JP2013181675A - 再熱ボイラ、舶用推進プラント、船舶、舶用推進プラントの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】舶用推進プラントにおける運転モードが後進モードまたはボイルオフガス処理モードにあるとき、再熱器29の出口における燃焼ガス温度が規定上限値よりも高いとき、の少なくとも一つを認識したときには、再熱バーナ27から燃焼ガス中に空気を供給し、燃焼ガス温度を低下させるようにした。これにより、再熱器29の出口における燃焼ガス温度を低下させ、再熱器29が熱影響を受けるのを防ぐ。
【選択図】図3
Description
バーナ101の燃焼で発生した燃焼ガスは、火炉102から過熱器104及び蒸発管群105を流れ、再熱バーナ107の燃焼ガスと再熱炉108にて混合し、再熱器109と熱交換を行いながら流れ、節炭器110を経てガス出口111から流出することで、効率的に運転を行うようにしていた。
すると、再熱器109において熱交換による燃焼ガスの温度低下が行われず、再熱器109の出口における燃焼ガス温度が高くなる。
この場合も、再熱器109において熱交換による燃焼ガスの温度低下が行われず、再熱器109の出口における燃焼ガス温度Tが高くなる。
すなわち、本発明の再熱ボイラは、バーナの燃焼で発生した燃焼ガスが、火炉から過熱器、蒸発管群を通過して流れるように構成した主ボイラと、前記蒸発管群の後流側の再熱炉に再熱バーナを備え、該再熱炉の上部側に再熱器とを有する再熱ボイラであって、前記再熱器の出口側における前記燃焼ガス温度が、予め定めた設定値を超えるときには、外部から空気を前記燃焼ガス中に混入させる空気混入手段を備えたことを特徴とする。
また、再熱器の出口側における燃焼ガスの温度が予め定めた規定値を越えたことを制御部で認識した場合にも、再熱ボイラの空気混入手段において燃焼ガス中に空気を供給することで、燃焼ガスの温度を低下させることができる。
燃焼ガスの温度が低すぎると、燃焼ガス中において、燃料に含まれる硫黄等の成分の濃度が高まる。そこで、燃焼ガスの温度が規定下限値を下回った場合に、燃焼ガス中への空気の供給を停止することで、燃焼ガスの温度が過度に下がるのを防止することができる。
図1には、本発明の一実施形態にかかる舶用推進プラントの概略が示されている。
舶用推進プラント1は、例えばLNGC等の船舶の推進用に用いられる。この舶用推進プラント1は、主機とされる蒸気タービン3と、減速機(駆動伝達手段)5と、プロペラ(推進器)7とを主として備えている。
高圧タービン10には、主ボイラ26からの主蒸気(Main Steam)が供給され、これにより高圧タービン10が回転駆動される。ここで、主蒸気の蒸気条件としては、10MPa×560℃程度とされる。
再熱ボイラ20は、高圧タービン10と中圧タービン11との間に配置され、高圧タービン10から排気された蒸気を加熱する。再熱ボイラ20にて加熱された蒸気は、中圧タービン11へと供給される。
中圧タービン11には、再熱ボイラ20にて加熱された再熱蒸気が供給され、これにより中圧タービン11は回転駆動される。中圧タービン11と高圧タービン10とは共通の第1軸17に設けられている。中圧タービン11の機能としては、低圧タービン12の一部と考えてよいが、配置上の制限と減速機に伝える負荷分担を平等にする目的で低圧タービン12側ではなく、高圧タービン10と同軸上に配備してある。
低圧タービン12には、中圧タービン11から排気された蒸気が供給され、これにより低圧タービン12が回転駆動される。低圧タービン12から排気された蒸気は、メインコンデンサ(M/C)へと送られ、凝縮させられる。
後進タービン13は、船舶が後進する際に用いられ、主ボイラ26からの蒸気が直接供給されるようになっている。後進タービン13と低圧タービン12とは共通の第2軸18に設けられている。
バーナ21の燃焼で発生した燃焼ガスは、火炉22から過熱器24及び蒸発管群25を流れ、再熱バーナ27の燃焼ガスと再熱炉28にて混合し、再熱器29、節炭器30を経てガス出口31から流出する。
