JP2013184644A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013184644A
JP2013184644A JP2012053210A JP2012053210A JP2013184644A JP 2013184644 A JP2013184644 A JP 2013184644A JP 2012053210 A JP2012053210 A JP 2012053210A JP 2012053210 A JP2012053210 A JP 2012053210A JP 2013184644 A JP2013184644 A JP 2013184644A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ball screw
screw nut
ball
bearing
rolling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012053210A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5953836B2 (ja
Inventor
Toshihiro Asakura
利浩 朝倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2012053210A priority Critical patent/JP5953836B2/ja
Priority to US13/782,556 priority patent/US8863598B2/en
Priority to EP13158001.1A priority patent/EP2636576B1/en
Priority to CN201310072503.5A priority patent/CN103303360B/zh
Publication of JP2013184644A publication Critical patent/JP2013184644A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5953836B2 publication Critical patent/JP5953836B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D3/00Steering gears
    • B62D3/02Steering gears mechanical
    • B62D3/04Steering gears mechanical of worm type
    • B62D3/06Steering gears mechanical of worm type with screw and nut
    • B62D3/08Steering gears mechanical of worm type with screw and nut using intermediate balls or the like
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0442Conversion of rotational into longitudinal movement
    • B62D5/0445Screw drives
    • B62D5/0448Ball nuts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H25/00Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms
    • F16H25/18Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms for conveying or interconverting oscillating or reciprocating motions
    • F16H25/20Screw mechanisms
    • F16H25/22Screw mechanisms with balls, rollers, or similar members between the co-operating parts; Elements essential to the use of such members
    • F16H25/2204Screw mechanisms with balls, rollers, or similar members between the co-operating parts; Elements essential to the use of such members with balls
    • F16H25/2214Screw mechanisms with balls, rollers, or similar members between the co-operating parts; Elements essential to the use of such members with balls with elements for guiding the circulating balls
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T74/00Machine element or mechanism
    • Y10T74/18Mechanical movements
    • Y10T74/18568Reciprocating or oscillating to or from alternating rotary
    • Y10T74/18576Reciprocating or oscillating to or from alternating rotary including screw and nut
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T74/00Machine element or mechanism
    • Y10T74/19Gearing
    • Y10T74/19642Directly cooperating gears
    • Y10T74/19698Spiral
    • Y10T74/19702Screw and nut
    • Y10T74/19744Rolling element engaging thread
    • Y10T74/19749Recirculating rolling elements
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T74/00Machine element or mechanism
    • Y10T74/19Gearing
    • Y10T74/19642Directly cooperating gears
    • Y10T74/19698Spiral
    • Y10T74/19702Screw and nut
    • Y10T74/19744Rolling element engaging thread
    • Y10T74/19749Recirculating rolling elements
