JP2013180343A - コンタクトチップ交換装置およびコンタクトチップ交換方法 - Google Patents

コンタクトチップ交換装置およびコンタクトチップ交換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ソケットが上方へ移動することにより生じるトーチの損傷・破損を抑制できるコンタクトチップ交換装置及びコンタクトチップの交換方法を提供することを課題とする。
【解決手段】トーチに対してコンタクトチップを脱着させる交換装置であって、ソケット10が遊嵌される略円形状のソケット第1孔部31aが形成されたパレット上板31と、パレット上板31の上面に上下方向に移動可能に設けられるとともに、ソケット10が遊嵌される略円形状のソケット第2孔部80cが形成されたテンションプレート80と、テンションプレート80を下方に付勢する第2弾性部材82と、をさらに備え、テンションプレート80のソケット第2孔部80cが、パレット上板31のソケット第1孔部31aに比べて小径に形成されており、ソケット10は、ソケット第1孔部31a内でテンションプレート80の下面に当接する当接部18を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、トーチに取り付けられたコンタクトチップを交換するコンタクトチップ交換装置、および、コンタクトチップ交換装置を用いてトーチに取り付けられたコンタクトチップを交換するコンタクトチップ交換方法に関する。
アーク溶接作業に用いられる溶接機では、トーチに取り付けられたコンタクトチップに溶接ワイヤを挿通させ、コンタクトチップを介して溶接ワイヤに給電している。コンタクトチップは、トーチに送り込まれた溶接ワイヤをガイドしているため、溶接ワイヤとの接触による磨耗が生じる。したがって、コンタクトチップの磨耗が大きくなった場合には、コンタクトチップを新しいものに交換する必要がある。
コンタクトチップを交換するための交換装置としては、コンタクトチップが嵌合保持される穴部が形成されたソケットと、ソケットを軸回りに回転させる駆動手段と、ソケットを回転自在に支持する保持部と、を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
この交換装置では、ソケットの穴部にコンタクトチップを挿入し嵌合させ、ソケットとともにコンタクトチップを正逆回転させることで、コンタクトチップのねじ部をトーチのねじ穴に自動で脱着させることができる。
また、ソケットとともにコンタクトチップを正逆回転させた後、トーチを上方へ移動させてコンタクトチップを引き上げることによって、コンタクトチップをソケットから離脱させている。
特開平11−347731
しかしながら、コンタクトチップが溶けてトーチに溶着している場合があり、トーチからコンタクトチップを取り外すことができない場合があった。また、コンタクトチップはソケットの材質よりも軟らかい金属材料で形成されているため、コンタクトチップをソケットに挿入させた場合に、コンタクトチップがソケットの穴部に噛み込んでしまうことがあった。そのため、トーチを上方へ移動させてコンタクトチップを引き上げたとしても、コンタクトチップをソケットから離脱できないことがあった。
特に、ソケットに対してコンタクトチップの挿入位置がずれた場合や、コンタクトチップの外表面にスパッタによる異物が付着している場合などは、コンタクトチップがソケットに噛み込む可能性が高かった。
また、コンタクトチップがソケットに噛み込んだ状態で、トーチを上方へ移動させると、ソケットも上方へ引き上げてしまう。そのため、上方へ移動するソケットがコンタクトチップ交換装置の部品等に係合して、コンタクトチップ交換装置を持ち上げる方向に大きな力がかかる。よって、トーチを上方へ引き抜くための引抜力に相当する負荷がかかり、トーチが損傷・破損する可能性があった。
そこで、本発明では、前記課題に鑑みて創作された発明であり、ソケットが上方へ移動することにより生じるトーチの損傷・破損を抑制できるコンタクトチップ交換装置を提供することを課題とする。また、本発明は、ソケットを上方へ移動することにより生じるトーチの損傷・破損を抑制できるコンタクトチップの交換方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るコンタクトチップ交換装置は、トーチに螺合するコンタクトチップを正逆回転させることで、前記トーチに対して前記コンタクトチップを脱着させるコンタクトチップ交換装置であって、前記コンタクトチップが上方から嵌合される筒状のソケットと、前記ソケットに隣り合う位置に配置されて、前記ソケットを軸回りに回転させるソケット回転手段と、前記ソケットの下部が挿入されて上下方向に移動可能に前記ソケットを支持するソケットガイドを有するパレット下板と、前記ソケットガイト内に配設されて、前記ソケットを上方に付勢する第1弾性部材と、前記パレット下板の上方に設けられて、前記ソケットが遊嵌されるソケット第1孔部が形成されたパレット上板と、前記パレット上板の上面に上方に移動可能に設けられるとともに、前記ソケットが遊嵌されるソケット第2孔部が形成されたテンションプレートと、前記テンションプレートに係止して前記上面パレットに支持されて前記テンションプレートを前記上面パレット側に付勢する第2弾性部材と、を備え、前記テンションプレートの前記ソケット第2孔部が、前記パレット上板の前記ソケット第1孔部に比べて小径に形成されており、前記ソケットは、前記ソケットの外周面に、前記第1孔部内で前記テンションプレートの下面に当接する位置に前記テンションプレートと当接する当接部を有する構成とした。
かかる構成によれば、コンタクトチップ交換装置は、コンタクトチップとともにソケットが上方へ移動すると、ソケットの当接部がテンションプレートの下面に当接して、テンションプレートがパレット上板から上方へ持ち上げられる。
一方で、テンションプレートは、第2弾性部材により常にパレット上板側に付勢されているため、上方へ持ち上げようとするソケットとコンタクトチップを離間させるように、ソケットを下方へ押圧する。
そのため、コンタクトチップ交換装置は、上方へ移動するコンタクトチップの反対側である下方へソケットを押圧して、コンタクトチップとソケットを分離させるように、テンションプレートが第2弾性部材により動作する。
また、コンタクトチップ交換装置は、テンションプレートが第2弾性部材によりパレット上板側に常に付勢されているので、テンションプレートがパレット上板から離間する機構であっても、振動による雑音を生じない。
また、本発明に係るコンタクトチップ交換装置は、前記パレット上板の下方に、前記パレット上板中央を回転中心とする軸回りに回転自在に前記パレット上板を支持するベース部材を有し、前記パレット上板は、前記パレット上板の回転方向に沿って環状に並設される複数の前記ソケット第1孔部及びパレット回転用部材を有し、前記テンションプレートは、前記パレット上板の回転方向に沿って環状に並設される複数の前記ソケット第2孔部を有し、前記パレット下板は、環状に形成され、前記パレット上板に離間して固定されて前記パレット上板とともに回転し、前記複数のソケット第1孔部に対応して、前記パレット上板の回転方向に沿って環状に並設された複数の前記ソケットガイドを有し、前記ソケットは、前記複数のソケット第1孔部及び前記複数のソケット第2孔部に対応して、前記パレット上板の回転方向に沿って環状に複数並設されており、前記ソケット回転手段は、前記ソケットの外周面に形成された従動ギヤに噛合する駆動ギアと、前記ベース部材に固定されるとともに前記駆動ギアを支持して前記駆動ギヤを駆動させる駆動手段と、を有し、前記トーチを保持するロボットアームによって、前記パレット回転用部材を前記パレットの回転方向に押し出すことで、前記パレット上板が回転して、前記複数のソケットのいずれか一つの従動ギヤが前記駆動ギヤに噛合する構成にすることが好ましい。
かかる構成によれば、コンタクトチップ交換装置は、パレット上板がパレット上板中央を回転中心として所定角度回転するように、ロボットアームでパレット回転用部材を押し出されることで、パレット上板に固定されるパレット下板及びテンションプレートも、パレット上板中央を回転中心として所定角度回転する。
そして、コンタクトチップ交換装置は、パレット上板の回転により、パレット上板の回転方向に沿って並設する複数のソケットの一つが、コンタクトチップの取り外しあるいは取り付けする位置に移動するとともに、駆動手段の駆動ギヤがソケットの外周面の従動ギヤに噛合する。
そのため、コンタクトチップ交換装置は、パレット上板を回転させる駆動手段が不要となるとともに、複数のソケット回転手段を備える必要がない。
さらに、コンタクトチップ交換装置は、従動ギヤに駆動ギヤを噛合させた場合、従動ギヤと駆動ギヤとが噛み合うことによる振動がソケットに発生するが、ソケットの当接部が、第2弾性部材により下方に付勢されるテンションプレートにより上方から押え付けてられているため、ソケットのがたつきを抑制される。
また、本発明に係るコンタクトチップ交換装置は、前記テンションプレートが上方に持ち上がったか否かを検知し、前記テンションプレートが上方に持ち上がったことを検知した場合に、前記ロボットアームを制御する制御部に持ち上がり信号を送信するセンサ部を備えることが好ましい。
かかる構成によれば、コンタクトチップ交換装置は、センサ部により、テンションプレートが上方に持ち上がったこと、つまり、コンタクトチップとともにソケットが上方へ移動したことを検知される。そして、センサ部により、ロボットアームを制御する制御部に持ち上がり信号が送信される。そのため、制御部は、例えば、コンタクトチップの交換作業の再試行や停止など、ソケットが上方に移動したことに対応した動きを行うように、ロボットアームの動作を制御できる。
