JP2017116475A - X線遮蔽格子、該x線遮蔽格子の製造方法及び該x線遮蔽格子を備えるx線トールボット干渉計 - Google Patents

X線遮蔽格子、該x線遮蔽格子の製造方法及び該x線遮蔽格子を備えるx線トールボット干渉計 Download PDF

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隆行 手島
岳彦 川▲崎▼
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岳彦 川▲崎▼
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Abstract

【課題】 凹部の稜部からのめっきの析出を軽減することができる構成を有するX線遮蔽格子、該遮蔽格子の製造方法、及び該遮蔽格子を備えるX線トールボット干渉計を提供する。【解決手段】 X線遮蔽格子の製造方法は、パターニングされた絶縁層2をマスクとしてシリコン基板をエッチングして凹部4を形成することで、凸部7を形成する工程と、凸部の頂面の幅を凸部の頂面に配置された絶縁層の頂面の幅よりも小さくする工程と、凹部の側壁に絶縁層18を形成する工程と、シリコン基板のうち、凹部の底面に露出した領域にシード層12を形成する工程と、シード層をシードとして電気めっきにより凹部に金属層13を形成する工程と、を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、X線遮蔽格子、該X線遮蔽格子の製造方法及び該X線遮蔽格子を備えるX線トールボット干渉計に関する。
周期構造を有する構造体からなる回折格子は光学素子として様々な機器に利用されている。特に、X線吸収率が高い金属で形成される構造体は、X線遮蔽格子として、物体の非破壊検査や、医療分野に用いられている。
X線遮蔽格子の用途の一つとして、X線トールボット干渉法を行う干渉計(X線トールボット干渉計)が備える光学素子があげられる。X線トールボット干渉法は、被検体によるX線の位相変化を用いて被検体の情報を取得する方法の一つである。
X線トールボット干渉法について簡単に説明をする。一般的なX線トールボット干渉計では、可干渉なX線を、X線回折格子により回折し、干渉パターンを形成する。そして、干渉パターンが形成される位置にX線遮蔽格子を配置し、干渉パターンを形成するX線の一部を遮蔽することで、干渉パターンと異なる強度分布を形成する。X線検出器がX線遮蔽格子からのX線を検出することで、この強度分布の情報を取得する。被検体が、X線源とX線遮蔽格子の間の光路中に配置されることで、強度分布が変化するため、この変化から被検体の情報を取得する。
また、可干渉性の低いX線を射出するX線源をトールボット干渉計の光源として用いる場合、X線遮蔽格子をX線源と回折格子の間に配置して仮想的に微小焦点X線源のアレイを作り出すことで、X線に可干渉性を付与する方法が用いられる。この方法は、特にX線トールボット・ロー干渉法と呼ばれる。以下、干渉パターンが形成される位置に配置されるX線遮蔽格子を分析格子、X線源と回折格子との間に配置されるX線遮蔽格子を線源格子と呼ぶ。また、単にX線遮蔽格子というときには、線源格子と分析格子の両方を含むこととする。
X線トールボット干渉法に用いられる一般的なX線遮蔽格子は、X線透過部(以下、単に透過部と呼ぶことがある)とX線遮蔽部(以下、単に遮蔽部と呼ぶことがある)とが周期的に配列している構造を有する。X線遮蔽部は、X線吸収率が高い金属で構成されることが多い。しかし、X線吸収率が高い金属で遮蔽部を構成しても、X線を遮蔽する厚みと干渉パターンの周期(分析格子の場合)又は仮想的なX線源アレイの周期(線源格子の場合)との関係から、遮蔽部は高アスペクト比な構造を有する。 このように、高アスペクト比な遮蔽部を有するX線遮蔽格子の作製方法としては、モールドに電気めっきを用いて金属を配置する方法が知られている。
特許文献1には、金属格子の製造方法としてシリコン基板にエッチングによって凹部を形成し、電気めっきにて凹部に金属を配置する方法が開示されている。
この方法では、エッチングにてマスク層の開口幅よりも幅広にシリコン基板をエッチングして凹部を形成し、凹部の稜部(基板表面と凹部側面との境界部分)からのめっきの析出を軽減している。
特開2013−122487号公報
しかしながら、特許文献1のようにマスク層の開口幅よりも幅広にシリコン基板をエッチングすると、得たい凹部の幅(遮蔽部の幅に対応する)よりもマスク層の開口を狭くする必要がある。よって、小さい幅の遮蔽部を有する遮蔽格子を取得したい場合、遮蔽部の幅によっては、マスク層のパターニングが難しくなったり、マスク層の開口幅が小さいことにより、シリコン基板のエッチングが難しくなったりすることがある。
そこで本発明は、特許文献1とは異なる方法で凹部の稜部からのめっきの析出を軽減することができる構成を有するX線遮蔽格子、該遮蔽格子の製造方法、及び該遮蔽格子を備えるX線トールボット干渉計を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての遮蔽格子の製造方法は、パターニングされた絶縁層をマスクとしてシリコン基板をエッチングし、第1の方向に周期を有する凹部を形成する工程と、前記絶縁層の頂面の幅を、前記シリコン基板のうち前記凹部に挟まれた領域であるシリコン基板の凸部の頂面の幅よりも大きくする工程と、前記凹部の側壁に絶縁層を形成する工程と、前記シリコン基板のうち、前記凹部の底面に露出した領域にシード層を形成する工程と、前記シード層をシードとして電気めっきにより前記凹部に金属層を形成する工程と、を有し、前記絶縁層の頂面の幅を、前記シリコン基板の凸部の頂面の幅よりも大きくする工程は、前記第1の方向において、前記シリコン基板の凸部の頂面の幅以下である前記絶縁層の頂面の幅を、前記シリコン基板の凸部の頂面の幅よりも大きくすることを特徴とする。
本発明のその他の側面については、以下で説明する実施の形態で述べる。
本発明により、凹部の稜部からのめっきの析出を軽減することができる構成を有するX線遮蔽格子、該遮蔽格子の製造方法、及び該遮蔽格子を備えるX線トールボット干渉計を提供することができる。
実施形態1に係るX線遮蔽格子の製造方法の工程図 実施形態1に係るX線遮蔽格子の製造方法の工程図 実施形態2に係る構造体の模式図 実施形態2に係る構造体の模式図 シリコンとシリコン酸化層(SiO)との透過率を比較する図 実施形態2に係るX線遮蔽格子を備えるX線トールボット干渉計の模式図
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
実施形態1では、1次元および2次元の遮蔽格子の製造方法について説明する。
実施形態2では、1次元および2次元の遮蔽格子について説明する。1次元の遮蔽格子は1次元周期構造を有し、する。2次元のX線遮蔽格子は2次元周期構造を有する。
以下、各実施形態についてより詳細に説明をする。
(実施形態1)
本実施形態の遮蔽格子の製造方法は、シリコン基板の第1の面に配置された絶縁層をマスクとしてシリコン基板をエッチングすることにより、絶縁層の開口幅(絶縁層の頂面における開口幅とする)以下の開口を有する凹部を形成する。そして、絶縁層の頂面の幅を、シリコン基板のうち凹部に挟まれた部分である凸部の頂面の幅よりも大きくする。これにより、凸部の稜部が第1の面に配置された絶縁層により覆われるため、稜部からのめっきの析出を軽減できる。
