JP2013183171A - 光位相同期ループ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】数十GHzまでの広帯域での精度良い乗算が可能な広帯域アナログ演算器を用いることなく、高ビットレートの信号に対して復調することのできる光位相同期ループ装置を提供する。
【解決手段】干渉信号生成手段20と、変調電気信号生成手段22と、強度保持手段30と、アナログ演算手段40と、局部発振光生成手段50とを備えて構成される。強度保持手段は、干渉信号生成手段と変調電気信号生成手段で生成された、I軸信号及びQ軸信号の強度を所定の期間保持して、第1及び第2の強度保持信号を生成する。アナログ演算手段は、第1及び第2の強度保持信号から、位相誤差信号を生成する。局部発振光生成手段は、位相誤差信号に基づいて、局部発振光の位相又は周波数を設定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、特に、ホモダイン検波による位相変調信号の受信に用いて好適な光位相同期ループ装置に関する。
昨今の光通信の大容量化に伴い、従来の強度変調と比べて、多値化による帯域利用効率の向上が容易な、位相変調などを用いたコヒーレント通信が注目されている。位相変調を用いた通信では、位相に情報を重畳して送信する。
コヒーレント通信での受信方法には、ホモダイン検波による受信方法や、ヘテロダイン検波による受信方法がある。ホモダイン検波では、位相変調された受信信号の搬送波と、周波数及び位相が一致した局部発振光を受信端で生成し、受信信号の搬送波と、局部発振光とを干渉させて復調を行う。ヘテロダイン検波では、位相変調された受信信号の搬送波と、周波数がわずかに異なる局部発振光とを干渉させて、ダウンコンバートして復調を行う。ホモダイン検波及びヘテロダイン検波は、いずれも、受信信号と局部発振光の位相同期回路を用いて実現可能である。
ホモダイン検波による通信では、非特許文献1に開示されている光位相同期ループ技術が知られている。この非特許文献1に開示されている技術では、受信する2値位相変調(BPSK:Binary Phase Shift Keying)信号の変調度を100%未満に設定することにより、BPSK信号にキャリアを残留させ、この残留したキャリアに対する位相同期を行うことでホモダイン検波を実施している。この場合、キャリアが残留しているため、すなわち、変調度が100%でないため、理論的に復調信号の信号/ノイズ比(SNR:Signal to Noise Ratio)が劣化する。これは、受信信号の搬送波と局部発振光とを干渉させた際にBPSK信号のベースバンドが混入することに起因する。
一方、変調度100%の位相変調(PSK)信号を復調するには、PSK信号に搬送波のスペクトル成分が含まれないため、PSK信号から受信信号の搬送波と局部発振光の位相差を抽出する手段が必要である。この位相差を抽出する手段として、逓倍法やコスタスループが知られている。
例えば、BPSK信号では、搬送波に対して位相がπだけずれた2値で位相変調が施されている。搬送波を単純に逓倍する逓倍法を用いると、例えば2逓倍の場合、搬送波の位相0又はπが2逓倍されて、0又は2πとなって現れる。三角関数の周期性により、それぞれのタイムスロットでの波形は同形になるので、結果的に搬送波の2逓倍の周波数を持つ信号の抽出が可能になる。しかしながら、搬送波周波数が数100THzに及ぶ光通信では、電気デバイスの特性などから、逓倍法を用いることは困難である。
非特許文献2に開示されているコスタスループの場合、搬送波と局部発振光の位相差の2倍を抽出することが可能となる。このコスタスループでは、I軸信号はsin(θ+d)、Q軸信号は−cos(θ+d)となる。ここで、θは受信信号の搬送波と局部発振光との位相差を表す。また、dは、データ列を表し、タイムスロットごとに、π/2又は−π/2をとる。これらを乗算すると、データ列のdの変化はキャンセルされ、sin2θが出力される。このため、この乗算信号を位相同期ループの制御信号とすることができる。
上述の従来例のコスタスループでは、I軸信号とQ軸信号を乗算する乗算器が、回路構成上のボトルネックとなる。乗算器での乗算結果が位相差となるため、π/2だけ位相のずれたI軸信号及びQ軸信号は、厳密に乗算される必要がある。
