JP2013182898A - 発光装置およびそれを備えた照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】色変換層の端部同士が重なり合う場合においても、光出力の低下や色ずれが生じにくい発光装置を提供する。
【解決手段】隣接する発光部3の色変換層300は、その端部同士が実装基板2の厚み方向に重なり合っており、重なり合う部分において放射光が長波長の層ほど実装基板2の一表面21の近くに位置するように構成されている。そのため、赤色の発光部31の発光素子30からの光の一部は、色変換層301で赤色に波長変換された後、色変換層301上に重なる緑色の発光部32の色変換層302に入射するが、波長変換されることなく色変換層302を透過する。緑色の発光部32の発光素子30からの光の一部は、色変換層302で緑色に波長変換された後、色変換層302上に重なる青色の発光部33の色変換層303に入射するが、波長変換されることなく色変換層303を透過する。
【選択図】図1
【解決手段】隣接する発光部3の色変換層300は、その端部同士が実装基板2の厚み方向に重なり合っており、重なり合う部分において放射光が長波長の層ほど実装基板2の一表面21の近くに位置するように構成されている。そのため、赤色の発光部31の発光素子30からの光の一部は、色変換層301で赤色に波長変換された後、色変換層301上に重なる緑色の発光部32の色変換層302に入射するが、波長変換されることなく色変換層302を透過する。緑色の発光部32の発光素子30からの光の一部は、色変換層302で緑色に波長変換された後、色変換層302上に重なる青色の発光部33の色変換層303に入射するが、波長変換されることなく色変換層303を透過する。
【選択図】図1
Description
本発明は、発光素子からの光を色変換層で波長変換して取り出す発光装置およびそれを備えた照明装置に関する。
従来から、実装基板と、実装基板の一表面に実装された発光素子(LEDチップ)とを備えた発光装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1に記載の発光装置は、発光素子から放射される光によって励起され発光素子よりも長波長の光を放射する蛍光体を含有した透光性材料により形成される色変換層(蛍光体キャップ)が、発光素子を覆う(囲む)ように配置されている。蛍光体としてはたとえば黄色系の光を放射する黄色蛍光体の他、赤色蛍光体や緑色蛍光体などがあり、発光装置は、これらの蛍光体を混合して白色光を得ることができる。
また、発光素子(LED素子)を覆う樹脂層を実装基板(絶縁基板)上に形成する技術としては、一般的に、たとえばエポキシ樹脂からなる溶融樹脂をポッティングにより滴下して、発光素子を覆う樹脂層とすることが知られている(たとえば特許文献2参照)。特許文献2には、実装基板上に複数個の発光素子を搭載し、各発光素子がそれぞれ樹脂層で覆われるように発光素子ごとに樹脂層を形成することが記載されている。
上記のような発光装置では、近年、色むらの低減、多重影の低減を目的に、小型化が図られている。小型化するには、発光素子を実装基板に高密度に実装する必要があり、複数の発光素子を高密度に実装すると、隣接する発光素子を覆う色変換層の端部同士が実装基板の厚み方向に重なり合ってしまう可能性がある。この場合、発光素子からの光の一部は、この発光素子を覆っている色変換層で波長変換(色変換)された後、この色変換層上に重なっている別の色変換層に入射してさらに波長変換されることがある。すなわち、この発光装置においては、色変換層の端部同士が重なり合う程度に発光素子を密に配置した場合、発光素子から放射された光が、重なり合った複数の色変換層で複数回波長変換されることにより、発光装置全体としての光出力の低下や色ずれが生じる。
本発明は上記事由に鑑みて為されており、色変換層の端部同士が重なり合う場合においても、光出力の低下や色ずれが生じにくい発光装置およびそれを備えた照明装置を提供することを目的とする。
本発明の発光装置は、実装基板と、前記実装基板の一表面に実装された複数の発光素子と、前記発光素子の各々を覆うように設けられ、当該発光素子から放射される光を吸収することにより励起されて放射光を放射する蛍光体を透光性材料に含有した色変換層とを備え、隣接する前記発光素子を覆い且つ前記放射光の波長が異なる複数の前記色変換層は、前記実装基板の厚み方向において端部同士が重なり合う部分を有し、当該重なり合う部分においては前記放射光が長波長の前記色変換層ほど前記一表面の近くに位置することを特徴とする。
この発光装置において、前記色変換層は、表面が前記実装基板から離れる向きに凸となる曲面からなることが望ましい。
この発光装置において、前記複数の前記発光素子は前記一表面内での各々の形状が矩形状であって対角線方向に並ぶように配置されており、前記複数の前記色変換層は、前記対角線方向の端部同士が重なり合っていることがより望ましい。
この発光装置において、前記色変換層は、前記一表面内での形状が一方向に長い楕円形状であって、前記複数の前記色変換層は、前記一方向の端部同士が重なり合っていることがより望ましい。
本発明の照明装置は、上記発光装置と、前記発光装置を保持する本体とを備えることを特徴とする。
本発明は、発光素子からの光の一部が色変換層で波長変換された後、この色変換層上に重なる他の色変換層に入射しても、波長変換されることなく当該他の色変換層を透過する。したがって、色変換層の端部同士が重なり合う場合においても、光出力の低下や色ずれが生じにくいという利点がある。
(実施形態1)
