JP2013181065A - 着色組成物、インクジェット記録用インク、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、耐湿性に優れ、かつ色相、鮮やかさ、及び耐オゾン性にも優れた着色組成物を提供することを目的とする。また、該着色組成物を含むインクジェット記録用インク、及び該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物とを含む着色組成物。
(一般式(1)中、Lは、2〜4価の連結基を表す。
Dは、一般式(2)で表される化合物から水素原子を1〜5個取り除いた残基を表す。
mは、1〜10の整数を表す。但し、複数のLは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
nは、2〜10の整数を表す。但し、複数のDは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)中、R4〜R24はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
但し、少なくとも1個以上のイオン性親水性基を有する。)
一般式(4)中、R21、R22、及びR23は、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜9のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ニトロ基、スルホン酸エステル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜9のアルキルスルホニル基、炭素数6〜15のアリールスルホニル基、カルボキシル基、又はカルボン酸エステル基を表す。
mは0、1、又は2を表す。
R27は置換もしくは無置換のアミノ基又は−OR26を表す。
R24、R25、及びR26は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜18のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
M4は水素原子又はカウンターカチオンを表す。M4はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
〔2〕
前記一般式(2)中、R4、R8、R9及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す、〔1〕に記載の着色組成物。
〔3〕
前記一般式(2)中、R5〜R7、R10〜R12及びR14〜R23は水素原子を表す、〔1〕又は2〕に記載の着色組成物。
〔4〕
前記一般式(1)中、Dは一般式(2)で表される化合物のR5〜R7、R10〜R12及びR24としての水素原子から、水素原子を1個取り除いた残基を表す、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔5〕
前記一般式(1)で表される化合物が、
一般式(3)で表される化合物をクロロスルホニル化する工程、
一般式(d)で表されるジアミン化合物と反応させる工程、
残存するクロロスルホニル基を加水分解する工程、を含む合成方法により合成される化合物である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
(一般式(3)中、R4〜R23はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
一般式(d)中、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。L1は2価の連結基を表す。)
〔6〕
一般式(4)中、R27は−OR26を表し、R24、R25、及びR26の少なくとも1つが1〜4個のカルボキシル基で置換されているアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を表す、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔7〕
一般式(4)中、R24及びR25のいずれか一方が水素原子を表し、他の一方が1〜4個のカルボキシル基で置換されているアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を表す、〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔8〕
一般式(4)中、R21、R22、及びR23が、各々独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子、又はカルボキシル基を表す、〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔9〕
一般式(4)中、R21、R22、及びR23が、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はカルボキシル基を表す、〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔10〕
一般式(1)で表される化合物の含有率が0.1〜20質量%である〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔11〕
一般式(4)で表される化合物の含有率が1〜5質量%である〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔12〕
一般式(1)で表される化合物の含有量と、一般式(4)で表される化合物の合計の含有量との質量比が95/5〜20/80である〔1〕〜〔11〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔13〕
〔1〕〜〔12〕のいずれか一項に記載の着色組成物を含有するインクジェット記録用インク。
〔14〕
〔1〕〜〔12〕のいずれか一項に記載の着色組成物、又は〔13〕に記載のインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法。
まず、本発明において、置換基群Aについて定義する。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、化合物とその塩及びこれらの水和物を含む。
本発明の化合物は特定キサンテン誘導体構造が複数含有されているため、作用機構は不明であるが、耐オゾン性、耐光性などの画像堅牢性に優れる。また、連結基Lを介して多量化することにより、分子量の増化し高湿条件下での分子移動が抑制され、耐湿性にも優れるという効果を奏する。
Dは、一般式(2)で表される化合物から水素原子を1〜5個取り除いた残基を表す。
mは、1〜10の整数を表す。但し、複数のLは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
nは、2〜10の整数を表す。但し、複数のDは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)中、R4〜R24はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
