JP2013181328A - 部材装入部を備えた壁用構造体 - Google Patents

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巧二 佐藤
Motoyasu Aranishi
基泰 荒西
Kiyoshi Akamizu
清 赤水
Sora Ishida
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Abstract

【課題】景観を損ねることを防止し、耐久性の向上が図られ、ボルト・ナットなどの機械的接合要素による接合手段に由らない形態とし、緩みなどの点検が不要な壁用構造体を提供する。
【解決手段】壁用構造体の取付部より高さ方向の高い部分の第1板及び第2板120の少なくとも一方の面内に、高さ(H)、幅(W)、および壁用構造体の内部に向かって、深さ(D)の矩形状の凹部を一体的に形成する。矩形状の凹部に、上縁部の幅方向、第1板又は第2板120と奥行き方向の同じ位置に、下方へ突出する上部突出板210と、矩形状の凹部に、下縁部の幅方向、第1板又は第2板120と奥行き方向の同じ位置に、上方へ突出する下部突出板220と、を有する部材を備える構成とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば車両などからの騒音を遮るために鉄道、道路などに沿って壁を構築するために用いられる構造体に関する。
道路や鉄道には、車両が走行する時に発生する騒音が外部に伝搬することを抑制するために防音壁が設けられているが、特許文献1〜特許文献16では、単なる遮音および防音のみならず電光広告表示や太陽光発電パネルなど機能性部材を装着する様々な考案がなされている。
特許文献1の図5には、H型支柱に取り付ける遮音パネルの前面に予めボルトを溶接し、太陽電池パネルの背面に予めボルトを溶接して、Z型の金具を用いて、ナットで両者を締結する構造が提案されている。
特許文献2の図1(D)には、H型支柱間に挿着される防音パネルの表面に、シート状アモルファスシリコン太陽電池モジュールを木ネジで直接取り付ける形態が提案されており、コネクター用箱は前記防音パネルの背面の溝に納めるか(取付手段は未記載)または取付金具を用いて取り付けることが、電極ケーブルは前記H型支柱の内面のウエブとフランジの部分に這わせカバーで覆い隠すことが提案されている。
特許文献3の図3には、H型支柱間に挿着される吸遮音パネルの背面側に太陽電池モジュールを有していることが提案され、太陽電池モジュールは、パネル状の太陽電池セルが嵌り込むコの字形状のフレーム溝を有するフレーム(図7(a)および図8に記載)及び側面カバーで保持して形成され、遮音パネルの背面側の背面板に形成された凹部に収められて、フレームを取付ビスで取り付けられた構造が提案されている。
特許文献4および特許文献6には、防音壁を構成する構造体の吸遮音パネルの一部をくり抜いて、くり抜き部を設け、枠(フレーム)に組み込まれた、吸音、透光、透視、情報表示、太陽光発電、道路有害物質の捕集からなる群から選ばれた少なくとも1つの機能を有するパネルを、前記吸遮音パネルに取付金具を用いて取り付けることが提案されている。
ただし、取付金具を固定する手段は記載されていない。
特許文献5の図3および図8には、ステンレス基板からなる矩形で薄板状のアモルファス太陽電池パネルが、受光面を外側に向けて枠状のフレームの一方の面に取着(取付手段の記載はない)され、他方の面に多数のスリットが形成された金属板と、金属板の背面に配置された吸音材からなる太陽電池パネル一体型遮音パネルが、H型支柱間に挿着されていることが提案されている。
特許文献7には、支柱間に挿着される道路側に配置される多数の穴が開けられた亜鉛鉄板と吸音材からなる吸音板の反対側の面には亜鉛鉄板が取り付けられ、その上に電波の吸収体であるフェライト・タイルが格子状に多数貼り付けられ、その上にシート状のアモルファス太陽電池パネルが、受光面を外側にして貼り付け(貼付手段の記載はない)られ、支柱間に挿着されていることが提案されている。
特許文献8には、音源側に配置される透光性の膜状材料と多孔板とを積層した透光性吸音材と、背面側に配置され、太陽電池の両面に透光性板材を配置した積層体である透光性遮音材とを所定の間隔を設けて、その四周をビスで固定するパネル枠材とからなる発電透光防音板を、H型支柱に差し込み固定する構造の防音壁が記載されており、前記発電透光防音板のパネル枠材には、内部空間を換気する通気口と、そのパネル枠材内には、ソケット部又はコンセント部および蓄電装置を設けることが提案されている。
特許文献9には、フレーム枠に吸音材を内包し、穴明板および遮音板からなる吸遮音パネルの一部を相対する透明板を配置した防音パネルが立設した支柱に取り付けられた構造を提案している。ただし穴明板および遮音板などの機能性部材をフレーム(枠)取付手段の記載はない。
特許文献10には、道路もしくは鉄道路の側部に設けられた防音壁において、路側に湾曲、または傾斜している部分、もしくは、壁全体が曲面形状をしている防音壁において、その曲面部外側が上方を向いている部分の少なくとも一部に太陽電池を一体的に設置固定したことを特徴とする太陽電池一体型防音壁が提案されている。この防音壁自体は、防音効果を目的とした凹凸部を有する鋼板(防音板)を取り付けたものであって、地面に立設された支柱に固定されている。この防音壁の防音板に、可撓性を有する太陽電池をアルミフレームに取り付け、その太陽電池モジュールを防音パネルにドリルビスで取り付けた構造、可撓性を有する太陽電池を金属製の折り曲げ部を設けた固定部材と防音パネルの間に差し込み、固定部材を防音パネルにドリルビスで固定した構造、ステンレス基板からなる太陽電池モジュールを両面粘着材とドリルビスを併用して固定した構造が提案されている。
特許文献11には、防音壁として、地面に対して立設した複数のH形の支持柱に、水平方向に概略鈎状の係止部を設けた鋼板レール材をボルトとナットにより固定し、金属板からなる防音板の端部および裏面補強金属板からなる太陽電池モジュールの光起電力素子の存在しない非変換領域において、長手方向の両端について、端部に平行に折り曲げた係止部を設け、上記レール材の係止部に引掛け、ネジ止めをしない構造が提案されている。
特許文献12には、防音パネル化された環境保全設備と相対する透光性の保護部材である透光板で太陽電池セルを挟み、周囲に枠体(材質不明)を配置(枠材の固定方法は記載されていない)した発電防音パネルを、立設された断面H型の支柱のフランジ及びウェブにより形成された取付溝に摺動されて挿入される構成が提案されている。
特許文献13には、縦架台に固定された横架台に、光透過体と裏面部材との間に太陽電池素子を挟持して周縁部にフレーム部材を設けた方形体状の太陽電池モジュールの前記フレーム部材に対向する側面の上部に、太陽電池モジュール側方に延在するフランジを設け、下方の横架台にボルトを用いて固定する構造が提案されている。
特許文献14の図1および図2には、上下に並べられた5枚の太陽電池パネルによって構成された太陽電池パネル一体型遮音パネルおいて、各太陽電池パネルは、長方形の太陽電池とアクリル板からなり、太陽電池は透明なフィルム状のアモルファス太陽電池であり、支持板としての透明なアクリル板に接着されている。その各太陽電池パネルはアルミ製の枠状のフレームに取り付けられ、(取り付け手段は記載されていない。)フレームの下側の辺部には、フレーム取り付け用の穴が開けられ、躯体である側壁に埋め込まれたアンカー・ボルトを、前記フレームの穴に通し、ナットで締め付ける構造の太陽電池パネル一体型遮音パネルが提案されている。