本実施形態の発光装置1は、図2および3に示すように、実装基板2と、実装基板2の一表面21上に形成された複数色の発光部31,32,33(以下、各々を特に区別しないときには単に「発光部3」という)とを備えている。以下では、発光部3が並ぶ図3(b)の左右方向をX軸とし、図3(b)の右方向をX軸の正方向として説明し、また、図3(b)の上下方向をY軸とし、図3(b)の上方向をY軸の正方向として説明する。
本実施形態の発光装置1は、図2および3に示すように、実装基板2と、実装基板2の一表面21上に形成された複数色の発光部31,32,33(以下、各々を特に区別しないときには単に「発光部3」という)とを備えている。以下では、発光部3が並ぶ図3(b)の左右方向をX軸とし、図3(b)の右方向をX軸の正方向として説明し、また、図3(b)の上下方向をY軸とし、図3(b)の上方向をY軸の正方向として説明する。
本実施形態では、実装基板2は、図2に示すように平面視正方形状に形成されており、その一表面21の中央部に発光部3が配置される正方形状の実装領域22が設定されている。実装基板2は、ここでは配線パターン23(図4参照)が形成されたセラミック基板からなり、一表面21の四隅には、配線パターン23を介して発光部3に電力供給を行うための電極パッド24が形成されている。
発光部3は、実装基板2の実装領域22に対し、X軸方向およびY軸方向に12列ずつ、マトリクス状(格子点状)に計144個配置されている。以下では、実装領域22における発光部3の位置を、XY座標系で表す。つまり、実装領域22においては、X軸方向に(X,Y)=(0,y)から(X,Y)=(11,y)までの発光部3が並び、且つY軸方向に(X,Y)=(x,0)から(X,Y)=(x,11)までの発光部3が並んでいる。
本実施形態では、発光装置1は、赤色の光を放射する発光部31と、緑色の光を放射する発光部32と、青色の光を放射する発光部33とを採用することにより、全体として赤、緑、青(RGB)の3色の光、並びにこれらの混色光を出力可能に構成されている。これら複数色の発光部31,32,33は、同色の発光部3が互いに隣接しないように、実装領域22における(X,Y)=(0,0)の位置を「赤」とし、X軸の正方向およびY軸の正方向の各々に、赤、緑、青、赤、緑、…の順で配列されている。すなわち、実装領域22における(X,Y)=(0,0)の位置には赤色の発光部31、(X,Y)=(1,0)の位置には緑色の発光部32、(X,Y)=(2,0)の位置には青色の発光部33が配置される。このような配列を採用することにより、各色の発光部31,32,33は同数(48個)ずつ設けられる。
ここにおいて、各発光部3は、図3に示すように実装基板2の一表面21に実装された発光素子30と、発光素子30を覆うように設けられた色変換層300とを有している。
色変換層300は、発光素子30から放射される光を吸収することにより励起されて放射光を放射する蛍光体(図示せず)を、透光性材料(図示せず)に含有して形成されている。色変換層300の透光性材料は、たとえばシリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂などからなる。これらの透光性材料に含有される蛍光体(蛍光体粒子)は、透光性材料中に略均等に分散している。
色変換層300は、その表面が実装基板2の一表面21から離れる向きに凸となる曲面状に形成されている。本実施形態では、色変換層300は、その表面が略半球状であって、実装基板2の一表面21内での形状が略円形状となるドーム状(略半球状)に形成されている。このような形状の色変換層300は、発光素子30からの光を配光制御するレンズとしての機能を有している。
色変換層300は、発光部31,32,33ごとに蛍光体の組成が異なっており、一例として、赤色の発光部31ではCASN(CaAlSiN3:Eu等)などの赤色蛍光体が蛍光体として用いられる。また、緑色の発光部32ではCSO(CaSc2O4:Ce等)などの緑色蛍光体、青色の発光部33ではSCASN+YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)などの赤色蛍光体と黄色蛍光体との組合せが蛍光体として用いられる。以下、赤色の発光部31の色変換層301と、緑色の発光部32の色変換層302と、青色の発光部33の色変換層303とを必要に応じて区別して説明する。
なお、ここでは一例として、赤色の色変換層301における赤色蛍光体の濃度は25wt%〜35wt%の範囲内であり、緑色の色変換層302における緑色蛍光体の濃度は25w%〜35wt%の範囲内である。また、青色の色変換層303における赤色蛍光体および黄色蛍光体の組合せの濃度は5wt%〜15wt%の範囲内である。なお、この場合の青色の色変換層303における赤色蛍光体と黄色蛍光体との重量比率は、1〜2:9〜8である。この場合の発光素子30は、青色発光素子である。
他の蛍光体の組み合わせ例として、赤色の色変換層301ではSCASN、緑色の色変換層302ではCSO、青色の色変換層303ではSCASN+YAGが蛍光体に用いられる。さらに他の組み合わせ例として、赤色の色変換層301ではCASN、緑色の色変換層302ではYAG、青色の色変換層303ではSCASN+YAGが蛍光体に用いられる。さらに他の組み合わせ例として、赤色の色変換層301ではSCASN、緑色の色変換層302ではYAG、青色の色変換層303ではSCASN+YAGが蛍光体に用いられる。なお、色変換層300の蛍光体の組成は上述した例に限らず適宜選択可能である。