    • Y10T74/19767Return path geometry

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】ボールの円滑な転動を確保することのできる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】ボール螺子装置22をラック軸3の外周に螺刻された螺子溝31とモータシャフト26と一体回転するボール螺子ナット33の内周に螺刻された螺子溝34とを対向させてなる螺旋状の転動路R1内に複数のボール32を配設することにより形成した。また、ボール螺子ナット33に対して取付孔42,43に循環部材41を装着することにより、転動路R1の二点間を短絡して転動路R1を転動する各ボール32の無限循環を可能とする還流路R2を形成した。そして、循環部材41の外面41aに、ボール螺子ナット33の径方向視で、還流路R2を循環するボール32の軌道上から外れた位置に突起61を形成し、この突起61が第2の軸受35の内輪35aの内周面に当接することで循環部材41がボール螺子ナット33に固定されるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
従来、ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する中空シャフトを備え、この中空シャフトの回転をボール螺子装置によってラック軸の軸方向移動に変換することで、操舵系にアシスト力を付与する所謂ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置(EPS)がある。
一般にこうしたボール螺子装置は、ラック軸の外周に螺刻された螺子溝とボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配設することにより形成されている。そして、各ボールは、転動路内においてラック軸及びボール螺子ナットに挟まれており、ラック軸に対してボール螺子ナットが相対回転したときに、ボール螺子ナット及びラック軸から負荷(摩擦力)を受けて転動路内を転動する。また、ボール螺子装置は、転動路に設定された二点間を短絡する還流路を有しており、転動路内を転動するボールは、この還流路を通過することにより、上記二点間を下流側から上流側へと還流される。このようにボール螺子装置は、その転動路を転動する各ボールが還流路を介して無限循環することにより、ボール螺子ナットの回転をラック軸の軸方向移動に変換する。
ところで、ボール螺子装置には、ボール螺子ナットを径方向に貫通する取付孔に対して、転動路からボールを掬い上げる機能及び転動路にボールを排出する機能を備えた循環部材(デフレクタ)を装着することにより、上記還流路が形成される所謂デフレクタ式のものが知られている(例えば、特許文献1,2)。そして、循環部材は、多くの場合、取付孔に圧入したり、接着剤を用いたりすることにより、ボール螺子ナットに固定されるようになっている。
特開2011−256901号公報 特開2011−80574号公報 特開平11−270647号公報
しかし、圧入により循環部材を取付孔に固定する場合には、その圧入荷重によって循環部材が僅かに変形するため、上記還流路に歪みが生じてボールの円滑な転動が妨げられる虞がある。また、接着剤により循環部材を取付孔に固定する場合には、同接着剤が転動路及び還流路内にはみ出てしまうことでボールの円滑な転動が妨げられる虞がある。このように従来の循環部材の固定方法では、ボールの円滑な転動が妨げられることで、例えば異音が発生するといった問題が生じる。
なお、特許文献3には、ボール螺子ナットを中空シャフトとしてのモータシャフトの内周に固定するとともに、循環部材の外面にモータシャフトの内周面に当接する突起を形成し、モータシャフトがこの突起を介して循環部材を支持するようにしたEPSが開示されている。しかし、特許文献3における突起は、転動路から掬い上げられるボール又は転動路へ排出されるボールから循環部材に作用する押圧力によって同循環部材ががたつくことを抑制するためのものであり、還流路をその延伸方向に対して横切るような直線状に形成されている。すなわち、突起は、ボール螺子ナットの径方向視で、還流路と重なる位置に形成されている。そのため、例えばボール螺子ナットをモータシャフトに組み付ける際等において、突起に対して径方向外側から外力が作用すると、還流路に歪みが生じ易いという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ボールの円滑な転動を確保することのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する中空シャフトと、前記中空シャフトの回転を前記ラック軸の軸方向移動に変換するボール螺子装置とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記ボール螺子装置は、前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝と前記中空シャフトと一体回転するボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配設することにより形成され、前記ボール螺子ナットには、該ボール螺子ナットを径方向に貫通する取付孔に循環部材を装着することにより、前記転動路の二点間を短絡して前記転動路を転動する各ボールの無限循環を可能とする還流路が形成されるものであって、前記循環部材の外面には、前記ボール螺子ナットの径方向視で、前記還流路を循環するボールの軌道上から外れた位置に突起が形成され、前記循環部材は、該循環部材の外周に配置される環状支持部材の内周面に前記突起が当接することにより前記ボール螺子ナットに固定されることを要旨とする。
上記構成によれば、循環部材は、その突起が環状支持部材の内周面に当接することで同環状支持部材により支持されてボール螺子ナットに固定されるため、圧入する場合のように循環部材が変形して還流路が歪むことや、接着剤を用いる場合のように転動路及び還流路に接着剤がはみ出ることを防止できる。そして、突起は、径方向視で還流路を循環するボールの軌道上から外れた位置、すなわち径方向視で還流路に重ならない位置に形成されるため、ボール螺子ナットに環状支持部材を組み付ける際等において、突起に径方向外側から外力が作用しても、還流路に歪みが生じ難くなる。これにより、ボールの円滑な転動を確保することができ、異音の発生等を抑制できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、前記ボール螺子ナットには、前記中空シャフトに係合する係合部が形成され、前記ボール螺子ナットが前記中空シャフトに対して前記係合部の係合が解除される方向へ移動可能な距離を所定距離に規制する規制部材を備え、前記係合部の長さが前記所定距離よりも長く設定されてなるものであって、前記ボール螺子ナットの外周に配置され、前記係合部の係合が解除される方向へ該ボール螺子ナットと一体的に移動可能に設けられる軸受を備え、前記規制部材は、前記軸受に対して前記係合部の係合が解除される方向に所定間隔を空けて対向配置され、前記環状支持部材は、前記軸受により構成されることを要旨とする。
