以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は第1実施の形態におけるスロットマシン1の斜視図である。スロットマシン1は、前面が開放された箱状の筐体2を有している。筐体2の前面側には前面パネル3が開閉自在に取り付けられている。この前面パネル3によって筐体2の前面開放側が閉鎖されるように構成されている。
前面パネル3の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル4が設けられている。遊技パネル4には、透明または半透明な材質で形成された表示窓5が設けられており、表示窓5を通してスロットマシン1の内部を視認可能に構成されている。筐体2内には、可変表示手段を構成する3つのリール(図示せず)が収納され並設されている。各リールはそれぞれ円筒状(円環状)に形成されており、各リールの中心軸線が当該リールの回転軸線となって回転可能に支持されている。各リールの回転軸線は、略水平方向に延びる同一軸線上に配設されている。従って、各リールの表面の一部は、表示窓5を通して視認可能な状態とされている。
各リールの外周面には、それぞれ識別情報としての図柄が多数設けられている。これらの図柄のうち、表示窓5を介して視認可能な図柄数は、主として表示窓5の上下方向の長さによって決定される所定数に限られる。各リールが回転すると、表示窓5にはリールの外周面に付した図柄が上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。各リールは、リール毎に対応して1つずつ配設された3つのリール用ステッピングモータ(図示せず)に連結されており、各リール用ステッピングモータの駆動により各リールが個別に独立して回転駆動及び停止が可能に構成される。
なお、円筒状のリールを構成の一部として図柄を表示する表示装置は、識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、可変表示手段は、上記以外の構成であってもよい。例えば、ベルト式リール等の他の機械的なリール構成としてもよい。また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリクス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル4の下方には、遊技者に操作される各種レバーやスイッチが配置された下パネル6が設けられている。下パネル6は、遊技パネル4から前方(遊技者側)に向かってわずかに下降傾斜して遊技者に対面する前面部7と、前面部7の下方に装着されると共に機種名や遊技に関わるキャラクタ等が表示された下段プレート8とを備えている。表示窓5の右下側の前面部7には、投資価値としてのメダル(遊技媒体)を投入するための媒体投入部9(メダル投入口)が設けられている。
媒体投入部9の左側の前面部7には、予め貯留して記憶された(クレジットされた)クレジットメダル(仮想メダル)を一度に複数枚(例えば3枚)投入するための押しボタン式のベットスイッチ10が設けられている。スロットマシン1の制御を行う主制御基板(図示せず)は、クレジットメダルの貯留数を記憶領域に記憶し、メダルの払出が行われる場合やメダルが必要量より多く投入された場合に、一定枚数(本実施の形態では50枚)以下の範囲内でクレジットメダルの数を増加させる。
表示窓5の正面視左下側の鉛直面部8には、各リールを一斉(同時である必要はない)に回転させて図柄の変動(可変表示)を開始させるために遊技者によって操作されるスタートレバー11が設けられている。スタートレバー11の右側には、回転している各リールを個別に停止させるために遊技者によって操作される押しボタン式のストップスイッチ12L,12M,12Rが設けられている。各ストップスイッチ12L,12M,12Rは、停止対象となる各リールに対応してそれぞれ配置されている。
前面パネル3の下側には、メダルを遊技者に払い出すための払出口13が開口形成され、その払出口13から払い出されたメダルを貯留する受皿14が配設されている。受皿14の左側には灰皿15が配設されている。灰皿15を省略することは当然可能である。
次に図2を参照して、媒体投入部9から投入されたメダルの通路について説明する。図2は前面パネル3(筐体2内に収容されるホッパ装置63を含む)の背面図である。媒体投入部9から投入されたメダルは、前面パネル3の背面に設けられた案内通路50を流下して通路切換手段としてのセレクタ60によって貯留用通路61か排出用通路62のいずれかへ導かれる。即ち、セレクタ60にはソレノイド(図示せず)が設けられ、そのソレノイドの非励磁時には排出用通路62側とされ、励磁時には貯留用通路61側に切り替えられるようになっている。貯留用通路61に導かれたメダルは、筐体2の内部に収容されたホッパ装置63へと導かれる。一方、排出用通路62に導かれたメダルは、前面パネル3の前面下部に設けられた排出口13から受皿14へと導かれ、遊技者に返還される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置63は、メダルを貯留する貯留タンク63aと、貯留タンク63aに貯留されたメダルを遊技者に払い出す払出装置63bとを備えている。払出装置63bは、メダル払出用回転板(図示せず)を回転させることにより排出用通路62へメダルを排出し、排出口13を介して受皿14へメダルを払い出すよう構成されている。
次にスロットマシン1の遊技方法について説明する。まず、遊技者はメダル貸機(図示せず)に現金やプリペイドカードを投入し、所定の単価でメダルを借りる。次いで、スロットマシン1にメダルを賭ける。メダルを賭ける方法としては、媒体投入部9にメダルを投入する方法や、ベットスイッチ10により賭け数を指定する方法がある。遊技者は、メダルを賭けたらスタートレバー11を押下し、ゲームをスタートさせる。ゲームがスタートするとリール(図示せず)が回転し、表示窓5内で図柄が変動表示される。リールの回転中にストップスイッチ12L,12M,12Rが押されて全てのリールが停止すると、表示窓5内に複数の図柄が並び、その配列に基づいて入賞が決定される。停止した図柄が入賞役である場合には、入賞役に応じた枚数のメダルが排出口13から払い出される。
本実施の形態におけるスロットマシン1では、メダルが投入される媒体投入部9が前面部7内で移動可能に構成されている。以下、この媒体投入部9について具体的に説明する。まず図3及び図4を参照して、媒体投入部9が取着される下パネル6について説明する。図3は前面パネル3の一部を構成する下パネル6の斜視図であり、図4は貫通孔20の斜視図である。なお、図3及び図4では、各種レバーやスイッチ類、下段プレート8を取り外した状態の下パネル6を図示している。
図3に示すように、下パネル6は合成樹脂製で一体成形されており、前面部7に媒体投入部9及びベットスイッチ10がそれぞれ装着される貫通孔20,7aが貫通形成されている。貫通孔20は媒体投入部9が装着される部位であり、貫通孔20に挿入された媒体投入部9は、貫通孔20の中心oを通り上下方向(図4紙面手前から奥に至る方向)に延びる軸線c(回動中心線)を中心にして、貫通孔20を回動可能とされる。以下、貫通孔20の中心oを通る上下方向(図4紙面手前から奥に至る方向)、即ち軸線c方向を「軸方向」と称し、その軸線cと直交する方向を「軸直角方向」と称す。
図4に示すように貫通孔20は、前面部7の表面(図4紙面手前側)から背面(図4紙面奥側)に亘って円形状に前面部7の厚さ方向に貫通形成されている。前面部7は、貫通孔20の周囲の前面部7の表面側に、貫通孔20に連通して窪み状に形成される周囲部21と、その周囲部21の外縁から表面に向かって形成される周壁部24とを備えている。周壁部24は内周面が筒状に形成されており、内縁(内周)が平面視して円形状に形成されると共に、貫通孔20の外縁と同心状に形成されている。
周囲部21は、円周方向に形成された2つの領域(第1領域22及び第2領域23)に区画されている。第1領域22は、第2領域23と比較して肉厚に形成されており、前面部7の表面側において、第1領域22の軸方向端面(図4紙面手前側)と第2領域23の軸方向端面(図4紙面手前側)とは段差状に形成されている。その結果、第1領域22と第2領域23との境界に、軸方向(前面部7の表面側)に突出する第1突出部22aが形成される。一方、前面部7の背面側において、第1領域22の軸方向端面(図4紙面奥側)と第2領域23の軸方向端面(図4紙面奥側)とは同一面内に位置している。
第1領域22は下パネル6の背面側に位置し、第2領域23は下パネル6の前面側(遊技者側)に位置すると共に、平面視における第1領域22及び第2領域23の面積は、同一の面積に形成されている。そのため、第1領域22及び第2領域23の境界に形成される2つの第1突出部22aは、下パネル7の幅方向(左右方向)に沿って並設される。
窪部25は、周囲部21の剛性を低下させると共に、媒体投入部9を貫通孔20に装着するときの位置決めとしての機能を果たす部位であり、周囲部21の内縁の異なる箇所から周壁部24に向かって形成されている。窪部25は、本実施の形態では平面視して略矩形状に陥没しており、第1突出部22aの位置に、第1領域22及び第2領域23に跨って形成されている。第2領域23の軸方向厚さは第1領域22の軸方向厚さに比べて小さく、第2領域23は第1領域22に対して薄肉に形成されているので、窪部25が形成された第2領域23の軸方向の曲げ強さを、窪部25が形成された第1領域22の軸方向の曲げ強さより小さくできる。その結果、第2領域23を第1領域22に比べて、軸方向に撓ませ易くできる。
また、窪部25は、周囲部21の内縁から周壁部24に向かって、周囲部21の径方向の一部を残して形成される。窪部25が周囲部21の径方向に亘って(窪部25が周囲部21の内縁から周壁部24に達するように)形成される場合には、窪部25が第1領域22及び第2領域23(特に薄肉の第2領域23)が破壊する起点となり易いが、周囲部21の径方向の一部を残して窪部25が形成されることで、第2領域23の軸方向の可撓性を確保しつつ窪部25が破壊の起点となることを防止できる。
壁部26は、第2領域23の軸方向端面(図4紙面手前側)に円周方向に沿って軸方向に向かって立設される部位である。壁部26は、第2領域23の内縁に沿って窪部25間に亘って立設されており、平面視して円弧状に形成されている。壁部26が第2領域23の内縁に沿って立設されているので、第2領域23の肉厚を第1領域22の肉厚より小さく設定しても、壁部26の軸方向高さの分だけ第2領域23の軸方向厚さを大きくできる。これにより、第1領域22及び第2領域23の内縁(内周面)を、貫通孔20に装着される媒体投入部9の支持面として、媒体投入部9を安定に支持できる。また、壁部26は、外周面(周壁部24と対向する面)に、円周方向に沿って凹凸状に連なる係合突起部27が形成されている。
次に図5、図6及び図7を参照して、貫通孔20に装着される媒体投入部9について説明する。図5は媒体投入部9の斜視図であり、図6は底面側から見た媒体投入部9の斜視図であり、図7は媒体投入部9を取着した下パネル6の側面視における部分断面図である。媒体投入部9は、メダルが投入される投入口31が形成されると共に、下パネル6(前面部7)に形成された貫通孔20に装着されて回動可能に構成される部材である。
図5に示すように媒体投入部9は、投入部本体30と、その投入部本体30から軸線c方向に延在される円筒状の筒部38とを備えて構成されている。投入部本体30は、メダル(遊技媒体)が投入されるスリット状に形成された投入口31と、その投入口31の長手方向の背面を形成し投入口31の上方(軸方向上部)に延出する背部32と、その背部32から前方(図5左側)に向かって曲面状の表面が形成される後方曲面部33及び前方曲面部34と、メダルを載置可能に後方曲面部33に形成されメダルを投入口31に誘導するガイド溝部35とを備えている。
投入口31は、メダルを投入可能な大きさに開口されると共に、メダルの外形および厚さを規制するように形成され、規定の大きさ以上のメダルの投入が阻止されるように長手方向の大きさが設定される。また、投入口31の短手方向の大きさを設定することにより、一度に投入できるメダルの枚数(1枚ないし複数枚)を規制できる。投入口31は、筒部38に連通している。
背部32は、投入口31の背面を上方に延出させ、メダルを投入口31に誘導する壁部として形成されたものである。背部32は、ガイド溝部35によって誘導されるメダルのオーバーランを制限するストッパとしても機能する。
ガイド溝部35は、メダルの外形とほぼ等しい曲率または僅かに小さい曲率を有する円弧状の凹部として形成され、所定枚数のメダルを縦置きに並べて載置できる長さを有している。即ち、ガイド溝部35は、後方曲面部33にU字状の樋状に凹設されており、メダルはガイド溝部35の曲率に案内されて投入口31に導かれる。ガイド溝部35は、投入口31に向かって底面に複数の溝部35aが形成されているので、ガイド溝部35に載置されたメダルを投入口31に向かって移動させるときの摩擦を低減でき、メダルの投入を容易にできる。
図7に示すように後方曲面部33は、側面視において、背部32から前方(図7左側)に向かうにつれ、漸次下降する上に凸の曲線により上縁が形成されている。後方曲面部33が、以上のような滑らかな曲面をなして形成されているので、後方曲面部33を遊技者の手に馴染み易くできる。前面曲面部34は、側面視において、後方曲面部33から前方に向かうにつれ、漸次下降する下に凸の曲線により上縁が形成されている。後方曲面部33及び前方曲面部34が、以上のような滑らかな曲面をなして連続しているので、貫通孔20に装着された媒体投入部9を回動して遊技者に対するガイド溝部35(図5参照)の角度を調整した場合であっても、前方曲面部34が、ガイド溝部35にメダルを載置する障害になり難い。その結果、遊技者にストレスを与え難くできる。さらに、媒体投入部9が貫通孔20に装着された状態で、前面曲面部34の上縁は前面部7に滑らかに連続しているので、前面曲面部34からガイド溝部35内に指をずらして、載置されたメダルに指を押し付けることで、ガイド溝部35に載置したメダルをストレスなく投入口31に誘導できる。