特許文献15の図1には、立設された既存のH型の支柱に架設した架台にシート状アモルファスシリコン太陽電池モジュールの周辺を、L字形材で挟みつつ、前記架台に、ボルトおよびナットで取り付ける構造が提案されている。
特許文献16の図1には、緩凸弧状部を有する板状材に、可撓性のある非晶質シリコン太陽電池を接着成形加工させた板状体を、支柱間に架設した接合用ブラケットに、平板で挟んでボルト・ナットで遮音壁の頭頂部に笠木状に装着する形態が、図2には、シート状の非晶質シリコン太陽電池を透明な板で挟んだパネルにパッキンを装着し、立設されたH形鋼の支柱のウェブにボルト・ナットによって取り付けたL形材とH形鋼のフランジ部で挟み込む構造が、図3には、枠溝を有するコンクリート製ベースとM形で枠溝を有するコンクリート製の枠で構成され、その枠溝に、シート状の非晶質シリコン太陽電池を透明な板で挟んだパネルにパッキンを装着して挿入し、前記コンクリート製のベースと枠を躯体に埋設された長いボルトに通してナットで固定する構造が提案されている。なお図3では、太陽電池のモジュール間の接続を行うため、上記コンクリート製の枠の水平および垂直方向に接続ケーブル用貫通孔が穿設されていることが記載されている。
特開平9−53210号公報 特開2006−270006号公報 特開2011−1720号公報 特開2004−60434号公報 特開平8−199512号公報 特開2003−239226号公報 特開平8−253913号公報 特開2010−229770号公報 実開昭51―146711号公報 特開平9−100514号公報 特開平9−209315号公報 特開2004−257164号公報 特開平7−153982号公報 特開平8−253914号公報 実開2002−1337号公報 特開平8−326019号公報 特許第4709305号明細書
上記の従来技術を、太陽電池等の機能性部材を取り付ける方法で大別すると、以下のような形態に分類することができる。
第1の取付形態としては、機能性部材を、ビスで固定する組立枠(フレーム)に挟着してパネル化し、取付金具を介してビスなどを用いて装着する方法が挙げられる。
第2の取付形態としては、機能性部材を、ビス(粘着シートを併用の場合もある。)を用いて直接取り付ける方法が挙げられる。
第3の取付形態としては、機能性部材を透明板で挟んだパネルを、パッキンを介して金具を用い、支柱に装着する方法が挙げられる。
第4の取付形態としては、構造体の内側面に嵌合用の溝を設け、溝に、機能性部材を透明板で挟んだパネルを、パッキンを介して装着し、構造体そのものを締結する方法が挙げられる。
第5の取付形態としては、機能性部材の金属基板の端部を曲げ加工して係止部を設け、架設のレール材の係止部に引掛る方法が挙げられる。
上記機能性部材を、接着剤で直接構造体に接着する方法もあるが、長期的な耐久性の信頼性に欠けるため採用はなされていない。
ところで、道路や特に鉄道の構造体では、機械的接合要素(ボルト、ナットなど)の落下を防ぐために多大な労力と費用を掛けて定期点検がなされている。上記の第1〜第4の取付形態の技術は機能性部材の取付が機械的接合要素を用いた接合によるものであり、更に点検箇所が増えることになるため、実際の採用に至っていない所以と考えられる。また、第1の取付形態は、機能性部材を組立枠(フレーム)に挟着してパネル化するための費用が別途発生することになる。
上記の第5の取付形態は、係止部を設けるため機能性部材に事前の加工が必要であり、取り付けられる側の水平のレール材にも特殊な断面の加工が必要である。更に、立設する支柱へこの水平レール材を事前に取り付ける施工が必要で、上記同様、機械的接合要素を用いた接合であるため、増えた接合部の点検箇所も回避できない問題を有している。
本発明が解決しようとする課題は、以下の通りである。
(1)機能性部材を装着(脱着)する際の作業性に優れる構造とすること。
(2)機能性部材の取り付けに係わるビス等の機械的接合がない構造とすること。
(3)壁用構造体より、装着した構造物の飛び出しがない構造とすること。
(4)機能性部材に附随するケーブルを、構造体の内部に内包する構造とすること。
本発明は、特許文献17の改良に関するもので、上記の課題を解決し、景観を損ねることを防止し、耐久性の向上が図られ、ボルト・ナットなどの機械的接合要素による接合手段に由らない形態とし、緩みなどの点検が不要な壁用構造体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の壁用構造体は、相対する第1板と第2板とを連結しかつ、高さ方向に延在する複数の縦インナーリブを備え、前記第2板の高さ方向の低い側の部分である背板と、前記複数の縦インナーリブのうち隣り合う二つの縦インナーリブにおける高さ方向の低い側の部分である側板と、前記第1板と第2板および縦インナーリブの下端に一体的に設けられた底板と、前記側板の間の前記底板の一部である部分底板と、前記第1板の高さ方向の低い側の部分から高さ方向の低い方へ向かうにつれて奥行き方向の奥側へ向かうように傾斜した傾斜板により構成され、奥行き方向の手前へ開放された凹形状の取付部を有する構造体であって、
(1)前記壁用構造体の天頂部の幅方向水平に位置する天板より高さ方向の低い方向に、所定の間隔をあけて幅方向水平に延在する横インナーリブを配置して、機能性部材に係るケーブルの収納ボックスを形成し、該ケーブル収納ボックス両端の前記壁用構造体の幅方向外側の両側の側板に、幅方向に穿孔されたケーブル挿通口を備え、前記横インナーリブの幅方向両外側の近傍に、高さ方向に穿孔された分岐ケーブル挿通口を備え、
(2)前記壁用構造体の取付面側(第1板側)の上部の幅方向両端、前記ケーブル収納ボックスの高さの位置に、シート状の情報表示装置、太陽光発電装置、有害物質捕捉装置、情報発信装置、車両運行状況表示装置などから選ばれた機能性部材のケーブル接続口を設け、前記ケーブル接続口に嵌着するラッチ付キャップを備えるとともに、
(3)前記壁用構造体の前記取付部より高さ方向の高い部分の奥行き方向手前側の前記第1板と、奥行き方向奥側の前記第2板の、両方または、いずれか一方の面内に、高さ(H)、幅(W)および、前記第2板より前記壁用構造体の内部に向かって、深さ(D)の矩形状の凹部を一体的に形成し、
(4)前記第2板より一体的に、前記凹部の上縁部の幅方向、前記第2板と奥行き方向の同じ位置に、高さ方向の低い方向に向かって突出し、前記凹部の幅方向両端に切り欠き幅(k1)の上部切欠部を設けた上部突出板からなる上部嵌合凹部と、
前記第2板より一体的に、前記凹部の下縁部の幅方向、前記第2板と奥行き方向の同じ位置に、高さ方向の高い方向に向かって突出し、前記凹部の幅方向両端に切り欠き幅(k2)の下部切欠部を設けた下部突出板からなる下部嵌合凹部で形成される部材装入部を備えた構造体であり、
(5)該部材装入部における前記上部突出板の突出長さ(h1)が、前記下部突出板の突出長さ(h2)の2〜3倍の長さを有する。
また、前記部材装入部に装着される部材が少なくとも、