例えば、40GbpsのBPSK信号を復調するには、この乗算器が、直流(DC)成分に近い周波数から、受信信号のクロック周波数とほぼ同一の数十GHzまで、広帯域の信号を精度よく乗算できる必要がある。しかしながら、既存の高周波デバイスでは、高周波領域の非線形性などが顕在化するために、広帯域の乗算器の入手は困難である。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、数十GHzまでの広帯域での精度良い乗算が可能な広帯域アナログ演算器を用いることなく、数十Gbps又はそれ以上のビットレートの信号に対して復調することのできる位相同期ループ装置を提供することである。
上述した目的を達成するために、この発明の光位相同期ループ装置は、干渉信号生成手段と、第1及び第2の変調電気信号生成手段と、第1及び第2の強度保持手段と、アナログ演算手段と、局部発振光生成手段とを備えて構成される。
干渉信号生成手段は、入力された位相変調信号と局部発振光を干渉させて、両信号の位相差を反映した第1及び第2の干渉信号を生成する。第1及び第2の変調電気信号生成手段は、それぞれ、第1及び第2の干渉信号から、第1及び第2の変調電気信号を生成する。第1及び第2の強度保持手段は、それぞれ、第1及び第2の変調電気信号の強度を所定の期間保持して、第1及び第2の強度保持信号を生成する。アナログ演算手段は、第1及び第2の強度保持信号から、位相誤差信号を生成する。局部発振光生成手段は、局部発振光を生成する手段であって、位相誤差信号に基づいて、局部発振光の位相又は周波数を設定する。
この発明の光位相同期ループ装置によれば、第1及び第2の変調電気信号は、強度を所定の期間保持された、いわゆるサンプルホールドされた状態で、第1及び第2の強度保持信号としてアナログ演算手段に入力される。この場合、アナログ演算手段に入力される第1及び第2の強度保持信号の周波数は、第1及び第2の変調電気信号の周波数よりも低くなる。このため、入手が困難な、広帯域かつ非線形性のないアナログ乗算器を用いずに、変調度100%の位相変調信号を高いSNRで復調することができる。
BPSK信号を受信するホモダイン受信器の概略構成図である。 サンプルホールド回路の一構成例を示す概略図である。 光VCOの一構成例を示す概略図である。 信号処理を説明するための概略図(1)である。 信号処理を説明するための概略図(2)である。 信号処理を説明するための概略図(3)である。 QPSK信号を受信するホモダイン受信器の概略構成図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。なお、各図において光信号を太線で示し、電気信号を細線で示してある。
(BPSK信号に対するホモダイン受信器)
図1〜3を参照して、光位相同期ループ装置の実施形態として、BPSK信号を復調可能なホモダイン受信器について説明する。図1は、BPSK信号を受信するホモダイン受信器の概略構成図である。なお、ここでのBPSK信号は、NRZ(Non Return to Zero)−BPSK信号とRZ(Return to Zero)−BPSK信号のいずれでも良い。
ホモダイン受信器10は、90°ハイブリッドカプラ20、第1及び第2のバランス検波器22−1及び22−2、第1及び第2のサンプルホールド回路30−1及び30−2、アナログ演算手段40、ループフィルタ24、光電圧制御発振器(光VCO)50、クロック信号生成手段60、並びに、第1及び第2の遅延器26−1及び26−2を備えて構成される。
干渉信号生成手段である90°ハイブリッドカプラ20は、非特許文献2と同様に構成でき、内部に、第1及び第2のビームコンバイナと、90°位相器とを備えている。なお、第1及び第2のビームコンバイナと、90°位相器の図示を省略している。
受信信号として入力されたBPSK信号o10は2分岐されて、一方が90°ハイブリッドカプラ20に送られ(図中、矢印o12で示す)、他方がクロック信号生成手段60に送られる(図中、矢印o14で示す)。BPSK信号o12と、光VCO50で生成された局部発振光o16は、偏波面が一致した状態で、90°ハイブリッドカプラ20に入力される。90°ハイブリッドカプラ20は、BPSK信号o12と局部発振光o16とを干渉させて、両信号の位相差を反映した第1の干渉信号o18及び第2の干渉信号o20を生成する。なお、90°ハイブリッドカプラ20に入力されるBPSK信号o12と局部発振光o16の偏波面を一致させるために、従来周知の偏波面コントローラを用いることができるが、ここでは、説明及び図示を省略する。
第1のビームコンバイナは、BPSK信号o12と局部発振光o16とを合波することにより、第1の干渉信号o18として、これらの和成分と差成分を得る。また、第2のビームコンバイナは、BPSK信号o12と、局部発振光o16をπ/2(90°)だけ移相した光信号とを合波することにより、第2の干渉信号o20として、これらの和成分と差成分を得る。