但し、少なくとも1個以上のイオン性親水性基を有する。
一般式(1)中、Lは、2〜4価の連結基を表す。2〜4価の連結基としては、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−SO2−)、イミノ基(−NH−)、メチレン基(−CH2−)、アリーレン基、シクロアルキレン基、ヘテロアリーレン基、エチレン−1,2−ジイル基(−CH=CH−)及びこれらを組み合わせて形成される基が挙げられ、スルホニル基(−SO2−)、イミノ基(−NH−)、メチレン基(−CH2−)、エチレン−1,2−ジイル基(−CH=CH−)、アリーレン、ヘテロアリーレン基を含む基であることより好ましい。
Lは2価の連結基であることが更に好ましい。
Lは置換基を有していてもよく、置換基を有する場合の置換基としては、前記置換基群Aを挙げることができ、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はイオン性親水性基が好ましく、アリールアミノ基、又はイオン性親水性基がより好ましい。これらは更に前記置換基群Aにより置換されていてもよく、イオン性親水性基により置換されていることがより好ましい。
一般式(V2)中、R201及びR202はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、L201は2価の連結基を表す。
一般式(V3)中、R301、R302及びR303はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、Xは置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表し、L301は単結合または2価の連結基を表す。
一般式(V4)中、R401及びR402はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。)
R101及びR102はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。好ましくは、水素原子又は前記置換基の群Aであり、より好ましくは、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、特に好ましくは、水素原子又はアルキル基である。R101とR102は互いに結合して環を形成してもよい。
R201及びR202はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。好ましくは、水素原子又は前記置換基の群Aであり、より好ましくは、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、特に好ましくは、水素原子又はアルキル基である。R201とR202は互いに結合して環を形成してもよい。
L201は、2価の連結基を表す。2価の連結基としては、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−SO2−)、イミノ基(−NH−)、メチレン基(−CH2−)、アリーレン基、シクロアルキレン基、及びこれらを組み合わせて形成される基が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜20のアルキレン基、シクロへキシレン基、フェニレン基又はキシリレン基であり、より好ましくは、炭素数1〜16のアルキレン基、シクロへキシレン基、フェニレン基又はキシリレン基であり、特に好ましくは、炭素数1〜8のアルキレン基、シクロへキシレン基、m−フェニレン基又はキシリレン基である。
R301及び302は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、水素原子又は前記置換基群Aが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルアミノ基、又はアリールアミノ基が好ましく、水素原子、アルキル基がより好ましい。R301及びR302は互いに結合して環を形成してもよい。
R303としては、水素原子又は置換基を表し、水素原子又は前記置換基群Aが好ましく、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基がより好ましい。これらは更に前記置換基群Aにより置換されていてもよく、イオン性親水性基により置換されていることがより好ましい。
炭素数2〜20のアルキレン基の中でも、エチレン基、n−プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。置換基を有する場合の置換基としてはメチル基が挙げられる。
R401はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。好ましくは水素原子又は前記置換基の群Aであり、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
R402は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、水素原子又は前記置換基群Aが好ましく、イオン性親水性基であることがより好ましく、スルホ基であることが特に好ましい。
一般式(2)中、R4、R8、R9及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表すことが好ましい。アルキル基は、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、総炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。例えば、メチル基、エチル基、エチニル基、イソプロパニル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。R4、R8、R9及びR13はそれぞれ独立に、アルキル基を表すことが色相のため好ましい。
一般式(2)中、R5〜R7、R10〜R12及びR14〜R23は水素原子を表すことが合成の容易さのため好ましい。R24は水素原子又はイオン性親水性基であることが好ましく、スルホ基であることがより好ましい。
一般式(3)で表される化合物をクロロスルホニル化する工程、
一般式(d)で表されるジアミン化合物と反応させる工程、
残存するクロロスルホニル基を加水分解する工程、を含む合成方法により合成される化合物であることが原材料の入手性、安価製造の観点から好ましい。
一般式(d)中、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。L1は2価の連結基を表す。
一般式(d)中、R25及びR26はそれぞれ独立に、好ましくは水素原子、置換又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、より好ましくは水素原子、置換又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