また、本発明に係るコンタクトチップ交換装置において、前記センサ部は、前記テンションプレートの上方に設けられて前記テンションプレートと共に上方に移動する反射部に向かって、レーザ光を照射するレーザ光照射部と、前記反射部に向かって照射された前記レーザ光の反射光線上に配置されて、前記レーザ光の反射光を受光可能な受光部と、を備えており、前記センサ部は、前記受光部により、前記レーザの反射光を受光しない場合に、前記ロボットアームを制御する制御部に、前記持ち上がり信号を送信する構成とすることが好ましい。
かかる構成によれば、コンタクトチップ交換装置は、ソケットが上方に移動してテンションプレートを上方に持ち上げた場合、テンションプレートの上方に設けられた反射部はレーザ光を反射しない。そして、受光部は、レーザ光の反射光を受光しないため、制御部に持ち上がり信号を送信する。そのため、制御部は、例えば、コンタクトチップの交換作業の再試行や停止など、ソケットが上方に移動したことに対応した動きを行うように、ロボットアームの動作を制御できる。
また、本発明に係るコンタクトチップ交換方法は、前記コンタクトチップをソケットに嵌合させる嵌合位置に、前記トーチを移動させる工程と、前記ソケットとともに前記コンタクトチップを前記ソケット回転手段により着脱させるために予め設定されていた回転を行わせた後に、前記ソケットの当接部が前記テンションプレートの下面に当接して前記テンションプレートを上方に持ち上げることができる持ち上がり検出位置へ、前記トーチを移動させる工程と、前記トーチを前記持ち上がり検出位置へ移動後、前記持ち上がり信号を受信するために待機させる工程と、前記待機中に、前記持ち上がり信号を受信した場合に、前記トーチを前記嵌合位置へ移動させて、さらに前記持ち上がり検出位置へ再移動させる工程と、前記トーチを前記持ち上がり検出位置へ再移動後に、前記持ち上がり信号を受信するために再待機させる工程と、前記再待機中に、前記持ち上がり信号を受信した場合に、前記ロボットアームの起動を停止させて、前記コンタクトチップの交換をエラー終了させる工程と、前記待機中又は前記再待機中に、前記持ち上がり信号を受信しない場合に、前記トーチを上方に移動させて、前記コンタクトチップの交換を終了させる工程と、を行うこととした。
かかる手順によれば、コンタクトチップ交換方法では、ソケットとともにコンタクトチップを回転させた後、トーチを持ち上がり検出位置へ移動させて待機させるため、トーチとともにソケットが移動した場合、ソケットの当接部がテンションプレートの下面に当接してテンションプレートを上方へ持ち上げる。そのため、制御部は、センサ部から持ち上がり信号を受信して、ソケットの上方への移動を認識することができる。
また、持ち上がり信号を受信した場合に、トーチを嵌合位置に移動させた後、さらに検出位置へ再移動させるが、ここで、持ち上がり信号を受信した場合には、コンタクトチップの交換をエラー終了する。そのため、ソケットがトーチとともに上方へ移動して、コンタクトチップ交換装置の部品等を持ち上げる方向にかかる力によりトーチの損傷・破損を回避できる。
また、本発明によれば、トーチを持ち上がり検出位置へ移動させて、ソケットがテンションプレートを上方へ持ち上げた場合、ソケットは、第2弾性部材により付勢されるテンションプレートにより下方へ押圧されるため、当該装置を停止する前に、コンタクトチップからソケットを取り外す機会を増やすことができる。
本発明に係るコンタクトチップ交換装置、及びコンタクトチップ交換方法は、以下に示す優れた効果を奏する。
コンタクトチップ交換装置は、パレット上板側に第2弾性部材でテンションプレートが付勢されて、パレット上板から上方に移動できるようになっているので、トーチの移動によってソケットが上方に持ち上げられても、第2弾性部材がテンションプレートを下方に付勢する力により、コンタクトチップからソケットを外す可能性を高める。
コンタクトチップ交換装置は、トーチを取り付けたロボットアームによりパレット上板を回転させ、複数のソケットを環状に配して一つのソケット回転手段で回転させることができるため、コンタクトチップ交換装置の小型化を図れる。
コンタクトチップ交換装置は、ソケットの当接部がテンションプレートの下面に当接して、常に下方に押圧されているため、ソケットのがたつきが抑制されて、ソケットが左右方向に傾くことを回避でき、ソケットが傾斜してコンタクトチップがソケットの穴部に噛み込むことを低減できる。
コンタクトチップ交換装置は、制御部が持ち上がり信号を受信するため、コンタクトチップの交換作業の停止など、ロボットアームの動作を規制できるため、トーチが移動して持ち上げる方向にかかる力により当該トーチの損傷・破損を回避することができる。
コンタクトチップ交換方法は、ソケットが上方に移動しない場合にのみ、トーチを上方に移動させるため、ソケットが上方に移動してトーチに大きな力がかかることを回避でき、トーチが移動して持ち上げる方向にかかる力によりトーチの損傷・破損を回避することができる。
交換装置の全体構成を示した側断面図であり、詳細には、図4のE―E断面図である。 トーチを示した図で、(a)は側断面図、(b)はB−B断面図である。 パレットのパレット上板の上方に配設されたテンションプレートと固定具と第2弾性部材と柱部と反射部とを分解して斜視した分解斜視図である。 交換装置の平面図である パレットのパレット下板を示した図で、図1のA−A断面図である。 ソケットを示した斜視図である。 ソケットの取り付け構造を示した側断面図である。 トーチとパレット上板を示した模式図である。 コンタクトチップによってソケットを押し込んだ状態を示した図で、(a)は側断面図、(b)はC−C断面図である。 コンタクトチップがソケットに保持された状態を示した図で、(a)は側断面図、(b)はD−D断面図である。 ソケットがソケットガイドに対して傾斜した状態を示した側断面図である。 コンタクトチップとソケットの関係を示した図で、(a)はコンタクトチップがソケットの回転中心からずれている状態の側断面図、(b)はコンタクトチップがチップ保持穴に対して傾いている状態の側断面図である。 パレット上板をロボットアームによって回転させる態様を示した模式図である。 ソケットがテンションプレートを持ち上げた態様を示した模式図である。 制御装置の構成を示す構成図である。 本実施形態に係るコンタクトチップの取り外し工程を示すフロー図である。 本実施形態に係るパレット回転工程を示すフロー図である。 本実施形態に係るコンタクトチップの装着工程を示すフロー図である。 変形例に係る交換装置の全体構成を示した側断面図である。 変形例に係る第2ソケットの構成を示した側断面図である。 変形例に係る共通支持台に載置されたコンタクトチップ検出センサと持ち上がり検出センサとの位置関係を示す正面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態のコンタクトチップ交換装置は、アーク溶接に用いられる溶接機のトーチに取り付けられたコンタクトチップを交換するものである。
実施形態に係るトーチ100は、溶接対象物にアーク溶接を行う部位であり、図2(a)に示すように、トーチ取り付け金具201を介してロボットアーム200(図8参照)に保持されたトーチ本体110と、トーチ本体110に外嵌された円筒状のノズル120と、トーチ本体110の先端面に取り付けられたコンタクトチップ130と、を備えている。
コンタクトチップ130は、トーチ本体110から送り出された溶接ワイヤ(図示せず)が挿通される円筒状の金属部品である。このコンタクトチップ130を介して溶接ワイヤに給電するように構成されている。
コンタクトチップ130は、基部よりも先端部が縮径された先細り形状となっている。また、コンタクトチップ130の上端部には、ねじ部131が突設されている。このねじ部131がトーチ本体110の先端面に形成されたねじ穴111に螺合されることで、コンタクトチップ130がトーチ本体110に取り付けられている。
図2(b)に示すように、コンタクトチップ130の外周面上部の両側(図2(b)の上下両側)には、二つの平面部132,132が形成されている。両平面部132,132の間の幅は、コンタクトチップ130の最大径よりも小さくなっている。
コンタクトチップ130の交換装置1は、図1に示すように、円筒状のソケット10と、ソケット10を軸回りに回転させるソケット回転手段(50,51,52)と、ソケット10の下部が挿入されるソケットガイド34が形成されたパレット30と、パレット30の上方に設けられたテンションプレート80と、テンションプレート80をパレット30側に付勢する第2弾性部材82と、テンションプレート80の上方への移動を検知する持ち上がり検出センサ90と、ソケット回転手段およびパレット30を支持するベース部材40と、を主に備えている。
このコンタクトチップ交換装置1は、図10(a)に示すように、ソケット10に保持されたコンタクトチップ130を正逆回転させ、コンタクトチップ130のねじ部131をトーチ本体110のねじ穴111に脱着させることで、トーチ100のコンタクトチップ130を交換するものである。
ベース部材40は、図1に示すように、床面に対し立設する複数の脚部42と、脚部42に支持されたモータテーブル43と、モータテーブル43上に設けられて上方に延在する第1支持台45及び第2支持台46とを備えている。
モータテーブル43は、平板部43aと、平板部43aの上面の略中央部に突設されたシャフト支持部43bと、シャフト支持部43bの上端面に開口したシャフト穴43cに回転自在に挿入されたシャフト44と、を備えている。シャフト44は、円形断面の部材であり、上端部がシャフト穴43cから突出している。
図1に示すように、モータテーブル43の下面の略中央部には、モータ50が取り付けられている。モータ50は、上面から出力軸51が突出しており、制御装置95(図15参照)に制御されて、出力軸51が正逆回転するように構成されている。
出力軸51は、平板部43aを貫通した穴部を通じて平板部43aの上面側に突出している。出力軸51の上端部には、出力軸51の軸回りに歯面が形成された駆動ギヤ52が取り付けられている。