(1)前記凹部の奥板上に配置される部材であって、その高さ方向の長さ(Fh)が、前記凹部の高さ方向の長さ(H)から、前記上下の突出板の突出長さ(h1およびh2)を除いた長さとほぼ同じ長さであって、幅方向の長さが、前記凹部の幅方向の長さ(W)とほぼ同じ長さである前記機能性部材と、
(2)前記機能性部材の外側に配置され、前記上下の嵌合凹部に挿着される板状の部材であって、その高さ方向の長さ(Ph)が、前記機能性部材の高さ方向の長さ(Fh)に、前記下部突出板の突出長さ(h2)の2倍の長さを合計した長さであり、前記部材の幅方向の長さが、前記凹部の幅方向の長さ(W)とほぼ同じ長さであって、厚みが2〜5mmで、曲げ弾性が2〜80GPaで、光線透過率が86〜93%である保護部材と、
(3)前記上部突出板の左右の切欠部より、上部嵌合凹部内の幅方向に左右から挿着される断面の一端が鉤状を有する板状の部材であって、その高さ方向の長さ(Th)が、前記凹部の高さ方向の長さ(H)から、前記保護部材の高さ方向の長さ(Ph)を除いてできる高さ方向間隙(h1−h2)とほぼ同じ長さであり、前記上部突出板の内側に挿入される部分の幅方向の長さが、前記上部切欠部の幅方向長さ(k1)の1〜3倍であって、その部位の幅方向の曲げ弾性が2〜20GPaである固定部材からなり、
(4)前記保護部材を、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、およびABS樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である材料とし、
前記固定部材を、合成樹脂成形品またはガラス繊維を含む補強繊維基材を樹脂で強化したFRP成形品とする。
ことにより本発明の壁用構造体を具現化できる。
本発明の壁用構造体は、部材装入部を、壁用構造体の第1板または第2板より一体的に形成しているため、別途機能性部材を収納する組立枠(フレーム)などが不要となり、機能性部材の取り付けに機械的接合要素(ボルト、ナットなど)を用いてないため、それらの落下を防ぐことができ、この部位の緩みや錆発生などの点検も不要となる。
また、本発明の壁用構造体は、FRP製であるため軽量であり取扱性に優れ、しかも構造形態が平坦なことから、風によるバタツキ音や、列車からの音の乱反射音が出にくく、しかも視野が妨げられず、標識等の視認性が向上し、よって鉄道などに沿って壁を構築する壁用構造体として好適である。
また、機能性部材に附随するケーブルを、構造体の内部に内包する構造であるため、景観に優れるとともに、機能性部材の外面に保護部材を配置することによって、砂塵や飛び石、飛来物による機能性部材の損傷を回避できるため、機能性部材の寿命を延ばすことができ、装着構造がシンプルであるので、保護部材自体の交換も容易である。
さらに、本発明の壁用構造体は、傾斜を有する取付部としているため、取付部に向かって斜め上方から行う作業がやりやすく、取付部の少なくとも一部を取付部よりも高い側の構造物のなかに収めることで、幅方向に延びる軸まわりの作用する風荷重による曲げモーメントを受けたときの当該壁用構造体の中立面を取付部よりも高い側の構造物のなかに収めるかその近傍に位置づけられるため、底板や取付手段にかかる曲げ応力、並びに躯体にかかる負荷が軽減することができる。このことによって、取付部の必要な強度が確保できるため、背の高い壁用構造体を構築する場合においても、壁用構造体の各部の強度を上げたり、取付手段を強化する必要がなくなり、中空構造と相まって、壁用構造体を軽量とすることができる。
本発明の壁用構造体の幅方向に向いた面で断面したときの断面図である。 前記壁用構造体を取付部よりも高さ方向の高い部分から高さ方向の低い方向に向いた面で断面したときの断面図である。 前記壁用構造体をケーブル収納ボックスより高さ方向の高い部分から高さ方向の低い方向に向いた面で断面したときの断面図である。 前記壁用構造体を第1板と第2板との間において奥行き方向に向いた面で断面したときの断面図である。 前記壁用構造体の部材装入部に機能性部材および保護部材を装着する順序を示した模式図である。 前記壁用構造体の部材装入部に機能性部材および保護部材を装着後、固定部材を挿着する前の状態およびケーブル接続口にラッチ付キャップを嵌着する前の状態を示した斜視図である。 前記固定部材を挿着した後の状態およびケーブル接続口にラッチ付キャップを嵌着した後の状態を示した斜視図である。 前記壁用構造体の前記部材装入部側から見たときの斜視図である。 前記壁用構造体の取付部側から見たときの斜視図である。 高さ方向の高い部分から高さ方向の低い方向に向いた面の断面であって、前記固定部材の挿着後の状態を示した部分拡大図である。 幅方向に向いた面の断面であって、固定部材の挿着後の状態を示した部分拡大図である。
以下、本発明を実施するための形態として、壁用構造体について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図9は、本発明の壁用構造体の実施形態を示す。説明の便宜上、互いに直交する奥行き方向(Y軸方向)、幅方向(X軸方向)、及び高さ方向(Z軸方向)を設定する。この実施形態の場合、図1で説明すれば、図1の左右方向が奥行き方向で、図1の左側が奥側であり、図1の右側が手前側である。また、図1の紙面に垂直な方向が幅方向である。さらに、図1の上下方向が高さ方向で、図1の上側が高い側であり、図1の下側が低い側である。
図1及び図2に示すように、壁用構造体100は、第1板110と、第2板120と、天板150と、底板190と、幅方向Xの両側に設けられた一対の外側板170と、を備えている。壁用構造体100は、傾斜板111、底板190および背板122によって形成され、奥行き方向の手前(図1では紙面右方向、図2では紙面下方向)に開放された凹形状の取付部130を有する。壁用構造体100は、複数のインナーリブとして、縦インナーリブ140および横インナーリブ160を備えている。
第1板110および第2板120は、その板厚方向からみてほぼ長方形に形成された板状部材である。これら第1板110および第2板120の板厚方向がほぼ奥行き方向(図1では紙面の左右方向、図2では紙面上下方向)に沿うように配置されている。第2板120は、第1板110の奥行き方向の奥側(図1では紙面の左側、図2では紙面上側)に配置されている。第2板120は、第1板110と対向して配置され、高さ方向の低い側の部分(底板190側の部分)が背板122を形成している。
第1板110は、第1板110の高さ方向Zの低い側の部分が、高さ方向Zに沿って低くなるほど手前側に傾斜した傾斜部112と、高さ方向Zの低い側の部分から、高さ方向Zの低い方へ向かうにつれて奥行き方向Yの奥側(第2板120側)へ向かうように傾斜した傾斜板111に分岐している。そして、この傾斜板111における高さ方向Zの低い側の端部が背板122の高さ方向Zの高い側の端に一体的に設けられている。例えば、傾斜板111が背板122に対して直角に結合する構成であると、そのコーナ部(結合部分)での応力集中が大きくなり、この部分で剥離などが生じ、破壊起点となるおそれがある。本実施形態では、傾斜板111が背板122に対して傾斜して結合しているため、結合部分での応力集中を緩和し、この部分で剥離などが生じて破壊起点となることを避けることができる。
