JP2002167803A - 建設機械のエンジンカバー - Google Patents

建設機械のエンジンカバー

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JP2002167803A
JP2002167803A JP2000364391A JP2000364391A JP2002167803A JP 2002167803 A JP2002167803 A JP 2002167803A JP 2000364391 A JP2000364391 A JP 2000364391A JP 2000364391 A JP2000364391 A JP 2000364391A JP 2002167803 A JP2002167803 A JP 2002167803A
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noise
low
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Nozomi Tanaka
望 田中
Takayoshi Murahashi
高嘉 村橋
Yutaka Yasuda
有多賀 安田
Hideo Karasawa
英男 柄澤
Tatsuji Tanaka
竜次 田中
Yoshiyo Takahashi
佳代 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンカバーを構成する天板部の内面に低
周波騒音遮蔽板を装着することによって、加工性に優
れ、かつ軽量であり、美観も要求されるエンジンカバー
の低周波騒音に対する防音性を高める。 【解決手段】 機械室建屋5内の冷却ファン14を装着
した位置の上部を覆うエンジンカバー21は天板部21
aと、この天板部21aの周囲を曲げることにより形成
した周壁部21bからなり、加工性や軽量化等の観点か
ら、薄い鋼板で形成される。冷却ファン14の作動時に
低周波騒音が発生するが、騒音は上方に向けても伝播さ
れることから、天板部21aの内面における冷却ファン
14の投影部を含み、ある幅を有する帯状の部分であ
り、この部分に低周波騒音遮蔽板25を溶接手段により
固着して設け、さらにこの低周波騒音遮蔽板25の内面
に吸音材26を貼り付けることにより、騒音が外部に漏
れるのを極力抑制してる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベル等の
建設機械において、機械室建屋内に設けたエンジン等の
機械,器具類を装着したエンジンルームの上部に開閉可
能に装着されるエンジンカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】建設機械の一例として、例えば油圧ショ
ベルは、概略、図6に示した構成となっている。同図に
おいて、1は履帯式走行手段を有する下部走行体、2は
この下部走行体1に対して旋回可能に連結した上部旋回
体である。上部旋回体2は、そのフレーム2aにブー
ム,アーム及びバケット等のフロントアタッチメントか
らなるフロント作業機3が装着されており、またこのフ
ロント作業機3に隣接した位置にキャブ4が設置されて
いる。従って、この機械を操作するオペレータはこのキ
ャブ4内に搭乗することになり、このキャブ4内には操
作レバーその他の操作手段が設けられている。
【0003】油圧ショベルの作動、つまり下部走行体1
による走行、上部旋回体2の旋回、さらにフロント作業
機3の駆動等は油圧モータ及び油圧シリンダからなる油
圧アクチュエータを駆動することにより行われる。これ
ら油圧アクチュエータに高圧油を供給するために、上部
旋回体2に油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するエ
ンジンとが搭載されている。また、油圧ポンプから供給
される高圧油の流路を制御するためのコントロールバル
ブユニットも設けられ、これらに加えて様々な機械や器
具等が設置され、さらに燃料タンクや作動油タンクも設
置される。
【0004】機器類が設置される領域は建屋カバーで覆
った機械室建屋5であり、この機械室建屋5内に設けら
れる機器類のうち、最大のものはエンジンであり、エン
ジンには油圧ポンプが直結される。また、エンジンには