モータテーブル43において、図1の中央の左側には、後記するパレット下板32の下面に形成された凹部32cを検出するマイクロスイッチ60が取り付けられている。
マイクロスイッチ60の上端部には、上方に付勢された突起部61が設けられており、突起部61がパレット下板32の下面に当接するように構成されている。
そして、パレット30が回転して、マイクロスイッチ60の直上に凹部32cが移動すると、突起部61が凹部32cに入り込んでスイッチ機構が作動し、マイクロスイッチ60から制御装置95(図15参照)に入り込み信号が出力される。
モータテーブル43において、図1の中央の右側には、パレット30の回転方向のずれを防ぐためのボールプランジャ70が取り付けられている。
ボールプランジャ70の上端部には、上方に付勢されたボール71が設けられており、ボール71がパレット下板32の下面に当接するように構成されている。
そして、パレット30が回転して、ボールプランジャ70の直上に凹部32cが移動すると、ボール71が凹部32cに入り込んで係合される。これにより、パレット30がボールプランジャ70に保持され、パレット30の回転方向へのずれが防止される。
パレット30を回転させる場合には、パレット30を回転方向に押し出すと、パレット下板32の下面によってボール71が下方に押し込まれ、ボール71と凹部32cの係合状態が解除される。
図1及び図4に示すように、第2支持台46は、コンタクトチップ検出センサ91を支持する台である。また、第2支持台46は、コンタクトチップ130の交換が行われる交換位置P1に位置するソケット10の外側に位置するようにモータテーブル43上に設置されている。
第1支持台45は、持ち上がり検出センサ90を支持する台である。第1支持台45は、図1に示すように、支持する持ち上がり検出センサ90が後記する反射部84に向かってレーザ光L1を照射可能となるように構成されている。また、図4に示すように、第1支持台45は、モータテーブル43上において、第2支持台46と対角線上に位置するように設置されている。
パレット30は、上下に配置された円板状のパレット上板31およびパレット下板32と、パレット上板31およびパレット下板32との間に固定された複数の支柱33と、パレット上板31とシャフト44の上端面とを連結する連結板39とを備えている。
図5に示すように、パレット下板32の中央部には、シャフト支持部43bおよび出力軸51が挿通された円形の開口部32aが形成されている(図1参照)。
パレット下板32の上面において、開口部32aの周辺部には、八つのソケットガイド34が等間隔に立設されている(図5参照)。
ソケットガイド34は、円筒状の部材であり、その中心部には上端面に開口した円形のガイド穴34aが形成されている。図7に示すように、ガイド穴34aの底面の中心部には、パレット下板32を貫通したダスト排出穴34bが形成されている。また、ガイド穴34aの上部には、円筒状の無給油ブッシュ35が嵌合されている。
パレット下板32の下面には、図5に示すように、各ソケットガイド34に対応させて、八つの凹部32cが周方向に等間隔に形成されている。凹部32cは、図1に示すように、マイクロスイッチ60の突起部61またはボールプランジャ70のボール71が入り込むように形成された窪みである。
図1に示すように、パレット上板31の中心には、円形の孔部31bが形成されて、シャフト44の上部が嵌合している。
また、パレット上板31と円形の孔部31bに嵌合するシャフト44との上方には、円盤状の連結板39が配置されている。この連結板39には、シャフト44の上部に固定するビスを貫通させるための孔と、パレット上板31の上面に固定するビスを貫通させるための孔が形成されている。そして、上方からビスが、連結板39の孔を貫通して、シャフト44とパレット上板31とに固定されることで、連結板39にシャフト44とパレット上板31とが固定している。これにより、パレット上板31はシャフト44とともに、シャフト44の軸回りに回転自在となる。
パレット上板31には、図3に示すように、八つのソケット第1孔部31aが周方向に等間隔に形成されている。図1に示すように、各ソケット第1孔部31aは、パレット下板32の各ガイド穴34aの直上でパレット上板31を貫通している。
ソケット第1孔部31aは、後記するソケット10の上部が挿通可能であるとともに、図9に示すように、トーチ100の先端部が挿入可能な大きさに形成されている。
図8に示すように、パレット上板31の上面において、各ソケット第1孔部31aに対して、パレット30の回転方向(図4及び図13参照)の前方となる位置には、平板状のパレット回転用部材36が立設されている。パレット回転用部材36の両面は、パレット30の回転方向に向けられている。
本実施形態では、図13に示すように、ロボットアーム200に保持されたトーチ100をパレット回転用部材36に当接させ、ロボットアーム200によってパレット30を回転方向に押し出すことで、パレット30を回転させることができる。
また、パレット上板31には、後記する固定具81が貫通するための固定具孔31c(図3参照)が形成されている。
また、図1及び図3に示すように、コンタクトチップ交換装置1は、パレット上板31の上方に、パレット上板31の上面に配設されるテンションプレート80と、テンションプレート80をパレット上板31に固定する固定具81と、固定具81に巻き回しされた第2弾性部材82と、テンションプレート80に固定される柱部83と、柱部83の上部に設けられた反射部84とを備えている。
図3に示すように、テンションプレート80は、下方に配置されるパレット上板31と同心円状に形成された円盤状の部材である。テンションプレート80には、連結板39を収容する収容孔80aと、固定具81に貫通される固定孔80bと、ソケット10に挿通されるソケット第2孔部80cと、外周辺に設けられた切り欠き80dと、ビス止め孔80eとが形成されている。
固定孔80bは、貫通される固定具81よりも大径となるように形成されている(図7参照)。また、固定孔80bは、テンションプレート80の下方に配置されるパレット上板31の固定具孔31cに対応するように形成されている。
収容孔80aは、図3に示すように、テンションプレート80の中央部に形成された孔である。
図3に示すように、ソケット第2孔部80cは、テンションプレート80に8つ形成されている。8つのソケット第2孔部80cは、テンションプレート80の下方に配置されるパレット上板31のソケット第1孔部31aに対応しており、パレット上板31の回転方向に沿って並設している。
図9に示すように、ソケット第2孔部80cは、ソケット10の上部が挿通可能であるとともに、トーチ100の先端部が挿入可能な大きさに形成されている。さらに、ソケット第2孔部80cは、図7に示すように、ソケット第1孔部31aよりも小径に形成されている。そのため、パレット上板31のソケット第1孔部31aの上方には、テンションプレート80の下面の一部が配設されている。
図3、図4に示すように、切り欠き80dは、パレット上板31上に設けられたパレット回転用部材36に対応して、正面視で略V字状に切り欠かれた溝である。そして、パレット回転用部材36が切り欠き80内を通過して、テンションプレート80の上方に立設している。
また、ビス止め孔80eは、柱部83をビス止めするためのビスを固定させる孔であり、固定孔80bの近傍に設けられている。
固定具81は、図3に示すように、テンションプレート80をパレット上板31の上面側に固定するためのものであり、円柱状の軸部81aと、軸部81aの一端側に締結する締結部81bとを有している。
図3に示すように、軸部81aの他端側には、第2弾性部材82の一端が係止可能な係止部81cが設けられて、この係止部81cに第2弾性部材82の一端が係止するように、第2弾性部材82が軸部81aに巻き回しされている。
そして、軸部81aの一端側は、テンションプレート80の上方からテンションプレート80の固定孔80bとパレット上板31の固定具孔31c(図4参照)とを貫通して、パレット上板31の下面側で締結部81bに締結されている。これにより、テンションプレート80は、パレット上板31の上面で、上方に移動可能に固定されている。また、テンションプレート80の上面には、軸部81aに巻き回しされる第2弾性部材82の他端側が係止しているため、テンションプレート80をパレット上板31側に付勢している。
さらに、テンションプレート80の収容孔80aには、パレット上板31の上面に固定された連結板39が収容される。
第2弾性部材82は、上下方向に伸縮するコイルばねであり、固定具81に巻き回しされて、一端側が係止部81cに係止するとともに、他端側がテンションプレート80に係止して、テンションプレート80をパレット上板31側に付勢可能な長さを有するように構成されている。
柱部83は、図1に示すように、円筒状の部材である。図3に示すように、柱部83の下部には、孔部を有するフランジ83aが形成されて、テンションプレート80のビス止め孔80eに固定するビスに貫通されることで、柱部83がテンションプレート80の上面に固定されている。また、柱部83は、テンションプレート80の上面に固定されることで、固定具81及び第2弾性部材82を内包している。
反射部84は、図3に示すように、リング状に部材である。また、反射部84の下面には、柱部83内部に嵌合される嵌合部材84a(図7参照)が設けられている。
そして、反射部84は、嵌合部材84a(図7参照)が柱部83内に嵌合されることで、持ち上がり検出センサ90から照射されるレーザ光L1の光線上に位置するように柱部83上に固定されている。これにより、反射部84は、図1に示すように、持ち上がり検出センサ90から照射されるレーザ光L1を反射可能になっている。さらに、反射部84は、リング状に形成されているため、パレット30とともに回転したとしても、レーザ光L1の光線上に反射部84が介在し、レーザ光L1を反射可能になっている。