1次元のX線遮蔽格子を例に、本実施形態に係る遮蔽格子の製造方法の説明をする。1次元のX線遮蔽格子の製造方法は、下記の工程を有する。
(第1工程)パターニングされた絶縁層をマスクにしてシリコン基板をエッチングし、凹部を形成する工程。本工程により、第1の方向に複数配列された凹部がシリコン基板に形成される(図1(a)〜(b))。
(第2工程)凸部の頂面の幅を、凸部の頂面に配置された絶縁層の頂面の幅よりも小さくする工程 (図1(c))。 (第3工程)シリコン基板の凹部の側壁に絶縁層を形成する工程(図1(c))。
(第4工程)シリコン基板のうち、凹部の底面に露出した領域にシード層を形成する工程(図1(e))。
(第5工程)シード層をシードとして電気めっきにより凹部に金属層層を形成する工程(図1(f))。
尚、本明細書ではシリコン基板に凹部を形成することで凸部を形成することも、シリコン基板に凹部を形成するという。
上記(1)から(5)の工程によって製造されるX線遮蔽格子は、X線遮蔽部に入射したX線を遮蔽し、X線透過部に入射したX線を透過する。尚、X線遮蔽部は、垂直に入射したX線の80%以上を遮蔽できることが好ましい。一方、X線透過部は、垂直に入射したX線の60%以上を透過できることが好ましく、より好ましくは66%以上である。例えば、入射するX線のエネルギーが9keVのとき、透過部にSiが存在する場合はSiの厚さは50μm以下であることが好ましく、遮蔽部が金からなる場合は金の厚さは10μm以上であることが好ましい。また、入射するX線のエネルギーが17.7keVのとき、透過部にSiが存在する場合はSiの厚さは300μm以下であることが好ましく、遮蔽部が金からなる場合は金の厚さが12μm以上の厚さであることが好ましい。尚、本実施形態の製造方法は、凹部が12μm以上100μm以下程度の場合に特に好適に用いることができるため、凹部に配置される金属層の厚みもこの範囲が好ましい。
上記(1)から(5)の工程によって製造されるX線遮蔽格子は、例えば、X線トールボット干渉計に用いることができる。
以下、各工程について図面に基づいて説明する。
(第1工程)
まず、図1(a)から(b)に示す様に、シリコン基板の第1の面1にパターニングされて配置された絶縁層2をマスクにしてシリコン基板3をエッチングする第1工程について説明する。本工程により、図1(g)に示すように、第1の方向14に複数配列された凹部4が形成される。尚、図1(g)はシリコン基板の上面図であり、図中のa−a’断面が図1(a)〜(f)の断面図に対応する。また、図2(a)に示す様に、第1の方向14において、シリコン基板の凸部7の頂面5に配置された絶縁層2の頂面6の幅をA、凸部7の頂面5の幅をB、とするとき本工程により形成される凹部が形成されたシリコン基板はA≦Bが成り立つ。尚、シリコン基板の凸部7(以下、単に凸部と呼ぶ)とは、シリコン基板の凹部に挟まれた部分のうち、導電性がシリコン基板以上の領域のことを指すものとする。例えば、シリコン基板の酸化や窒化などにより凹部に挟まれた領域に絶縁層が形成された場合、その絶縁層がシリコン基板に由来するものであっても、その絶縁層を凸部とはみなさない。また、凸部7の頂面は、シリコン基板の絶縁層2側の表面であり、絶縁層の頂面6は、絶縁層の、シリコン基板と対向する側の表面である。絶縁層が多層構造を有する場合は、多層構造全体を絶縁層とみなし、複数の層のうち、シリコン基板との距離が最も大きい層の表面を頂面6とする。
エッチングのマスクとなる絶縁層2としては、例えばシリコン酸化物又はシリコン窒化物を用いることができる。シリコン酸化物の形成方法としては、例えば、熱酸化法又は化学気相堆積法(CVD)を用いることができる。シリコン窒化物の形成方法としては、例えば、化学気相堆積法(CVD)を用いることができる。絶縁層2としては、シリコン窒化物より、シリコン酸化物を用いる方が好ましいが、この理由については後述する。絶縁層2のパターニングは半導体フォトリソグラフィとエッチングで行うことができる。シリコン基板の第1の面1に絶縁層2を形成し、絶縁層2上にフォトレジストを塗布する。そして、フォトレジストを露光して、パターンを形成する。パターンの形状やピッチや形成領域は、目的とするX線遮蔽格子のパターンによって決まる。X線遮蔽格子を、X線トールボット干渉法でモアレを形成するための1次元のX線分析格子として用いる場合は、ピッチが1μm以上20μm以下程度のラインアンドスペース状のパターンが一般的である。一方、2次元のX線分析格子として用いる場合は、ピッチが1μm以上20μm以下程度の、図1(h)に示すように凹部(遮蔽部)内に複数の凸部(透過部)が独立して配置された島状のパターンが一般的である。フォトレジストの露光方法はパターン間のスペースの幅(パターニングされた絶縁層の開口幅)から選択する。一般的には、スペース幅が2μm程度以上であればフォトマスクパターンの等倍露光にてフォトレジストをパターニングでき、数百mm角の大きな領域に一度の露光でフォトレジストのパターンを絶縁層上に形成することができる。一方、スペース幅が2μm程度より小さくなると、レチクルのパターンを縮小露光するステッパーを用いることで形成できる。一般的に、ステッパーでは1回の露光あたりでは20から30mm角程度の露光領域のため、それ以上の領域にパターンを形成するにはパターンを繋ぎ合せて露光領域を大きくし、フォトレジストのパターンを形成すればよい。但し、パターンを繋ぎ合わせて露光領域を大きくすると、繋ぎ合せの部分でパターンのズレが生じやすくなる。よって、得たい凹部の幅にもよるが、できるだけ等倍露光を用いて絶縁層をパターニングし、後述する第3の工程で凹部の側壁に形成する絶縁層を用いて遮蔽部の幅を小さくすることが好ましい。
続いて、フォトレジストをマスクとして絶縁層2のエッチングを行う。このエッチングによって、フォトレジストパターンを絶縁層2に転写する。絶縁層のエッチング方法としては、ウェットエッチング法とイオンスパッタや反応性ガスプラズマ等のドライエッチング法があるが、垂直性の高いエッチングが可能なドライエッチング法の方が好ましい。ドライエッチング法のなかでも、絶縁層がシリコン酸化物の場合、CHFプラズマによるドライエッチング法が好ましい。CHFプラズマによるドライエッチング法は、ドライエッチング法の中でも垂直性の高いエッチングが可能である。こうすることによってパターニングされた絶縁層2を形成する。尚、エッチングを用いてフォトレジストパターンを転写すると、絶縁層2にはテーパー部分11が生じやすい。
絶縁層2をマスクとし、マスクから露出したシリコン基板3のエッチングは、シリコンの結晶方位面のエッチング選択性を利用したアルカリ水溶液によるウェットエッチングを使用することができる。また、イオンスパッタや反応性ガスプラズマ等のドライエッチング法も使用することができる。反応性ガスプラズマによるドライエッチングの中でも、反応性イオンエッチング(RIE)が高アスペクト比の凹部4を形成するのに適している。更にRIEの中でも、SFガスによるエッチングとCガスによる側壁保護膜の堆積を交互に行うBoschプロセスのRIEが、より高アスペクト比の凹部4を形成するのに適している。シリコンの凹部4は最終的に金属が充填されてX線の遮蔽部となるため、凹部4の深さは使用するX線のエネルギーで適宜決定する。例えば金属として金を充填する場合、使用するX線のエネルギーが9keVのときは12μm以上あることが好ましく、27.5KeVのときは100μm程度あることが好ましい。