ここで、例えば縁石衝突等によりラック軸に過大な衝撃荷重が作用すると、その衝撃荷重がラック軸からボール螺子ナットに伝達されて、ボール螺子ナットの係合部と中空シャフトの締結部分に緩みが発生することがある。そして、この緩みに起因して、ボール螺子ナットの係合部が中空シャフトの内部から脱落すると、ラック軸にアシスト力を適切に付与することができなくなる虞がある。
この点、上記構成によれば、ボール螺子ナットの係合部と中空シャフトとの間に緩みが生じてボール螺子ナットが中空シャフトに対して係合部の係合が解除される方向に所定距離だけ移動すると、軸受も同方向に移動する。そして、軸受が規制部材に接触してその移動が規制されると、ボール螺子ナットの移動が規制されるようになる。ここで、上記構成では、係合部の長さをボール螺子ナットが中空シャフトに対して移動可能な所定距離よりも長く設定しているため、ボール螺子ナットの係合部が中空シャフトの内部から脱落することを防止できる。これにより、簡易な構成で、ラック軸に衝撃荷重が作用してもボール螺子ナットと中空シャフトとの連結状態を維持することができ、中空シャフトからラック軸にアシスト力を適切に付与することができる。そして、このようにボール螺子ナットの抜け止めを行う軸受によって循環部材を同ボール螺子ナットに固定することで、別途環状支持部材を設ける場合に比べ、部品点数の増加を抑制して電動パワーステアリングの構成を簡素化することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、前記軸受は、単列の転がり軸受であることを要旨とする。
ここで、上記のように環状支持部材の内周面に当接する突起を介して循環部材を支持する構成では、循環部材は、ボール螺子ナットの中心から突起の先端までの長さが環状支持部材の内径と等しくなるように形成される。そのため、環状支持部材をボール螺子ナットの外周に組み付ける作業に緻密さが要求されるようになり、同環状支持部材の軸方向長さが長いと、その組み付け性が低下する。したがって、上記構成のように環状支持部材である軸受を単列の転がり軸受として、その軸方向長さを短くすることで、組み付け性を向上させることができる。
本発明によれば、ボールの円滑な転動を確保することのできる電動パワーステアリング装置を提供することができる。
第1実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成を示す断面図。 第1実施形態のボール螺子装置近傍の拡大断面図。 第1実施形態のボール螺子ナットの側面図。 図3のA−A断面図。 第1実施形態の循環部材の斜視図。 第1実施形態の循環部材をボール螺子ナットの径方向外側から見た平面図。 第1実施形態の循環部材をボール螺子ナットの周方向から見た正面図。 第1実施形態の循環部材をボール螺子ナットの軸方向から見た側面図。 図6のB−B断面図。 第1実施形態の循環部材に形成された突起の加工する際の説明図。 第1実施形態の電動パワーステアリング装置の動作例を示す断面図。 第2実施形態のボール螺子装置近傍の拡大断面図。 第2実施形態の循環部材をボール螺子ナットの径方向外側から見た平面図。 別例の循環部材をボール螺子ナットの径方向外側から見た平面図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング(EPS)1は、ステアリング操作により回転するピニオン軸2と、ピニオン軸2の回転に応じて軸方向(矢印a1,a2で示す方向)に往復動することにより転舵輪(図示略)の舵角を変更するラック軸3とを備えている。
詳述すると、EPS1は、略円筒状のラックハウジング5を備えており、ラックハウジング5内にラック軸3が挿通されている。ラックハウジング5は、略円筒状に形成されたセンターハウジング6と、センターハウジング6の一端側(矢印a1で示す方向)に固定されたギアハウジング7と、センターハウジング6の他端側(矢印a2で示す方向)に固定されたエンドハウジング8とからなる。なお、センターハウジング6とギアハウジング7との間、及びセンターハウジング6とエンドハウジング8との間には、Oリング11,12がそれぞれ介在されている。
ラック軸3は、ギアハウジング7に設けられたラックガイド13、及びエンドハウジング8に設けられた図示しないブッシュ(すべり軸受)により、その軸方向に沿って往復動可能に支持されている。また、ラックハウジング5内には、ピニオン軸2がラック軸3と斜交する状態で回転可能に支持されており、ラック軸3は、ラックガイド13によって付勢されることによりピニオン軸2と噛合している。なお、ピニオン軸2には、ステアリングシャフトが連結されており、その先端にはステアリングホイール(ともに図示略)が固定されている。そして、ステアリング操作に伴ってピニオン軸2が回転し、その回転がラック軸3の軸方向移動に変換されることにより、転舵輪の舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
また、EPS1は、その駆動源となるモータ21と、モータ21の回転をラック軸3の軸方向移動に変換するボール螺子装置22を備えている。つまり、本実施形態のEPS1は、所謂ラックアシスト型のEPSとして構成されている。
詳述すると、モータ21は、センターハウジング6の内周に固定されるステータ24と、ステータ24の内側に回転可能に設けられるロータ25とを備えたブラシレスモータとして構成されている。ロータ25は、中空円筒状に形成された中空シャフトとしてのモータシャフト26、及びモータシャフト26の外周に固定されるマグネット27を有している。モータシャフト26の矢印a1で示す方向の開口端26aは、第1の軸受28によって回転可能に支持されている。なお、第1の軸受28には、内外輪間に複数の転動体が2列に並んだ複列の転がり軸受(ボールベアリング)が採用されている。そして、モータ21は、モータシャフト26内にラック軸3が挿通されることにより、ラック軸3と同軸に配置されている。このように構成されたモータ21では、ステータ24に駆動電力が供給されることにより形成される磁界と、マグネット27との間に生じる磁気的な吸引力及び反発力によってモータシャフト26(ロータ25)が回転する。
ラック軸3は、その外周の一部に螺子溝31を螺刻することにより、螺子軸として構成されている。そして、ボール螺子装置22は、このラック軸3に複数のボール32を介してボール螺子ナット33を螺合することにより形成されている。
さらに詳述すると、図1及び図2に示すように、略円筒状に形成されたボール螺子ナット33の内周には、ラック軸3の螺子溝31と対応する螺子溝34が形成されている。そして、ボール螺子ナット33は、螺子溝34が螺子溝31と径方向において対向するように、モータシャフト26の矢印a2で示す方向の開口端26bに一体回転可能に固定されており、センターハウジング6の内周面に設けられた軸受としての第2の軸受35により回転可能に支持されている。これにより、螺子溝31,34によって螺旋状の転動路R1が形成されている。なお、第2の軸受35には、内外輪間に複数の転動体が1列に並んだ単列の転がり軸受(ボールベアリング)が採用されている。また、第2の軸受35とセンターハウジング6との間にはOリング36が介在されている。