90°ハイブリッドカプラ20で生成された第1の干渉信号o18及び第2の干渉信号o20は、それぞれ、第1及び第2のバランス検波器22−1及び22−2に送られる。
第1の変調電気信号生成手段としての第1のバランス検波器22−1は、第1の干渉信号o18から第1の変調電気信号e30を生成する。第1のバランス検波器22−1は、内部に2つのフォトディテクタを備えている。第1のバランス検波器22−1は、第1の干渉信号o18に含まれる和成分及び差成分をそれぞれ光電変換した後、和成分の光電変換信号から差成分の光電変換信号を減算した信号を、第1の変調電気信号e30として生成する。
第2の変調電気信号生成手段としての第2のバランス検波器22−2は、第2の干渉信号o20から第2の変調電気信号e36を生成する。第2のバランス検波器22−2は、内部に2つのフォトディテクタを備えている。第2のバランス検波器22−2は、第2の干渉信号o20に含まれる和成分及び差成分をそれぞれ光電変換した後、和成分の光電変換信号から差成分の光電変換信号を減算した信号を、第2の変調電気信号e36として生成する。
以下の説明では、第1の変調電気信号e30をI軸信号と称し、第2の変調電気信号e36をQ軸信号と称することもある。ここでは、I軸信号e30は2分岐され、その一方が復調信号e32として、ホモダイン受信器10から出力される。
I軸信号e30が2分岐された他方は、第1のサンプルホールド回路30−1に送られる(図中、矢印e34で示す)。また、Q軸信号e36は、第2のサンプルホールド回路30−2に送られる。
第1の強度保持手段としての、第1のサンプルホールド回路30−1は、I軸信号e30の強度を所定の期間保持する。第1のサンプルホールド回路30−1が保持する期間は、クロック信号生成手段60で生成されたクロック信号の周期Tに対応して定められる。
ここで、第1のサンプルホールド回路30−1について、図2を参照して説明する。図2は、サンプルホールド回路30−1の一構成例を示す概略図である。この構成例のサンプルホールド回路30−1は、第1のバッファ32、第2のバッファ36、キャパシタ38及びスイッチ34を備えて構成される。スイッチ34が、クロック信号の周期Tに対応して開閉し、それによりキャパシタ38に信号強度に対応する電圧が、周期Tで定まる期間保持される。なお、サンプルホールド回路30−1は、所定の期間強度を保持する機能を有していればよく、この構成例には限定されない。また、第2の強度保持手段としての第2のサンプルホールド回路30−2は、第1のサンプルホールド回路30−1と同様に構成することができるので説明を省略する。
第1及び第2のサンプルホールド回路30−1及び30−2は、それぞれ、I軸信号及びQ軸信号の強度を所定の期間保持した、すなわち、サンプルホールドした第1の強度保持信号e38及び第2の強度保持信号e40を生成する。第1及び第2の強度保持信号e38及びe40は、アナログ演算手段40に送られる。
受信信号o10が、BPSK信号の場合、アナログ演算手段40は、アナログ乗算器42を備えて構成される。この場合、アナログ演算手段40は、第1の強度保持信号e38と第2の強度保持信号e40を乗算した信号を、位相誤差信号e42として生成する。第1の強度保持信号e38は、I軸信号(sin(θ+d))をサンプルホールドしたものであり、第2の強度保持信号e40は、Q軸信号(−cos(θ+d))をサンプルホールドしたものである。このとき、乗算信号である位相誤差信号e42は、−cos(θ+d)・sin(θ+d)=−2sin(2θ+2d)となる。
BPSK信号の場合、データ列dは、d=π/2、−π/2となる。従って、位相誤差信号e42はsin2θとなり、位相誤差の2倍が抽出される。この位相誤差信号をフィードバック制御信号とすることにより、BPSK用の位相同期ループが構成できる。アナログ演算手段で生成された位相誤差信号e42は、ループフィルタ24に送られる。
なお、ここでは、I軸信号をサンプルホールドした第1の強度保持信号e38と、Q軸信号をサンプルホールドした第2の強度保持信号都e40の乗算を行う。これら、第1の強度保持信号e38と第2の強度保持信号e40は、周波数帯域が狭窄化された状態でアナログ演算手段40に送られるので、広帯域のアナログ乗算器を用いずに、ひずみのない乗算が実施される。
ループフィルタ24は、位相誤差信号e42を平滑化する。ループフィルタ24の低域通過特性が、位相同期ループの追従速度を規定する。ループフィルタ24で平滑化された位相誤差信号e44は、光VCO50に送られる。