尚、ここで凹部4を狭ピッチで高アスペクト比に形成すると、最終的によりいっそう高アスペクト比化されたX線遮蔽格子を製造することができる。
(第2工程)
次に、図1(c)に示すように、凸部の頂面の幅を、凸部の頂面に配置された絶縁層の頂面の幅よりも小さくする工程について説明をする。本工程では、絶縁層の頂面の幅以上であるシリコン基板の凸部の頂面の幅を、絶縁層の頂面の幅よりも小さくする。言い換えると、図2(b)に示す様に、第1の方向14において、凸部7の頂面5に配置された絶縁層2の頂面6の幅をA‘、凸部7の頂面5の幅をB’、とするとき、A’>B’とする。
そのためには、絶縁層の頂面の幅を大きくしても良いし、凸部の頂面の幅を小さくしても良いし、その両方を行っても良い。絶縁層の頂面の幅を大きくする方法としては、例えば、斜方蒸着等の堆積法を用いて絶縁層の幅を成長させる方法又はシリコン基板の窒化が挙げられる。また、凸部の頂面の幅を小さくする方法としては、シリコン基板の酸化が挙げられる。また、シリコン酸化物は絶縁性材料であるため、シリコン基板の一部がシリコン酸化物となることにより凸部の幅を小さくすることができる。シリコン基板を酸化させると、凹部の側壁10及び底面8に絶縁層20が形成されるため、後述する第3の工程を本工程と同時に行うことができる。よって、本工程は、シリコン基板の酸化又は窒化(酸化と窒化の併用を含む)により行うことが好ましい。尚、シリコン基板の酸化は、凸部の頂面の幅を小さくすることができるだけでなく、絶縁層を成長させることもできる。図1(c)には、シリコン基板の一部を酸化して、凸部の側壁(凹部の側壁と一致)に絶縁層を形成することにより、凸部の幅を小さくした例を示している。
本工程は、堆積法よりもコンフォーマルな絶縁層形成が可能なシリコン基板の酸化により行うことが特に好ましい。本工程をシリコン基板の酸化により行う場合、絶縁層2にシリコン酸化物を用いれば、本工程における絶縁層2下のシリコンの酸化レートとしてシリコン酸化物の酸化レートをそのまま用いることができる。一方、絶縁層2がシリコン窒化物の場合、本工程における絶縁層2下のシリコンの酸化レートは絶縁層2の厚さ毎に異なるため、用いる絶縁層2の厚さに応じてシリコンコン窒化物下のシリコンの酸化レートを取得する必要がある。よって、絶縁層2は、シリコン酸化物であることが好ましい。酸化方法は特に問わないが、エッチングで形成した凹部4の垂直性が維持しやすい熱酸化を用いることが好ましい。シリコンの熱酸化反応は熱反応が支配的であり、酸化ソースの水蒸気や酸素の供給律速反応ではないためコンフォーマルに熱酸化層が形成されるためエッチングで形成した凹部4の垂直性を維持しやすい。シリコンの熱酸化では熱酸化層の厚さの約44%に相当する厚さのシリコンが減少し、熱酸化で減少した厚さのシリコンは熱酸化層として約2.3倍の厚さに変化する。つまり、凸部を熱酸化した場合、形成された熱酸化層の厚さの約44%の厚さ分、凸部が薄くなり、凸部の幅はB>B’となる。例えば、凸部の幅を0.1μm小さくしたい場合、約0.23μmのシリコン酸化物の層を形成すればよい。
また、凸部の頂面5には既に絶縁層2が配置されているため、シリコン基板を熱酸化しても、凸部の側壁(凹部の側壁と一致する)と同等な熱酸化層の増加は起こらないが、凸部の頂面5でも熱酸化が進む。よって、熱酸化前のシリコン頂面5は熱酸化され、凸部の高さは低くなり、凸部に形成された絶縁層2の厚さは大きくなる。尚、熱酸化後の絶縁層2には、熱酸化層が含まれるが、第1の工程の際にマスクとして機能した絶縁層も、エッチング後に形成された絶縁層も、区別しないものとする。
尚、シリコンの熱酸化では熱酸化層の厚さが大きくなるにつれ成膜レートは低下していく。つまり、凸部の頂面5には予め絶縁層のハードマスク2が存在しているため、凹部の側壁10及び底面8に形成される絶縁層20(熱酸化層)の厚さは、凸部の頂面5の絶縁層2の厚さより小さくなる。
上述のように、本工程により、シリコン基板を酸化又は窒化すると、凸部の側壁にシリコン酸化物又はシリコン窒化物の絶縁層20が形成されるため、凹部4の幅は小さくなる。本工程の様に、A’>B’となるまでシリコン基板を酸化すると、特許文献1に記載されている側壁の絶縁層の厚さ(40nm)よりも1桁大きいオーダーの絶縁層が形成されることが多い。
よって、本発明の方法によれば、フォトレジストの露光に用いる装置で可能なスペース幅の最小値よりも小さな凹部を有するシリコン基板を得ることができる。言い換えると、2μm以上のスペース幅を有するパターンの露光が可能な等倍露光を行う装置を用いて、2μmより小さい幅の凹部4を形成できることになる。また、第1工程で形成した凹部4よりも幅が小さくなることで、凹部のアスペクト比は大きくなる。尚、凹部のアスペクト比とは、第1の方向における断面における、凹部の深さ/凹部の幅である。
凹部の幅はX線遮蔽格子における遮蔽部の幅に対応するため、絶縁層の層厚の調整により凹部の幅を調整できることから、第1工程では所望の垂直性の凹部4が形成さえできれば、本工程で所望の幅に合わせこむことが可能となる。また、露光装置のスペース幅の最小値とは関係なく、得たい凹部のアスペクト比が大きい方がシリコンの垂直性の高いエッチングが難しい。よって、第1工程では得たいアスペクト比よりも小さめの凹部を形成し、凹部の側壁の絶縁層の層厚を厚くするほうが、第1の工程で得たいアスペクト比の凹部を形成するよりも容易である。本実施形態では、シリコンの熱酸化によって凹部4のアスペクト比を1.1倍以上に向上させることが好ましい。
尚、本工程をシリコン基板の酸化又は窒化により行う場合、凹部の底面8にもシリコン酸化物又はシリコン窒化物が形成される。よって、後述する第4工程でシード層を形成する前に凹部の底面のシリコン基板を露出させる必要がある。この工程については第4工程の説明と共に説明をする。
(第3工程)
次に、凹部の側壁に絶縁層を形成する工程について説明をする。
上述のように、本工程は第2工程と同時に行うことができる。第2工程において、凹部の側壁10に絶縁層20が形成されない場合、第2工程と独立して本工程を行う必要がある。第2工程と独立して凹部の側壁10に絶縁層を形成する方法としては、CVDや斜方蒸着等の堆積法が挙げられる。
(第4工程)
次に、図1(e)に示すように、凹部の底面の露出したシリコン上にシード層を形成する工程について説明する。
上述のように、第2工程においてシリコン基板を酸化又は窒化すると、凹部の底面8にシリコン酸化物又はシリコン窒化物が形成される。また、シリコン基板を酸化又は窒化する工程を行わなくても、シリコン基板表面は大気中で自然に酸化されるため、底面8に自然酸化膜が形成されることがある。また、第2工程と独立して第3工程を行った場合、堆積法等により凹部の側壁だけでなく底面にも絶縁層が形成されることがある。本工程において形成するシード層は、シリコン基板と直接接している必要があるため、絶縁層が形成されている場合は絶縁層を除去してシリコン表面を露出させる必要がある。そこでまず、凹部の底面8に形成された絶縁層を除去する工程について説明をする。
