JP6103100B1 - 光信号復調器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い周波数成分を含まない位相誤差信号を用いて位相同期を行う。【解決手段】位相変調された光信号の復調を行う光信号復調器100であって、コヒーレント光の光周波数を電気信号で電圧制御する光VCO20と、前記光信号と前記光VCOが出力する局発光とを合波し、位相反転した干渉波ペアを生成する90°光ハイブリッド10と、前記干渉波ペアを検波する複数の検波器11,12と、前記検波器の出力信号と連続光との位相誤差を検出する位相誤差検出部30と、前記位相誤差検出部の出力信号の高域周波数を低減し、前記電気信号を出力するループフィルタ14とを備え、前記位相誤差検出部は、位相の余弦成分を出力する強度変調器が偶数個縦続接続して構成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、光信号復調器に関し、例えば、コヒーレント光通信における光QPSK信号受信器に用いる光信号復調器に関する。
昨今の光通信の大容量化に伴い、従来の強度変調方式に比較して多値化による帯域利用効率の向上が容易なコヒーレント通信方式が注目されている。コヒーレント通信方式は、強度変調方式のように光を直接強度変調するものとは異なり、光のコヒーレンス性に着目して送るべき情報を位相に重畳して送信するものである。このようなコヒーレント通信方式による受信手段は、被受信号と周波数、位相ともに厳密に一致した搬送波を受信端で生成し、干渉させるホモダイン検波方式や、被受信号と異なる周波数との干渉信号に変調信号をダウンコンバートして検波するヘテロダイン検波方式等がある。いずれの検波方式も、入力光(搬送波)と局部発振光(局発光)とを位相同期させる位相同期回路(PLL:Phase Locked Loop)を用いて実現可能である。
光位相同期回路では、局発光源と呼ばれるレーザ光を制御し、入力された信号の搬送波に同期させることにより、その搬送波の再生を可能にしている。例えば、BPSK(Binary Phase Shift Keying)又はQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)復調用のホモダイン検波方式(コスタスループ方式)は、90°光ハイブリッドとバランス検波器と位相誤差抽出部とループフィルタと光VCO(Voltage Controlled Oscillator)とを備え、光VCOが生成した局発光と入力信号の搬送波とが位相同期されるように制御する。
90°光ハイブリッドは、入力信号となるBPSK信号と局発光とを合波し、位相反転した2つの干渉波である干渉波ペアを2組生成する。バランス検波器は、2組の干渉波ペアをバランス検波することにより、直交する2つの電気信号に変換する。位相誤差抽出部は、入力信号の位相誤差成分のみを抽出する。ループフィルタは、位相誤差成分を平滑化し、出力信号を電圧制御信号として光VCO(電圧制御発振器)に入力する。
非特許文献1,2は、代表的な光VCOを開示している。特に、非特許文献2は、位相誤差を抽出した後に、この位相誤差信号をVCOに入力し、周波数が電圧制御された電気信号を用いて、光マッハツェンダ型強度変調器でコヒーレント光の強度変調を行うことにより、発振周波数が光周波数のオーダーで動作する光VCOを開示している。
また、非特許文献2は、バランス検波器の出力信号をサンプルし、A/D変換(ディジタルアナログ変換)してから位相誤差演算する位相同期ループによる復調方式を開示している。つまり、非特許文献2の技術は、BPSK信号光と局発光との干渉信号をシンボルに同期した低周波数でサンプリング、及びAD変換を行い、離散化された直交信号に対してFPGA(Field Programmable Gate Array)のようなディジタル演算装置を用いて演算処理を行い、位相誤差成分を抽出し、ループフィルタにより高域成分を除去している。
Stefano Camadel, et al., "10 GBIT/S 2-PSK TRANSMISSION AND HOMODYNE COHERENT DETECTION USING COMMERCIAL OPTICAL COMPONENTS," ECOC2003, Vol. 3, We. P. 122, pp.800-801
Takahide Sakamoto, Akito Chiba, Atsushi Kanno, Isao Morohashi, Tetsuya Kawanishi, "Real-Time Homodyne Reception of 40-Gb/s BPSK Signal by Digital Optical Phase-Locked Loop," ECOC 2010, 19-23 September, 2010, Torino, Italy.