ここで、板厚方向とは、その方向に沿った長さが板厚として特定されることになる方向である。幅方向X両側の外側板170(図2参照)は、その板厚方向からみてほぼ長方形に形成された板状部材である。外側板170は、第1板110および第2板120の幅方向X両側端に、対向して配置されている。幅方向Xの両側に配置された外側板170のそれぞれが、高さ方向Zに延びている。外側板170は、高さ方向Z上部の天板150と、高さ方向Z下部の底板190とに一体的に設けられている。外側板170の奥行き方向Yの手前側の端部が第1板110に一体的に設けられ、外側板170の奥行き方向Yの奥側の端部が第2板120に一体的に設けられている。
天板150は、その板厚方向からみてほぼ長方形に形成された板状部材である。天板150は、この天板150の板厚方向がほぼ高さ方向Zに沿うように配置されている。天板150の奥行き方向Yの奥側の端部が第2板120の高さ方向Zの高い側の上端部に一体的に設けられ、天板150の奥行き方向Yの手前側の端部が第1板110の高さ方向の高い側の上端部に一体的に設けられている。
底板190は、その板厚方向からみて長方形に形成された板状部材である。底板190は、第1板110、第2板120及び縦インナーリブ140の高さ方向Zの低い側に配置され、底板190の奥行き方向Y奥側の端部が第2板120の高さ方向Zの低い側の端部に一体的に設けられている。
したがって、壁用構造体100は中空ボックス構造を構成している。また、横インナーリブ160は、その板厚方向からみてほぼ長方形に形成された板状部材である。幅方向X両側の外側板170の間に、この横インナーリブ160の板厚方向が高さ方Z向に一致するように、天板150と高さ方向Zに所定の間隔をあけて配置され、壁用構造体100の幅方向Xに延在する断面矩形状のケーブル収納ボックス180を形成している。
このケーブル収納ボックス180は、天板150、天板150に対面する横インナーリブ160、第1板110の上端側の部分、第2板120の上端側の部分、一対の外側板170の上端側の部分によって構成され、中空ボックス構造を呈している。
ケーブル収納ボックス180を構成する外側板170の上端側の部分には、板厚方向に貫通する開口部であるケーブル挿通口171が形成されている。ケーブル収納ボックス180を構成する横インナーリブ160には、板厚方向に貫通する開口部である分岐ケーブル挿通口161が形成されている。例えば、分岐ケーブル挿通口161は、横インナーリブ160の幅方向Xの両端側に形成されている。このようなケーブル収納ボックス180は、ケーブルを収納することができるので、壁用構造体100の外側にケーブルが露出することを防止し、景観を損ねるおそれが低減される。
なお、本壁用構造体100は下部側に、取付部130が設けられ、下部固定の片持ち構造である。そのため、風によって生じる高さ方向Zの曲げモーメント分布は、天板150近傍が最も小さくなる。壁用構造体100では、ケーブル収納ボックス180が壁用構造体100の上端側に設けられているので、ケーブル挿通口171および分岐ケーブル挿通口161の開口による応力の低下を抑制することができる。
一方、複数の縦インナーリブ140は、図1、図2および図4に示すように、その板厚方向からみてほぼ長方形に形成された板状部材である。縦インナーリブ140は、第1板110と第2板120との間に、縦インナーリブ140の板厚方向がほぼ幅方向Xに沿うように幅方向Xに間隔をあけてそれぞれ配置されている。複数の縦インナーリブ140それぞれが、高さ方向Zに延びている。縦インナーリブ140の奥行き方向Yの手前側の端部が、第1板110に一体的に設けられ、奥行き方向Yの奥側の端部が、第2板120に一体的に設けられている。縦インナーリブ140の高さ方向の低い側の部分は、奥行き方向Yの長さが、それぞれ高さ方向Zに沿って低くなるほど大きくなる形状を呈している。縦インナーリブ140上端は横インナーリブ160と一体的に設けられ、縦インナーリブ140の下端は底板190と一体的に設けられている。
また、複数の縦インナーリブ140のうち隣り合う二つのインナーリブ140の高さ方向Zの低い側の部分がそれぞれ側板141を形成している。隣り合って対向する一対の側板141と、この側板141間の底板190の部分である部分底板と、背板122とによって、凹形状の取付部130が構成されている。この凹形状の取付部130は、奥行き方向Yの手前側へ開放されている。この取付部130は、第2板120、隣り合って対向する一対の縦インナーリブ140、及び底板190、これらの一部分により一体的に構成されている。
ここでは、壁用構造体100における幅方向Xに離れた三ヶ所にそれぞれ取付部130を設けたが、壁用構造体100の幅および背の高さの増大すなわち、曲げモーメントの増大に応じ、二ヶ所でもよく、三ヶ所以上でもよい。また、取付部130の底板190には、高さ方向Zに貫通する取付孔191が設けられる。
さらに、壁用構造体100は、図1、図2,図5、および図8に示すように、第2板120と一体的に形成され、第2板120よりも内部側に配置された奥板121を備えている。奥板121は、取付部130より上方に配置されている。奥板121は、正面視において、第2板120の面内に配置されている。奥板121は、奥行き方向Yにおいて、第2板120よりも奥側に配置されている。第2板120には、奥板121を有する矩形状の凹部205が形成されている。奥板121は、高さ(H)、幅(W)の矩形の板状部材である。奥板121は、奥行き方向Yにおいて、深さ(D)の位置に配置されている。
凹部205の上縁部には、図5に示すように、第2板120と一体的に形成され、幅方向Xに延在し、下方に突出する上部突出板210が配置されている。上部突出板210は、奥行き方向Yにおいて、第2板120と同じ位置に配置されている。上部突出板210の幅方向Xの両端には、切欠き幅(k1)の上部切欠部260が形成されている。すなわち、上部突出板210の両端部は、中央部と比較して、高さ方向Zの長さが短くなっている。凹部205の上縁部には、上部突出板210を有する上部嵌合凹部205が形成されている。
凹部205の下縁部には、図5に示すように、第2板120と一体的に形成され、幅方向Xに延在し、上方に突出する下部突出板220が配置されている。下部突出板220は、奥行き方向Yにおいて、第2板120と同じ位置に配置されている。下部突出板220の幅方向Xの両端には、切欠き幅(k2)の下部切欠部265が形成されている。すなわち、下部突出板210の両端部は、中央部と比較して、高さ方向Zの長さが短くなっている。凹部205の上縁部には、下部突出板220を有する下部嵌合凹部225が形成されている。
そして、壁用構造体100は、奥板121、上部突出板210、及び下部突出板220を備えた部材挿入部200を有する。
また、奥板121は、後述する機能性部材の端子箱231とリード線232を挿通させるための貫通口250を備えている。
なお、上部切欠部260の幅方向Xの切り欠き幅(k1)は、後述する固定部材の挿着がスムースに行える幅であって、具体的には30mm以上が好ましい。下部切欠部265の幅方向X切り欠き幅(k2)は、挿着部材の諸条件(曲げ弾性、寸法など)によって変更されるため特に限定しないが、後述する保護部材表面に付着した埃を雨水とともに流れ落ちるのに必要な幅であって、具体的には2〜10mmが好ましい。
