JP5821742B2 - 波長合分波素子、多波長光源及び多波長光送信器 - Google Patents

波長合分波素子、多波長光源及び多波長光送信器 Download PDF

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Description

本発明は、波長合分波素子、多波長光源及び多波長光送信器に関する。
近年、大容量インターコネクトに向けて、シリコン(Si)チップ内での波長分割多重(WDM:wavelength division multiplexing)技術によって光配線1本当たりの伝送容量を向上させることが積極的に検討されている。
通常、Siチップ内でWDM光信号を送信するためには、光源及び光変調器をアレー状に並べ、それぞれの光信号を波長合分波素子によって合波させることが求められ、送信器の構成は多少複雑になる。
一方、WDM光を一括に生成する多波長光源を用いると、WDM光に対応した光源を個別に設ける必要がなく、光源そのものがWDM光の合波の役割も兼ねるため、送信器の構成がシンプルになり、小型化にも適している。
このような多波長光源としては、例えばアレー導波路格子(AWG:arrayed waveguide grating)を用いた多波長光源がある。この多波長光源では、光利得媒質及びAWGを含んだものがレーザキャビティとなり、AWGによって合分波される波長成分を一括にレーザ発振させることができる。これを第1の技術という。
また、例えば回折グレーティング格子を用いた多波長光源もある。この多波長光源では、光利得媒質及び回折グレーティング格子を含んだものがレーザキャビティとなり、回折グレーティング格子によって合分波される波長成分を一括にレーザ発振させることができる。また、レーザ発振を安定化させるために、光増幅媒質を含むリング共振器に接続し、発振したレーザ光がこのリング共振器を通過するようにしたものもある。これらを第2の技術という。
このほか、波長合分波素子としては、例えば非対称マッハツェンダ干渉計(AMZI:asymmetric Mach-Zehnder interferometer)をカスケード接続した波長合分波素子もある。
特許第4152869号公報 特許第4806663号公報
Dae Woong Kim et al., "Silicon-on-insulator eight-channel optical multiplexer based on a cascade of asymmetric Mach-Zehnder interferometers", OPTICS LETTERS, Vol.38, No.5, pp.530-532, March 1, 2008 M. Zirngibl et al., "Digitally Tunable Laser Based on the Integration of a Waveguide Grating Multiplexer and an Optical Amplifier", IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS, Vol.6, No.4, pp.516-518, April 1994
ところで、上述の第1の技術では、レーザの縦モード間隔は光利得媒質及びAWGを含むキャビティ長によって決定される。但し、比較的長い相互作用長を有するAWGの場合、安定した単一モード発振を得るためには、AWGの透過帯域幅を狭くすることが求められる。しかしながら、原理的にGaussian関数的な透過帯域を有するAWGを狭帯域化することは容易ではなく、結果的にレーザ発振の不安定化を招き、安定した単一モード発振を得るのは難しい。
また、上述の第2の技術でも、上述の第1の技術の場合と同様に、原理的にGaussian関数的な透過帯域を有するため、狭帯域化が容易ではなく、結果的にレーザ発振の不安定化を招き、安定した単一モード発振を得るのは難しい。また、リング共振器を設ける場合、リング共振器を駆動するための新たな電力が必要となるほか、注入する電力に応じてリング共振器の透過特性も変動するため、レーザ発振モードの制御が容易ではなく、安定した単一モード発振を得るのは難しい。また、リング共振器のピークをそれぞれの多波長発振したレーザ光の縦モードに精度よく、且つ、簡便に合わせるのは非常に困難である。
ところで、上述のDMZIをカスケード接続した波長合分波素子と光利得媒質とを組み合わせて、多波長光源として用いることが考えられる。しかしながら、DMZIを用いた波長合分波素子は、比較的広い透過帯域幅を有するため、レーザ発振モードの制御が容易ではなく、安定した単一モード発振を得るのは難しい。
そこで、透過帯域幅を狭帯域化した波長合分波素子を実現し、安定した単一モード発振が得られる多波長光源及び多波長光送信器を実現したい。
本波長合分波素子は、多段にカスケード接続され、第1光カプラと、第2光カプラと、第1光カプラと第2光カプラとの間に設けられた光導波路及び遅延導波路とを備える複数の遅延干渉計と、複数の遅延干渉計のそれぞれの光導波路に光結合された複数のリング共振器とを備え、複数の遅延干渉計のそれぞれにおいて、遅延干渉計の透過ピーク波長とリング共振器の共振波長とが一致するように構成されており、S段目(Sは自然数)の遅延干渉計の数は2 S−1 となっており、1段目の遅延干渉計における光導波路と遅延導波路との光路長差をL D1 として、S段目の遅延干渉計における光導波路と遅延導波路との光路長差は2 (1−S) ×L D1 又はその近傍となっており、S段目の遅延干渉計に光結合されたリング共振器の周回長は2 (2−S) ×L D1 又はその近傍となっていることを要件とする。
本多波長光源は、上記波長合分波素子と、レーザ共振器を構成する第1及び第2反射鏡と、利得媒質とを備え、波長合分波素子及び利得媒質は、レーザ共振器の中に設けられていることを要件とする。
本多波長光送信器は、上記多波長光源と、多波長光源に接続された光変調器とを備えることを要件とする。
したがって、本波長合分波素子、多波長光源及び多波長光送信器によれば、波長合分波素子の透過帯域幅を狭帯域化することができ、安定した単一モード発振が得られる多波長光源及び多波長光送信器を実現することができるという利点がある。
(A)は、本実施形態にかかる波長合分波素子の構成を示す模式図であり、(B)は、本実施形態にかかる波長合分波素子の1段目の遅延干渉計の一方のポートから出力される光の透過スペクトル特性、及び、1段目の遅延干渉計に備えられるリング共振器の透過スペクトル特性を示す図である。 (A)、(B)は、本実施形態にかかる波長合分波素子において透過帯域幅を狭帯域化することができる原理を説明するための図である。 本実施形態にかかる波長合分波素子のリング共振器を備える遅延干渉計における差分位相変化と、リング共振器への光結合率との関係について示す図である。 本実施形態にかかる波長合分波素子の透過スペクトル特性を示す図である。 本実施形態にかかる波長合分波素子を構成する導波路の製造方法を説明するための模式的断面図である。 本実施形態にかかる波長合分波素子を構成する他の導波路の製造方法を説明するための模式的断面図である。 本実施形態にかかる波長合分波素子の遅延干渉計とリング共振器を結合する方向性結合器の結合特性を説明するための図である。 (A)、(B)は、本実施形態にかかる波長合分波素子の合分波スペクトル特性を示す図であって、(A)は、リング共振器への光結合率が約85%の場合、(B)は、リング共振器への光結合率が約50%の場合を示している。 本実施形態の変形例にかかる波長合分波素子の構成を示す模式図である。 本実施形態の変形例にかかる波長合分波素子の透過スペクトル特性を示す図である。 (A)、(B)は、本実施形態の変形例にかかる波長合分波素子の合分波スペクトル特性を示す図であって、(A)は、リング共振器への光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約85%、約75%、約65%とした場合、(B)は、リング共振器への光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約65%、約45%、約5%とした場合を示している。 本実施形態にかかる多波長光源の構成を示す模式図である。 本実施形態の変形例にかかる多波長光源の構成を示す模式図である。 本実施形態にかかる多波長光送信器の構成を示す模式図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる波長合分波素子、多波長光源及び多波長光送信器について、図1〜図14を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる波長合分波素子は、例えば光通信や光インターコネクトで用いられる多波長光源に用いるのに適した波長合分波素子である。つまり、本波長合分波素子に利得媒質を組み合わせることで、多波長光源として用いることができる。また、波長合分波素子を、波長合分波器ともいう。