図3を参照して光VCO50について説明する。図3は、光VCO50の一構成例を示す概略図である。局部発振光生成手段としてのVCO50は、非特許文献1と同様に構成でき、電気的VCO52、CW光源54及び変調器56を備える。電気的VCO52は、位相誤差信号e44に応じて、自己の発信周波数fVCOを変更する。CW光源54は、BPSK信号の搬送波周波数f0の連続光o22を生成する。変調器56は、電気的VCO52が生成した発振信号e46に応じて、連続光o22を変調して、局部発振光o16を得る。光VCO50が生成した局部発振光o16は、90°ハイブリッドカプラ20に送られる。
クロック信号生成手段60は、1ビット遅延干渉器62と、光電変換器64と、クロック抽出器66と、分周器68とを備える。
1ビット遅延干渉器62は、BPSK信号o14を2分岐して、一方を1ビット遅延させた後干渉させて、1ビット遅延干渉信号o24を生成する。干渉の際、両者の位相差が0の場合は強め合い、πの場合は弱め合う。この結果、1ビット遅延干渉信号o24は、光強度変調信号と同様の信号として生成される。
光電変換器64は、1ビット遅延干渉信号o24を光電変換して遅延干渉電気信号e40を生成する。
クロック抽出器66は、遅延干渉電気信号e46から、周期Tsのクロックe48を抽出する。
分周器68は、クロック抽出器66で抽出された、周期Tsのクロックe48を分周して周期Tのクロック信号e50を生成する。このクロック信号e50の周期Tが、サンプルホールド回路30での保持期間を規定する。従って、分周することにより、アナログ乗算器42で正確な演算が可能な程度に低い周波数とする。なお、位相誤差の変動成分は数MHz程度になることがあるので、クロック抽出信号の周波数は、これより十分高い周波数とするのが良い。
なお、クロック信号生成手段60の構成は、任意好適な従来周知の構成とすることができる。
クロック信号e50は2分岐されて、一方(図中、矢印e52で示す。)が第1の遅延器26−1に送られ、他方(図中、矢印e54で示す。)が第2の遅延器26−2に送られる。第1及び第2の遅延器26−1及び26−2で、それぞれタイミングが調整されたクロック信号e56及びe58は、第1及び第2のサンプルホールド回路30−1及び30−2に送られる。
(信号処理)
図4〜6を参照して、サンプルホールド回路及びアナログ演算器での信号処理について、説明する。図4〜6は、信号処理を説明するための図である。図4〜6では、横軸に時間を取って示し、縦軸に信号強度を任意単位で取って示している。
図4(A)は、I軸信号を示し、図4(B)は、Q軸信号を示している。I軸信号は、sin(θ+d)であるので、d=π/2、−π/2の場合、±cosθとなる。一方、Q軸信号は、−cos(θ+d)であるので、d=π/2、−π/2の場合、±sinθとなる。斜線部分は、d=π/2あるいは−π/2に従って現れる、信号の振幅部分である。I軸信号の包絡線には±cosθが現れ、Q軸信号の包絡線には±sinθが現れる。
図5(A)は、I軸信号をサンプルホールドして得られる第1の強度保持信号を示し、図5(B)は、Q軸信号をサンプルホールドして得られる第2の強度保持信号を示している。サンプルホールドして得られる第1の強度保持信号は、±cosθとなり、第2の強度保持信号は、±sinθとなる。ここで、θはサンプリングされたθ、すなわち、離散化されたθを表す。なお、図5では、サンプリング周期Tが、受信信号のクロック周期Tsの3倍である状態を示しているが、実際には、サンプリング周期Tは、受信信号のクロック周期Tsの100倍以上に設定されることもある。
図6は、第1及び第2の強度保持信号を乗算して得られる位相誤差信号を示している。位相誤差信号は、sinθ・cosθ=sin2θとなる。また、包絡線にはsin2θが現れている。
次に、サンプリングによる誤差について説明する。サンプリングを行うと、理想的に乗算が可能であった場合の位相誤差信号(以下、理想誤差信号と称する。)に対して、誤差(以下、サンプリング誤差と称する。)が発生する。図6の矩形状の信号が、位相誤差信号であり、点線で示す曲線状の信号が、理想誤差信号である。
しかし、以下説明するように、このサンプリング誤差は無視することができる。
x(t)=sin2θとして、x(t)を仮想的なサンプルホールド回路に入力した際のサンプリング波形をx(t)とし、サンプルホールド回路からの出力をy(t)とする。また、これら、x(t)、x(t)及びy(t)のフーリエ変換をそれぞれ、X(ω)、X(ω)及びY(ω)とする。また、サンプルホールド回路及びループフィルタの伝達関数をそれぞれ、R(ω)及びF(ω)とする。
先ず、サンプリング波形x(t)は、以下の式(1)で表される。
Figure 2013183171