前記したコスタスループは、乗算器が回路構成上のボトルネックである。例えば、10GbaudのQPSK信号を復調する場合、この乗算器は、ほぼベースバンド帯域を含む帯域でDC近傍から上限周波数までの5GHzで精度よく乗算できなければならない。しかしながら、現存の高周波デバイスでは、高周波領域の非線形性などが顕在化するために、このような広帯域のアナログ乗算器を入手することは必ずしも容易ではない。さらに、コスタスループは、必要な乗算演算数が複数回あり、複数の演算処理回数が乗算処理の全てをアナログ回路で実現することを難しくしている。
ここで、非特許文献2に記載の技術のように、ディジタル演算装置を用い、前記したアナログ乗算器の制約を払拭することが考えられる。ディジタル演算装置を用いる方式は、AD変換の後、離散化された直交信号に対してFPGAでディジタル演算を実行し、DA変換を行うことにより位相誤差を検出するものである。このため、この方式は、フィードバックに要する時間の増大が懸念される。
このフィードバック時間の増加は、サンプラのトラックアンドホールド動作、AD変換での量子化動作、FPGA内部での演算動作及びDA変換の動作に要する時間がアナログ処理による処理時間よりも大幅に長くなるためであり、性能劣化の一因になる。以上の理由により、このような純粋に全てをディジタル処理に頼った手法では性能劣化を防ぐことは現状で困難である。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、高い周波数成分を含まない位相誤差信号を用いて位相同期を行うことができる光信号復調器を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、第1発明の光信号復調器は、位相変調された光信号の復調を行う光信号復調器であって、コヒーレント光の光周波数を電気信号で電圧制御する光VCOと、前記光信号と前記光VCOが出力する局発光とを合波し、位相反転した干渉波ペアを生成する90°光ハイブリッドと、前記干渉波ペアを検波する複数の検波器と、前記検波器の出力信号と連続光との位相誤差を検出する位相誤差検出部と、前記位相誤差検出部の出力信号の高域周波数を低減し、前記電気信号を出力するループフィルタとを備え、前記位相誤差検出部は、位相の余弦成分を出力する強度変調器が偶数個縦続接続して構成されていることを特徴とする。
具体的には、奇数番目の強度変調器(例えば、マッハツェンダ型強度変調器)は、光QPSK信号及び局発光のビート成分である、I成分、及びQ成分の何れか一方が連続光(局発光)を十分小さな変調度で変調する。光電変換器は、その変調光を電気信号に変換し、変調成分の2乗に比例した振幅の電気信号を出力する。この電気信号は、QPSK信号の搬送波と局発光の位相誤差成分θ(t)を出力し、余弦成分(cosθ(t))の2乗を出力する。また、奇数番目の強度変調器に縦続接続された偶数番目の強度変調器は、再度この電気信号で連続光を十分小さな変調度で変調する。光電変換器は、この変調光を電気信号に変換することにより、位相誤差の余弦の4乗成分を抽出する。この4乗成分は変調成分を含んでいないので、位相誤差信号は、高い周波数成分を含まない。
ここで、前記位相誤差検出部と前記ループフィルタとの間に挿入される乗算器をさらに備え、前記光VCOは、前記電気信号を電圧−周波数変換した信号と第1ディザ信号とを加算した加算信号で光周波数を電圧制御するものであり、前記乗算器は、前記位相誤差検出部が出力する出力信号と第2ディザ信号とを乗算するものであり、前記第2ディザ信号は、前記第1ディザ信号の位相を修正することにより、前記位相誤差検出部が出力する出力信号に含まれるディザ信号成分と位相が一致したものであることが好ましい。
この帰還ループにより、余弦の4乗成分から正弦成分を抽出することができる。正弦成分は、位相誤差が0となる近傍において位相誤差の線形成分を含んでおり、光位相同期に必要な位相誤差抽出にとって好ましい。
本発明によれば、高い周波数成分を含まない位相誤差信号を用いて位相同期を行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の光信号復調器の構成図である。
光信号復調器100は、90°光ハイブリッド10と、バランス検波器11,12と、位相誤差検出部30(30a)と、乗算器13と、ループフィルタ14(14a)と、光VCO20(20a)と、発振器16と、遅延器15とを備えるホモダイン検波方式の復調器である。光信号復調器100は、QPSK信号のQ軸成分S1と内部で発生した局発光(Local Lights)とを位相同期させて、バランス検波器11,12が出力するQPSK信号のQ軸成分S1を復調信号として取り出すものである。なお、図1は、光信号を太線で示し、電気信号を細線で示している。
図1は、本発明の第1実施形態の光信号復調器の構成図である。
光信号復調器100は、90°光ハイブリッド10と、バランス検波器11,12と、位相誤差検出部30(30a)と、乗算器13と、ループフィルタ14(14a)と、光VCO20(20a)と、発振器16と、遅延器15とを備えるホモダイン検波方式の復調器である。光信号復調器100は、QPSK信号のQ軸成分S1と内部で発生した局発光(Local Lights)とを位相同期させて、バランス検波器11,12が出力するQPSK信号のQ軸成分S1を復調信号として取り出すものである。なお、図1は、光信号を太線で示し、電気信号を細線で示している。
90°光ハイブリッド10は、QPSK信号と局発光とを合波し、位相反転した2つの干渉波である干渉波ペアを2組生成するものである。90°光ハイブリッド10は、位相反転したペアのうち一方を上側2つで出力し、他方の位相反転したペアを下側2つで出力している。まず、90°光ハイブリッド10の説明を行う前に、送信側のQPSK変調器について簡単に説明を行う。
図2は、QPSK変調器の概略構成図である。