本実施形態では、波長合分波素子は、図1(A)に示すように、多段にカスケード接続された複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dと、これらの遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれに設けられた複数のリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dとを備えた構造になっている。
ここでは、例えば7つの遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dが3段カスケード接続された構造になっている。つまり、1段目の1つの遅延干渉計1に2段目の2つの遅延干渉計2A、2Bが接続されており、2段目の2つの遅延干渉計2A、2Bのそれぞれに2つずつ合計4つの3段目の遅延干渉計3A〜3Dが接続されている。
このため、一方[図1(A)中、左側]の入出力チャネルは1つであり、他方[図1(A)中、右側]の入出力チャネルは8つである。つまり、本波長合分波素子は、1×8チャネルの波長合分波素子である。そして、本波長合分波素子の一方の1つの入出力チャネルから異なる波長の8つの光が合波された光が入力されると、1段目〜3段目の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dを伝搬することで波長に応じて分波され、他方の8つの入出力チャネルからそれぞれ出力される。逆に、他方の8つの入出力チャネルのそれぞれから異なる波長の8つの光のそれぞれが入力されると、1段目〜3段目の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dを伝搬することで合波され、一方の1つの入出力チャネルから出力される。なお、図1(A)では、異なる波長の8つの光を、それぞれ、チャネルCh−1〜Ch−8で示している。
なお、遅延干渉計の数は、これに限られるものではなく、波長合分波素子で合分波するチャネル数に応じて設定すれば良い。例えば、必要に応じて、遅延干渉計の数を増やすことで、チャネル数を増やすことができる。
ここで、各段の遅延干渉計の数は、何段目かをS(Sは自然数)で示すこととして、2S−1とすれば良い。つまり、S段目(Sは自然数)の遅延干渉計の数は2S−1とすれば良い。このように、複数の遅延干渉計は、一段後段になると2倍の数になるように設けられる。つまり、段数が増えるたびに、遅延干渉計の数は2倍に増加するように設けられる。例えば、2段目では、遅延干渉計の数は2つとなり、3段目では、遅延干渉計の数は4つとなる。この場合、遅延干渉計の総数は、最終段を示すSの値を、2−1に代入することで求めることができる。ここでは、最終段は3段目であるため、遅延干渉計の総数は7つとなる。
ここで、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dは、いずれも、第1光カプラ4と、第2光カプラ5と、第1光カプラ4と第2光カプラ5との間に設けられた光導波路6及び遅延導波路7とを備える。なお、光導波路6及び遅延導波路7を、アームともいう。このため、遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dは2つのアームを備えることになる。ここでは、遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dは、遅延マッハツェンダ干渉計(DMZI:delayed Mach-Zehnder interferometer)である。なお、遅延マッハツェンダ干渉計を、非対称マッハツェンダ干渉計ともいう。また、遅延干渉計を、非対称干渉計ともいう。
また、第1光カプラ4及び第2光カプラ5は、方向性結合器又は多モード干渉カプラである。これらの第1光カプラ4及び第2光カプラ5の光結合率は約50%である。
複数のリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dは、それぞれ、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれの光導波路6に光結合されている。このため、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dが、それぞれ、その内部にリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dを備えることになる。
ここでは、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dは、ループ状のオールパス型リング共振器である。これらのリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dは、リング導波路によって構成される。
また、ここでは、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dと遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dを構成する光導波路6とは方向性結合器によって光結合されている。つまり、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dが光導波路6に光結合されている領域、即ち、リング導波路とバス導波路としての光導波路6との結合領域は、方向性結合器を構成している。なお、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dと遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dを構成する光導波路6との光結合は、方向性結合器によるものでなくても良いが、光結合率の設計自由度の高い方向性結合器が適している。
また、ここでは、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれに備えられる光導波路6とリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dとの間の光結合率、即ち、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dへの光結合率は、各段で同一になっている。例えば、本実施形態では、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dを、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれに備えられる光導波路6に光結合させる方向性結合器(光カプラ)の光結合率は、全て、約50%又は約85%になっている。なお、ここでは、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dへの光結合率を約50%又は約85%としているが、これらに限られるものではない。
そして、本実施形態では、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれに備えられる光導波路6と遅延導波路7との光路長差は、各段で異なっている。また、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれに光結合されたリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの周回長、即ち、リング導波路の一周の長さは、各段で異なっている。
特に、本実施形態では、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれにおいて、遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dの透過ピーク波長とリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの共振(resonance)波長とが一致するように構成されている[図1(B)参照]。これにより、透過帯域幅が狭く、ロールオフが急峻である、所望の波長合分波特性、即ち、透過スペクトル特性が得られ、また、小型化にも適した波長合分波素子を実現することが可能となる。なお、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの共振波長を、ピーク波長ともいう。