サンプリング周波数ωとしたときの、x(t)のフーリエ変換は、以下の式(2)で表される。
Figure 2013183171
また、サンプルホールド回路の伝達関数R(ω)は、以下の式(3)で表される。
Figure 2013183171
式(2)及び式(3)から、サンプルホールド回路からの出力波形y(t)のフーリエ変換は、以下の式(4)で表される。
Figure 2013183171
ここで、y(t)は矩形状となっている。この信号をそのままループフィルタに入力した場合の、ループフィルタからの出力波形z(t)のフーリエ変換は、以下の式(5)で表される。
Figure 2013183171
ここで、sin(ωT/2)/(ωT/2)は、低周波側で1、高周波側で0の平坦な形状となる。従って、式(5)を、以下の式(6)のように近似することができる。
Figure 2013183171
また、ループフィルタの伝達関数F(ω)はローパス特性を持っており、高周波側で急峻に利得が低下するため、以下の式(7)で示す近似が成り立つ。
Figure 2013183171
ここで、X(ω)は直流近傍の成分であることを考慮すると、以下の式(8)が得られる。
Figure 2013183171
位相の変化分を表すexp(−jωT/2)の部分は、線形特性となっている。このため、exp(−jωT/2)の部分による波形のひずみは生じない。すなわち、サンプリング周波数をx(t)=sin2θの周波数帯域に比較して十分大きく選ぶことにより、位相誤差をほぼ忠実に抽出することができる。
(QPSK信号に対するホモダイン受信器)
図7を参照して、光位相同期ループ装置の実施形態として、4値位相変調(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)信号を復調可能なホモダイン受信器について説明する。図7は、QPSK信号を受信するホモダイン受信器の概略構成図である。
QPSK信号を受信するホモダイン受信器は、I軸信号及びQ軸信号の両者を復調信号として出力する点と、アナログ演算手段の構成が、BPSK信号を受信するホモダイン受信器と異なっている。それ以外の構成及び動作については、BPSK信号を受信するホモダイン受信器と同様なので、重複する説明を省略する場合がある。
I軸信号e30及びQ軸信号e36はそれぞれ2分岐され、それぞれの一方の信号e32及びe37が復調信号として、ホモダイン受信器12から出力される。I軸信号及びQ軸信号が2分岐された他方の信号e36及びe39は、それぞれ第1及び第2のサンプルホールド回路30−1及び30−2に送られる。
アナログ演算手段70は、アナログ加算器72、アナログ減算器74、第1〜3のアナログ乗算器76、78及び80を備えて構成される。アナログ演算手段70に入力された第1の強度保持信号はそれぞれ3分岐されて(図中、矢印e60、e62及びe64で示す)、アナログ加算器72、アナログ減算器74及び第1のアナログ乗算器76に送られる。同様に、アナログ演算手段70に入力された第2の強度保持信号はそれぞれ3分岐されて(図中、矢印e66、e68及びe70で示す)、アナログ加算器72、アナログ減算器74及び第1のアナログ乗算器76に送られる。
アナログ加算器72は、第1の強度保持信号e60と第2の強度保持信号e66を加算して、加算信号e72を生成する。第1の強度保持信号e60は、I軸信号(sin(θ+d))をサンプルホールドしたものであり、第2の強度保持信号e66は、Q軸信号(−cos(θ+d))をサンプルホールドしたものである。従って、加算信号e72はsin(θ+d)−cos(θ+d)となる。
アナログ減算器74は、第1の強度保持信号e62と第2の強度保持信号e68との減算を行って、減算信号e74を生成する。このとき、減算信号e74は、sin(θ+d)+cos(θ+d)となる。
第1のアナログ乗算器76は、第1の強度保持信号e64と第2の強度保持信号e70を乗算して、乗算信号e76を生成する。このとき、乗算信号e76は、−cos(θ+d)・sin(θ+d)=−2sin(2θ+2d)となる。
第2のアナログ乗算器78は、アナログ加算器72で生成された加算信号e72と、アナログ減算器74で生成された減算信号e74とを乗算する。このとき、第2のアナログ乗算器74での乗算信号e78は、{sin(θ+d)−cos(θ+d)}・{sin(θ+d)+cos(θ+d)}=sin(θ+d)−cos(θ+d)=−cos(2θ+2d)となる。