上記転動路R1内には、複数のボール32が配設されており、各ボール32は、ラック軸3の螺子溝31と、ボール螺子ナット33の螺子溝34とに挟まれている。また、ボール螺子ナット33には、螺子溝34内の二箇所に設定された接続点P1,P2に開口する還流路R2が形成されている。そして、転動路R1は、この還流路R2により、その開口位置に対応する二つの接続点P1,P2間が短絡されている。
したがって、ボール螺子装置22において、各ボール32は、ラック軸3に対してボール螺子ナット33が相対回転したときに、ラック軸3及びボール螺子ナット33から負荷(摩擦力)を受けて転動路R1内を転動することにより、ラック軸3にボール螺子ナット33のトルクを伝達し、ラック軸3をボール螺子ナット33に対して軸方向移動させる。また、転動路R1内を転動して転動路R1の一端(接続点P1又は接続点P2)に到達した各ボール32は、ボール螺子ナット33に形成された上記還流路R2を通過することにより、転動路R1の他端(接続点P2又は接続点P1)に排出され、転動路R1に設定された二つの接続点P1,P2間を下流側から上流側へと移動する。つまり、ボール螺子装置22は、その転動路R1を転動する各ボール32が還流路R2を介して無限循環することにより、ボール螺子ナット33の回転をラック軸3の軸方向移動に変換することが可能となっている。そして、EPS1は、モータ21を用いてボール螺子ナット33を回転駆動し、そのトルクを軸方向の押圧力としてラック軸3に伝達することにより、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する構成となっている。
ここで、ボール螺子装置22では、上記還流路R2は、ボール螺子ナット33に対して上記転動路R1からボール32を掬い上げる機能及び転動路R1にボール32を排出する機能を備えた循環部材(デフレクタ)41を装着することにより形成されている。つまり、ボール螺子装置22は、所謂デフレクタ式のボール螺子装置として構成されている。なお、本実施形態の循環部材41は、加熱溶融した金属を成形金型に射出して成形する金属射出成形(MIM:Metal Injection Molding)により製造されており、還流路R2の延伸方向に沿って二分割された形状の部材を組み付けることにより形成されている。
詳述すると、図3及び図4に示すように、ボール螺子ナット33には、上記二つの接続点P1,P2に対応する位置に、ボール螺子ナット33を径方向に貫通する一対の取付孔42,43が形成されている。なお、接続点P1,P2は、ボール螺子ナット33の軸方向において、その間に複数列の螺子溝34を挟む位置に設定されており、転動路R1及び還流路R2により1つの循環経路が形成されている(図2参照)。また、各取付孔42,43は、断面略小判型に形成されるとともに、ボール螺子ナット33の周方向(図3における上下方向)において、互いにずれた位置に形成されている。そして、ボール螺子ナット33の外周面33aには、これら取付孔42,43間を接続する溝状の取付凹部44が形成されている。
一方、図5〜図8に示すように、循環部材41は、取付孔42,43にそれぞれ挿入される一対の挿入部51,52と、これら挿入部51,52間を連結する連結部53とを有している。なお、循環部材41は、ボール螺子ナット33の径方向視で、連結部53(循環部材41)の中心に関して点対称となるように形成されており、挿入部51を取付孔42に挿入するとともに挿入部52を取付孔43に挿入すること、及び挿入部51を取付孔43に挿入するとともに挿入部52を取付孔42に挿入することが可能となっている。
具体的には、各挿入部51,52は、各取付孔42,43の断面形状に対応した略小判型に形成されている。そして、挿入部51,52には、挿入端(図7における下端)51a,52a側に開口するとともに、挿入端51a,52aから基端(図7における上端)51b,52b側に向って滑らかに湾曲しつつ延出されて連結部53に繋がる挿入孔54,55が形成されている。また、挿入端51a,52aには、上記転動路R1内を転動した各ボール32を挿入孔54,55に掬い上げるためのベロ部56,57が、ラック軸3の螺子溝31内に挿入されるように突出して形成されている。
連結部53は、挿入部51,52の基端51b,52bを連結するようにこれら挿入部51,52間に形成されている。そして、連結部53は、上記取付凹部44の内面に当接して同取付凹部44に嵌合可能な略四角形状に形成されている(図3及び図4参照)。また、図9に示すように、連結部53には、その挿入端(図8における下端)53a側に開口した連結溝58が形成されている。連結溝58は、連結部53の軸線Mに沿って略直線状に形成されており、その両端が挿入孔54,55に連通されている。そして、連結溝58の延伸方向と直交する断面は、挿入端53a側の一部が切り欠かれた円形状に形成されており、連結溝58を通過する各ボール32が挿入端53aによって支持されるようになっている。
このように構成された循環部材41は、その挿入部51,52が、それぞれ対応する取付孔42,43に挿入されるとともに、その連結部53が、取付凹部44に嵌着されることにより、ボール螺子ナット33に装着される。そして、上記還流路R2は、循環部材41をボール螺子ナット33に装着することにより、挿入部51,52の挿入孔54,55及び連結部53の連結溝58によって形成されるようになっている。
図5及び図6に示すように、循環部材41におけるボール螺子ナット33の径方向外側の面である外面41aには、ボール螺子ナット33の径方向視で、還流路R2を循環するボール32の軌道上から外れた位置、すなわち径方向視で還流路R2に重ならない位置に複数の突起61が形成されている。そして、図2において拡大して示すように、循環部材41は、突起61がボール螺子ナット33の外周に配置される上記第2の軸受35の内輪35aの内周面に当接することで第2の軸受35に支持されてボール螺子ナット33に固定されている。すなわち、本実施形態では、第2の軸受35(内輪35a)が環状支持部材に相当する。
詳述すると、図3及び図4に示すように、ボール螺子ナット33の外周面33aには、上記取付凹部44の周縁を囲むように同取付凹部44に連通する浅溝62が形成されている。一方、図5〜図8に示すように、連結部53の基端(図6における上端)53bには、この浅溝62に対応する一対のフランジ63が形成されている。
図8に示すように、循環部材41の外面41aは、ボール螺子ナット33の軸方向視で、ボール螺子ナット33の中心までの長さが内輪35aの内径よりも僅かに小さな円弧状に形成されている。そして、ボール螺子ナット33の中心から突起61の先端までの長さは、第2の軸受35の内輪35aの内径と等しくなるように形成されている。
図6に示すように、各突起61は、外面41aにおいて、挿入部51,52の中央側縁部上及び各フランジ63上に跨る略L字状に形成されており、第2の軸受35に対して線接触するようになっている。詳しくは、各突起61の挿入部51,52の中央側縁部上に形成された第1辺部64は、ボール螺子ナット33の径方向視で、挿入部51,52の長手方向に沿った直線状に形成されている。一方、各突起61のフランジ63上に形成された第2辺部65は、ボール螺子ナット33の径方向視で、第1辺部64に連続するとともに連結溝58の延伸方向に沿った直線状に形成されている。また、各突起61は、ボール螺子ナット33の径方向視で、連結部53の中心に対して点対称となる位置に形成されている。