ラジエータが付設される。さらに、油圧回路中を流れる
作動油は高熱状態となるので、この油圧アクチュエータ
からの戻り油を冷却するためのオイルクーラも備えてい
る。これらラジエータ及びオイルクーラからなる熱交換
器(さらにインタクーラを設ける場合もある)には、冷
却ファンからの冷却風が供給されるようになっている。
冷却ファンは、モータ等の独立した駆動源により駆動す
る構成としたものもあるが、エンジンを駆動源とするの
が一般的である。
【0005】以上のことから、少なくとも冷却ファン及
び熱交換器はエンジンの直近位置に配置されており、機
械室建屋5のうち、エンジン,冷却ファン,熱交換器を
設けた部分がエンジンルームと呼ばれるものである。こ
のエンジンルームは機械室建屋5の後部位置で、カウン
タウエイト6に近接した位置に配置されている。しか
も、これらの機器類は、定期的、または随時に点検し、
かつ必要に応じて修理や部品交換等といったメンテナン
ス作業を必要とする。従って、このメンテナンス作業を
容易に行えるようにするために、機械室建屋5に設けた
上部カバーのうち、エンジンルームの上部位置は開閉可
能なエンジンカバー7となっている。しかも、エンジン
ルーム内に配置されている機器類は高さ方向にも大きい
ものである。このために、エンジンカバー7は機械室建
屋5のルーフ部からある程度上方に突出しており、天板
部7aとその周囲を斜め下方に曲成することにより形成
される周壁部7bとから構成される。そして、このエン
ジンカバー7は、その一端側、通常は、エンジンの油圧
ポンプへの連結部側の端部に蝶番を介して連結されてお
り、反対側の位置にはエンジンカバーを閉鎖状態にロッ
クするロック機構が設けられている。
【0006】而して、近年においては、油圧ショベル等
の建設機械についてもデザイン性が追求される傾向にあ
り、エンジンカバーを構成する天板部と周壁部とをプレ
ス手段により一体に形成し、しかも天板部から周壁部へ
の移行部を丸みを帯びた曲面形状の外観を有するものと
なっている。また、エンジンカバーはメンテナンス時等
には手動操作で開閉するものであり、このためにエンジ
ンカバーをできるだけ軽量化するようにしている。この
ように、エンジンカバーは、加工の容易性及び軽量化等
の観点から、できるだけ薄い鋼板で形成されることにな
る。
【0007】ここで、機械室建屋をカバーで覆う理由の
一つとして、この機械室建屋内に設置されている機器類
からの騒音を外部に放出するのを極力抑制するためであ
る。従って、エンジンカバーを含む機械室建屋のカバー
の内面に吸音材なり、防音材なりを貼り付けて、防音効
果を高めるようにしている。また、防音効果をさらに高
めるために、仕切り板等を機械室建屋内に配置すること
によって、騒音を緩衝させるためのチャンバを設ける等
といった騒音対策も施されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、吸音材や防
音材等をカバーに貼り付けることにより行われる騒音対
策は、高周波騒音には有効ではあるが、低周波騒音に対
してはあまり有効な効果が得られない。また、仕切り板
等を設けて騒音緩衝用のチャンバを形成すると、騒音を
全体的に低減できることになるが、機械室建屋内に余分
なチャンバ等を形成するスペースが得られない場合もあ
る。とりわけ、近年、所謂後方小旋回型の油圧ショベル
が普及してきており、このように後方小旋回型の油圧シ
ョベルは、旋回中心からカウンタウエイトの後端部まで
の後方側の旋回半径を小さくすることであり、従って機
械室建屋のスペースが縮小されることになる。このため
に、前述したような騒音緩衝用のチャンバといった余分
なスペースを確保できないことになる結果、後方小旋回
型の油圧ショベル等の方がより大きな騒音を発生するこ
とになってしまう。
【0009】油圧ショベルを含む建設機械から発生する
騒音を低減するという場合には、従来は、可聴音領域で
ある高周波騒音対策に向けられており、低周波領域の騒
音に対する対策はあまり顧みられなかった。しかしなが
ら、低周波騒音は人体に与える影響が大きいことから、
低周波騒音対策を講じること要請が高まりつつあるのが
現状である。
【0010】機械室建屋内に設置されている機器類のう
ち、低周波騒音の発生源としては、熱交換器に冷却風を
供給する冷却ファンがある。即ち、冷却ファンの回転時
に風切り音が発生することになり、この風切り音を主と