これには、舶用推進プラント1の制御部80が、舶用推進プラント1における運転モード、再熱器29の出口付近に設けられた温度センサ81において検出した再熱器29の出口における燃焼ガス温度T等を検出し、その検出結果に基づいて、予め設定されたコンピュータプログラムにより、再熱バーナ27からの空気の供給のON/OFFを、自動的に制御する。
図2に示すように、船舶が通常運行する通常運行モードでは、再熱バーナ27を燃焼させる。
すなわち、バーナ21の燃焼で発生した燃焼ガスは、火炉22から過熱器24及び蒸発管群25において、過熱器24及び蒸発管群25の管路内を流れる水(蒸気)と熱交換することで、過熱蒸気を生成する。
蒸発管群25を経た燃焼ガスは、再熱バーナ27の燃焼ガスと再熱炉28にて混合し、燃焼ガス温度が例えば700℃とされた状態で再熱器29へと送られる。
再熱器29では、高圧タービン10から送り込まれた蒸気と燃焼ガスとの熱交換を行うことで、再熱器29の出口における燃焼ガス温度Tが例えば450℃に低下する。
そして、節炭器30では、蒸気タービン3を構成する高圧タービン10、中圧タービン11、低圧タービン12、後進タービン13から給水ポンプによって送り込まれた水を燃焼ガスと熱交換させる。これにより、節炭器30の出口における燃焼ガス温度は、例えば165℃に低下する。
図3に示すように、船舶が、港湾内等で後進するときには、舶用推進プラント1の制御部80では、主ボイラ26で発生する主蒸気は、後進タービン13に送り込まれ、後進タービン13で発生する軸力により、プロペラ7が駆動される。
制御部80では、舶用推進プラント1が後進モードにあることを、例えば、舶用推進プラント1の操作盤の設定情報から認識する。すると、図3に示すように、制御部80では、後進モードであるときには、再熱バーナ27の燃焼を停止するとともに、この再熱バーナ27から、空気(燃焼用空気)を供給する。これにより、再熱炉28内における燃焼ガスの温度が、例えば450℃に低下し、後流の再熱器29、節炭器30に送り出される。
この燃焼ガスは、再熱器29には高圧タービン10から蒸気は送り込まれないため、再熱器29をそのまま通過し、節炭器30において、給水ポンプから送り込まれた水と熱交換することで、例えば165℃に温度が低下する。
LNG運搬船においては、積載しているLNGが自然に気化しボイルオフガスが貯蔵タンク内に溜まる。ボイルオフガス処理モードでは、このボイルオフガスを処理するため、主ボイラ26および再熱ボイラ20で燃料として燃焼させる。
制御部80では、舶用推進プラント1がボイルオフガス処理モードにあることを、例えば、舶用推進プラント1の操作盤の設定情報から認識することができる。また制御部80では、蒸気タービン3が停止しており、かつ、主ボイラ26の負荷が上昇することをモニタリング情報から認識することでも、舶用推進プラント1がボイルオフガス処理モードにあることを認識できる。
制御部80では、舶用推進プラント1がボイルオフガス処理モードにあることを認識したときには、図3に示したように、再熱バーナ27の燃焼を停止するとともに、この再熱バーナ27から、空気(燃焼用空気)を供給する。これにより、再熱炉28内における燃焼ガスの温度が低下し、後流の再熱器29、節炭器30に送り出される。
この燃焼ガスは、再熱器29には高圧タービン10から蒸気は送り込まれないため、再熱器29をそのまま通過し、節炭器30において、給水ポンプから送り込まれた水と熱交換することで低下する。
具体的には、再熱器29の出口における燃焼ガス温度が、再熱器29を形成する材質に応じて設定された規定上限値を越えた場合、過熱器24の出口における蒸気圧が規定上限値よりも高い場合、高圧タービン10に供給する蒸気流量が規定下限値よりも低い場合等である。再熱器29を形成する材質としては、炭素鋼が用いられ、許容できる上限値としては約470℃〜500℃程度である。これらの場合、高温の燃焼ガスによって、再熱器29が損傷する可能性があるので、前記の燃焼ガス温度、蒸気圧、蒸気流量のいずれかをセンサで検出して制御部80でモニタリングし、設定しきい値に到達した時点で、再熱バーナ27から空気を供給して燃焼ガス温度を低下させることで、再熱器29の損傷を防ぐことができる。