QPSK変調器200は、光カプラ201,202と、2つのMZ(Mach-Zehnder)変調器210,211と移相器203とを備え、MZ変調器210,211は、入力光E0=√pexp(jωt+jθs)が光カプラ201を介して入力されるとする。つまり、光カプラ201は、√2E0=√(2p)exp(jωt+jθs)が入力されるとする。なお、後記するように、本実施形態の光信号復調器100は、マッハツェンダ型強度変調器35,36(図5)、及びマッハツェンダ型強度変調器25(図6)を備えている。
QPSK変調器200は、光カプラ201,202と、2つのMZ(Mach-Zehnder)変調器210,211と移相器203とを備え、MZ変調器210,211は、入力光E0=√pexp(jωt+jθs)が光カプラ201を介して入力されるとする。つまり、光カプラ201は、√2E0=√(2p)exp(jωt+jθs)が入力されるとする。なお、後記するように、本実施形態の光信号復調器100は、マッハツェンダ型強度変調器35,36(図5)、及びマッハツェンダ型強度変調器25(図6)を備えている。
図3は、マッハツェンダ型強度変調器の原理図である。
マッハツェンダ型強度変調器としてのMZ変調器210,211は、入力光E0=√pexp(jωt+jθs)をE1,E2に二分岐する光カプラ213と、入力光E1をΔφ進める位相変調部215と、入力光E2をΔφ遅らせる位相変調部216と、2つの位相変調器の出力光E1a,E2aを合波させる光カプラ214とを備える干渉型強度変調器である。
マッハツェンダ型強度変調器としてのMZ変調器210,211は、入力光E0=√pexp(jωt+jθs)をE1,E2に二分岐する光カプラ213と、入力光E1をΔφ進める位相変調部215と、入力光E2をΔφ遅らせる位相変調部216と、2つの位相変調器の出力光E1a,E2aを合波させる光カプラ214とを備える干渉型強度変調器である。
位相変調部215,216は、2つの電極212,212がニオブ酸リチウムLiNbO3で形成された光路を介挿する構成である。ニオブ酸リチウムは、電場の強さに比例して屈折率が変化するポッケルス効果を奏する。位相変調部215は、電極212に振幅+V/2の矩形波電圧v1(t)を印加し、入力光E1=1/√2・E0が入力されると、E1a=1/√2・E0・exp(jΔφ)を出力する。位相変調部216は、電極に振幅−V/2の矩形波電圧v2(t)を印加し、入力光E2=1/√2・E0が入力されると、E2a=1/√2・E0・exp(−jΔφ)を出力する。ここで、Δφは、光が電圧V/2が印加されたニオブ酸リチウムで形成された光路を通過するときの位相差である。
光カプラ214は、出力光E1a=1/√2・E0・exp(jΔφ)と、出力光E2a=1/√2・E0・exp(−jΔφ)とを合波し、
E0a=E1a+E2a=1/√2・E0{exp(jΔφ)+exp(−jΔφ)}
=2/√2・E0・cos(Δφ)=√2・E0・cos(Δφ) (1)
を出力する。
E0a=E1a+E2a=1/√2・E0{exp(jΔφ)+exp(−jΔφ)}
=2/√2・E0・cos(Δφ)=√2・E0・cos(Δφ) (1)
を出力する。
また、出力光E0aの電場の強さ|E0a|は、E0aとその共役との積であり、
|E0a|=2pcos(Δφ)2=p+pcos(2Δφ) (2)
である。
|E0a|=2pcos(Δφ)2=p+pcos(2Δφ) (2)
である。
図2のQPSK変調器の説明に戻り、MZ変調器210の出力光は、(1)式を参照し、√2・E0・cos(Δφ1)となる。同様に、MZ変調器211の出力光は、√2・E0・cos(Δφ2)となる。すると、位相器203を通過したMZ変調器211の出力光は、E0・cos(Δφ2)jとなる。
ここで、位相Δφ1,Δφ2は、0とπとで変調されるので、d1,d2が1と−1との何れか一方であるとすると、MZ変調器210の出力光E0・cos(Δφ1)をE0・d1とすることができ、移相器203を通過した通過光E0・cos(Δφ2)jをE0j・d2とすることができる。
光カプラ202は、MZ変調器210の出力光E0・d1と、位相器203の出力光E0j・d2とを合波し、信号Es=E0{d1+jd2}を出力する。ここで、E0=√(p/2)exp(jωt+jθs)である。
図4は、90°光ハイブリッド、及びバランス検波器の構成図である。
90°光ハイブリッド10は、QPSK信号Es=E0{d1+jd2}と、局発光ELO=√pLOexp(jωt+jθLO)を入力し、位相反転した2つの干渉波である干渉波ペアを2組生成する。この一方の干渉波ペアは、E1=1/2・(Es+ELO)、及びE2=1/2・(Es−ELO)であり、他方の干渉波ペアは、E3=1/2・(Es+jELO)、及びE4=1/2・(Es−jELO)である。
90°光ハイブリッド10は、QPSK信号Es=E0{d1+jd2}と、局発光ELO=√pLOexp(jωt+jθLO)を入力し、位相反転した2つの干渉波である干渉波ペアを2組生成する。この一方の干渉波ペアは、E1=1/2・(Es+ELO)、及びE2=1/2・(Es−ELO)であり、他方の干渉波ペアは、E3=1/2・(Es+jELO)、及びE4=1/2・(Es−jELO)である。
バランス検波器11,12は、2つの光電変換器(例えば、フォトダイオード)及び負荷抵抗器Rを備える。バランス検波器11の光電変換器は、内部の光電変換器の出力電流をI1,I2とすると、(I1−I2)の出力電流が負荷抵抗器Rに流れる。バランス検波器12の光電変換器は、内部の光電変換器の出力電流をI3,I4とすると、(I3−I4)の出力電流が負荷抵抗器Rに流れる。ここで、バランス検波器11の負荷抵抗器Rに流れる平均電流をI(In-Phase)軸電流IIとし、バランス検波器12の負荷抵抗器Rに流れる平均電流をQ(Quadrature)軸電流IQとする。