した騒音は低周波数のものであり、所謂低周波ファン騒
音である。冷却ファンの回転数を低下させれば、この冷
却ファンの作動時に生じる低周波ファン騒音を低減する
ことができるが、そうすると熱交換器におけるヒートバ
ランスが悪化するため、冷却ファンの回転数を無闇に低
下させることはできない。エンジンルームの周囲は壁に
より囲まれているが、低周波ファン騒音はこの壁を介し
て外部に伝達されるが、冷却ファンが設置されているエ
ンジンルームの壁を厚くすれば、騒音が外部に漏れる度
合いを少なくすることができる。しかしながら、前述し
たように、エンジンルームの上部に位置するエンジンカ
バーは、プレス加工の容易性、開閉時の軽量化等の観点
からその厚み寸法が設定されるものであり、単純に厚み
を増大させることはできないことになる。
【0011】ところで、冷却ファンから発生する低周波
騒音は冷却ファンの回転数により増減するものであり、
建設機械の機種等によっては、必ずしも対策を講じなけ
ればならない程度のファン騒音を発生しない回転数で冷
却ファンを作動させることが可能なものもある。また、
後方小旋回型の油圧ショベルではなく、機械室建屋の内
部に騒音緩衝用のチャンバを設けることが可能な機械も
ある。従って、ファン騒音の大きさに応じて、エンジン
カバーの厚み寸法を変えることも考えられる。ただし、
そうすると、このエンジンカバーを曲げ加工するプレス
機械もそれぞれ専用のものを用いなければならず、各種
の建設機械に対してエンジンカバーの共通化が図れなく
なる。エンジンの寸法等、エンジンルームの構成が極端
に違う場合はともかく、エンジンルームの上部を開閉可
能に覆うエンジンカバーに汎用性を持たせる方が製造コ
スト等の点で有利になる。
【0012】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、低周波騒音に対する
防音効果を高くすることができ、しかも汎用性のあるエ
ンジンカバーを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、建設機械の機械室建屋に設けられ、
内部にエンジン及び熱交換器を配置し、この熱交換器に
冷却風を流通させる冷却ファンを設けたエンジンルーム
の上部を開閉可能に覆うエンジンカバーであって、前記
エンジンルームの上部を覆う天板部と、この天板部の周
囲に連設した周壁部とからなるカバー本体と、このカバ
ー本体における前記天板部の内面であって、少なくとも
前記冷却ファンの上部位置に固着して設けた低周波騒音
遮蔽板とを備える構成としたことをその特徴とするもの
である。
【0014】ここで、エンジンカバーは、鋼板をプレス
加工することによって、天板部と周壁部とを一体に成形
するのが一般的である。従って、低周波騒音遮蔽板も鋼
板を用いるのが望ましい。この低周波騒音遮蔽板は、カ
バー本体の天板部において、冷却ファンが位置する上部
に設けることは必須であるが、この位置以外にも低周波
騒音遮蔽板を貼り付けるようにすることもできる。低周
波騒音遮蔽板の厚み寸法は任意である。従って、どの程
度の低周波騒音が発生するかによって、この低周波騒音
遮蔽板の厚みを適宜設定する。これによって、エンジン
カバーは同じものを用いても、当該の建設機械における
低周波ファン騒音の発生程度に応じた騒音対策を取るこ
とができ、しかもエンジンカバー自体の厚み寸法を一定
にすることができ、騒音低減のために重量が増加するも
のの、この重量増加を最小限に抑制できる。低周波騒音
遮蔽板をカバー本体に固着するに当っては、溶接手段を
用いるのが望ましく、この低周波騒音遮蔽板の全周に及
ぶように溶接するか、または適宜の位置にスポット溶接
を行うこともできる。そして、低周波騒音遮蔽板の全周
を溶接すると共に、中間部に所定箇所のスポット溶接を
行うようにするのが、低周波騒音遮蔽板とエンジンカバ
ーとの固着性がさらに良好となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明する。而して、前述した従来技術
の構成と同一または均等な構成には同じ符号を用い、そ
の詳細な説明は省略する。
【0016】まず、図1にエンジンルーム10の内部に
設置される機器類の構成を模式的に示す。図中におい
て、11はエンジン、12はラジエータ、13はオイル
クーラであり、エンジン11には冷却ファン14が連結
