JP2017223440A - ボイラプラント及びボイラプラント運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボイラプラント10は、舶用ボイラ12で生成された燃焼ガスとの熱交換によって、脱気器24からの給水を加熱して舶用ボイラ12へ供給する第1エコノマイザ26と、舶用ボイラ12で生成された燃焼ガスとの熱交換によって、脱気器24からの給水を加熱して脱気器24へ戻すデュアルエコノマイザ28と、を備える。そして、ボイラプラント10は、舶用ボイラ12で用いられる燃料の種類に応じた目標温度となるように、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を調整する際に、燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を異なるタイミング又は異なる変化速度で調整する。
【選択図】図1
Description
なお、脱気器の器内圧力は一定であるため、脱気器とデュアルエコノマイザとを循環する給水の温度は一定、すなわち器内圧力の飽和温度となる。
このような重油燃料の使用に対応させたボイラの設計では、硫黄分を含まないガス燃料を使用しても、デュアルエコノマイザの出口ガス温度を酸露点温度以下とできないため、回収可能な熱に制限が設けられていた。
燃料がガス燃料から重油燃料、又は重油燃料からガス燃料に切り替わる場合、給水の温度調整によって、エコノマイザの出口ガス温度が、酸露点温度以下の温度から酸露点温度を超える温度の間で過度的に変化する。このため、給水の温度調整によるエコノマイザの出口温度の変化によって、エコノマイザに硫酸腐食が発生しないように、燃料の切り替えに応じて、異なるタイミング又は異なる変化速度で調整される。
従って、本構成は、重油燃料とガス燃料を切り替えて用いるボイラで生成された燃焼ガスの熱回収を向上させると共に、より確実に硫酸腐食を防止できる。
そこで、本構成によれば、重油燃料からガス燃料に切り替わっても、除煤装置を所定時間駆動させた状態で、エコノマイザへ送出する給水の温度を重油燃料に応じた目標温度のままとする。そして、所定時間経過後に、エコノマイザへ送出する給水の温度が、ガス燃料に応じた目標温度に調整される。
従って、本構成は、エコノマイザへ送出する給水の温度を下げ、エコノマイザの出口ガス温度が低下しても、硫酸腐食の原因となる煤等を含んだ粉体が除去されているので、硫酸腐食の発生が抑制される。
従って、本構成は、より除煤装置による粉体の除去効果を高めることができる。
図1は、本実施形態にかかるボイラプラント10の構成を示すブロック図である。ボイラプラント10は、一例としてLNG船に搭載され、燃料として重油又はガスを用いる。
蒸気タービン14は、一例として、高圧タービン14A、中圧タービン14B、及び低圧タービン14Cを有している。なお、蒸気タービン14は、蒸気を利用するものとして例示したものであり、これに限定されるものではなく、また、蒸気タービン14は、後進用タービンを有してもよい。このように、蒸気タービン14は、推進用である。
さらに、蒸気タービン14へ供給される蒸気の一部は、発電用タービン18へ供給され、発電に用いられる。
燃焼ガスは下流の熱交換器内を流れる給水と熱交換し、給水を加熱して蒸気とする。蒸気は、蒸気タービン14に供給され、蒸気タービン14に回転動力を与える。一方、給水との熱交換を終えた燃焼ガスは、燃焼ガス流路20を通って系外へ排気される。
デュアルエコノマイザ28は、循環ポンプ34によって脱気器24からの給水が送られ、燃焼ガス流路20を通る燃焼ガスとの熱交換によって給水を加熱させ、脱気器24へ戻す。デュアルエコノマイザ28は、温水(液体)と燃焼ガス(気体)との熱交換となるので、高い熱貫流率が得られるため、構造が簡単で、小型化することができる。
なお、燃焼ガス流路20には、デュアルエコノマイザ28を通過した後の、燃焼ガスの温度(以下「ガス出口温度」)を測定する温度センサ36が備えられる。
スピルスチームコンデンサ42は、蒸気タービン14からの漏れ蒸気がグランドパッキンレシーバ46を経て供給され、この漏れ蒸気を復水する。
低圧給水加熱器44は、蒸気タービン14の例えば低圧タービン14Cから抽気された蒸気で給水を加熱する。なお、低圧給水加熱器44は、別途、生成された清水(純水)を加熱する機能も有する。
なお、低圧給水加熱器44に送られ、熱交換に用いられた蒸気は、ドレインタンクへ送られる。
なお、温度センサ54は、加熱器52を通過した後の給水の温度を測定することとなる。
弁開度制御装置60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。
なお、スーツブロア制御部66には、燃料切替指示部64からの燃料切替指令が入力される。
給水温度設定部70は、燃料切替指示部64からの燃料切替指令が入力されると、舶用ボイラ12で用いられる燃料に応じた目標温度を流量調整弁56へ出力する。この目標温度は、デュアルエコノマイザ28の入口水温度の目標温度であり、給水温度設定部70に予め記憶されている。
弁開度演算部72は、温度センサ54による測定温度が入力され、目標温度と測定温度との差分に応じた弁開度指令値を演算し、流量調整弁56へ出力する。
なお、弁開度演算部72は、燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を異なるタイミング又は異なる変化速度で調整するように弁開度指令値を演算する。
このようなデュアルエコノマイザ28による給水の循環加熱によって、舶用ボイラ12から排出される排熱がより多く回収されることになる。
一方、加熱器52からデュアルエコノマイザ28へ送出する給水の温度は、重油燃料とガス燃料とで異なる。