発光素子30は、実装基板2の実装領域22に対して複数個(ここでは144個)実装されることにより、各発光部3につき1個ずつ設けられている。本実施形態では、発光素子30は3色の発光部31,32,33に共通の仕様であって、いずれも通電時に青色の光を放射する平面視矩形状のLED(発光ダイオード)チップからなる。この発光素子30は、少なくとも全ての発光部31,32,33における色変換層301,302,303の蛍光体を励起可能なように、出力光の波長域が選択されている。ここで、蛍光体は、一般に自身の放射光よりも短波長の光によって励起されるので、発光素子30の発光スペクトルのピーク波長は、色変換層301,302,303のうちで最も短波長である色変換層303の蛍光体の放射光よりも短波長に設定される。
なお、発光素子30の発光スペクトルのピーク波長は、必ずしも色変換層303の蛍光体の蛍光体の放射光よりも短波長に設定される必要はなく、色変換層303の蛍光体の放射光と同じ、またはそれよりも長い波長に設定されていてもよい。
これら複数個の発光素子30は、同色の発光部31,32,33ごとに、実装基板2における各一対の電極パッド24間に、配線パターン23を介して直列あるいは並列に接続されている。これにより、発光装置1は、実装基板2のいずれか一対の電極パッド24間に電圧が印加されると、この電極パッド24間に接続されているいずれかの発光部31,32,33の発光素子30が発光する。
また、本実施形態においては、実装基板2は絶縁層と配線パターン23とが交互に複数層積層された多層基板(多層セラミック基板)からなる。具体的には、実装基板2は、図4に示すようにセラミックからなる主基板25上に、第1の配線パターン231、第1の絶縁層261、第2の配線パターン232、第2の絶縁層262、第3の配線パターン233がこの順で積層されている。このように複数層に分けて形成された配線パターン23は、層ごとに別々のパターンを形成する。本実施形態では、第1の配線パターン231は青色の発光部33の発光素子30同士を接続し、第2の配線パターン232は緑色の発光部32の発光素子30同士を接続し、第3の配線パターン233は赤色の発光部31の発光素子30同士を接続する。
ただし、第1の配線パターン231、第1の絶縁層261、第2の配線パターン232、第2の絶縁層262、第3の配線パターン233は、実装基板2のうち発光素子30が実装される各部位を避けて形成されている。そのため、発光素子30は、実装基板2の一表面21に形成された凹所27の底面に露出した主基板25に直接取り付けられるようにして、実装基板2に実装される。発光素子30は、凹所27の周囲において配線パターン23とボンディングワイヤ28によって電気的に接続される。
ここで、第2の配線パターン232は第2の絶縁層262に覆われているので、緑色の発光部32の発光素子30にあっては、第2の絶縁層262に空いた穴291(図3参照)を通して第2の配線パターン232に接続される。同様に、第1の配線パターン231は第1の絶縁層261に覆われているので、青色の発光部33の発光素子30にあっては、第2の絶縁層262および第1の絶縁層261に連続して空いた穴292(図3参照)を通して第1の配線パターン231に接続される。
発光部3は、上述のように発光素子30が発光すると、発光素子30から放射された光の一部が色変換層300に含有された蛍光体に吸収されることにより、蛍光体が励起されて一般的に発光素子30よりも長波長の放射光を放射する。言い換えれば、発光素子30から放射された光の一部は、この発光素子30を覆う色変換層300に含有されている蛍光体によって、異なる色の光に色変換(波長変換)される。一方で、発光素子30から放射された残りの光は、蛍光体に吸収されずに色変換層300を透過する。したがって、発光部3からは、発光素子30からの光と色変換層300で波長変換された光とが混合された色の光が放射されることになる。ただし、本実施形態では発光部3からの放射光は、色変換層300で波長変換された光が支配的であると仮定する。
また、本実施形態の発光装置1は、複数組の電極パッド24間に電圧が同時に印加されると、複数の発光部31,32,33の発光素子30が一斉に発光し、全体としては複数の発光部31,32,33からの混色光を出力する。ここで、発光装置1は、RGBの3色の発光部31,32,33を備えているので、各発光部31,32,33の光出力の比を調節することにより、全体として出力光の色温度が可変となる。
ところで、上述した構成の発光装置1は、各発光部3において発光素子30を覆う色変換層300が、たとえばエポキシ樹脂からなる液状樹脂を実装基板2に実装された発光素子30上に滴下し、液状樹脂を硬化させるポッティング加工により形成されている。そのため、発光装置1は、複数の発光素子30を密に配置しようとすれば発光素子30同士の距離が近くなって、隣接する発光部3の色変換層300の端部同士が実装基板2の厚み方向に重なり合う部分が生じる。
そこで、本実施形態の発光装置1においては、互いに隣接する発光部3の色変換層300は、互いに重なり合う部分(図3に「A」で示す部分)において、蛍光体からの放射光が長波長の層ほど実装基板2の一表面21の近くに位置するように構成されている。ここで、色変換層300の放射光の波長とは、各色変換層300からの放射光のピーク波長であって、各色変換層300の外表面上における発光素子30直上部(頂部)の光を分光放射輝度計にて輝度および発光スペクトルを測定して求めた波長である。これにより、本実施形態の発光装置1は、色変換層300の端部同士が重なり合う程度に発光素子30を密に配置しながらも、光出力の低下や色ずれが生じにくいという利点がある。その理由について、図1を参照して、図5に示す比較例と対比しながら以下に説明する。