図5に戻って説明する。投入部本体30は、投入部本体30の底としての軸方向端部36と、その軸方向端部36の所定部から軸方向下側に向かって突設される凸起部37とを有している。軸方向端部36は、媒体投入部9が貫通孔20(図4参照)に装着された場合に、外縁が周壁部24に接触しつつ周囲部21(第1領域22)の軸方向端面に当接する。軸方向端部36は、周囲部21に当接して媒体投入部9の貫通孔20に対する軸線c方向下側への移動を規制するための部位である。凸起部37は、前方曲面部34の軸方向下側に位置し、媒体投入部9が貫通孔20(図4参照)に装着された場合に、外縁が周壁部24に接触しつつ周囲部21(第2領域23)の軸方向端面(周壁部24と壁部26との間)に当接するような軸方向長さに設定されている。
筒部38は、投入口本体30の軸方向下側に延在される部位であり、貫通孔20の内径より僅かに小さい外径を有し、貫通孔20に挿入される。筒部38の軸直角方向(軸線cと交差する方向の)外側には、2箇所から投入口31の長手方向に沿う方向に円筒状の支持部39が突設されている。支持部39は、ローラ40を回転可能に支持するための部位である。支持部39は、軸線c方向から見て、貫通孔20に形成された窪部25より僅かに小さく形成されているので、窪部25と支持部39との位置を合わせれば、軸線c方向から筒部38を貫通孔20に挿入することができる。
ローラ40(第2突出部)は、媒体投入部9が貫通孔20(図4参照)に装着された場合に、前面部7の背面(第2当接部)に接触して媒体投入部9の貫通孔20に対する軸線c方向上側への移動を規制するための部材である。ローラ40は、中心に円形状の取着孔40aが形成されており、支持部39を取着孔40aに挿入することにより、支持部39に回転可能に支持される。支持部39に取り付けられたローラ40は、ネジ部材からなる締結部材41を支持部39に捻じ込むことによって、筒部38の軸直角方向(軸線cと交差する方向の)外側に張り出しつつ支持部39に対して回転可能に固定される。なお、筒部38の軸方向における支持部39の位置およびローラ40の直径は、支持部39に固定されたローラ40の外周面が、前面部7の背面に接触するように設定される。
図6に示すように媒体投入部9は、投入部本体30の軸方向下側に突設された凸起部37の軸直角方向内側に係止突起部37aが突設されている。係止突起部37aは、貫通孔20に媒体投入部9が装着された場合に、壁部26の外周面と相対して係合突起部27と係合する部位である。凸起部37の周方向両端面には、貫通孔20に媒体投入部9が装着された場合に、第1突出部22aに当接可能に形成された第1当接部37bが形成されている。第1当接部37bは、第1突出部22aと当接して前面部7に対する媒体投入部9の所定の角度以上の回動を規制するための部位である。
以上のように構成されるスロットマシン1によれば、投入口31が形成された媒体投入部9が、前面部7に貫通形成された貫通孔20に回動可能に取着されるので、遊技者は、媒体投入部9を軸線c回りに回動することで、投入口31の向きを遊技者に対して任意の角度に傾けて遊技を行うことができる。また、前面部7の軸方向に第1突出部22aが突出され、その第1突出部22aと第1当接部37bとが当接して前面部7に対する媒体投入部9の所定の角度以上の回動が規制される。一方、媒体投入部9は軸方向端部36が周囲部21の軸方向端面に当接する。さらに、前面部7の背面側において筒部38の軸直角方向にローラ40が突出し、そのローラ40に前面部7の背面(第2当接部)に接触するので、前面部7に対する媒体投入部9の軸線c方向の移動が規制される。これにより、媒体投入部9が貫通孔20から抜けたりガタついたりすることなく媒体投入部9を軸線c回りに回動できると共に、媒体投入部9の軸方向の移動が規制されることで、第1突出部22aと第1当接部37bとが当接できなくなることを防止できる。
ここで、第1突出部22aと第1当接部37bとが当接できなくなると媒体投入部9が自由に回動できるようになるので、媒体投入部9及びセレクタ60に案内通路50が固定されている場合には、案内通路50が捩れて破損したり、案内通路50が捩れることで案内通路50が閉塞してメダルが案内通路50内で詰まったりするおそれがある。また、案内通路50の一端が媒体投入部9に固定されてセレクタ60側が開放されている場合には、媒体投入部9と一体に案内通路50が回動するので、案内通路50の捩れは防止できる。しかし、開放された案内通路50の他端から流下する遊技媒体の取り得る軌跡は、媒体投入部9の回動に伴って円筒状となるので、セレクタ60内でメダルが詰まり易くなったり、メダルの向きを変える新たな機構を案内通路50の下流に設けたりする必要が生じる。
これに対しスロットマシン1によれば、前面部7に対する媒体投入部9の所定の角度以上の回動を確実に規制できるので、メダルの向きを変える機構を新たに設けなくても、案内通路50が破損したりメダルが通路内で詰まったりすることを防止できる。
また、ローラ40が取り付け可能に形成されているので、スロットマシン1を組み立てるときには、媒体投入部9を貫通孔20に装着した後、媒体投入部9の軸直角方向外側に位置するローラ40を媒体投入部9に取り付けることができる。これにより、媒体投入部9を前面部7に取り付ける際の取り付け作業性を向上できる。さらに、媒体投入部9(筒部38)に軸支されたローラ40が媒体投入部9の回動によって前面部7の背面を転動するので、スムーズに媒体投入部9を回動させることができ、操作性を向上できる。
また、貫通孔20の周囲に遊技者側に面する窪み状の周囲部21が形成され、その周囲部21の外縁から表面に向かって内周面が筒状の周壁部24が形成される。その周壁部24の内側に媒体投入部9(軸方向端部36)の外周を位置させると共に媒体投入部9の軸方向端部36を周囲部21に当接させて、媒体投入部9が軸線c回りに回動可能とされる。媒体投入部9の軸直角方向にローラ40(第2突出部)が突出し、前面部7の背面(第2当接部)に接触するので、前面部7に対する媒体投入部9の軸線c方向の移動が規制される。これにより、媒体投入部9の軸方向端部36及び周囲部21(第1領域22)を密接させることができる。さらに、周壁部24に対して周囲部21が屈曲しているので、媒体投入部9と前面部7との境目からスロットマシン1の内部に不正にアクセスすることを困難にできる。よって、媒体投入部9からの不正行為に対する抑止力を高められる。
また、周囲部21の円周方向に区画された第1領域22の軸方向端面は第2領域23の軸方向端面より前面部7の表面側近くに形成されており、媒体投入部9の前後の向きを間違えずに正しく貫通孔20に装着された場合には、第1領域22の軸方向端面に媒体投入部9の軸方向端部36が当接し、第2領域23の軸方向端面に凸起部37が当接する。
これに対し、スロットマシン1を組み立てる作業者が、媒体投入部9の前後の向きを間違えて貫通孔20に装着しようとした場合には、媒体投入部9の凸起部37が第1領域22に当接し、媒体投入部9の軸方向端部36が第2領域23に立設された壁部26に当接する。第1領域22の軸方向端面は第2領域23の軸方向端面より前面部7の表面側近くに形成されているので、第1領域22の軸方向端面に凸起部37が当接すると、媒体投入部9の軸方向端部36が周囲部21に完全に当接できずに浮き上がってしまう。その結果、作業者は、前後の向きを間違えて媒体投入部9を貫通孔20に装着しようとしたことを発見できる。よって、スロットマシン1の組立て間違いを未然に防止できる。
また、周囲部21に、内縁(貫通孔20)の異なる2箇所から周壁部24に向かって窪部25が形成されることで、その窪部25間の周囲部21の剛性を小さくすることができ、周囲部21を軸方向に撓み易くできる。軸方向に撓み易くした周囲部21に壁部26が立設され、その壁部26の側面に回転方向に沿って凹凸状の係合突起部27が形成される。その係合突起部27に係合する係止突起部37aが、壁部26の側面と相対する媒体投入部9に形成されるので、前面部7に対する媒体投入部9の位置決めをすることができ、遊技者の意図に反して、遊技中に媒体投入部9が回動してしまうことが防止される。窪部25によって軸方向に撓み易くした周囲部21に壁部26が立設され、その壁部26に係合突起部27が形成されているので、媒体投入部9を回動させて係合突起部27と係止突起部37aとの係合位置を変えるときに、周囲部21が撓むことで適度なクリック感が得られる。また、周囲部21が撓む反力によって係合突起部27と係止突起部37aとの係合を確実に行うことができる。さらに、第1領域23に比べて厚さの薄い第2領域23に壁部26が立設されているので、第2領域23の剛性を低下させ、壁部26(係合突起部27)が形成された第2領域23の可撓性を向上できる。
図6に戻って説明を続ける。媒体投入部9は、筒部38の内側に、投入口31(図5参照)の長手方向に沿って下方に延在された平行な2枚の板材で形成される導入通路42が突設されている。導入通路42は、投入口31に投入されたメダルを案内通路50(図2参照)に導入するための部位であり、板材の一方がガイド溝部35の背面側の隆起部35aに固着されている。取着孔43は、筒部38の内側に案内通路50を固定するためのネジ56(図9参照)が取着される部位であり、投入部本体30の底部の導入通路42の両側の2箇所に形成されている。
次に図8及び図9を参照して、案内通路50について説明する。図8は案内通路50が取着された媒体投入部9の背面側から見た斜視図であり、図9(a)は案内通路50を形成する案内部51の正面図であり、図9(b)は図9(a)の矢印IXb方向から見た案内部51の側面図である。案内通路50は、柔軟で弾性(又は可撓性)を有する耐疲労性に優れるポリプロピレン等の合成樹脂製やゴム製で一体形成された案内部51により形成され、図8に示すように一対の案内部51は、導入通路42の長手方向両側に互いに所定の間隔をあけて配置される。案内部51は、導入通路42の長手方向端部に上端が配置され下方に延在する側部52と、その側部52の両側縁に沿って側部52の上端から下端に亘って立設され側部52と共に断面コ字状の溝部を構成する立設部53とを備えている。
図9(a)に示すように、立設部53は、隆起部35aに当接される湾曲部53aが上端に形成されている。湾曲部53aは湾曲状に形成された縁部を有している。側部52の上端および下端には、立設部53の反対側に立設部53と直交方向に張り出す取着部54,55が突設されている。取着部54,55は、ネジが挿通される孔部54a,55aが貫通形成され、ネジが孔部54a,55aに挿通されることにより、案内部51が投入口本体30及びセレクタ60(図10参照)に取着される。
図9(b)に示すように、立設部53は、導入通路42(図8参照)を流下するメダルの厚さ方向(図9(b)左右方向)に対して下方(図9(b)下側)に向かうにつれて、漸次幅狭に形成されると共に後方(図9(b)右側)に向かって屈曲するように形成されている。
次に図10及び図11を参照して、案内通路50を下パネル6に組み付ける方法について説明する。図10及び図11は下パネル6に取着された媒体投入部9及び案内部51の背面図である。案内通路50を下パネル6に組み付ける場合には、まず、図8に示すように案内部51を投入口本体30に取着し、次いで前面部7(下パネル6)の貫通孔20内に案内部51を挿入する。案内部51は柔軟な部材により形成されており変形させることができるので、容易に貫通孔20内に挿入できる。次に、支持部39にローラ40を取着するが、媒体投入部9は貫通孔20に対して回動可能に形成されているので、媒体投入部9を回動させて支持部39を下パネル6の背面側に向けることで、支持部39へのローラ40の取着も容易である。次いで、ネジ57(図10参照)によって案内部51の下端をセレクタ60に取着する。
以上のように、案内通路50を形成する2つの案内部51は柔軟な部材によって形成されているので、媒体投入部9を回動した場合には案内部51が変形して捻られる(図11参照)。変形する2つの案内部51は、軸線方向(図10上下方向)に沿って所定の間隔をあけて配置され、起立した状態で流下するメダルの長手方向両端を側部52及び立設部53(溝部)がそれぞれ受け入れるので、案内部51を変形させたときに通路が閉塞されることを防止して、メダルを起立した状態でスムーズに流下させてセレクタ60の入口60aに案内できる。
ここで、案内通路50の断面が矩形の筒状に形成されている場合には、案内通路を捻ると筒状の案内通路の中央部付近の間隔が狭くなり、案内通路が閉塞され流下するメダルが詰まり易くなる問題が生じる。これに対しスロットマシン1では、断面コ字状の一対の案内部51を対向させて案内通路50を形成しているので、案内通路50を捻るように変形させた場合であっても、通路が閉塞されることを防止できる。
また、案内部51は、流下するメダルの厚さ方向に対して、立設部53の間隔が漸次小さくなるように形成されているので、案内部51の下流に向かうにつれてメダルの挙動を整えることができる。これによりセレクタ60の入口60a等でメダルを詰まり難くできる。
次に図12から図20を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、貫通孔20に挿入された媒体投入部9が回動可能に構成される(投入口31が回動する)場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、貫通孔110に挿入された媒体投入部120がスライド可能に構成される(投入口122がスライドする)場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図12は第2実施の形態におけるスロットマシン101の斜視図である。
図12に示すようにスロットマシン101は、遊技パネル4の下方に配設された下パネル106に、遊技者に操作される各種レバーやスイッチが配置されている。下パネル106は、遊技パネル4から前方(遊技者側)に向かってわずかに下降傾斜して遊技者に対面する第1前面部107(前面部)と、その第1前面部107の幅方向にスライド可能に形成される媒体投入部120と、その媒体投入部120の前後に配置された第1上板140及び第2上板150とを備えている。
次に図13を参照して下パネル106について説明する。図13は下パネル106の斜視図である。なお、図13では、各種レバーやスイッチ類、下段プレート8を取り外した状態の下パネル106を図示している。下パネル106は合成樹脂製で一体成形されており、図13に示すように、第1前面部107にはベットスイッチ10が挿入される貫通孔107aが貫通形成されている。また、第1前面部107は、第1前面部107より一段低い位置に形成されると共に後方から前方に向かって僅かに下降傾斜する平坦面として形成され、前後方向中央から後方寄りに貫通孔110が形成された第2前面部108と、その第2前面部108の幅方向両側に形成され第1前面部107と連絡する側壁部109とを備えている。第2前面部108(前面部)は、貫通孔110と、その貫通孔110と連通し貫通孔110を軌道の一部とする環状溝として形成された環状軌道111と、その環状軌道111の外側に平面視コ字状に立設される突条部112,113とを備えている。