凹部の底面8に形成された絶縁層を除去する工程を図1(d)に示した。本工程では、凹部の側壁10に形成された絶縁層を残しつつ、凹部の底面8の絶縁層を選択的に除去する必要があるため、垂直性の高いエッチングにより底面の絶縁層の除去を行う。垂直性の高いエッチングの中でも、イオンスパッタや反応性ガスプラズマエッチング法等、特に垂直性が高いドライエッチング法を用いることが好ましい。その中でも、CHFプラズマによるドライエッチング法が好ましい。垂直性の高いエッチングにより、凹部4の底面8に形成された絶縁層が、凹部4の側壁10に形成された絶縁層に対して優先的に除去される。
本実施形態では、シリコン頂面5上の絶縁層の方が凹部4に形成されている絶縁層よりも厚く、ハードマスクの頂面6の幅A’の方がシリコン頂面5の幅B’より大きい。しかし、絶縁層2のテーパー部分11は他の部分よりも厚さは小さい。本実施形態のように絶縁層の頂面6の幅A’の方が凸部の頂面5の幅B’より大きくなるまで熱酸化をすると、絶縁層2のテーパー部分11の直下には凸部の頂面5が存在しない。よって、凹部の底面8の絶縁層をエッチングにより除去しても、シリコンの凸部の角部9に絶縁層を残すことができ、角部からのめっきの析出を軽減することができる。一方、テーパー部分11の直下に凸部の頂面5が存在すると、凹部の底面8の除去の際に角部9のシリコン表面が露出されたり、絶縁層が残っていても薄いため絶縁が十分でなかったりして、角部9からめっきが析出する可能性がある。角部9からめっきが析出すると、めっき液が凹部の内部に届きにくくなるため、めっきの充填不良を引き起こすことがある。充填不良はX線遮蔽部の遮蔽率の低下を招くためX線遮蔽格子のX線遮蔽部とX線透過部との透過コントラストが低下する。
凹部の底面8のシリコンが露出したら、図1(e)に示したように、シード層12を形成する。シード層は、第5工程で配置する金属との密着性と導電性から、金属を含むことが好ましい。
シード層12の形成方法は、指向性の高い成膜方法から選択すると、凹部の側壁10に金属膜が形成されにくいため好ましい。指向性の高い方法の例としては電子ビーム蒸着や抵抗加熱蒸着が挙げられる。凹部4の底面8はシリコン表面が露出されているため、凹部4の底面8ではシリコンと金属膜とが接しシード層12となる。一方、凸部の頂面5にも金属膜(不図示)が形成され、側壁10の一部にも金属膜(不図示)が形成されることがあるが、頂面5と側壁10とには、絶縁層2、18が配置されているため、金属膜とは接していない。よって、第5工程でシリコン基板に通電して電気めっきをすると、シード層12には通電されるが、頂面5や側壁10に付着した金属膜には通電されず、選択的に凹部の底面8からめっきが析出する。指向性の低い成膜方法としてはスパッタリングやCVDが挙げられ、これらの方法では側壁10や頂面5にも金属膜が成膜されやすい。側壁10と頂面5には絶縁層が形成されているが、小さな穴が開いている場合や部分的に絶縁層が薄くなっている領域等、絶縁不良がある領域が生じることがあるため、側壁に形成された金属膜とシリコン基板とが電気的に接続されることがある。この場合、そのままめっきを行うと側壁10からもめっきが析出して充填不良が発生しやすいため、側壁10と頂面5に形成された金属膜を除去してから電気めっきを行うことが好ましい。側壁10と頂面5とに形成された金属膜を選択的に除去する方法としては、例えば、凹部の底面8に選択的にシリサイドを形成する方法がある。具体的には、金属を成膜後にシリコン基板3を加熱し、凹部の底面8のシリコンと金属膜とが接している部分にシリサイドを形成し、その後、金属のみをエッチング除去し、シリサイドをシード層12とする。なお、例え電気めっき時には絶縁不良となる厚みであっても、頂面5や側壁10は金属膜との間に絶縁層が配置されているため、シリサイドは形成されないので、頂面5と側壁10に形成された金属膜はエッチング除去することができる。
(第5工程)
次に、図1(f)に示すように、シード層をシードとした電気めっきにより、凹部に金属を充填して金属層を形成する工程について説明する。
電気めっきは、シリコン基板3を陰極にし、対極の導電性の基板を陽極にして通電する。シード層12とシリコン基板3とは電気的に接続されているため、シリコン基板3に通電するとシード層12に電気が供給されて凹部内に金属が析出し、金属層13が形成される。これにより、X線遮蔽格子が作製される。尚、金属層13の厚さは凹部の深さよりも小さくても良く、例えば金属が凹部4の深さの半分まで充填されたところでめっきを終えても良い。好ましくはハードマスクの頂面6の高さまで充填しないことがよい。これはハードマスク部分はテーパー部分11があるため、ハードマスクの頂面6の高さまで金属を充填すると、その部分の金属部分の幅が局所的に大きくなるからである。また、金属が凹部4から溢れるまで電気めっきをして、その後、化学機械研磨(CMP)によりで溢れ出した金属を除去しもよい。さらに物理的研磨とCMPを組み合わせ、溢れ出した金属とハードマスク2を除去して凸部の頂面5を露出させてもよい。シリコンの凸部7はX線遮蔽格子として使用するときにX線の透過部となるため、ハードマスク2を除去することで僅かではあるがX線の透過率が向上する効果を奏する。
尚、上述の説明では1次元のX線遮蔽格子の製造方法について説明したが、シリコン基板をエッチングする際のマスクのパターンを変えれば、2次元のX線遮蔽格子についても同様に製造することができる。例えば、図1(h)に示したように、ドットが交差する2方向に配列されたマスクパターンを用いてシリコン基板をエッチングすると、交差する2方向において凹部内に複数の凸部が周期的に配列したシリコン基板を得ることができる。凹部に着目して言い換えると、この凹部は、交差する2方向に孔が周期的に配列した凹部と言うこともできる。本発明及び本明細書では、このように、周期的に孔が配列した凹部のことを、周期を有する凹部と呼ぶことがある。尚、図1(h)に示したシリコン基板も、a−a’断面は図1(g)に示したシリコン基板のb−b’断面と一致する。
(実施形態2)
本実施形態では、実施形態1に記載の製造方法で製造した1次元および2次元のX線遮蔽格子について説明をする。本実施形態のX線遮蔽格子の一部を拡大した上面図を図3に示す。本発明の1次元のX線遮蔽格子は図3(a)に示すようにライン状にX線遮蔽部15とX線透過部16とが配置された構造である。2次元のX線遮蔽格子は図3(b)に示すようにX線透過部16が2次元状に配置された構造であるがX線透過部16とX線遮蔽部15とが互いに入れ換わった配置であってもよい。
本実施形態のX線遮蔽格子の断面の模式図(以下、断面図)を図4((a)〜(c))に示す。尚、図4は、図3中のc−c’及びd−d‘で示した切断面の断面図を示す。本実施形態のX線遮蔽格子は、X線遮蔽部15とX線透過部16との幅は互いに等しくある必要はない。X線透過部16の幅の方が大きい場合は、透過率の大きなX線遮蔽格子となる。凹部の底面8にはシード層12が設けられてもいてもよいし、シード層と金属層とが同じ材料の場合、シード層と金属層とが一体化され、区別がつかないこともある。