して設けられており、この冷却ファン14により図中に
矢印で示した方向に冷却風が流れるようになっており、
ラジエータ12に導入されたエンジン冷却水及びオイル
クーラ13に導入された作動油は、冷却風により冷却さ
れるようになっている。冷却ファン14の周囲はシュラ
ウド15に囲繞されて、冷却風を円滑にオイルクーラ1
3及びラジエータ14内に導くようにしている。なお、
図示は省略するが、エンジン11における冷却ファン1
4を装着した側とは反対側には、油圧ポンプが接続して
設けられている。
【0017】エンジンルーム10は、図2から明らかな
ように、機械室建屋5において、カウンタウエイト6に
近接する後部位置に配置されている。機械室建屋5は、
側部カバー5a及び上部カバー5b等により閉鎖された
空間となっている。ここで、側部カバー5aのうち、エ
ンジンルーム10の前方位置では開閉可能な開閉可能な
構造となっており、また上部カバー5bのうち、エンジ
ンルーム10の上部位置にはエンジンカバー21が装着
されている。
【0018】エンジンカバー21は他の位置の上部カバ
ー5bより高くなっており、図3及び図4に示したよう
に、概略水平面からなる天板部21aと、この天板部2
1aの周囲を斜め下方に曲成することにより形成される
周壁部21bとから構成される。しかも、天板部21a
から周壁部21bへの移行部に丸みを持たせた曲面形状
とし、もって柔らかな外観を呈するようにしている。こ
のために、エンジンカバー21の全体が一体物で構成さ
れ、通常は、平板をプレス手段により絞り加工すること
により成形される。また、エンジンカバー21はエンジ
ンルーム10の大半の部分を覆うようにして装着され、
上部旋回体2における機械室建屋5の左右方向に長手と
なっている。そして、一端側、つまり油圧ポンプが配設
されている側に蝶番22が設けられ、またその反対側に
は開閉用の把手23が取り付けられている。
【0019】エンジンカバー21には多数のパンチ孔2
4が設けられている。これらのパンチ孔24のうち、図
3にTで示した範囲に設けたパンチ孔24はエンジンル
ーム10内に外気を取り入れるためのものであり、この
ようにして取り込まれた外気は、冷却ファンの作用によ
って、ラジエータ12及びオイルクーラ13からなる熱
交換器を通過するようになる。また、同図にEで示した
範囲に設けたパンチ孔24は熱気の放出部である。即
ち、熱交換器を通過した空気の温度は上昇することにな
るが、高熱空気はこの放出部から外部に放出されるよう
になっている。これによって、エンジンルーム10の内
部には常に新たな外気が供給される状態となる。
【0020】油圧ショベルの作動中は、常に冷却ファン
14が回転しており、従って常に風切り音等が発生す
る。ここで、冷却ファン14はエンジン11と熱交換器
としてのラジエータ12との間に設けられているから、
これらが前後の遮蔽壁となって、この風切り音を含む低
周波ファン騒音の振動は、図2に示したように、通常、
冷却ファン14を中心として放射状に伝達される。冷却
ファン14の後方位置にはカウンタウエイト6が位置し
ているので、この方向から騒音が外部に漏れることはな
い。冷却ファン14の下部位置にはフレーム2aが位置
しており、このフレーム2aは強度を高める必要がある
ことから、ある程度の厚みを持った鋼板で形成されてい
る。従って、この方向にもファン騒音を遮蔽するのに必
要な厚みを持った構造となっている。さらに、冷却ファ
ン14の前方には、コントロールバルブ等が収容させる
空間が形成されているために、この空間における適宜の
位置で壁に仕切られたチャンバとして構成することによ
って、やはりファン騒音が外部に伝播するのを抑制でき
る。
【0021】冷却ファン14の作動時に生じる騒音は上
方に向けても伝播される。しかしながら、機械室建屋5
のうち、冷却ファン14の上部を覆う部材はエンジンカ
バー21であり、このエンジンカバー21は、既に説明
したように、加工性や軽量化等の観点から、薄い鋼板で
形成されるものである。このために、騒音遮蔽性を十分
に発揮させることはできず、低周波ファン騒音はエンジ
ンカバー21から機械室建屋5の外部に漏れ出すことに
なる。
【0022】ところで、冷却ファン14に起因する騒音
により、エンジンカバー21が振動する部位は限られた
領域である。その領域は、図4にSで示したように、エ