なお、反射部84は、柱部83上に固定されているため、テンションプレート80と一体となって上方向に移動可能となっており、テンションプレート80とともに上方に移動した場合に、レーザ光L1の光線上に位置せず、レーザ光L1を反射しない(図14参照)。
図1に示すように、第1支持台45には、持ち上がり検出センサ90が設置されている。この持ち上がり検出センサ90は、光電センサであって、反射部84に向かってレーザ光L1を照射するレーザ光照射機能と、この反射部84から反射されるレーザ光L1の反射光を受光する受光機能とを備えている。なお、実施形態における持ち上がり検出センサ90のレーザ光照射機能が、請求項に記載した「レーザ光照射部」に相当し、持ち上がり検出センサ90の受光機能が請求項に記載した「受光部」に相当する。
また、持ち上がり検出センサ90は、反射部84からレーザ光L1の反射光を受光しない場合に、テンションプレート80が上方に持ち上がったことを示す持ち上がり信号を制御装置95(図15参照)に出力する。
次に、ソケット10について説明する。ソケット10は、図1に示すように、コンタクトチップ130を保持するものである。また、図6に示すように、ソケット10は、中心部にチップ保持穴11および収容穴12が形成された円筒状の部材である。このソケット10は、図7に示すように、下部がガイド穴34aに挿入され、上端部はソケット第1孔部31a及びソケット第2孔部80cを通じてパレット上板31の上面側に突出している。
チップ保持穴11は、ソケット10の上端部から略中間部に亘って形成されている。チップ保持穴11の底部には円形の位置決め部11aが形成され、チップ保持穴11の上側開口部には長穴形状部11bが形成されている。さらに、位置決め部11aと長穴形状部11bとの間には、下方に向かうに従って縮径された傾斜部11cが形成されている。
位置決め部11aは、ソケット10と同心に形成されている。また、図10(a)に示すように、コンタクトチップ130が位置決め部11aに同心に嵌合されるように、位置決め部11aの内径はコンタクトチップ130の外径に合わせて形成されている。したがって、位置決め部11aに挿入されたコンタクトチップ130は、ソケット10の中心に位置決めされる。
長穴形状部11bは、図7に示すように、位置決め部11aよりも一方向(図7の左右方向)に拡幅されており、ソケット10の上端面に開口している。
図10(b)に示すように、コンタクトチップ130が長穴形状部11bに挿入されると、コンタクトチップ130の両平面部132,132が長穴形状部11bの両平面に係合し、コンタクトチップ130が長穴形状部11bに対して回転不可となる。
収容穴12は、図6に示すように、位置決め部11aの下端部に連通するとともに、ソケット10の下端面に開口した円形の穴部であり、位置決め部11aよりも拡径されている。
図7に示すように、位置決め部11aと収容穴12との連通部には、ばね受け部材13が設けられている。ばね受け部材13は、位置決め部11aに回転自在に嵌合された円筒状の無給油ブッシュである。ばね受け部材13の下側開口縁部に形成された環状の鍔部が、収容穴12の上端面に係合することで、ばね受け部材13の位置決め部11a側への抜け止めが構成されている。
ソケット10の下部は、ガイド穴34aに嵌合された無給油ブッシュ35に挿入されており、ソケット10はガイド穴34aに対して回転自在となっている。
また、ソケット10とガイド穴34aの底面との間には、第1弾性部材37が介設されており、ソケット10の下端部はガイド穴34aの底面から離れている。そのため、ソケット10に対して上方から押圧力を付与することで、ソケット10を第1弾性部材37の弾性力に抗して下方に移動させることができる。
第1弾性部材37は、上下方向に伸縮するコイルばねであり、下端部はガイド穴34aの底面に当接し、上端部は収容穴12内でばね受け部材13の鍔部に当接している。第1弾性部材37は、ばね受け部材13を介してソケット10に支持しているため、ソケット10は第1弾性部材37に対して回転自在となっている。
このように、ソケット10は、下側の一端がソケットガイド34に支持されている。また、ソケット10の外径は、無給油ブッシュ35(ガイド穴34a)の内径よりも小さく形成されており、ソケット10の外周面と無給油ブッシュ35の内周面との間には隙間が形成されている。したがって、図11に示すように、ソケット10はソケットガイド34に対して傾動自在となっている。
図7に示すように、ソケット10の軸方向の略中間部には、環状のフランジ部14が形成されている(図6参照)。フランジ部14の外周縁部には、側壁部がテンションプレート80の下面に近接する程度に上方に立ち上げられており、その上端縁がソケット第1孔部31a内に位置するように構成されている。また、フランジ部14には複数の穴部が上下方向に貫通しており、各穴部にはボルト14aが挿通されている。
フランジ部14の上端には、段差が形成されて、無給油ブッシュである当接部18が外嵌されている。この当接部18は、図7に示すように、ソケット第1孔部31a内でテンションプレート80の下面に当接するようにフランジ部14に支持されて、テンションプレート80の下面に当接している。
また、当接部18は、図9に示すように、ソケット10が最も下方に移動した状態でも、ソケット第1孔部31a内に位置するように構成されている。このため、当接部18がパレット上板31の下面に当接して、ソケット第1孔部31a内に復帰しないということを回避できる。なお、当接部18は、無給油ブッシュから構成されるため、ソケット10が回転する際に、テンションプレート80との抵抗を減らすことができる。
フランジ部14の下面には、ソケット10に外嵌された環状の従動ギヤ15が取り付けられている。フランジ部14に挿通されたボルト14aを従動ギヤ15のねじ穴に螺合させることで、従動ギヤ15がフランジ部14に固定されている。
従動ギヤ15は、ソケット10の軸回りに歯面が形成された平歯車であり、ソケット10が交換位置P1(図8参照)に配置されたときに、駆動ギヤ52の歯面に係合するように構成されている。そして、従動ギヤ15を駆動ギヤ52に係合させた状態で、出力軸51を回転させると、その回転力が駆動ギヤ52から従動ギヤ15に伝達され、ソケット10が軸回りに回転する。
前記したモータ50、出力軸51、駆動ギヤ52は、特許請求の範囲におけるソケット回転手段に相当するものである。
なお、ソケット10の下方への移動範囲は、従動ギヤ15と駆動ギヤ52の係合状態が維持されるように設定されている。したがって、図9(a)に示すように、ソケット10が最も下方に移動した状態でも、従動ギヤ15と駆動ギヤ52の係合状態が維持され、ソケット10を回転させることができる。
また、ソケットガイド34に対するソケット10の傾動範囲は、従動ギヤ15と駆動ギヤ52の係合状態が維持されるように設定されている。したがって、図11に示すように、ソケットガイド34に対してソケット10が傾斜した状態でも、従動ギヤ15と駆動ギヤ52の係合状態が維持され、ソケット10を回転させることができる。
図1に示すように、コンタクトチップ検出センサ91は、交換位置P1に配置されたソケット10におけるコンタクトチップ130の有無を検出する光電センサであり、レーザ光L2を照射するレーザ光照射機能と、レーザ光L2の反射光を受光する受光機能とを備えている。
また、コンタクトチップ検出センサ91は、交換位置P1に配置されたソケット10の上方へレーザ光L2を照射するように設けられている。
そして、ソケット10内にコンタクトチップ130が挿入されている場合に、コンタクトチップ検出センサ91は、そのコンタクトチップ130に反射したレーザ光L2の反射光を受光するとともに、コンタクトチップ130が挿入されていることを示すコンタクトチップ検出信号を制御装置95へ出力する。
図15に示すように、操作盤94は、コンタクトチップ130を交換するため際に操作者により操作されるものであって、制御装置95に交換作業信号を送信する図示しないスイッチと、制御装置95から送信されたエラー終了信号とコンタクトチップ交換終了信号を操作者に認識させるための図示しない表示部とを備えている。
図15に示すように、制御装置95は、モータ50の駆動を制御するモータ制御部96と、ロボットアーム200の動作を制御するロボットアーム制御部97と、各種センサからの信号を受信する送受信部98と、制御部99とを備えている。なお、制御装置95の各構成は、CPU、ROM、RAM等及びプログラムにより実現される。
モータ制御部96は、制御部99から送信される回転信号を受信して、モータ50の出力軸51が所定時間正回転又は逆回転するように制御するものである。なお、所定時間とは、コンタクトチップ130の取り外し又は装着を行うことができるように予め設定される回転数を実現するための時間である。
また、モータ制御部96は、モータ50の出力軸51の回転が停止した場合に、モータ停止信号がロボットアーム制御部97に送信される。
ロボットアーム制御部97は、制御部99から送信される制御信号を受信して、ロボットアーム200に取り付けられたトーチ100で溶接するように、又は、ロボットアーム200に保持されるトーチ100に取り付けられたコンタクトチップ130をコンタクトチップ交換装置1で交換するように、ロボットアーム200の動作を制御するものである。
具体的に、ロボットアーム制御部97は、制御部99から送信される移動信号を受信した場合に、トーチ100を交換位置P1のソケット10の直上に移動させるとともに、トーチ100を嵌合位置へ移動させ、さらに、トーチ100を持ち上がり検出位置へ移動するようにロボットアーム200を動作させる。なお、ロボットアーム制御部97は、トーチ100を嵌合位置から持ち上がり検出位置へ移動する場合に、モータ制御部96から送信されるモータ停止信号を受信後に、トーチ100を持ち上がり検出位置へ移動させる。