第3のアナログ乗算器80は、第1のアナログ乗算器76で生成された乗算信号e76と、第2のアナログ乗算器78で生成された乗算信号e78とを乗算して、位相誤差信号e80を生成する。このとき、位相誤差信号e80は、{−2sin(2θ+2d)}・{−cos(2θ+2d)}=−sin(4θ+4d)となる。
QPSK信号の場合、データ列dは、d=kπ/2(k=0、1、2、3)となる。従って、位相誤差信号はsin4θとなり、位相誤差の4倍が抽出される。この位相誤差信号をフィードバック制御信号とすることにより、QPSK用の位相同期ループが構成できる。
10、12 ホモダイン受信器
20 90°ハイブリッドカプラ
22 バランス検波器
24 ループフィルタ
26 遅延器
30 サンプルホールド回路
32、36 バッファ
34 スイッチ
38 キャパシタ
40、70 アナログ演算手段
42、76、78、80 アナログ乗算器
50 光VCO
52 電気的VCO
54 CW光源
56 変調器
60 クロック信号生成手段
62 1ビット遅延干渉器
64 光電変換器
66 クロック抽出器
68 分周器
72 アナログ加算器
74 アナログ減算器

Claims (5)

  1. 入力された位相変調信号と局部発振光を干渉させて、両信号の位相差を反映した第1及び第2の干渉信号を生成する干渉信号生成手段と、
    前記第1の干渉信号から、第1の変調電気信号を生成する第1の変調電気信号生成手段と、
    前記第2の干渉信号から、第2の変調電気信号を生成する第2の変調電気信号生成手段と、
    前記第1の変調電気信号の強度を所定の期間保持して、第1の強度保持信号を生成する第1の強度保持手段と、
    前記第2の変調電気信号の強度を所定の期間保持して、第2の強度保持信号を生成する第2の強度保持手段と、
    前記第1及び第2の強度保持信号から、位相誤差信号を生成するアナログ演算手段と、
    前記局部発振光を生成する手段であって、前記位相誤差信号に基づいて、前記局部発振光の位相又は周波数を設定する局部発振光生成手段と
    を備えることを特徴とする光位相同期ループ装置。
  2. クロック信号生成手段を備え、
    前記入力された位相変調信号は2分岐されて一方が前記干渉信号生成手段に送られ、他方が前記クロック信号生成手段に送られ、
    前記クロック信号生成手段は、位相変調信号からクロックを抽出して、クロック信号を生成し、
    前記第1及び第2の強度保持手段は、それぞれ、前記クロック信号の周期に対応する期間、前記第1及び第2の強度保持手段の強度を保持する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光位相同期ループ装置。
  3. 前記クロック信号生成手段は、
    前記位相変調信号を2分岐して、一方を1ビット遅延させた後干渉させて、1ビット遅延干渉信号を生成する1ビット遅延干渉器と、
    前記1ビット遅延干渉信号を光電変換して遅延干渉電気信号を生成する光電変換器と、
    前記遅延干渉電気信号からクロックを抽出するクロック抽出器と、
    前記クロックを分周してクロック信号を生成する分周器と
    を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の光位相同期ループ装置。
  4. 前記アナログ演算手段が、第1の強度保持信号と第2の強度保持信号を乗算するアナログ乗算器を備える
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光位相同期ループ装置。
  5. 前記アナログ演算手段が、アナログ加算器、アナログ減算器、第1〜3のアナログ乗算器を備え、
    前記アナログ演算手段に入力された前記第1及び第2の強度保持信号はそれぞれ3分岐されて、前記アナログ加算器、前記アナログ減算器及び第1のアナログ乗算器に送られ、
    前記アナログ加算器は、第1の強度保持信号と第2の強度保持信号を加算し、
    前記アナログ減算器は、第1の強度保持信号と第2の強度保持信号を減算し、
    前記第1のアナログ乗算器は、第1の強度保持信号と第2の強度保持信号を乗算し、
    前記第2のアナログ乗算器は、前記アナログ加算器で生成された加算信号と、前記アナログ減算器で生成された減算信号とを乗算し、
    前記第3のアナログ乗算器は、前記第1のアナログ乗算器で生成された乗算信号と、前記第2のアナログ乗算器で生成された乗算信号とを乗算して、位相誤差信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光位相同期ループ装置。
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