IQ=I3−I4=η(|E3|2−|E4|2)/2=η√(PsPLO/2)/2・(d1sinθ+d2cosθ)
II=I1−I2=η(|E1|2−|E2|2)/2=η√(PsPLO/2)/2・(d1cosθ−d2sinθ)
ここで、ηは、変換効率[A/W]である。
II=I1−I2=η(|E1|2−|E2|2)/2=η√(PsPLO/2)/2・(d1cosθ−d2sinθ)
ここで、ηは、変換効率[A/W]である。
90°光ハイブリッド10は、受信したQPSK信号Es、及び局発光ELOを直交した二組の差動干渉成分に変換する。バランス検波器11,12は、これら二組の差動干渉成分に対してバランス検波を行う。なお、バランス検波器11,12は、内部で負荷抵抗器Rを接続しており、電圧信号を出力する。
図1の説明に戻り、バランス検波された直交ビート成分II,IQのうち何れか一方を選択する。例えば、本実施形態では、バランス検波器12の出力信号を選択するものとして、直交ビート成分IQの電圧信号をS1とする。信号S1は、位相誤差検出部30aに入力されると共に、Q軸の復調信号として出力される。一方、バランス検波器11は、I軸の復調信号を出力する。
位相誤差検出部30aは、信号S1と、連続光光源23(図6)から出力される連続光S3とを入力し、誤差信号S4を出力する。誤差信号S4は、乗算器13、及びループフィルタ14aを介して、信号S5として光VCO20を電圧制御する。光VCO20は、電圧制御された局発光ELOを生成し、生成された局発光ELOを90°光ハイブリッド10に入力する。
図5は、位相誤差検出部の内部構成図である。
位相誤差検出部30aは、干渉型強度変調器としてのマッハツェンダ型強度変調器35,36と、光電変換器37,38と、高周波増幅器31,33と、高周波減衰器32,34と、光増幅器39と、光分波器40とを備え、QPSK信号のQ軸成分S1と連続光S3とを入力し、誤差信号S4を出力する。
位相誤差検出部30aは、干渉型強度変調器としてのマッハツェンダ型強度変調器35,36と、光電変換器37,38と、高周波増幅器31,33と、高周波減衰器32,34と、光増幅器39と、光分波器40とを備え、QPSK信号のQ軸成分S1と連続光S3とを入力し、誤差信号S4を出力する。
高周波増幅器31、及び高周波減衰器32は、Q軸成分S1を適切な電力まで増幅し、マッハツェンダ型強度変調器35の変調信号とする。マッハツェンダ型強度変調器35,36は、前記したMZ変調器210と同様であり、被変調光を高周波信号y1(t),y3(t)で強度変調し、パワーがyDC+pcos(2α)に比例する変調光を出力する。光増幅器39は、連続光S3を適切なパワーまで増幅する。光分波器40は、光増幅器39の出力光を分波し、被変調光として2つのマッハツェンダ型強度変調器35,36に入力する。
光電変換器37,38は、マッハツェンダ型強度変調器35,36が出力する変調光を電圧信号y2(t),y4(t)に変換する。高周波増幅器33、及び高周波減衰器34は、光電変換器37の出力信号y2(t)を適切な電力まで増幅し、マッハツェンダ型強度変調器36で変調する変調電力とする。つまり、位相誤差検出部30aは、マッハツェンダ型強度変調器35、及び光電変換器37と、マッハツェンダ型強度変調器36、及び光電変換器38とが縦続接続されている。以下、数式を用いて説明する。
d1(t),d2(t)をそれぞれ変調成分(シンボルクロックごとにそれぞれ±1とする)とすると、バランス検波器11,12から出力される2信号(I軸電流II、Q軸電流IQ)は、式(1)及び(2)に比例した式となる。ここでは、信号S1、つまりy1(t)をQ軸電流IQに比例したものとする。また、θ(t)は、光QPSK信号と局発光との位相誤差である。
IQ∝d1(t)sinθ(t)+d2(t)cosθ(t) (3)
II∝d1(t)cosθ(t)−d2(t)sinθ(t) (4)
IQ∝d1(t)sinθ(t)+d2(t)cosθ(t) (3)
II∝d1(t)cosθ(t)−d2(t)sinθ(t) (4)
マッハツェンダ型強度変調器35の入力信号y1(t)は、高周波増幅器31、及び高周波減衰器32によって、適切に振幅の調整がなされ、kを振幅としたとき(5)式で表される。
y1(t)=kd1(t)sinθ(t)+kd2(t)cosθ(t) (5)
MZ変調器210,211(図3)で説明したように、マッハツェンダ型強度変調器35は、(6)式に示す電場強度の変調光を出力する。
yDC+pcos(2α) (6)
ここで、yDCは直流成分であり、pは被変調光の強度(振幅)であり、αは位相変調信号である。
y1(t)=kd1(t)sinθ(t)+kd2(t)cosθ(t) (5)
MZ変調器210,211(図3)で説明したように、マッハツェンダ型強度変調器35は、(6)式に示す電場強度の変調光を出力する。
yDC+pcos(2α) (6)
ここで、yDCは直流成分であり、pは被変調光の強度(振幅)であり、αは位相変調信号である。
なお、光電変換器37は、適切な負荷抵抗器が接続されており、全て電圧信号として出力されるものとする。ここで、1/2y1(t)に対して、位相変調αが施されるとすると以下(7)が成り立つ。
yDC+pcos(y1(t))=yDC+pcos{kd1(t)sinθ(t)+kd2(t)cosθ(t)}
(7)
この(7)式をy2(t)とする。ただし、以後は高周波増幅器などで除去されるため、変調成分のみを考慮するとする。よって、
y2(t)=pcos{kd1(t)sinθ(t)+kd2(t)cosθ(t)}
=pcos{kd1(t) sinθ(t)}cos{kd2(t) cosθ(t)}−psin{kd1(t) sinθ(t)}sin{kd2(t)cosθ(t)} (8)
となる。
yDC+pcos(y1(t))=yDC+pcos{kd1(t)sinθ(t)+kd2(t)cosθ(t)}
