JP2013181608A - 中空封止構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】中空封止構造体が極めて大型化したり、製造コストが大幅に増加したりすることなく、内部や外部から高い圧力が作用する場合でも密閉状態を良好に維持することができる中空封止構造体を得る。
【解決手段】第1の成形品11と第2の成形品12とが封止成形材13を介して封止される中空封止構造体10であって、成形品11、12同士が互いに離反方向に離脱することを阻止する一体化部11d、12dがそれぞれ形成され、前記一体化部11d、12dにより成形品11、12同士を一体化させた状態において成形品11、12同士を突き合わせている箇所の周囲に封止成形材13が配設されている。この構成により、成形品11、12同士が一体化部11d、12dにより一体化されるので、高い圧力が作用した場合でも、密閉状態を良好に維持できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部が中空で、外側が封止されてなる中空封止構造体に関する。
図7に簡略的に示すように、従来、内部が中空である中空封止構造体80は、例えば樹脂製の箱状体などからなる第1の成形品81と、この箱状体の開口部を覆う蓋体などからなる第2の成形品82とが、開口部81bの周りの周縁部81a、82aで突き合わせた(すなわち当接させた)構造となっている。そして、これらの突き合わせた周縁部81a、82aの周囲に、密閉用樹脂からなる封止成形材83を射出成形などにより供給し、封止成形材83の樹脂封止時の熱によって、封止成形材83と第1の成形品81との接触部分や、封止成形材83と第2の成形品82との接触部分を溶融させて接合することで、これらの第1、第2の成形品81、82を密閉させていた。これにより、中空封止構造体80として一体化して、接合面を通して流体などが中空封止構造体80の内部や外部に漏れることを防止していた。
このような中空封止構造体80では、中空封止構造体80の外部または内部から作用する圧力が比較的低い場合には密閉構造を維持できる。なお、特許文献1〜3等に中空封止構造体の例が開示されており、特許文献2、3では、一方の成形品(折曲体の外側全面)が封止樹脂で覆われている。
実開昭61−111269号公報 特開昭62−61223号公報 特開昭62−131426号公報
しかし、図7に示すような従来構造の中空封止構造体80に対して高い圧力が内部または外部から作用すると、図8、図9に示すように、圧力による第1の成形品81や第2の成形品82が変形し、この変形に伴って、封止成形材83と第1の成形品81との溶着界面や、封止成形材83と第2の成形品82との溶着界面が破壊されて、密閉状態を維持できなくなっていた。
これに対処する方法としては、図10に示すように、第1の成形品81や第2の成形品82に対する封止成形材83の封止面積を大幅に広くして接合面積(溶着面積)を増加させたり、図11に示すように、第1の成形品81や第2の成形品82に対する封止成形材83の接合部分の形状を複雑にして接合面積(溶着面積)を増加させたりすることが行われている。
しかしながら、図10に示すように、第1の成形品81や第2の成形品82に対する封止成形材83の接合部を大幅に広くした場合には、中空封止構造体80自体が全体的に極めて大きくなってしまう。
また、図11に示すように、第1の成形品81や第2の成形品82に対する封止成形材83の接合部分の形状を複雑にした場合には、第1の成形品81や第2の成形品82を製造する金型も複雑な形状となるので、金型の製造コストが大幅に増加して、ひいては中空封止構造体80の製造コストの増加を招く。また、良好に成形することが困難となる難点を生じることもある。
本発明は上記課題を解決するもので、中空封止構造体が極めて大型化したり、製造コストが大幅に増加したりすることなく、内部や外部から高い圧力が作用する場合でも密閉状態を良好に維持することができる中空封止構造体を得ることを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、第1の成形品と第2の成形品とが封止成形材を介して封止される中空封止構造体であって、前記成形品同士が互いに離反方向に離脱することを阻止する一体化部がそれぞれ形成され、前記一体化部により前記成形品同士を一体化させた状態において前記成形品同士を突き合わせている箇所の周囲に封止成形材が配設されていることを特徴とする。