このため、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれにおいて、遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dの透過スペクトル特性に対してリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの透過スペクトル特性が共振条件を満たすようにしている。
つまり、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれにおいて、遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dの透過ピーク波長とリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの共振波長とが一致するように、遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dに光結合されたリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの周回長を、遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dの光導波路6と遅延導波路7との光路長差の2倍にしている。このように、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれにおいて、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの周回長が、光導波路6と遅延導波路7との光路長差の2倍になるようにしている。
また、各段において、段階的に合分波できるように、1段後段になる毎に、遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差を1/2にしている。つまり、1段目の遅延干渉計1として1つの遅延干渉計を備える場合、2段目以降の遅延干渉計2A、2B、3A〜3Dにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差は、1段前段の遅延干渉計における光導波路6と遅延導波路7との光路長差の1/2になっている。
この場合、1段目の遅延干渉計1における光導波路6と遅延導波路7との光路長差をLD1として、S段目の遅延干渉計における光導波路6と遅延導波路7との光路長差は2(1−S)×LD1又はその近傍とすれば良い。つまり、S段目の遅延干渉計における光導波路6と遅延導波路7との光路長差は、2(1−S)×LD1の関係式にしたがって変化するように設定すれば良い。
また、S段目の遅延干渉計に光結合されたリング共振器の周回長は2(2−S)×LD1又はその近傍とすれば良い。つまり、S段目の遅延干渉計に光結合されたリング共振器の周回長は、2(2−S)×LD1の関係式にしたがって変化するように設定すれば良い。
このように、各段の遅延干渉計における光導波路6と遅延導波路7との光路長差は、1段目の遅延干渉計1における光導波路6と遅延導波路7との光路長差LD1に応じて設定されることになる。また、各段の遅延干渉計に光結合されたリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの周回長も、1段目の遅延干渉計1における光導波路6と遅延導波路7との光路長差LD1に応じて設定されることになる。
本実施形態では、1段目の遅延干渉計1における光導波路6と遅延導波路7との光路長差は、LD1となる。また、2段目の遅延干渉計2A、2Bにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差LD2は、1/2×LD1となり、3段目の遅延干渉計3A〜3Dにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差LD3は、1/4×LD1となる。
また、1段目の遅延干渉計1に光結合されたリング共振器11の周回長LM1は、2(2−S)×LD1にS=1を代入して2×LD1となる。同様に、2段目の遅延干渉計2A、2Bに光結合されたリング共振器12A、12Bの周回長LM2は、LD1となり、3段目の遅延干渉計3A〜3Dに光結合されたリング共振器13A〜13Dの周回長LM3は、1/2×LD1となる。
具体的には、上述のようにして設定される遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差及びリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの周回長を、本波長合分波素子において合分波するチャネル間波長間隔Δνに応じて調整すれば良い。
ここでは、まず、1段目の遅延干渉計1の透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔がチャネル間波長間隔Δνに合うように、1段目の遅延干渉計1における光導波路6と遅延導波路7との光路長差を設定している。ここで、遅延干渉計1における光導波路6と遅延導波路7との光路長差を短くすると、遅延干渉計1の透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔は広くなる。なお、1段目の遅延干渉計1の一方のポート[図1(A)中、下側]から出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔は、図1(B)に示すように、チャネル間波長間隔Δνの2倍になる。同様に、1段目の遅延干渉計1の他方のポート[図1(A)中、上側]から出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔は、チャネル間波長間隔Δνの2倍になる。そして、1段目の遅延干渉計1の各ポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長は、互いにチャネル間波長間隔Δν分ずれている[図2(B)参照]。
また、1段目の遅延干渉計1に光結合されたリング共振器11の透過スペクトル特性の共振波長間隔がチャネル間波長間隔Δνに合うように、1段目の遅延干渉計1に光結合されたリング共振器11の周回長を設定している。ここでは、1段目の遅延干渉計1に光結合されたリング共振器11の周回長を、1段目の遅延干渉計1における光導波路6と遅延導波路7との光路長差の2倍にしている。ここで、遅延干渉計1に光結合されたリング共振器11の周回長を短くすると、リング共振器11の透過スペクトル特性の共振波長間隔は広くなる。なお、1段目の遅延干渉計1に光結合されたリング共振器11の透過スペクトル特性の共振波長間隔は、図1(B)に示すように、1段目の遅延干渉計1の一方のポート[図1(A)中、下側]から出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔の半分になる。また、1段目の遅延干渉計1に光結合されたリング共振器11の透過スペクトル特性の共振波長間隔は、1段目の遅延干渉計1の他方のポート[図1(A)中、上側]から出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔の半分になる。
なお、ここでは、透過ピーク波長間隔、チャネル間波長間隔、共振波長間隔としているが、波長間隔は周波数間隔と見ることもできるため、これらを、透過ピーク周波数間隔[遅延干渉計の透過スペクトル特性のフリースペクトルレンジ(FSR:free spectral range)]、チャネル間周波数間隔、共振周波数間隔[リング共振器の透過スペクトル特性のフリースペクトルレンジ(FSR)]ともいう。