(7)
この(7)式をy2(t)とする。ただし、以後は高周波増幅器などで除去されるため、変調成分のみを考慮するとする。よって、
y2(t)=pcos{kd1(t)sinθ(t)+kd2(t)cosθ(t)}
=pcos{kd1(t) sinθ(t)}cos{kd2(t) cosθ(t)}−psin{kd1(t) sinθ(t)}sin{kd2(t)cosθ(t)} (8)
となる。
ここで、変調成分d1(t)及びd2(t)はシンボルクロック毎に±1をとり得るが、cosの偶関数性により、d1(t)及びd2(t)は式中には現れない。つまり、
cos{kd1(t) sinθ(t)}=cos{ksinθ(t)}
cos{kd2(t) cosθ(t)}=cos{kcosθ(t)}
となる。また、(8)のkを十分小さく設定しておくことにより、
sin{kd1(t) sinθ(t)}≒kd1(t) sinθ(t)
sin{kd2(t)cosθ(t)}≒kd2(t)cosθ(t)
と近似することができる。
cos{kd1(t) sinθ(t)}=cos{ksinθ(t)}
cos{kd2(t) cosθ(t)}=cos{kcosθ(t)}
となる。また、(8)のkを十分小さく設定しておくことにより、
sin{kd1(t) sinθ(t)}≒kd1(t) sinθ(t)
sin{kd2(t)cosθ(t)}≒kd2(t)cosθ(t)
と近似することができる。
つまり、光電変換器37が出力する電圧信号y2(t)は、次式で近似可能である。
y2(t)≒pcos{ksinθ(t)}cos{kcosθ(t)}−pkd1(t) sinθ(t) kd2(t)cosθ(t)
=p−pk2d1(t)d2(t) sinθ(t) cosθ(t)
=p−2pk2d1(t)d2(t) sinθ(t) cosθ(t)/2
=p−pk2d1(t)d2(t) sin{2θ(t)}/2 (9)
y2(t)≒pcos{ksinθ(t)}cos{kcosθ(t)}−pkd1(t) sinθ(t) kd2(t)cosθ(t)
=p−pk2d1(t)d2(t) sinθ(t) cosθ(t)
=p−2pk2d1(t)d2(t) sinθ(t) cosθ(t)/2
=p−pk2d1(t)d2(t) sin{2θ(t)}/2 (9)
あるいは、(8)式のkを十分小さく設定しておくことにより、
cos{kd1(t) sinθ(t)}≒1、cos{kd2(t) cosθ(t)}≒1
と近似することができ、y2(t)は、
y2(t)≒p−p{kd1(t)sinθ(t)}・{kd2(t)cosθ(t)}
=p−pk2d1(t)d2(t)sinθ(t) cosθ(t)
=p−pk2d1(t)d2(t)sin{2θ(t)}/2
となり、(9)式と同一になる。
cos{kd1(t) sinθ(t)}≒1、cos{kd2(t) cosθ(t)}≒1
と近似することができ、y2(t)は、
y2(t)≒p−p{kd1(t)sinθ(t)}・{kd2(t)cosθ(t)}
=p−pk2d1(t)d2(t)sinθ(t) cosθ(t)
=p−pk2d1(t)d2(t)sin{2θ(t)}/2
となり、(9)式と同一になる。
光電変換器37が出力する電圧信号y2(t)は、位相誤差θ(t)の正弦関数となり、線形性を有する。しかしながら、電圧信号y2(t)は、変調成分の積d1(t)d2(t)が乗算されており、高い周波数成分を有する。このため、光信号復調器100は、位相誤差検出部30aが電圧信号y2(t)を出力させても、乗算器13が高い周波数成分まで乗算することができない問題点がある。このため、マッハツェンダ型強度変調器35,36の縦続接続を考える。
マッハツェンダ型強度変調器36の変調信号y3(t)は、高周波増幅器33、及び高周波減衰器34が適切な振幅まで調整することにより、
y3(t)=−md1(t)d2(t) sin{2θ(t)} (10)
となる。但し、振幅をmとし、直流成分を除去している。
y3(t)=−md1(t)d2(t) sin{2θ(t)} (10)
となる。但し、振幅をmとし、直流成分を除去している。
マッハツェンダ型強度変調器36は、連続光(被変調光)を変調信号y3(t)で変調すると、光電変換器38の出力信号y4(t)は以下となる。ただし、変調成分d1(t)及びd2(t)は、シンボルクロック毎に±1をとり得るが、cosの偶関数性によりこれらは式中には現れない。(7)を導出した際と同様にすると以下(11)が成り立つ。
y4(t)=pcos{−2md1(t)d2(t)sin2θ(t)}
=pcos{2msin2θ(t)} (11)
y4(t)=pcos{−2md1(t)d2(t)sin2θ(t)}
=pcos{2msin2θ(t)} (11)
ここで、mを十分小さく設定することにより、
cos{2msin2θ(t)}≒1−{2msin2θ(t)}2/2
の近似が成立する。したがって、
y4(t)≒p[1−1/2{2msin2θ(t)}2]
=p[1−2m2{sin2θ(t)}2]=p[1−2m2{1−cos4θ(t)}/2]
=p{1−m2+m2cos4θ(t)} (12)
となる。
cos{2msin2θ(t)}≒1−{2msin2θ(t)}2/2
の近似が成立する。したがって、
y4(t)≒p[1−1/2{2msin2θ(t)}2]
=p[1−2m2{sin2θ(t)}2]=p[1−2m2{1−cos4θ(t)}/2]
=p{1−m2+m2cos4θ(t)} (12)
となる。
さらに、直流分を除去すると、出力信号y4(t)は、
y4(t)≒p・m2cos4θ(t)
となり、高い周波数の変調成分d1(t)・d2(t)を含むことなく、近似的にcos4θ(t)の抽出が可能となる。しかしながら、位相誤差検出部30aの出力信号S4(y4(t))は、sin4θ(t)を含まないため、位相誤差を十分に小さくする近似を行ったとき、その線形成分を抽出することができない。
