JP2013181323A - 建設機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともエンジン(21)、熱交換器(20)、冷却ファン(22)と、これらを取り囲む外装材(25)と、外装材に設けられて該外装材の内方に外気を取り入れるための通気口(26)とを備えた建設機械において、通気口を覆う一枚の遮蔽板(31)を備えるようにし、この遮蔽板を外装材の内方に外装材のうち通気口を有する面に対して所定の角度θをもって傾斜させ且つ所定の距離Dをもって設けるようにした。
【選択図】図3
Description
ところで、これら油圧ポンプ、エンジン、冷却ファンは、比較的大きな音を放射するため、建設機械の周囲への騒音源となり得る。従って、通常、これらの騒音源は、騒音を低減するためにカバーで覆われており、例えばエンジン周りをカバーで覆うことでエンジン室が構成されている。
そこで、外気を冷却風としてエンジン室内に導入しつつも騒音源からの放射音を遮るよう、多数の吸気穴を備えた部材を外部から騒音源が見えないように空気の流れ方向に間隔を置いて複数重ねて吸気開口とした構成の防音構造が提案されている(特許文献1)。
また、上記従来技術では、吸気開口全体を複数重ねて設けた構造であるため、材料の使用量や重量、加工コストが増大するという問題がある。特に重量の増大は組立作業性の悪化に繋がり、好ましいことではない。
請求項2の建設機械では、請求項1において、前記遮蔽板は、前記通気口側に凹となる湾曲した形状を有することを特徴とする。
請求項4の建設機械では、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記熱交換器は前記エンジンと前記遮蔽板との間に位置して複数の熱交換器要素から構成され、前記遮蔽板は、前記複数の熱交換器要素のうち優先的に冷却を行いたい熱交換器要素に冷却風が流れるように前記所定の角度及び前記所定の距離が設定されてなることを特徴とする。
請求項5の建設機械では、1乃至4のいずれかにおいて、前記遮蔽板の前記通気口側とは反対側の面に全面に亘って吸音材が設けられてなることを特徴とする。
また、一枚の遮蔽板は外装材のうち通気口を有する面に対して所定の角度をもって傾斜し且つ所定の距離をもって通気口を覆うように設けられているので、遮蔽板の両側において、一側よりも他側の開口面積の方が大きな開放端がそれぞれ形成されることとなり、外気を遮蔽板に沿って特に大きな抵抗を受けることもなく他側の開放端から外装材の内方に導入でき、外気を冷却風としてエンジンや熱交換器に十分に供給することができる。
請求項2の建設機械によれば、遮蔽板は通気口側に凹となる湾曲した形状を有するので、外気を湾曲する遮蔽板に沿ってより一層抵抗を小さく滑らかに方向を変えて流すようにしながら外装材の内方に導入できる。
請求項4の建設機械によれば、遮蔽板は複数の熱交換器要素のうち優先的に冷却を行いたい熱交換器要素に冷却風が流れるように所定の角度及び所定の距離が設定されてなるので、優先的に冷却を行いたい熱交換器要素に直接に冷却風を当てるようにして当該熱交換器要素を優先的に冷却させるようにできる。
請求項5の建設機械によれば、遮蔽板の通気口側とは反対側の面に全面に亘って吸音材が設けられてなるので、遮蔽板による音の反射と吸音材による音の吸収とが相俟って、より一層十分な防音効果を得ることができる。
まず、本発明の第1実施例について説明する。
建設機械は、例えば油圧ショベルであり、図1には油圧ショベルの概略側面図が示されている。
図1に示すように、油圧ショベルは、走行体1と、この走行体1上に配置され、車体を構成する旋回体2と、この旋回体2に取り付けられ、土砂の掘削作業等を行う作業装置3とを備えて構成されている。
旋回体2上には、前側位置に運転室7が設けられており、後側位置に重量バランスを確保するカウンタウエイト9が設けられている。また、運転室7とカウンタウエイト9の間には、エンジン等が収容された機械室8が設けられている。
図2に示すように、油圧ショベルの機械室8には、オイルクーラ20a、ラジエータ20b、インタークーラ20c(熱交換器要素)からなる熱交換器20やエンジン21の他、例えばエンジン21で駆動されてこれら熱交換器20及びエンジン21へ冷却風を送る冷却ファン22、上記ブームシリンダ4a、アームシリンダ5a、バケットシリンダ6a等に供給する油圧を発生するための油圧ポンプ23、エンジン21の排気通路に設けられたマフラー24等がレイアウトされており、これらはカバー(外装材)25で取り囲まれている。即ち、熱交換器20、エンジン21、冷却ファン22、油圧ポンプ23、マフラー24等がカバー25で取り囲まれて機械室8が構成されている。
図3には、図1のA−A線に沿う第1実施例における機械室8部分の横断面図が模式的に示され、図4には、図1のB−B線に沿う第1実施例における機械室8部分の縦断面図が模式的に示されている。
以下、このように構成された遮蔽部材30の作用効果について説明する。
油圧ショベルの作動時、機械室8内部では、上述したように、エンジン21、冷却ファン22、油圧ポンプ23等から比較的大きな音が放射される。
この際、遮蔽部材30の遮蔽板31は、吸気開口26に対して車体水平方向で角度θをもって傾斜して配設されているため、殆どの外気は遮蔽板31に沿って特に大きな抵抗を受けることもなく開口面積の大きな開放端35側から機械室8内に流入することになる。
これにより、外気を十分に冷却風として熱交換器20に供給することができる。