次に、2段目の遅延干渉計2A、2Bの透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔が、1段目の遅延干渉計1の透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔の2倍となり、かつ、チャネル間波長間隔Δνに合うように、2段目の遅延干渉計2A、2Bにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差を設定している。ここでは、2段目の遅延干渉計2A,2Bにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差を、1段目の遅延干渉計1における光導波路6と遅延導波路7との光路長差の1/2にしている。なお、2段目の遅延干渉計2A、2Bの一方のポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔は、チャネル間波長間隔Δνの4倍になる。同様に、2段目の遅延干渉計2A、2Bの他方のポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔は、チャネル間波長間隔Δνの4倍になる。そして、2段目の一方の遅延干渉計2Aの各ポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長は、互いにチャネル間波長間隔Δνの2倍分ずれている。また、2段目の他方の遅延干渉計2Bの各ポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長は、互いにチャネル間波長間隔Δνの2倍分ずれている。また、2段目の2つの遅延干渉計2A、2Bの各ポート、即ち、4つのポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長は、互いにチャネル間波長間隔Δν分ずれている。
また、2段目の遅延干渉計2A、2Bに光結合されたリング共振器12A、12Bの透過スペクトル特性の共振波長間隔が、1段目の遅延干渉計1に光結合されたリング共振器11の透過スペクトル特性の共振波長間隔の2倍となり、かつ、チャネル間波長間隔Δνに合うように、2段目の遅延干渉計2A、2Bに光結合されたリング共振器12A、12Bの周回長を設定している。ここでは、2段目の遅延干渉計2A、2Bに光結合されたリング共振器12A、12Bの周回長を、1段目の遅延干渉計1に光結合されたリング共振器11の周回長の1/2にしている。この場合、2段目の遅延干渉計2A、2Bに光結合されたリング共振器12A、12Bの周回長は、2段目の遅延干渉計2A、2Bにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差の2倍になる。なお、2段目の2つの遅延干渉計2A、2Bに光結合されたリング共振器12A、12Bの透過スペクトル特性の共振波長間隔は、チャネル間波長間隔Δνの2倍になる。また、2段目の2つの遅延干渉計2A、2Bのそれぞれに光結合されたリング共振器12A、12Bの透過スペクトル特性の共振波長は、互いにチャネル間波長間隔Δν分ずれている。
次に、3段目の遅延干渉計3A〜3Dの透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔が、2段目の遅延干渉計2A、2Bの透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔の2倍となり、かつ、チャネル間波長間隔Δνに合うように、3段目の遅延干渉計3A〜3Dにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差を設定している。ここでは、3段目の遅延干渉計3A〜3Dにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差を、2段目の遅延干渉計2A、2Bにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差の1/2にしている。なお、3段目の遅延干渉計3A〜3Dの一方のポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔は、チャネル間波長間隔Δνの8倍になる。同様に、3段目の遅延干渉計3A〜3Dの他方のポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長間隔は、チャネル間波長間隔Δνの8倍になる。そして、3段目の第1遅延干渉計3Aの各ポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長は、互いにチャネル間波長間隔Δνの4倍分ずれている。また、3段目の第2遅延干渉計3Bの各ポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長は、互いにチャネル間波長間隔Δνの4倍分ずれている。また、3段目の第3遅延干渉計3Cの各ポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長は、互いにチャネル間波長間隔Δνの4倍分ずれている。また、3段目の第4遅延干渉計3Dの各ポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長は、互いにチャネル間波長間隔Δνの4倍分ずれている。また、3段目の4つの遅延干渉計3A〜3Dの各ポート、即ち、8つのポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長は、互いにチャネル間波長間隔Δν分ずれている。
また、3段目の遅延干渉計3A〜3Dに光結合されたリング共振器13A〜13Dの透過スペクトル特性の共振波長間隔が、2段目の遅延干渉計2A、2Bに光結合されたリング共振器12A、12Bの透過スペクトル特性の共振波長間隔の2倍となり、かつ、チャネル間波長間隔Δνに合うように、3段目の遅延干渉計3A〜3Dに光結合されたリング共振器13A〜13Dの周回長を設定している。ここでは、3段目の遅延干渉計3A〜3Dに光結合されたリング共振器13A〜13Dの周回長を、2段目の遅延干渉計2A、2Bに光結合されたリング共振器12A、12Bの周回長の1/2にしている。この場合、3段目の遅延干渉計3A〜3Dに光結合されたリング共振器13A〜13Dの周回長は、3段目の遅延干渉計3A〜3Dにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差の2倍になる。なお、3段目の4の遅延干渉計3A〜3Dに光結合されたリング共振器13A〜13Dの透過スペクトル特性の共振波長間隔は、チャネル間波長間隔Δνの4倍になる。また、3段目の4つの遅延干渉計3A〜3Dのそれぞれに光結合されたリング共振器13A〜13Dの透過スペクトル特性の共振波長は、互いにチャネル間波長間隔Δν分ずれている。また、3段目の隣接する2つの遅延干渉計3A、3Bのそれぞれに光結合されたリング共振器13A、13Bの透過スペクトル特性の共振波長は、互いにチャネル間波長間隔Δνの2倍分ずれている。また、3段目の隣接する2つの遅延干渉計3C、3Dのそれぞれに光結合されたリング共振器13C、13Dの透過スペクトル特性の共振波長は、互いにチャネル間波長間隔Δνの2倍分ずれている。
ところで、本波長合分波素子の各段において波長毎に合分波する場合、各段において、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの中心波長λを、次のように設定するのが好ましい。
なお、ここでは、図1(B)中、Δλ=0の波長を、1段目の遅延干渉計1の透過ピーク波長の中の中心波長とし、λとする。また、2段目以降の各遅延干渉計2A、2B、3A〜3Dの透過ピーク波長の中の中心波長も同じであり、λとする。また、ここでは、1段目のリング共振器11の中心波長をλC−1stとする。また、2段目の各リング共振器12A、12Bの中心波長を、それぞれ、λC−2nd−A、λC−2nd−Bとする。また、3段目の各リング共振器13A〜13Dの中心波長を、それぞれ、λC−3rd−A、λC−3rd−B、λC−3rd−C、λC−3rd−Dとする。
つまり、1段目のリング共振器11の中心波長λC−1stをλとし(λC−1st=λ)、2段目のリング共振器12A、12Bの中心波長λC−2nd−A、λC−2nd−Bを、それぞれ、λ、λ+Δνとし(λC−2nd−A=λ、λC−2nd−B=λ+Δν;この場合、各リング共振器12A、12BのFSRは2×Δνとなる)、3段目のリング共振器13A〜13Dの中心波長λC−3rd−A、λC−3rd−B、λC−3rd−C、λC−3rd−Dを、それぞれ、λ+2Δν、λ、λ+Δν、λ−Δνとし(λC−3rd−A=λ+2Δν、λC−3rd−B=λ、λC−3rd−C=λ+Δν、λC−3rd−D=λ−Δν;この場合、各リング共振器13A〜13DのFSRは4×Δνとなる)とするのが好ましい。このように、1段目のリング共振器11の中心波長λC−1stをλとし、2段目以降のリング共振器12A、12B、13A〜13Dの中心波長λC−2nd−A、λC−2nd−B、λC−3rd−A、λC−3rd−B、λC−3rd−C、λC−3rd−Dを、ステージを重ねるたびに、前段のリング共振器の中心波長と同一の中心波長と、この中心波長との差分が2(S−2)×Δνとなる中心波長とが、隣り合う遅延干渉計に設けられるリング共振器の中心波長となるように設定すれば良い。