ンジンカバー21の内面における冷却ファン14の投影
部を含み、ある幅を有する帯状の部分である。そこで、
この部分に図5に示したように、低周波騒音遮蔽板25
を設けることによって、低周波騒音であるファン騒音等
が外部に漏れるのを極力抑制するように構成している。
【0023】この低周波騒音遮蔽板25は、エンジンカ
バー21と同様、鋼板等から構成されるものであり、こ
のエンジンカバー21における天板部21aの内面に固
着されている。ここで、エンジンカバー21にはパンチ
孔24が多数形成されているが、冷却ファン14の投影
部には必ずしも外気の取り入れ部を設ける必要がないこ
とから、この部分にはパンチ孔24を設けず、所定の面
積を有する無孔部を形成して、この無孔部に低周波騒音
遮蔽板25を固着するようにしている。この低周波騒音
遮蔽板25のエンジンカバー21への固着は溶接手段に
より行われるようになっている。図4から明らかなよう
に、低周波騒音遮蔽板25は、その全周をエンジンカバ
ー21にライン状の溶接WLするか、または所定箇所に
及ぶスポット溶接WPを行うことができる。また、低周
波騒音遮蔽板25のエンジンカバー21への固着性をよ
り高めるには、ライン状の溶接とスポット溶接とを組み
合わせるようにする方が、エンジンカバー21に対する
固着強度が高くなる。
【0024】このように、低周波騒音遮蔽板25を設け
ることによって、薄板からなるエンジンカバー21にお
ける低周波騒音が集中的に伝達される部分が補強され
て、強度が向上しているので、遮音性が高くなり、騒音
が外部に漏れるのを抑制できることになる。ここで、フ
ァン騒音が伝播する領域は、天板部21aだけでなく、
周壁部21bも含んでいるが、周壁部21bは曲げ加工
されており、しかも幅の狭いものであるから、天板部2
1aよりも強度が高くなり、この部分に騒音が伝播して
も、さほど大きく振動することはなく、この部分から外
部に騒音が伝達される可能性は少ない。また、エンジン
カバー21の内面には、低周波騒音遮蔽板25を装着し
た部分を含めて、パンチ孔24が設けられていない部分
に吸音材26を接着等の手段で取り付けておく。この吸
音材26により高い周波数の騒音が吸収されることにな
る。これによって、油圧ショベルを低騒音状態で作動さ
せることができるようになる。しかも、低周波騒音遮蔽
板25はエンジンカバー21の内面に設けられており、
外観に対して何等の影響を与えることはないので、美観
が損なわれるようなこともない。
【0025】ここで、エンジンカバー21自体は薄板で
形成されるので、プレス加工によって、天板部21aと
周壁部21bとを一体に形成する加工を容易に行うこと
ができる。そして、実際に機械室建屋5に組み込む前の
段階で、低周波騒音遮蔽板25を組み込み、さらに吸音
材26を取り付けるようにする。しかも、低周波騒音遮
蔽板25の装着部は、騒音を低減するために必要であ
り、かつ有効である部分に限定することによって、エン
ジンカバー21の重量増加は最小限に抑制できるように
なり、エンジンカバー21の開閉操作にあまり大きな影
響を与えることはない。なお、エンジンカバー21には
開く方向にばねやガススプリング等を作用させ、係脱可
能な係止手段で、このばね等に抗してエンジンカバー2
1を閉鎖状態に保持するようにするのが一般的である
が、低周波騒音遮蔽板25を装着することにより重量が
増加した分だけこのばねなりガススプリングなりの付勢
力を強くしておけば、実質的にエンジンカバー21の開
閉作業に何等の支障も来さないことになる。
【0026】ところで、エンジンカバー21の寸法形状
は、このエンジンカバー21により覆われるエンジン1
1及びその周囲に設けられている機器類の大きさ等に基
づいて設計されるが、エンジン11やその周辺に設けら
れている各種の機器類等の寸法や形状がさほど異なって
いない場合には、エンジンカバー21を複数種類の油圧
ショベルに共用できるようにする方が望ましい。ただ
し、ファン騒音の発生度合いは、個々の機種の油圧ショ
ベルにより異なってくる。低周波遮蔽板25を設けなけ
れば、外部への騒音漏れが激しい場合もあり、また許容
限度以下の騒音しか発生しない場合もある。さらに、他
の防音機構を併用することによって、元々低騒音運転を
可能としたものもある。エンジンカバー21には、それ
を形成する際ではなく、形成後に低周波騒音遮蔽板25