貫通孔110は、媒体投入部120がスライド可能に装着される部位であり、第2前面部108の表面から背面に亘って貫通形成され、第2前面部108の幅方向に長手方向が位置する横長のスリット状に形成されている。環状軌道111は、平面視して貫通孔110と平行に形成された直線溝部111aと、その直線溝部111aと貫通孔110とを滑らかに連絡することで平面視して半円状に形成された円弧溝部111bとによって環状に形成されている。
突条部112,113は第1上板140の取着位置を規制するための部位である。突条部112は第2前面部108の前側縁部の内側に第2前面部108の前側縁部と略平行に立設される部位であり、突縁部113は側壁部109と離間して第2前面部108の両側縁部の内側に第2前面部108の両側縁部と略平行に立設される部位である。取着凹部114は、第1上板140を下パネル106に固定するための部位であり、下パネル106の背面であって第2前面部108の両側に凹設されている。
次に、図14を参照して媒体投入部120について説明する。図14に示すように媒体投入部120は、投入部本体121と、その投入部本体121に形成された投入口122に連通するメダル通路127と、投入部本体121の両側に張り出す張出部129とを備えている。投入部本体121は、メダル(遊技媒体)が投入されるスリット状に形成された投入口122と、その投入口122の長手方向の背面を形成し投入口122の上方に延出する背部123と、その背部123から前方(図14左側)に向かって上面が下降傾斜する傾斜部124と、メダルを載置可能に傾斜部124に形成されメダルを投入口122に誘導するガイド溝部125とを備えている。
投入口122は、メダルを投入可能な大きさに開口されると共に、メダルの外形および厚さを規制するように形成され、規定の大きさ以上のメダルの投入が阻止されるように長手方向の大きさが設定される。また、投入口122の短手方向の大きさを設定することにより、一度に投入できるメダルの枚数(1枚ないし複数枚)を規制できる。投入口122は、メダル通路127に連通している。
背部123は、投入口122の背面を上方に延出させ、メダルを投入口122に誘導する壁部として形成されたものである。背部123は、ガイド溝部125によって誘導されるメダルのオーバーランを制限するストッパとしても機能する。
ガイド溝部125は、メダルの外形とほぼ等しい曲率または僅かに小さい曲率を有する円弧状の凹部として形成され、所定枚数のメダルを縦置きに並べて載置できる長さを有している。即ち、ガイド溝部125は、傾斜部124にU字状の樋状に凹設されており、メダルはガイド溝部125の曲率に案内されて投入口122に導かれる。ガイド溝部125は、投入口122に向かって底面に複数の溝部125aが形成されているので、ガイド溝部125に載置されたメダルを投入口122に向かって移動させるときの摩擦を低減でき、メダルの投入を容易にできる。
本体底部126は、投入部本体121の底部を構成する部位であり、投入口122及びメダル通路127が貫通形成されている。メダル通路127はメダルをスロットマシン101の内部に誘導するための部位であり、メダルを通過可能な間隔で2枚の板材を対向させて形成され、本体底部126から延出されている。連結部128は、本体底部126と張出部129とを連結するための部位であり、メダル通路127の延出方向と同じ方向(図14下向き)に突設されている。連結部128はメダル通路127の両側に位置し、前後方向(ガイド溝部125から投入口122に向かう方向)厚さは、メダル通路127の前後方向厚さと同一に設定されている。
張出部129は、本体底部126との間で第1上板140及び第2板材150を保持すると共にピン133(図15参照)を連結するための部位である。張出部129の前後方向(ガイド溝部125から投入口122に向かう方向)幅は、連結部128の前後方向厚さより大きく設定されている。また、張出部128と本体底部126との間隔(張出部128の高さ)は、第1上板140及び第2板材150の厚さと略同一に設定されており、張出部129と本体底部126との間に第1上板140及び第2板材150が嵌挿される。張出部129にはピン133(図15参照)が嵌挿される孔部129aが形成されている。孔部129aの内径は、張出部129の前後方向幅と同一に設定されている。また、左右の張出部129に形成された孔部129aの中心を通る直線は、連結部128及びメダル通路127の前後方向(ガイド溝部125から投入口122に向かう方向)中心を通るように設定されている。
次に図15を参照して、貫通孔110に対する媒体投入部120の装着構造について説明する。図15は無端状に連結された板部材131,132が配置された下パネル106の斜視図である。第2前面部108に形成された環状軌道111(図13参照)には、媒体投入部120のスライド移動につれて可動し貫通孔110を閉鎖する閉鎖手段が配設される。図15に示すように、閉鎖手段は、環状軌道111に列設された複数の板部材131,132と、その複数の板部材131,132及び媒体投入部120を無端状に連結するピン133とを備えて構成されている。
貫通孔110を閉鎖する閉鎖手段は、凹部および凸部が一端および他端の水平方向に凹設または突設された板部材131と、凸部が両端の水平方向に形成された板部材132とを有している。板部材131,132の凹部と凸部とを重ねることにより環状軌道111の上に板部材131,132が列設され、互いに重なり合った部分がピン133により水平方向に揺動可能に連結されている。
ピン133は、軸方向両端部が板部材131の上面および下面より突出し、板部材131の上面より突出したピン133の軸方向端部に、媒体投入部120の左右の張出部129に形成された孔部129aが嵌合する。左右の張出部129に形成された孔部129aの中心を通る直線は、メダル通路127の前後方向(投入口122の長手方向に直交する方向)中心を通るように設定されている。また、媒体投入部120のメダル通路127は貫通孔110に挿入可能な大きさに形成されているので、貫通孔110にメダル通路127を挿入すると共に、板部材131より突出したピン133の軸方向端部に張出部129の孔部129aを嵌合することにより、板部材131,132及び媒体投入部120を無端状に連結することができる。
板部材131,132及び媒体投入部120が無端状に連結されているので、媒体投入部120のスライド移動(貫通孔110に沿う横移動)に連れて板部材131,132を移動させることができる。板部材131,132及び媒体投入部120は、移動方向(貫通孔110の長手方向)と直交する直交方向の幅が、貫通孔110の短手方向の幅より大きく設定されている。これにより平面視して貫通孔を視認不能にでき、板部材131,132によって貫通孔110を閉鎖できる。
ピン133は、軸方向端部が板部材131,132から突出し環状軌道111(貫通孔110、直線溝部111a及び円弧溝部111b)に挿入される。これによりピン133が環状軌道111に案内されるので、媒体投入部120のスライド移動によって板部材131,132をスムーズに移動させることができる。その結果、遊技者による操作性を向上できる。また、貫通孔110(環状軌道111)に対して板部材131,132の位置をずれ難くすることができ、貫通孔110を確実に閉鎖できる。
次に図16及び図17を参照して、第2前面部108の前部側を覆う第1上板140について説明する。図16は媒体投入部120が取着された上板(第1上板140)の斜視図であり、図17は媒体投入部120が取着された上板(第1上板140)の底面側から見た斜視図である。図16に示すように第1上板140は、平面視して略コ字状に形成された板状の部材であり、上板部141と、その上板部141の下面前側縁部に垂設された前板部142と、前板部142の左右に連続して上板部141の下面左右縁部に垂設された横板部143と、上板部141の幅方向中央が後側縁部146から矩形状に陥没する矩形部144とを備えている。第1上板140は、矩形部144の一部を構成する縁部として、互いに対向し平行となる対向縁部145を備え、その対向縁部145にはスライド溝が長手方向に形成されている。また、第1上板140は、上板部141の後側縁部146から横板部143と連続して左右に張出形成された取着板部147を備えている。
上板部141は、貫通孔110(図13参照)から前側の第2前面部108を上方から覆うための部位であり、その奥行き(前板部142と矩形部144との間の距離)は、貫通孔110の前側縁部から第2前面部108の前側縁部までの距離と同一に設定され、その厚さは、媒体投入部120の高さ(張出部129と本体底部126との間隔)と略同一に設定されている。前板部142及び横板部143は、各突条部112,113(図13参照)と第2前面部108の縁部との間に配設される部位であり、それらの厚さは各突条部112,113と第2前面部108の縁部との間隔と略同一に設定されている。
取着板部147は、取着凹部114(図13参照)に取着される部位であり、取着板部147が取着凹部114に取着された状態では、前板部142は突条部112の前方の第2前面部108に載置され、横板部143は突条部113と側壁部109との間に載置される。取着板部147に貫通形成された孔部147aにネジ(図示せず)を挿入し取着凹部114に対して締結することで、第1上板140は下パネル106に固定される。一連に形成された突条部112,113を備えているので、第1上板140と第2前面部108とに隙間が形成されることを抑制し、その隙間からの不正行為に対する抑止力を向上できる。
図17に示すように上板部141の背面(第2前面部108と対向する面)には、対向縁部145の矩形部144と接する部位から溝部148が形成されている。溝部148は、第1上板140が下パネル106に取着された場合に、環状軌道111の一部(直線溝部111a及び円弧溝部111b)と対向する位置に形成されている。溝部148の幅はピン133の軸方向端部を挿入可能に形成されており、第1上板140が下パネル106に取着された場合に、ピン133の軸方向端部が環状軌道111及び溝部148に保持されるように、ピン133の長さ及び第2前面部108と上板部141の間隔が設定されている。
次に図18及び図19を参照して第2板材150について説明する。図18は上板(第1上板140及び第2板材150)及び媒体投入部120が取着された下パネル106の斜視図であり、図19は上板(第1上板140及び第2板材150)及び媒体投入部120が取着された下パネル106の平面図である。第2板材150は第2前面部108の上面後方を覆うための部材であり、第1上板140の矩形部144の幅(対向縁部145間の距離)と同一の幅を有する上板材151を備え、その厚さは、媒体投入部120の高さ(張出部129と本体底部126との間隔)と略同一に設定されている。対向縁部145に形成されたスライド溝に嵌合する突条が上板材151の両端152に突設されている。これにより、対向縁部145のスライド溝に突条を嵌合することにより、媒体投入部120の張出部129と本体底部126との間に第2板材150を挿入し、第1上板140の対向縁部145に第2板材150を取り付けることができる。
図19に示すように第1上板140及び第2板材150は、ピン133の外径分(メダル通路127の前後方向幅)の間隔をあけて下パネル106に取着される。その結果、第1上板140及び第2板材150の隙間を溝部148(図17参照)に連通させることができるので、溝部148に続けて切れ目無くピン131を案内することができる。これにより無端状に連結された板部材131をスムーズに案内できる。また、板部材131,132の厚さと前板部142及び横板部143の高さとを設定することにより、第1上板140及び第2板材150と第2前面部108との間に板部材131,132を挟み込むことができる。これにより板部材131,132のガタつきを防止できる。
なお、下パネル106の背面側は、板部材131,132の厚さの分だけ第2板材150と第2前面部108とに隙間が形成される。しかし、下パネル106の背面側から第2板材150と第2前面部108の端面に操作パネル4(図12参照)を押し付けて固定することにより、第2板材150と第2前面部108との隙間を閉鎖できる。
以上のように構成されるスロットマシン101によれば、板部材131,132によって貫通孔110が閉鎖されるので、貫通孔110からの不正行為に対する抑止力を高められる。また、第2前面部108の前面側および背面側も、前板部142及び操作パネル4で閉鎖されるので、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
また、第2前面部108の幅方向に投入口122が移動可能に形成されているので、遊技者は投入口122の位置を好みに合わせて変えることができる。例えば、遊技者の利き手が右手である場合には、第2前面部108に向かって右側に投入口122を移動させ、利き手が左手である場合には、第2前面部108に向かって左側に投入口122を移動させることができる。遊技者は好みに応じて投入口122の位置を調整することができるので、快適に遊技できる。
次に図20を参照して案内通路160について説明する。図20は背面側から見た下パネル106の斜視図である。案内通路160は、媒体投入部120から投入されたメダルをセレクタ60に案内するための通路であり、媒体投入部120の下方に位置する。案内通路160は、媒体投入部120が貫通孔110に沿ってスライド可能な範囲に亘って開口した上部開口部161と、その上部開口部161から下方に向かうにつれて縮径した縮径部162と、その縮径部162の下方に連続して開口する下部開口部163とを備えている。
上部開口部161は、媒体投入部120に延設されたメダル通路127から流下するメダルを受け入れるための部位であり、平面視して横長の矩形状に形成されている。縮径部162は、下部開口部163に向かうメダルの通路を形成するための部位であり、下部開口部163に向かって下降傾斜している。下部開口部163は、縮径部162の幅方向の略中央に開口しており、縮径部162の幅方向両側から下部開口部163にメダルが流下する。下部開口部163に到達したメダルは、下部開口部163を通って入口60aからセレクタ60に導入される。