すなわち、図5に示す比較例においては、互いに隣接する発光部3の色変換層300は、互いに重なり合う部分において、蛍光体からの放射光が短波長の層ほど、実装基板2の一表面21の近くに位置するように構成されている。つまり、図5では、放射光の波長が最も短い青色の色変換層303の左端部上に緑色の色変換層302の右端部が重なり、緑色の色変換層302の左端部上に赤色の色変換層301の右端部が重なっている。
この例では、青色の発光部33の発光素子30からの光の一部は、色変換層303で青色に波長変換され(図5の矢印B1)、さらに、この色変換層303上に重なっている色変換層302に入射して緑色に波長変換される(矢印G1)。要するに、上述したように蛍光体は一般に自身の放射光よりも短波長の光によって励起されるので、色変換層302の蛍光体は、その励起波長より短波長である色変換層303の蛍光体からの放射光(青色光)によって励起され、緑色の放射光を放射する。同様に、緑色の発光部32の発光素子30からの光の一部は、色変換層302で緑色に波長変換され(矢印G2)、さらに、この色変換層302上に重なっている色変換層301に入射して赤色に波長変換される(矢印R2)。
その結果、比較例においては、発光素子30から放射された光は、重なり合った複数の色変換層300で複数回波長変換されることにより、一つの色変換層300で一度だけ波長変換される場合に比べて蛍光体に多く吸収されることになる。また、青色の発光部33からの放射光の一部は緑色の発光部32の色変換層302にて緑色に変換され、緑色の発光部32からの放射光の一部は赤色の発光部31の色変換層301にて赤色に変換される。したがって、比較例においては、発光装置1全体として光出力の低下や色ずれが生じる可能性がある。
これに対して、本実施形態の発光装置1においては、図1に示すように放射光の波長が最も長い赤色の色変換層301の左端部上に緑色の色変換層302の右端部が重なり、緑色の色変換層302の左端部上に青色の色変換層303の右端部が重なっている。
そのため、本実施形態の発光装置1においては、赤色の発光部31の発光素子30からの光の一部は、色変換層301で赤色に波長変換され(図1の矢印R0)、さらに、この色変換層301上に重なっている色変換層302に入射する。ただし、赤色の発光部31から緑色の発光部32の色変換層302に入射した光は、色変換層302の蛍光体を励起することはほとんどないので、波長変換されることなく色変換層302を透過する(矢印R0)。要するに、上述したように蛍光体は一般に自身の放射光よりも短波長の光によって励起されるので、色変換層302の蛍光体は、その励起波長より長波長である色変換層301の蛍光体からの放射光(赤色光)によってはほとんど励起されない。同様に、緑色の発光部32の発光素子30からの光の一部は、色変換層302で緑色に波長変換され(矢印G0)、さらに、この色変換層302上に重なっている色変換層303に入射するが、ほとんど波長変換されることなく色変換層303を透過する(矢印G0)。
なお、正確には、蛍光体から放射される放射光の波長と蛍光体の励起波長とは異なるが、蛍光体の放射光の波長よりも蛍光体の励起波長が短波長となる傾向があるため、蛍光体の放射光の波長を特定することにより、当該作用を説明することができる。
その結果、本実施形態においては、発光素子30から放射された光は、一つの色変換層300で一度だけ波長変換されるので、重なり合った複数の色変換層300で複数回波長変換される場合に比べて蛍光体での吸収が抑制される。また、赤色の発光部31からの放射光の一部は緑色の発光部32の色変換層302を透過しても赤色のままであり、緑色の発光部32からの放射光の一部は青色の発光部33の色変換層303を透過しても緑色のままである。したがって、本実施形態においては、色変換層300の端部同士が重なり合う場合でも、発光装置1全体として光出力の低下や色ずれが生じにくい。
上述した構成の発光装置1は、たとえば以下に説明する製造方法で製造される。
まず、複数の発光素子30は、実装基板2に対してダイボンディング等により固定され、ワイヤボンディングにより配線パターン23と電気的に接続される。次に、実装基板2には、蛍光体を含有した液状樹脂が被着(ポッティング)され、この液状樹脂が硬化されることにより色変換層300が形成される。このとき、色変換層300は、蛍光体の種類ごとに順次形成され、蛍光体の放射光が長波長の色変換層300から順に形成される。
すなわち、3色の色変換層301,302,303は、放射光の波長が最も長い赤色の色変換層301、次に放射光の波長が長い緑色の色変換層302、放射光の波長が最も短い青色の色変換層303の順に形成される。これにより、図1に示すように、発光装置1は、赤色の色変換層301の一端部上に緑色の色変換層302の一端部が重なり、緑色の色変換層302の他端部上に青色の色変換層303の一端部が重なった構成となる。つまり、互いに隣接する発光部3の色変換層300は、互いに重なり合う部分において放射光が長波長の層ほど実装基板2の一表面21の近くに位置することになる。
上記製造方法によれば、実装基板2の一表面21における色変換層300の配置が多少ずれたとしても、色変換層301,302,303は放射光が長波長の層300から順に積層されるので、発光装置1全体として光出力の低下や色ずれが生じにくい。
なお、色変換層300は、液状樹脂のポッティングに限らず、液状樹脂が実装基板2に塗布されることにより形成されてもよい。