図4に示したX線遮蔽格子は、凹部と、凹部に挟まれた凸部7とを有するシリコン基板17と、凸部7の側壁10に配置された絶縁層18と、凹部に配置された金属層13とを備える点が共通している。また、凸部7は、第1の方向14において周期的に配置されており、第1の方向14における絶縁層18の幅Cは、凸部7の幅B’の11%以上であり、
絶縁層18がシリコン酸化物である点も共通している。X線が凸部7の高さ方向に入射するように配置して使用することによって、凸部7と側壁の絶縁層18がX線透過部16として機能し、金属層13がX線遮蔽部15として機能する。
図4(a)のX線遮蔽格子は、凸部7の頂面に絶縁層2が配置されている。頂面の絶縁層2は、側壁の絶縁層18と繋がっており、凸部の角に対応する部分にテーパー部分11が存在する。
金属層13の高さが凸部7の高さと略等しく、絶縁層のテーパー部分11の高さより小さいため、金属層の幅は高さ方向(図4における紙面上下の方向)においてほぼ一定である。凸部7のテーパー部分11はX線透過部16のためX線透過部16とX線遮蔽部15との境界部での透過コントラストが大きなX線遮蔽格子である。
図4(b)のX線遮蔽格子は、金属層13の高さが凸部の頂面の配置された絶縁層2の頂面と略等しく、絶縁層のテーパー部分11の高さより高い点が図4(a)のX線遮蔽格子と異なる。テーパー部分11よりも上の部分では、金属層の幅が大きくなるため、X線透過部16とX線遮蔽部15との境界部での透過コントラストが図4(a)に示したX線遮蔽格子よりもやや低下する。しかしながら、金属層13の高さを凸部7の高さよりも高くできるため、X線遮蔽部15のX線遮蔽率が図4(a)のX線遮蔽格子よりも高い。
図4(c)のX線遮蔽格子は、凸部7の頂面に絶縁層2が配置されていない点が図4(a)のX線遮蔽格子と異なる。このX線遮蔽格子は、図4(a)又は図4(b)に示したようなX線遮蔽格子の表面を研磨して絶縁層2を除去することで製造することができる。凸部7はX線透過部16であるため、凸部7の頂面の絶縁層2が除去されることで、図4(a)のX線遮蔽格子よりもX線透過部16の透過率が向上する。
上述のように、本実施形態のX線遮蔽格子は、第1の方向14における絶縁層18の幅Cは、凸部7の幅B’の10%以上であり、絶縁層18はシリコン酸化物の層である。図4の様に第1の方向が紙面横方向であるとき、X線遮蔽格子1周期分には、凸部7の幅B‘の幅の10%以上の幅を有する絶縁層が左右に存在するため、絶縁層18の幅の合計は、凸部の幅B’の20%以上となる。言い換えると、本実施形態のX線遮蔽格子は、第1の方向14における金属層(凹部)に挟まれた領域のうち、絶縁層18の占める割合が17%以上である。図5は厚さ12μmと24μmのシリコンとシリコン酸化物(SiO)の各X線エネルギー(9KeV、18KeV、27KeV)における透過率を示したグラフである。図5の縦軸(Transmission)はX線が透過する割合(X線透過量/X線入射量)を示す。図5から、特にエネルギーが小さな場合においてシリコン酸化物の方がシリコンよりも透過率が大きいことが分かる。本実施形態では、凹部に挟まれた領域の幅のうち絶縁層18の占める割合が17%以上であることから、透過部がシリコンのみもしくはシリコンと薄いシリコン酸化層で構成されているX線遮蔽格子よりも、透過部の透過率が向上する。よって、X線透過部とX線遮蔽部とでのX線透過コントラストが大きなX線遮蔽格子となる。凹部に挟まれた領域の幅のうち絶縁層18の占める割合は、20%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更に好ましい。凸部を囲む絶縁層の幅が略等しい(図4の様に、凸部の左右の絶縁層の幅が略等しい)場合、凹部に挟まれた領域の幅のうち絶縁層18の占める割合が20%以上のとき、絶縁層の幅Cは、凸部7の幅B’の12.5%以上である。同様に、絶縁層18の占める割合が50%以上のとき絶縁層の幅Cは、凸部7の幅B’の50%以上であり、絶縁層18の占める割合が70%以上のとき絶縁層の幅Cは、凸部7の幅B’の117%以上である。
本実施形態のX線遮蔽格子は、金属層13の幅Cが2μmより小さことが好ましく、より好ましくは1μm以下である。また、ピッチは4μm以下であることが好ましく、より好ましくは3μm以下である。また、金属層13のアスペクト比が6より大きいことが好ましく、より好ましくは15より大きい。トールボット干渉計用のX線遮蔽格子として用いる場合、狭ピッチで高アスペクト比なX線遮蔽格子を用いることで被検体のより細かな情報が取得できる。さらに本実施形態のようにX線透過部の透過率が向上されたX線遮蔽格子を使用することで高コントラストな検出結果を得ることができ、検出結果を用いて被検体の位相、散乱、吸収情報の画像を取得する場合は、画像のS/N比を向上させることができる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
本実施例では、実施形態1を用いて、実施形態2に係る1次元のX線遮蔽格子を製造する方法の具体例について、図1、図2、図3(a)、図4(a)を用いて説明をする。
100mmφ、200μm厚で、抵抗率が0.02Ωcmのシリコン基板3を用いる。シリコン基板3を1050℃で4時間熱酸化し、シリコン基板3の両面にそれぞれ約1.0μmのシリコン酸化物からなる絶縁層を形成する。
絶縁層の上にポジ型レジストを塗布し、等倍露光方式による半導体フォトリソグラフィにて50mm×50mmの領域に2μm幅のライン状のレジスト開口部が3μmピッチで1次元のストライプ状に配置されるようにパターニングを行う。こうすることによって、3μmピッチで2μm幅のライン状の開口部が1次元に配列した、ストライプ状のレジストパターンが絶縁層2に形成される。その後、CHFを用いた反応性エッチングでレジストパターンをマスクとして絶縁層をエッチングし、シリコン基板3の表面を露出させる。レジストを除去することで、シリコン基板3の第1の面1にパターニングされた絶縁層2が形成される(図1(a))
続いて、ICP−RIEにて絶縁層2をマスクとした垂直性の高い深堀りエッチングを行い、複数の凹部4を形成する(第1工程、図1(b)、図1(g))。100μmの深堀りエッチングを行ったところでエッチングを停止する。これにより深さ100μmで幅が2.1μmのシリコンの凹部4が複数形成されたシリコン基板3を得ることができる(図1(g))。このとき、凹部4のアスペクト比は100/2.1=47.6である。また、絶縁層2の頂面6の幅Aは0.83μmとなり、凸部の頂面5の幅Bは0.90μmとなる。続いてUVオゾンアッシングし、ハイドロフルオロエーテル、そして硫酸と過酸化水素水の混合液によって洗浄を行う。水洗後、イソプロピルアルコールに浸してシリコン基板3を乾燥させる。