部材装入部200には、凹部205の奥板121上に、外側に向かって、端子箱231とリード線232からなる機能性部材230および保護部材240が図5の(a)〜(f)の順に挿着される。したがって、上部嵌合凹部215および下部嵌合凹部225の奥行き方向間隙(D1)は、機能性部材230の厚みと保護部材240の厚みと調整代との合計厚みとするのが好ましい。調整代は、0.5〜1.0mmの範囲が好ましく、この範囲以下では、保護部材240が、図5(c)(d)のように挿着できず、この範囲以上とすると、装着部材間に隙間が生じ、風によるバタツキが生じる虞があり、この隙間を解消する方法としては、緩衝材を夾む手段があるが、緩衝材の劣化によって緩衝の機能を喪失するので好ましくない。
なお図1〜図9では、凹部205が奥行き方向奥側の第2板120の面内に形成される形態を示したが、奥行き方向手前側の第1板110の面内に部材装入部200が形成されていても良く、それらの両面に形成されていても良い。また、この部材装入部200に挿着される機能性部材230が、両面とも同じ機能を有するもの、または異なる機能を有するものであっても良く、同じ面内でも異なる機能性部材が混在していても良い。上記の選択肢は、設置区域の諸条件等によって適宜変更されるもので、本発明の形態に限定されるものではない。
また、保護部材240を図5(c)(d)のように挿着するためには、上部突出板210の突出長さ(h1)を、下部突出板220の突出長さ(h2)の2〜3倍の長さに設定するのが好ましい。この範囲以下では前記保護部材240が挿着できず、この範囲以上とすると保護部材240の重量が重くなる。
保護部材240の挿着後には、図5(f)のように、上部嵌合凹部215に、上部突出板210の突出長さ(h1)と下部突出板220の突出長さ(h2)と差分に対応する高さ方向間隙245が生じる。この高さ方向間隙245は本発明の挿着手段によって必然的に生じるものであり、この高さ方向間隙245を放置すると、保護部材240が上下に振動する虞があり、そのために図6および図7に示したように、上部突出板210の上部切欠部260の左右から、壁用構造体100の幅方向Xに、上部嵌合凹部215内に、固定部材270の高さ方向の長さ(Th)が、高さ方向間隙245とほぼ同じ長さを有し、断面の一端が鉤状271を有する板状の固定部材270を、図10および図11のように挿着することによってガタツキを防止できる。
なお、作業性を考慮して前記上部突出板210の内側に挿入される部分の幅方向の長さを、上部切欠部260の幅方向長さ(k1)の1〜3倍とするのが好ましい。また、部材を曲げつつ挿着するために、断面の一端を鉤状271とし、固定部材270の中央部272の厚みを薄くするとともに、幅方向(挿入方向)の曲げ弾性を2〜20GPaに、好ましくは2〜15GPaに設定することにより、曲げ易くしている。この範囲以下では柔らかすぎて挿入が困難で、この範囲以上では堅すぎて曲げることが困難である。
ここで、機能性部材230は、奥板121上に最初に挿着されるもので、所定の位置に例えば粘着シート等を用いて挿着されるシート状の情報表示装置、太陽光発電装置、有害物質捕捉装置、情報発信装置、車両運行状況表示装置などから選ばれた機能性部材であって、その機能性部材230の高さ方向の長さ(Fh)が、凹部205の高さ方向の長さ(H)から、上部突出板210の突出長さ(h1)および下部突出板220の突出長さ(h2)を除いた長さとほぼ同じ長さであって、部材の幅方向の長さが、凹部の幅方向の長さ(W)とほぼ同じ長さである。
また、保護部材240は、機能性部材230の外側に配置され、上部嵌合凹部215および下部嵌合凹部225に挿着される板状の部材であって、所定の剛性および可視性および透光性を必要とし、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、およびABS樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である材料から形成され、高さ方向の長さ(Ph)が、機能性部材の高さ方向の長さ(Fh)に、下部突出板の突出長さ(h2)の2倍の長さを合計した長さであり、幅方向の長さが、凹部205の幅方向(W)の長さとほぼ同じ長さであって、強度・剛性および光透過性から前記保護部材240に要求される特性値は、厚みが2〜5mmであって、曲げ弾性が2〜80GPaであり、光線透過率が86〜93%である。
また、固定部材270は、前述の特性を有する断面の一端が鉤状を有する板状の部材であって、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂のほか、耐熱性、耐候性機能を強化したポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、非晶ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミドから選ばれた合成樹脂原料を、加熱溶融(軟化)し、それを加圧して閉じた金型内(金型の空間形状を賦形して)に注入し冷却、固化させて最終製品とする射出成形法、シート状の熱可塑性樹脂を加熱軟化させて、真空又は圧空で型に密着させ、冷却固化させて製品を得る熱成形法、圧縮成形機を使用し加熱した金型の凹部(キャビティ)に成形材料を入れ、加圧しながら加熱溶融、化学反応を起こさせ、硬化した製品を得る圧縮成形法によって目的の形に成形した合成樹脂成形品またはガラス繊維を含む補強繊維基材を、後述するFRPを形成する成形方法によって、樹脂で強化したFRP成形品であるのが好ましいが、前述の特性を確保できれば、使用する材料がこれらに限定されるものではない。
また、図1〜図9に示すように、壁用構造体100の取付部130側(第1板110側)の上部の幅方向X両端には、ケーブル収納ボックス180の高さに対応する位置に、機能性部材230に附随するケーブルの接続作業をするための概略矩形形状のケーブル接続口281が形成され、(+)極のケーブル235または(−)極のケーブル236は、外側板170の両側に穿孔されたケーブル挿通口171よりケーブル収納ボックス180内に配線されていることが好ましい。
(+)極のケーブル235または(−)極のケーブル236の分岐コネクター237からの分岐した分岐ケーブル234と、壁用構造体100の内部を通って、分岐ケーブル挿通口161からケーブル収納ボックス180内に持ち込まれる機能性部材230から延びたリード線232とが、ケーブル接続口281において、コネクター233で接続されていてもよい。分岐ケーブル234とコネクター233とを接続する接続作業後、ラッチ付キャップ280が、図6および図7のように、ケーブル接続口281に嵌着し接続口が塞がれる。ラッチ付キャップ280を形成する材料は、固定部材270と同じであることが好ましい。
本発明の壁用構造体の設置形態は、図9に示したように、躯体300に埋設されたアンカーボルト310と、締め付けたときの支圧圧力を分散させるために使用される金属製の座板320と、アンカーボルト310に嵌るナット330からなり、取付孔191を躯体300に埋め込まれて躯体300から立ち上がったアンカーボルト310に嵌め、底板190から出た前記アンカーボルト310に、高さ方向から見てほぼ長方形で、板厚方向に貫通する貫通孔を備え、所定の厚みを持った座板320を載せ、ナット330を嵌めて適正な力で締め付けると、壁用構造体100が躯体300に取付けられる。