次に、本実施形態の発光装置1の具体例を示して、発光装置1の構成をさらに詳しく説明する。ただし、以下に説明する数値等は一例に過ぎず、発光装置1の構成を下記具体例に限定する趣旨ではない。
赤色の発光部31の色変換層301は、この色変換層301から放射される光のピーク波長が630nm〜660nmの範囲内となるように、蛍光体の組成、濃度が決定されている。緑色の発光部32の色変換層302は、この色変換層302から放射される光のピーク波長が480nm〜550nmの範囲内となるように、蛍光体の組成、濃度が決定されている。青色の発光部33の色変換層303は、この色変換層303から放射される光のピーク波長が420nm〜460nmの範囲内となるように、蛍光体の組成、濃度が決定されている。
なお、発光素子30の発光スペクトルのピーク波長が、色変換層303の蛍光体の放射光と同じまたはそれよりも長波長である場合、発光素子30としては、たとえば420nm〜460nmの範囲内の青色発光素子を用いることができる。また、発光素子30の発光スペクトルのピーク波長が、色変換層303の蛍光体の放射光よりも短波長である場合、発光素子30としては、たとえば380nm以上420nm未満の近紫外発光素子を用いることができる。この場合においては、色変換層303には青色蛍光体を用いることが好ましい。
各色変換層300は、実装基板2の一表面21内での形状が略円形状となるドーム状(略半球状)に形成されており(図3参照)、実装基板2の厚み方向における一表面21からの高さ寸法が200μm〜800μmの範囲内に設定されている。さらに、各色変換層300は、実装基板2の一表面21から最も離れた頂部の曲率半径が0.9μm〜1.3μmの範囲内となるように、その表面の形状が決められている。この場合、発光素子30が0.2mm〜0.6mm角のLEDチップであれば、色変換層300が形成する半球の中心付近に発光素子30が配置されることになり、色変換層300はレンズとして機能し発光素子30からの光を広範囲に広げることができる。さらに、このような形状とすることで色変換層300は厚みが十分に確保されるので、発光素子30からの光の波長変換の効率も高くなる。
なお、色変換層300は、実装基板2の厚み方向における一表面21からの高さ寸法が400μm〜600μmの範囲内であって、実装基板2の一表面21から最も離れた頂部の曲率半径が1.0μm〜1.3μmの範囲内であることがより好ましい。さらに好ましくは、色変換部300の頂部の曲率半径は1.1μm〜1.3μmの範囲内に設定される。
また、複数の発光素子30は、隣接する発光素子30同士の最小間隔が400μm〜1000μmの範囲内となるように、実装基板2の一表面21に配列されている。このように複数の発光素子30が狭ピッチで配置されることにより、複数色の発光部31,32,33から放射された光の混色性が高くなり、発光装置1全体としては色むらの少ない光を取り出すことができる。
なお、隣接する発光素子30同士の最小間隔は600μm〜800μmの範囲内であることがより好ましい。
上述したような寸法(形状)で、色変換層300が形成され発光素子30が配置されると、隣接する色変換層300は、実装基板2の厚み方向において端部同士が重なり合う部分を有することになる。
ところで、発光素子30は、同一平面に実装される構成に限らず、たとえば図6,7に例示するような実装基板2を用いることにより、実装基板2の厚み方向における実装位置が発光部31,32,33ごとに異なるように構成されていてもよい。
すなわち、図6の例では、実装基板2は、ベースとなる第1の層201上に、第2の層202、第3の層203がこの順に積層されて主基板25が構成されている。赤色の発光部31の発光素子30は第1の層201に実装され、緑色の発光部32の発光素子30は第2の層202に実装され、青色の発光部33の発光素子30は第3の層203に実装されている。
これにより、第1の層201からの発光素子30の高さ寸法は、赤色の発光部31、緑色の発光部32、青色の発光部33の順に大きくなる。言い換えれば、放射光が長波長の発光部3ほど、発光素子30は、実装基板2の厚み方向において他表面側(図6の下方)に後退した配置となる。この場合、色変換層300についても、発光部31,32,33ごとに異なる層201,202,203上に形成されるので、第1の層201からの色変換層300の高さ寸法は、赤色の発光部31、緑色の発光部32、青色の発光部33の順に大きくなる。つまりこの場合、色変換層300は互いに重なり合う部分において、放射光が長波長の色変換層300ほど実装基板2の一表面21の近くに位置しやすくなる。
また、図7の例では、実装基板2は、主基板25の一表面21に第1の凹部211と、第1の凹部211よりも深さ寸法の小さい(浅い)第2の凹部212とが形成されている。赤色の発光部31の発光素子30は深い方の第1の凹部211の底面に実装され、緑色の発光部32の発光素子30は浅い方の第2の凹部212の底面に実装され、青色の発光部33の発光素子30は一表面21における凹部以外の部位に実装されている。
これにより、第1の凹部211の底面からの発光素子30の高さ寸法は、赤色の発光部31、緑色の発光部32、青色の発光部33の順に大きくなる。言い換えれば、放射光が長波長の発光部3ほど、発光素子30は、実装基板2の厚み方向において他表面側(図7の下方)に後退した配置となる。
