記第一のアーム導波路が、前記ループ導波路との組み合わせによりリング共振器を構成し、
    前記第二のアーム導波路が、前記第一のアーム導波路に対して遅延導波路となり、
    前記各遅延干渉計における前記第一および第二のアーム導波路間の光路長差、並びに、前記各遅延干渉計内にある前記リング共振器の周回長が、前記複数の光信号の波長およびチャネル間隔に応じて、多段カスケード接続のステージ毎に異なる値に設定されることを特徴とする波長合分波素子。
  2. 請求項1に記載の波長合分波素子であって、
    前記各遅延干渉計内にある前記リング共振器の周回長は、当該遅延干渉計の透過スペクトル特性に対して、前記リング共振器の透過スペクトル特性が非共振条件を満たすように設定されることを特徴とする波長合分波素子。
  3. 請求項1または2に記載の波長合分波素子であって、
    前記各遅延干渉計内にある前記リング共振器は、前記第一のアーム導波路および前記ループ導波路間の光結合率が80%以上であることを特徴とする波長合分波素子。
  4. 互いに異なる波長を有する複数の光を発生する光源部と、該光源部からの各波長の光を変調する光変調部と、該光変調部で変調された各光信号を合波してWDM光を送信する波長合波部と、を備えた光学装置であって、
    前記波長合波部が、請求項1〜3のいずれか1つに記載の波長合分波素子を含むことを特徴とする光学装置。
  5. 互いに異なる波長を有する複数の光信号を含むWDM光を受信して分波する波長分波部と、該波長分波部で分波された各波長の光信号を受光する受光部と、を備えた光学装置であって、
    前記波長分波部が、請求項1〜3のいずれか1つに記載の波長合分波素子を含むことを特徴とする光学装置。
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