ここで、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの中心波長λとは、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの透過スペクトル特性に周期的に表れる共振波長の中で設計に用いられる一つの波長であって、次式(1)によって表される。
λ=(NWG*LMRR)/m・・・(1)
ここで、NWG、LMRR及びmは、それぞれ、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dを構成するリング導波路の実効屈折率、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの周回長及びリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの回折次数である。
このため、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dを構成するリング導波路の実効屈折率NWG、又は、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの周回長LMRRを調整することによって、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの中心波長λを調整することができる。
なお、各リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの中心波長の具体的な設定については後述する。
このようにして各リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの中心波長を調整することで、2段目以降のリング共振器の透過スペクトル特性の共振波長は、互いにチャネル間波長間隔Δν分ずれたものとなる。また、3段目以降のリング共振器の透過スペクトル特性の共振波長は、隣接する2つの遅延干渉計に設けられたリング共振器で2(S−2)×Δν分ずれたものとなる。このような調整を行なった場合、各段の遅延干渉計に光結合されたリング共振器の周回長は、各段の遅延干渉計における光導波路6と遅延導波路7との光路長差の2倍又はその近傍となる。
ところで、本波長合分波素子において、異なる波長の8つの光が波長ごとに振り分けられる機能性は、各遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dによる光干渉作用に基づいて得られるものである。このため、多段にカスケード接続された各遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dにおける光路長差やリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの周回長の関係に加え、各遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dにおける相対的な位相差が所定の関係を満足するのが好ましい。
このため、本実施形態では、図1(A)に示すように、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれに位相シフタ8を設けている。つまり、本波長合分波素子は、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれにおいて、遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dの透過ピーク波長とリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの共振波長とが一致するように、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれに設けられた複数の位相シフタ8を備える。
ここでは、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dを構成する遅延導波路7のそれぞれに位相シフタ8を設けている。このため、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dは、それぞれ、位相シフタ8を含む遅延導波路7を備える。そして、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれに設けられた位相シフタ8は、各段の中で相互に位相変化量(位相シフト量)が異なっている。なお、位相シフタ8を、遅延領域ともいう。
なお、位相シフタ8としては、種々の構成を採用することが可能である。例えば、遅延導波路7の屈折率を制御する方法と、遅延導波路7の長さを調整する方法とがある。このうち、遅延導波路7の屈折率を制御する方法としては、導波路幅をテーパ状に形成することで、導波路の実効屈折率を変化させて、位相をシフトさせる方法がある。この場合、テーパ角やテーパ長の設定によって位相変化量を任意に設定することが可能である。また、遅延導波路7上に熱ヒータを設けて、温度調整することによって、位相をシフトさせる方法もある。このほか、遅延導波路7上に電流注入機構や電圧印加機構を設けて、位相をシフトさせる方法もある。一方、遅延導波路7の長さを調整する方法は、一定幅の導波路の長さを調整して、位相をシフトさせる方法である。この場合、導波路長に応じて位相変化量を任意に設定することが可能である。なお、これらの遅延導波路7の屈折率を制御する方法と、遅延導波路7の長さを調整する方法とを組み合わせても良い。
なお、各遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dに設けられる位相シフタ8による位相変化量の具体的な設定については後述する。
このようにして各遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dに位相シフタ8を設けて位相変化量を調整することで、各段の遅延干渉計の各ポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長は、互いにチャネル間波長間隔Δν分ずれたものとなる。また、1つの遅延干渉計の2つのポートから出力される光の透過スペクトル特性の透過ピーク波長は、2(S−1)×Δν分ずれたものとなる。このような調整を行なった場合、1段目の遅延干渉計として1つの遅延干渉計を備える場合、2段目以降の遅延干渉計における光導波路と遅延導波路との光路長差は、1段前段の遅延干渉計における光導波路と遅延導波路との光路長差の1/2又はその近傍となる。
このようにして、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれにおいて、遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dの透過ピーク波長とリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの共振波長とが一致するように構成することで、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれを経て出力された光の透過スペクトル特性の透過帯域幅は狭帯域化したものとなる。この結果、本波長合分波素子は、透過帯域幅が狭帯域化したフィルタ特性、即ち、透過スペクトル特性を有するものとなる。
ここで、各遅延干渉計における透過スペクトル特性の透過帯域幅を狭帯域化することができる原理を説明する。ここでは、1段目の遅延干渉計1における透過スペクトル特性の透過帯域幅を狭帯域化することができる原理を例に挙げて、図2を参照しながら説明する。
上述のようにして、1段目の遅延干渉計1における光導波路6と遅延導波路7との光路長差及びリング共振器11の周回長をチャネル間波長間隔Δνに応じて適正化し、リング共振器11の共振波長を遅延干渉計1の透過ピーク波長に合わせると、図2(A)に示すように、1段目の遅延干渉計1を構成する光導波路6と遅延導波路7の2つの経路のそれぞれにおける位相変化の差分(以下、差分位相変化と称する)は、遅延干渉計1の透過ピーク波長近傍、即ち、合分波する波長領域で大きく変動し、相対的に大きくなる。このような急峻な相対差分位相変化が生じている状態で1段目の遅延干渉計1を構成する第2光カプラ5において光干渉することによって、図2(B)に示すように、狭帯域、かつ、急峻なスペクトル応答、即ち、透過スペクトル特性を示すこととなる。ここでは、透過スペクトル特性は、Lorentz関数状の尖った形状を示すことになる。