この構成によれば、前記成形品同士が前記一体化部により一体化されるので、高い圧力が作用した場合でも、第1の成形品や第2の成形品が変形し難くなるとともに、前記一体化部により前記成形品同士が互いに離反方向に離脱することが阻止される。この結果、封止成形材と第1の成形品との溶着界面や、封止成形材と第2の成形品との溶着界面に作用する力が小さいもので済まされて破壊されなくなり、密閉状態を良好に維持できる。
なお、前記一体化部は、前記成形品同士を突き合わせている箇所の近傍、または、前記成形品同士を突き合わせている箇所自体に形成されていることが好ましい。この構成によれば、高い圧力が作用した場合でも、前記成形品同士を突き合わせている箇所が一層変形し難くなるので、封止成形材と第1の成形品との溶着界面や、封止成形材と第2の成形品との溶着界面が破壊されることがより確実に防止されて、密閉状態をさらに良好に維持できる。
なお、前記一体化部の少なくとも一方をフック形状部により構成してもよく、また、前記一体化部を、前記成形品同士に形成された、雄ねじ部と雌ねじ部とにより構成してもよい。
また、前記一体化部を、前記成形品同士を締結する締結部品により構成してもよく、この場合には、前記成形品における締結部品が配設されている外側の部分の周囲にも封止成形材を配設するとよい。
また、前記一体化部を、前記成形品同士を突き合わせている箇所に形成され、超音波またはレーザーにより溶着した溶着部により構成してもよく、これによれば、第1の成形品や第2の成形品の形状を極めて簡単にできるので、中空封止構造体の製造コストの増加を最小限に抑えることができる。
また、本発明は、第1の成形品と第2の成形品とが封止成形材を介して封止される中空封止構造体の製造方法であって、前記成形品同士に形成された一体化部同士を結合させて、前記成形品同士が互いに離反方向に離脱することを阻止された状態で一体化させ、前記成形品同士が一体化された状態において前記成形品同士を突き合わせた箇所の周囲に封止成形材を供給して封止することを特徴とする。この製造方法によれば、内部や外部から高圧が作用する場合でも良好に密閉状態を維持することができる中空封止構造体を得ることができる。
本発明によれば、高い圧力が当該中空封止構造体の外部や内部から作用した場合でも、一体化部により成形品同士が互いに離反方向に離脱することが阻止され、封止成形材と第1の成形品との溶着界面や、封止成形材と第2の成形品との溶着界面が破壊されることが防止されて、密閉状態を良好に維持できる。また、封止成形材による封止面積を広くしなくても済むので、中空封止構造体自体が全体的に極めて大きくなることはない。また、第1の成形品や第2の成形品に対する封止成形材の接合部分の形状を複雑にしなくても済むので、中空封止構造体の製造コストの増加を最小限に抑えることができる。
(a)、(b)はそれぞれ本発明の第1の実施の形態に係る中空封止構造体の正面断面図で、図1(a)は図2のIa−Ia線矢視正面断面図、図1(b)は図2のIb−Ib線矢視正面断面図である。 同中空封止構造体の平面断面図で、図1(a)、(b)のII−II線矢視平面断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る中空封止構造体の正面断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る中空封止構造体の正面断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る中空封止構造体の正面断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る中空封止構造体の正面断面図である。 従来の中空封止構造体の正面断面図である。 従来の中空封止構造体の課題を説明するための正面断面図である。 従来の中空封止構造体の他の課題を説明するための正面断面図である。 他の従来の中空封止構造体の正面断面図である。 その他の従来の中空封止構造体の正面断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る中空封止構造体を図面に基づき説明する。
図1(a)、(b)および図2に示すように、この実施の形態(第1の実施の形態)に係る中空封止構造体10は、内部が中空とされて上面側が開口された成形樹脂製の箱状体からなる第1の成形品11と、この第1の成形品11の開口部11aを覆う成形樹脂製の蓋体からなる第2の成形品12とが、主な構成部品とされており、これらの第1、第2の成形品11、12における開口部11a周りの周縁部11b、12bで突き合わせている。また、これらの第1、第2の成形品11、12における互いに突き合わせた周縁部11b、12bの周囲(この実施の形態では外周)に凹部11c、12cが形成され、この凹部11c、12c間に、密閉用樹脂からなる封止成形材13が射出成形などにより供給されることで配設されている。そして、溶融された封止成形材13が封止される際の熱によって、封止成形材13と第1の成形品11との接触部分や、封止成形材13と第2の成形品12との接触部分を溶融させて接合することで、これらの第1、第2の成形品11、12からなる中空封止構造体10を密閉させている。