一方、図2に示すように、第2の軸受35の軸方向長さは、循環部材41の軸方向長さよりも短く、上記突起61のいずれか一方にのみ当接可能な長さに形成されている。そして、循環部材41は、挿入部51の中央側縁部とフランジ63とに跨って形成された突起61のみが第2の軸受35に当接することで、ボール螺子ナット33に固定されるようになっている。
また、ボール螺子ナット33には、モータシャフト26の開口端26bからその内部に挿入されて一体回転可能に係合する係合部71が形成されている。係合部71は、モータシャフト26の内周面における開口端26bよりも内部側に形成された螺子穴72に螺入される螺子部73、及び開口端26bの内面に嵌合されるインロー部74を有している。そして、係合部71の螺子部73とモータシャフト26の螺子穴72との締結構造を通じて、モータシャフト26にボール螺子ナット33が係合、連結されている。係合部71の長さ(より詳細にはその軸方向長さ)L1は、螺子部73の長さL2とインロー部74の長さL3とを加算した長さ(L2+L3)となっている。
ボール螺子ナット33の外周面33aには、循環部材41よりも矢印a1で示す方向に位置し、軸方向において第2の軸受35の内輪35aと対向する段差部75が形成されている。これにより、第2の軸受35は、段差部75に当接することで、矢印a2で示す方向、すなわち係合部71の係合が解除される方向にボール螺子ナット33と一体で移動可能となっている。なお、ボール螺子ナット33の矢印a1で示す方向の端部の外径は内輪35aの内径と略等しく形成されるとともに、矢印a2で示す方向の端部の外径は内輪35aの内径よりも僅かに小さく形成されており(図3参照)、矢印a2で示す方向の端部から容易に第2の軸受35を嵌合させることが可能になっている。
第2の軸受35は、段差部75との間に矢印a1で示す方向に幅L4の隙間を隔てるとともに、規制部材としてのエンドハウジング8の端部8aとの間に矢印a2で示す方向に幅L5の隙間を隔てて配置されている。また、エンドハウジング8の端部8aの内径は、第2の軸受35の外輪35bの内径と略同一の長さに設定されており、この端部8aは、第2の軸受35の外輪35bにのみエンドハウジング8の端部8aが接触するようになっている。このようにボール螺子ナット33の段差部75と第2の軸受35との間、並びに第2の軸受35とエンドハウジング8との間に隙間をそれぞれ設けることで、その隙間の部分で電動パワーステアリング装置の構成部品の組み付け誤差を吸収することが可能となっており、EPS1の組み付け性の向上が図られている。そして、ボール螺子ナット33の段差部75と第2の軸受35との間の隙間の幅L4、及びエンドハウジング8と第2の軸受35との間の隙間の幅L5を加算した長さ(L4+L5)は、ボール螺子ナット33の係合部71の長さL1よりも短く設定されている。
次に、ボール螺子ナットへの第2の軸受の組み付けについて説明する。
図10に示すように、ボール螺子ナット33の外周に第2の軸受35を組み付ける前の状態での突起61´は、その先端からボール螺子ナット33の中心までの長さが第2の軸受35の内輪35aの内径よりも長くなるように形成されている。そこで、同図に示すように、循環部材41をボール螺子ナット33に装着した後に、内輪35aの内径と等しい内径を有する環状の加工工具Tを用いて突起61の一部を除去する。具体的には、循環部材41が装着されたボール螺子ナット33を、その段差部75の手前まで加工工具T内にくぐらせることで、突起61の一部を切削する。これにより、突起61の先端からボール螺子ナット33の中心までの長さを第2の軸受35の内輪35aの内径と等しくする。そして、第2の軸受35をボール螺子ナット33の外周に嵌合させ、循環部材41が装着された部位に配置して突起61を内輪35aの内周面に当接させることで、循環部材41がボール螺子ナット33に固定されるようになっている。
次に、本実施形態のEPSの作用について説明する。
例えば車両の転舵輪が縁石に衝突したときに、ラック軸3に過大な衝撃荷重が作用することで、ボール螺子ナット33がモータシャフト26に対して矢印a2で示す方向(係合部71の係合が解除される方向)に相対移動する場合がある。この場合、ボール螺子ナット33が矢印a2で示す方向に移動すると、ボール螺子ナット33の段差部75によって第2の軸受35が矢印a2で示す方向に押圧される。そして、図11に示すように、第2の軸受35がエンドハウジング8の端部8aに当接すると、それ以上の第2の軸受35の移動が規制される。したがって、ボール螺子ナット33がモータシャフト26に対して相対移動可能な距離は、先の図2に示したボール螺子ナット33の段差部75と第2の軸受35との間の隙間の幅L4、及びエンドハウジング8と第2の軸受35との間の隙間の幅L5を加算した長さ(L4+L5)となる。ここで、本実施形態では、ボール螺子ナット33の係合部71の長さL1が、上記幅L4と幅L5を加算した長さ(L4+L5)よりも長く設定されているため、モータシャフト26の内部からボール螺子ナット33の係合部71が脱落することがない。これにより、ラック軸3に衝撃荷重が作用した場合であっても、ボール螺子ナット33とモータシャフト26との連結状態を維持することができるため、モータシャフト26からラック軸3に適切にアシスト力を付与することができる。また、この構成では、ボール螺子ナット33とモータシャフト26との間にかしめ構造(例えば、特許文献1)を設ける必要がないため、パワーステアリング装置の製造工数を低減することも可能となる。さらに、ボール螺子ナット33が矢印a2で示す方向に移動したときに、第2の軸受35の外輪35bにのみエンドハウジング8の端部8aが当接するため、第2の軸受35の内輪35aの回転が妨げられないようになっている。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)循環部材41の外面41aに、ボール螺子ナット33の径方向視で、還流路R2を循環するボール32の軌道上から外れた位置に突起61を形成し、内輪35aの内周面に突起61が当接することで循環部材41がボール螺子ナット33に固定されるようにした。上記構成によれば、循環部材41は、その突起61が内輪35aの内周面に当接することで第2の軸受35により支持されてボール螺子ナット33に固定されるため、圧入する場合のように循環部材41が変形して還流路R2が歪むことや、接着剤を用いる場合のように転動路R1及び還流路R2に接着剤がはみ出ることを防止できる。そして、突起61は、径方向視で還流路R2を循環するボール32の軌道上から外れた位置に形成されるため、ボール螺子ナット33に第2の軸受35の内輪35aを組み付ける際等において、突起61に径方向外側から外力が作用しても、還流路R2に歪みが生じ難くなる。これにより、ボール32の円滑な転動を確保することができ、異音の発生等を抑制できる。
(2)ボール螺子ナット33がモータシャフト26に対して軸方向に相対移動可能な距離がボール螺子ナット33の係合部71の長さL1よりも短くなるように、エンドハウジング8の端部8aを第2の軸受35に対向配置した。これにより、簡易な構成で、ラック軸3に衝撃荷重が作用した場合であっても、ボール螺子ナット33の係合部71がモータシャフト26の内部から脱落することを防止することができるようになる。そして、このようにボール螺子ナット33の抜け止めを行う第2の軸受35によって循環部材41をボール螺子ナット33に固定することで、別途第2の軸受35の内輪35aを設ける場合に比べ、部品点数の増加を抑制してEPS1の構成を簡素化することができる。