なお、図2(A)は、リング共振器11への光結合率が約85%の場合を例に挙げて示している。また、図2(B)中、実線Aは、1段目の遅延干渉計1の一方のポート[図1(A)中、下側]から出力される光の透過スペクトル特性を示しており、図2(B)中、破線Bは、1段目の遅延干渉計1の他方のポート[図1(A)中、上側]から出力される光の透過スペクトル特性を示している。
また、この差分位相変化は、図3に示すように、リング共振器11への光結合率に依存する。つまり、リング共振器11への光結合率が小さいほど差分位相変化が大きくなる、即ち、差分位相変化の変化率が増加する傾向がある。例えば、リング共振器11への光結合率が約85%の場合、差分位相変化は、図3中、実線Aで示すようになるのに対し、リング共振器11への光結合率が約50%になると、図3中、矢印で示す合分波する波長領域で、図3中、破線Bで示すように、差分位相変化の変化率が増加し、差分位相変化が、より大きく変動することになる。このため、リング共振器11への光結合率を小さくすることで、1段目の遅延干渉計1における透過スペクトル特性の透過帯域幅を、より狭帯域化することができる。
このため、本波長合分波素子の透過スペクトル特性の透過帯域幅(合分波スペクトル帯域幅)は、リング共振器への光結合率によって制御することができる。
ここで、図4は、リング共振器への光結合率を約50%にした場合と約85%にした場合の本波長合分波素子の透過スペクトル特性を示している。
なお、図4では、比較のために、リング共振器が設けられていない比較例の波長合分波素子の透過スペクトル特性も示している。また、図4中、実線Aは、リング共振器への光結合率を約50%にした場合の透過スペクトル特性を示しており、実線Bは、リング共振器への光結合率を約85%にした場合の透過スペクトル特性を示しており、実線Cは、比較例の場合の透過スペクトル特性を示している。また、ここでは、Fabry-Perot型キャビティを想定し、波長合分波素子を2回透過した場合の透過スペクトル特性を示している。
図4に示すように、比較例の波長合分波素子と比べ、本波長合分波素子は、透過帯域幅が著しく狭帯域化している。また、リング共振器への光結合率が小さくなるほど、透過帯域幅が狭帯域化することが分かる。つまり、リング共振器への光結合率が小さくなるほど、図3に示すように、各遅延干渉計における差分位相変化の変化率が増し、この結果、本波長合分波素子の透過スペクトル特性の透過帯域幅が狭帯域化する傾向がある。
この場合、比較例の波長合分波素子、リング共振器への光結合率約85%の場合の本波長合分波素子、及び、リング共振器への光結合率約50%の場合の本波長合分波素子の透過スペクトル特性のフィーネスは、それぞれ、約12、約38、及び、約124と見積もられる。
このように、リング共振器への光結合率によって、本波長合分波素子の透過スペクトル特性の透過帯域幅を制御できることが分かる。これにより、リング共振器への光結合率を調整することで、安定した単一モード発振を得るのに必要な透過スペクトル特性の透過帯域幅、即ち、フィルタ帯域幅を、レーザキャビティ長に応じて、即ち、レーザキャビティ長に応じて変化するレーザの縦モード間隔に応じて、適正化することが可能となる。
ところで、このような構成を備える本波長合分波素子は、以下のようにして作製することができる。
図5に示すように、まず、Si基板20上のSiO(BOX)層21及びSiコア層22(例えば、膜厚Hが約0.25μm)を有するSOIウェハを用い、光露光プロセスによって本波長合分波素子を構成する導波路ストライプ構造をパターニングする。この導波路ストライプパターンは、光露光装置のフォトマスクによって規定される。なお、光露光の代わりに、電子ビーム露光を用いても良い。
そして、描画されたパターンを、例えば反応性イオンエッチングなどの方法でドライエッチングを行ない、例えばスラブ高約0.05μm程度を有するリブ導波路構造23(例えば、導波路幅Wが約0.48μm)を形成する。
その後、導波路ストライプパターンの上部を、例えば蒸着装置などを用いてSiO膜24で被覆する。
このようにして、本波長合分波素子として、Si細線チャネル導波路構造を有する波長合分波素子を作製することができる。
なお、ここでは、リブ導波路構造23を例に挙げて説明しているが、導波路構造はこれに限られるものではなく、例えば図6に示すように、Siコア層22を加工して、チャネル導波路構造25としても良い。この場合、上記リブ導波路構造の製造工程においてスラブ厚を残さずにエッチングを行なうことで、チャネル導波路構造25を形成することができる。
以下、具体的な設定について説明する。
ここでは、例えば波長1.55μm近傍で、かつ、チャネル間隔400GHzで、1×8チャネルの波長合分波素子で合分波する場合を想定する。
この場合、1段目の遅延干渉計1における光導波路6と遅延導波路7との光路長差LD1は約90μmとなる。なお、この光路長差LD1は、図5や図6に示したSi細線導波路の分散特性を考慮して得られた結果である。また、1段目の遅延干渉計1に設けられるリング共振器11の周回長LM1は約180μmとなる。
また、この1段目の遅延干渉計1にカスケード接続される2段目以降の遅延干渉計2A、2B、3A〜3Dにおける光路長差(即ち、遅延導波路長)、及び、それに設けられるリング共振器12A、12B、13A〜13Dの周回長は、上述の式、即ち、2(1−S)×LD1、及び、2(2−S)×LD1にしたがって決めれば良い。この結果、2段目及び3段目の遅延干渉計2A、2B、3A〜3Dにおける光路長差LD2、LD3は、それぞれ、約45μm、及び、約22.5μmとなる。また、2段目及び3段目の遅延干渉計2A、2B、3A〜3Dに設けられるリング共振器12A、12B、13A〜13Dの周回長LM2、LM3は、それぞれ、約90μm、及び、約45μmとなる。
ここで、図7は、図5や図6に示すようなSi細線チャネル導波路構造によって形成される方向性結合器の結合特性の一例を示している。
図7に示すように、遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dを構成する光導波路6とリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dとの結合領域における方向性結合器を構成する導波路の間隔GapDCが減少するほど、短い距離、即ち、短い結合長で高い光結合率が得られることが分かる。この例では、GapDCを約0.1μmに設定すれば、約8μm程度の結合長で約50%の光結合率が得られ、約13μm程度の結合長で約85%の光結合率が得られることになる。
また、各リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dの中心波長λC−1st、λC−2nd−A、λC−2nd−B、λC−3rd−A、λC−3rd−B、λC−3rd−C、λC−3rd−Dは、以下のように設定すれば良い。
λC−1st=λ
λC−2nd−A=λ
λC−2nd−B=λ+Δν
λC−3rd−A=λ+2Δν
λC−3rd−B=λ
λC−3rd−C=λ+Δν
λC−3rd−D=λ−Δν
また、各遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dに設けられる位相シフタ8による位相変化量(radian)は、以下のように設定すれば良い。
1段目の遅延干渉計1の位相シフタによる位相変化量φ1st=−π
2段目の一方の遅延干渉計2Aの位相シフタによる位相変化量φ2nd−A=+π
2段目の他方の遅延干渉計2Bの位相シフタによる位相変化量φ2nd−B=+0.5×π
3段目の第1遅延干渉計3Aの位相シフタによる位相変化量φ3rd−A=+π
3段目の第2遅延干渉計3Bの位相シフタによる位相変化量φ3rd−B=+1.5×π
3段目の第3遅延干渉計3Cの位相シフタによる位相変化量φ3rd−C=+0.25×π
3段目の第4遅延干渉計3Dの位相シフタによる位相変化量φ3rd−D=+0.75×π
これにより、各遅延干渉計2A、2B、3A〜3Dにおける光導波路6と遅延導波路7との光路長差及びリング共振器12A、12B、13A〜13Dの周回長が、上述のように、本波長合分波素子において合分波するチャネル間波長間隔Δνに応じて調整されたものとなる。
ここで、図8(A)、図8(B)は、このように構成される波長合分波素子における合分波スペクトル特性(透過スペクトル特性)を示しており、図8(A)はリング共振器への光結合率が約85%の場合、図8(B)はリング共振器への光結合率が約50%の場合を示している。
図8(A)、図8(B)に示すように、いずれの場合も、一定波長間隔毎、即ち、400GHzのチャネル間隔毎に、良好な合分波スペクトル特性を示している。また、図4に示す結果と同様に、リング共振器への光結合率が減少するにつれて、透過スペクトル特性の透過帯域幅(合分波帯域幅)が狭帯域化する傾向がある。