を装着するようにしているので、必要な機種の油圧ショ
ベルにおけるエンジンカバー21に対してのみ低周波騒
音遮蔽板25による装着するようになし、元々あまり大
きな低周波騒音を発生しない機械においては、このよう
な低周波騒音遮蔽板25を設けないようにすることがで
きる。その結果、エンジンカバー21の重量化が抑制さ
れる。また、騒音低減をより効率化するには、低周波騒
音遮蔽板25の厚み寸法を大きくする必要があるが、作
動時における騒音発生の度合いに応じて低周波騒音遮蔽
板25の厚み寸法を選択できるので、騒音の大きさに応
じて、低周波騒音遮蔽板25の厚み寸法を適宜設定する
ことによって、エンジンカバー21をあまり重量化させ
ることなく、低騒音作動を可能にすることができる。そ
して、ファン騒音がさらに激しい場合や、他の低周波騒
音の発生源がエンジン11の周囲に配設されている場合
には、図4において、エンジンカバー21における天板
部21aの冷却ファン14の投影部以外の領域であっ
て、パンチ孔24が穿設されておらず、吸音材26を貼
り付けた位置に他の遮蔽板を装着することもできる。
【0027】なお、低周波遮蔽板25は、左右に分割し
て2箇所設けているが、これはエンジンカバー21の内
面の中央部分に補強用のリブ部材27を設けているから
であり、このようなリブ部材27が設けられていない場
合には、低周波遮蔽板25は1枚のもので形成すること
もできる。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上のように、エンジンカバー
を構成する天板部の内面に低周波騒音遮蔽板を装着する
ことによって、加工性に優れ、かつ軽量であり、美観も
要求されるエンジンカバーの低周波騒音に対する防音性
を高めることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンルーム内に装着される機器類の要部を
模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の一形態を示すエンジンカバーを
装着した油圧ショベルの構成説明図である。
【図3】図2のエンジンカバーの外観図である。
【図4】エンジンカバーの内面を示す図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】従来技術の油圧ショベルの外観図である。
【符号の説明】
10 エンジンルーム 11 エンジン 14 冷却ファン 21 エンジンカバー 21a 天板部 21b 周壁部 25 低周波騒音遮蔽板 26 吸音材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 有多賀 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 柄澤 英男 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 田中 竜次 茨城県稲敷郡阿見町荒川沖本郷1374−5 (72)発明者 高橋 佳代 茨城県牛久市刈谷町3−130−1 Fターム(参考) 2D015 CA03 3D004 AA03 AA07 AA10 BA04 DA03 DA04 DA10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建設機械の機械室建屋に設けられ、内部
    にエンジン及び熱交換器を配置し、この熱交換器に冷却
    風を流通させる冷却ファンを設けたエンジンルームの上
    部を開閉可能に覆うエンジンカバーにおいて、 前記エンジンルームの上部を覆う天板部と、この天板部
    の周囲に連設した周壁部とからなるカバー本体と、 このカバー本体における前記天板部の内面であって、少
    なくとも前記冷却ファンの上部位置に固着して設けた低
    周波騒音遮蔽板とを備える構成としたことを特徴とする
    建設機械のエンジンカバー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20060068740A (ko) * 2004-12-17 2006-06-21 두산인프라코어 주식회사 중장비 엔진룸의 공기 소통 장치
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