上記構成に加えて、第1の成形品11と第2の成形品12とには、これらの成形品11、12同士が互いに離反方向に離脱することを阻止する一体化部11d、12dがそれぞれ形成されている。この実施の形態(第1の実施の形態)では、第1の成形品11と第2の成形品12との周縁部11b、12bにおける平面視して複数の箇所(この実施の形態では4箇所)において、その一部が一体化部11d、12dに代えられて、つまり、周縁部11b、12bに隣接して(周縁部11b、12bの近傍に)一体化部11d、12dが形成されている。
第2の成形品12の一体化部12dは、第2の成形品12の周縁部12bに隣接する内壁面から第1の成形品11の内壁面に向けて下方に突出し、先端が外側に向けて鉤状に屈曲するフック形状部により構成されている。第1の成形品11の一体化部11dは、第1の成形品11の内壁面から外側に向けて窪む窪み部から形成されている。そして、箱状体からなる第1の成形品11に、蓋体からなる第2の成形品12を被せると、フック形状部により構成されている第2の成形品12の一体化部12dが、内側に弾性変形した後、窪み部からなる第1の成形品11の一体化部11dに嵌合することで、第1の成形品11と第2の成形品12とが一体化されて結合されている。
このように、一体化部11d、12d同士が嵌合して、第1の成形品11と第2の成形品12とが一体化された状態で、これらの第1、第2の成形品11、12の凹部11c、12c間に、密閉用樹脂からなる封止成形材13が射出成形などにより供給されて封止されることで、封止成形材13を介して第1、第2の成形品11、12が接合されて中空封止構造体10が密閉されている。なお、第1、第2の成形品11、12は最初に成形される一次成形品であり、封止成形材13は、第1、第2の成形品11、12同士が一体化された状態で形成される一次成形の封止成形材である。
上記構成によれば、第1、第2の成形品11、12同士がフック形状部などからなる一体化部11d、12dにより一体化されるので、中空封止構造体10に対して高い圧力が外部または内部から作用した場合でも、この状態で、第1、第2の成形品11、12に作用する力が一体化部11d、12dで受けられて、第1の成形品11や第2の成形品12、特に、一体化部11d、12dや、一体化部11d、12d近傍の周縁部11b、12bで変形し難くなるとともに、一体化部11d、12dにより第1、第2の成形品11、12同士が互いに離反方向に離脱することが阻止される。したがって、第1の成形品11と封止成形材13との溶着界面や、第2の成形品12と封止成形材13との溶着界面には大きな力が作用しないので破壊されることがなくなって、密閉状態を良好に維持できる。
また、この場合に、封止成形材13による封止面積を広くしなくても済むので、中空封止構造体10自体が全体的に大きくなるなどの不具合を生じることがない。また、一体化部11d、12dとしてフック形状部とフック形状部とから構成して、第1の成形品11や第2の成形品12に対する封止成形材13の接合部分の形状も比較的簡単であるので、中空封止構造体10の製造コストの増加を最小限に抑えることができる。
また、一体化部11d、12dは、第1、第2の成形品11、12同士を突き合わせている周縁部11b、12bに隣接して形成されているので、高い圧力が作用した場合でも、周縁部11b、12bが一層変形し難くなり、第1、第2の成形品11、12に対する封止成形材13の溶着界面が破壊されることがより確実に防止されて、密閉状態をさらに良好に維持できる。
したがって、例えば、中空封止構造体10が、外部から流体などによって圧力が付加される場合もある環境などにおいて、中空封止構造体10の内部に各種のスイッチやセンサ、基板などの電子部品や機械部品などが配置されている場合でも、中空封止構造体10の内部に配設された電子部品や機械部品などを良好に保護した状態で使用できる。また、これに代えて、中空封止構造体10に流体の流入、流出経路等が接続され、中空封止構造体10内に高圧の流体が流れ込むなどの環境においても、良好に使用することができる。
なお、一体化部11d、12dの数や大きさなどは、作用する圧力の大きさや中空封止構造体10の容量などに対応させて、作用する圧力が大きかったり、中空封止構造体10の容量が大きかったりするほど、一体化部11d、12dの数を増加させたり、大きいものを用いたりするとよい。