従って、本発明に係る建設機械によれば、機械室8内において熱交換器20に供給される冷却風量を確保してエンジン21を十分に冷却しつつ、エンジン21、冷却ファン22、油圧ポンプ23等から放射される音を騒音として外部に漏洩させないようにして十分な防音効果を得ることができる。
図5は図3に対応した第2実施例における機械室8部分の横断面図である。
第2実施例では、同図に示すように、遮蔽部材130は、エンジン21側に凸となるように、即ち吸気開口26側に凹となるような車体水平方向で湾曲する遮蔽板131を有して構成されている。詳しくは、遮蔽板131は、断面が例えば放物線或いは放物線に近い曲線を描くように湾曲して構成されている。
従って、第2実施例によれば、冷却ファン22の回転により吸気開口26から吸い込まれた外気は、湾曲する遮蔽板131に沿ってより一層抵抗を小さくしつつ滑らかに方向を変えながら流れることとなる。
次に第3実施例について説明する。
図6は図3に対応した第3実施例における機械室8部分の横断面図である。
第3実施例では、同図に示すように、遮蔽部材230は、吸気開口26の全体を完全に覆うような一枚の板部材からなる遮蔽板231を有して構成されている。
これにより、第3実施例によれば、機械室8内でエンジン21、冷却ファン22、油圧ポンプ23等から放射される音を遮蔽板231によって確実に機械室8内部に反射させることができ、より一層十分な防音効果を得ることができる。
図7は図3に対応した第4実施例における機械室8部分の横断面図である。
第4実施例では、同図に示すように、遮蔽部材330は、吸気開口26に対する遮蔽板331の車体水平方向での角度θや最小距離Dを冷却風が熱交換器20のうち優先的に冷却させたい熱交換器要素に直接に当たるような角度θ’及び最小距離D’に設定した一枚の板部材からなる遮蔽板331を有して構成されている。
これにより、第4実施例によれば、熱交換器20のうち優先的に冷却させたい熱交換器要素、例えばオイルクーラ20aが開放端334よりも開口面積の大きな開放端335に対応して位置するように熱交換器20をレイアウトすることにより、オイルクーラ20aに直接に冷却風を当てるようにしてオイルクーラ20aを優先的に冷却させるようにできる。
図8は図3に対応した第5実施例における機械室8部分の横断面図である。
第5実施例では、同図に示すように、遮蔽部材430は、一枚の板部材からなる遮蔽板431のエンジン21側の表面、即ち吸気開口26とは反対側の面の全面に亘って吸音材36を有して構成されている。吸音材36は、例えば耐熱性の高いウレタン系部材であり、耐熱性の接着剤等で遮蔽板431に貼付されている。
従って、第5実施例によれば、吸気開口26に向けてエンジン21、冷却ファン22、油圧ポンプ23等から放射される音は、遮蔽板431によって機械室8内部に反射するとともに、吸音材36によって良好に吸収されることになる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、遮蔽部材30に遮蔽板31の上下端から断面ハット状に延びる支持フランジ32、32及び取付フランジ33、33を形成し、取付フランジ33、33にて遮蔽部材30を締結具(ボルト等)でカバー25に取り付けるようにしているが、遮蔽部材30ひいては遮蔽板31のカバー25への取付方法はこれに限られるものではない。
また、上記実施形態では、吸気開口26を覆うように遮蔽部材30ひいては遮蔽板31を設けるようにしているが、排気開口(通気口)を有している場合には、さらに排気開口を覆う遮蔽板を上記遮蔽板31と同様に構成するようにするのが望ましい。
また、上記実施形態では、建設機械を例えば油圧ショベルとしたが、建設機械はこれに限られず、ホイールローダ、クレーン、ダンプトラック等であってもよい。
2 旋回体
8 機械室
20 熱交換器
21 エンジン
22 冷却ファン
23 油圧ポンプ
25 カバー(外装材)
26 吸気開口(通気口)
30、130、230、330、430 遮蔽部材
31、131、231、331、431 遮蔽板
36 吸音材
Claims (5)
- 少なくともエンジン、熱交換器及びこれらエンジンと熱交換器とを冷却するための冷却ファンを有し、これらを取り囲む外装材と、該外装材に設けられて該外装材の内方に外気を取り入れるための通気口とを備えた建設機械において、
前記通気口を覆う一枚の遮蔽板を備え、
前記遮蔽板は、前記外装材の内方に該外装材のうち前記通気口を有する面に対して所定の角度をもって傾斜し且つ所定の距離をもって設けられてなることを特徴とする建設機械。 - 前記遮蔽板は、前記通気口側に凹となる湾曲した形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の建設機械。
- 前記遮蔽板は、通気口の全体を覆うように設けられてなることを特徴とする、請求項1または2に記載の建設機械。
- 前記熱交換器は前記エンジンと前記遮蔽板との間に位置して複数の熱交換器要素から構成され、
前記遮蔽板は、前記複数の熱交換器要素のうち優先的に冷却を行いたい熱交換器要素に冷却風が流れるように前記所定の角度及び前記所定の距離が設定されてなることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の建設機械。 - 前記遮蔽板の前記通気口側とは反対側の面に全面に亘って吸音材が設けられてなることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の建設機械。
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