以上のように案内通路160は、媒体投入部120が貫通孔110に沿ってスライド可能な範囲に亘って上部開口部161が開口するので、媒体投入部120から投入されたメダルを上部開口部161は受け入れることができる。受け入れたメダルを、上部開口部161から下方に向かうにつれて縮径し下降傾斜した縮径部162に沿って下部開口部163に向けて流下させることができる。
また、縮径部162の幅方向の略中央に開口する下部開口部163により、幅方向両側の位置から縮径部162に沿って流下し下部開口部163に至るメダルの幅方向(左右方向)の移動距離を平均化できる。その結果、案内通路160内でメダルを詰まり難くできる。
これに対し、下部開口部163が縮径部162の幅方向の一方に偏って開口形成されている場合には、媒体投入部120を幅方向の一方側にスライドさせたときに、投入されたメダルが下部開口部163に到達するための移動距離を短くできる。一方、媒体投入部120を幅方向の他方側にスライドさせたときに、投入されたメダルが下部開口部163に到達するための移動距離(転動距離)が長くなる。移動距離(転動距離)が長くなると、メダル通路127からセレクタ60までの距離(高さ方向)が一定の場合には、投入されたメダルが下部開口部163に到達するまでの縮径部162の勾配が小さくなるので、縮径部162を転がるメダルの速度が遅くなる。そうすると、セレクタ60の入口60aや縮径部162でメダルが詰まり易くなるという問題が生じる。
これを防止するために、縮径部162の幅方向の略中央に下部開口部163が開口しているので、スロットマシン101によれば、投入されたメダルが下部開口部163に到達するための移動距離を短くできる(平均化できる)。その結果、案内通路160内でメダルを詰まり難くできる。
また、下部開口部163、縮径部162及び上部開口部161は平面視して横長に形成され、平面視における下部開口部163、縮径部162及び上部開口部161の長手方向は、第2前面部108の幅方向及び平面視における投入口122(図14参照)の長手方向と同一方向に設定され、平面視における下部開口部163、縮径部162及び上部開口部161の短手方向の大きさは、下部開口部163、縮径部162及び上部開口部163内で重力方向を回転軸としてメダルを回転不能とするような幅狭に設定されている。これにより上部開口部161、縮径部162及び下部開口部163をメダルがスムーズに流下するようにできる。
ここで、下部開口部163、縮径部162及び上部開口部161の短手方向の大きさを、下部開口部163、縮径部162及び上部開口部161内で重力方向を回転軸としてメダルを回転できるような大きさに設定した場合には、メダルが案内通路160内で詰まり易くなるおそれが生じる。また、案内通路160の下流とセレクタ60との間に、メダルの向きを変える機構を新たに設ける必要がある。これに対しスロットマシン101によれば、メダルの向きを変える機構を案内通路160の下流に新たに設ける必要がなく、さらにメダルを案内通路160内で詰まり難くできる。
次に図21及び図22を参照して第3実施の形態について説明する。第2実施の形態では、貫通孔110に挿入された媒体投入部120がスライド可能に構成される(投入口122がスライドする)場合について説明した。また、ベットスイッチ10が第1前面部107に配置され、下段プレート8の上側からスタートレバー11が前方(遊技者側)に向かって突出する場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、媒体投入部220のスライド位置を固定可能にできる場合を説明する。さらに、ベットスイッチ及びスタートレバーのいずれかとして機能する第1スイッチ208及び第2スイッチ209が第1前面部207に配置される場合について説明する。なお、第2実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図21は第3実施の形態におけるスロットマシン201の斜視図であり、図22(a)は図21のXXII−XXII線におけるスロットマシン201の断面図であり、図22(b)は図22(a)の矢印XXIIb方向から見た前面部(第2前面部108)の底面図である。なお、図22(a)ではスロットマシン201の幅方向中央付近の図示を省略すると共に、第2前面部108と第2上板150との間に配設される板部材131等の図示を省略している。
図21に示すようにスロットマシン201は、第1前面部207の左右両側に第1スイッチ208及び第2スイッチ209が配置された下パネル206を備えて構成されている。下パネル206には、幅方向にスライド移動可能に形成された媒体投入部220が配置されている。なお、媒体投入部220は、図22(b)に示すように、メダル通路127の前後方向側面(図21(a)紙面奥側)に係止突起部127aが突設されている以外は、第2実施の形態で説明した媒体投入部120と同一の構成であるので、以下の説明を省略する。
図22(a)及び図22(b)に示すように、媒体投入部220のメダル通路127に突設された係止突起部127aと相対する貫通孔210の内側面には、貫通孔210の長手方向(図22(a)左右方向)に沿って、係止突起部127aと係合し貫通孔210に対する媒体投入部220の位置決めをする係合突起部210aが突設されている。これにより遊技者は貫通孔210に沿って媒体投入部220をスライド移動させることができると共に、係合突起部210aと係止突起部127aとの係合によって、遊技中に意図せずに媒体投入部220が移動してしまうことを防止できる。その結果、遊技者の快適性を向上できる。
また、図22(b)に示すように、貫通孔210の互いに対向する側面のうち、係合突起部210aが形成された一方の側面の裏側の第2前面部108には、貫通孔210の長手方向(図22(b)左右方向)に沿って溝部108aが形成されている。溝部108aは、貫通孔210近傍の第1前面部108の剛性を低下させるための部位であり、第2前面部108の厚さ方向に貫通形成されている。なお、溝部108aは、必ずしも第2前面部108を貫通する必要はなく、第1前面部108の剛性を低下させる程度に第2前面部108の表面または裏面の一部を窪み状にすれば良い。
係合突起部210aの裏側の第2前面部108に溝部108aが形成されているので、第2前面部108の剛性を低下させることができ、媒体投入部220をスライド移動させて係合突起部210aと係止突起部127aとの係合位置を変えるときに、係合突起部210aを撓ませることができる。係合突起部210aが撓むことで適度なクリック感が得られる。また、係合突起部210aが撓む反力によって係合突起部210aと係止突起部127aとの係合を確実に行うことができる。
また、貫通孔210の幅方向両側の第2前面部108には、位置検出センサ211,212が埋設されている。位置検出センサ211,212は、貫通孔210におけるメダル通路127の位置を検出するセンサである。スロットマシン201は、位置検出センサ211,212の検出結果を処理して制御装置(図示せず)に出力する出力回路(図示せず)と、その出力に基づいて第1スイッチ208又は第2スイッチ209の一方をベットスイッチとして機能させるように切り換えると共に、第1スイッチ208又は第2スイッチ209の他方をスタートレバーとして機能させるように切り換える制御装置(図示せず)とを備えている。
位置検出センサ211,212は、光学式センサにより構成されており、位置検出センサ211,212とメダル通路127との距離を検出する。制御装置(図示せず)に、各位置検出センサ211,212とメダル通路127との最大距離(貫通孔210の両端にメダル通路127が位置するときの各位置検出センサ211,212とメダル通路127との距離)を記憶しておくことで、各位置検出センサ211,212によって検出された距離に基づいて、貫通孔210におけるメダル通路127(媒体投入部220)の位置を検出できる。
位置検出センサ211は第1スイッチ208近くの第2前面部108に埋設され、位置検出センサ212は第2スイッチ209近くの第2前面部108に埋設されている。これにより位置検出センサ211,212の検出結果から、制御装置(図示せず)は、媒体投入部220が第1スイッチ208又は第2スイッチ209のいずれの近くに位置するのか判断できる。
なお、本実施の形態では、位置検出センサ211,212は光学式センサにより構成されているが、これに限定するものではなく、他の位置検出センサを採用することは当然可能である。他の位置検出センサとしては、例えば、高周波発振形や静電容量形等の近接センサや接触式センサ等が挙げられる。位置検出センサとして近接センサや接触式センサを用いる場合には、それらのセンサを貫通孔210の長手方向の側面の複数箇所に埋設することが望ましい。これにより貫通孔210におけるメダル通路127の位置を検出することが可能となる。
また、本実施の形態では、貫通孔210の両側に位置検出センサ211,212が埋設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、位置検出センサ211,212の一方を省略することは可能である。これにより部品点数を削減し遊技機210の組立てコストを削減できる。なお、位置検出センサ211,212を貫通孔210の両側に配置する場合には、位置検出センサ211,212による位置検出精度を向上できる。
以上のように構成されるスロットマシン201によれば、第1前面部207の幅方向両側にそれぞれ第1スイッチ208及び第2スイッチ209が配置され、第1スイッチ208及び第2スイッチ209は、位置検出センサ211,212の出力結果に基づいて、遊技の賭数を設定するために操作されるベットスイッチ(賭数設定手段)と、リール(図示せず)に表示された複数の絵柄の変動を開始させるべく操作されるスタートレバー(始動操作手段)として機能するように切り換え可能に構成されている。その機能の切り換えは、媒体投入部220(メダル通路127)の位置に基づいて行われるので、遊技者は、投入口の位置に基づいてメダルの投入し易さを調整できるだけでなく、第1スイッチ208及び第2スイッチ209(ベットスイッチ及びスタートスイッチ)の操作のし易さを選択できる。これにより遊技者の快適性を向上できる。
また、媒体投入部220(メダル通路127)に近い第1スイッチ208又は第2スイッチ209をベットスイッチとして機能させ、媒体投入部220(メダル通路127)から遠い側の第1スイッチ208又は第2スイッチ209をスタートレバーとして機能するように切り換えるように制御装置(図示せず)を設定すれば、さらに媒体投入部220による操作性(第1スイッチ208及び第2スイッチ209の機能の切換操作性)を向上できる。
即ち、媒体投入部220に近い側の第1スイッチ208又は第2スイッチ209をベットスイッチとして機能させ、媒体投入部220から遠い側の第1スイッチ208又は第2スイッチ209をスタートレバー(スタートスイッチ)として機能するように切り換えることで、遊技者は、メダルを投入した手で、ベットスイッチとして機能する第1スイッチ208又は第2スイッチ209を操作し、反対側の手で、スタートレバーとして機能する第1スイッチ208又は第2スイッチ209を操作することができる。遊技者は、メダルを投入した側の手と異なる手で、スタートレバーとして機能する第1スイッチ208又は第2スイッチ209を操作できるので、快適に遊技できる。
ここで、第3実施の形態におけるスロットマシン201において、位置検出センサ211,212の検出結果を処理して制御装置(図示せず)に出力する出力回路(図示せず)と、その出力に基づいて第1スイッチ208又は第2スイッチ209の一方をスタートレバーとして機能させるように設定すると共に、第1スイッチ208又は第2スイッチ209の他方をスタートレバーとして機能しない(機能を停止する)ように設定する制御装置(図示せず)とを備えるように変形することは可能である。
以上のように構成される変形例におけるスロットマシン201によれば、第1前面部207の幅方向両側にそれぞれ第1スイッチ208及び第2スイッチ209が配置され、第1スイッチ208及び第2スイッチ209は、位置検出センサ211,212の出力結果に基づいて、第1スイッチ208又は第2スイッチ209のいずれかを、リール(図示せず)に表示された複数の絵柄の変動を開始させるべく操作されるスタートレバー(始動操作手段)として機能するように設定可能に構成されている。その機能の設定は、媒体投入部220(メダル通路127)の位置に基づいて行われるので、遊技者は、投入口の位置に基づいてメダルの投入し易さを調整できるだけでなく、第1スイッチ208又は第2スイッチ209(スタートスイッチ)の操作のし易さを選択できる。これにより遊技者の快適性を向上できる。
また、媒体投入部220(メダル通路127)から遠い側の第1スイッチ208又は第2スイッチ209をスタートレバーとして機能させ、媒体投入部220(メダル通路127)に近い側の第1スイッチ208又は第2スイッチ209の機能を停止させるように制御装置(図示せず)を設定すれば、さらに媒体投入部220による操作性(第1スイッチ208又は第2スイッチ209の機能の設定操作性)を向上できる。
即ち、媒体投入部220に近い側の第1スイッチ208又は第2スイッチ209の機能を停止させ、媒体投入部220から遠い側の第1スイッチ208又は第2スイッチ209をスタートレバー(スタートスイッチ)として機能するように設定することで、遊技者は、メダルを投入した手の反対側の手で、スタートレバーとして機能する第1スイッチ208又は第2スイッチ209を操作することができる。遊技者は、メダルを投入した側の手をほとんど動かさないで、スタートレバーとして機能する第1スイッチ208又は第2スイッチ209を操作できるので、快適に遊技できる。
次に図23から図25を参照して第4実施の形態について説明する。第1実施の形態では貫通孔20に対し媒体投入部9が回動可能に形成される場合について説明し、第2実施の形態では媒体投入部120が幅方向にスライド移動可能に形成される場合について説明した。これに対し第4実施の形態では、媒体投入部302が回動可能かつ幅方向にスライド可能に形成される場合について説明する。なお、第1実施の形態および第2実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図23は第4実施の形態におけるスロットマシン301の斜視図である。