y4(t)≒p・m2cos4θ(t)
となり、高い周波数の変調成分d1(t)・d2(t)を含むことなく、近似的にcos4θ(t)の抽出が可能となる。しかしながら、位相誤差検出部30aの出力信号S4(y4(t))は、sin4θ(t)を含まないため、位相誤差を十分に小さくする近似を行ったとき、その線形成分を抽出することができない。
そこで、光VCO20a(図1)に対して、適切なディザ信号を重畳することを考える。発振器16(図1)は、角周波数ωdの正弦波を出力し、出力した正弦波(ディザ信号)を光VCO20の制御電圧に加算すると共に、ディザ信号を遅延器15に入力する。遅延器15(図1)は、乗算器13にディザ信号と同相の信号を入力するために必要となる。
図6は、光VCOの内部構成図である。
光VCO20aは、VCO21と、加算器22と、連続光光源23と、光分波器24と、マッハツェンダ型強度変調器25とを備え、ループフィルタ14a(図1)の出力信号S5で変調周波数を変えると共に、ディザ信号を加算して連続光を強度変調する。
光VCO20aは、VCO21と、加算器22と、連続光光源23と、光分波器24と、マッハツェンダ型強度変調器25とを備え、ループフィルタ14a(図1)の出力信号S5で変調周波数を変えると共に、ディザ信号を加算して連続光を強度変調する。
VCO21は、ループフィルタ14a(図1)の出力信号S5の電圧で制御される周波数の信号を出力する。加算器22は、VCO21の出力信号と、発振器16(図1)が発生したディザ信号S6とを加算する。連続光光源23は、コヒーレント光を発生するレーザ光源である。光分波器24は、連続光光源23が発生するコヒーレント光を、マッハツェンダ型強度変調器25に入力する連続光と位相誤差検出部30a(図1)の参照光S3とに対して、特定の分岐比で分岐する。マッハツェンダ型強度変調器25は、光分波器24が出力する連続光(被変調光)を加算器22の出力信号で強度変調する。ここで、変調信号はVCO21で周波数が変化するので、マッハツェンダ型強度変調器25は、ループフィルタ14a(図1)の出力信号S5で周波数変調することになる。
次に、V(t)を光VCO20の駆動電圧信号の電圧、つまりマッハツェンダ型強度変調器25を変調する変調信号の電圧とし、KVCOを光VCO20の感度、つまりVCO21の感度とし、βをディザ信号の振幅とし、ωdをディザ信号の角周波数とする。また、θo(t)を光VCO20から出力されるディザによる位相変動まで含めた位相とし、φo(t)を位相誤差による位相変動分とする。θo(t)、φo(t)は、(13)、(14)及び(15)式が成立する。
ここで、θ(t)は前記した位相誤差であり、信号光と局発光との位相誤差と、ディザによる高調波の位相成分とを含む。また、θ(t)は、変調成分除去後の搬送波位相をθiとした場合、光VCO20からの参照信号S3の位相θo(t)との差である。また、φ(t)を位相誤差成分とする。
θ(t)=θi(t)−θ0(t)=φ(t)−βcosωdt (15)
φ(t)=θi(t)−φ0(t) (16)
φ(t)=θi(t)−φ0(t) (16)
(18)式に対して、遅延器15がディザ信号cosωdの位相と位相差φ(t)の位相とを合わせるように遅延を加え、乗算器13において(12)式とミキシングすると、以下の(21)に比例する出力となる。つまり、位相誤差検出部30aの出力信号S4(y4(t))≒p・m2cos4θ(t)=p・m2cos4{φ(t)−βcosωdt}は、ディザ信号成分(ディザ信号cosωdtの余弦成分)を含み、乗算器13は、ディザ信号成分の位相に一致させたディザ信号cosωdtと、位相誤差検出部30aの出力信号S4(y4(t))とを乗算している。言い換えれば、誤差信号中に含まれるディザ信号(フィードバックされた)と新たに加えるディザ信号とが同相になるように調整されたのちに、乗算器13がこれらを乗算する。ただし、乗算器13は、直流成分を導通させないものであるとし、(12)式に含まれる直流成分を無視する。
(21)式によれば、角周波数ωd間隔で複数のモードが出現する。この角周波数をループフィルタの帯域に対して十分大きくとる。(21)第3項の和記号の2項目に着目すると、n=1の場合、直流近傍にはsin4φ。これ以外の全ての高周波モードに関しては、ループフィルタ14にて除去されるため、特性に影響は及ばない。結局、以下の(22)式のように、位相誤差成分の抽出が可能となる。
(22)式によれば、ループフィルタ14aからの出力は、信号光と局発光との位相誤差φ(t)のみとなるため、通常の位相同期回路と同様のフィードバック動作となることが示される。よって、βを適切に選択すれば位相誤差が0となるような制御が施される。復調されたQPSK信号は、ディザによる周波数変調を受けることになるが、βを十分小さく選ぶことにより、この影響を最小限に抑えることが可能となる。
(比較例1)
前記実施形態の光信号復調器100は、QPSK信号を入力していたが、BPSK信号を入力することもできる。BPSK信号であれば、位相誤差検出部は、変調成分の積d1(t)d2(t)を含むことなく、位相誤差φ(t)を取り出すことができる。
前記実施形態の光信号復調器100は、QPSK信号を入力していたが、BPSK信号を入力することもできる。BPSK信号であれば、位相誤差検出部は、変調成分の積d1(t)d2(t)を含むことなく、位相誤差φ(t)を取り出すことができる。
図7は、本発明の比較例である光信号復調器の構成図である。
光信号復調器101は、90°光ハイブリッド10と、バランス検波器11,12と、増幅器17,18と、位相誤差検出部30bと、ループフィルタ14bと、光VCO20bとを備え、BPSK信号を入力し、I軸の復調信号を出力する。