以上説明した本実施形態の発光装置1によれば、隣接する発光部3の色変換層300は、互いに重なり合う部分において、蛍光体からの放射光が長波長の層ほど実装基板2の一表面21の近くに位置するように構成されている。そのため、本実施形態の発光装置1は、色変換層300の端部同士が重なり合う場合においても、光出力の低下や色ずれが生じにくい利点がある。言い換えれば、この発光装置1においては、光出力の低下や色ずれを生じることなく発光素子30を密に配置することが可能である。
また、本実施形態では、実装基板2は多層セラミック基板からなるので、一表面21に沿う平面内での配線パターン23の密集度を高めることができ、密に配置された発光素子30の配線が比較的容易である。さらに、セラミック基板は、樹脂基板に比べて熱膨張係数が小さく、熱伝導率が高いので、実装基板20は、密に配置された発光素子30で発生した熱による変形量が小さく、且つ放熱性に優れている。
ところで、本実施形態では2層の色変換層300の端部同士が重なり合う例を示したが、3層以上の色変換層301,302,303の端部同士が重なり合っていてもよい。この場合であっても、隣接する発光部3の色変換層300は、互いに重なり合う部分において、蛍光体からの放射光が長波長の層ほど実装基板2の一表面21の近くに位置するように構成される。つまり、3色の色変換層301,302,303が重なる場合には、これらの色変換層301,302,303は、実装基板2に対して赤色の色変換層301、緑色の色変換層302、青色の色変換層303の順に重なるように構成される。
また、本実施形態の変形例として、各発光部3の色変換層300は、図8に示すように実装基板2の一表面21内での形状が一方向(ここではX軸方向)に長い楕円形状であってもよい。この場合、隣接する発光部3の色変換層300は、その長軸方向(ここではX軸方向)の端部同士が重なり合う。つまり、図8に示す発光装置1は、X軸方向に隣接する発光部3間において色変換層300同士の重なりが生じることになる。
この構成においても、隣接する発光部3の色変換層300は、互いに重なり合う部分において、蛍光体からの放射光が長波長の層ほど実装基板2の一表面21の近くに位置する。そのため、図8に示す発光装置1においても、色変換層300の端部同士が重なり合う程度に発光素子30を密に配置しながらも、光出力の低下や色ずれが生じにくいという利点がある。
(実施形態2)
本実施形態の発光装置1は、実装基板2の一表面21における発光部3の配置が実施形態1の発光装置1とは相違する。以下、実施形態1と同様の構成については共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態の発光装置1は、実装基板2の一表面21における発光部3の配置が実施形態1の発光装置1とは相違する。以下、実施形態1と同様の構成については共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態では、複数の発光素子30は、図9に示すように一表面21の実装領域22内において、各発光素子30の対角線方向に並ぶように二次元配置されている。すなわち、複数の発光素子30はいわゆる千鳥状に配置されている。このような配置を採用することにより、発光装置1は、発光素子30が配置される実装領域22の面積を小さく抑えながらも、発光素子30の各辺方向に隣接する発光素子30の中心間の距離を比較的大きく確保できる。
ここにおいて、本実施形態の発光装置1は、発光素子30の対角線方向に隣接する発光部3の色変換層300の端部同士が重なり合っている。つまり、図9に示す発光装置1は、複数の色変換層300は発光素子30の対角線方向の端部同士に重なりが生じることになる。図9の例では、複数色の発光部31,32,33は、発光素子30の対角線方向において同色の発光部3が互いに隣接しないように、対角線方向において、赤、緑、赤、緑、…の順に並ぶ列と、赤、青、赤、青、…の順で並ぶ列とが交互に配置されている。
つまり、複数色の発光部31,32,33は、X軸方向において赤色の発光部31のみが並ぶ列と、緑色の発光部32および青色の発光部33が交互に並ぶ列とが、Y軸方向に交互に配置されている。したがって、発光装置1全体としては、緑色、青色の発光部32,33に比べて赤色の発光部31の割合が多くなる。そのため、赤色の発光部31の色変換層301での波長変換が、緑色、青色の発光部32,33の色変換層302,303での波長変換に比べて変換効率が悪い場合でも、発光装置1は赤、緑、青の光を略均等に出力することができる。
この構成においても、発光素子30の対角線方向に隣接する発光部3の色変換層300は、互いに重なり合う部分において、蛍光体からの放射光が長波長の層ほど実装基板2の一表面21の近くに位置する。そのため、本実施形態の発光装置1においても、色変換層300の端部同士が重なり合う程度に発光素子30を密に配置しながらも、光出力の低下や色ずれが生じにくいという利点がある。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態の発光装置1は、図10に示すように、各発光部3の色変換層300が、実装基板2の一表面21内での形状がある程度の幅を持つ直線状(帯状)である点で実施形態1の発光装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態の発光装置1は、図10に示すように、各発光部3の色変換層300が、実装基板2の一表面21内での形状がある程度の幅を持つ直線状(帯状)である点で実施形態1の発光装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については共通の符号を付して適宜説明を省略する。