また、この持ち上がり検出位置とは、図14に示すように、上方へ移動するトーチ100とともにソケット10が上方へ移動した場合、そのソケット10の当接部18がテンションプレート80の下面に当接して、ソケット10がテンションプレート80を上方へ持ち上げることができる位置である。
また、ロボットアーム制御部97は、制御部99から送信される再移動信号を受信した場合に、トーチ100を下方である嵌合位置へ移動させ、さらに、トーチ100を持ち上がり検出位置へ移動するようにロボットアーム200を動作させる。
また、ロボットアーム制御部97は、制御部99から送信される離脱移動信号を受けて、トーチ100を上方へ移動させて、トーチ100がコンタクトチップ交換装置1から離脱するようにロボットアーム200を動作させる。
さらに、ロボットアーム制御部97は、制御部99から送信されるパレット回転信号を受けて、パレット回転用部材36にロボットアーム200を当接させるとともに、パレット回転用部材36を回転方向に押し出すようにロボットアーム200を動作させる。
なお、ロボットアーム制御部97は、たとえば、ソケット10の直上へトーチ100の移動が完了した場合や、また、嵌合位置へトーチ100の移動が完了した場合など、ロボットアーム200の動作状況を示す動作信号を制御部99へ送信する。
送受信部98は、マイクロスイッチ60から送信される入り込み信号と、コンタクトチップ検出センサ91から送信されるコンタクトチップ検出信号と、持ち上がり検出センサ90から送信される持ち上がり信号と、操作盤94から送信される交換作業信号とを受信して、制御部99への転送を行うものである。
また、送受信部98は、制御部99から送信されるエラー終了信号とコンタクトチップ交換終了信号を受信して、操作盤94へエラー終了信号とコンタクトチップ交換終了信号の転送を行う。
制御部99は、送受信部98から転送される信号と、ロボットアーム制御部97から送信される動作信号とに基づいて、モータ制御部96とロボットアーム制御部97に制御信号を送信するものであって、コンタクトチップ130の取り外し又は装着を行うための取り外し装着命令部99aと、ソケット10が上方に移動したことを検知した場合に再検知を行う再検知命令部99bを備えている。
取り外し装着命令部99aは、トーチ100からコンタクトチップを取り外すために、または、トーチ100にコンタクトチップを装着させるために、制御信号をモータ制御部96とロボットアーム制御部97へ送信するものである。
具体的には、取り外し装着命令部99aは、交換作業信号又は入り込み信号を受信した場合に、ロボットアーム制御部97に移動信号を送信するとともに、モータ制御部96へ回転信号の送信を行う。この移動信号及び回転信号の送信により、トーチ100が嵌合位置に移動されてコンタクトチップ130の取り外し又は装着が行われ、さらに、コンタクトチップ130の取り外し後又は装着後に、トーチ100が持ち上がり検出位置へ移動される。
また、取り外し装着命令部99aは、持ち上がり位置への移動が完了したことを示す動作信号を受信した場合に、所定時間内に持ち上がり信号を受信したか否かを判断する。そして、持ち上がり信号を受信したと判断した場合に、再検知命令部99bに再検知命令信号を送信する。一方で、取り外し装着命令部99aは、動作信号の受信後所定時間内に、持ち上がり信号を受信しない場合に、ロボットアーム制御部97へ離脱移動信号を送信する。
また、取り外し装着命令部99aは、コンタクトチップ130の取り外し時において、ロボットアーム制御部97から送信されるトーチ100がコンタクトチップ交換装置1からの離脱が完了した動作信号を受信した場合に、ロボットアーム制御部97へパレット回転信号を送信する。
さらに、取り外し装着命令部99aは、コンタクトチップ130の装着時において、ロボットアーム制御部97から送信されるトーチ100がコンタクトチップ交換装置1からの離脱が完了した動作信号を受信した場合に、操作盤94へコンタクトチップ130の交換作業が終了したことを示す交換終了信号を送信する。
なお、制御部99は、ロボットアーム制御部97に移動信号を送信する際に、送受信部98から転送されるコンタクトチップ検出信号の有無に基づいてソケット10内にコンタクトチップ130の有無を判断してから、移動信号の送信を行っている。
再検知命令部99bは、再検知命令信号を受信した場合に、再検知を行うために、ロボットアーム制御部97へ再移動信号を送信する。この再移動信号を送信することにより、トーチ100が持ち上がり検出位置から嵌合位置へ移動して、さらに、持ち上がり検出位置へ移動することとなる。
また、再検知命令部99bは、持ち上がり位置への移動が完了したことを示す動作信号を受信して、所定時間内に持ち上がり信号を再度受信した場合に、コンタクトチップ130の交換作業を終了させるために、送受信部98へエラー終了信号を送信して、交換作業を終了する。
一方で、持ち上がり信号を受信しない場合には、トーチ100をソケット10から離脱させるために、取り外し装着命令部99aに、持ち上がり検出信号を受信していないことを示す信号を送信する。
つぎに、前記した本実施形態のコンタクトチップ交換装置1を用いて、トーチ100のコンタクトチップ130を交換する際の手順について、図16から図18を参照して説明する。
図16に示すように、操作者により操作盤94の図示しないスイッチが押圧されて、交換作業信号が制御装置95へ送信されることにより、コンタクトチップ130の交換作業が開始する(Start)。
交換作業信号を受信した制御装置95の取り外し装着命令部99aは、まず、交換位置P1のソケット10内にコンタクトチップ130が挿入されていないことを確認するため、コンタクトチップ検出信号を受信しているか否かについて判断する(S1)。
本実施形態においては、図8に示すように、パレット30に保持された八つのソケット10のうち、交換位置P1に配置されたソケット10には、コンタクトチップ130を挿入されていない。
そのため、本実施形態においては、コンタクトチップ検出センサ91がコンタクトチップ検出信号を送信しないため、取り外し装着命令部99aは、コンタクトチップ検出信号を受信しない(S1の「Yes」の場合)。よって、取り外し装着命令部99aは、ロボットアーム制御部97へ移動信号の送信を行う。
一方で、取り外し装着命令部99aは、コンタクトチップ検出信号を受信した場合(S1の「No」の場合)、トーチ100に取り付けられたコンタクトチップ130を取り外すことができないため、エラー終了信号を操作盤94へ送信して、取り外し作業を終了する(End1)。
つぎに、移動信号を受信したロボットアーム制御部97は、ロボットアーム200の動作を制御して、ロボットアーム200に保持されたトーチ100を、交換位置P1の直上に移動させる。さらに、ロボットアーム制御部97は、図9(a)に示すように、トーチ100を嵌合位置に移動させるために、トーチ100を下方へ移動させる(S2)。
このロボットアーム200の動作により、コンタクトチップ130の先端部がチップ保持穴11の長穴形状部11bに挿入される。または、コンタクトチップ130の先端部がチップ保持穴11の長穴形状部11bに挿入される際において、コンタクトチップ130がチップ保持穴11の回転中心からずれたり、コンタクトチップ130がチップ保持穴11に対して傾斜して挿入された場合(図12(a)および(b)参照)、コンタクトチップ130の下端部は、図10(a)に示すように、傾斜部11cに案内されて位置決め部11aに挿入されるため、コンタクトチップ130は位置決め部11aに同心に嵌合され、コンタクトチップ130はソケット10の回転中心に位置決めされる。
つぎに、取り外し装着命令部99aにより回転信号がモータ制御部96へ送信されて、モータ制御部96はモータ50の出力軸51を駆動させる(S3)。そして、モータ50の出力軸51が回転して、その回転力が駆動ギヤ52から従動ギヤ15に伝達して、交換位置P1のソケット10が軸回りに回転する。このとき、モータ制御部96は、トーチ本体110のねじ穴111からコンタクトチップ130のねじ部131(図2参照)を取り外す方向にソケット10が回転するように、出力軸51の回転方向を制御している。
このとき、図11に示すように、コンタクトチップ130の軸線がチップ保持穴11の軸線に対して傾斜している場合、コンタクトチップ130に合わせてソケット10が傾斜するため、コンタクトチップ130をチップ保持穴11に挿入される。なお、ソケット10が傾斜した状態でも、駆動ギヤ52と従動ギヤ15の係合状態は維持されるため、ソケット10を回転させることができる。
また、図9(b)に示すように、コンタクトチップ130がチップ保持穴11に挿入されて、両平面部132,132が長穴形状部11bの両平面に重ならない場合には、コンタクトチップ130の外周縁部が長穴形状部11bの開口縁部に当接する。これにより、ロボットアーム200(図8参照)からソケット10に対して下方に向けた押圧力が付与され、ソケット10が第1弾性部材37の弾性力に抗して下方に押し込まれる。
そして、ロボットアーム200(図9参照)によりソケット10を下方に押しこまれた状態でソケット10が回転する。ここで、図10(b)に示すように、コンタクトチップ130の平面部132,132が長穴形状部11bの両平面に重なる位置に配置される場合に、第1弾性部材37の弾性力によってソケット10が押し上げられる。これにより、コンタクトチップ130が長穴形状部11bおよび位置決め部11aに挿入され、コンタクトチップ130の両平面部132,132が長穴形状部11bの両平面に係合される。
なお、長穴形状部11bに挿入されたコンタクトチップ130が位置決め部11aの中心からずれている場合(図12(a)の状態)や、コンタクトチップ130がチップ保持穴11に対して傾斜している場合(図12(b)の状態)でも、コンタクトチップ130の下端部は傾斜部11cに案内されて位置決め部11aに挿入される。そして、図10(a)に示すように、コンタクトチップ130は位置決め部11aに同心に嵌合され、コンタクトチップ130がソケット10の回転中心に位置決めされる。