したがって、本実施形態にかかる波長合分波素子によれば、透過帯域幅を狭帯域化した波長合分波素子、即ち、優れた狭透過帯域幅を有する波長合分波素子を実現することができると利点がある。
なお、本発明は、上述した実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上述の実施形態では、7つの遅延干渉計を3段にカスケード接続した1×8チャネルの波長合分波素子を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、遅延干渉計のカスケード接続の段数は3段に限られるものではなく、合分波の対象となる光の最大チャネル数に応じて適宜にカスケード接続の段数を設定することができる。また、波長合分波素子が対応するチャネル間隔として400GHzの場合を例に挙げて説明したが、これに限られるものではなく、400GHz以外の任意のチャネル間隔についても、上述の実施形態の場合と同様にして波長合分波素子の各パラメータを適正化することによって対応することが可能である。
また、例えば、上述の実施形態では、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれに備えられる光導波路6とリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dとの間の光結合率を各段で同一にしているが、これに限られるものではない。例えば、複数の遅延干渉計1、2A、2B、3A〜3Dのそれぞれに備えられる光導波路6とリング共振器11、12A、12B、13A〜13Dとの間の光結合率を各段で異なるようにしても良い。
例えば、図9に示すように、1段目の遅延干渉計1におけるリング共振器11への光結合率をκM1とし、2段目の遅延干渉計2A、2Bにおけるリング共振器12A、12Bへの光結合率をκM2とし、3段目の遅延干渉計3A〜3Dにおけるリング共振器13A〜13Dへの光結合率をκM3とする場合、光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約65%、約45%、約5%とするか、又は、光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約85%、約75%、約65%とすれば良い。なお、リング共振器11、12A、12B、13A〜13Dへの光結合率の各段での設定は、これらに限られるものではない。
ここで、図10は、光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約65%、約45%、約5%とした場合と、光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約85%、約75%、約65%とした場合の本変形例の波長合分波素子の透過スペクトル特性を示している。
なお、図10では、リング共振器が設けられていない比較例の波長合分波素子の透過スペクトル特性も示している。また、図10中、実線Aは、光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約65%、約45%、約5%とした場合の透過スペクトル特性を示しており、実線Bは、光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約85%、約75%、約65%とした場合の透過スペクトル特性を示しており、実線Cは、比較例の場合の透過スペクトル特性を示している。また、ここでは、Fabry-Perot型キャビティを想定し、波長合分波素子を2回透過した場合の透過スペクトル特性を示している。
図10に示すように、比較例の波長合分波素子と比べ、本変形例の波長合分波素子は、透過帯域幅が著しく狭帯域化している。また、リング共振器への光結合率が小さくなるほど、透過帯域幅が狭帯域化することが分かる。つまり、リング共振器への光結合率が小さくなるほど、各遅延干渉計における差分位相変化の変化率が増し(図3参照)、この結果、本変形例の波長合分波素子の透過スペクトル特性の透過帯域幅が狭帯域化する傾向がある。
この場合、比較例の波長合分波素子、光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約85%、約75%、約65%とした場合の本変形例の波長合分波素子、及び、光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約65%、約45%、約5%とした場合の本変形例の波長合分波素子の透過スペクトル特性のフィーネスは、それぞれ、約12、約38、及び、約124と見積もられる。
このように、リング共振器への光結合率によって、本変形例の波長合分波素子の透過スペクトル特性の透過帯域幅を制御できることが分かる。これにより、リング共振器への光結合率を調整することで、安定した単一モード発振を得るのに必要な透過スペクトル特性の透過帯域幅、即ち、フィルタ帯域幅を、レーザキャビティ長に応じて、即ち、レーザキャビティ長に応じて変化するレーザの縦モード間隔に応じて、適正化することが可能となる。
ここで、図11(A)、図11(B)は、本変形例の波長合分波素子(1×8チャネル)における合分波スペクトル特性(透過スペクトル特性)を示しており、図11(A)は光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約85%、約75%、約65%とした場合、図11(B)は光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約65%、約45%、約5%とした場合を示している。
図11(A)、図11(B)に示すように、いずれの場合も、一定波長間隔毎、即ち、400GHzのチャネル間隔毎に、良好な合分波スペクトル特性を示している。また、上述の実施形態の場合と同様に、リング共振器への光結合率が減少するにつれて、透過スペクトル特性の透過帯域幅(合分波帯域幅)が狭帯域化する傾向がある。さらに、上述の実施形態の場合と比較して、狭帯域スペクトル特性を維持しながら、低クロストークを実現できることがわかる。つまり、上述の実施形態の各段のリング共振器への光結合率を約85%として一定とした場合[図8(A)参照]と比較して、光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約85%、約75%、約65%とした場合、図11(A)に示すように、狭帯域スペクトル特性を維持しながら、低クロストークを実現できることがわかる。また、上述の実施形態の各段のリング共振器への光結合率を約50%として一定とした場合[図8(B)参照]と比較して、光結合率κM1、κM2、κM3を、それぞれ、約65%、約45%、約5%とした場合、図11(B)に示すように、狭帯域スペクトル特性を維持しながら、低クロストークを実現できることがわかる。
次に、本実施形態にかかる多波長光源、即ち、上述の実施形態及び変形例の波長合分波素子を備える多波長光源について、図12、図13を参照しながら説明する。
本実施形態の多波長光源は、図12に示すように、上述の実施形態及び変形例の波長合分波素子30と、レーザ共振器を構成する第1及び第2反射鏡31、32と、利得媒質33と、光カプラ34とを備え、波長合分波素子30及び利得媒質33は、レーザ共振器の中に設けられている。つまり、上述の実施形態及び変形例の波長合分波素子30、及び、利得媒質33は、第1反射鏡31と第2反射鏡31との間に挟まれて設けられている。
ここでは、利得媒質33として、波長合分波素子30の1つの入出力チャネル(図12中、右側)に接続された1つの利得媒質が設けられている。ここで、利得媒質33は、半導体光増幅器(SOA:semiconductor optical amplifier)である。また、レーザ共振器は、ファブリ・フェロー(Fabry-Perot)キャビティである。なお、利得媒質を、光利得媒質、又は、半導体利得媒質ともいう。
このように構成される多波長光源では、波長合分波素子30によって合分波された各波長成分は、SOA33によって増幅され、第1及び第2反射鏡31、32によって光帰還作用を受けて、レーザ発振する。これにより、複数の波長のレーザ光(WDM光)を一括して生成することが可能である。そして、レーザ発振し、合波された各波長の光は、光カプラ34を介して、出力光として出力されることになる。特に、上述の実施形態及び変形例の波長合分波素子30を備え、これは、透過帯域幅を狭帯域化した波長合分波素子であるため、安定した単一モード発振が得られ、発振モード安定性の優れ、多波長レーザ発振を得ることができる多波長光源を実現することができる。なお、このような多波長光源を、Siフォトニクス多波長光源ともいう。