L1は、好ましくは、置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換又は無置換のシクロヘキシレン基、置換又は無置換のフェニレン基、置換または無置換のキシリレン基、置換又は無置換のスチルベン−4,4’−ジイル基であり、より好ましくは置換又は無置換の炭素数1〜10のアルキレン基、無置換のシクロヘキシレン基、無置換のフェニレン基、無置換のキシリレン基、置換又は無置換のスチルベン−4,4’−ジイル基であり、特に好ましくはスルホ基が置換されたスチルベン−4,4’−ジイル基である。
一般式(W3)で表される化合物1モルと、一般式(W4)で表される化合物1モルを塩化アルミニウムとともに加熱攪拌することで、一般式(W5)で表される化合物を得ることができる。
一般式(W5)で表される化合物1モルと、一般式(W6)で表される化合物2モル以上を、塩化亜鉛とともに加熱攪拌することで、一般式(W7)で表される本発明の一般式(1)に相当する化合物を得ることができる。
(W2)で表される化合物は、試薬として入手することが可能である(例えば、シグマ/アルドリッチ社製、カタログ番号227048など)。
(W4)で表される化合物は、Journal of the American Chemical Society 46巻1899頁(1924年)記載の方法で合成することができる。
(W5)で表される化合物は、試薬として入手することが可能である(例えば、アルドリッチ社製、カタログ番号D146005など)。
一般式(W10)で表される化合物は、試薬として入手することが可能である(例えば、アルドリッチ製、カタログ番号D25206)。
一般式(W9)で表される化合物と一般式(W10)で表される化合物を任意の比率(好ましくはモル比2:1)で反応させ、未反応のスルホニルクロライドをアルカリによって加水分解することで、一般式(W11)で表される代表構造とするような混合物として、本発明の一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
一般式(W9)で表される化合物と一般式(W10)で表される化合物を反応させて得られる化合物の加水分解により得られる混合物に含まれうる形態としては、2量体はもとより、3量体、4量体などのオリゴマーが挙げられる。このような多量体(オリゴマー)は、直線状、枝分かれ状、環状、及びそれらの組み合わせの形状をとりうる。
なお本明細書中では、これらを一般式(W11)で表される代表構造を用いて示しているが、このような混合物を含んでいることを示している。
一般式(W14)で表される化合物は、試薬として入手することが可能である(例えば、アルドリッチ製、カタログ番号D25206)。
一般式(W13)で表される化合物と一般式(W14)で表される化合物を任意の比率(好ましくはモル比2:1)で反応させ、未反応のスルホニルクロライドをアルカリによって加水分解することで、一般式(W15)で表される代表構造とするような混合物として、本発明の一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
一般式(W13)で表される化合物と一般式(W14)で表される化合物を反応させて得られる化合物の加水分解により得られる混合物に含まれうる形態としては、2量体はもとより、3量体、4量体などのオリゴマーが挙げられる。このような多量体(オリゴマー)は、直線状、枝分かれ状、環状、及びそれらの組み合わせの形状をとりうる。
なお本明細書中では、これらを一般式(W15)で表される代表構造を用いて示しているが、このような混合物を含んでいることを示している。
mは0、1、又は2を表す。
R27は置換もしくは無置換のアミノ基又は−OR26を表す。
R24、R25、及びR26は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜18のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
M4は水素原子又はカウンターカチオンを表す。M4はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
炭素数1〜9のアルキル基としては、直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基である。
アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、上記置換基群Aに記載の置換基が挙げられ、ハロゲン原子、アミノ基等が好ましく挙げられる。これらの置換基は、上記置換基群Aに記載の置換基でさらに置換されていてもよい。
置換基を有するアルキル基としては、トリフロロメチル基、ジメチルアミノメチル基等が挙げられる。
置換基としては、上記置換基群Aに記載の置換基が挙げられ、アルキル基、アリール基等が好ましく挙げられる。
置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等が挙げられる。
置換基としては、上記置換基群Aに記載の置換基が挙げられ、アルキル基、アリール基等が好ましく挙げられる。これらの置換基は、上記置換基群Aに記載の置換基でさらに置換されていてもよい。
置換基を有するスルファモイル基としては、例えば、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−エチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、p−カルボキシフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
置換基としては、上記置換基群Aに記載の置換基が挙げられ、アルキル基、カルバモイル基、アシル基等が好ましく挙げられる。
置換基を有するアミノ基としては、例えば、N−メチルアミノ基、カルバモイルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げられる。
炭素数1〜9のアルキルスルホニル基は更に置換基を有していてもよく、置換基としては、上記置換基群Aに記載の置換基が挙げられ、アリール基、ヒロドキシル基等が好ましく挙げられる。
置換基を有するアルキルスルホニル基としては、例えば、ヒドロキシエチルスルホニル基、ベンジルスルホニル基等が挙げられる。
また、R21、R22、及びR23のうち1つ又は2つが水素原子であることが好ましい。
mとしては、耐湿性と水溶性の両立のバランスをとるという理由から、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
炭素数1〜18のアルキル基としては、直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基である。
アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、上記置換基群Aに記載の置換基が挙げられ、アリール基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、モルホリニル基等が好ましく挙げられる。
置換基を有するアルキル基としては、ヒドロキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシシクロヘキシルメチル基、1−カルボキシ−2−メルカプトエチル基、1−カルボキシ−2−カルバモイル−エチル基、1−イソプロピル−1−カルボキシメチル基、1,2−ジカルボキシプロピル基等が挙げられる。