以上のようにして、チップ保持穴11にコンタクトチップ130が保持されて、ソケット10とともにコンタクトチップ130が軸回りに回転することで、コンタクトチップ130のねじ部131が、トーチ本体110のねじ穴111から取り外される。
そして、モータ50が回転し続ける所定時間が経過して、モータ50の回転が停止した後に、モータ制御部96がモータ停止信号をロボットアーム制御部97へ送信する。
そして、ロボットアーム制御部97は、ロボットアーム200の動作を制御して、トーチ100を持ち上がり検出位置へ移動させる(S4)。なお、トーチ100の持ち上がり検出位置への移動完了後、ロボットアーム制御部97は、動作信号を取り外し装着命令部99aへ送信する。
そして、動作信号を受信した取り外し装着命令部99aは、トーチ100とともにソケット10も上方に移動しているか否かを判断するために、トーチ100を持ち上がり検出位置で待機させつつ、所定時間内に持ち上がり信号を受信したか否かについて判断する(S5)。
なお、図14に示すように、ソケット10が上方へ移動した場合、ソケット10の当接部18がテンションプレート80の下面に当接して、テンションプレート80を上方へ持ち上げる。また、これに伴って反射部84も上方に移動するため、反射部84は、レーザ光L1の光線上に位置しなくなり、レーザ光L1を反射しない。そして、持ち上がり検出センサ90は、レーザ光L1の反射光を受光しないため、持ち上がり信号を制御装置95へ送信する。その結果、取り外し装着命令部99aが持ち上がり信号を受信した場合に、トーチ100とともにソケット10が上方に移動しているものと判断できる。
よって、取り外し装着命令部99aは、持ち上がり信号を受信した場合(S5の「No」の場合)に、再度、ソケット10が上方へ持ち上がっているか否かを確認するために、再検知命令信号を再検知命令部99bへ送信する。
そして、再検知命令部99bは、ソケット10が上方に移動しているか否かを再度確認するために、再移動信号をロボットアーム制御部97へ送信する。
ロボットアーム制御部97は、トーチ100を下方である嵌合位置へ移動させて、さらに、トーチ100を持ち上がり検出位置へ再移動させる(S6)。なお、持ち上がり検出位置への再移動完了後、ロボットアーム制御部97は、動作信号を再検知命令部99bへ送信する。
動作信号を受信した再検知命令部99bは、トーチ100を持ち上がり検出位置で所定時間再待機させつつ、その再待機中に持ち上がり信号を受信したか否かについて判断する(S7)。
ここで、再検知命令部99bは、持ち上がり信号を受信した場合(S7の「No」の場合)、コンタクトチップ130の交換作業を継続することができないために、操作盤94へエラー終了信号を送信して、コンタクトチップ130の取り外し作業を終了する(End2)。
一方で、再検知命令部99bは、再待機中に持ち上がり信号を受信しない場合(S7の「Yes」の場合)、取り外し装着命令部99aへ持ち上がり信号を受信しないことを示す信号を送信する。
そして、取り外し装着命令部99aは、待機中に持ち上がり信号を受信しない場合(S5の「Yes」の場合)、及び、再検知命令部99bから持ち上がり信号を受信しないことを示す信号を受信した場合に、離脱信号をロボットアーム制御部97へ送信する。
そして、ロボットアーム制御部97によりロボットアーム200の動作が制御されて、トーチ100が上方へ移動して(S8)、ソケット10からトーチ100が離脱する。
つぎに、取り外しされたコンタクトチップ130が交換位置P1のソケット10に保持されていることを確認するために、取り外し装着命令部99aは、コンタクトチップ検出信号を受信しているか否かについて判断する(S9)。
ここで、取り外し装着命令部99aがコンタクトチップ検出信号を受信しない場合(S9の「No」の場合)に、トーチ100からコンタクトチップ130を取り外すことができなかったことになる。よって、取り外し装着命令部99aは、コンタクトチップ検出信号を受信しない場合に、エラー終了信号を操作盤94へ送信して、コンタクトチップ130の交換作業を終了する(End3)。
一方で、取り外し装着命令部99aは、コンタクトチップ検出信号を受信した場合(S9の「Yes」の場合)に、取り外し作業を終了して(End)、パレット回転作業に移行する。
パレット回転作業は、図17に示すように、コンタクトチップ130が取り外されていることが確認した取り外し装着命令部99aが、パレット回転信号をロボットアーム制御部97へ送信することにより開始する(Start)。
そして、図13に示すように、ロボットアーム制御部97に制御されたロボットアーム200は、トーチ100を交換位置P1のパレット回転用部材36の背面(図13に示す矢印Fの反対側を向く面)側に当接させて、パレット回転用部材36を回転方向(図13に示す矢印Fの方向)へ押し出す(S11)。
これにより、パレット30は、図1に示すように、モータテーブル43に回転自在に取り付けられたシャフト44に支持されているため、ロボットアーム200(図13参照)から押圧力が付与されると、モータテーブル43およびベース部材40に対してシャフト44の軸回りに回転する。
また、パレット30が回転すると、パレット下板32の下面によって、マイクロスイッチ60の突起部61およびボールプランジャ70のボール71は下方に押し込まれ、突起部61およびボール71とパレット30の凹部32cとの係合状態が解除される。
さらに、交換位置P1のソケット10の従動ギヤ15は、モータテーブル43に取り付けられた駆動ギヤ52から離れる方向に移動し、従動ギヤ15と駆動ギヤ52の係合状態が解除される。なお、ソケット10は軸回りに回転自在であるため、駆動ギヤ52の回転が固定された状態でも、従動ギヤ15が駆動ギヤ52の歯面に対して回転しながら移動することで、従動ギヤ15は駆動ギヤ52からスムーズに離間する。
また、パレット30をモータテーブル43に対して回転して、各ソケット10が一区間(隣り合うソケット10,10の間隔)を移動すると、交換位置P1に他のソケット10が配置される。
そして、交換位置P1に移動してきたソケット10の従動ギヤ15が、モータテーブル43に取り付けられた駆動ギヤ52に係合される。このとき、駆動ギヤ52に接触した従動ギヤ15が、駆動ギヤ52の歯面に対して回転しながら移動することで、従動ギヤ15と駆動ギヤ52がスムーズに係合される。
また、万が一、従動ギヤ15と駆動ギヤ52とが係合する際に、従動ギヤ15の歯と駆動ギヤ52の歯とが噛み合って振動が発生し、ソケット10ががたつく可能性がある。しかし、テンションプレート80が、ソケット10の当接部18を下方に押え付けているため、振動によるソケット10のがたつきが抑制されている。
また、ボールプランジャ70およびマイクロスイッチ60の直上には、パレット30の凹部34cが形成されている。そして、ボールプランジャ70のボール71が凹部32cに係合され、パレット30の回転方向へのずれが防止される。
さらに、マイクロスイッチ60の突起部61が凹部32cに入り込み(S12の「Yes」の場合)、マイクロスイッチ60から入り込み信号が制御装置95へ出力されて、パレット30の回転作業を終了(「End」)し、コンタクトチップ130の装着工程へ移行する。
なお、マイクロスイッチ60から入り込み信号を受信しない場合(S12の「No」の場合)に、新しいコンタクトチップ130を保持するソケット10が交換位置P1に移動していないために、新しいコンタクトチップ130をトーチ100に装着させることができない。よって、取り外し装着命令部99aは、マイクロスイッチ60から検出信号を受信しない場合に、操作盤94へエラー終了信号を送信して、パレット30を回転させる作業を終了する(End4)。
コンタクトチップ130の装着工程は、図18に示すように、取り外し装着命令部99aが入り込み信号を受信したことにより開始される(「Start」)。
まず、取り外し装着命令部99aは、交換位置P1のソケット10内にコンタクトチップ130が挿入されていることを確認するため、コンタクトチップ検出信号を受信しているか否かを判断する(S21)。
ここで、交換位置P1のソケット10内にコンタクトチップ130が挿入されておらず、コンタクトチップ検出センサ91がコンタクトチップ検出信号を送信しない場合(S21の「No」の場合)、トーチ100に新しいコンタクトチップ130を装着させることができない。
よって、取り外し装着命令部99aは、コンタクトチップ検出信号を受信しない場合には、操作盤94へエラー終了信号を送信して、コンタクトチップ130の装着作業を終了する(End5)。
一方で、取り外し装着命令部99aは、コンタクトチップ検出信号を受信した場合(S21の「Yes」の場合)に、トーチ100に新しいコンタクトチップ130を装着させることができるため、ロボットアーム制御部97へ移動信号を送信する。
ロボットアーム制御部97は、ロボットアーム200に保持されたトーチ100を、交換位置P1のソケット10の直上へ移動するようにロボットアーム200の動作を制御する。
そして、取り外し装着命令部99aは、ロボットアーム制御部97から送信されたソケット10の直上へトーチ100の移動が完了したことを示す動作信号を受信した時点で、モータ制御部96へ回転信号を送信する。
これにより、モータ50の出力軸51が駆動し始め、ソケット10に挿入されたコンタクトチップ130が回転する(S22)。なお、このときのモータ50の出力軸51の回転方向は、コンタクトチップ130の取り外し時とは逆向きである。
つぎに、ロボットアーム制御部97によりロボットアームの動作が制御されて、トーチ100は、図10(a)に示すように、下方である嵌合位置へ移動する(S23)。
