JP2013177842A - バルブガイド圧入装置 - Google Patents

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敏之 千田
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Abstract

【課題】シリンダヘッド対するバルブガイドの誤圧入を防止する。
【解決手段】一端側の外周面に凹部101を有すると共に他端側の外周面にテーパ部102を有するバルブガイド100を、シリンダヘッドHに圧入するためのバルブガイド圧入装置であって、バルブガイド100に上方から当接する当接部31と、バルブガイド100を内周に保持する保持部43と、保持部43の下端から内径向きに突出し、バルブガイド100の凹部101に外周から入り込んでバルブガイドを係止する係止部43bとを備え、バルブガイド100の一端を当接部31に当接させた状態では、係止部43bが凹部101に外周から入り込み、バルブガイド100の他端を当接部31に当接させた状態では、係止部43bがテーパ部102の外周に配されるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、バルブガイド圧入装置に関する。
エンジンのシリンダヘッドには、バルブを摺動支持するバルブガイドが組み付けられる。例えば、特許文献1には、圧入ホルダでバルブガイドの外周を保持して、シリンダヘッドのバルブガイド穴に圧入する圧入装置が示されている。
特開平08−284623号公報
ところで、バルブガイドは、単なる円筒形状ではなく、上下方向で非対称な形状をなしている。具体的には、図7に示すように、バルブガイド100の一端側の外周面には、図示しないオイルシールが嵌合する凹部101が形成されており、また、他端側の外周面には、シリンダヘッドに圧入する際のガイドとして、先端に向けて径が細くなるテーパ部102が形成されている。
このため、バルブガイド100は、正しい向き、すなわちテーパ部102を下向きにした状態でシリンダヘッドに組み付ける必要がある。しかし、上記特許文献1の圧入装置では、バルブガイド100のテーパ部102が上向きの状態であっても圧入ホルダでテーパ部102を保持し得るため、バルブガイド100を上下逆向きに組み付けてしまうおそれがある。このような誤組み付けが生じた場合には、オイルシール等の他部材が組み付けられなくなるため、製造不良となってしまう。バルブガイド100の誤組み付けが生じたことは、後の工程ではじめて気付くことが多く、それまでに組み付けた部材を取り外す必要が生じるため、生産性が著しく低下する。また、バルブガイド100を取り外すことができない場合にはシリンダヘッドを廃棄せざるを得ないため、製造品の歩留まりが悪化する。
上記の問題に鑑みて、本発明が解決すべき技術的課題は、シリンダヘッドへのバルブガイドの誤圧入を防止することができるバルブガイド圧入装置を提供し、もってシリンダヘッドの生産性の低下及び歩留まりの悪化を回避することにある。
上記の課題を解決するためになされた本発明に係るバルブガイド圧入装置は、一端側の外周面に凹部を有し、他端側の外周面にテーパ部を有するバルブガイドを、シリンダヘッドに圧入するためのバルブガイド圧入装置であって、バルブガイドに上方から当接する当接部と、バルブガイドを内周に保持する保持部と、保持部の下端から内径向きに突出し、バルブガイドの凹部に外周から入り込んでバルブガイドを係止する係止部とを備え、バルブガイドの一端を当接部に当接させた状態では、係止部が凹部に外周から入り込み、バルブガイドの他端を当接部に当接させた状態では、係止部がテーパ部の外周に配されるようにした。
上記のバルブガイド圧入装置によりバルブガイドを正しい向きで保持した場合、すなわち、バルブガイドの一端を保持部で保持した場合、係止部が凹部に外周から入り込んでバルブガイドを係止することにより、バルブガイドの落下が防止される。一方、上記のバルブガイド圧入装置によりバルブガイドを誤った向きで保持した場合、すなわち、バルブガイドの他端を保持部で保持した場合、係止部がテーパ部の外周に配されるため、係止部とバルブガイドとが軸方向に係合することはなく、バルブガイドが係止部で係止されずに落下する。以上のように、本発明に係るバルブガイド圧入装置は、バルブガイドが正しい向きの場合にのみこれを保持可能とし、バルブガイドが逆向きの場合には保持できないようにした。
