JP5693281B2 - 再熱ボイラ - Google Patents
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Description
この蒸気タービンに蒸気を供給する舶用ボイラには、過熱器および再熱器を備えている再熱ボイラが用いられている。
このような再熱ボイラには、たとえば、特許文献1に示されるように、過熱器を蒸発管群の上流側に配置し、再熱器を蒸発管群の後流側に設けた再熱バーナを備えた再熱炉の上部に設けたものがある。
このため、再熱器管が過度に加熱されて、損傷(焼損)する事態に至る恐れがある。
港湾航行において、舶用主機として用いられる蒸気タービンは、常に、増減速運転による柔軟な操作が求められるので、負荷変動の頻度は陸用の事業用蒸気タービンと比べても非常に多い。
負荷が著しく低下した場合には、再熱器に供給される蒸気が少なくなるので、再熱器管が過度に加熱されて、焼損する事態に至る恐れがある。
すなわち、本発明の一態様は、主バーナの燃焼で発生した燃焼ガスが、火炉から過熱器、蒸発管群を通過して流れるように構成した主ボイラと、前記蒸発管群の後流側に配置され、再熱バーナを備えた再熱炉と、該再熱炉の上部側に配置された再熱器と、を有する再熱ボイラであって、前記再熱器の再熱器管の内部を通る蒸気の熱吸収能力に対応して、蒸気が所定温度以上にならないように前記再熱バーナの燃焼量を調節する制御部が備えられている再熱ボイラである。
制御部は、再熱器の再熱器管の内部を通る蒸気の熱吸収能力に対応して、蒸気が所定温度以上にならないように再熱バーナの燃焼量を調節するので、蒸気の熱吸収能力が大きい場合には、再熱バーナの燃焼量が大きくなるように調節し、蒸気の熱吸収能力が小さい場合には、再熱バーナの燃焼量が小さくなるように調節することができる。
これにより、再熱バーナの燃焼量は、再熱器を通る蒸気の熱吸収能力に見合った大きさにできるので、再熱器管が過度に加熱されて損傷(焼損)することを防止することができる。
この場合、船舶は、港湾航行時には、頻繁に後進する可能性があるので、いつ過熱蒸気が後進用タービンに供給されるようになるか不明である。したがって、安全面を考慮すると、港湾航行時には、再熱バーナの燃焼を停止するようにしてもよい。
一方、蒸気の流量が大きくなると、熱を吸収する体積が大きくなる、言い換えると、常に新鮮な蒸気が熱量を吸収するので、蒸気の熱吸収能力は大きくなる。
したがって、導入される蒸気の蒸気温度および蒸気の蒸気流量で蒸気の熱吸収能力を判断することができる。
また、主バーナの燃焼量は、負荷に対応して変動するが、この変動は再熱蒸気の変動に比べて早い時期に変動する、言い換えると、主バーナの燃焼量が変動した影響で蒸気の状態が変動するタイミングにはタイムラグがあるので、再熱バーナの燃焼量の調節を先行して行うことができる。
[第一実施形態]
この発明の第一実施形態にかかる再熱ボイラについて、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態にかかる再熱ボイラを用いた舶用推進プラントの概略構成を説明する模式図である。
推進用タービン3には、高圧タービン9と、中圧タービン11と、低圧タービン13と、後進用タービン15とが備えられている。
高圧タービン9と中圧タービン11とは、一本の回転軸17を介して連結されており、ケーシング19の内部に収容されている。ケーシング19は、たとえば、上下に2分割された状態で製造され、下半分に高圧タービン9および中圧タービン11を収納した後、上半分を重ねて、たとえば、ボルト等によって接合される。
回転軸17および回転軸21は、減速機23に接続されている。減速機23には、プロペラ軸25を介してプロペラ7が接続されている。プロペラ軸25には、軸発電機26が取り付けられている。
火炉31の壁部には、ウォールチューブ45が配置されている。主バーナ33には、図示しない燃料源から燃料配管47によって燃料が供給されている。燃料配管47には、燃料の供給量を調節する流量調節弁49と、流量調節弁49の下流側で燃料の供給量を検出する流量計51とが備えられている。
再熱炉29の上部には、蒸気が通る再熱器管60で構成された再熱器61が備えられている。
過熱器出口配管63には、途中で分岐し、後進タービン15に過熱蒸気を供給する過熱分岐配管65が備えられている。分岐部よりも下流側の過熱器出口配管63および過熱分岐配管65には、それぞれ開閉弁67,68が備えられている。開閉弁67,68を選択的に開閉することによって過熱蒸気は、高圧タービン9あるいは後進タービン15のいずれか一方に供給される。
再熱器導入配管69には、内部を通過する蒸気の温度を検出する温度計70が備えられている。