この実施形態によって設置形態が、アンカーボルト及びナットに限定されることはなく、壁用構造体を躯体に取り付けるための他の公知の手段であってもよい。この実施形態では一つの取付部130に、二つの取付孔191を設けているが、取付部130に設ける取付孔の数は一つであっても三つ以上であってもよく、また、それらが千鳥に配置されていてもよく、円形でも、幅方向に長い長孔であってもよく、奥行き方向に長い長孔であってもよい。
更に、第2板120における幅方向X両側の高さ方向に延びる端部のうち、一方側の端部から突き出た重ね合わせ用フランジ125が高さ方向に延びて設けられ、他方側の端部に奥行き方向の奥から手前に凹む受止凹部126が高さ方向に延びて設けられ、図9に示すように、受止凹部126が、幅方向Xの他方側に隣接して配置された同一構造の壁用構造体100の重ね合わせ用フランジ125と重なることによって、この部分で音の回折が起こり、騒音低減効果が得られる。図示しないが、通常この重ね合わせ部の奥行き方向Yの隙間には、高さ方向Zに延在するクッションパッキンが装着され場合もあり軌道内で発生する音の漏れを防いでいる。
壁用構造体100は、取付部130より高さ方向に高い部分では、風荷重によりX軸まわりの曲げモーメントを受けると中立面ができる。この中立面は、曲げモーメントを受けたときに壁用構造体100のなかで伸縮しない部位により形成される面である。取付部190より上の部分では、対向する第1板110と第2板120の隔たり間隔のほぼ中央の位置、すなわち幅方向Xに所定の間隔で設けられた複数の縦インナーリブ140の奥行き方向Yの幅のほぼ中央の線上が中立面で、発生する応力が最も低い部位である。
当該壁用構造体100の場合、底板190には、幅方向に延びるX軸まわりの曲げモーメントを受けると中立面ができ、高さ方向に向いた面で断面すると、中立面の断面は中立軸として認識される。図1〜図2の取付孔191は、中立面に対して奥行き方向Yの奥側と手前側とに振り分けて設けられているため、芯ズレによる大きな偏芯荷重が生じず、底板190やアンカーボルト310及びナット330などの取付手段にかかる曲げ応力、並びに躯体にかかる負荷が軽減される。そのため、壁用構造体100の各部の強度を上げたり、アンカーボルト310及びナット330などの取付手段を強化する必要がなくなり、壁用構造体100が中空構造であることと相まって壁用構造体100が軽量になる。
この実施形態では、この高さ方向Zの低い側の部分は取付部130に対応する部分である。しかし、この高さ方向Zの低い側の部分は取付部130とは関係なく設定してもよい。また、各インナーリブの一部は、高さ方向Zの低い側の部分であってもよいし、高さ方向Zの高い側の部分であってもよいし、高さ方向Zの中間の部分であってもよい。縦インナーリブ140に負荷される曲げモーメントは底板190に近づけば近づくほど大きくなるので、このようにすれば、曲げ応力を抑えるには有益であり、特に本発明の壁用構造体100を高さの高い防音壁として用いるときなどには好適である。このような構成は、縦インナーリブ140をFRPで形成することで容易に実現することができる。
ここで、第1板110、第2板120、インナーリブ140,160、底板190、傾斜板111、又は天板150を形成するためのFRPの強化繊維として、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などを単独で又は組み合わせて用いることができる。炭素繊維が含まれることによって、比強度・比剛性が向上し、これによって成形体の軽量化を一層図ることができる。
なお、強化繊維の形態としては、例えば、繊維長が1〜3mmである短繊維やマット、連続繊維からなるクロス、ストランドなどを適宜組み合わせた基材が例示される。
また、FRPとするためのマトリックス樹脂は特に限定しないが、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン)、PEEK(ポリ・エーテル・エーテル・ケトン)、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。
また、第1板110、第2板120、インナーリブ140,160、底板190、傾斜板111、又は天板150を形成するためのFRPを形成する成形方法としては、マトリックス樹脂を用いることができ、あるいは強化繊維の形態によっては真空、ブロー、スタンピング、BMC(バルク・モールディング・コンパウンド)、SMC(シート・モールディング・コンパウンド)、トランスファー成形、RTM(レジン・トランスファー・モールディング)、ハンドレイアップ成形などの様々な方法を用いて容易に形成することができる。
さらに、充填材に、粘性を増すための粉体(例えば、炭酸カルシウムや砂等)の他、層状化合物(例えば、マイカ、二硫化モリブデン、窒化硼素など)、針状化合物(例えば、ゾノトライト、チタン酸カリ、炭素繊維など)、粒状、又はシート状化合物(例えば、フェライト、タルク、クレーなど)を添加することによって、無機物結晶同士又は無機物とマトリックスとの相互運動による摩擦熱への変換がなされ、充填材(フィラー)を充填することによって保護率と密度が増大し、振動に対する抵抗が増し、制振特性が向上するため、そのような壁用構造体は、列車運航時の高架橋や道路橋桁上として用いれば振動を低減することができる。また、充填材に、例えば、水酸化アルミニウム、臭素、無機質粉などを添加すると難燃性を向上させることができるので、そのような壁用構造体100は、その鉄道難燃性により鉄道高欄用などを構築するのに好適である。
図9に示すように、この壁用構造体100を鉄道などに沿って設けられた躯体300の上に幅方向Xに並べ、各壁用構造体100の取付部130の底板190を、アンカーボルト310及びナット330などの取付手段により躯体300にそれぞれ取り付ければ、鉄道などに沿って壁ができる。
本発明の壁用構造体100の表面が第1板110及び第2板120などによって形成されるので、壁用構造体100の表面が平坦になり、壁用構造体100の表面にあたる風圧が変化しにくくなって騒音が出にくくなり、また視野が妨げられず標識の視認性が向上する。
本発明の壁用構造体100の取付手段はアンカーボルト及びナットに限らない。そのような種々の実施形態のなかで、実施形態の壁用構造体100の場合、取付部130における部分底板190には、高さ方向Zに貫通する取付孔191が設けられている。このようにすれば、躯体300から立ち上がったボルト310を取付孔191に通し、このボルト310に、貫通孔を有する座板320を置いて、ナット330を嵌めて締め付ければ、壁用構造体100の躯体300への取付け作業の作業性がよい。
本発明の壁用構造体100の取付部130における部分底板に取付孔191を設ける場合、この取付孔191の配置は限定しない。そのような種々の実施形態のなかで、実施形態の壁用構造体100の場合、取付孔191は、幅方向Xに延びる軸まわりの曲げモーメントを受けたときの中立面に対して奥行き方向Yの奥側と手前側とに振り分けて設けられている。このようにすれば、取付孔191を中立面の近くに分布させることが容易となり、第1板110又は第2板120が風圧などによって幅方向Xに延びる軸まわりの曲げモーメント受けたときに底板190やボルト310及びナット330などの取付手段にかかる曲げ応力が一層小さく抑えられ、壁用構造体100の各部の強度を上げたりボルト310及びナット330などの取付手段を強化する必要がなくなり、中空構造と相まって壁用構造体100が一層軽量になる。