ところで、バルブガイドのテーパ部の軸方向寸法が短い場合には、バルブガイドの他端を当接部に当接させたときに係止部がテーパ部よりも下方に配されてしまい、係止部をテーパ部の外周に配することができない恐れがある。そこで、当接部に、平坦面と、平坦面の内径端から下方に突出した突起とを設け、当接面にバルブガイドの他端を当接させた状態では、突起をバルブガイドの他端側の端面に当接させれば、平坦面とバルブガイドの他端側の端面との間に上下方向の隙間が形成され、バルブガイドを下方に押し下げることができる。これにより、バルブガイドのテーパ部が短い場合でも、係止部をテーパ部の外径側に配することが可能となる。
この場合、バルブガイドの一端を当接部に当接させたとき、突起がバルブガイドの一端側の端面に当接してバルブガイドが下方に押し下げられると、係止部をバルブガイドの凹部の軸方向領域に配することができない恐れがある。そこで、バルブガイドの一端側の端面の内周端に設けられた面取り部に突起を入り込ませれば、当接部の平坦面とバルブガイドの端面とを当接させることができるため、バルブガイドが押し下げられることはなく、係止部を凹部の軸方向領域に配することが可能となる。
以上のように、本発明に係るバルブガイド圧入装置によれば、シリンダヘッドへのバルブガイドの誤圧入を防止することができるため、シリンダヘッドの生産性の低下及び歩留まりの悪化を回避することができる。
本発明の実施形態に係るバルブガイド圧入装置の保持機構の断面図であり、バルブガイドが正しい向きに装着された状態を示す。 図1の拡大断面図である。 上記の保持機構のホルダの斜視図である。 (a)及び(b)は、上記の保持機構にバルブガイドを装着する手順を示す断面図である。 上記のバルブガイド圧入装置の断面図であり、バルブガイドが逆向きに装着された状態を示す。 図5の拡大断面図である。 バルブガイドの断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態に係るバルブガイド圧入装置は、図1に示すように、バルブガイド100をシリンダヘッドHのバルブガイド穴H1に圧入する際に用いられるものである。バルブガイド100は、図7に示すように、バルブ(図示省略)を挿通するための貫通孔103を有する略円筒形状をなしている。バルブガイド100の一端側(図中上側)の外周面には、図示しないオイルシールを装着するための環状の凹部101が設けられる。バルブガイド100の他端側(図中下側)の外周面には、先端へ向けて縮径したテーパ部102が設けられる。バルブガイド100の一端側の端面105の内周端には面取り部106が設けられ、他端側の端面107には面取り部は設けられていない。
バルブガイド圧入装置は、図1に示すように、バルブガイド100を保持する保持機構10と、保持機構10を昇降駆動する駆動部(図示省略)とを備える。保持機構10は、ハウジング20と、ハウジング20の内周に設けられた押圧部材30及びホルダ40と、押圧部材30から下方に突出したガイドピン50とを有する。なお、以下の説明では、保持機構10に装着されたバルブガイド100の軸方向(図1の上下方向)を「軸方向」、軸方向と直交するバルブガイド100の径方向(図1の左右方向)を「径方向」と言う。
ハウジング20は、下端を開口した略円筒形状をなしている。ハウジング20の内周面21には、下端を開口した大径内周面21aと、大径内周面21aの上方に設けられ、大径内周面21aよりも僅かに小径な小径内周面21bとが設けられる。ハウジング20の外周面22の下端には、シリンダヘッドHのバルブガイド穴H1の上方に形成された凹部H2に嵌合する小径部22aが形成される。
押圧部材30は、円柱形状をなし、ハウジング20の内周に配置される。押圧部材30の下端31は、バルブガイド100に対して上方から当接する当接部として作用する。本実施形態においては、図2に示すように、押圧部材30の下端31に、平坦部31aと、平坦部31aの内径端から下方に突出した突起31bとが形成される。押圧部材30の下端31は、ハウジング20の下端よりも所定距離上方に配置される。この所定距離は、シリンダヘッドHにバルブガイド100を圧入した際に、シリンダヘッドHにおけるバルブガイド100の先端の突出量を決定する。
ガイドピン50は、押圧部材30の軸心に設けられた固定穴32に挿入され、押圧部材30の下端31から下方に突出した状態で固定される。図示例では、ガイドピン50がネジ60によって押圧部材30に固定される。ガイドピン50は、バルブガイド100に設けられた貫通孔103に挿嵌されて、バルブガイド100のホルダ40への装着をガイドする。ガイドピン50の外径は、貫通孔103の内径よりも僅かに小さい。ガイドピン50の下端には、先端に向けて小径となるテーパ面51が設けられる。ガイドピン50の下端は、ハウジング20の下端よりも下方向に突出している。