アルケニル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、上記置換基群Aに記載の置換基が挙げられ、アルキル基、カルボキシル基等が好ましく挙げられる。
置換基を有するアルケニル基としては、例えば、2−メチル−1−プロペニル基等が挙げられる。
アリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては、上記置換基群Aに記載の置換基が挙げられ、アルキル基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のスルファモイル基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子等が好ましく挙げられる。
置換基を有するアリール基としては、例えば、3,4−ジカルボキシフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−カルボキシフェニル基等が挙げられる。
アラルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、上記置換基群Aに記載の置換基が挙げられ、ヒドロキシル基、カルボキシル基等が好ましく挙げられる。これらの置換基は、上記置換基群Aに記載の置換基でさらに置換されていてもよい。
置換基を有するアラルキル基としては、例えば、1−カルボキシ−2−フェニル−エチル基、1−カルボキシ−2−ヒドロキシフェニルエチル基、4−カルボキシベンジル基等が挙げられる。
ヘテロ環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、上記置換基群Aに記載の置換基が挙げられ、アルキル基、カルボキシル基等が好ましく挙げられる。
置換基を有するヘテロ環基としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル基等が挙げられる。
また、R24及びR25のいずれか一方が水素原子を表し、他の一方が1〜4個のカルボキシル基で置換されているアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基であることが好ましく、R24及びR25のいずれか一方が水素原子を表し、他の一方が1〜4個のカルボキシル基で置換されているアリール基であることがより好ましい。
前記一般式(4)中、M4が水素原子である場合は遊離酸の形態であり、M4がカウンターカチオンの場合は塩の形態である。
塩を形成するカウンターカチオンとしては、1価のカウンターカチオンが挙げられ、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、有機カチオンなどが好ましい。
有機カチオンとしては、置換基を有するアンモニウムイオン(例えば、アルキル基又はヒドロキシアルキル基で置換されているアンモニウムイオン)、有機アミンに水素イオンが付加したカチオン(例えば、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アルキルアミン、カルボキシ置換低級アルキルアミン及び炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有するポリアミン等に水素イオンが付加したカチオンなど)が挙げられる。
水溶性の観点から、アルカリ金属イオンであることが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンがより好ましい。特にナトリウムイオンは安価製造の観点から好ましい。
前記一般式(4)中、M4はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。すなわち、前記一般式(4)で表される化合物が塩の形態であるとは、全てのスルホ基が塩となっている場合、及び、一部のスルホ基が遊離酸の形態で、かつ一部のスルホ基が塩となっている場合を含む。また、塩を形成するカウンターカチオンも一種でも複数種でもよい。
また、スルホ基以外の基で塩の形態となり得るもの(例えばカルボキシル基)については上記と同様である。
本発明の着色組成物は、一般式(1)で表される化合物と、一般式(4)で表される化合物とを含有する。一般式(1)で表される化合物と、一般式(4)で表される化合物とを併用することで、相互作用(印画媒体での浸透性制御や、色相設計における好ましい吸収波形となること)によって相乗効果を奏するにより、良好な耐湿性、耐オゾン性、色相、及び彩度とすることが可能となる。
本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、一般式(1)で表される化合物と、一般式(4)で表される化合物とを溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。
本発明において、着色組成物中に含まれる本発明の化合物の含有量は、用いられる一般式(1)及び(4)における置換基の種類、着色組成物を製造するために用いる溶媒成分の種類等により決められるが、着色組成物中の一般式(1)で表される化合物の含有率が、着色組成物の総質量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.4〜10質量%であることがより好ましく、0.75〜6質量%であることが更に好ましい。
次に本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明は、本発明の着色組成物を含有するインクジェット記録用インクにも関する。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に前記本発明の化合物(混合物)を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いたインクである。
必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
適用できる黒色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。
本発明は、本発明の着色組成物又はインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法にも関する。
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フイルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体として、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。
ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
〔例示化合物1−1の合成〕
500mL三ツ口フラスコにクロロスルホン酸120g、オキシ塩化リン12.4gを加え、ここへ攪拌しながら注意深く、アシッドレッド289(中外化成製、含有率71%)19gを分割添加した後に、70℃で1時間反応させた。反応液を室温まで冷却した後に、反応液を、2Lビーカー中に氷600gを攪拌しているところへ注意深く注ぎ、固体を析出させた。析出した固体をろ別し、10℃以下の飽和食塩水を用いて洗浄し、80.4gの化合物Aのウエットケーキを得た。