図23に示すようにスロットマシン301は、遊技パネル4の下方に配設された下パネル306に、遊技者に操作される各種レバーやスイッチが配置されている。下パネル306は、遊技パネル4から前方(遊技者側)に向かってわずかに下降傾斜して遊技者に対面する第1前面部307と、その第1前面部307の幅方向中央に配置される上板310とを備えている。上板310には貫通孔311が貫通形成され、その貫通孔311に媒体投入部302がスライド可能に装着されている。貫通孔311は、上板310の下面側に配設された帯状の閉鎖部材320a,321aによって閉鎖されており、その閉鎖部材320a,321aは媒体投入部302のスライド移動に連れてスライド移動可能に形成されている。
なお、媒体投入部302は、投入部本体30が軸方向に長く形成されている以外は、第1実施の形態で説明した媒体投入部9と同様のものなので、以下の説明を省略する。投入部本体30が軸方向に長く形成されているのは、上板310、閉鎖部材320a,321a、第2前面部308に投入部本体30を貫設させ、スライド板323(図24参照)に投入部本体30の軸方向端部を当接させるためである。
次に図24を参照して閉鎖部材320a,321aによって貫通孔311を閉鎖する構造について説明する。図24は背面側から見た下パネル306の斜視図である。なお、図24では理解を容易にするため、貫通孔311を閉鎖するための主な構成について図示し、その他の構成は図示を省略する。
第2前面部308は、第1前面部307の幅方向内側に形成される平坦面であり、第1前面部307より一段低い位置に形成され、上板310に覆われている。第2前面部308には、長手方向に沿って短手方向略中央に横長の貫通孔309が貫通形成されている。貫通孔309は媒体投入部302をスライド可能に挿通するための部位であり、上板310に形成された貫通孔311の下に重なる位置に形成されている。第2前面部308は、第1前面部307との境界近くにスリット状の長孔308aが貫通形成されている。長孔308aは、貫通孔309の長手方向と直交する直交方向に長手方向が位置し、その長孔308aに閉鎖部材320a,321aが挿通されている。
閉鎖部材320a,321aは、帯状に形成された金属製や合成樹脂製等の部材であり、第2前面部308の下方に配設固定されたケース320,321に一端側が巻き取られ、他端側が長孔308aに挿通されて第2前面部308の上面に敷設されている。ケース320,321には渦巻バネ等の付勢手段(図示せず)が内装されおり、その付勢手段によって、閉鎖部材320a,321aはケース320,321内に軸装された軸部(図示せず)に一端側から巻き取られるように付勢されている。
閉鎖部材320a,321aの他端は第2前面部308の上面で互いに接続され、貫通孔309の上および貫通孔311(図23参照)の下に配置される。閉鎖部材320a,321aは、ケース320,321側に一端側が付勢されることによって張設された状態にあるので、貫通孔309,311が閉鎖部材320a,321aによって閉鎖される。なお、閉鎖部材320a,321aには媒体投入部302の投入部本体30(図5参照)が挿通される略円形の孔部(図示せず)が形成され、その孔部に投入部本体30が挿入される。これにより媒体投入部302のスライド移動に伴い、ケース320,321側に一端側が付勢された閉鎖部材320a,321aが可動する。
支持部材322は、第2前面部308の下方に配設される部材であり、前後方向に所定の間隔をあけて配置される一対の長尺部材によって構成され、第2前面部308の幅方向に亘って配設される。スライド板323は一対の支持部材322に架設されると共に支持部材322に沿ってスライド可能に形成される部材である。なお、スライド板323には第1実施の形態で説明した貫通孔20(図4参照)が形成されており、その貫通孔20に媒体投入部302が装着される。これによりスライド板323に対して媒体投入部302を回動可能にできる。
また、スライド板323は、一対の支持部材322にスライド可能に支持されているので、スライド板323に装着された媒体投入部302を第2前面部308の幅方向にスライド可能にできる。これにより、遊技者は好みに応じて投入口31の角度および幅方向位置を調整できる。例えば、遊技者の利き手に応じて投入口31の角度および位置を調整することにより、遊技者はより自然な姿勢で投入口に遊技媒体を投入できる。これにより遊技者の快適性をさらに向上できる。
なお、スライド板323と支持部材322とが摺動する摺動面には、スライド板323と支持部材322との位置決めをするための係合突起部および係止突起部(いずれも図示せず)が設けられている。係合突起部および係止突起部は、閉鎖部材320a,321aに生じる付勢力に抗して係合するので、閉鎖部材320a,321aに生じる付勢力によって、意図せずに媒体投入部320がスライド移動してしまうことが防止される。
また、貫通孔309,311は閉鎖部材320a,321aによって閉鎖されるので、貫通孔309,311からスロットマシン301の内部にアクセスしようとする不正行為に対する抑止力を向上できる。なお、貫通孔309,311を閉鎖する閉鎖部材320a,321aの長手方向縁部は、上板310によって隠蔽される。
次に図25を参照して媒体投入部302と案内通路51,316との連結構造について説明する。図25は模式的に示した下パネル306の背面図である。図25に示すように、媒体投入部302に接続された案内通路51(第1案内通路)は、下端が中継通路315に接続されている。中継通路315は、流下するメダルの通路となる管状体であり、案内通路316(第2案内通路)に連結されている。案内通路316は、中継通路315の外周面に突設された係合凸起315aと係合する係合溝316aが幅方向(図25左右方向)に沿って案内通路316の内壁面に形成されている以外は、第2実施の形態で説明した案内通路160と同様のものなので、以下の説明を省略する。中継通路315は、案内通路316と係合することによって、案内通路316に対してスライド可能かつ回動不能に構成されている。これにより、媒体投入部302から投入されたメダルを、中継通路315を経由してセレクタ60に導くことができる。
次に図26及び図27を参照して第5実施の形態について説明する。第2実施の形態では媒体投入部120がスライド可能に形成された場合について説明した。これに対し第5実施の形態では、媒体投入部120のスライド移動に連係してスタートスイッチ450がスライド移動可能に構成される場合について説明する。なお第2実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図26は第5実施の形態におけるスロットマシン401の斜視図であり、図27は下パネル406の分解立体図である。
図26に示すようにスロットマシン401は、遊技パネル4の下方に配設された下パネル406に、遊技者に操作される各種レバーやスイッチが配置されている。下パネル406は、遊技パネル4から前方(遊技者側)に向かってわずかに下降傾斜して遊技者に対面する第1前面部407と、その第1前面部407の幅方向中央に配置される第1上板440とを備えている。第1上板440は、貫通孔441が貫通形成されている以外は第2実施の形態で説明した第1上板140と同一のものなので、以下の説明を省略する。貫通孔441は、スタートスイッチ450が挿通されるための部位であり、スタートスイッチ450が挿通可能な幅で第1上板440に貫通形成されている。スタートスイッチ450は、リール(図示せず)に表示された複数の絵柄の変動を開始させるべく操作される始動操作手段として機能するように設定されている。
図27に示すように、スタートスイッチ450は基部から両側に張り出す張出部451を備えている。張出部451は孔部が形成されており孔部がピン133と嵌合する。これにより板部材131にスタートスイッチ450が立設される。その結果、媒体投入部120、スタートスイッチ450、板部材131がピン133で無端状に連結されるので、媒体投入部120のスライド移動に伴いスタートスイッチ450をスライド移動させることができる。
以上のようにスタートスイッチ450が、第2前面部108の幅方向に移動可能に形成されているので、遊技者は媒体投入部120の位置を好みに合わせて左右に変えるだけでなく、スタートスイッチ450の位置を好みに応じて変えることができる。例えば、遊技者の利き手が右手である場合には、第2前面部108に向かって右側に媒体投入部120を移動させる一方、左側にスタートスイッチ450を移動させ、利き手が左手である場合には、第2前面部108に向かって左側に媒体投入部120を移動させる一方、右側にスタートスイッチ450を移動できる。これにより遊技者は、媒体投入部120からメダルを投入した側の手と反対の手で、スターとスイッチ450を操作できる。また、第2前面部108の幅方向における媒体投入部120とスタートスイッチ450との間隔も調整できる。
また、無端状に連結されることによって媒体投入部120の移動とスタートスイッチ450の移動とが連係しているので、媒体投入部120又はスタートスイッチ450の一方を移動させると、媒体投入部120又はスタートスイッチ450の他方を移動させることができる。これにより媒体投入部120及びスタートスイッチ450を遊技者が別個に移動させる手間を省くことができ、遊技者の負担を軽減できる。
なお、スタートスイッチ450は、その幅(外径)が、板部材131の移動方向(直線溝部111aの長手方向)と直交する直交方向の大きさより小さいものが選択される。さらに第1上板440に形成された貫通孔441の短手方向の幅は、板部材131の移動方向と直交する直交方向の大きさより小さく設定される。これにより、第1上板440によって板部材131の浮き上がりを防止できる。
また、媒体投入部120及びスタートスイッチ450は、環状軌道111の対角位置に配置されるので、貫通孔110及び直線溝部111aにおける媒体投入部120及びスタートスイッチ450の可動距離を最大限に確保できる。その結果、媒体投入部120とスタートスイッチ450との幅方向における距離を大きく可変できるので、遊技者の多様な好みに応じることができる。
次に図28及び図29を参照して第6実施の形態について説明する。第2実施の形態から第5実施の形態では、媒体投入部120,220が幅方向にスライド移動可能に構成される場合について説明した。これに対し第6実施の形態では、媒体投入部520が幅方向に複数配置される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図28は第6実施の形態におけるスロットマシン501の斜視図であり、図29は図28のXXIX−XXIX線における下パネル506の断面図である。
図28に示すようにスロットマシン501は、遊技パネル4の下方に配設された下パネル506に、遊技者に操作される各種レバーやスイッチが配置されている。下パネル506は、遊技パネル4から前方(遊技者側)に向かってわずかに下降傾斜して遊技者に対面する前面部507と、その前面部507の幅方向の所定箇所に配置された複数(本実施の形態では2個)の媒体投入部520とを備えている。媒体投入部520は、媒体投入部520の前方の前面部507に窪み状に形成された凹陥部510(図29参照)に向かって傾動可能に、前面部507に軸支されている。凹陥部510は開閉蓋部508によって閉鎖できるように構成されている。なお、下パネル506に配置される媒体投入部520は2個に限定されるものではなく、その数は適宜設定することが可能である。
図29に示すように前面部507(下パネル506)は、前面部501に窪み状に形成された凹陥部510と、その凹陥部510に収容される媒体投入部520と、その媒体投入部520を前面部507に対して傾動可能に軸支する軸部521とを備えている。媒体投入部520は、メダルが投入される投入口522と、その投入口522の背面に位置し投入口522の上方に延出する背部523と、その背部523の前方側に凹溝状に形成されるメダル溝部524と、媒体投入部520の底面を構成すると共に凹陥部510を摺動可能な曲面状に形成された摺動面部525とを備えている。
凹陥部510の前方の前面部507には、開閉可能に形成された開閉蓋部508が配設されている。遊技者は手指によって開閉蓋部508を開いた後、軸部521を中心に媒体投入部520を後方に傾動させることができる。媒体投入部520の摺動面部525や軸部521等にはラッチ機構(図示せず)が設けられている。これにより軸部521を中心に媒体投入部520を後方に傾動させる場合に、媒体投入部520の背部523が凹陥部510の背面509に当接するまでの範囲で、媒体投入部520の背部523の仰角(背部523の傾斜角度)を調整することが可能となる。媒体投入部520の背部523の仰角を調整できるようにすることで、遊技者は媒体投入部520をさらに自分の好みにあったものに調整できる。なお、媒体投入部520を後方に傾動させて凹陥部510から起立させた場合に、媒体投入部520の背部523が凹陥部510の背面509に当接すると、それ以上の媒体投入部520の傾動が防止される。
凹陥部510には、媒体投入部520を傾動させたときに媒体投入部520の投入口522と連通するメダル通路511が開口形成されている。メダル通路511は、下流側がセレクタ(図示せず)に連通するように形成されており、上流端が、媒体投入部520の傾動方向(軸部521の軸直角平面)に沿って大きく拡開している。これにより、投入口522から投入されたメダルは、メダル通路511を通って案内通路(図示せず)に流下しセレクタに導かれる。媒体投入部520の傾動方向に沿ってメダル通路511の上流端が大きく拡開しているので、媒体投入部520の背部523の仰角を調整した場合においても、投入口522とメダル通路511とを連通させることが可能である。
メダル通路511の下流に配設された案内通路(図示せず)は、第2実施の形態で説明したホッパ状に形成された案内通路160と同様のものであるので、説明を省略する。なお、媒体投入部520を後方に傾動させた後、開閉蓋部508を閉じることによって、媒体投入部520の前方に開口する凹陥部510を塞ぐことができる。
以上のように構成されるスロットマシン501によれば、遊技者は、好みの位置(例えば利き手側の位置)に配置された媒体投入部520を選択することができ、その媒体投入部520からメダルを投入することが可能である。また、媒体投入部520が傾動可能に構成され、媒体投入部520を凹陥部510に収容可能に形成されているのでので、遊技者が使用しない媒体投入部520を凹陥部510に収容することによって、使用しない媒体投入部520が遊技の邪魔になることを防止できる。