次に、1050℃で86分間の熱酸化によって、上述のエッチングによって形成されたシリコンの凹部の側壁10に0.535μmの熱酸化層を形成すると、シリコンの凹部4の幅が1.5μmに縮小される(図1(c))。このとき凹部4のアスペクト比は99.7/1.5=66.5となり、凸部の頂面5の幅B’は0.429μmとなり、絶縁層の頂面6の幅A’は0.86μmとなる。また、熱酸化によって第1の方向における透過部(凹部に挟まれた領域)の幅は1.5μmに拡大され、透過部の幅のうちシリコン酸化物の層の占める割合が71%((0.535μm+0.535μm)/1.5μm×100)となる。但し、透過部の幅とは、シリコン基板の凸部と側壁の絶縁層との合計幅のことを指す。このとき、絶縁層18の幅Cは、シリコン基板の凸部の頂面の幅B’の124%となり、遮蔽格子1周期分における絶縁層18の幅は、凸部の頂面の幅B’の248%となる。このように、シリコン基板の熱酸化により、第1の方向14において、絶縁層の頂面の幅A’が、シリコン基板のうち凸部の頂面の幅B’よりも大きくなる(第2工程)と同時に、凹部の側壁に絶縁層が形成される(第3工程)。
次に、シリコンの凹部4の底面8に形成された絶縁層を除去し、底面8のシリコン基板表面を露出させる(図1(d))。熱酸化膜の部分的な除去は、CHFプラズマによるドライエッチング法を用いる。このエッチングは高い垂直性があり、基板にほぼ垂直の方向で進行する。第1の面の絶縁層2の高さが0.642μm減少するまでエッチングを行うと、シリコンの凹部4の底面8に形成された絶縁層が除去され、シリコン基板の表面が露出する。このとき、角部9のシリコンは露出しない。
次に、電子ビーム蒸着装置にて金を50nm成膜する。これにより凹部の底面8のシリコン露出面に、金からなる金属膜が付与される。また絶縁層の頂面6にも金からなる金属膜が付与される。つづいて、シリコン基板3をホットプレート上に置き、室温から昇温させ、ホットプレートの温度が330℃になった時点でシリコン基板3をホットプレートから下ろす。こうすることによってシリコン露出面上の金とシリコンとがシリサイドを形成するため、凹部の底面8のシリコンと金とが接する面がシリサイド化し、シリサイド層が形成される。一方、絶縁層の頂面6に成膜された金は絶縁層2を介して凸部の頂面5に配置されているため、シリサイドを形成しない。
次に、金のエッチング液の、ヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液にシリコン基板3を浸す。すると、金はエッチング除去されるが、シリサイド層はエッチングされない。よって、絶縁層の頂面6上の金は除去され、絶縁層2の頂面6が露出し、凹部の底面8にはシリサイド層が残る。本実施例ではシリサイド層をシード層12として用いる(図1(e)、第4工程)。
水洗後、シリコン基板3を陰極に繋ぎ、チタンのメッシュに白金が成膜された金属メッシュを陽極に繋いで、金めっきを行う(第5工程)。金めっきは、ノンシアン金めっき液(ミクロファブAu1101、日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース)を用い、めっき液の温度を60℃、電流密度を0.2A/dm2として金めっきを行う。すると、シリサイド層がシードとなり、凹部の底面8のシリサイド層から金属層(金のめっき層)が成長する。このとき、角部9からのめっき析出は発生しない。めっき層が約100μmの高さまで成長した時点でめっきを停止すると凹部4に金属が充填され、凹部4に金属層13が配置されたX線遮蔽格子が得られる(図1(f))。その後、X線顕微鏡評価では、コントラストが鮮明な格子像を得られ、金属の充填不良は確認されない。これにより、50mm×50mmの領域に3μmピッチでX線遮蔽部(金属層)の幅が1.5μmの1次元のX線遮蔽格子が製造できていることが確認できる(図3(a)、図4(a))。
本実施例では、実施形態1を用いて、実施形態2に係る2次元のX線遮蔽格子を製造する方法の具体例について、図1、図2、図3(b)、図4(a)を用いて説明をする。実施例1とは、シリコン基板の第1の面に配置された絶縁層のパターニング方法、形成するパターン、及び凹部の深さが異なる。
実施例1と同じシリコン基板3を用いて、実施例1と同様に絶縁層を形成する。その上にポジ型レジストを塗布し、レチクルのパターンを縮小露光するステッパーを用いた半導体フォトリソグラフィにて、20mm×20mmの領域に2次元パターンのパターニングを行う。2次元パターンは、1.88μmΦのレジスト円形パターンが2.60μmピッチで第1の方向と第1の方向と交差する第2の方向との2方向に周期的に配置され他パターンである。こうすることによって、2.60μmピッチで1.88μmΦの円形レジストパターンが2次元に配列したレジストパターンが絶縁層2に形成される。その後、CHFを用いた反応性エッチングでレジストパターンをマスクとして絶縁層をエッチングし、シリコン基板3の表面を露出させる。レジストを除去することでシリコン基板3上に絶縁層2がパターニングされる(図1(a))
続いて、実施例1と同様に、ICP−RIEにて絶縁層2をマスクとして垂直性の高い深堀エッチングを行い、凹部4を形成する(第1工程、図1(b))。この凹部内には、複数の凸部が第1と第2の方向とに配列されており、凹部4が周期を有する。12μmの深堀エッチングを行ったところでエッチングを停止する。これにより深さ12μmで幅が0.9μmのシリコンの凹部4が形成されたシリコン基板3を得ることができる。このとき、凹部4のアスペクト比は12/0.9=13.3である。但し、本発明及び本明細書において、凹部が第1の方向に周期を有する場合、凹部のアスペクト比とは、凹部の孔が第1の方向に配列している箇所(例えば、図1(h)のb−b‘)で第1の方向に平行な方向に切断したときの切断面におけるアスペクト比とする。このとき、絶縁層の頂面6の幅Aは1.61μmとなり、凸部の頂面5の幅Bは1.70μmとなる。続いてUVオゾンアッシングし、ハイドロフルオロエーテル、そして硫酸と過酸化水素水の混合液によって洗浄を行う。水洗後、イソプロピルアルコールに基板を浸しシリコン基板3を乾燥させる。
次に、1050℃で44分間の熱酸化によって、上述のエッチングによって形成されたシリコンの凹部4の側壁に0.357μmの熱酸化層を形成すると、シリコンの凹部4の幅が0.5μmに縮小される(図1(c))。このとき、凹部4のアスペクト比は12/0.5=24である。また、凸部の頂面5の幅B’は1.386μmとなり、絶縁層の頂面6の幅A’は1.63μmとなる。つまり、本実施例でも、実施例1と同様に熱酸化により第2工程と第3工程とを同時に行う。また、熱酸化によって第1の方向における透過部の幅は2.1μmに拡大され、透過部の幅のうちシリコン酸化層の占める割合が34%((0.357μm+0.357μm)/2.1μm)となる。このとき、側壁の絶縁層の幅Cは、シリコン基板の凸部の頂面の幅B’の約26%である。尚、本発明及び本明細書において、2次元のX線遮蔽格子における凸部の幅又は絶縁層の幅とは、凹部の孔が第1の方向に配列している箇所で第1の方向に平行な方向に切断したときの切断面における凸部の幅又は絶縁層の幅とする。
次に、実施例1と同様に凹部の底面8に形成された絶縁層を除去し、底面8のシリコン基板表面を露出させる(図1(d))。絶縁層2の高さが0.428μm減少するまでエッチングを行うと、シリコンの凹部の底面8に形成された絶縁層が除去され、シリコン基板の表面が露出される。このとき、角部9のシリコンは露出しない。