1L三ツ口フラスコに、ウエットケーキ80.4gを氷水450gを加えて、5℃以下で分散させ、4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸(アクロス製、95%)3.9gを水60mL中で2N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH9.0で調整し溶解させた溶液を加え、50℃に加温した。ここに2N水酸化ナトリウム水溶液でpH9に保ちながら、50℃でpH変化がなくなるまで攪拌し、さらに50℃で1時間攪拌した。
反応液をGF/Fフィルター(ワットマン製)を通して、不溶物を除去し、得られたろ過液の全重量の25重量%に相当する塩化ナトリウムを加え、室温で攪拌しながら、濃塩酸を用いてpHを4に調整し、固体を析出させた。析出した固体をろ別し、得られた固体を600mLの水に分散させ、2N水酸化ナトリウム用いて、pHを9に調整して溶解させた後に、透析チューブを用いて電気伝導度が10μS以下になるまで脱塩し、再度、塵とりのためにGF/Fフィルターを通し、得られたろ液を60℃で濃縮乾燥させて、例示化合物1−1の緑色光沢結晶17.4gを得た。
MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−3)/3]−に相当する706.3(100%)、[(M−4)/4]−に相当する529.5が観測された。またその他に、異なる2量体(一般式(1)におけるm=2、n=2)の[(M−3)/3]−に相当する823.7、及び[(M−4)/4]−に相当する617.5が観測され、3量体(一般式(1)におけるm=2、n=3)の[(M−4)/4]−に相当する836.5が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは531nmであった。
250mL三ツ口フラスコにクロロスルホン酸60g、オキシ塩化リン6.2gを加え、ここへ攪拌しながら注意深く、アシッドレッド289(中外化成製、含有率71%)9.54gを分割添加した後に、70℃で1時間反応させた。反応液を室温まで冷却した後に、反応液を、1Lビーカー中に氷300gを攪拌しているところへ注意深く注ぎ、固体を析出させた。析出した固体をろ別し、10℃以下の飽和食塩水を用いて洗浄し、化合物Aのウエットケーキを得た。
1Lビーカーに、化合物Aのウエットケーキ全量を氷水150mL中で分散させ、ここへエチレンジアミン0.30gを加え、2N水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応液のpHを9に保ちながら50℃で3時間反応させた。反応液を室温に冷却し、ワットマンGF/Fフィルターを用いて、不溶物を除去した後に、希塩酸水を用いてpHを8.5に調整した後に、透析チューブを用いて電気伝導度が10μS以下になるまで脱塩し、濃縮完固させることで例示化合物1−2の緑色光沢結晶4.2gを得た。
MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]−に相当する905.5、[(M−3)/3]−に相当する603(100%)、[(M−4)/4]−に相当する452が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは530nmであった。
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンをピペラジン4.3gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−3の緑色光沢結晶4.3gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]−に相当する918、[(M−3)/3]−に相当する611(100%)、[(M−4)/4]−に相当する458が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは529nmであった。
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを2,5−ジメチルピペラジン0.57gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−4の緑色光沢結晶4.1gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]−に相当する932、[(M−3)/3]−に相当する621(100%)、[(M−4)/4]−に相当する465.5が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは529nmであった。
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを1−(2−アミノエチル)ピペラジン0.65gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−5の緑色光沢結晶4.4gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]−に相当する944.5、[(M−3)/3]−に相当する629(100%)、[(M−4)/4]−に相当する471.7が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは529nmであった。
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン)1.00gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−6の緑色光沢結晶4.9gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]−に相当する975.1、[(M−3)/3]−に相当する649.7(100%)、[(M−4)/4]−に相当する487.1及び[(M−5)/5]−に相当する389.4が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは529nmであった。
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを1,2−シクロヘキサンジアミン0.57gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−7の緑色光沢結晶4.0gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]−に相当する932.1、[(M−3)/3]−に相当する621(100%)、[(M−4)/4]−に相当する465.5及び[(M−5)/5]−に相当する372.2が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは530nmであった。