本発明の壁用構造体100は傾斜板111を備えていない実施形態を含む。そのような種々の実施形態のなかで、実施形態の壁用構造体100の場合、第1板110の高さ方向Zの低い側の部分から、高さ方向Zの低い方へ向かうにつれて奥行き方向Yの奥側へ向かうように傾斜した傾斜板111が分岐しており、この傾斜板111における高さ方向Zの低い側の端部が背板122の高さ方向Zの高い側の端部に一体的に設けられている。このようにすれば、取付部130に向かって斜め上方から行う作業が容易となり、作業性が向上する。
本発明の壁用構造体100は、第1板110、第2板120、インナーリブ140,160、底板190、傾斜板111、天板150、外側板170、及び側板141のいずれの材質も限定しない。そのような種々の実施形態のなかで、実施形態の壁用構造体100の場合、第1板110、第2板120、インナーリブ140、横インナーリブ160、底板190、傾斜板111、天板150、外側板170、及び側板141が、いずれもFRPにより形成されている。このようにすれば、FRPにより、壁用構造体100の耐候性、耐食性が向上する。
(実施例1)
以下、本発明の壁用構造体100の実施形態における一つの実施例について説明する。本実施例における壁用構造体100の大きさは、高さ方向Zの寸法が1200mm、幅方向Xの寸法が2000mm、取付部190よりも高い側の構造物の奥行き方向Yの寸法が80mm、取付部190の底板の奥行き方向Yの寸法が170mmである。
本実施例における機能性部材230は、高さ方向の長さ(Fh):600mm、幅方向の長さ:1800mm、厚み:1mmの太陽光発電シートである。太陽光発電シートは、太陽光が入射されて発電する複数の太陽電池セルを備えている。
保護部材240は、高さ方向Zの長さ(Ph):640mm、幅方向の長さ:1800mm、厚み:3mm、曲げ弾性:2.6GPa、光線透過率:89%のアクリル製の長方形平板である。
また、上部突出板210の突出長さ(h1)を51mm、下部突出板220の突出長さ(h2)を20mm、その突出板210,220の板厚を1.2mmとし、上記部材装着後の高さ方向Zの間隙245(h1−h2)を31mmとした。なお、奥行き方向Yの間隙(D1)は上記部材の厚みから、「機能性部材230の板厚:1mm+保護部材240の板厚:3mm+調整代0.5mm」の、4.5mmとした。
固定部材270は、挿着部の幅方向X(挿入方向)の曲げ弾性が8GPaで、先端が鉤状271でその部分の厚みが3mm、中央部272の厚みが1mm、切り欠け部に嵌る部位の厚みが4mmの段差のあるFRP製で、高さ方向Zの長さ(Th)を高さ方向間隙245より1mm小さな30mmである。
よって、前記壁用構造体100の奥行き方向の内部に向かって凹んだ部材装入部200の矩形状の凹部205の形状は、高さ(H=Fh+h1+h2)が651mm、幅(W)が1805mm、深さ(D)が、「上部突出板210および下部突出板220の板厚=1.2mm+奥行き方向間隙(D1)=4.5mm」の5.7mmであり、上部嵌合凹部215における上部突出板210の上部切欠部260の幅方向X両端の切り欠き幅(k1)を50mmとし、下部嵌合凹部215における下部突出板210の下部切欠部260の幅方向X両端の切り欠き幅(k2)を10mmとした。
この実施例である壁用構造体100は、第1板110、第2板120、縦インナーリブ140、横インナーリブ160、底板190、傾斜板111、天板150、外側板170、及び側板141などをすべて複合した構造体にしている。その製造方法を説明する。
(1)まず、第2板120を成形するための第1成形型に、第1板110、縦インナーリブ130、両側の外側板170、底板190、傾斜板111、及び天板150を形成するための凸型を有する第1成形型に、約500〜800g/m2のゲルコートを塗布する。
(2)横インナーリブ160を形成するために、予め、断面矩形の中子型に、ストランドマットおよび0/90度ステッチングガラス織物(ガラスマット付き)を積層しつつ、水酸化アルミニウムを20部加えた不飽和ポリエステル樹脂を含浸して硬化させ、脱芯して角パイプを作成し、この角パイプの両端の所定の位置に、所定の形状および寸法の分岐ケーブル挿通口161を穿孔する。
(3)予め、断面凸形の成形型に、ストランドマットおよび0/90度ステッチングガラス織物(ガラスマット付き)を積層しつつ、水酸化アルミニウムを20部加えた不飽和ポリエステル樹脂を含浸して硬化させ、脱型してハット形状の縦インナーリブ130を必要な本数成形し、予め、横インナーリブ160を形成するための断面矩形の中子型に、ストランドマットおよび0/90度ステッチングガラス織物(ガラスマット付き)を積層しつつ、水酸化アルミニウムを20部加えた不飽和ポリエステル樹脂を含浸して硬化させ、脱芯して角パイプを成形して、その角パイプの両端の所定の位置に、所定の形状および寸法の分岐ケーブル挿通口161を穿孔する。この角パイプがケーブル収納ボックス180を形成することになる。
(4)次に、第1成形型に、外層となる基材として、ストランドマットおよび0/90度ステッチングガラス織物(ガラスマット付き)を積層しつつ、水酸化アルミニウムを20部加えた不飽和ポリエステル樹脂を含浸して第1板110、両側の外側板170、底板190、傾斜板111、及び天板150を順次成形する。
(5)次に、天板150部に角パイプを引付けかつ、分岐ケーブル挿通口161が高さ方向の低い方向に向くように配置し、ハット形状の縦インナーリブ130を所定の位置に配置して、マット基材でオーバレイして固定する。
(6)同時に、機能性部材230と同じ大きさで、高さ5.7mmの凸型を有する別の第2成形型に、外層となる基材として、ストランドマットおよび0/90度ステッチングガラス織物(ガラスマット付き)を積層しつつ、水酸化アルミニウムを20部加えた不飽和ポリエステル樹脂を含浸して、外側となる第2板120を成形し、凸部の上縁部に板厚4.5mm、幅:上部突出板210の突出長さ(h1=51mm)、長さ1805mmと、下縁部に板厚4.5mm、幅:下部突出板210の突出長さ(h2=20mm)、長さ1805mmのポリエチレン製の平板中子型を、積層した第2板120の上に配置し、さらにその上に、奥板121となる基材として、ストランドマットおよび0/90度ステッチングガラス織物(ガラスマット付き)を積層しつつ、水酸化アルミニウムを20部加えた不飽和ポリエステル樹脂を含浸して、奥板121を成形する。
(7)その後、第1成形型を反転し、第2板120を形成した第2成形型に重ね合わせて、硬化させ、脱型後、ポリエチレン製の平板中子型を脱型し、底板190の取付部130部分に、所定の取付孔191をあけるとともに、奥板121に所定の大きさの機能性部材の端子箱231とリード線232を挿通させるための貫通口250と、ケーブル収納ボックス180の高さ方向の高さの位置の両側の外側板170に、幅方向にケーブル挿通口171を穿孔することにより実施例である壁用構造体100を得る。
以上のようにして得られた、全体の重量が60kgの壁用構造体100の取付部190を下にして、床に設けた架台に、第1板110、第2板120が垂直になるように壁用構造体100を架台に取り付け、床と垂直な面をなす反力耐力壁に取り付けた油圧シリンダで、壁用構造体100の全高の1/2の部分に、作用する分布荷重から求められる曲げモーメントに相当する荷重を、第2板120の方向から、水平方向に負荷した。