図10における色変換層300は、長手方向(ここではY軸方向)に直交する断面が略半円状となる半円柱状に形成されている。この場合、各発光部3は、複数の発光素子30が一方向(ここではY軸方向)に沿って一列に並ぶように配置され、これら複数の発光素子30が1本の色変換層300で覆われることにより形成される。図10の例では、複数色の発光部31,32,33は、同色の発光部3が互いに隣接しないように、X軸の正方向に、赤、緑、青、赤、緑、…の順で配列されている。
本実施形態の構成によれば、色変換層300は、発光素子30ごとに1つずつポッティングが施されなくとも、複数の発光素子30に対してまとめて線状に液状樹脂が塗布されることにより形成されるので、より簡易的に色変換層300が形成可能になる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態4)
本実施形態の発光装置1は、図11に示すように、各発光部3の色変換層300が、実装基板2の一表面21内の形状が同心円状である点で実施形態1および2の発光装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態の発光装置1は、図11に示すように、各発光部3の色変換層300が、実装基板2の一表面21内の形状が同心円状である点で実施形態1および2の発光装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については共通の符号を付して適宜説明を省略する。
図11における色変換層300は、円周方向に直交する断面が略半円状に形成されている。この場合、各発光部3は、複数の発光素子30が円環状に並ぶように配置され、これら複数の発光素子30が1本の色変換層300で覆われることにより形成される。図11の例では、複数色の発光部31,32,33は、同色の発光部3が互いに隣接しないように、最外郭から内側に向かって、赤、緑、青、赤、緑、…の順で配列されている。
本実施形態の構成によれば、各色の色変換層301,302,303がその円周方向に均等に配置されることになるので、円周方向における色度むらの発生を低減することができる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(変形例)
上記の各実施形態における各色変換層300には、たとえば以下に説明するような組み合わせの蛍光体を用いることができる。
上記の各実施形態における各色変換層300には、たとえば以下に説明するような組み合わせの蛍光体を用いることができる。
赤色の色変換層301は、赤色蛍光体のみ、橙色蛍光体のみ、赤色蛍光体と緑色蛍光体との組合せ、赤色蛍光体と橙色蛍光体との組合せ、赤色蛍光体と黄色蛍光体との組合せ、橙色蛍光体と緑色蛍光体との組合せのいずれかを、蛍光体として含んでいてもよい。他にも、赤色の色変換層301は、橙色蛍光体と黄色蛍光体との組合せ等を蛍光体として含んでいてもよい。なお、赤色蛍光体と緑色蛍光体との組合せ、赤色蛍光体と橙色蛍光体との組合せ、および赤色蛍光体と黄色蛍光体との組合せの場合には、それぞれ緑色蛍光体、橙色蛍光体および黄色蛍光体よりも、赤色蛍光体のほうが高濃度であることが好ましい。また、橙色蛍光体と緑色蛍光体との組合せ、および橙色蛍光体と黄色蛍光体との組合せの場合には、それぞれ緑色蛍光体および黄色蛍光体よりも、橙色蛍光体のほうが高濃度であることが好ましい。
緑色の色変換層302は、緑色蛍光体のみ、黄色蛍光体のみ、赤色蛍光体と緑色蛍光体との組合せ、橙色蛍光体と緑色蛍光体との組合せ、赤色蛍光体と黄色蛍光体との組合せ、橙色蛍光体と黄色蛍光体との組合せ等のいずれかを、蛍光体として含んでいてもよい。なお、赤色蛍光体と緑色蛍光体との組合せ、および橙色蛍光体と緑色蛍光体との組合せの場合には、それぞれ赤色蛍光体および橙色蛍光体よりも、緑色蛍光体のほうが高濃度であることが好ましい。また、赤色蛍光体と黄色蛍光体との組合せ、および橙色蛍光体と黄色蛍光体との組合せの場合には、それぞれ赤色蛍光体および橙色蛍光体よりも、黄色蛍光体のほうが高濃度であることが好ましい。
青色の色変換層303は、青色蛍光体のみ、赤色蛍光体と黄色蛍光体との組合せ、または赤色蛍光体と緑色蛍光体との組合せ等を、蛍光体として含んでいてもよい。
さらに、赤色蛍光体、橙色蛍光体、黄色蛍光体および緑色蛍光体としては、たとえば以下に説明する組成の蛍光体がある。
赤色蛍光体としては、(Ca、Sr)AlSiN3:Eu2+、(Sr,Ca)S:Eu2+,La2O2S:Eu3+,Sm3+等の硫化物蛍光体、Ba3MgSi2O8:Eu2+,Mn2+等の珪酸塩蛍光体を用いることができる。また、(Ca、Sr)SiN2:Eu2+、(Ca、Sr)AlSiN3:Eu2+、Sr2Si5-xAlxOxN8-x:Eu2+(0≦x≦1)等の窒化物または酸窒化物蛍光体等を、赤色蛍光体として用いることもできる。
橙色蛍光体としては、Ca-α-SiAlON:Eu2+等のα−サイアロン蛍光体等を用いることができる。
黄色蛍光体としては、Y3Al5O12:Ce3+、Y3(Al,Ga)5O12:Ce3+、(Y,Gd)3Al5O12:Ce3+、Y3Al5O12:Tb3+、Y3Al5O12:Ce3+、Pr3+、チオガレート蛍光体CaGa2S4:Eu2+を用いることができる。また、α−サイアロン蛍光体Ca-α-SiAlON:Eu2+等を黄色蛍光体として用いることもできる。