(3)第2の軸受35に単列の転がり軸受を採用した。ここで、上記のように循環部材41は、ボール螺子ナット33の中心から突起61の先端までの長さが内輪35aの内径と等しくなるように形成される。そのため、第2の軸受35をボール螺子ナット33の外周に組み付ける作業に緻密さが要求されるようになり、第2の軸受35の軸方向長さが長いと、その組み付け性が低下する。したがって、上記構成のように第2の軸受35の内輪35aを単列の転がり軸受として、その軸方向長さを短くすることで、組み付け性を向上させることができる。
(4)循環部材41の挿入部51,52をボール螺子ナット33の取付孔42,43のいずれにも挿入可能に形成するとともに、突起61を連結部53の中心に対して点対称となる位置に形成した。そのため、挿入部51,52を取付孔42,43のいずれに挿入して循環部材41をボール螺子ナット33に装着した場合でも、いずれかの突起61が第2の軸受35の内輪35aに当接するようになる。したがって、挿入部51,52をそれぞれ特定の挿入孔54,55に挿入させて循環部材41をボール螺子ナット33に装着せずともよく、その組み付け性の向上を図ることができる。
(5)突起61が第2の軸受35の内輪35aの内周面に線接触するように形成したため、点接触する場合に比べ、循環部材41をボール螺子ナット33に安定して固定することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態のボール螺子ナット33は、モータシャフト26内に挿入されており、その開口端26bに固定されたロックナット81によって固定されている。そして、ボール螺子ナット33には、複数(本実施形態では、4つ)の取付孔82が形成されており、各取付孔82に対して循環部材83を取着することにより、独立した複数の循環経路が形成されている。
詳述すると、各取付孔82は、螺子溝34の螺旋形状に沿うように90°ずつオフセットされた位置、すなわちボール螺子ナット33の軸方向及び周方向に沿って等間隔にずれた位置において、その隣接する二列を周方向に一部切り欠くような長孔状に形成されている。各循環部材83は、取付孔82の断面形状に対応した断面略小判型に形成されており、各循環部材83には、ボール32が通過可能な通路84が形成されている。図13に示すように、通路84は、ボール螺子ナット33の径方向視で、平行に形成された転動路R1の一端と他端とをなめらかに接続するべく、湾曲した形状に形成されるとともに、その湾曲方向が通路84の中央で変化する略S字状に形成されている。そして、各循環部材83が取付孔82に取着されることにより、通路84の両端が隣接する二列の螺子溝34にそれぞれ開口する。これにより、転動路R1内を転動するボール32が通路84における上流側の開口部から通路84内に掬い上げられ、通路84における下流側の開口部から転動路R1へと排出される。つまり、上記還流路R2は、各循環部材83の通路84によって形成されるようになっている。そして、各ボール32は、ボール螺子ナット33とラック軸3との相対回転により、それぞれ各循環経路内において約一巻き分だけ上流側に還流されて当該各循環経路内を無限循環する。
図12に示すように、ボール螺子ナット33の外周面33aには、取付孔82の周縁を囲むように同取付孔82に連通する浅溝91が形成されている。一方、各循環部材83には、浅溝91に嵌合するフランジ92が形成されている。循環部材83の外面41aは、ボール螺子ナット33の中心までの長さがモータシャフト26の開口端26bの内径よりも僅かに短くなるように湾曲している。図13に示すように、突起93は、略半球状形成されるとともに、循環部材83の外面83aにおいて、ボール螺子ナット33の径方向視で、還流路R2を循環するボール32の軌道上から外れた位置に形成されている。また、突起93は、循環部材83の中心に対して点対称となる位置に形成されている。そして、循環部材83は、各突起93がモータシャフト26の内周面に当接することでモータシャフト26に支持されてボール螺子ナット33に固定されている。すなわち、本実施形態では、モータシャフト26が環状支持部材に相当する。
なお、モータシャフト26へのボール螺子ナット33の組み付けは、上記第1実施形態と同様に、先ず循環部材83をボール螺子ナット33に装着した状態で、加工工具Tを用いて突起93の一部を切削することにより、その先端からボール螺子ナット33の中心までの長さを開口端26bの内径と等しくする。その後、ボール螺子ナット33をモータシャフト26内に挿入し、突起93を開口端26bの内周面に当接させることで、循環部材83がボール螺子ナット33に固定されるようになっている。
以上記述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1),(4)と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記第1実施形態において、循環部材41の外面41aに、L字状の突起61を形成したが、これに限らず、例えば図14に示すように、フランジ63に連結溝58の延伸方向に沿った直線状の突起61を複数形成してもよい。要は、ボール螺子ナット33の径方向視で、突起61が還流路R2を循環するボール32の軌道上から外れた位置に形成されていればよく、内輪35aの内周面に線接触する直線状や曲線状、あるいは点接触する半球状等、突起61の形状は適宜変更可能である。同様に、上記第2実施形態において、突起93の形状は適宜変更可能である。
・上記第1実施形態では、第2の軸受35に単列の転がり軸受を採用したが、これに限らず、例えば複列の転がり軸受等、他の軸受を採用してもよい。
・上記第1実施形態では、ボール螺子ナット33の係合部71とモータシャフト26との連結を螺子による締結によって行った。しかし、これに限らず、例えばボール螺子ナット33の係合部71とモータシャフト26の開口端26bとの間に板バネ(トレランスリング)を介在させ、同板バネの弾性力に応じた摩擦抵抗によってボール螺子ナット33とモータシャフト26とを係合、連結させてもよい。
・上記第1実施形態では、第2の軸受35の矢印a2で示す方向の移動を規制する部材としてエンドハウジング8を用いたが、これに限らず、例えばセンターハウジング6の内周面に軸方向において第2の軸受35と対向する規制部材を固定し、この規制部材によって第2の軸受35の矢印a2で示す方向の移動を規制してもよい。
・上記各実施形態では、突起61,93を、ボール螺子ナット33の径方向視で、循環部材41,83の点対称となる位置に形成したが、点対称とならない位置に形成してもよい。例えば、上記第1実施形態において、循環部材41に挿入部51の中央側縁部とフランジ63とに跨って形成された突起61のみを形成してもよい。
・上記各実施形態では、本発明をモータ21及び中空シャフトとしてのモータシャフト26がラック軸3と同軸に配置されたラックアシスト型のEPS1に具体化した。しかし、これに限らず、所謂ラッククロス型やラックパラレル型等、ハウジング外部に設けられたモータにより、ラック軸の挿通された中空シャフトを駆動する形式のEPSに具体化してもよい。
1…電動パワーステアリング(EPS)、3…ラック軸、8…エンドハウジング、22…ボール螺子装置、26…モータシャフト、31,34…螺子溝、32…ボール、33…ボール螺子ナット、35…第2の軸受、41,83…循環部材、41a,83a…外面、42,43,82…取付孔、61,93…突起、71…係合部、L1,L2,L3…長さ、L4,L5…幅、R1…転動路、R2…還流路。