光信号復調器101は、90°光ハイブリッド10と、バランス検波器11,12と、増幅器17,18と、位相誤差検出部30bと、ループフィルタ14bと、光VCO20bとを備え、BPSK信号を入力し、I軸の復調信号を出力する。
90°光ハイブリッド10は、BPSK信号と局発光とを入力し、位相反転した2つの干渉波ペアを2組生成する。バランス検波器11,12は、90°光ハイブリッド10が出力する二組の差動干渉成分に対してバランス検波を行う。増幅器17,18は、バランス検波器11,12の出力信号を増幅し、I軸信号S1、及びQ軸信号S2を出力する。
ここで、BPSK信号Es(ωt)を
Es=√Ps・exp{(ωt+φ+θs)j}
とする。すると、
Es=√Ps・exp{(ωt+θs)j}・exp(φj)
=√Ps・exp{(ωt+θs)j}d
と変形される。ここで、φは、0又はπの変調成分なので、d=exp(φj)は、1又は−1である。次に、局発光ELOを
ELO=√PLO・exp{(ωt+θLO)j}
とする。このとき、バランス検波器11,12の負荷抵抗器Rに流れる電流は、
−d√(PsPLO)・cosθ、d√(PsPLO)・sinθ
の何れかに比例する。ここで、θは、位相誤差であり、θsとθLOとの差分である。
Es=√Ps・exp{(ωt+φ+θs)j}
とする。すると、
Es=√Ps・exp{(ωt+θs)j}・exp(φj)
=√Ps・exp{(ωt+θs)j}d
と変形される。ここで、φは、0又はπの変調成分なので、d=exp(φj)は、1又は−1である。次に、局発光ELOを
ELO=√PLO・exp{(ωt+θLO)j}
とする。このとき、バランス検波器11,12の負荷抵抗器Rに流れる電流は、
−d√(PsPLO)・cosθ、d√(PsPLO)・sinθ
の何れかに比例する。ここで、θは、位相誤差であり、θsとθLOとの差分である。
位相誤差検出部30bは、I軸信号S1とQ軸信号S2との位相誤差を検出する。光VCO20bは、位相誤差検出部30bが出力する位相誤差信号をループフィルタ14bを介して入力し、ループフィルタ14bの出力信号を用いて光周波数を電圧制御した光信号(局発光)を出力する。この帰還回路が位相誤差θ≒0になるように制御すれば、sinθ≒0、cosθ≒1となり、BPSK信号の余弦成分{−d√(PsPLO)}に比例する信号を検出することができる。ここで、位相誤差検出部30bは、マッハツェンダ型強度変調器、及び光電変換器の1段接続のアナログ回路で構成することができる。
図8は、本発明の比較例である光信号復調器が備える位相誤差検出部の内部構成図である。
位相誤差検出部30bは、I軸信号S1、及びQ軸信号S2をディジタル演算するときには、2つの二乗器41,42と、加算器43と、2つの乗算器44,45とを備えて構成することができる。
位相誤差検出部30bは、I軸信号S1、及びQ軸信号S2をディジタル演算するときには、2つの二乗器41,42と、加算器43と、2つの乗算器44,45とを備えて構成することができる。
二乗器41,42は、I軸信号S1、及びQ軸信号S2を入力し、乗算器44は、I軸信号S1とQ軸信号S2とを乗算する。加算器43は、二乗器41,42の出力信号を加算する。乗算器45は、加算器43の出力信号と乗算器44の出力信号とを乗算する。これにより、位相誤差検出部30bは、I軸信号S1とQ軸信号S2との位相誤差をθとしたとき、乗算器44がsin4θを演算する。
図9は、本発明の比較例である光信号復調器が備える光VCOの内部構成図である。
光VCO20bは、VCO21と、連続光光源23と、マッハツェンダ型強度変調器25とを備える。VCO21は、ループフィルタ14の出力電圧で決まる周波数の正弦波信号を生成する。マッハツェンダ型強度変調器25は、連続光光源23が発生したコヒーレント光をVCO21が発生した周波数の変調信号で強度変調を行う。
光VCO20bは、VCO21と、連続光光源23と、マッハツェンダ型強度変調器25とを備える。VCO21は、ループフィルタ14の出力電圧で決まる周波数の正弦波信号を生成する。マッハツェンダ型強度変調器25は、連続光光源23が発生したコヒーレント光をVCO21が発生した周波数の変調信号で強度変調を行う。
Q軸成分S1の検波出力は、(3)(4)式のII、IQのd2(t)=0として、
S2=IQ∝d1(t)sinθ(t) (23)
S1=II∝d1(t)cosθ(t) (24)
となる。二乗器41,42、及び乗算器44,45は、変調成分d1(t)を乗算しなければならないので、高い周波数まで乗算可能な性能が必要である。
S2=IQ∝d1(t)sinθ(t) (23)
S1=II∝d1(t)cosθ(t) (24)
となる。二乗器41,42、及び乗算器44,45は、変調成分d1(t)を乗算しなければならないので、高い周波数まで乗算可能な性能が必要である。
(第2比較例)
比較例1は、位相誤差検出部30bをディジタル演算したが、アナログで処理することもできる。但し、BPSK信号を復調する比較例2の光信号復調器102の位相誤差検出部30cは、マッハツェンダ型強度変調器、及び光電変換器の1段接続とする。また、第1実施形態と同様に、光VCO20bの変調信号にディザ信号を重畳させて、位相誤差成分を正弦関数にする。
比較例1は、位相誤差検出部30bをディジタル演算したが、アナログで処理することもできる。但し、BPSK信号を復調する比較例2の光信号復調器102の位相誤差検出部30cは、マッハツェンダ型強度変調器、及び光電変換器の1段接続とする。また、第1実施形態と同様に、光VCO20bの変調信号にディザ信号を重畳させて、位相誤差成分を正弦関数にする。
図10は、本発明の第2比較例である光信号復調器の構成図である。
本発明の第2比較例である光信号復調器102は、以下の点で、第1比較例の光信号復調器101(図7)と相違する。つまり、光信号復調器102は、位相誤差検出部32bとループフィルタ14との間に乗算器13が挿入され、光VCO20bが光VCO20に変更され、発振器16が生成したディザ信号が光VCO20、及び乗算器13に入力されている。