弁開度制御装置60は、加熱器52を通過した後の給水の温度が目標温度となるように、弁開度指令値を生成して流量調整弁56及び流量調整弁57へ出力する。流量調整弁56及び流量調整弁57は、弁開度指令値に応じて弁の開度を開閉し、給水の流量を調整する。なお、燃料がガス燃料の場合には、重油燃料の場合に比べて流量調整弁56の開度は大きくされ、より多くの給水が加熱器52へ流される。
そして、デュアルエコノマイザ28での熱交換により、デュアルエコノマイザ28の出口ガス温度は、重油燃料の場合では140℃となり、ガス燃料の場合では120℃となる。
このように、燃料が重油燃料の場合、出口ガス温度が酸露点温度以上である140℃となるので、デュアルエコノマイザ28での硫酸腐食が防止される。また、燃料がガス燃料の場合、出口ガス温度がより低い120℃となるので、デュアルエコノマイザ28でより多くの熱回収が行われる。
燃料がガス燃料から重油燃料、又は重油燃料からガス燃料に切り替わる場合、給水の温度調整によって、デュアルエコノマイザ28の出口ガス温度が、上述のように、酸露点温度以下の温度から酸露点温度を超える温度の間で過度的に変化する。このため、給水の温度調整によるデュアルエコノマイザ28の出口温度の変化によって、デュアルエコノマイザ28に硫酸腐食が発生しないように、燃料の切り替えに応じて、異なるタイミング又は異なる変化速度で調整されることとなる。
また、温度センサ36の測定温度であるデュアルエコノマイザ28の出口ガス温度に基づいて、デュアルエコノマイザ28の出口ガス温度が下がり過ぎないように、デュアルエコノマイザ28の入口水温度は調整される。
そして、所定時間経過後に、デュアルエコノマイザ28の入口水温度が、ガス燃料に応じた目標温度に調整される。
燃焼用空気の増加によって燃焼ガスの温度が上昇することにより、煤等の粉体中の水分が蒸発して付着個所から剥がれやすくなる。従って、本実施形態に係るボイラプラント10は、よりスーツブロア68による粉体の除去効果を高めることができる。
これにより、燃料が重油燃料となると硫黄分を含む煤等の発生が抑制され、その結果、デュアルエコノマイザ28の硫酸腐食の発生が抑制される。
これにより、デュアルエコノマイザ28の出口ガス温度が酸露点温度を超えるので、より確実に硫酸腐食の発生が抑制される。
従って、本実施形態に係るボイラプラント10は、重油燃料とガス燃料を切り替えて用いる舶用ボイラ12で生成された燃焼ガスの熱回収を向上させると共に、より確実に硫酸腐食を防止できる。
12 舶用ボイラ(ボイラ)
26 第1エコノマイザ(エコノマイザ)
28 デュアルエコノマイザ(エコノマイザ)
50 給水温度調整部
68 スーツブロア(除煤装置)
Claims (6)
- ガス燃料と重油燃料とを切り替えて燃焼させ、生成した燃焼ガスにより給水を加熱するボイラと、
前記ボイラで生成された前記燃焼ガスとの熱交換によって前記給水を加熱するエコノマイザと、
前記ボイラで燃焼される燃料の種類に応じた目標温度となるように、前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度を調整する給水温度調整部と、
を備え、
前記給水温度調整部は、前記燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と前記燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度を異なるタイミング又は異なる変化速度で調整するボイラプラント。 - 前記エコノマイザ内に付着した粉体を吹き飛ばして除去する除煤装置を備え、
前記給水温度調整部は、前記燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わり、前記除煤装置が所定時間駆動した後に、前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度をガス燃料に応じた目標温度に調整する請求項1記載のボイラプラント。 - 前記除煤装置が駆動する前記所定時間において、前記ボイラに供給される燃焼用空気の供給量が増加される請求項2記載のボイラプラント。
- 前記給水温度調整部は、前記燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合、重油燃料からガス燃料に切り替わる場合に比べて、前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度を早い速度で調整する請求項1から請求項3の何れか1項記載のボイラプラント。
- 前記エコノマイザを通過した前記燃焼ガスの温度が酸露点温度を超えるように前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度を調整する請求項4記載のボイラプラント。
- ガス燃料と重油燃料とを切り替えて燃焼させ、生成した燃焼ガスにより給水を加熱する燃焼ガス生成工程と、
前記燃焼ガス生成工程によって生成された前記燃焼ガスとの熱交換によって前記給水を加熱する給水加熱工程と、
前記燃焼ガス生成工程で用いられる燃料の種類に応じた目標温度となるように、前記給水の温度を調整すると共に、前記燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と前記燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、前記給水の温度を異なるタイミング又は異なる変化速度で調整する給水温度調整工程と、
を備えるボイラプラント運転方法。
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