緑色蛍光体としては、BaMgAl10O17:Eu2+,Mn2+および(Ba,Sr,Ca)Al2O4:Eu2+等のアルミン酸塩蛍光体、Ca-α-SiAlON:Yb2+等のα−サイアロン蛍光体を用いることができる。また、β-Si3N4:Eu2+等のβ−サイアロン蛍光体、(Ba,Sr)2SiO4:Eu2+等のシリケート蛍光体、(Ba,Sr,Ca)Si2O2N2:Eu2+等のオクソニトリドシリケート蛍光体を緑色蛍光体として用いることもできる。(Ba,Sr,Ca)2Si4AlON7:Ce3+および(Ba,Sr,Ca)Al2-xSixO4-xNx:Eu2+(0<x<2)等のオクソニトリドアルミノシリケート蛍光体を緑色蛍光体として用いることもできる。(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Ce3+等のニトリドシリケート蛍光体、SrGa2S4:Eu2+等のチオガレート蛍光体、Ca3Sc2Si3O12:Ce3+およびBaY2SiAl4O12:Ce3+ガーネット蛍光体等を緑色蛍光体として用いることもできる。
青色蛍光体としては、BaMgAl10O17:Eu2+等を用いることもできる。
また、上記の各実施形態においては、色変換層300は3種類であったが、発光装置1は、少なくとも2種類以上の色変換層300を備えていればよい。さらに、上記の各実施形態においては、隣り合う色変換層300が異なる種類の色変換層300であったが、発光装置1は、隣り合う色変換層300が同じ種類の色変換層300である部分を含んでいてもよい。また、複数の発光素子30の一部の発光素子30は、色変換層300に覆われずに透光性樹脂に覆われていてもよい。
ところで、以上説明した各実施形態並びに変形例の発光装置1は、室内や屋外等に設置される照明装置に用いられる。すなわち、照明装置10は、図12に示すように発光装置1と、この発光装置1を保持する本体11とを備えている。なお、図12の例では発光装置1における発光部の図示を省略している。
図12において、本体11は、円盤状に形成されたアルミ製のベース12と、ベース12に結合され、ベース12との間に発光装置1を収容する空間を形成するカバー13とを有している。さらに、本体11は、ベース12に対して絶縁シート14および放熱絶縁シート15がこの順で積層されており、放熱絶縁シート15上に発光装置1を配置するように発光装置1を保持する。また、本体11は、カバー13と発光装置1との間に、発光装置1を定位置に固定するホルダー16を有している。カバー13およびホルダー16は、発光装置1の実装基板2のうち発光部が実装される一表面21を覆うように設けられており、実装領域22に対応する位置に窓孔131,161が開口している。カバー13の窓孔131には、透光性を有する透光パネル17が嵌め込まれる。
発光装置1の実装基板2の一表面21上の電極パッド24(図2参照)には、ハーネス18を介してコネクタ19が電気的に接続されている。コネクタ19は、ベース12とカバー13とで囲まれる空間外へ引き出されている。
上述のように構成される照明装置10は、ベース12における発光装置1とは反対側の面を天井や壁等の施工面に当接させる向きで、ベース12の取付孔121に挿通されるねじ(図示せず)を用いて施工面に取り付けられる。この照明装置10は、コネクタ19に電源(図示せず)が接続されて発光装置1の電極パッド24に電圧が印加されることにより、発光装置1が発光(点灯)してカバー13の窓孔131から光を放射し照明を行う。
なお、発光装置1は、照明装置10に限らず、たとえば口金を有するランプや、自発光式の表示装置や、液晶ディスプレイのバックライトなどに用いられてもよい。
1 発光装置
2 実装基板
10 照明装置
11 本体
21 一表面
3 発光部
30 発光素子
31 発光部(赤色)
32 発光部(緑色)
33 発光部(青色)
300 色変換層
301 色変換層(赤色)
302 色変換層(緑色)
303 色変換層(青色)
2 実装基板
10 照明装置
11 本体
21 一表面
3 発光部
30 発光素子
31 発光部(赤色)
32 発光部(緑色)
33 発光部(青色)
300 色変換層
301 色変換層(赤色)
302 色変換層(緑色)
303 色変換層(青色)
Claims (5)
- 実装基板と、前記実装基板の一表面に実装された複数の発光素子と、前記発光素子の各々を覆うように設けられ、当該発光素子から放射される光を吸収することにより励起されて放射光を放射する蛍光体を透光性材料に含有した色変換層とを備え、
隣接する前記発光素子を覆い且つ前記放射光の波長が異なる複数の前記色変換層は、前記実装基板の厚み方向において端部同士が重なり合う部分を有し、当該重なり合う部分においては前記放射光が長波長の前記色変換層ほど前記一表面の近くに位置することを特徴とする発光装置。 - 前記色変換層は、表面が前記実装基板から離れる向きに凸となる曲面からなることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
- 前記複数の前記発光素子は前記一表面内での各々の形状が矩形状であって対角線方向に並ぶように配置されており、前記複数の前記色変換層は、前記対角線方向の端部同士が重なり合っていることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
- 前記色変換層は、前記一表面内での形状が一方向に長い楕円形状であって、前記複数の前記色変換層は、前記一方向の端部同士が重なり合っていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置と、前記発光装置を保持する本体とを備えることを特徴とする照明装置。
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