上記第1の実施の形態では、第2の成形品12の一体化部12dが、第2の成形品12の周縁部12bに隣接する内壁面から第1の成形品11の内壁面に向けて突出して、先端が外側に向けて鉤状に屈曲するフック形状部により構成され、第1の成形品11の一体化部11dは、第1の成形品11の内壁面から外側に向けて窪む窪み部から形成されている場合を述べたが、これに限るものではない。
図3は、本発明の他の実施の形態(第2の実施の形態)を示すもので、この実施の形態では、第2の成形品22の一体化部22dが、第2の成形品22の周縁部22bに隣接する外壁面から第1の成形品21の外壁面に向けて突出して、先端が内側に向けて鉤状に屈曲するフック形状部により構成されている。また、第1の成形品21の一体化部21dは、第1の成形品21の外壁面から内側に向けて窪む窪み部から形成されている。
なお、この実施の形態でも、前記第1の実施の形態と同様に、この実施の形態に係る中空封止構造体20は、内部が中空とされて上面側が開口された成形樹脂製の箱状体からなる第1の成形品21と、この第1の成形品21の開口部21aを覆う成形樹脂製の蓋体からなる第2の成形品22とが、主な構成部品とされており、これらの第1、第2の成形品21、22における開口部21a周りの周縁部21b、22bで突き合わせている。また、これらの第1、第2の成形品21、22における互いに突き合わせた周縁部21b、22bの周囲(この実施の形態では外周)に凹部21c、22cが形成され、この凹部21c、22c間に、密閉用樹脂からなる封止成形材23が射出成形などにより供給されることで配設されている。そして、溶融された封止成形材23が封止される際の熱によって、封止成形材23と第1の成形品21との接触部分や、封止成形材23と第2の成形品22との接触部分を溶融させて接合することで、これらの第1、第2の成形品21、22からなる中空封止構造体20を密閉させている。
なお、第1、第2の成形品21、22同士の組み付け工程の際には、箱状体からなる第1の成形品21に、蓋体からなる第2の成形品22を被せることで、フック形状部により構成されている第2の成形品12の一体化部12dが外側に弾性変形した後、窪み部からなる第1の成形品11の一体化部11dに嵌合し、第1の成形品11と第2の成形品12とが一体化されて結合される。
この構成によっても、第1、第2の成形品21、22同士がフック形状部などからなる一体化部21d、22dにより一体化されるので、中空封止構造体20に対して高い圧力が外部から作用した場合でも、一体化部21d、22dにより第1、第2の成形品21、22同士が互いに離反方向に離脱することが阻止され、第1の成形品21と封止成形材23との溶着界面や、第2の成形品22と封止成形材23との溶着界面が破壊されることを防止できて、密閉状態を良好に維持できる。
図4は、本発明のさらに他の実施の形態(第3の実施の形態)を示すもので、この実施の形態では、中空封止構造体30が、内部が中空とされて上面側が開口された成形樹脂製の上方に開口した略円筒形状体からなる第1の成形品31と、この第1の成形品31の開口部31aを覆う成形樹脂製の円形の蓋体からなる第2の成形品32とが、主な構成部品とされている。また、第1の成形品31の内周面には雌ねじ部31aが形成され、第2の成形品32には下方に筒状に突出して前記雌ねじ部31aに螺合可能な雄ねじ部32aが形成されている。すなわち、この実施の形態では、第1の成形品31の雌ねじ部31aと第2の成形品32の雄ねじ部32aとが突き合わせて嵌合されるとともに、この雌ねじ部31aおよび雄ねじ部32a自体がこれらの第1の成形品31と第2の成形品32とを一体化する一体化部としても機能する。
なお、第1の成形品31における上面部31bと、第2の成形品32の雄ねじ部32aが突出されている箇所よりも外周の下面部32bとの間に、密閉用樹脂からなる封止成形材33が射出成形などにより供給されることで配設されている。すなわち、第1の成形品31の雌ねじ部31aに第2の成形品32の雄ねじ部32aがねじ込まれた姿勢で、これらの第1、第2の成形品31が金型に入れられ、この状態で、封止成形材33の溶融樹脂が、第1の成形品31における上面部31bと、第2の成形品32の下面部32bとの間に充填されることで封止成形材33が形成される。そして、溶融された封止成形材33が封止される際の熱によって、封止成形材33と第1の成形品31との接触部分や、封止成形材33と第2の成形品32との接触部分を溶融させて接合することで、これらの第1、第2の成形品31、32からなる中空封止構造体30を密閉させている。