本発明の第2比較例である光信号復調器102は、以下の点で、第1比較例の光信号復調器101(図7)と相違する。つまり、光信号復調器102は、位相誤差検出部32bとループフィルタ14との間に乗算器13が挿入され、光VCO20bが光VCO20に変更され、発振器16が生成したディザ信号が光VCO20、及び乗算器13に入力されている。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記第1実施形態の光信号復調器100は、位相誤差検出部30とループフィルタ14との間に乗算器13を挿入し、光VCO20の変調信号にディザ信号を加算し、乗算器13で位相誤差信号とディザ信号とを乗算し、位相誤差の正弦関数を得たが、2つのマッハツェンダ型強度変調器35,36を縦続接続し、その出力信号である位相誤差θ(t)の余弦関数(cos2θ(t))のままでも構わない。cosθ(t)=1近傍の変動を用いても、位相制御し得るからである。
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記第1実施形態の光信号復調器100は、位相誤差検出部30とループフィルタ14との間に乗算器13を挿入し、光VCO20の変調信号にディザ信号を加算し、乗算器13で位相誤差信号とディザ信号とを乗算し、位相誤差の正弦関数を得たが、2つのマッハツェンダ型強度変調器35,36を縦続接続し、その出力信号である位相誤差θ(t)の余弦関数(cos2θ(t))のままでも構わない。cosθ(t)=1近傍の変動を用いても、位相制御し得るからである。
(2)前記第1実施形態の光信号復調器100は、マッハツェンダ型強度変調器、及び光電変換器の組み合わせを2組縦続接続したが、4組、8組等、2の累乗個(偶数個)の縦続接続が可能である。この変形例は、QPSKのみならず、8PSK等に対応することができる。
10 90°光ハイブリッド
11,12 バランス検波器
13 乗算器
14,14a,14b ループフィルタ
15 遅延器
16 発振器
17,18 増幅器
20,20a,20b 光VCO
21 VCO
22 加算器
23 連続光光源
24 光分波器
25,35,36 マッハツェンダ型強度変調器(干渉型強度変調器)
30,30a,30b,30c 位相誤差検出部
31,33 高周波増幅器
32,34 高周波減衰器
37,38 光電変換器
39 光増幅器
40 光分波器
41,42 二乗器
43 加算器
44,45 乗算器
100,101,102 光信号復調器
200 QPSK変調器
201,202 光カプラ
203 移相器
210,211 MZ変調器(マッハツェンダ型強度変調器、干渉型強度変調器)
212 電極
213,214 光カプラ
215,216 位相変調部
R 負荷抵抗器
11,12 バランス検波器
13 乗算器
14,14a,14b ループフィルタ
15 遅延器
16 発振器
17,18 増幅器
20,20a,20b 光VCO
21 VCO
22 加算器
23 連続光光源
24 光分波器
25,35,36 マッハツェンダ型強度変調器(干渉型強度変調器)
30,30a,30b,30c 位相誤差検出部
31,33 高周波増幅器
32,34 高周波減衰器
37,38 光電変換器
39 光増幅器
40 光分波器
41,42 二乗器
43 加算器
44,45 乗算器
100,101,102 光信号復調器
200 QPSK変調器
201,202 光カプラ
203 移相器
210,211 MZ変調器(マッハツェンダ型強度変調器、干渉型強度変調器)
212 電極
213,214 光カプラ
215,216 位相変調部
R 負荷抵抗器
Claims (4)
- 位相変調された光信号の復調を行う光信号復調器であって、
コヒーレント光の光周波数を電気信号で電圧制御する光VCOと、
前記光信号と前記光VCOが出力する局発光とを合波し、位相反転した干渉波ペアを生成する90°光ハイブリッドと、
前記干渉波ペアを検波する複数の検波器と、
前記検波器の出力信号と連続光との位相誤差を検出する位相誤差検出部と、
前記位相誤差検出部の出力信号の高域周波数を低減し、前記電気信号を出力するループフィルタとを備え、
前記位相誤差検出部は、位相の余弦成分を出力する強度変調器が偶数個縦続接続して構成されている
ことを特徴とする光信号復調器。 - 請求項1に記載の光信号復調器であって、
前記位相誤差検出部と前記ループフィルタとの間に挿入される乗算器をさらに備え、
前記光VCOは、前記電気信号を電圧−周波数変換した信号と第1ディザ信号とを加算した加算信号で光周波数を電圧制御するものであり、
前記乗算器は、前記位相誤差検出部が出力する出力信号と第2ディザ信号とを乗算するものであり、
前記第2ディザ信号は、前記第1ディザ信号の位相を修正することにより、前記位相誤差検出部が出力する出力信号に含まれるディザ信号成分と位相が一致したものである
ことを特徴とする光信号復調器。 - 請求項1又は請求項2に記載の光信号復調器であって、
前記強度変調器は、前記コヒーレント光を入力するマッハツェンダ型強度変調器と、該マッハツェンダ型強度変調器に接続された光電変換器とを備え、
奇数段の光電変換器の出力信号は、次段のマッハツェンダ型強度変調器の変調信号として入力される
ことを特徴とする光信号復調器。 - 請求項2に記載の光信号復調器であって、
前記光VCOは、
前記電気信号で周波数を電圧制御するVCOと、
前記コヒーレント光を発生する光源と、
前記電圧−周波数変換した信号と前記第1ディザ信号とを加算する加算器と、
前記加算器の出力信号で前記コヒーレント光を強度変調する干渉型強度変調器とを備える
ことを特徴とする光信号復調器。
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