しかも、燃焼ガス中に空気を供給するのに、従来より再熱ボイラ20に備えられている再熱バーナ27を用いることで、低コストで上記効果を得ることができる。
また、燃焼ガスの温度が低すぎると燃焼ガス中の硫黄成分が増え、節炭器30等を腐食させる恐れがあるので。そこで、前記の燃焼ガス温度、蒸気圧、蒸気流量のいずれかをセンサで検出して制御部80でモニタリングし、設定しきい値に到達した時点で、再熱バーナ27からの空気の供給を停止するのが好ましい。
また、再熱炉28内への空気の供給を再熱バーナ27から燃焼用空気を供給することで行うようにしたが、再熱バーナ27以外に、燃焼ガス冷却用の空気取り入れ口を設けることも可能である。しかし、再熱バーナ27から燃焼用空気を供給して燃焼ガスを冷却するようにすれば、燃焼ガス冷却用の空気を供給するために新たな機構を設ける必要がないので、低コストで上記効果を得ることができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
3 蒸気タービン
7 プロペラ(推進器)
10 高圧タービン
11 中圧タービン(低圧型タービン)
12 低圧タービン(低圧型タービン)
13 後進タービン
20 再熱ボイラ
21 バーナ
22 火炉
24 過熱器
25 蒸発管群
26 主ボイラ
27 再熱バーナ(空気混入手段)
28 再熱炉
29 再熱器
30 節炭器
32 蒸気ドラム
33 水ドラム
80 制御部
81 温度センサ
Claims (8)
- バーナの燃焼で発生した燃焼ガスが、火炉から過熱器、蒸発管群を通過して流れるように構成した主ボイラと、前記蒸発管群の後流側の再熱炉に再熱バーナを備え、該再熱炉の上部側に再熱器とを有する再熱ボイラであって、
前記再熱器の出口側における前記燃焼ガス温度が、予め定めた設定値を超えるときには、外部から空気を前記燃焼ガス中に混入させる空気混入手段を備えたことを特徴とする再熱ボイラ。 - 前記空気混入手段として、前記再熱バーナから燃焼用空気を前記燃焼ガス中に供給することを特徴とする再熱ボイラ。
- 主ボイラからの蒸気によって回転させられる高圧タービンおよび、後進タービンと、
該高圧タービンからの排気蒸気を加熱する再熱器と、
該再熱器によって加熱された蒸気によって回転させられる低圧側タービンと、
前記高圧タービン、前記低圧側タービン、前記後進タービンのいずれかの回転動力によって駆動させられる推進器と、
請求項1または2に記載の再熱ボイラと、
前記再熱ボイラの前記空気混入手段における前記燃焼ガス中への前記空気の供給量を制御する制御部と、
を備えていることを特徴とする舶用推進プラント。 - 前記後進タービンで前記推進機を駆動しているときに、前記制御部は、前記再熱ボイラの前記空気混入手段において前記燃焼ガス中に前記空気を供給するよう制御することを特徴とする請求項3に記載の舶用推進プラント。
- 前記主ボイラで、前記舶用推進プラントを備えた船舶に搭載された燃料のガス化成分を燃焼させるときに、前記制御部は、前記再熱ボイラの前記空気混入手段において前記燃焼ガス中に前記空気を供給するよう制御することを特徴とする請求項3に記載の舶用推進プラント。
- 請求項3から5のいずれか一項に記載された舶用推進プラントを備えていることを特徴とする船舶。
- 請求項3から5のいずれか一項に記載の舶用推進プラントの制御方法であって、
前記制御部にて、前記舶用推進プラントが、前記後進タービンで前記推進機を駆動しているとき、前記舶用推進プラントを備えた船舶に搭載された燃料のガス化成分を燃焼させるとき、前記再熱器の出口側における前記燃焼ガスの温度が予め定めた規定上限値を越えたとき、の少なくとも一つを満たすことを認識したとき、前記再熱ボイラの前記空気混入手段において前記燃焼ガス中に前記空気を供給することを特徴とする舶用推進プラントの制御方法。 - 前記制御部にて、前記再熱器の出口側における前記燃焼ガスの温度が予め定めた規定下限値を下回ったことを認識したとき、前記再熱ボイラの前記空気混入手段において前記燃焼ガス中への前記空気の供給を停止することを特徴とする請求項7に記載の舶用推進プラントの制御方法。
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