このトーチ100の下方への移動により、トーチ本体110のねじ穴111が、交換位置P1のソケット10に保持されたコンタクトチップ130のねじ部131に当接する。
また、コンタクトチップ130がソケット10とともに回転しているため、コンタクトチップ130のねじ部131がトーチ本体110のねじ穴111に螺合して、コンタクトチップ130がトーチ本体110に装着される。
そして、モータ50が回転する所定時間が経過して、モータ50の回転が停止した後に、モータ制御部96により、モータ停止信号がロボットアーム制御部97へ送信される。
また、ロボットアーム制御部97は、ロボットアーム200の動作を制御して、トーチ100を持ち上がり検出位置へ移動させる(S24)。なお、ロボットアーム制御部97は、トーチ100を持ち上がり検出位置へ移動完了後に、動作信号を取り外し装着命令部99aへ送信する。
動作信号を受信した取り外し装着命令部99aは、トーチ100とともにソケット10も上方へ移動しているか否かを判断するために、トーチ100を持ち上がり検出位置で待機させつつ、所定時間内に持ち上がり信号を受信したか否かについて判断する(S25)。
そして、取り外し装着命令部99aは、持ち上がり信号を受信した場合(S25の「No」の場合)、再検知命令信号を再検知命令部99bへ送信する。
再検知命令部99bは、ソケット10が上方に移動しているか否かを再度確認するために、再移動信号をロボットアーム制御部97へ送信する。これにより、再移動信号を受信したロボットアーム制御部97は、トーチ100を下方である嵌合位置へ移動させて、さらに、持ち上がり検出位置に再移動させるように、ロボットアームを制御する(S26)。なお、持ち上がり検出位置へ再移動が完了後、ロボットアーム制御部97は、動作信号を再検知命令部99bへ送信する。
動作信号を受信した再検知命令部99bは、トーチ100を持ち上がり検出位置で所定時間再待機させつつ、その再待機中に持ち上がり信号を受信したか否かについて判断する(S27)。
ここで、再待機中に持ち上がり信号を再検知命令部99bが受信した場合(S27の「No」の場合)、コンタクトチップ130とソケット10とが分離されていないため、コンタクトチップ130の装着作業を継続することができない。よって、再検知命令部99bは、操作盤94へエラー終了信号を送信して、コンタクトチップ130の装着作業を終了する(End6)。
一方で、再検知命令部99bは、再待機中に持ち上がり信号を受信しないと判断した場合(S27の「Yes」の場合)、取り外し装着命令部99aへ持ち上がり信号を受信しないことを示す信号を送信する。
そして、取り外し装着命令部99aは、待機中に持ち上がり信号を受信しない場合(S25の「Yes」の場合)、及び、再検知命令部99bから持ち上がり信号を受信しないことを示す信号を受信した場合に、離脱信号をロボットアーム制御部97へ送信する。
そして、離脱信号を受信したロボットアーム制御部97によりロボットアーム200の動作を制御されて、トーチ100が上方へ移動して(S28)、コンタクトチップ130を装着したトーチ100が、テンションプレート80のソケット第2孔部80cから抜けて、コンタクトチップ交換装置1から離脱する。
次に、取り外し装着命令部99aは、交換位置P1のソケット10内にコンタクトチップ130が残っていないことを確認するために、コンタクトチップ検出信号を受信しているか否かについて判断する(S29)。
ここで、取り外し装着命令部99aは、コンタクトチップ検出信号を受信しない場合((S29の「Yes」の場合)、トーチ100にコンタクトチップ130を装着させることができていると判断できるため、コンタクトチップ交換終了信号を操作盤94へ送信して、コンタクトチップ130の交換作業を終了する(End)。
一方で、コンタクトチップ検出信号を取り外し装着命令部99aが受信した場合(S29の「No」の場合)、トーチ100に装着させるべきコンタクトチップ130がソケット10に残っており、トーチ100にコンタクトチップ130が装着していない。よって、取り外し装着命令部99aは、エラー終了信号を操作盤94へ送信して、コンタクトチップ130の交換作業を終了する(End7)。
なお、操作盤94は、受信したコンタクトチップ交換終了信号(End)又はエラー終了信号(End1〜End7)に基づいて、図示しない表示部にコンタクトチップ130の交換作業が完了したこと、或いは、エラーにより交換作業が中断したことを表示する。
以上、コンタクトチップ交換装置1を用いて、トーチ100のコンタクトチップ130を交換する際の手順を説明したが、実施形態のコンタクトチップ交換装置1によれば、トーチ100をコンタクトチップ交換装置1から離脱させる前に、まず、持ち上がり検出位置に移動させて、ソケット10が上方に移動しているか否かを検知している。
そして、ソケット10が上方に移動した場合(End2及びEnd6)、ロボットアーム200の動作を停止して作業を終了している。
そのため、ソケット10が上方に移動して、例えば、コンタクトチップ交換装置1のパレット上板31に係合することにより、コンタクトチップ交換装置1を持ち上げることがなく、持ち上げる方向にかかる力によりトーチ100が損傷・破損することを回避できる。
また、実施形態のコンタクトチップ交換装置1によれば、パレット30が正常に回転しない場合(End4)や、取り外したコンタクトチップ130をソケット10が保持していない場合(End3)など、ソケット10が上方に移動した場合(End2及びEnd6)以外におけるコンタクトチップ130の交換作業を継続的ない場合(End1、End3〜End5、End7)にも対応して、制御装置95がロボットアーム200の動作を停止させて、コンタクトチップ130の交換作業を中断して終了する。
そのため、コンタクトチップ130の交換作業を継続して、トーチ100又はコンタクトチップ交換装置1が損傷・破損することを回避できる。
また、実施形態によれば、持ち上がり検出位置に移動させた場合に、図14に示すように、ソケット10に第2弾性部材82により下方に付勢力が作用している。そのため、上方に移動したソケット10をテンションプレート80が下方に押し出すため、交換作業を停止させる前に、コンタクトチップ130からソケット10を取り外す可能性を高めることができる。
また、ソケット10は、テンションプレート80により下方へ押さえ付けられているため、振動によるソケット10のがたつきが抑制されている。そのため、ソケット10が左右方向に傾くことがなく、コンタクトチップ130がソケット10の穴部に噛み込むことを低減できる。
また、コンタクトチップ交換装置1は、パレット30を回転させる駆動手段が不要であり、かつ、複数のソケット10に対し、一つのモータ50で回転させることができるため、小型化が図れる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態において、テンションプレート80の上方への移動を検知するために、テンションプレート80上に反射部84を設けるとともに、光電センサである持ち上がり検出センサ90を備えていたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、テンションプレート80の下面とパレット上板31との間に、図示しない接触式スイッチを設けてもよい。
また、実施形態の第2弾性部材82は、テンションプレート80の上面側に配置されて、テンションプレート80を下方に付勢しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、テンションプレート80の下方側に配置して、下方に引っ張り込むように構成してもよい。
また、実施形態によれば、制御装置95内に、モータ制御部96やロボットアーム制御部97を備えるように構成されているが、本発明はこれに限定されるものでない。たとえば、モータ50がモータ制御部96を備え、ロボットアーム200がロボットアーム制御部97を備えるように構成してもよい。さらに、実施形態によれば、制御装置95と操作盤94とが別体であるが、制御装置95と操作盤94とを一体に構成してもよく、本発明は、実施形態の制御装置95に限定されるものでない。
つぎに、実施形態の交換装置1の変形例について、図19〜図21を参照しながら説明する。変形例の交換装置1aは、図19に示すように、実施形態の交換装置1の構成と相違する構成として、シリンダ270と、第2パレット上板231と、第2ソケット210と、共通支持台246とを備えている。
シリンダ270は、実施形態のボールプランジャ70(図1参照)に代わる構成であって、モータテーブル43において、図19の中央の右側に取り付けられている。
シリンダ270の上端部には、上方に付勢されたピストンロッド271が設けられており、ピストンロッド271がパレット下板32の下面に当接するように構成されている。
そのため、パレット30が回転して、ピストンロッド271の直上に凹部32cが移動すると、ピストンロッド271が凹部32cに入り込んで係合されて、パレット30の回転方向へのずれが防止される。
なお、パレット30を回転させる場合には、パレット30を回転方向に押し出すと、パレット下板32の下面によってピストンロッド271が下方に押し込まれ、ピストンロッド271と凹部32cの係合状態が解除される。
第2パレット上板231は、実施形態のパレット上板31(図1参照)に代わる構成である。第2パレット上板231の中央部には、シャフト44に固定されるビスを挿通させる複数の孔部が形成されており、上方からビスがその孔部を通過してシャフト44に固定されることで、第2パレット上板231がシャフト44の上端に固定されている。
そのため、変形例の第2パレット上板231によれば、実施形態のパレット上板31(図1参照)で示したように、パレット上板31とシャフト44(図1参照)を固定するための連結板39(図1参照)が不要となり、部品点数の低減化を図ることができる。