再熱器出口配管71には、再熱蒸気の流量を検出する流量計72が備えられている。
燃焼量調節制御部77には、温度計70で測定された再熱器導入配管69内を通過して再熱器管60へ導入される蒸気の蒸気温度と、流量計72で測定された再熱器出口配管71内を通過する再熱蒸気の蒸気流量と、が入力されている。
燃焼量調節制御部77は、再熱バーナ53の燃焼量をこの熱吸収能力に見合った大きさ、言い換えると、蒸気に与える熱量が蒸気の温度が所定温度以上にならないように調節する制御信号を出力する。具体的には、流量調整弁57の弁開度を調節し、再熱バーナ53へ供給する燃料の量を調節する。
舶用推進プラント1で、たとえば、過熱蒸気が後進用タービン15に供給されている場合、過熱蒸気は高圧タービン9に供給されないので、再熱器61に蒸気が供給されないことになる。この場合、蒸気の熱吸収能力はほぼゼロであるので、再熱バーナ53の燃焼は停止される必要がある。
船舶は、港湾航行時には、いつ後進するかわからないので、いつ過熱蒸気が後進用タービンに供給されるようになるか不明である。したがって、安全面を考慮すると、港湾航行する運航モード時には、再熱バーナ53の燃焼を停止するようにしてもよい。
主バーナ33の燃焼で発生した燃焼ガスは、火炉31からフロントバンクチューブ35、過熱器37および蒸発管群39を通ってそれぞれ熱交換を行いながら流れる。一方、蒸発管群39を通った燃焼ガスは、再熱バーナ53の燃焼で発生した燃焼ガスと混合され、再熱器61で熱交換をした後、排気される。
高圧タービン9から排気された蒸気は再熱器61に供給され、再熱バーナ53等の燃焼ガスによって再加熱される。再熱器61で再加熱された再熱蒸気は、中圧タービン11へ供給され、中圧タービン11を回転駆動する。
高圧タービン9および中圧タービン11の回転は回転軸17によって、低圧タービン13の回転は回転軸21によって、それぞれ減速機23に伝達される。減速機23は、減速された回転数でプロペラ軸25を回転させ、プロペラ7を回転させる。
燃焼量調節制御部77は、たとえば、算出された熱吸収能力に基づいて蒸気に与える熱量によって蒸気の温度が所定温度以上にならない再熱バーナ53の燃焼量の大きさを算出し、それを再熱バーナ53への燃料供給量、具体的には、流量調整弁57の弁開度に変換する。
燃焼量調節制御部77は、現在の流量調整弁57の弁開度と比較し、算出した弁開度が大きい場合には、それを小さくするようにする制御信号を送信する。なお、設定された所定温度が大きいと、算出した弁開度が現在の流量調整弁57の弁開度よりも小さい場合には、流量調整弁57の弁開度の調節は見合わせるようにする。
次に、本発明の第二実施形態にかかる舶用推進プラントについて、図2を用いて説明する。
本実施形態は、燃焼量調節制御部77に入力されるデータが付加されている点で第一実施形態のものと異なるので、ここではこの異なる部分について主として説明し、前述した第一実施形態のものと同じ部分については重複した説明を省略する。
なお、第一実施形態と同じ部材には同じ符号を付している。
図2は、本実施形態にかかる再熱ボイラを用いた舶用推進プラントの概略構成を説明する模式図である。
再熱器61を構成する再熱器管60は、主バーナ33の燃焼ガスの通路に配置されているので、主バーナ33の燃焼ガスの残熱量によっても加熱されている。
燃焼量調節制御部77は、再燃バーナ53の燃焼量の調節に、この主バーナ33の燃焼量を考慮する。具体的には、たとえば、再熱バーナ53の燃焼量の大きさを算出する際、主バーナ33の燃焼ガスの残熱量分に相当する量小さくしている。
27 主炉
29 再熱炉
31 火炉
33 主バーナ
37 過熱器
39 蒸発管群
60 再熱器管
61 再熱器
77 燃焼量調節制御部
Claims (3)
- 主バーナの燃焼で発生した燃焼ガスが、火炉から過熱器、蒸発管群を通過して流れるように構成した主ボイラと、前記蒸発管群の後流側に配置され、再熱バーナを備えた再熱炉と、該再熱炉の上部側に配置された再熱器と、を有する再熱ボイラであって、
前記再熱器の再熱器管の内部を通る蒸気の熱吸収能力に対応して、蒸気が所定温度以上にならないように前記再熱バーナの燃焼量を調節する制御部が備えられ、
前記熱吸収能力は、前記再熱器管に導入される蒸気の蒸気温度と、前記再熱器管を通過する蒸気の蒸気流量とによって判断することを特徴とする再熱ボイラ。 - 前記制御部は、前記主バーナの燃焼量によって前記再熱バーナの燃焼量を調節することを特徴とする請求項1に記載の再熱ボイラ。
- 前記制御部は、前記主バーナの燃焼ガスの残熱量分に相当する量だけ、前記再熱バーナの燃焼量を小さくするように調節することを特徴とする請求項2に記載の再熱ボイラ。
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