次に図30を参照して第7実施の形態について説明する。第3実施の形態では、下パネル206の幅方向両側に配置された第1スイッチ208及び第2スイッチ209が、ベットスイッチ又はスタートスイッチとして切換可能に設定される場合、一方がスタートスイッチとして機能するように設定される場合について説明した。これに対し第7実施の形態では、下パネル606の幅方向両側に配置された第1スイッチ608及び第2スイッチ609の一方がベットスイッチとして機能するように設定される場合について説明する。なお、第3実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図30は第7実施の形態におけるスロットマシン601の斜視図である。
図30に示すようにスロットマシン601は、第1前面部207の左右両側に第1スイッチ608及び第2スイッチ609が配置された下パネル606を備えて構成されている。下パネル606には、幅方向にスライド移動可能に形成された媒体投入部220が配置されると共に、幅方向両側に、リール(図示せず)に表示された複数の絵柄の変動を開始させるべく操作されるスタートレバー11a,11bが配置されている。
スロットマシン601は、位置検出センサ211,212(図22(a)参照)の検出結果を処理して制御装置(図示せず)に出力する出力回路(図示せず)と、その出力に基づいて第1スイッチ608又は第2スイッチ609の一方をベットスイッチとして機能させるように設定すると共に、第1スイッチ608又は第2スイッチ609の他方をベットスイッチとして機能しない(機能を停止する)ように設定する制御装置(図示せず)とを備えている。なお、制御装置は、ベットスイッチとして機能するように設定した第1スイッチ608又は第2スイッチ609の近くに位置するスタートレバー11a,11bを機能するように設定すると共に、ベットスイッチとしての機能を停止するように設定した第1スイッチ608又は第2スイッチ609の近くに位置するスタートレバー11a,11bの機能を停止するように設定する。
以上のように構成されるスロットマシン601によれば、第1前面部207の幅方向両側にそれぞれ第1スイッチ608及び第2スイッチ609が配置され、第1スイッチ608及び第2スイッチ609は、位置検出センサ211,212(図22(a)参照)の出力結果に基づいて、第1スイッチ608又は第2スイッチ609のいずれかを、遊技の賭数を設定するために操作されるベットスイッチ(賭数設定手段)として機能するように設定可能に構成されている。その機能の設定は、媒体投入部220の位置に基づいて行われるので、遊技者は、投入口の位置に基づいてメダルの投入し易さを調整できるだけでなく、第1スイッチ608又は第2スイッチ609(ベットスイッチ)の操作のし易さを選択できる。これにより遊技者の快適性を向上できる。
また、スロットマシン601は、媒体投入部220から遠い側の第1スイッチ608又は第2スイッチ609をベットスイッチとして機能させると共に、媒体投入部220から遠い側のスタートレバー11a,11bをスタートレバーとして機能させる。さらに、媒体投入部220に近い側の第1スイッチ608又は第2スイッチ609の機能を停止させると共に、媒体投入部220に近い側のスタートレバー11a,11bの機能を停止させるように設定する。これにより、媒体投入部220による操作性(第1スイッチ608、第2スイッチ609及びスタートレバー11a,11bの機能の設定操作性)を向上できる。
即ち、媒体投入部220に近い側のスタートレバー11a,11bの一方および第1スイッチ608又は第2スイッチ609の機能を停止させ、媒体投入部220から遠い側のスタートレバー11a,11bの他方および第1スイッチ608又は第2スイッチ609を機能するように設定することで、遊技者は、メダルを投入した手の反対側の手で、ベットスイッチとして機能する第1スイッチ608又は第2スイッチ609を操作することができると共に、スタートレバー11a,11bの一方を操作することができる。遊技者は、メダルを投入した側の手をほとんど動かさないで、ベットスイッチ及びスタートレバーを操作できるので、遊技を快適にできる。
次に図31を参照して、第1実施の形態の変形例について説明する。第1実施の形態では、投入部本体30と別部材として形成されたローラ40により第2突出部が形成される場合について説明した。これに対し、第2突出部702が投入部本体30と一体に形成される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図31は変形例における媒体投入部701の斜視図である。
図31に示すように媒体投入部701は、筒部38の対角位置に第2突出部702が軸線c方向と交差する方向に突出している。第2突出部702は合成樹脂製であり、筒部38と一体に形成されている。第2突出部702は、軸線cに対して投入部本体30とは反対側の斜め方向に突出すると共に筒部38に対して撓曲可能に形成された板状の基端部703と、その基端部703の先端に形成された折曲部704と、その折曲部704から投入部本体30側に向かって軸線cに対して斜め方向に延設されると共に折曲部704に対して撓曲可能に形成された板状の延設部705と、その延設部705の先端に形成される先端部706とを備えている。先端部706は、媒体投入部701が貫通孔20(図4参照)に装着された場合に、前面部7の背面に接触して媒体投入部701の貫通孔20に対する軸線c方向上側への移動を規制するための部位である。
第2突出部702は、軸線c方向から見て、貫通孔20(図4参照)に形成された窪部25より幅が僅かに小さく形成されている。また、貫通孔20に形成された窪部25に折曲部704を差し込みつつ、筒部38を貫通孔20に差し入れることにより、基端部703及び延設部705が撓曲して圧縮され、基端部703及び延設部705が近接する。これにより、第2突出部702を前面部7の表側から背面側に通過させることができる。第2突出部702は前面部7の背面側に到達すると、復元して軸線cと交差する方向に拡がる。復元することにより先端部706が前面部7の背面に接触するので、媒体投入部701の貫通孔20に対する軸線c方向上側への移動が規制される。
以上のように構成される媒体投入部701によれば、撓曲可能に形成された第2突出部702が筒部38に突出しているので、第2突出部702と窪部25との位置を合わせて貫通孔20に媒体投入部701を挿入することにより、媒体投入部701を貫通孔20に装着できる。その結果、第2突出部702が別部材として形成されている場合と比較して、組立て作業の工数を削減できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。また、上記実施形態で挙げた数値や形状は一例であり、他の数値や形状を採用することは当然可能である。
第1実施の形態では、貫通孔20が形成された前面部7側に第1突出部22aが突出形成され、媒体投入部9側に第1当接部37bが形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、前面部7側に第1当接部を形成し、媒体投入部9側に第1突出部を形成することは当然可能である。この場合も前面部7に対する媒体投入部9の所定の角度以上の回動を規制できるからである。
第1実施の形態では、媒体投入部9側に第2突出部(ローラ40)を形成し、前面部7の背面を第2当接部とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、前面部7側に第2突出部を形成し、媒体投入部9側に第2当接部を形成することは当然可能である。この場合も前面部7に対する媒体投入部9の軸方向の相対移動を規制できるからである。
第1実施の形態では、媒体投入部9側に第2突出部としてのローラ40を設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ローラ以外の他の第2突出部を採用することは当然可能である。他の第2突出部としては、例えば前面部7の背面に摺接される摺接部材等が挙げられる。
また、第1実施の形態では、第2突出部としてのローラ40が媒体投入部9の軸直角方向に突出する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、軸線cに交差する方向に突出していれば良い。この場合においても、ローラ40に当接可能な部位を前面部7側に設けることによって、媒体投入部9の軸方向の相対移動を規制できる。
第1実施の形態では、貫通孔20及び周壁部24が円形状に形成されると共に、媒体投入部30の投入部本体30及び筒部38の外形が円形状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の形状とすることは当然可能である。媒体投入部30の筒部38を貫通孔20が支持して軸線c回りを回動可能にする場合には、周壁部24及び投入部本体30の外形は、任意の形状に設定することが可能である。また、媒体投入部30の投入部本体30を周壁部24が支持して軸線c回りを回動可能にする場合には、貫通孔20及び筒部38の外形は、任意の形状に設定することが可能である。
また、媒体投入部30の筒部38を貫通孔20が支持する場合、媒体投入部30の投入部本体30を周壁部24が支持する場合であっても、貫通孔20や周壁部24を円形状に形成することは必ずしも必要ではない。貫通孔20や周壁部24に支持された媒体投入部30を軸線c回りに回動できれば良いので、貫通孔20や周壁部24は、内接円が存在するような内縁を有する形状(例えば三角形や星形等の多角形)を採用できる。
第1実施の形態では、周囲部21が第1領域22及び第2領域23の2つの領域に区画されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、3つ以上の領域に区画することは当然可能である。この場合も貫通孔20への媒体投入部30の装着ミスを防止できるような構成とすることが可能である。
第1実施の形態では、壁部26に係合突起部27が形成され、凸起部37に係止突起部37aが形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、壁部26に係止突起部37aを形成し、凸起部37に係合突起部27を形成することは当然可能である。この場合も同様の効果を実現できる。
第3実施の形態では、パネルの左右に設けられた第1スイッチ208、第2スイッチ209の機能が、媒体投入部220の位置によって切り換えられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1スイッチ208、第2スイッチ209の機能を切換不能とすることは当然可能である。その場合、第1スイッチ208、第2スイッチ209の一方をベットスイッチとして機能させ、第1スイッチ208、第2スイッチ209の他方をスタートレバー(スタートスイッチ)によって機能させる。
また、第1スイッチ208及び第2スイッチ209をベットスイッチとして機能させ、これらとは別にスタートレバーを設けるようにすることは可能である。これにより、遊技者は媒体投入部220の位置を好みに合わせて左右に変えるだけでなく、幅方向両側(左右)に配置された第1スイッチ208、第2スイッチ209のいずれかをベットスイッチとして操作できる。例えば、遊技者の利き手が右手である場合には、下パネル206に向かって右側に媒体投入部220を移動させ、左手で第2スイッチ209を操作し、利き手が左手である場合には、下パネル206に向かって左側に媒体投入部220を移動させ、右手で第1スイッチ208を操作できる。これにより遊技者の操作性を向上できる。
第3実施の形態では、媒体投入部220と貫通孔210とが係合され、貫通孔210に対する媒体投入部220の位置固定がされる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の部位の係合によって貫通孔210に対する媒体投入部220の位置固定をすることは当然可能である。他の部位としては、例えば第2前面部108及び板部材131、ピン133及び環状軌道111等を挙げることができる。これらの部位における係合やラッチ機構、クランプ機構等によって位置固定をすることが可能である。
また、第3実施の形態で説明した媒体投入部220と貫通孔210との係合によって貫通孔210に対する媒体投入部220の位置固定をする構成を、第2実施の形態に適用することは当然可能である。また、その構成を、貫通孔に対して媒体投入部がスライド移動する他の実施形態に適用することは当然可能である。さらにラッチ機構、クランプ機構等によって位置固定をする構成を採用することも当然可能である。
第4実施の形態では、帯状に形成された巻取り式の閉鎖部材320a,321aによって貫通孔309,311が閉鎖される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の閉鎖部材を採用することは当然可能である。他の閉鎖部材としては、例えば複数枚の板材が重ね合わされるスライド式の部材、伸縮可能に形成されるジャバラ等を挙げられる。
なお、上記の各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上記実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技者に対面する前面部にスリット状に形成された投入口を備え、その投入口から円板状の遊技媒体が投入されて遊技が行われる遊技機において、前記前面部に貫通形成される貫通孔と、その貫通孔に取着されて前記前面部の表面側に所定部が当接しつつ軸線回りに回動可能とされると共に前記投入口が形成される媒体投入部と、前記媒体投入部の下部に配設され前記投入口と連通し前記遊技媒体を流下させる案内通路と、前記前面部または前記媒体投入部の一方に設けられ突出する第1突出部と、前記前面部または前記媒体投入部の他方に形成され前記第1突出部と当接して前記前面部に対する前記媒体投入部の所定の角度以上の回動を規制する第1当接部と、前記前面部の背面側において前記前面部または前記媒体投入部の一方の軸線に交差する方向に突出する第2突出部と、前記前面部または前記媒体投入部の他方に形成され前記第2突出部と当接して前記前面部に対する前記媒体投入部の軸線方向の移動を規制する第2当接部とを備えていることを特徴とする遊技機1。