また、第2パレット上板231の中央部とシャフト44の上端には、ノックピン231aが打ち込まれて、より第2パレット上板231とシャフト44とがより強固に固定されている。
第2ソケット210は、実施形態のソケット10(図6参照)に代わる構成である。
図20に示すように、第2ソケット210は、中心部にチップ保持穴11および収容穴12が形成された円筒状の部材である。
なお、第2ソケット210のチップ保持穴11は、実施形態のソケット10のチップ保持穴11と同一構成であって、チップ保持穴11の底部に形成された位置決め部11aと、チップ保持穴11の上側開口部に形成された長穴形状部11bと、位置決め部11aと長穴形状部11bとの間に形成された傾斜部11cとを備えている。また、第2ソケット210の収容穴12は、実施形態のソケット10の収容穴12と同一構成であって、収容穴12の上方にばね受け部材13が設けられている。
また、第2ソケット210の軸方向の略中間部には、第2従動ギヤ215が設けられている。この第2従動ギヤ215は、第2ソケット210の軸回りに歯面が形成された平歯車であって、駆動ギヤ52(図19参照)の歯面に係合するように構成されている。
そして、第2ソケット210の中心部には孔部が形成されており、この孔部に第2ソケット210が焼き嵌めされることで、第2ソケット210と第2従動ギヤ215とが一体化に形成されている。
よって、第2従動ギヤ215が一体化された変形例の第2ソケット210によれば、ソケット10の外周面に形成された環状のフランジ部14(図6参照)が不要となる。
なお、図20に示すように、第2従動ギヤ215の上面には、テンションプレート80(図19参照)の下面に近接する程度に上方に立ち上げられた側壁部216が形成されている。また、側壁部216の上端縁には段差が形成されており、当接部18が外嵌されている。
図19に示すように、共通支持台246は、実施形態の第1支持台45(図1参照)及び第2支持台46(図1参照)に代わる構成である。
共通支持台246は、コンタクトチップ130の交換が行われる交換位置P1に位置する第2ソケット210の外側に位置するようにモータテーブル43上に設置されている。
そして、図19、図21に示すように、共通支持台246は、コンタクトチップ検出センサ91と、持ち上がり検出センサ90とを支持可能に構成されている。
この共通支持台246によれば、コンタクトチップ検出センサ91と持ち上がり検出センサ90とセンサとの二つのセンサを支持するための支持台が一つとすることができ、部品点数の削減を図れる。また、コンタクトチップ検出センサ91と持ち上がり検出センサ90とを近接させることができ、メンテナンスの容易化を図れる。
なお、共通支持台246に支持されるコンタクトチップ検出センサ91は、図21に示すように、交換位置P1に配置されたソケット10の上方へレーザ光L2を照射するように設けられている。
一方で、持ち上がり検出センサ90は、コンタクトチップ検出センサ91に隣接して配置されるとともに、ソケット10の上方を回避してレーザ光L1を反射部84に向かって照射するように構成されている。このソケット10の上方を回避してレーザ光L1を照射する理由は、ソケット10の上方を通過するようにレーザ光L1を照射すると、コンタクトチップを交換するためにソケット10内に挿入するトーチ100(図8参照)によって、レーザ光L1が遮断されることを回避するためである。
以上、変形例の交換装置1aの構成について説明したが、変形例の交換装置1aによれば、部品点数の削減が図れ、実施形態の交換装置1に比べてより優れた効果を発揮することができる。
なお、変形例の交換装置1aについて、実施形態の交換装置1との相違点に絞って説明したが、説明しなかったその他の構成について、変形例の交換装置1aにおいても実施形態の交換装置1と同一の構成を有している。そのため、変形例の交換装置1aであっても、実施形態の交換装置1と同等の効果を発揮できるものである。
1 交換装置
10 ソケット
15 従動ギヤ
18 当接部
30 パレット
31 パレット上板
31a ソケット第1孔部
32 パレット下板
36 パレット回転用部材
37 第1弾性部材
39 連結板
40 ベース部材
50 モータ
52 駆動ギヤ
60 マイクロスイッチ
80 テンションプレート
80c ソケット第2孔部
81 固定具
82 第2弾性部材
84 反射部
90 レーザ光照射装置
91 受光装置
100 トーチ
120 ノズル
130 コンタクトチップ
200 ロボットアーム

Claims (5)

  1. トーチに螺合するコンタクトチップを正逆回転させることで、前記トーチに対して前記コンタクトチップを脱着させるコンタクトチップ交換装置であって、
    前記コンタクトチップが上方から嵌合される筒状のソケットと、
    前記ソケットに隣り合う位置に配置されて、前記ソケットを軸回りに回転させるソケット回転手段と、
    前記ソケットの下部が挿入されて上下方向に移動可能に前記ソケットを支持するソケットガイドを有するパレット下板と、
    前記ソケットガイト内に配設されて、前記ソケットを上方に付勢する第1弾性部材と、
    前記パレット下板の上方に設けられて、前記ソケットが遊嵌されるソケット第1孔部が形成されたパレット上板と、
    前記パレット上板の上面に上方に移動可能に設けられるとともに、前記ソケットが遊嵌されるソケット第2孔部が形成されたテンションプレートと、
    前記テンションプレートに係止して前記上面パレットに支持されて前記テンションプレートを前記上面パレット側に付勢する第2弾性部材と、を備え、
    前記テンションプレートの前記ソケット第2孔部が、前記パレット上板の前記ソケット第1孔部に比べて小径に形成されており、
    前記ソケットは、前記ソケットの外周面に、前記第1孔部内で前記テンションプレートの下面に当接する位置に前記テンションプレートと当接する当接部を有することを特徴とするコンタクトチップ交換装置。
  2. 前記パレット上板の下方に、前記パレット上板中央を回転中心とする軸回りに回転自在に前記パレット上板を支持するベース部材を有し、
    前記パレット上板は、前記パレット上板の回転方向に沿って環状に並設される複数の前記ソケット第1孔部及びパレット回転用部材を有し、
    前記テンションプレートは、前記パレット上板の回転方向に沿って環状に並設される複数の前記ソケット第2孔部を有し、
    前記パレット下板は、環状に形成され、前記パレット上板に離間して固定されて前記パレット上板とともに回転し、前記複数のソケット第1孔部に対応して、前記パレット上板の回転方向に沿って環状に並設された複数の前記ソケットガイドを有し、
    前記ソケットは、前記複数のソケット第1孔部及び前記複数のソケット第2孔部に対応して、前記パレット上板の回転方向に沿って環状に複数並設されており、
    前記ソケット回転手段は、前記ソケットの外周面に形成された従動ギヤに噛合する駆動ギアと、前記ベース部材に固定されるとともに前記駆動ギアを支持して前記駆動ギヤを駆動させる駆動手段と、を有し、
    前記トーチを保持するロボットアームによって、前記パレット回転用部材を前記パレットの回転方向に押し出すことで、前記パレット上板が回転して、前記複数のソケットのいずれか一つの従動ギヤが前記駆動ギヤに噛合することを特徴とする請求項1に記載のコンタクトチップ交換装置。
  3. 前記テンションプレートが上方に持ち上がったか否かを検知すると共に、前記テンションプレートが上方に持ち上がったことを検知した場合に、前記ロボットアームを制御する制御部に持ち上がり信号を送信するセンサ部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンタクトチップ交換装置。
  4. 前記センサ部は、
    前記テンションプレートの上方に設けられて前記テンションプレートと共に上方に移動する反射部に向かって、レーザ光を照射するレーザ光照射部と、
    前記反射部に向かって照射された前記レーザ光の反射光線上に配置されて、前記レーザ光の反射光を受光可能な受光部と、を備えており、
    前記センサ部は、前記受光部により、前記レーザの反射光を受光しない場合に、前記ロボットアームを制御する制御部に、前記持ち上がり信号を送信することを特徴とする請求項3に記載のコンタクトチップ交換装置。
  5. 前記請求項3又は請求項4に記載のコンタクトチップ交換装置を用いて、前記コンタクトチップを交換させるコンタクトチップ交換方法であり、
    前記コンタクトチップをソケットに嵌合させる嵌合位置に、前記トーチを移動させる工程と、
    前記ソケットとともに前記コンタクトチップを前記ソケット回転手段により着脱させるために予め設定されていた回転を行わせた後に、前記ソケットの当接部が前記テンションプレートの下面に当接して前記テンションプレートを上方に持ち上げることができる持ち上がり検出位置へ、前記トーチを移動させる工程と、
    前記トーチを前記持ち上がり検出位置へ移動後、前記持ち上がり信号を受信するために待機させる工程と、
    前記待機中に、前記持ち上がり信号を受信した場合に、前記トーチを前記嵌合位置へ移動させて、さらに前記持ち上がり検出位置へ再移動させる工程と、
    前記トーチを前記持ち上がり検出位置へ再移動後に、前記持ち上がり信号を受信するために再待機させる工程と、
    前記再待機中に、前記持ち上がり信号を受信した場合に、前記ロボットアームの起動を停止させて、前記コンタクトチップの交換をエラー終了させる工程と、
    前記待機中又は前記再待機中に、前記持ち上がり信号を受信しない場合に、前記トーチを上方に移動させて、前記コンタクトチップの交換を終了させる工程と、を行うことを特徴とするコンタクトチップ交換方法。
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