次に、実施例1と同様に、電子ビーム蒸着装置による金50nmの成膜と、ホットプレートによるシリサイド層の形成と、ヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液による金エッチングにより、底面8にシード層12を形成する(第4工程、図1(e))。
水洗後、実施例1と同様に金めっきを行い、金属層13が約12μmの高さまで成長した時点でめっきを停止する(図1(f))。本実施例においても、角部9からめっきは析出しない。
次にシリコン基板3ののうち、金属が充填された20mm×20mmの領域と対向する面の20mm×20mmの領域を部分的にドライエッチングし、部分的にシリコン基板3を50μmの厚さに薄化する。その後、X線顕微鏡評価では、コントラストが鮮明な格子像を得られ、金属の充填不良は確認されない。これにより、20mm×20mmの領域に2.6μmピッチでX線遮蔽部(金属層)の幅が0.5μmで且つX線遮蔽部15とX線透過部16の面積比率がほぼ等しい2次元のX線遮蔽格子が製造できていることが確認できる(図3(b)、図4(a))。但し、本発明及び本明細書において、2次元のX線遮蔽格子におけるX線遮蔽部の幅とは、アスペクト比と同様に、凹部の孔が第1の方向に配列している箇所で第1の方向に平行な方向に切断したときの切断面における幅とする。
本実施例は実施例2と同様なX線遮蔽格子であるが、第1の方向において、X線透過部16の幅のうちシリコン酸化層の占める割合が5%のX線遮蔽格子である。具体的には、凸部の幅B’が1.84μm、側壁の絶縁層の幅Cが0.13μm、X線遮蔽部の幅が0.5μmのX線遮蔽部である。尚このとき、側壁の絶縁層の幅Cは凸部の幅B’の7%である。
本実施例のX線遮蔽格子は、実施例2と同様に実施形態1を用いて製造することができる。具体的には、実施例2における、凹部が形成されたシリコン基板を熱酸化する工程(図1(c))の時間を短くする又は加熱温度を低く設定し、側壁の絶縁層の幅Cが0.13μmに達した時点で熱酸化を停止すればよい。但し、実施例2は、実施形態2に係るX線遮蔽格子を製造したが、本実施例で製造されるX線遮蔽格子は、実施形態2に係るX線遮蔽格子ではない。本実施例のX線遮蔽格子は、入射するX線のエネルギーが9keVにおいて、X線透過部のX線透過率が、実施例2のX線遮蔽格子のX線透過部よりも約1.7%低い。
本実施例では、実施例1,2と同様に、実施形態1を用いて、実施形態2に係る2次元のX線遮蔽格子を製造する方法の具体例について、図1、図2、図3(a)、図4(c)を用いて説明をする。本実施例に係るX線遮蔽格子は、遮蔽部の幅、ピッチ、金属層の高さ、透過部の幅に占める絶縁層の幅が実施例1のX線遮蔽格子と異なるが、その他の点は実施例1のX線遮蔽格子と同様である。
実施例1と同じシリコン基板3を用いて、実施例1と同様に絶縁層を形成する。その上にポジ型レジストを塗布し、等倍露光方式による半導体フォトリソグラフィにて50mm×30mmの領域に2.17μm幅のレジスト開口パターンが4.0μmピッチで1次元のストライプ状に配置されるようにパターニングを行う。
その後、実施例1と同様に、CHFを用いた反応性エッチングと、ICP−RIEによるシリコン基板の深堀エッチングを行い、複数の凹部4を形成する(図1(a)、図1(b))。12μmの深堀エッチングを行ったところでエッチングを停止する。これにより深さ12μmで幅が2.2μmのシリコンの凹部4が複数形成されたシリコン基板3を得ることができる。このとき、凹部4のアスペクト比は12/2.2=5.45である。このとき、絶縁層の頂面6の幅Aは1.67μmとなり、凸部の頂面5の幅Bは1.80μmとなる。続いて、実施例1と同様にシリコン基板3のUVオゾンアッシング、洗浄、水洗、乾燥を行う。
次に、1050℃で14分間の熱酸化によって、上述のエッチングによって形成されたシリコンの凹部の側壁10に0.180μmの熱酸化層を形成すると、シリコンの凹部4の幅が1.99μmに縮小される(図1(c))。このとき凹部4のアスペクト比は11.9/1.99=6となり、凸部の頂面5の幅B’は1.64μmとなり、絶縁層の頂面6の幅A’は1.69μmとなる。また、熱酸化によって第1の方向におけるX線透過部の幅は2.01μmに拡大され、X線透過部の幅のうち側壁の絶縁層の占める割合が17.9%((0.180μm+0.180μm)/2.01μm)となる。このとき、側壁の絶縁層の幅Cは、凸部の頂面5の幅Bの10.9%である。
次に、実施例1と同様にシリコンの凹部の底面8に形成された絶縁層をCHFプラズマによって除去し、底面8のシリコンを露出させる(図1(d))。第1の面1の絶縁層2の高さが0.215μm減少するまでエッチングを行うと、シリコンの凹部の底面8に形成された絶縁層が除去される。このとき、角部9のシリコンは露出しない。
次に、実施例1と同様に凹部の底面8に金を50nm成膜し、ホットプレートを用いてシリサイド層を形成し、金のエッチング液を用いてシリサイド化されていない金をエッチング除去する(図1(e))。
水洗後、実施例1と同様にシリサイド層をシードとして金の電気めっきを行う。但し、電気めっきは、凹部から金がはみ出るまで行う。このとき、角部9からのめっき析出は発生しない。
金のCMP(Chemical Mechanical Polising)にてはみ出した金を除去する。このとき、シリコン頂面5に配置された絶縁層2も削られシリコンが露出する。
その後、X線顕微鏡評価では、コントラストが鮮明な格子像を得られ、金属の充填不良は確認されない。これにより、50mm×30mmの領域に4.0μmピッチでX線遮蔽部(金属)の幅が1.99μmの1次元のX線遮蔽格子が製造できていることが確認できる(図3(a)、図4(c))。
本実施例では、実施形態2に係るX線遮蔽格子を備えるX線トールボット干渉計について説明をする。本実施例のX線トールボット干渉計50の模式図を図6に示す。X線トールボット干渉計50は、線源格子54を備えるX線トールボット・ラウ干渉計である。X線トールボット干渉計50は、X線源53と、X線源からのX線を空間的に分割して仮想的に微小なX線源が配列した状態を形成する線源格子54と、線源格子からのX線を回折して干渉パターンを形成するX線回折格子58を備える。線源格子としては、実施形態2のX線遮蔽格子を用いる。X線トールボット干渉計50は更に、干渉パターンを形成するX線の一部を遮蔽して、新たにX線の強度パターンを形成する分析格子59と、分析格子59からのX線の強度分布を検出するX線検出器55も備える。分析格子59も、実施形態2のX線遮蔽格子である。更に、X線トールボット干渉計は、X線検出器の検出結果を用いて被検体56の情報を算出する演算装置52と、演算結果を表示する表示部57と、X線トールボット干渉システム51を構成している。演算装置52は、プロセッサ、メモリ、記憶装置、入出力装置などを有するコンピュータであり、一部の機能を論理回路などのハードウェアで代替することもできる。また、表示部57は、例えばディスプレイ、プリンタである。
尚、X線トールボット干渉計は、X線源を備えなくても良い。X線源を備えないX線トールボット干渉計で撮像を行う場合、適宜、撮像に適したX線源と組み合わせることで撮像を行うことができる。また、X線検出器55の空間分解能が干渉パターンの周期に対して十分に高ければ(概ね、画素サイズが干渉パターンの1/2以下)、分析格子を用いず、直接干渉パターンを検出しても良い。また、線源格子又は分析格子のいずれかのみとして実施形態2の構造体を用いることもできる。