この構成によっても、雄ねじ部32aと雌ねじ部31aとからなる一体化部により第1の成形品31と第2の成形品32とが一体化されるので、中空封止構造体30に対して高い圧力が外部または内部から作用した場合でも、この圧力によって発生する力が雄ねじ部32aと雌ねじ部31aとにより受けられて、第1、第2の成形品31、32同士が互いに離反方向に離脱することが阻止される。したがって、第1の成形品31と封止成形材33との溶着界面や、第2の成形品32と封止成形材33との溶着界面には小さな力しか作用しないので破壊されることが防止されて、密閉状態を良好に維持できる。
また、この構成では、雄ねじ部32aと雌ねじ部31aとにより、第1の成形品31と第2の成形品32とを突き合わせる部分と一体化部とを兼用した極めて簡単な構造であるので、第1の成形品31や第2の成形品32を製造する金型も比較的簡単な形状となって、ひいては中空封止構造体30の製造コストも比較的安価に抑えることが可能となる。
図5は、本発明のさらに他の実施の形態(第4の実施の形態)を示すもので、この実施の形態でも、上記第1、第2の実施の形態と同様に、中空封止構造体40は、内部が中空とされて上面側が開口された成形樹脂製の箱状体からなる第1の成形品41と、この第1の成形品41の開口部41aを覆う成形樹脂製の蓋体からなる第2の成形品42とが、主な構成部品とされており、これらの第1、第2の成形品41、42における開口部41a周りの周縁部41b、42bで突き合わせている。また、これらの第1、第2の成形品41、42における互いに突き合わせた周縁部41b、42bの周囲(この実施の形態では外周)に凹部41c、42cが形成され、この凹部41c、42c間に、密閉用樹脂からなる封止成形材43が射出成形などにより供給されることで配設されている。そして、溶融された封止成形材43が封止される際の熱によって、封止成形材43と第1の成形品41との接触部分や、封止成形材43と第2の成形品42との接触部分を溶融させて接合することで、これらの第1、第2の成形品41、42からなる中空封止構造体40を密閉させている。
しかしながら、この実施の形態では、第1の成形品41と第2の成形品42とが互いに離反方向に離脱することを阻止する一体化部が、ねじからなる締結部品44により構成されている。すなわち、第1の成形品41における周縁部41bの近傍箇所に、締結部品44のねじ部がねじ込まれるボス部41dが形成され、また、第2の成形品42における周縁部41bの近傍箇所には、締結部品44の頭部が埋め込まれる凹部42dが、ボス部41dに対応する箇所に形成されている。そして、第1の成形品41に第2の成形品42を被せた状態で、ねじからなる締結部品44をねじ込むことで、第1の成形品41と第2の成形品42とを一体化するよう構成されている。
また、この実施の形態では、第2の成形品42における、締結部品44の頭部が埋め込まれた凹部41dにも封止成形材43が充填され、締結部品44の頭部が外側から封止成形材43で覆われている。
この構成によっても、第1、第2の成形品41、42同士が締結部品44からなる一体化部により一体化されるので、中空封止構造体40に対して高い圧力が外部または内部から作用した場合でも、この状態で、第1、第2の成形品41、42に作用する力が一体化部としての締結部品44で支えられて、第1、第2の成形品41、42同士が互いに離反方向に離脱することが阻止される。したがって、第1の成形品41と封止成形材43との溶着界面や、第2の成形品42と封止成形材43との溶着界面には大きな力が作用しないので破壊されることがなくなって、密閉状態を良好に維持できる。
また、この場合に、封止成形材43による封止面積を広くしなくても済むので、中空封止構造体40自体が全体的に大きくなるなどの不具合を生じることがない。また、第1の成形品41や第2の成形品42の形状を極めて簡単にできるので、中空封止構造体40の製造コストの増加を最小限に抑えることができる利点もある。
図6は、本発明のその他の実施の形態(第5の実施の形態)を示すもので、この実施の形態でも、上記第1、第2の実施の形態と同様に、中空封止構造体50は、内部が中空とされて上面側が開口された成形樹脂製の箱状体からなる第1の成形品51と、この第1の成形品51の開口部51bを覆う成形樹脂製の蓋体からなる第2の成形品52とが、主な構成部品とされている。しかしながら、本実施の形態においては、これらの第1、第2の成形品51、52における開口部51b周りの周縁部51a、52aが、突き合わせて(当接されて)いるだけでなく、超音波溶着またはレーザー溶着されて一体化部としての溶着部54が形成されている。