なお、第1突出部や第2突出部は、媒体投入部や前面部と一体に形成されていても良いし、媒体投入部や前面部とは別部材として形成して媒体投入部や前面部に取着しても良い。
遊技機1によれば、遊技媒体の投入口が形成された媒体投入部が、前面部に貫通形成された貫通孔に回動可能に取着されるので、遊技者は、媒体投入部を軸線回りに回動することで、投入口の向きを遊技者に対して任意の角度に傾けて遊技を行うことができる。
また、前面部または媒体投入部の一方に第1突出部が突出され、その第1突出部と第1当接部とが当接して前面部に対する媒体投入部の所定の角度以上の回動が規制される。一方、媒体投入部は所定部が前面部の表面側に当接すると共に、前面部の背面側において媒体投入部または前面部の一方の軸線に交差する方向に第2突出部が突出し、前面部または媒体当接部の他方に第2突出部と当接する第2当接部が形成されるので、前面部に対する媒体投入部の軸線方向の移動が規制される。これにより、媒体投入部が貫通孔から抜けたりガタついたりすることなく媒体投入部を軸線回りに回動できると共に、媒体投入部の軸方向の移動が規制されることで、第1突出部と第1当接部とが当接できなくなることを防止できる。
ここで、第1突出部と第1当接部とが当接できなくなると媒体投入部が自由に回動できるようになる。その場合、媒体投入部の下部に配設された案内通路の両端が固定されている場合には、案内通路が捩れて案内通路が破損したり、案内通路が捩れることで案内通路が閉塞して遊技媒体が案内通路内で詰まったりするおそれがある。また、案内通路の上端が媒体投入部に固定されて下端が開放されている場合には、媒体投入部と一体に案内通路が回動するので、案内通路の捩れは防止できる。しかし、開放された案内通路の下端から流下する遊技媒体の取り得る軌跡は、媒体投入部の回動に伴って円筒状となるので、案内通路の下流に配設されたセレクタに遊技媒体を縦向きに導入できるように、セレクタと案内通路との間(案内通路の下流)に、遊技媒体の向きを変える新たな機構を設ける必要がある。また、このような機構によって遊技媒体の向きを変える場合には、その機構内で遊技媒体が詰まったりする不具合が生じ易い。
これに対し遊技機1によれば、前面部に対する媒体投入部の所定の角度以上の回動を確実に規制できるので、遊技媒体の向きを変える機構を新たに設けなくても、セレクタに遊技媒体を縦向きに導入することが可能である。その結果、案内通路が破損したり遊技媒体が通路内で詰まったりすることを防止できる効果がある。
遊技機1において、前記第2突出部は、前記媒体投入部に軸支され前記媒体投入部の回動によって前記前面部の背面を転動する転動体であることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、遊技機1の奏する効果に加え、遊技機を組み立てるときには、媒体投入部を貫通孔に装着した後、転動体を媒体投入部に取り付けることができるので、媒体投入部を前面部に取り付ける際の取り付け作業性を向上できる効果がある。さらに、媒体投入部に軸支された転動体が媒体投入部の回動によって前面部の背面を転動するので、スムーズに媒体投入部を回動させることができ、操作性を向上できる効果がある。
遊技機1又は2において、前記媒体投入部は、前記投入口の長手方向の背面を形成し前記投入口の上方に延出する背部と、その背部から前方に向かうにつれ、漸次下降する上に凸の曲線により側面視における上縁が形成される後方曲面部と、その後方曲面部から前方に向かうにつれ、漸次下降する下に凸の曲線により側面視における上縁が形成される前方曲面部と、前記後方曲面部に形成され前記投入口に連続する断面円弧状のガイド溝部とを備えていることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、投入口の長手方向の背面を形成する背部が投入口の上方に延出し、その背部から前方に向かうにつれ漸次下降する上に凸の曲線により側面視における上縁が後方曲面部により形成され、その後方曲面部を通過して投入口に連続する断面円弧状のガイド溝部が形成される。遊技者は、複数枚の遊技媒体を縦置きに並べた状態でガイド溝部に載置し、指で最後尾に位置する遊技媒体を押せば、遊技媒体がガイド溝部にガイドされつつ投入口に誘導される。そして、最前列に位置する遊技媒体から順次投入口へ投入される。後方曲面部は、側面視における上縁が、背部から前方に向かうにつれ漸次下降する上に凸の曲線により形成されているので、遊技者の手に馴染み易くできる。
また、媒体投入部は、後方曲面部から前方に向かうにつれ漸次下降する下に凸の曲線により側面視における上縁が形成されているので、貫通孔に装着された媒体投入部を回動して遊技者に対するガイド溝部の角度を調整した場合であっても、前方曲面部が、ガイド溝部に遊技媒体を載置する障害になり難い。これにより遊技機1又は2の奏する効果に加え、遊技者にストレスを与え難くできる効果がある。
遊技者に対面する前面部にスリット状に形成された投入口を備え、その投入口から円板状の遊技媒体が投入されて遊技が行われる遊技機において、前記前面部の表面から背面に亘って貫通形成される貫通孔と、その貫通孔の周囲の前記前面部の表面側に前記貫通孔に連通して形成される周囲部と、その周囲部の外縁から前記表面に向かって形成される周壁部と、その周壁部の内側に外周を位置させつつ前記周囲部に所定部を当接させて取着され軸線回りに回動可能とされると共に前記投入口が形成される媒体投入部と、その媒体投入部または前記前面部の一方の軸線と交差する方向に突出する第2突出部と、前記媒体投入部または前記前面部の他方に形成され前記第2突出部と当接して前記前面部に対する前記媒体投入部の軸線方向の移動を規制する第2当接部とを備えていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、遊技媒体の投入口が形成された媒体投入部が、前面部に貫通形成された貫通孔に回動可能に取着されるので、遊技者は、媒体投入部を軸線回りに回動することで、投入口の向きを遊技者に対して任意の角度に傾けて遊技を行うことができる。
また、貫通孔の周囲に遊技者側に面する周囲部が形成され、その周囲部の外縁から表面に向かって周壁部が形成される。その周壁部の内側に媒体投入部の外周を位置させると共に媒体投入部の所定部を周囲部に当接させて、媒体投入部が軸線回りに回動可能とされる。媒体投入部または前面部の一方の軸線と交差する方向に第2突出部が突出し、媒体投入部または前面部の他方に第2突出部と当接する第2当接部が形成されるので、前面部に対する媒体投入部の軸線方向の移動が規制される。これにより、媒体投入部の所定部および周囲部を密接させることができる。さらに、周壁部に対して周囲部が屈曲しているので、媒体投入部と前面部との境目から遊技機の内部に不正にアクセスすることを困難にできる。よって、媒体投入部からの不正行為に対する抑止力を高められる効果がある。
遊技機4において、前記周囲部は、周方向に区画された少なくとも2つの領域を備え、それらの領域の内の一の領域の軸方向端面は他の領域の軸方向端面より前記前面部の表面側近くに形成され、前記媒体投入部の軸方向端部は、軸方向に向かって所定部に突設される凸起部を備え、前記媒体投入部が前記貫通孔に装着されて前記媒体投入部の軸方向端部が前記周囲部に形成された一の領域の軸方向端面に当接する場合に、前記凸起部は、前記周囲部に形成された他の領域の軸方向端面に当接することを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、周囲部の周方向に区画された少なくとも2つの領域の内の一の領域の軸方向端面は他の領域の軸方向端面より前面部の表面側近くに形成されており、媒体投入部が正しく貫通孔に装着された場合には、周囲部に形成された一の領域の軸方向端面に媒体投入部の軸方向端部が当接し、他の領域の軸方向端面に媒体投入部の所定部に軸方向に向かって突設された凸起部が当接する。
これに対し、遊技機を組み立てる作業者が、媒体投入部の前後の向きを間違えて貫通孔に装着しようとした場合には、周囲部に形成された他の領域の軸方向端面に媒体投入部の軸方向端部が当接し、一の領域の軸方向端面に媒体投入部の所定部に突設された凸起部が当接する。周囲部の一の領域の軸方向端面は、他の領域の軸方向端面より前面部の表面側近くに形成されているので、一の領域の軸方向端面に凸起部が当接すると、媒体投入部の軸方向端部が周囲部から浮き上がってしまう。その結果、作業者は、前後の向きを間違えて媒体投入部を貫通孔に装着しようとしたことを発見できる。よって、遊技機4の奏する効果に加え、遊技機の組立て間違いを未然に防止できる効果がある。
遊技機3において、前記周囲部は、内縁の異なる複数箇所から前記周壁部に向かって一部が窪んだ窪部と、その窪部間の周囲部の軸方向端面に立設された壁部と、その壁部の側面に回転方向に沿って形成された凹凸状に連なる係合突起部とを備え、前記媒体投入部は、前記壁部の側面と相対して前記係合突起部と係合し前記前面部に対する前記媒体投入部の位置決めをする係止突起部を備えていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、周囲部に内縁の異なる複数箇所から周壁部に向かって窪部が形成されることで、その窪部間の周囲部の剛性を小さくすることができ撓み易くできる。撓み易くした周囲部に壁部が立設され、その壁部の側面に回転方向に沿って凹凸状の係合突起部が形成される。その係合突起部に係合する係止突起部が、壁部の側面と相対する媒体投入部に形成されるので、前面部に対する媒体投入部の位置決めをすることができる。撓み易くした周囲部に壁部が立設され、その壁部に係合突起部が形成されているので、遊技機3の奏する効果に加え、媒体投入部を回動させて係合突起部と係止突起部との係合位置を変えるときに、周囲部が撓むことで適度なクリック感が得られる効果がある。さらに、周囲部が撓む反力によって係合突起部と係止突起部との係合を確実に行うことができる効果がある。
遊技者に対面する前面部にスリット状に形成された投入口を備え、その投入口から円板状の遊技媒体が投入されて遊技が行われる遊技機において、前記前面部に貫通形成される貫通孔と、その貫通孔に取着されて軸線回りに回動可能とされると共に前記投入口が形成される媒体投入部と、前記媒体投入部の下部に上端が接続され前記投入口と連通し前記遊技媒体を流下させる案内通路とを備え、その案内通路は、柔軟な部材によって形成される少なくとも2つの案内部により形成され、それら案内部は、軸線回りの所定の角度以上の回動が規制された状態で軸線方向に沿って所定の間隔をあけて配置され、起立した状態で流下する前記遊技媒体の長手方向両端をそれぞれ受け入れる溝部を備えていることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、遊技媒体の投入口が形成された媒体投入部が、前面部に貫通形成された貫通孔に回動可能に取着されるので、遊技者は、媒体投入部を軸線回りに回動することで、投入口の向きを遊技者に対して任意の角度に傾けて遊技を行うことができる。
また、案内通路を形成する少なくとも2つの案内部は柔軟な部材によって形成されるので、媒体投入部を回動した場合に案内部が変形して捻られる。変形する複数の案内部は、軸線方向に沿って所定の間隔をあけて配置され、起立した状態で流下する遊技媒体の長手方向両端を溝部がそれぞれ受け入れるので、案内通路の構造を簡素化できると共に、案内部が変形した場合であっても、遊技媒体の通路が閉塞されることを防止しつつ遊技媒体を起立した状態でスムーズに流下させることができる効果がある。なお、柔軟な部材は、柔軟で弾性(又は可撓性)を有し耐疲労性に優れる部材である。
遊技機7において、前記溝部は、流下する前記遊技媒体の厚さ方向に対して下方に向かうにつれて漸次幅狭に形成されていることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、流下する遊技媒体の厚さ方向に対して、遊技媒体を受け入れる溝部が、下方に向かうにつれて漸次幅狭に形成されているので、溝部の下流に向かうにつれて遊技媒体の挙動を整えることができる。これにより遊技機7の奏する効果に加え、案内通路の下流の通路内で遊技媒体を詰まり難くできる効果がある。
遊技者に対面する前面部にスリット状に形成された投入口を備え、その投入口から円板状の遊技媒体が投入されて遊技が行われる遊技機において、前記投入口が、前記前面部の幅方向に移動可能に形成されていることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、前面部の幅方向に移動可能に形成された投入口により、遊技者は投入口の位置を好みに合わせて変えることができる。例えば、遊技者の利き手が右手である場合には、前面部に向かって右側に投入口を移動させ、利き手が左手である場合には、前面部に向かって左側に投入口を移動させることができる。遊技者は好みに応じて投入口の位置を調整することができ、快適に遊技できる効果がある。
遊技機9において、前記前面部の幅方向に長手方向が位置して貫通形成される横長の貫通孔と、その貫通孔に取着されてスライド可能に構成されると共に前記投入口が形成される媒体投入部と、その媒体投入部の下方に配設される案内通路とを備え、その案内通路は、前記媒体投入部が前記貫通孔に沿ってスライド可能な範囲に亘って開口した上部開口部と、その上部開口部から下方に向かうにつれて縮径した縮径部と、その縮径部の下方に連続して開口する下部開口部とを備え、その下部開口部、前記縮径部および前記上部開口部は平面視して横長に形成され、平面視における前記下部開口部、前記縮径部および前記上部開口部の長手方向は、前記前面部の幅方向および平面視における前記投入口の長手方向と同一方向に設定され、平面視における前記下部開口部、前記縮径部および前記上部開口部の短手方向の大きさは、前記下部開口部、前記縮径部および前記上部開口部内で重力方向を回転軸として前記遊技媒体を回転不能とするように設定されていることを特徴とする遊技機10。
遊技機10によれば、前面部に貫通形成される横長の貫通孔は、前面部の幅方向に長手方向が位置する。その貫通孔に媒体投入部が取着されてスライド可能に構成され、その媒体投入部に投入口が形成される。媒体投入部の下方に案内通路が配設され、その案内通路の上部開口部が、媒体投入部が貫通孔に沿ってスライド可能な範囲に亘って開口するので、投入口から投入された遊技媒体を受け入れ、受け入れた遊技媒体を、上部開口部から下方に向かうにつれて縮径した縮径部および下部開口部に沿って流下させることができる。