ホルダ40は、略円筒形状をなし、金属等の弾性材料で一体に形成される。ホルダ40は、周方向に連続した円筒部41と、拡径及び縮径可能な変形部42と、変形部42の下方に設けられ、バルブガイド100を内周に保持する保持部43とを有する。本実施形態では、図3に示すように、変形部42の円周方向複数箇所(例えば4箇所)に上下方向に延びるスリット44が設けられる。円筒部41は、ハウジング20の小径内周面21bと押圧部材30の外周面33との間に固定され、変形部42は、ハウジング20の大径内周面21aと押圧部材30の外周面33との間に配置される。ホルダ40の変形部42とハウジング20の大径内周面21aとの間には径方向の隙間α(図1参照)が形成され、これにより変形部42が外径側に弾性変形可能とされ、保持部43が拡径可能とされる。
保持部43は、変形部42の内周面42aよりも内径側に突出し、押圧部材30の下端とハウジング20の下端との上下方向間に位置する。保持部43は、図2に示すように、バルブガイド100の外周面を保持する円筒面43aと、円筒面43aの下方に設けられ、円筒面43aよりも内径向きに突出した係止部43bとを有する。本実施形態においては、保持部43の円筒面43aの内径は、バルブガイドWの一端側の円筒状外周面104の外径よりも僅かに小径である。
係止部43bは、バルブガイド100の凹部101に外周から入り込んでバルブガイド100を係止する。詳しくは、図2に示すように、係止部43bが、バルブガイド100の凹部101の一端側(図中上側)の内壁101aに下方から係合することにより、バルブガイド100が係止される。図示例では、保持部43の円筒面43aと係止部43bとの境界には、円周方向溝43cが設けられる。
以下、上記のバルブガイド圧入装置を用いて、シリンダヘッドHにバルブガイド100を圧入する手順を説明する。
まず、バルブガイド圧入装置の保持機構10にバルブガイド100を装着する。具体的には、図4(a)に示すように、バルブガイド100を、一端側を上向きにした状態で上昇させ、ガイドピン50をバルブガイド100の貫通孔103に挿入する。この状態でバルブガイド100をさらに上昇させ、図4(b)に示すように、バルブガイド100の一端側の円筒状外周面104をホルダ40の保持部43の係止部43bの内周に押し込む。このとき、ホルダ40の変形部42が外径側に弾性変形することで、係止部43bが拡径し、これにより係止部43bの内周にバルブガイド100を挿入することができる。
さらにバルブガイド100を上昇させると、図2に示すように、保持部43の係止部43bがバルブガイド100の凹部101の軸方向領域に配置され、変形部42が弾性復元することにより、係止部43bが縮径して凹部101に外周から入り込む。これにより、凹部101と係止部43bとが上下方向に係合可能とされると共に、保持部43の円筒面43aがバルブガイド100の円筒状外周面104を外周から押圧する。これと同時に、あるいはこの直後に、バルブガイド100の一端が押圧部材30の下端31(当接部)に当接する。詳しくは、図2に示すように、押圧部材30の下端31の平坦部31aがバルブガイド100の一端側の端面105に当接すると共に、押圧部材30の下端31の突起31bがバルブガイド100の内周端の面取り部106に入り込む。以上により、バルブガイド圧入装置の保持機構10へのバルブガイド100の装着が完了する。
その後、図示しない駆動部で保持機構10及びバルブガイド100を下方に押し込み、バルブガイド100をシリンダヘッドHのバルブガイド穴H1に圧入する。このとき、係止部43bがバルブガイド100の凹部101に入り込んで両者が軸方向で係合することにより、バルブガイド100が落下する事態を確実に防止できる。
次に、バルブガイド100をバルブガイド圧入装置の保持機構10に装着する際に、上下の向きが逆である場合について説明する。バルブガイド100のテーパ部102を上向きにした状態で、上記と同様の手順で、貫通孔103にガイドピン50を挿入しながらバルブガイド100を上昇させ、バルブガイド100の他端側の端面107を押圧部材30の下端31(当接部)に当接させる(図5参照)。このとき、図6に示すように、ホルダ40の保持部43の係止部43bがバルブガイド100のテーパ部102の外周に配されるため、テーパ部102と係止部43bとは軸方向で係合しない。また、係止部43bが、バルブガイド100の円筒状外周面104よりも小径なテーパ部102の外周に配されることで、係止部43bはテーパ部102を外周から押圧せず、あるいは押圧するとしてもその力は非常に小さい。以上より、バルブガイド100は保持部43で保持されることなく、自重により落下する。