なお、多波長光源の構成は、これに限られるものではない。例えば図13に示すように、利得媒質33として、波長合分波素子30の複数の入出力チャネル(図13中、左側)のそれぞれに接続された複数の利得媒質33を設けて、多波長光源を構成することもできる。つまり、チャネル数分の利得媒質33(ここではSOA)を設けるようにしても良い。この場合、各波長のレーザ発振を個別に制御することが可能である。
次に、本実施形態にかかる多波長光送信器、即ち、上述の実施形態の多波長光源を備える多波長光送信器について、図14を参照しながら説明する。
本実施形態の多波長光送信器は、図14に示すように、上述の実施形態の多波長光源40と、この多波長光源40の出力側に接続された光変調器41とを備える。
ここでは、光変調器41は、リング共振器型光変調器である。このリング共振器型光変調器41は、多波長光源40の各発振波長に対応する複数(ここでは8つ)のリング共振器を備える光変調器であって、多波長光源40からの各発振波長の光を変調して、それぞれの波長成分に情報を載せて、WDM変調信号として出力しうるものである。ここでは、上述の実施形態の多波長光源40から、異なる発振波長(λ〜λ)の8つのレーザ光が合波されたWDM光が、光カプラ34を介して、このリング共振器型光変調器41へ出力され、このリング共振器型光変調器41でそれぞれの発振波長の光が変調されて、WDM変調信号として出力されるようになっている。このように、上述の実施形態の多波長光源40に、このようなリング共振器型光変調器41を組み合わせることで、高効率な多波長光送信器を構成することができる。なお、リング共振器型光変調器を、光変調器アレーともいう。
以下、上述の実施形態及び変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
多段にカスケード接続され、第1光カプラと、第2光カプラと、前記第1光カプラと前記第2光カプラとの間に設けられた光導波路及び遅延導波路とを備える複数の遅延干渉計と、
前記複数の遅延干渉計のそれぞれの前記光導波路に光結合された複数のリング共振器とを備え、
前記複数の遅延干渉計のそれぞれに備えられる前記光導波路と前記遅延導波路との光路長差は、各段で異なり、
前記複数の遅延干渉計のそれぞれに光結合された前記リング共振器の周回長は、各段で異なり、
前記複数の遅延干渉計のそれぞれにおいて、前記遅延干渉計の透過ピーク波長と前記リング共振器の共振波長とが一致するように構成されていることを特徴とする波長合分波素子。
(付記2)
前記複数の遅延干渉計のそれぞれにおいて、前記遅延干渉計に光結合された前記リング共振器の周回長が、前記遅延干渉計の前記光導波路と前記遅延導波路との光路長差の2倍又はその近傍になっていることを特徴とする、付記1に記載の波長合分波素子。
(付記3)
1段目の遅延干渉計として1つの遅延干渉計を備える場合、2段目以降の前記遅延干渉計における前記光導波路と前記遅延導波路との光路長差は、1段前段の前記遅延干渉計における前記光導波路と前記遅延導波路との光路長差の1/2又はその近傍になっていることを特徴とする、付記1又は2に記載の波長合分波素子。
(付記4)
S段目(Sは自然数)の前記遅延干渉計の数は2S−1となっており、
1段目の前記遅延干渉計における前記光導波路と前記遅延導波路との光路長差をLD1として、S段目の前記遅延干渉計における前記光導波路と前記遅延導波路との光路長差は2(1−S)×LD1又はその近傍となっており、S段目の遅延干渉計に光結合された前記リング共振器の周回長は2(2−S)×LD1又はその近傍となっていることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の波長合分波素子。
(付記5)
前記複数の遅延干渉計のそれぞれに備えられる前記光導波路と前記リング共振器との間の光結合率は、各段で同一であることを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の波長合分波素子。
(付記6)
前記複数の遅延干渉計のそれぞれに備えられる前記光導波路と前記リング共振器との間の光結合率は、各段で異なることを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の波長合分波素子。
(付記7)
前記複数の遅延干渉計のそれぞれに設けられた複数の位相シフタを備えることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の波長合分波素子。
(付記8)
前記リング共振器が前記光導波路に光結合されている領域は、方向性結合器を構成することを特徴とする、付記1〜7のいずれか1項に記載の波長合分波素子。
(付記9)
前記第1光カプラ及び前記第2光カプラは、方向性結合器又は多モード干渉カプラであることを特徴とする、付記1〜8のいずれか1項に記載の波長合分波素子。
(付記10)
付記1〜9のいずれか1項に記載の波長合分波素子と、
レーザ共振器を構成する第1及び第2反射鏡と、
利得媒質とを備え、
前記波長合分波素子及び前記利得媒質は、前記レーザ共振器の中に設けられていることを特徴とする多波長光源。
(付記11)
前記利得媒質は、前記波長合分波素子の1つの入出力チャネルに接続された1つの利得媒質であることを特徴とする、付記10に記載の多波長光源。
(付記12)
前記利得媒質は、前記波長合分波素子の複数の入出力チャネルのそれぞれに接続された複数の利得媒質であることを特徴とする、付記10に記載の多波長光源。
(付記13)
付記10〜12のいずれか1項に記載の多波長光源と、
前記多波長光源に接続された光変調器とを備えることを特徴とする多波長光送信器。
(付記14)
前記光変調器は、リング共振器型光変調器であることを特徴とする、付記13に記載の多波長光送信器。
1、2A、2B、3A〜3D 遅延干渉計
11、12A、12B、13A〜13D リング共振器
4 第1光カプラ
5 第2光カプラ
6 光導波路
7 遅延導波路
8 位相シフタ
20 Si基板
21 SiO(BOX)層
22 Siコア層
23 リブ導波路構造
24 SiO
25 チャネル導波路構造
30 波長合分波素子
31、32 第1及び第2反射鏡
33 利得媒質(SOA)
34 光カプラ
40 多波長光源
41 光変調器(リング共振器型光変調器)

Claims (6)

  1. 多段にカスケード接続され、第1光カプラと、第2光カプラと、前記第1光カプラと前記第2光カプラとの間に設けられた光導波路及び遅延導波路とを備える複数の遅延干渉計と、
    前記複数の遅延干渉計のそれぞれの前記光導波路に光結合された複数のリング共振器とを備え
    記複数の遅延干渉計のそれぞれにおいて、前記遅延干渉計の透過ピーク波長と前記リング共振器の共振波長とが一致するように構成されており、
    S段目(Sは自然数)の前記遅延干渉計の数は2 S−1 となっており、
    1段目の前記遅延干渉計における前記光導波路と前記遅延導波路との光路長差をL D1 として、S段目の前記遅延干渉計における前記光導波路と前記遅延導波路との光路長差は2 (1−S) ×L D1 又はその近傍となっており、S段目の遅延干渉計に光結合された前記リング共振器の周回長は2 (2−S) ×L D1 又はその近傍となっていることを特徴とする波長合分波素子
  2. 前記複数の遅延干渉計のそれぞれに備えられる前記光導波路と前記リング共振器との間の光結合率は、各段で同一であることを特徴とする、請求項1に記載の波長合分波素子。
  3. 前記複数の遅延干渉計のそれぞれに備えられる前記光導波路と前記リング共振器との間の光結合率は、各段で異なることを特徴とする、請求項1に記載の波長合分波素子。
  4. 前記複数の遅延干渉計のそれぞれに設けられた複数の位相シフタを備えることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の波長合分波素子。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の波長合分波素子と、
    レーザ共振器を構成する第1及び第2反射鏡と、
    利得媒質とを備え、
    前記波長合分波素子及び前記利得媒質は、前記レーザ共振器の中に設けられていることを特徴とする多波長光源。
  6. 請求項に記載の多波長光源と、
    前記多波長光源に接続された光変調器とを備えることを特徴とする多波長光送信器。
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