Claims (3)

  1. 軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する中空シャフトと、前記中空シャフトの回転を前記ラック軸の軸方向移動に変換するボール螺子装置とを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記ボール螺子装置は、前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝と前記中空シャフトと一体回転するボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配設することにより形成され、
    前記ボール螺子ナットには、該ボール螺子ナットを径方向に貫通する取付孔に循環部材を装着することにより、前記転動路の二点間を短絡して前記転動路を転動する各ボールの無限循環を可能とする還流路が形成されるものであって、
    前記循環部材の外面には、前記ボール螺子ナットの径方向視で、前記還流路を循環するボールの軌道上から外れた位置に突起が形成され、
    前記循環部材は、該循環部材の外周に配置される環状支持部材の内周面に前記突起が当接することにより前記ボール螺子ナットに固定されることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記ボール螺子ナットには、前記中空シャフトに係合する係合部が形成され、
    前記ボール螺子ナットが前記中空シャフトに対して前記係合部の係合が解除される方向へ移動可能な距離を所定距離に規制する規制部材を備え、前記係合部の長さが前記所定距離よりも長く設定されてなるものであって、
    前記ボール螺子ナットの外周に配置され、前記係合部の係合が解除される方向へ該ボール螺子ナットと一体的に移動可能に設けられる軸受を備え、
    前記規制部材は、前記軸受に対して前記係合部の係合が解除される方向に所定間隔を空けて対向配置され、
    前記環状支持部材は、前記軸受により構成されることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記軸受は、単列の転がり軸受であることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
JP2012053210A 2012-03-09 2012-03-09 電動パワーステアリング装置 Expired - Fee Related JP5953836B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012053210A JP5953836B2 (ja) 2012-03-09 2012-03-09 電動パワーステアリング装置
US13/782,556 US8863598B2 (en) 2012-03-09 2013-03-01 Electric power steering system
EP13158001.1A EP2636576B1 (en) 2012-03-09 2013-03-06 Electric power steering system
CN201310072503.5A CN103303360B (zh) 2012-03-09 2013-03-07 电动动力转向装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012053210A JP5953836B2 (ja) 2012-03-09 2012-03-09 電動パワーステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013184644A true JP2013184644A (ja) 2013-09-19
JP5953836B2 JP5953836B2 (ja) 2016-07-20

Family

ID=47832970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012053210A Expired - Fee Related JP5953836B2 (ja) 2012-03-09 2012-03-09 電動パワーステアリング装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8863598B2 (ja)
EP (1) EP2636576B1 (ja)
JP (1) JP5953836B2 (ja)
CN (1) CN103303360B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015132308A (ja) * 2014-01-10 2015-07-23 株式会社ジェイテクト デフレクタ、ボールねじ装置、ボールねじ装置の製造方法、及びステアリング装置

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW201416585A (zh) * 2012-10-17 2014-05-01 Hiwin Mikrosystem Corp 螺桿往復運動之內轉式直驅機構
US20140311263A1 (en) * 2013-04-17 2014-10-23 Ford Global Technologies, Llc Worm and wheel power steering gearbox
US9482325B2 (en) * 2013-07-03 2016-11-01 Goodrich Corporation Systems and methods for load cell and multi-row thrust bearing integration with ball screw and actuator drive unit housing
US10160483B2 (en) * 2013-10-29 2018-12-25 Steering Solutions Ip Holding Corporation Retainer assembly for power steering system
JP6413328B2 (ja) * 2014-05-09 2018-10-31 株式会社ジェイテクト ボールねじ機構及びステアリング装置
CN104787110A (zh) * 2015-04-02 2015-07-22 常州机电职业技术学院 一种电动助力转向机
JP2017137953A (ja) * 2016-02-04 2017-08-10 株式会社ジェイテクト ボールねじ及びステアリング装置
US20180363746A1 (en) * 2016-02-10 2018-12-20 Nsk Ltd. Ball recirculation tube and ball screw device
DE102016007542A1 (de) * 2016-06-22 2017-12-28 Thyssenkrupp Ag Kugelgewindetrieb einer elektromechanischen Servolenkung mit Umlenkkörper für eine Kugelrückführung