その下部開口部、縮径部および上部開口部は平面視して横長に形成され、平面視における下部開口部、縮径部および上部開口部の長手方向は、前面部の幅方向および平面視における投入口の長手方向と同一方向に設定されている。また、平面視における下部開口部、縮径部および上部開口部の短手方向の大きさは、下部開口部、縮径部および上部開口部内で重力方向を回転軸として遊技媒体を回転不能とするように設定されているので、上部開口部、縮径部および下部開口部を遊技媒体がスムーズに流下するようにできる。
ここで、下部開口部、縮径部および上部開口部の短手方向を、下部開口部、縮径部および上部開口部内で重力方向を回転軸として遊技媒体を回転できるような大きさにした場合には、案内通路の下流に、遊技媒体の向きを変える機構を新たに設ける必要がある。また、遊技媒体が通路内で詰まり易くなるおそれも生じる。これに対し遊技機10によれば、遊技機9の奏する効果に加え、遊技媒体の向きを変える機構を、案内通路の下流に新たに設ける必要がなく、さらに遊技媒体を通路内で詰まり難くできる効果がある。
遊技機10において、前記下部開口部は、前記縮径部の幅方向の略中央に開口していることを特徴とする遊技機11。
遊技機11によれば、縮径部の幅方向の略中央に開口する下部開口部により、幅方向左右の位置から縮径部に沿って流下し下部開口部に至る幅方向(左右方向)の移動距離を平均化できる。その結果、遊技機10の奏する効果に加え、案内通路内で遊技媒体を詰まり難くできる効果がある。
遊技機9において、前記前面部の幅方向に長手方向が位置して貫通形成される横長の貫通孔と、その貫通孔に取着されてスライド可能に構成されると共に前記投入口が形成される媒体投入部と、その媒体投入部または前記貫通孔の一方の側面に移動方向に沿って形成された凹凸状に連なる係合突起部と、その係合突起部と相対して前記媒体投入部または前記貫通孔の他方に形成され前記係合突起部と係合し前記貫通孔に対する前記媒体投入部の位置決めをする係止突起部とを備えていることを特徴とする遊技機12。
遊技機12によれば、前面部に横長の貫通孔が貫通形成され、その貫通孔は長手方向が前面部の幅方向に位置する。その横長の貫通孔に媒体投入部がスライド可能に取着され、その媒体投入部に投入口が形成される。媒体投入部または貫通孔の一方の側面に移動方向に沿って凹凸状に連なる係合突起部が形成され、その係合突起部と相対して媒体投入部または貫通孔の他方に係合突起部と係合し貫通孔に対する媒体投入部の位置決めをする係止突起部が形成されているので、遊技中に投入口が意図せずに移動してしまうことを防止できる。これにより遊技機9の奏する効果に加え、遊技者の快適性を向上できる効果がある。
遊技機9において、前記前面部の幅方向に長手方向が位置して貫通形成される横長の貫通孔と、その貫通孔に取着されてスライド可能に構成されると共に前記投入口が形成される媒体投入部と、その媒体投入部のスライド移動につれて可動し前記貫通孔を閉鎖する閉鎖手段とを備えていることを特徴とする遊技機13。
遊技機13によれば、前面部に横長の貫通孔が貫通形成され、その貫通孔は長手方向が前面部の幅方向に位置する。その横長の貫通孔に媒体投入部がスライド可能に取着され、その媒体投入部に投入口が形成される。遊技機の内部に貫通孔から不正にアクセスされるおそれがあるが、媒体投入部のスライド移動につれて可動する閉鎖手段によって貫通孔が閉鎖されるので、遊技機9の奏する効果に加え、貫通孔からの不正行為に対する抑止力を高められる効果がある。
遊技機13において、閉鎖手段は、列設された複数の板部材と、その複数の板部材および前記媒体投入部を無端状に連結するピンとを備え、前記板部材の移動方向と直交する方向の幅は、前記貫通孔の短手方向の幅より大きく設定され、前記貫通孔は、前記複数の板部材の一部および前記媒体投入部により閉鎖されていることを特徴とする遊技機14。
遊技機14によれば、列設された複数の板部材は媒体投入部と共にピンによって無端状に連結される。貫通孔の短手方向の幅より、板部材の移動方向と直交する方向の幅が大きく設定され、複数の板部材の一部および媒体投入部により貫通孔が閉鎖される。これにより遊技機13の奏する効果に加え、媒体投入部のスライド移動につれて無端状に連結された板部材を移動させることができるので、その板部材によって貫通孔を安定に閉鎖できる効果がある。
遊技機14において、前記ピンは、その軸方向端部が前記板部材から突出し、前記前面部は、前記貫通孔に連設されその貫通孔を軌道の一部とする環状軌道を備え、その環状軌道に前記ピンの軸方向端部が案内されることを特徴とする遊技機15。
遊技機15によれば、ピンの軸方向端部が板部材から突出する。そのピンの軸方向端部が、貫通孔を軌道の一部とする環状軌道により案内されるので、板部材をスムーズに移動させることができ、遊技機14の奏する効果に加え、媒体投入部をスライド移動させる遊技者の操作性を向上できる効果がある。さらに、貫通孔を軌道の一部とする環状軌道によってピンの軸方向端部が案内されることで、貫通孔に対して板部材の位置をずれ難くすることができ、貫通孔を確実に閉鎖できる効果がある。
遊技機9において、前記投入口は、その長手方向の角度を、前記前面部の幅方向に対して変更可能に形成されていることを特徴とする遊技機16。
遊技機16によれば、投入口は、その長手方向の角度を、前面部の幅方向に対して変更可能に形成されているので、遊技者は好みに応じて投入口の角度を調整できる。例えば、遊技者の利き手に応じて投入口の角度を調整することにより、遊技者はより自然な姿勢で投入口に遊技媒体を投入できる。また、投入口の角度を調整できるので、投入口をスライド移動できる範囲が小さくても、遊技機9の奏する効果に加え、遊技者に対して、好みに合わせて投入口を調整できる自由度を大きくできる。一方、遊技機に対しては、投入口をスライド移動できる範囲を小さくできるので、投入口をスライドさせるために前面部に必要な空間(空きスペース)を小さくできる。その結果、種々のスイッチやレバー等を前面部に配置するスペースを確保することができ、遊技機9の奏する効果に加え、前面部に対する設計の自由度を向上できる効果がある。
遊技機9において、遊技の賭数を設定するために操作される賭数設定手段を備え、その賭数設定手段は、前記前面部の幅方向両側にそれぞれ配置されていることを特徴とする遊技機17。
遊技機17によれば、遊技の賭数を設定するために操作される賭数設定手段が、前面部の幅方向両側にそれぞれ配置されているので、遊技者は投入口の位置を好みに合わせて左右に変えるだけでなく、幅方向両側(左右)に配置された賭数設定手段のいずれかを操作できる。例えば、遊技者の利き手が右手である場合には、前面部に向かって右側に投入口を移動させ、左手で賭数設定手段を操作し、利き手が左手である場合には、前面部に向かって左側に投入口を移動させ、右手で賭数設定手段を操作できる。これにより遊技機9の奏する効果に加え、さらに遊技者の快適性を向上できる効果がある。
遊技機9において、遊技の賭数を設定するために操作される賭数設定手段を備え、その賭数設定手段は、前記前面部の幅方向に移動可能に形成されていることを特徴とする遊技機18。
遊技機18によれば、遊技の賭数を設定するために操作される賭数設定手段が、前面部の幅方向に移動可能に形成されているので、遊技者は投入口の位置を好みに合わせて左右に変えるだけでなく、賭数設定手段の位置を好みに応じて変えることができる。例えば、遊技者の利き手が右手である場合には、前面部に向かって右側に投入口を移動させる一方、左側に賭数設定手段を移動させ、利き手が左手である場合には、前面部に向かって左側に投入口を移動させる一方、右側に賭数設定手段を移動できる。また、前面部の幅方向における投入口と賭数設定手段との間隔も調整できる。これにより遊技機9の奏する効果に加え、さらに遊技者の快適性を向上できる効果がある。
遊技機18において、前記投入口の移動と、前記賭数設定手段の移動とが連係していることを特徴とする遊技機19。
遊技機19によれば、投入口の移動と賭数設定手段の移動とが連係しているので、投入口または賭数設定手段の一方を移動させると、投入口または賭数設定手段の他方を移動させることができる。これにより遊技機18の奏する効果に加え、投入口および賭数設定手段を遊技者が別個に移動させる手間を省くことができ、遊技者の負担を軽減できる効果がある。
遊技機9において、遊技者に視認可能に形成された複数の絵柄の変動を開始させるべく操作される始動操作手段を備え、その始動操作手段は、前記前面部の幅方向両側にそれぞれ配置されていることを特徴とする遊技機20。
遊技機20によれば、遊技者に視認可能に形成された複数の絵柄の変動を開始させるべく操作される始動操作手段が、前面部の幅方向両側にそれぞれ配置されているので、遊技者は投入口の位置を好みに合わせて左右に変えるだけでなく、幅方向両側(左右)に配置された始動操作手段のいずれかを操作できる。例えば、遊技者の利き手が右手である場合には、前面部に向かって右側に投入口を移動させ、左手で始動操作手段を操作し、利き手が左手である場合には、前面部に向かって左側に投入口を移動させ、右手で始動操作手段を操作できる。これにより遊技機9の奏する効果に加え、さらに遊技者の快適性を向上できる効果がある。
遊技機9において、遊技者に視認可能に形成された複数の絵柄の変動を開始させるべく操作される始動操作手段を備え、その始動操作手段は、前記前面部の幅方向に移動可能に形成されていることを特徴とする遊技機21。
遊技機21によれば、遊技者に視認可能に形成された複数の絵柄の変動を開始させるべく操作される始動操作手段が、前面部の幅方向に移動可能に形成されているので、遊技者は投入口の位置を好みに合わせて左右に変えるだけでなく、始動開始手段の位置を好みに応じて変えることができる。例えば、遊技者の利き手が右手である場合には、前面部に向かって右側に投入口を移動させる一方、左側に始動開始手段を移動させ、利き手が左手である場合には、前面部に向かって左側に投入口を移動させる一方、右側に始動開始手段を移動できる。また、前面部の幅方向における投入口と始動開始手段との間隔も調整できる。これにより遊技機9の奏する効果に加え、さらに遊技者の快適性を向上できる効果がある。
遊技機21において、前記投入口の移動と、前記始動開始手段の移動とが連係していることを特徴とする遊技機22。
遊技機22によれば、投入口の移動と始動開始手段の移動とが連係しているので、投入口または始動開始手段の一方を移動させると、投入口または始動開始手段の他方を移動させることができる。これにより遊技機21の奏する効果に加え、投入口および始動開始手段を遊技者が別個に移動させる手間を省くことができ、遊技者の負担を軽減できる効果がある。
遊技機9において、前記前面部の幅方向両側にそれぞれ配置され、遊技者によって操作される少なくとも2つの手段を備え、その2つの手段は、遊技者に視認可能に形成された複数の絵柄の変動を開始させるべく操作される始動操作手段として機能できるように構成され、その2つの手段のうち、一方の手段の機能を停止させ、他方の手段を機能させるように設定する機能設定手段を備えていることを特徴とする遊技機23。
遊技機23によれば、前面部の幅方向両側にそれぞれ配置された手段の機能が、機能設定手段により、一方の手段の機能を停止させ、他方の手段を機能させるように設定されるので、遊技者によって意図せずに一方の手段が操作されてしまうことを防止できる。例えば、遊技者の利き手が右手である場合には、前面部に向かって右側に投入口を移動させる一方、右側の手段の機能を機能設定手段により停止させることができる。また、遊技者の利き手が左手である場合には、前面部に向かって左側に投入口を移動させる一方、左側の始動開始手段の機能を機能設定手段により停止させることができる。その結果、遊技媒体を投入する側の手指で始動開始手段が操作されてしまうことを防止できる。これにより遊技機20の奏する効果に加え、遊技者の意図に反して遊技機が動作することを防止できる効果がある。
遊技機23において、前記機能設定手段による機能の設定は、前記投入口の位置に基づいて行われるものであることを特徴とする遊技機24。
遊技機24によれば、機能設定手段による機能の設定は投入口の位置に基づいて行われるので、遊技者は、投入口の位置によって、遊技媒体の投入し易さ及び始動操作手段の操作のし易さを選択できる。これにより遊技機23の奏する効果に加え、遊技者の選択の自由度を拡大することができ、遊技者の快適性を向上できる効果がある。
遊技機24において、前記機能設定手段は、前記投入口に近い側の手段の機能を停止させ、前記投入口から遠い側の手段を機能させるように設定することを特徴とする遊技機25。
遊技機25によれば、機能設定手段により、投入口に近い側の手段は機能が停止され、投入口から遠い側の手段は機能するように設定されるので、遊技者は、遊技媒体を投入した手と反対側の手で操作される手段を、始動操作手段として機能させるように設定できる。その設定は投入口の位置に基づいて行われるものであり、遊技者は個別に設定する必要がないので、遊技機24の奏する効果に加え、遊技者の操作性を向上できる効果がある。
遊技者に対面する前面部にスリット状に形成された投入口を備え、その投入口から円板状の遊技媒体が投入されて遊技が行われる遊技機において、前記投入口は、前記前面部の幅方向の複数箇所に形成されていることを特徴とする遊技機26。
遊技機26によれば、前面部の幅方向の複数箇所に形成された投入口により、遊技者は好みの位置に形成された投入口から遊技媒体を投入できる。例えば、遊技者の利き手が右手である場合には、前面部に向かって右側に形成された投入口から遊技媒体を投入し、利き手が左手である場合には、前面部に向かって左側に形成された投入口から遊技媒体を投入できる。遊技者は好みに応じて投入口の位置を選択することができ、遊技の快適性を向上できる効果がある。
遊技者に対面する前面部にスリット状に形成された投入口を備え、その投入口から円板状の遊技媒体が投入されて遊技が行われる遊技機において、前記投入口は、前記前面部に突設される媒体投入部に形成され、その媒体投入部は、前記投入口の長手方向の背面を形成し前記投入口の上方に延出する背部と、その背部の前方側に形成され前記投入口に連続する断面円弧状のガイド溝部とを備え、前記媒体投入部は、前記背部の仰角を調整可能に形成されていることを特徴とする遊技機27。
遊技機27によれば、投入口が形成された媒体投入部が前面部に突設され、その媒体投入部は、投入口の長手方向の背面を形成し投入口の上方に延出する背部と、その背部の前方側に形成され投入口に連続する断面円弧状のガイド溝部とを備えている。媒体投入部の背部の仰角を調整することによって、遊技者は好みに応じて背部の仰角を調整することができ、遊技の快適性を向上できる効果がある。