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを1,3−シクロヘキサンジアミン0.57gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−8の緑色光沢結晶4.1gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]−に相当する932.1、[(M−3)/3]−に相当する621(100%)、[(M−4)/4]−に相当する465.5及び[(M−5)/5]−に相当する372.2が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは530nmであった。
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを1,4−シクロヘキサンジアミン0.57gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−9の緑色光沢結晶4.1gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]−に相当する932.1、[(M−3)/3]−に相当する621、[(M−4)/4]−に相当する465.5(100%)及び[(M−5)/5]−に相当する372.2が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは530nmであった。
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンをm−フェニレンジアミン0.54gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−10の緑色光沢結晶4.0gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]−に相当する929、[(M−3)/3]−に相当する619(100%)、[(M−4)/4]−に相当する464及び[(M−5)/5]−に相当する371が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは530nmであった。
<中間体Bの合成>
中間体B
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを中間体C(含率82%)2.73gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−12の緑色光沢結晶4.7gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の [(M−3)/3]−に相当する732.4[(M−4)/4]−に相当する549(100%)及び[(M−5)/5]−に相当する439が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは530nmであった。
<中間体Dの合成>
中間体D
中間体E
<例示化合物1−13の合成>
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを中間体E(含率88%)2.13gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−13の緑色光沢結晶4.5gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の [(M−3)/3]−に相当する708.6[(M−4)/4]−に相当する531.2(100%)及び[(M−5)/5]−に相当する424.8が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは529nmであった。
<中間体Fの合成>
中間体F
中間体G
中間体H
中間体I
中間体J
250mL三ツ口フラスコにクロロスルホン酸60g及びオキシ塩化リン6.2gを加え、ここに中間体J12.5gを分割添加した。内温を70℃まで加温して1時間反応させた後に、反応液を室温まで冷却し、この反応液を氷水300g中に注ぎ入れ、析出している結晶をろ別し、飽和食塩水で洗浄した。得られた結晶を水300mL中に分散させ、2N水酸化ナトリウムを用いてpH9.0に調整し保ちながら内温50℃で6時間反応させた。不溶物をろ別し取り除き、pHを希塩酸を用いて8.5に調整し、透析チューブを用いて電気伝導度が10μS以下まで脱塩して、濃縮完固することで例示化合物1−15の8.9gを得た。MSスペクトルの結果、例示化合物1−15の[(M−2)/2]−に相当する867.1、[(M−3)/3]−に相当する577.7、及び[(M−4)/4]−に相当する433.1が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは529nmであった。
2Lビーカーに、8−アミノ−1−ヒドロキシ−2−(2’−カルボキシフェニルアゾ)ナフタレン−3,6−ジスルホン酸9.43g、及び水600mLを加え、2N水酸化ナトリウムを用いてpHを8.5に調整した後に、内温を5℃以下に冷却した。ここへ塩化シアヌル4.06gを粉体添加し、カルソレイン油を3滴加え、5℃以下で2時間反応させた後に、2N水酸化ナトリウムを用いてpHを6.5に調整し、不溶物をろ別除去し(A液)。一方で、5−アミノイソフタル酸4.58g、水100mLに分散させ、2N水酸化ナトリウムを用いてpHを7に調整し溶解させた(B液)。A液にB液を加えた後に、2N水酸化ナトリウムを用いてpH7を保ちながら、室温にて終夜反応させ、その後、塩化ナトリウムを80g加え、濃塩酸を用いてpHを4に調整して、析出している結晶をろ別し、アセトン300mLで洗浄した。得られた結晶を、水600mLに分散させ、2N水酸化ナトリウムを用いてpHを12に調整し、極少量のDABCOを活性化剤として加え、80℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、濃塩酸を用いてpHを3以下に調整し、塩化ナトリウムを70g加え、30分撹拌した後に、析出している結晶をろ別し、アセトン300mLで洗浄した。得られた結晶を再度、水500mLに溶解し、希水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.5に調整し、透析チューブを用いて脱塩した溶液を、濃縮完固することで、化合物(4−4)の緑色光沢結晶8.2gを得た。MSスペクトルの結果、化合物(4−4)の[(M−2)/2]−に相当する370.6が観測された。希薄水溶液中での吸収極大波長は544nmであった。
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後KOH 10mol/LにてpH=9に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しマゼンタ用インク液を調製した。
一般式(4)の化合物(前記化合物(4−1)) 1.5g
ジエチレングリコール 10.65g
グリセリン 14.70g
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12.70g
トリエタノールアミン 0.65g
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 0.9g
染料及び染料添加量を、下記表1〜2に示すように変更した以外は、実施例1のインク液の調製と同様にして、実施例2〜42及び比較例1〜3のインク液を調製した。比較用の染料としてC.I.アシッドレッド289(AR289)を用いた。