また、これらの第1、第2の成形品51、52における互いに突き合わせた周縁部51a、52aの周囲(この実施の形態では外周)に凹部51c、52cが形成され、この凹部51c、52c間に、密閉用樹脂からなる封止成形材53が射出成形などにより供給されることで配設されている。そして、溶融された封止成形材53が封止される際の熱によって、封止成形材53と第1の成形品51との接触部分や、封止成形材53と第2の成形品52との接触部分を溶融させて接合することで、これらの第1、第2の成形品51、52からなる中空封止構造体50を密閉させている。
この構成によっても、第1、第2の成形品51、52同士が超音波溶着またはレーザー溶着されてなる溶着部54からなる一体化部により一体化されるので、中空封止構造体50に対して高い圧力が外部または内部から作用した場合でも、この状態で、第1、第2の成形品51、52に作用する力が一体化部としての溶着部54で支えられて、第1、第2の成形品51、52同士が互いに離反方向に離脱することが阻止される。したがって、第1の成形品51と封止成形材53との溶着界面や、第2の成形品52と封止成形材53との溶着界面には大きな力が作用しないので破壊されることがなくなって、密閉状態を良好に維持できる。
また、この場合に、封止成形材53による封止面積を広くしなくても済むので、中空封止構造体50自体が全体的に大きくなるなどの不具合を生じることがない。また、第1の成形品51や第2の成形品52の形状を極めて簡単にできるので、中空封止構造体50の製造コストの増加を最小限に抑えることができる利点もある。
10、20、30、40、50 中空封止構造体
11、21、31、41、51 第1の成形品
12、22、32、42、52 第2の成形品
11a、21a、41a、51a 開口部
11b、12b、21b、22b、41b、42b、51b、52b 周縁部
11c、12c、21c、22c、41c、42c、51c、52c 凹部
11d、12d、21d、22d 一体化部
31a 雄ねじ部(一体化部)
31b 雌ねじ部(一体化部)
44 締結部品(一体化部)
54 溶着部(一体化部)

Claims (8)

  1. 第1の成形品と第2の成形品とが封止成形材を介して封止される中空封止構造体であって、
    前記成形品同士が互いに離反方向に離脱することを阻止する一体化部がそれぞれ形成され、
    前記一体化部により前記成形品同士を一体化させた状態において前記成形品同士を突き合わせている箇所の周囲に封止成形材が配設されている
    ことを特徴とする中空封止構造体。
  2. 前記一体化部が、前記成形品同士を突き合わせている箇所の近傍、または、前記成形品同士を突き合わせている箇所自体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の中空封止構造体。
  3. 前記一体化部の少なくとも一方がフック形状部により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の中空封止構造体。
  4. 前記一体化部が、前記成形品同士に形成された、雄ねじ部と雌ねじ部とにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の中空封止構造体。
  5. 前記一体化部が、前記成形品同士を締結する締結部品により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の中空封止構造体。
  6. 前記成形品における締結部品が配設されている外側の部分の周囲にも封止成形材が配設されていることを特徴とする請求項5記載の中空封止構造体。
  7. 前記一体化部が、前記成形品同士を突き合わせている箇所に形成され、超音波またはレーザーにより溶着した溶着部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の中空封止構造体。
  8. 第1の成形品と第2の成形品とが封止成形材を介して封止される中空封止構造体の製造方法であって、
    前記成形品同士に形成された一体化部同士を結合させて、前記成形品同士が互いに離反方向に離脱することを阻止された状態で一体化させ、
    前記成形品同士が一体化された状態において前記成形品同士を突き合わせた箇所の周囲に封止成形材を供給して封止する
    ことを特徴とする中空封止構造体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015103730A (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 株式会社ノーリツ 防水ケース、これを備えた流路切替ユニット、および給湯システム

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