このとき、図6に示すように、本実施形態においては、押圧部材30の下端31に、突起31bを設け、この突起31bをバルブガイド100の他端側の端面107と当接させている。これにより、押圧部材30の下端31の平坦部31aとバルブガイド100の他端側の端面107との間に軸方向の隙間βが形成され、バルブガイド100が下方向に押し下げられる。そのため、バルブガイド100のテーパ部102の軸方向寸法が短い場合であっても、係止部43bを確実にテーパ部102の外周に配することが可能となる。
このように、本発明に係るバルブガイド圧入装置では、押圧部材30の下端31(当接部)と保持部43の係止部43bとの間の軸方向距離を調整し、バルブガイド100が正しい向きに装着された場合には保持部43に保持され、逆向きに装着された場合には保持部43に保持されずに落下させるようにした。これにより、上下逆向きの状態でバルブガイド100を保持することがないため、シリンダヘッドHへのバルブガイド100の誤圧入を防止できる。それによって、シリンダヘッドの生産性の低下及び歩留まりの悪化を回避することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態においては、押圧部材30の下端31に突起31bを設けたが、これに限られない。例えば、バルブガイド100の他端側の端面107が平坦部31aに当接した状態で、係止部43bをテーパ部102の外周に配することができる程度にテーパ部102の軸方向寸法が十分に長い場合には、突起31bを省略して押圧部材30の下端31全面を平坦にしてもよい。
また、上記の実施形態では、バルブガイド100が正しい向きで装着された場合に、バルブガイド100の一端側の円筒状外周面104を保持部43の円筒面43aで外周から押圧しているが、これに限られない。例えば、係止部43bとバルブガイド100の凹部101との係合のみでバルブガイド100を落下させることなく十分に保持できる場合には、バルブガイド100の一端側の外周面円筒状と保持部43の円筒面43aとの間に隙間が形成されてもよい。
さらに、バルブガイド圧入装置としては、作業者が装置を操作して手動で圧入するものであってもよく、ロッド支持部に上下方向に移動可能に支持されたロッドにパンチ部を設け、保持手段に保持されたバルブガイドの端部をパンチ部で押圧して圧入を行う自動圧入装置であってもよい。なお、その際に、保持手段及びパンチ部を複数設けることにより、バルブガイドを複数個保持して同時に圧入可能に構成してもよい。
30 押圧部材
31 下端(当接部)
40 ホルダ
43 保持部
43b 係止部
100 バルブガイド
101 凹部
102 テーパ部
H シリンダヘッド

Claims (2)

  1. 一端側の外周面に凹部を有すると共に他端側の外周面にテーパ部を有するバルブガイドを、シリンダヘッドに圧入するためのバルブガイド圧入装置であって、
    前記バルブガイドに上方から当接する当接部と、前記バルブガイドを内周に保持する保持部と、前記保持部の下端から内径向きに突出し、前記バルブガイドの凹部に外周から入り込んで前記バルブガイドを係止する係止部とを備え、
    前記バルブガイドの一端を前記当接部に当接させた状態では、前記係止部が前記凹部に外周から入り込み、前記バルブガイドの他端を前記当接部に当接させた状態では、前記係止部が前記テーパ部の外周に配されるようにしたバルブガイド圧入装置。
  2. 前記当接部に、平坦面と、前記平坦面の内径端から下方に突出した突起とを設け、
    前記当接部に前記バルブガイドの一端を当接させた状態では、前記平坦面が前記バルブガイドの一端側の端面に当接すると共に、前記バルブガイドの一端側の端面の内周端に設けられた面取り部に前記突起が入り込み、
    前記当接部に前記バルブガイドの他端を当接させた状態では、前記突起が前記バルブガイドの他端側の端面に当接すると共に、前記平坦面と前記バルブガイドの他端側の端面との間に隙間が形成されるようにした請求項1に記載のバルブガイド圧入装置。
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CN107009118A (zh) * 2017-05-24 2017-08-04 安徽江淮汽车集团股份有限公司 一种缸盖导管压装装置

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