以上の各実施例及び比較例のインクジェット記録用インクについて、下記評価を行った。その結果を表1〜2に示した。
なお、表1〜2において、耐湿性は、各インクジェット記録用インクを、インクジェットプリンター(EPSON(株)社製;PM−700C)でフォト光沢紙(EPSON社製PM写真紙<光沢>(KA420PSK、EPSON))に画像を記録した後で評価したものである。
インクジェット記録の際、チェック柄のパターン(濃度100%と0%の1.5mm角を有する正方形を交互に組み合わせたパターン)を作成し、コントラストの高いマゼンタ−ホワイトのチェック柄の印画物を得た。印画後、24時間乾燥を行ったチェック柄の印画物を80℃70%RHの条件で3日間放置し、着色部分からホワイト部分へのにじみの程度を目視で評価し、ほとんどにじまない場合をA、ややにじむ場合をB、明らかににじむ場合をCとして、三段階で評価した。
記録物の彩度(c*)を、色特性の測定値に基づき、下記式によって算出し以下のように評価した。
B:c*が70以上80未満であった
C:c*が70未満であった。
更に、色度(L*、a*、b*)の結果より、a*75〜80の時の色相角(h°)を下記式より求め、評価を行った。
B:h°が335以上、340未満であった
C:h°が335未満であった。
シーメンス型オゾナイザーの二重ガラス管内に乾燥空気を通しながら、5kV交流電圧を印加し、これを用いてオゾンガス濃度が2.0±0.1ppm、室温、暗所に設定されたボックス内に、前記画像を形成したフォト光沢紙を7日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。なお、前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、1又は2点が70%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
Claims (14)
- 下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物とを含む着色組成物。
(一般式(1)中、Lは、2〜4価の連結基を表す。
Dは、一般式(2)で表される化合物から水素原子を1〜5個取り除いた残基を表す。
mは、1〜10の整数を表す。但し、複数のLは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
nは、2〜10の整数を表す。但し、複数のDは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)中、R4〜R24はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
但し、少なくとも1個以上のイオン性親水性基を有する。)
一般式(4)中、R21、R22、及びR23は、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜9のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ニトロ基、スルホン酸エステル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜9のアルキルスルホニル基、炭素数6〜15のアリールスルホニル基、カルボキシル基、又はカルボン酸エステル基を表す。
R27は置換もしくは無置換のアミノ基又は−OR26を表す。
mは0、1、又は2を表す。
R24、R25、及びR26は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜18のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
M4は水素原子又はカウンターカチオンを表す。M4はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。 - 前記一般式(2)中、R4、R8、R9及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す、請求項1に記載の着色組成物。
- 前記一般式(2)中、R5〜R7、R10〜R12及びR14〜R23は水素原子を表す、請求項1又は2に記載の着色組成物。
- 前記一般式(1)中、Dは一般式(2)で表される化合物のR5〜R7、R10〜R12及びR24としての水素原子から、水素原子を1個取り除いた残基を表す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 一般式(4)中、R24、R25、及びR26の少なくとも1つが1〜4個のカルボキシル基で置換されているアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を表す、請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 一般式(4)中、R24及びR25のいずれか一方が水素原子を表し、他の一方が1〜4個のカルボキシル基で置換されているアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を表す、請求項1〜6のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 一般式(4)中、R21、R22、及びR23が、各々独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子、又はカルボキシル基を表す、請求項1〜7のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 一般式(4)中、R21、R22、及びR23が、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はカルボキシル基を表す、請求項1〜8のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 一般式(1)で表される化合物の含有率が0.1〜20質量%である請求項1〜9のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 一般式(4)で表される化合物の含有率が1〜5質量%である請求項1〜10のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 一般式(1)で表される化合物の含有量と、一般式(4)で表される化合物の合計の含有量との質量比が95/5〜20/80である請求項1〜11のいずれか一項に記載の着色組成物。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の着色組成物を含有するインクジェット記録用インク。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の着色組成物、又は請求項13に記載のインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法。
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