JP2013177653A - 構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 頂面に金が成膜したままめっきにて金を充填するよりも、頂面にめっき液中の金が析出することを抑制しつつ、リフトオフを用いて頂面の金属膜を除去するよりもパーティクルの発生を抑制することができる、構造体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 構造体の製造方法は、凹部3と頂面7とを備える基板の、頂面に第1の金属膜8を、凹部の底面5に第2の金属膜18を、形成する工程と、第1の金属膜8に第1の絶縁膜12を形成する工程と、第2の金属膜18をシードとするめっきにより凹部内の空間の少なくとも一部に金属を充填する工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は構造体の製造方法に関する。
周期構造を有する構造体からなる回折格子は分光素子として様々な機器に利用されている。特に、X線吸収率が高い金属で形成される構造体は、物体の非破壊検査や、医療分野に用いられている。
X線吸収率が高い金属で形成される構造体の用途の一つとして、X線のタルボ干渉を用いた撮像を行う撮像装置の、遮蔽格子があげられる。X線タルボ干渉を用いた撮像方法(X線タルボ干渉法)は、X線の位相コントラストを利用したイメージング方法(X線位相イメージング法)の一つである。
X線タルボ干渉法について簡単に説明をする。X線タルボ干渉法を行う一般的な撮像装置では、空間的に可干渉なX線が、X線を回折する回折格子と被検体を通過して干渉パターンを形成する。その干渉パターンが形成される位置に、X線を周期的に遮蔽する遮蔽格子を配置してモアレを形成する。このモアレを検出器によって検出し、その検出結果を用いて撮像画像を得る。
タルボ干渉法に用いられる一般的な遮蔽格子は、X線透過部とX線遮蔽部とが周期的に配列している構造を有する。X線遮蔽部は、例えば金のような、X線吸収率が高い金属からなる高アスペクト比(アスペクト比とは、構造体の高さまたは深さhと横幅wの比(h/w)である。)な構造体で形成されることが多い。
また、このような構造を有する遮蔽格子は、上述のように干渉パターンを形成するX線の一部を遮蔽してモアレを形成するためだけでなく、X線の空間的な可干渉性を向上させるためにも用いられることがある。このように用いられる遮蔽格子は特に線源格子(又は光源格子)と呼ばれる。線源格子をX線源と回折格子の間に配置すると、仮想的に微小焦点X線源が配列した状態を作り出すことができる。X線源の焦点(X線発生部)が小さい方がそのX線源から発生するX線の空間的な可干渉性が高いため、このように線源格子を用いることによりX線の空間的な可干渉性を向上させることができる。尚、このように仮想的に微小焦点X線源が配列した状態を作り出して行うタルボ干渉法は、タルボ・ロー干渉法と呼ばれる。以下特に断りがない限り、本明細書における遮蔽格子とは線源格子のことも含む。
このような遮蔽格子の作製方法としては、モールドにめっきを用いて金属を充填する方法が知られている。
非特許文献1には、遮蔽格子の製造方法としてシリコン基板に異方性ウェットエッチングによって凹部を形成し、凹部内の空間に金属をめっきにて析出させる方法が開示されている。この方法では、凹部を備えるシリコン基板に、アルミニウムを角度45度で斜方蒸着することでシリコン基板の頂面に選択的にアルミニウム膜を形成した後、通常の蒸着にて頂面のアルミニウム膜上と凹部の底面に金を成膜する。アルミニウム上に成膜された金をリフトオフにて除去することで凹部に底面に選択的に金を成膜してすることができる。その後、凹部の底部に成膜した金をシードとして、そこからめっきにて金を充填している。これにより、頂面に金が成膜したままめっきにて金を充填するよりも、頂面にめっき液中の金が析出することを抑制することができる。
「Microelectronic Engineering」2007年第84巻p.1172−1177
しかしながら、リフトオフにてシリコン基板の頂面から除去された金は溶解せずに、リフトオフに使用するリフトオフ液中に漂う。リフトオフ液中に漂う金はパーティクル(小片)となり凹部内に侵入し、その後のめっきの際に充填不良や異常析出の核の要因になる可能性があるという課題がある。尚、凹部のパターン領域が大きくなるにつれ、リフトオフ液中に漂う金はパーティクルとなって凹部に侵入しやすくなる。
そこで本発明は、頂面に金が成膜したままめっきにて金を充填するよりも、頂面にめっき液中の金が析出することを抑制しつつ、リフトオフを用いて頂面の金属膜を除去するよりもパーティクルの発生を抑制することができる、構造体の製造方法を提供することを目的とする。
その目的を達成するために、本発明の一側面としてのX線遮蔽格子の製造方法は、凹部と頂面とを備える基板の、前記頂面に第1の金属膜を、前記凹部の底面に第2の金属膜を、形成する工程と、前記第1の金属膜に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第2の金属膜をシードとするめっきにより前記凹部内の空間の少なくとも一部に金属を充填する工程と、を有することを特徴とする。
本発明のその他の側面については、以下で説明する実施の形態で明らかにする。
本発明によれば、頂面に金が成膜したままめっきにて金を充填するよりも、頂面にめっき液中の金が析出することを抑制しつつ、リフトオフを用いて頂面の金属膜を除去するよりもパーティクルの発生を抑制することができる、構造体の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態の工程図である。 本発明の実施形態のマスクパターンの変形例を示す図である。 本発明の参考形態について説明をする図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施形態)
本実施形態は、基板としてシリコン基板を用い、複数の金属体がシリコン基板内に1次元に配列された構造体の製造方法について説明をする。この構造体は、X線遮蔽部とX線透過部とが1次元に配列された1次元のX線遮蔽格子として用いることができる。
尚、基板としてはシリコン基板以外にも、後に説明をする第2の金属膜よりも抵抗率が大きい導体であれば用いることができる。
本実施形態に係る構造体の製造方法は、下記の工程を有する。
まず、凹部と頂面とを備えるシリコン基板を製造する工程として、以下の(1)〜(3)の工程を行う。
(1)シリコン基板の表面に絶縁膜(第2)を形成する工程。
(2)絶縁膜(第2)の一部を除去してシリコン基板の表面を露出させる工程。
(3)絶縁膜(第2)をマスクとして、(2)の工程で露出されたシリコン基板の表面からシリコン基板をエッチングすることでアスペクト比が10以上の凹部を形成する工程。
尚、シリコン基板の頂面とは、シリコン基板のうち凹部が形成されていない領域の、第1の面側の表面のことを指す。基板上に何も形成されていない場合はシリコン基板の表面であり、シリコン基板上に絶縁膜が形成されていればその絶縁膜の表面である。また、シリコン基板の表面を酸化してシリコン酸化膜を形成した場合はそのシリコン酸化膜表面であり、シリコン基板上に金属膜が形成されている場合はその金属膜の表面である。但し、凹部が形成されていない領域とは、シリコン基板の第1の面側からみたときに、凹部の底面を有さない領域のことを指す。また、頂面は平面でも曲面でも良いし、平らな面でなく、例えばシリコン基板の表面が高低差0.1μm程度の凹凸を有している場合であっても頂面と呼ぶ。凹部の底面と、凹部の側面も同様に必ずしも平らな面である必要はない。
尚、凹部と頂面とを備えるシリコン基板は、他のエッチング方法を用いて製造しても良いし、エッチング以外の方法を用いて製造しても良い。
次に、後に行うめっきの際に、凹部の側面から金属が析出することを防ぐために(4)の工程を、シリコン基板を介して凹部内の空間にめっきを用いて金属を充填するために(5)の工程を行う。
(4)凹部の側面および凹部の底面に絶縁膜(第3)を形成する工程。
(5)絶縁膜(第3)のうち、凹部の底面に形成されている絶縁膜(第3)の少なくとも一部を除去してシリコン基板の底面の表面を露出させる工程。
次に、シリコン基板の頂面に第1の金属膜を、凹部の底面に第2の金属膜を形成する工程として、(6)の工程を行う。更に(7)の工程で第1の金属膜に絶縁膜(第1)を形成し、(8)の工程で第2の金属膜をシードとするめっきを行い、凹部内の空間の少なくとも一部に金属を充填する。
(6)頂面と、(5)の工程で露出させた底面のシリコン基板の表面と、に金属膜を付与する工程。
(7)第1の金属膜に絶縁膜(第1)を形成する工程。
(8)シリコン基板を陰極にし、第2の金属膜をシードとしてめっきを行うことにより、凹部内の空間の少なくとも一部に金属を充填する工程。
このように、第1の金属膜に絶縁膜(第1)を形成することにより、(8)の工程でめっきをする際に第1の金属膜からめっきが析出することを抑制することができる。これにより、リフトオフを用いて第1の金属膜を除去する必要がないため、パーティクルの発生が抑制することができる。パーティクルは、めっきの際の充填不良と異常析出の原因となることがあるため、パーティクルの発生を抑制することによって、充填不良と異常析出を抑制することができる。
また、上述の(1)から(8)の工程によって製造される構造体はX線遮蔽格子として用いることができ、特に、X線タルボ干渉法を行う撮像装置に用いることができる。X線遮蔽格子は、X線遮蔽部に入射したX線を遮蔽し、X線透過部に入射したX線を透過する。尚、X線遮蔽部は、入射したX線の80%以上を遮蔽できることが好ましい。
以下、上述の工程について図1に基づいてより詳細に説明する。
尚、上述の(1)から(8)の工程は、後述の(第1工程)から(第8工程)に夫々対応する。
(第1工程)
まず、図1(a)に示す様に、シリコン基板1の第1の面101に絶縁膜(第2)(以下、第2の絶縁膜又は単に絶縁膜又はと呼ぶことがある。)2を形成する。絶縁膜2としてはシリコン酸化物の膜やシリコン窒化物の膜を用いることができる。絶縁膜2の厚みは、0.1μm以上5μm以下が好ましい。絶縁膜2としてシリコン酸化物を成膜する場合は、例えば、熱酸化法又は化学気相堆積法(CVD)を用いることができる。シリコン窒化物の成膜方法としては、例えば、化学気相堆積法(CVD)を用いることができる。
図1(a)中では、シリコン基板の第1の面101と、第1の面101に対向する第2の面102の両方に絶縁膜2を形成しているが、第1の面のみに絶縁膜2を形成しても良い。但し、第2の面102にも絶縁膜2を形成しておくと後工程でのめっきの際に裏面からのめっきの析出を回避することができるため好ましい。
(第2工程)
次に、図1(b)に示すように、第1の面101に形成した絶縁膜2の一部を除去し、シリコン基板1の第1の面上にマスクパターンを形成すると同時に、シリコン基板1の第1の面のシリコン基板の表面を部分的に露出させる。本工程で形成するマスクパターンを図1(i)に示す。図1(i)は図1(b)に示したシリコン基板の上面図である。絶縁膜2の一部を除去してマスクパターンを形成する方法を、絶縁膜2の材質がSiOの場合を例にして説明する。例えば、絶縁膜2に金属膜(例えば、クロム)を形成した後、フォトレジストを塗布する。そして、フォトレジストを露光して、パターンを形成する。パターンの形状やサイズは、目的とする構造体周期パターンによって決まるが、X線タルボ干渉法でモアレを形成するための1次元のX線遮蔽格子として用いる場合は、10数μm〜数μmピッチのライン状のパターンが一般的である。そして、エッチングによって、フォトレジストパターンを金属膜に転写する。金属膜のエッチング方法としては、ウェットエッチング法とイオンスパッタや反応性ガスプラズマ等のドライエッチング法がある。そして、パターンが転写された金属膜をマスクにして、絶縁膜2をエッチングする。絶縁膜2のエッチングは、例えば、ドライエッチング法が好ましい。ドライエッチング法のなかでも、SiOの場合、CHFプラズマによるドライエッチング法が好ましい。また、絶縁膜2に形成した金属膜は絶縁膜2のエッチングの終了後に除去してもよい。
尚、本実施形態ではライン状のマスクパターンを形成したが、マスクパターンはライン状に限らない。図2(a)、(b)、(c)はシリコン基板の上面図であり、マスクパターンの例を示した。例えば、図2(a)に示すように、マスクパターンのライン同士がある一端で連通していても良いし、図2(b)に示すように、両端で連通していても良い。また、図2(c)のようにドットが2次元に配列されたマスクパターンでも良い。
但し、第1の金属膜に絶縁膜(第1)を形成する工程で電着を行う場合、図2(b)と(c)のように第2の絶縁膜が複数あり、それらの第2の絶縁膜同士が独立しているよりも、図1(i)と図2(a)のように第2の絶縁膜が繋がっていることが好ましい。
本工程で第2の絶縁膜が形成されている領域は後に頂面となり、第1の金属膜が形成される領域である。複数の第1の金属膜が互いに絶縁されて基板に形成されていると、電着を行う際に複数の第1の金属膜を外部電力と接続する必要があるため、第1の金属膜が電気的に繋がっているよりも、煩雑な接続を必要とする。
本工程でシリコン表面が露出している部分が後に金属体になり、X線遮蔽部となるが、図2(a)、(b)のマスクパターンを形成した場合でも、連通していない領域のみを用いれば、1次元の周期構造を有するX線遮蔽格子として用いることができる。また、X線遮蔽格子として用いらないのであれば、凹部は周期構造を有さなくても良いし、シリコン基板にライン状の凹部が1つのみ形成されていても良いため、マスクパターンもそれに応じたもので良い。
(第3工程)
次に、図1(c)に示すように、第2工程によって露出されたシリコン表面から、絶縁膜2のパターンをマスクにして、シリコン基板1をエッチングして凹部3を形成する。シリコン基板1のエッチング方法として、溶液使用のウェットエッチング法とイオンスパッタや反応性ガスプラズマ等のドライエッチング法を用いることができる。反応性ガスプラズマによるドライエッチングの中でも、反応性イオンエッチング(RIE)が高アスペクト比な凹部の形成に適している。RIEの中でも、SFガスによるエッチングとCガスによる側面保護膜堆積を交互に行うBoschプロセスRIEが、より高アスペクト比な凹部の形成に適している。凹部のアスペクト比としては10以上150以下であることが好ましい。この凹部に後工程で金属を充填して金属体を形成し、その金属体がX線遮蔽部として機能するため、凹部の深さが高くなるにつれX線の遮蔽率を高くすることが可能になる。さらに本実施形態により製造される構造体を、X線タルボ干渉法においてモアレを形成する遮蔽格子として用いる場合、金属体の配列が狭ピッチになり、金属体の夫々が高アスペクト比になると、得られるイメージング像の解像度が向上する。BoschプロセスRIEを用いた場合、RIE後に、側面保護膜を除去することが望ましい。除去の方法として、例えば、酸素プラズマアッシングやハイドロフルオロエーテル(HFE)溶液による洗浄がある。
(第4工程)
第4工程では、図1(d)に示すように、シリコン基板1の複数の凹部3の側面4及び凹部3の底面5に絶縁膜(第3)(以下、第3の絶縁膜又は単に絶縁膜又はと呼ぶことがある。)6を形成する。凹部の側面4に形成した絶縁膜6により、めっきの際に生じ得る、凹部の側面からの金属の析出を抑制することができる。絶縁膜(第3)としてはシリコン酸化物の膜やシリコン窒化物の膜を用いることができる。絶縁膜6の厚みは、10nm以上であることが好ましい。尚、本工程がなくても、シリコン基板の表面には自然酸化により自然酸化膜が形成されるが、シリコンの自然酸化膜は2nm程度の厚さのため、絶縁膜としての絶縁信頼性は不十分なことが多い。絶縁膜6の厚さが10nm以上あれば、シリコンの自然酸化膜よりも絶縁信頼性が高く、後の工程で第2の金属膜に通電しても絶縁膜6の表面にはほとんど通電されない。絶縁膜6の形成方法は絶縁膜(第1)の形成方法と同じ方法を用いることができる。つまり、絶縁膜6としてシリコン酸化物を成膜する場合は、例えば、熱酸化法や化学気相堆積法(CVD)を用いることができる。また、シリコン窒化物を成膜する場合は、例えば、化学気相堆積法(CVD)を用いることができる。
尚、充填する金属のアスペクト比、ピッチ、めっき時の電流、許容される充填不良の度合いによっては凹部の側面に絶縁膜が形成されていなくてもめっきにより金属体を形成することができる。その場合、本工程と第5工程は行わなくても良い。
(第5工程)
第5工程では、図1(e)に示すように、絶縁膜6のうち、凹部の底面5に形成された絶縁膜6を少なくとも部分的に除去して、凹部の底面のシリコン表面を露出させる。凹部の底面のシリコン基板の表面を露出させ、シリコン表面に第2の金属膜を形成することにより、シリコン基板を介してめっきを行うことができる。
絶縁膜6の部分除去は、異方性の高いドライエッチング法が好ましい。例えば、イオンスパッタや反応性ガスプラズマエッチング法がある。エッチングの異方性により、凹部の底面5に形成された絶縁膜が、凹部の側面4に形成された絶縁膜に対して優先的に除去される。また、シリコン基板1の頂面7に形成された絶縁膜2を底面5に形成された絶縁膜6より厚くしておけば、シリコン基板の頂面7に形成された絶縁膜2を残したまま、底面に形成された絶縁膜6を除去することができる。シリコン基板の頂面7に形成されたた絶縁膜2を残したままエッチングを停止すると、残った絶縁膜2が第6工程で形成される第1の金属膜と第2の金属膜を絶縁する。そのため、後に説明をする第7工程で電着を用いて第1の金属膜に絶縁膜を形成する場合は、第5工程後に絶縁膜2が0.1μm以上残っていることが好ましい。
尚、絶縁膜6がSiOの場合、絶縁膜の部分除去はCHFプラズマによるドライエッチング法が好ましい。
(第6工程)
次に、図1(f)に示すように、頂面と凹部の底面に金属膜を形成する。上述のように、頂面には絶縁膜6が形成されているため、頂面の金属膜である第1の金属膜8と、底面の金属膜である第2の金属膜18は絶縁膜6によって絶縁されている。
尚、図1(j)は図1(f)に示すA−A断面を示す断面図である。金属膜の形成方法を指向性の高い方法から選択すると、凹部の側面4に金属膜が形成されにくいため好ましい。
指向性の高い方法の例としては電子ビーム蒸着や抵抗加熱蒸着が挙げられる。第7工程で電着を用いて絶縁膜を形成する場合、第1の金属膜8と第2の金属膜を形成する金属としては、第7工程で使用する電着液に対して、エッチング耐性があるものを用いる。本明細書において電着液に対してエッチング耐性があるとは金属膜8を室温の電着液に浸したときのエッチングレートが1nm/ min以下であることをいう。本実施形態において、第1の金属膜8と第2の金属膜18を形成する金属は、使用する電着液によって適宜選択することができるが、例えば、銅、ニッケル、鉄、金、白金等を用いることができる。
(第7工程)
次に、図1(g)に示すように第1の金属膜8に絶縁膜(第1)(以下、第1の絶縁膜又は単に絶縁膜又はと呼ぶことがある。)12を形成する。第1の絶縁膜の形成方法として、例えば、電着、斜方蒸着、半導体フォトリソグラフィ、等を用いることができる。
まず、電着を用いて第1の金属膜8に絶縁性の樹脂を析出させることで絶縁膜12を形成する方法について説明をする。本明細書における電着とは、電着液と呼ばれる電解質溶液中で陽極と陰極に通電することで、陽極又は陰極に電着液中のイオンを電極表面に析出させることを指す。電着を用いて第1の金属膜8に絶縁膜を形成するためには、絶縁膜のイオン化された前駆体が存在する電着液を用い、この電着液中で第1の金属膜8と対極間に外部電源から通電すればよい。すると、第1の金属膜8の表面で電子の授受が行われ、絶縁膜の前駆体の還元または酸化によって第1の金属膜8に絶縁膜の前駆体が固体として析出し、絶縁膜12が形成される。電着はアニオン型とカチオン型に分けられる。アニオン型の電着を行う場合、第1の金属膜8を陽極に、対極を陰極にし、負電荷を有する絶縁膜の前駆体が存在する電着液を用いる。アニオン型の一例としてはアクリル系カルボン酸樹脂の電着が挙げられ、電着液中の負電荷を有するアクリル系カルボン酸樹脂が電着によって外部電源の陽極側に繋がれた金属膜8に析出する。一方、カチオン型の電着を行う場合、第1の金属膜8を陰極に、対極を陽極にし、正電荷を有する絶縁膜の前駆体が存在する電着液を用いる。カチオン型の一例としてはアミノ基を有する樹脂が挙げられ、電着液中の正電荷を有するアミノ基を有する樹脂が電着によって外部電源の陰極側に繋がれた第1の金属膜8に析出する。尚、他に電着が可能な材料であれば用いることが可能である。
これら電着によって析出した樹脂は導電性が低いため絶縁膜として機能する。このため、頂面7は絶縁性表面となる。
尚、第1の金属膜8と第2の金属膜18は絶縁膜2により互いに絶縁されているため、第2の金属膜8には電着液中の樹脂は析出しない。
ここで、例え、頂面7に形成された絶縁膜2にピンホールが生じ、シリコン基板の表面が一部露出していても、第1の金属膜8よりもシリコン基板1の方が抵抗が高いため、第2の金属膜18は電着液中の樹脂はほとんど析出しない。これにより、電着によって選択的に第1の金属膜8に絶縁膜12を形成することができる。
このように、第1の金属膜8と第2の金属膜18が絶縁されていれば、電着を用いて第1の金属膜に選択的に絶縁膜12を形成することができる。
次に、斜方蒸着を用いて第1の金属膜8に選択的に絶縁膜12を形成する方法について説明をする。斜方蒸着を用いて絶縁膜12を形成する場合、絶縁膜の材料は斜方蒸着が可能な絶縁性の材料であれば用いることができる。また、凹部のアスペクト比が大きいほど斜方蒸着により第2の金属膜に絶縁性材料が付着しにくくなる。また、電着を用いる場合は、第1の金属膜8が独立して複数あると、その夫々を外部電源と接続する必要があるが、斜方蒸着の場合は第1の金属膜8の数に関係なく絶縁膜12を形成することができる。そのため、図2(c)に示したマスクパターンを用いたときに形成される第1の金属膜のように、第1の金属膜が2次元に配列されている場合、電着と比較して有利である。
半導体フォトリソグラフィを用いて選択的に第1の金属膜に絶縁膜12を形成する方法について説明をする。半導体フォトリソグラフィを用いて絶縁膜12を形成する場合、第1の金属膜と第2の金属膜にフォトレジストを塗布し、露光現像して第1の金属膜に絶縁膜を形成する。しかし、凹部3のアスペクト比が大きいほど凹部の底面5までフォトレジストを侵入させることが難しくなる。そのため、凹部のアスペクト比が10以上の場合は、電着又は斜方蒸着を用いて絶縁膜(第1)を形成することが好ましい。
第8工程においてめっきを行う際に、頂面にめっきが析出することを防ぐために、絶縁膜(第1)の膜厚は0.1μm以上あることが好ましい。また、凹部内の空間へめっき液が侵入しやすいように、絶縁膜(第1)の膜厚は凹部の開口幅の1/2以下であることが好ましい。尚、凹部の開口幅とは、本実施形態のように凹部が独立している場合は凹部の短手方向における凹部の開口幅である。図2(a)、(b)のマスクパターンを用いて凹部を形成したときのように凹部が1次元に配列され、一部で連結している場合は連結していない部分(1次元に配列している部分)の短手方向における凹部の開口幅である。また、図2(c)のマスクパターンを用いて凹部を形成したときのように凹部が2次元にパターンを有する(頂面が2次元に配列している)場合は隣り合う頂面同士の距離を凹部の開口幅とする。
第2の金属膜18は、第8工程においてめっきを行う際に、めっき核を効率良く発生させるシードとして機能する。シリコンは導電性はあるものの難めっき材料の部類に入るため、シリコンに第2の金属膜18を設けることによって効率良くめっき核の発生が行われる。このように第2の金属膜がシードとして機能するため、第1の金属膜の表面を覆う絶縁膜(第1)の絶縁性が十分でなくても、第2の金属膜に優先的に通電され、凹部内の空間に金属を優先的に充填することができる。
(第8工程)
次に、図1(h)に示すように、第2の金属膜をシードとしてめっきを行い、凹部内の空間の少なくとも一部に金属を充填して金属体9を形成する。図1(l)は図1(h)に示すA−A断面を示す断面図である。シリコン基板1を陰極にし、対極の導電性の基板を陽極にして通電すると、シリコン基板1を介して第2の金属膜に通電し、第2の金属膜をシードとするめっきが行われ、凹部に金属が充填されて金属体9が形成される。すると、シリコン基板内に複数の金属体が配列された構造体10が得られる。この構造体10はX線遮蔽格子として用いることができる。
凹部の側面4には第3の絶縁膜6が形成されているため、選択的に第2の金属膜からめっきが成長する。尚、凹部内の空間全部に金属を充填しなくても良く、例えば金属が凹部の深さの半分まで充填されたところでめっきを終えても良い。
構造体10をX線遮蔽格子として用いる場合、本工程において充填する金属としてはX線の吸収率の大きな金属から選択する。X線の吸収率の大きな金属としては、例えば金やタングステンおよびそれらの合金が挙げられる。
(参考形態)
参考の形態として、実施形態の第7工程を省略した場合について図3を用いて説明をする。第7工程を省略すると、第1の金属膜が頂面に成膜された状態のままめっきが行われる。
本参考形態において、第6工程の前に頂面の絶縁膜(第2)にピンホールが生じてシリコン基板の表面が一部露出した場合を考える。シリコン基板の表面が一部露出した状態で第6工程を行うと、第1の金属膜のうち、絶縁膜(第2)のピンホール上に形成された領域(以下、ピンホール上の第1の金属膜28と呼ぶことがある。)はシリコン基板に直接形成される(図3(a))。シリコン基板を陰極にしてめっきを行うと、シリコン基板とピンホール上の第1の金属膜28を介して、第1の金属膜に通電され、まず、ピンホール上の第1の金属膜28の周辺に金属19が析出する(図3(b))。さらにめっきを行い、ピンホール上の第1の金属膜28の周辺に析出した金属19が成長すると、析出した金属19は、第1の金属膜のうち凹部を介して隣りあう領域48と繋がる。これにより、隣りあう領域48にも通電され、そこからもめっきにより金属19が析出する(図3(c))。さらにめっきを行い、析出した金属19が成長すると、凹部の入り口が金属で塞がれ、凹部の内部へめっき液が侵入できなくなり、ボイド11が発生する。
このように、第1の金属膜がライン状に配列し、両端部で連通している場合、頂面の絶縁膜(第2)のピンホールからライン状の充填不良を起こす。更に、隣接した第1の金属膜へ、更に隣接した第1の金属膜へとめっきによる金属の析出が連鎖し、複数のライン状の充填不良から面状の充填不良を引き起こす(図3(d))。
頂面の絶縁膜(第2)のピンホールは、工程途中のパーティクルによって発生しやすい。パーティクルの発生を回避するには高度にクリーンな環境が要求されるが、クリーンな環境で構造体の製造を行っても、ピンホールの発生を防げる程度までパーティクルの発生を回避をすることは必ずしも容易ではない。つまり、ピンホールの発生を完全になくすのは難しい。実施形態の第7工程のように、めっきを行う前に第1の金属膜に選択的に絶縁膜を形成しておくと、頂面の絶縁膜にピンホールが生じて第1の金属膜の一部がシリコン基板の表面に直接形成されても、本参考形態のようなめっきの充填不良を軽減することができる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
(8μmピッチカチオン型電着、金属膜はCu)
本実施例は実施形態の一実施例である。本実施例について図1を用いて説明する。本実施例では、100mmφ、525μm厚で、抵抗率が0.02Ωcmのシリコン基板を用いる。シリコン基板を1050℃で4時間熱酸化し、シリコン基板の第1の面と第2の面のそれぞれに約1.0μmの熱酸化膜を形成し、この熱酸化膜を第2の絶縁膜とする(図1(a))。第1の面に電子ビーム蒸着装置にてクロム膜を200nm形成する。そのクロム膜にポジ型レジストを塗布し、半導体フォトリソグラフィにて50mm×50mmの領域に4μm幅のライン状のレジスト開口パターンが8μmピッチでストライプ状に配置されるようにパターニングを行う。こうすることによって4μm幅のライン状のレジスト開口部が、8μmピッチのストライプ状に形成され、レジスト開口部からクロム膜が露出する。その後、クロムエッチング水溶液にてクロムをエッチングし、続いてCHFを用いた反応性エッチングでシリコン基板の第1の面に形成した第2の絶縁膜をエッチングしてシリコン基板の第1の面の表面を一部露出させる(図1(b))。続いて、ICP−RIEにて露出したシリコンを異方性の深堀りエッチングを行い複数の凹部を形成する(図1(c))。70μmの深堀りエッチングを行ったところでエッチングを停止する。これにより、深さ70μmの複数の凹部を備え、頂面に第2の絶縁膜が形成された、シリコンからなる1次元格子が形成される。複数の凹部のそれぞれのアスペクト比は70μm/4μm=約18である。続いてUVオゾンアッシングとクロムエッチング水溶液を用いたエッチングにてレジストとクロム膜を除去する。さらにハイドロフルオロエーテル、そして硫酸と過酸化水素水の混合液によって洗浄を行う。水洗後、イソプロピルアルコールに基板を浸し、シリコン基板を乾燥させる。
次に、1050℃で7分間の熱酸化によって、上述のエッチングによって形成された複数の凹部の底面と、凹部の側面に約0.1μmの熱酸化膜を形成し、これを第2の絶縁膜6とする(図1(d))。次に、複数の凹部の底面に形成された第2の絶縁膜を除去し、底面のシリコンの表面を露出させる(図1(e))。第2の絶縁膜の部分的な除去は、CHFプラズマによるドライエッチング法を用いる。このエッチングは高い異方性があり、基板にほぼ垂直の方向で進行する。そのために、凹部の底面に形成された第2の絶縁膜が除去されても、凹部の側面に形成された第2の絶縁膜を残すことができる。次に複数の凹部が形成された50mm×50mmの領域と、その領域の、凹部の配列方向と平行な方向の1辺に隣接する15mm幅の領域が露出するようにシリコン基板にマスキングテープを貼り付ける。これによりシリコン基板の50mm×65mmの領域がマスキングテープから露出される。
次に電子ビーム蒸着装置にてクロム、銅の順番で夫々5nm、100nm成膜する。これによりマスキングテープから露出した50mm×65mmの領域にクロムと銅からなる金属膜8を付与される。の金属膜のうち、シリコン基板の頂面に形成された金属膜が第1の金属膜、複数の凹部の底面に形成されたい金属膜が第2の金属膜である。また、複数の凹部が形成された50mm×50mmの領域に隣接する15mm×50mmの領域に形成された金属膜を第3の金属膜とする。第3の金属膜は、第1の金属膜に通電するための金属膜である。第1の金属膜と第3の金属膜とは電気的に導通している。一方、第1の金属膜と第2の金属膜とは電気的に絶縁している。
次に第1の金属膜に電着によって第1の絶縁膜を形成する。本実施例ではカチオン型の電着を用いる。カチオン型の電着を行うためにカチオン型の電着レジストとしてエレコートEU−XCプロセス(シミズ社製)を用いる。
第3の金属膜を外部電源の陰極に、チタンのメッシュに白金が成膜された金属メッシュを陽極に夫々接続し、シリコン基板を電着レジスト溶液に浸して0.5mAの定電流にて通電を行う。すると、第1の金属膜にレジストが電着され、第1の絶縁膜が形成される。その後、シリコン基板を水洗し、100℃のホットプレート上で3分間加熱して電着された樹脂からなる第1の絶縁膜を硬化させる。これによって頂面は絶縁性表面となる(図1(g))。
ここで、第2の絶縁膜にピンホールが生じ、シリコン表面の一部に直接第1の金属膜の一部が形成されていても、シリコン基板の抵抗は銅に対して大きいため、第2の金属膜にはほとんど通電されない。そのため、第2の金属膜にはほとんど電着レジストが析出しない。本実施例では凹部内の空間に充填する金属として金を用いる。めっき液はノンシアン金めっき液(ミクロファブAu1101、日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース)を液温度60℃にて使用する。シリコン基板を陰極に接続し、上述の金属メッシュを陽極に接続し換え、上述のノンシアン金めっき液にシリコン基板を浸して電流密度0.2A/dmにて15時間通電する。すると、シリコン基板を介して第2の金属膜に通電し、第2の金属膜をシードとする金めっきが行われて約65μmの厚さの金からなる金属体が形成される(図1(h))。その後、水洗を行い、シリコン基板の頂面を顕微鏡にて観察すると金のめっき層の析出は確認できない。SEMによる断面観察では、凹部に充填された金からなる金属体は緻密でボイドがほとんど確認できない。また、X線顕微鏡評価では、コントラストが鮮明な格子像を得られ、X線遮蔽格子として用いることができる構造体が製造できていることが確認できる。
(比較例1)
(第1の金属膜を除去せずに金めっきを行う)
本比較例は参考形態のより具体的な例であり、図3を用いて説明する。本比較例は第1の金属膜の電解エッチングを行わずに、第1の金属膜が残ったまま金めっきを行うこと以外は実施例1と同様の方法にて構造体を製造する。本比較例は図3を用いて説明する。金めっきを開始し1時間後にシリコン基板の頂面にライン状に金めっきが析出することが確認される(図3(b))。さらに金めっきを開始して4時間後には隣接する頂面にも金めっきが析出することが確認される(図3(c))。さらに金めっきを開始して8時間後には凹部が形成された50mm×50mmの領域内のほぼ全面で、シリコン基板の頂面に金めっきが析出することが確認される(図3(d))。めっき終了後、シリコン基板を水洗し、SEMによる断面観察を行うと、頂面に析出した金と底面に析出した金の間にボイドが確認される。ボイドは金めっきを開始して1時間後に頂面にライン状に金が析出した領域と隣接する凹部内のボイドが最も大きい。このようなボイドの発生は、上述の参考形態のように、シリコン基板の頂面上の第2の絶縁膜にピンホールが生じ、第1の金属膜の一部がシリコン基板上に直接形成されたことによるものだと考えられる。
(実施例2)
(4μmピッチアニオン型電着、第1の金属膜除去)
本実施例は実施形態の一実施例であり、凹部のピッチ、凹部の深さ、第1及び第2の絶縁膜と第1及び第2の金属膜の厚さ、電解エッチングに用いる電解溶液が実施例1と異なるが、大まかな製造方法の流れは実施例1と同様である。但し、凹部内の空間に金属を充填した後、第1の金属膜を除去している点が実施例1と異なる。本実施例では、100mmφ、525μm厚で、抵抗率が0.02Ωcmのシリコン基板を用いる。シリコン基板を1050℃で80分間熱酸化し、シリコン基板の第1の面と第2の面のそれぞれに約0.5μmの熱酸化膜を形成し、これを第2の絶縁膜とする。第1の面に形成された第2の絶縁膜に、電子ビーム蒸着装置にてクロム膜を200nm形成する。更にそのクロム膜にポジ型レジストを塗布し、半導体フォトリソグラフィにて50mm×50mmの領域に2μm幅のライン状のレジスト開口パターンが4μmピッチでストライプ状に配置されるようにパターニングを行う。こうすることによって2μm幅のライン状のレジスト開口部が4μmピッチのストライプ状に形成され、レジスト開口部からクロムが露出する。その後、クロムエッチング水溶液にてクロムをエッチングし、続いてCHFを用いた反応性エッチングでシリコン基板の第1の面の第2の絶縁膜をエッチングしてシリコン基板の表面を一部露出させる。続いて、露出したシリコンをICP−RIEにて異方性の深堀りエッチングする。55μmの深堀りエッチングを行ったところでエッチングを停止する。これにより深さ55μmの複数の凹部が形成された、シリコンからなる1次元格子が形成される。複数の凹部のそれぞれのアスペクト比は55μm/2μm=約28である。続いてUVオゾンアッシングとクロムエッチング水溶液を用いたエッチングにてレジストとクロムを除去する。さらにハイドロフルオロエーテル、そして硫酸と過酸化水素水の混合液によって洗浄を行う。水洗後、イソプロピルアルコールに基板を浸しシリコン基板を乾燥させる。
次に、1050℃で1分間の熱酸化によって、上述のエッチングによって形成された複数の凹部の底面と、凹部の側面に約0.04μmの熱酸化膜を形成し、これを第3の絶縁膜とする。次に、複数の凹部の底面に形成された第3の絶縁膜を除去し、底面のシリコンの表面を露出させる。第3の絶縁膜の部分的な除去は、CHFプラズマによるドライエッチング法を用いる。次に複数の凹部が形成された50mm×50mmの領域と、その領域の、複数の凹部の配列方向と平行な一辺に隣接する15mm幅の領域が露出するようにシリコン基板の頂面にマスキングテープを貼り付ける。これによりシリコン基板の第1の面側のうち50mm×65mmの領域がマスキングテープから露出される。次に電子ビーム蒸着装置にてクロム、金の順番で夫々5nm、100nm成膜する。これによりマスキングテープから露出した50mm×65mmの領域にクロムと金からなる金属膜が成膜される。この金属膜のうち、シリコン基板の頂面に形成された金属膜が第1の金属膜、複数の凹部の底面に形成された金属膜が第2の金属膜である。また、複数の凹部が形成された50mm×50mmの領域に隣接する15mm×50mmの領域に形成された金属膜を第3の金属膜とする。実施例1と同様に、第1の金属膜と第3の金属膜は電気的に導通しており、第1の金属膜と第2の金属膜とは電気的に絶縁している。
次に第1の金属膜に電着によって第1の絶縁膜を形成する。本実施例ではアニオン型の電着を用いる。アニオン型の電着を行うためにアニオン型の電着樹脂としてエレコートAM−1プロセス(シミズ社製)を用いる。
次に15mm×50mmの領域に形成された第3の金属膜8を外部電源の陽極に接続し、チタンのメッシュに白金が成膜された金属メッシュを陰極に接続する。シリコン基板を電着樹脂溶液に浸し0.5mAの定電流にて通電を行うと第1の金属膜に樹脂が電着され、第1の絶縁膜が形成される。その後、シリコン基板を水洗し、100℃のホットプレート上で3分間加熱して電着された樹脂からなる第1の絶縁膜を硬化させる。これによって頂面は絶縁性表面となる。
本実施例では凹部内の空間に充填する金属として金を用いる。シリコン基板を陰極に、チタンのメッシュに白金が成膜された金属メッシュを陽極に接続し、ノンシアン金めっき液にシリコン基板を浸して電流密度0.2A/dmにて11.5時間通電する。すると、第2の金属膜をシードとして金のめっきが行われ、約50μmの厚さの金からなる金属体が形成される。その後、水洗を行い、シリコン基板の頂面を顕微鏡にて観察すると金の析出は確認できない。SEMによる断面観察では、金からなる金属体内にボイドはほとんど確認できない。また、X線顕微鏡評価では、コントラストが鮮明な格子像を得られ、X線遮蔽格子として用いることができる構造体が製造できていることが確認できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1 シリコン基板
3 凹部
4 側面
5 底面
7 頂面
8 金属膜
12 絶縁膜(第1)

Claims (11)

  1. 凹部と頂面とを備える基板の、前記頂面に第1の金属膜を、前記凹部の底面に第2の金属膜を、形成する工程と、
    前記第1の金属膜に第1の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2の金属膜をシードとするめっきにより前記凹部内の空間の少なくとも一部に金属を充填する工程と、を有することを特徴とする構造体の製造方法。
  2. 前記第1の金属膜と前記第2の金属膜とは前記頂面に形成された第2の絶縁膜により絶縁されており、
    前記第1の絶縁膜は電着により形成されることを特徴とする請求項1に記載の構造体の製造方法。
  3. 前記第1の絶縁膜を斜方蒸着により形成することを特徴とする請求項1に記載の構造体の製造方法。
  4. 前記凹部の側面および前記底面に第3の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第3の絶縁膜のうち前記底面に形成された部分の少なくとも一部を除去することで前記基板の表面のうち前記底面の表面を露出させる工程と、を有し、
    前記第2の金属膜は、前記底面の基板の表面を露出させる工程において露出した前記底面の基板の表面に形成されることを特徴とする請求項1乃至3に記載の構造体の製造方法。
  5. 前記凹部のアスペクト比は10以上150以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
  6. 前記第1の絶縁膜の膜厚が0.1μm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
  7. 前記基板はシリコン基板であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
  8. 前記第2の絶縁膜がシリコン酸化物とシリコン窒化物のうち少なくともいずれか1つからなることを特徴とする請求項2に記載の構造体の製造方法。
  9. 前記第1の絶縁膜の膜厚が前記凹部の開口幅の1/2よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
  10. 前記凹部と前記頂面とを備える基板を製造する工程を有し、
    前記基板を製造する工程は、
    前記基板に前記第2の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2の絶縁膜の一部を除去して基板の表面を露出させる工程と、
    前記基板の表面を露出させる工程において露出された前記基板の表面を、前記第2の絶縁膜をマスクとしてエッチングすることで、前記凹部を形成する工程と、を有する製造方法により製造されることを特徴とする請求項2に記載の構造体の製造方法。
  11. 凹部と頂面とを備える基板の、前記頂面に第1の金属膜を、前記凹部の底面に第2の金属膜を、形成する工程と、
    前記第1の金属膜に第1の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2の金属膜をシードとするめっきにより前記凹部内の空間の少なくとも一部に金属を充填してX線遮蔽部を形成する工程と、を有することを特徴とするX線遮蔽格子の製造方法。
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