尚、本実施例では実施形態1,2に係るX線遮蔽格子をX線トールボット干渉計に利用した例を説明したが、X線遮蔽格子はそれ以外の用途にも用いることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
2 絶縁層
3 シリコン基板
4 凹部
5 凸部の頂面
6 絶縁層の頂面
7 シリコン基板の凸部
8 底面
9 角部
10 側壁
11 テーパー部分
12 シード層
13 金属層
14 第1の方向
15 X線遮蔽部
16 X線透過部
17 シリコン基板
18 絶縁層

Claims (16)

  1. パターニングされた絶縁層をマスクとしてシリコン基板をエッチングして凹部を形成することで、シリコン基板のうち前記凹部に挟まれた領域である凸部を複数形成する工程と、
    前記凸部の頂面の幅を、前記凸部の頂面に配置された前記絶縁層の頂面の幅よりも小さくする工程と、
    前記凹部の側壁に絶縁層を形成する工程と、
    前記シリコン基板のうち、前記凹部の底面に露出した領域にシード層を形成する工程と、
    前記シード層をシードとして電気めっきにより前記凹部に金属層を形成する工程と、を有し、
    前記凹部において、複数の前記凸部は第1の方向に複数配列されており、
    前記前記凸部の頂面の幅を、前記凸部の頂面に配置された前記絶縁層の頂面の幅よりも小さくする工程は、
    前記第1の方向において、
    前記絶縁層の頂面の幅以上である前記シリコン基板の凸部の頂面の幅を、前記絶縁層の頂面の幅よりも小さくすることを特徴とするX線遮蔽格子の製造方法。
  2. パターニングされた絶縁層をマスクとしてシリコン基板をエッチングし、凹部を形成することで、前記シリコン基板のうち前記凹部に挟まれた領域であるシリコン基板の凸部を形成する工程と、
    前記凸部の頂面の幅を、前記凸部の頂面に配置された前記絶縁層の頂面の幅よりも小さくする工程と、
    前記凹部の側壁に絶縁層を形成する工程と、
    前記シリコン基板のうち、前記凹部の底面に露出した領域にシード層を形成する工程と、
    前記シード層をシードとした電気めっきにより前記凹部に金属層を形成する工程と、を有し、
    前記シリコン基板において、前記凹部は第1の方向に複数配列されており、
    前記凸部の頂面の幅を、前記凸部の頂面に配置された前記絶縁層の頂面の幅よりも小さくする工程は、
    前記第1の方向において、
    前記絶縁層の頂面の幅以上である前記シリコン基板の凸部の頂面の幅を、前記絶縁層の頂面の幅よりも小さくすることを特徴とするX線遮蔽格子の製造方法。
  3. 前記凸部の頂面の幅を、前記凸部の頂面に配置された前記絶縁層の頂面の幅よりも小さくする工程と、前記凹部の側壁に絶縁層を形成する工程とを同時に行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線遮蔽格子の製造方法。
  4. 前記凸部の頂面の幅を、前記凸部の頂面に配置された前記絶縁層の頂面の幅よりも小さくする工程と、前記凹部の側壁に絶縁層を形成する工程とは、
    前記凹部が形成された前記シリコン基板を酸化することにより行われることを特徴とする請求項3に記載のX線遮蔽格子の製造方法。
  5. 前記シリコン基板の酸化は、前記シリコン基板を熱酸化することにより行われることを特徴とする請求項4に記載のX線遮蔽格子の製造方法。
  6. 前記凹部の側壁に絶縁層を形成する工程により形成された、前記凹部の底面の絶縁層の少なくとも一部を除去し、前記底面の少なくとも一部にシリコン基板を露出する工程を有し、
    前記シード層を形成する工程は、前記シリコン基板のうち、前記シリコン基板を露出する工程において露出された領域に前記シード層を形成することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のX線遮蔽格子の製造方法。
  7. 前記パターニングされた絶縁層は、シリコン酸化物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のX線遮蔽格子の製造方法。
  8. 前記凹部の側壁に絶縁層を形成する工程により、前記第1の方向における凹部のアスペクト比が1.1倍以上に増加することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のX線遮蔽格子の製造方法。
  9. 前記凹部の側壁に絶縁層を形成する工程によって、
    前記第1の方向における凹部の幅が2μmより小さくなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のX線遮蔽格子の製造方法。
  10. 前記凹部の深さは12μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のX線遮蔽格子の製造方法。
  11. 凹部と、前記凹部に挟まれた凸部とを有するシリコン基板と、
    前記凸部の側壁に配置される絶縁層と、
    前記凹部に配置された金属層と、
    を備え、
    前記凸部は、前記シリコン基板の第1の方向において周期的に配置されており、
    前記第1の方向において、前記絶縁層の幅は、前記凸部の幅の10%以上であることを特徴とするX線遮蔽格子。
  12. 複数の凹部と、前記複数の凹部に挟まれた凸部とを有するシリコン基板と、
    前記凸部の側壁に配置される絶縁層と、
    前記凹部に配置された金属層と、
    を備え、
    前記複数の凹部は、前記シリコン基板の第1の方向において周期的に配置されており、
    前記第1の方向において、前記絶縁層の幅は、前記凸部の幅の10%以上であることを特徴とするX線遮蔽格子。
  13. 前記第1の方向において、前記金属層の幅が2μmより小さいことを特徴とする請求項11または12に記載のX線遮蔽格子。
  14. 前記第1の方向において、前記金属層のアスペクト比が6より大きいことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のX線遮蔽格子。
  15. X線源からのX線を回折して干渉パターンを形成するX線回折格子と、
    前記干渉パターンを形成するX線の一部を遮蔽する分析格子と、
    前記分析格子を透過したX線を検出する検出器と、を備え、
    前記分析格子は、請求項11乃至14のいずれか1項に記載のX線遮蔽格子であることを特徴とするX線トールボット干渉計。
  16. X線源からのX線を空間的に分割する線源格子と、
    前記線源格子により分割されたX線を回折して干渉パターンを形成するX線回折格子と、
    前記干渉パターンを形成するX線の少なくとも一部を検出する検出器と、を備え、
    前記線源格子は、請求項11乃至14のいずれか1項に記載のX線遮蔽格子であることを特徴とするX線トールボット干渉計。
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