列車通過時の風荷重の1.5kN/mに相当する荷重を負荷時点での天板150の位置のタワミは12mmであり、壁用構造体100の全高の1/100の設計タワミ20mmより小さく、設計通りの剛性を有することが確認できた。
また、風荷重の3kN/mに相当する設計荷重を負荷時点での天板150の位置のタワミは40mmであり、壁構造体で規定される100mm以下も満足することが確認できた。
さらに、風荷重の3kN/mの3倍の破壊強さに相当する荷重まで負荷したが、取付ボルトが曲がっただけで、壁用構造体自体は破壊しないことを確認した。
機能性部材230、保護部材240および固定部材270の配置形態および挿着方法、機能性部材230のケーブルの結線の手段は前述の通りである。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。矩形状の凹部は、第1板及び第2板の少なくとも一方に、設けられていればよい。第1板のみに、矩形状の凹部が設けられた構成でもよく、第2板のみに、矩形状の凹部が設けられた構成でもよく、第1板及び第2板の両方に、矩形状の凹部が設けられた構成でもよい。
本発明は、鉄道用の高欄や道路等に設けられる遮音(防音)壁の他、建築現場の騒音に対する遮音壁などに適用できる。
100 壁用構造体
110 第1板
111 傾斜板
112 傾斜部
120 第2板
121 奥板
122 背板
125 重ね合わせ用フランジ
126 受止凹部
130 取付部
140 縦インナーリブ
141 側板
160 横インナーリブ
161 分岐ケーブル挿通口
150 天板
170 外側板
171 ケーブル挿通口
180 ケーブル収納ボックス
181 ケーブル接続口
190 底板
191 取付孔
200 部材装入部
205 凹部
210 上部突出板
215 上部嵌合凹部
220 下部突出板
225 下部嵌合凹部
230 機能性部材
231 端子箱
232 リード線
233 コネクター
234 分岐ケーブル
235 (+)極のケーブル
236 (−)極のケーブル
237 分岐コネクター
240 保護部材
245 高さ方向間隙
250 貫通口
260 上部切欠部
265 下部切欠部
270 固定部材
271 鉤状
272 固定部材270の中央部
280 ラッチ付キャップ
300 躯体
310 アンカーボルト
320 座板
330 ナット
D1 奥行き方向間隙
h1 上部突出板210の突出長さ
h2 下部突出板220の突出長さ
k1 上部切り欠け幅
k2 下部切り欠け幅
Fh 機能性部材の高さ方向の長さ
H、W、D 凹部の高さ、幅、深さ
Ph 保護部材の高さ方向の長さ
Th 固定部材の高さ方向の長さ

Claims (3)

  1. 相対する第1板と第2板とを連結しかつ、高さ方向に延在する複数の縦インナーリブを備え、
    前記第2板の高さ方向の低い側の部分である背板と、
    前記複数の縦インナーリブのうち隣り合う二つの縦インナーリブにおける高さ方向の低い側の部分である側板と、
    前記第1板、前記第2板および前記縦インナーリブの下端に一体的に設けられた底板と、
    前記側板の間の前記底板の一部である部分底板と、
    前記第1板の高さ方向の低い側の部分から高さ方向の低い方へ向かうにつれて奥行き方向の奥側へ向かうように傾斜した傾斜板と、
    奥行き方向の手前へ開放された凹形状の取付部と、
    を有する中空構造の壁用構造体において、
    前記壁用構造体の天頂部の幅方向水平に位置する天板より高さ方向の低い方向に、所定の間隔をあけて幅方向水平に延在する横インナーリブを備えたケーブル収納ボックスと、
    該ケーブル収納ボックス両端の前記壁用構造体の幅方向外側の両側の前記側板に、幅方向に穿孔されたケーブル挿通口と、
    前記横インナーリブの幅方向両外側の近傍に、高さ方向に穿孔された分岐ケーブル挿通口と、を備え、
    前記壁用構造体の第1板側である取付面側の上部の幅方向両端であり、前記ケーブル収納ボックスの高さの位置に、当該壁用構造体に他の機能を付加する機能性部材のケーブルを挿通可能なケーブル接続口を設け、前記ケーブル接続口に嵌着するラッチ付キャップを備えるとともに、
    前記壁用構造体の前記取付部より高さ方向の高い部分の前記第1板及び前記第2板の少なくとも一方の面内に、高さ(H)、幅(W)および、前記壁用構造体の内部に向かって、深さ(D)の矩形状の凹部を一体的に形成し、
    前記凹部が形成された前記第1板叉は前記第2板に一体的に成形され、前記凹部の上縁部の幅方向、前記第1板又は第2板と奥行き方向の同じ位置に、高さ方向の低い方向に向かって突出し、前記凹部の幅方向両端に切り欠き幅(k1)の上部切欠部を設けた上部突出板からなる上部嵌合凹部と、
    前記凹部が形成された前記第1板叉は前記第2板に一体的に成形され、前記凹部の下縁部の幅方向、前記第1板又は第2板と奥行き方向の同じ位置に、高さ方向の高い方向に向かって突出し、前記凹部の幅方向両端に切り欠き幅(k2)の下部切欠部を設けた下部突出板からなる下部嵌合凹部とを有する部材装入部を備えた構造体であって、
    該部材装入部における前記上部突出板の突出長さ(h1)が、前記下部突出板の突出長さ(h2)の2〜3倍の長さであることを特徴とする壁用構造体。
  2. 前記部材装入部に装着される部材が少なくとも、
    前記凹部の奥板上に配置される部材であって、その高さ方向の長さ(Fh)が、前記凹部の高さ方向の長さ(H)から、前記上下の突出板の突出長さ(h1およびh2)を除いた長さとほぼ同じ長さであって、幅方向の長さが、前記凹部の幅方向の長さ(W)とほぼ同じ長さである前記機能性部材と、
    前記機能性部材の外側に配置され、前記上下の嵌合凹部に挿着される板状の部材であって、その高さ方向の長さ(Ph)が、前記機能性部材の高さ方向の長さ(Fh)に、前記下部突出板の突出長さ(h2)の2倍の長さを合計した長さであり、前記部材の幅方向の長さが、前記凹部の幅方向の長さ(W)とほぼ同じ長さであって、厚みが2〜5mmで、曲げ弾性が2〜80GPaで、光線透過率が86〜93%である保護部材と、
    前記上部突出板の左右の切欠部より、上部嵌合凹部内の幅方向に左右から挿着される断面の一端が鉤状を有する板状の部材であって、その高さ方向の長さ(Th)が、前記凹部の高さ方向の長さ(H)から、前記保護部材の高さ方向の長さ(Ph)を除いてできる高さ方向間隙(h1−h2)とほぼ同じ長さであり、前記上部突出板の内側に挿入される部分の幅方向の長さが、前記上部切欠部の幅方向長さ(k1)の1〜3倍であって、その部位の幅方向の曲げ弾性が2〜20GPaである固定部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の壁用構造体。
  3. 前記保護部材が、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、およびABS樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である材料からなり、
    前記固定部材が、合成樹脂成形品またはガラス繊維を含む補強繊維基材を樹脂で強化したFRP成形品からなることを特徴とする請求項2に記載の壁用構造体。
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