CN106184355B (zh) * 2016-09-18 2018-05-04 重庆乔麦科技有限公司 一种电动双螺旋式转向机
US10801595B2 (en) * 2017-11-06 2020-10-13 Jtekt Corporation Ball screw device and steering device
FR3079583B1 (fr) * 2018-04-03 2020-03-06 Aktiebolaget Skf Dispositif de poulie pour galet tendeur ou enrouleur
US11572936B2 (en) * 2019-02-28 2023-02-07 Hl Mando Corporation Ball return tube for ball nut assembly
CN113490802B (zh) * 2019-03-29 2024-03-19 日立安斯泰莫株式会社 滚珠丝杠装置和使用了该滚珠丝杠装置的车辆用转向装置
JP7326846B2 (ja) * 2019-04-23 2023-08-16 株式会社ジェイテクト ボール螺子装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003113921A (ja) * 2001-10-05 2003-04-18 Koyo Seiko Co Ltd ボールねじ装置
JP2003231474A (ja) * 2002-02-08 2003-08-19 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2011042212A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11198828A (ja) * 1998-01-20 1999-07-27 Mitsuba Corp 電気式動力操舵装置
JP4004132B2 (ja) 1998-03-23 2007-11-07 株式会社ショーワ デフレクタ式ボールねじおよびその組付方法
KR20020062569A (ko) * 2001-01-22 2002-07-26 고요 세이코 가부시키가이샤 전동 파워 스티어링 장치
JP2003090410A (ja) * 2001-09-17 2003-03-28 Toyoda Mach Works Ltd 複数循環通路に分割されているボールねじ
JP2003314658A (ja) * 2002-04-24 2003-11-06 Toyoda Mach Works Ltd ボールねじ装置及び電気式動力舵取装置
JP4716244B2 (ja) * 2004-09-30 2011-07-06 日本精工株式会社 ボールねじ機構
JP5527028B2 (ja) * 2010-06-07 2014-06-18 株式会社ジェイテクト ボール螺子装置及び電動パワーステアリング装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003113921A (ja) * 2001-10-05 2003-04-18 Koyo Seiko Co Ltd ボールねじ装置
JP2003231474A (ja) * 2002-02-08 2003-08-19 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2011042212A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015132308A (ja) * 2014-01-10 2015-07-23 株式会社ジェイテクト デフレクタ、ボールねじ装置、ボールねじ装置の製造方法、及びステアリング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5953836B2 (ja) 2016-07-20
US20130233103A1 (en) 2013-09-12
EP2636576B1 (en) 2017-07-12
EP2636576A2 (en) 2013-09-11
EP2636576A3 (en) 2015-01-14
CN103303360A (zh) 2013-09-18
CN103303360B (zh) 2016-09-07
US8863598B2 (en) 2014-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5953836B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
EP2110580B1 (en) Ball screw mechanism and electric power steering device using the same
US10259488B2 (en) Steering system
US9802641B2 (en) Steering system
CN107571910B (zh) 齿条辅助型电动转向装置
US20200017138A1 (en) Steering system
US20140353070A1 (en) Steering system
JP5978903B2 (ja) ボール螺子装置及びこれを備えた電動パワーステアリング装置
JP2008174024A (ja) 電動式パワーステアリング装置
WO2016052477A1 (ja) 電動アクチュエータ
US20190092379A1 (en) Steering system
JP6264880B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
EP3748197B1 (en) Turning unit
US9175761B2 (en) Drive device for the road wheels of a vehicle
CN111824240A (zh) 滚珠丝杠装置
JP2019158105A (ja) ステアリング装置
JP2009262777A (ja) 操舵補助装置のウォーム支持構造およびそれに用いるブッシュ
US9017210B2 (en) Drive device for the road wheels of a vehicle
JP4775219B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
KR101516800B1 (ko) 볼 케이지
CN113874274A (zh) 齿条驱动型动力辅助转向装置
JP2009166684A (ja) 電動パワーステアリング装置用の電動アシスト機構
JP2014101898A (ja) ボール螺子装置及びこれを備えた電動パワーステアリング装置
JP2012166718A (ja) 電動パワーステアリング装置
KR101452556B1 (ko) 랙구동형 동력 보조 조향장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160229

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5953836

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees