JP2012150219A - 金属格子の製造方法ならびに該製造方法によって製造された金属格子およびこの金属格子を用いたx線撮像装置 - Google Patents

金属格子の製造方法ならびに該製造方法によって製造された金属格子およびこの金属格子を用いたx線撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、シリコン(Si)基板を用い電鋳法で格子の金属部分をより緻密に形成し得る金属格子の製造方法および前記金属格子ならびにこれを用いたX線撮像装置を提供する。
【解決手段】本発明の金属格子DGは、第1Si部分11とこの上に形成され第2Si部分12aおよび金属部分12bを交互に平行に配設した格子12とを備え、第2Si部分12aは、金属部分12bとの間に第1絶縁層12cを有し、その頂部に第2絶縁層12dを有する。金属格子DGは、シリコン基板上にレジスト層を形成し、これをリソグラフィー法でパターニングして除去し、ドライエッチング法で除去部分を所定の深さHまでエッチングして凹部(例えばスリット溝等)を形成し、この凹部の内表面に陽極酸化法によって絶縁層を形成し、凹部の底部の絶縁層を除し、電鋳法で凹部を金属で埋めることで製造される。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計に好適に使用することができる格子を製造するための金属格子の製造方法に関する。そして、本発明は、この製造方法によって製造された金属格子およびこの金属格子を用いたX線撮像装置に関する。
回折格子は、多数の平行な周期構造を備えた分光素子として様々な装置の光学系に利用されており、近年では、X線撮像装置への応用も試みられている。回折格子には、回折方法で分類すると、透過型回折格子と反射型回折格子とがあり、さらに、透過型回折格子には、光を透過させる基板上に光を吸収する部分を周期的に配列した振幅型回折格子(吸収型回折格子)と、光を透過させる基板上に光の位相を変化させる部分を周期的に配列した位相型回折格子とがある。ここで、吸収とは、50%より多くの光が回折格子によって吸収されることをいい、透過とは、50%より多くの光が回折格子を透過することをいう。
近赤外線用、可視光用または紫外線用の回折格子は、近赤外線、可視光および紫外線が非常に薄い金属によって充分に吸収されることから、比較的容易に製作可能である。例えばガラス等の基板に金属が蒸着されて基板上に金属膜が形成され、該金属膜が格子にパターニングされることによって、金属格子による振幅型回折格子が作製される。可視光用の振幅型回折格子では、金属にアルミニウム(Al)が用いられる場合、アルミニウムにおける可視光(約400nm〜約800nm)に対する透過率が0.001%以下であるので、金属膜は、例えば100nm程度の厚さで充分である。
一方、X線は、周知の通り、一般に、物質による吸収が非常に小さく、位相変化もそれほど大きくはない。比較的良好な金(Au)でX線用の回折格子が製作される場合でも、金の厚さは、100μm程度必要となり、透過部分と吸収や位相の変化部分とを等幅で数μ〜数十μのピッチで周期構造を形成した場合、金部分の幅に対する厚さの比(アスペクト比=厚さ/幅)は、5以上の高アスペクト比となる。このような高アスペクト比の構造を製造することは、容易ではない。そこで、このような高アスペクト比の構造を備えた回折格子の製造方法が、例えば、特許文献1および特許文献2に提案されている。
この特許文献1に開示の回折格子の製造方法は、X線タルボ干渉計に用いられる回折格子の製造方法であって、次に各工程を備えて構成される。まず、ガラス基板の一側面に金属シート層が形成される。次に、この金属シート層上に紫外線感光性樹脂が塗布され、この紫外線感光性樹脂が位相型回折格子用の光学リソグラフィーマスクを用いてパターン露光され、現像されることでパターンニングされる。次に、金属メッキ法によって、前記紫外線感光性樹脂が除去された部分にX線吸収金属部が形成される。そして、パターニングされた紫外線感光性樹脂およびこの紫外線感光性樹脂に対応する金属シート層の部分が除去される。これによって位相型回折格子が製造される。そして、この位相型回折格子の前記一側面に紫外線感光性樹脂が塗布され、この紫外線感光性樹脂がこの位相型回折格子を光学リソグラフィーマスクとして用いて位相型回折格子の他側面からパターン露光され、現像されることでパターンニングされる。次に、前記金属シート層を介して電圧を印加することで金属メッキ法によって、前記紫外線感光性樹脂が除去された部分であって位相型回折格子のX線吸収金属部に、さらにX線吸収金属部が形成される。以下、このさらにX線吸収分金属部を形成した位相型回折格子を新たな光学リソグラフィーマスクとして、上述の各工程が、X線吸収金属部が必要な厚さとなるまで繰り返される。これによって振幅型回折格子が製造される。
また、特許文献2に開示のX線タルボ回折格子の製造方法は、誘導結合型プラズマ処理装置においてシリコン基板に対してF原子を含むガスによる選択的な反応性イオンエッチングを行うことで凹部を形成するエッチング工程と、誘導結合型プラズマ処理装置においてフルオロカーボン系のガスを導入することによりポリマー膜を前記凹部の底面および側壁面に保護膜として堆積する保護膜堆積工程と、を交互に反復することで溝を形成する溝形成工程と、誘導結合型プラズマ処理装置において酸素ガスを導入することにより、前記溝の底面および側壁面にシリコン酸化膜からなる電気絶縁膜を形成するシリコン酸化膜形成工程と、誘導結合型プラズマ処理装置においてF原子を含むガスによる反応性イオンエッチングを行うことで、前記電気絶縁膜のうち前記溝の底面に形成されている部分を除去し、当該底面において前記シリコン基板のシリコンを露出させるシリコン露出工程と、露出した前記シリコンの表面をシード層として電気メッキを行い、前記溝の内部にX線吸収金属部を析出させる電気メッキ工程と、を含む。
特開2009−037023号公報 特開2010−185728号公報
ところで、前記特許文献1に開示された回折格子の製造方法では、X線吸収金属部が必要な厚さとなるまで前記各工程が繰り返されるので、手間がかかり、また煩雑である。
この点、前記特許文献2に開示されたX線タルボ回折格子の製造方法では、このような各工程の繰り返しがないので、比較的簡便である。
しかしながら、前記特許文献2の前記シリコン酸化膜形成工程によって前記溝の底面および側壁面に形成されるシリコン酸化膜からなる電気絶縁膜は、誘導結合型プラズマ処理装置に酸素を導入することによって形成される場合、前記特許文献2で引用する非特許文献「大原淳士、外5名、「二重側壁保護膜を用いた新しいディープRIE技術の開発」、デンソーテクニカルレビュー、デンソー株式会社、2000年、Vol.5 No.1 2000、p45−50」を参照すると、せいぜい2nm程度であり、プラズマ処理にかかわる放電条件や、酸素の流量、酸素を照射する時間等の条件を変えてもこれよりも厚い膜をつけるのは困難である。このため、前記特許文献2の前記シリコン露出工程における反応性イオンエッチングのマスクとして機能するが、上述の如く膜厚が薄く、そして、実際にはその緻密性や膜厚の均一性に欠けるため、前記特許文献2の前記電気メッキ工程の電気絶縁膜として充分に機能しない場合があり、前記電気メッキ工程における適確な膜とはいえない。したがって、シリコン全体に導電性があるため、前記電気メッキ工程において、X線吸収金属は、前記溝の側壁面からも成長する可能性が高く、この結果、X線吸収金属部の内部に空間(ボイド、金属が未充填の部分)が発生してしまう虞があり、前記溝を電気メッキによって前記X線吸収金属で緻密に埋めることが難しい。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、シリコン基板を用い、電鋳法によって格子の金属部分をより緻密に形成することができる金属格子の製造方法を提供することである。そして、本発明の他の目的は、この金属格子の製造方法を用いて製造された金属格子およびこの金属格子を用いたX線撮像装置を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる金属格子の製造方法は、シリコン基板の主面上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、前記レジスト層をパターニングして前記パターニングした部分の前記レジスト層を除去するパターニング工程と、ドライエッチング法によって前記レジスト層を除去した部分に対応する前記シリコン基板をエッチングして所定の深さの凹部を形成するエッチング工程と、陽極酸化法によって、前記シリコン基板における前記凹部の内表面に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記凹部の底部に形成された前記絶縁層の部分を除去する除去工程と、電鋳法によって、前記シリコン基板に電圧を印加して前記凹部を金属で埋める電鋳工程とを備えることを特徴とする。
このような構成の金属格子の製造方法は、シリコンをドライエッチングするので、例えばスリット溝や柱状穴等の凹部における幅に対する深さの比(凹部のアスペクト比=深さ/幅)の高い前記凹部を形成することができる。この結果、このような構成の金属格子の製造方法は、この凹部を金属で埋めることで、高アスペクト比の金属部分を持つ金属格子を製造することができる。そして、前記電鋳工程で電鋳法によって前記凹部を金属で埋める際に、まず、絶縁層形成工程で、陽極酸化法によって、前記凹部の内表面に絶縁層が形成され、そして、除去工程で、この絶縁層における凹部の底部部分が除去される。したがって、絶縁層形成工程では、緻密性、密着性および膜厚の均一性に優れかつその膜厚を比較的制御し易い陽極酸化法によって絶縁層が形成されるので、電鋳工程の電鋳法に対し電気的な絶縁を確保することができる所定膜厚のシリコン酸化膜(SiO膜)を形成することができ、凹部を構成する壁部であってエッチング工程で残留したシリコン基板の壁部における壁面部分(凹部の内側側面部分)が絶縁層によって絶縁状態となるとともに、凹部の底部が通電可能な状態となる。このため、凹部の壁面(内側側面)から金属がより確実に析出および成長することがなく、凹部の底部から金属がより確実に析出し成長する。したがって、このような構成の金属格子の製造方法は、このように金属が前記凹部の底部から選択的に成長するので、ボイドの発生を効果的に抑制することができる。この結果、このような構成の金属格子の製造方法は、電鋳法によって格子の前記金属部分をより緻密に形成することができる。
また、他の一態様では、この上述の金属格子の製造方法において、前記レジスト層は、前記エッチング工程および前記除去工程の後に残留する厚さであることを特徴とする。
この構成によれば、レジスト層がエッチング工程のエッチング処理や除去工程の除去処理に対し削られる材料によって形成される場合であっても、除去工程後にレジスト層が確実に残留する。このため、このような構成の金属格子の製造方法は、凹部を構成する壁部であってエッチング工程で残留したシリコン基板の壁部の頂部(上面)もレジスト層によって絶縁性を確保することができ、より確実に該壁部の、電鋳法に対する絶縁性を確保することができる。
また、他の一態様では、この上述の金属格子の製造方法において、前記レジスト層は、前記エッチング工程のエッチング処理および前記除去工程の除去処理に対し耐性を有するとともに、前記電鋳工程で絶縁性を持つ材料で形成されることを特徴とする。この金属格子の製造方法において、好ましくは、前記レジスト層は、金属酸化膜または酸化可能な金属膜であり、より好ましくは、前記レジスト層は、アルミナ膜(Al膜)またはアルミニウム膜(Al膜)である。
この構成によれば、レジスト層がエッチング工程のエッチング処理および除去工程の除去処理に対し耐性を有する材料であって電鋳工程で絶縁性を持つ材料で形成されるので、除去工程で選択的に底部の絶縁層のみを除去することが可能となり、この除去工程後にレジスト層が残留する。電鋳工程での絶縁性は、先天的にレジスト膜の形成時から有していてもよく、レジスト膜の形成後のいずれかの工程において後天的に獲得するものであってもよい。このため、このような構成の金属格子の製造方法は、より確実に、凹部を構成する壁部であってエッチング工程で残留したシリコン基板の壁部の、電鋳法に対する絶縁性を確保することができる。
また、他の一態様では、これら上述の金属格子の製造方法において、前記ドライエッチング法は、RIE(Reactive Ion Etching、反応性イオンエッチング)であることを特徴とする。
このような構成の金属格子の製造方法は、RIEによって異方性エッチングを行うことができるので、深さ方向(主面(表面)に垂直な方向)に沿ってシリコン基板をエッチングすることができ、比較的容易にスリット溝を形成することができる。
また、他の一態様では、これら上述の金属格子の製造方法において、前記ドライエッチング法は、ボッシュプロセスであることを特徴とする。
このような構成の金属格子の製造方法は、ボッシュプロセスによってシリコン基板がドライエッチングされるので、前記凹部の側面がより平坦となり、高精度に金属格子を形成することができる。
また、他の一態様では、これら上述の金属格子の製造方法は、X線タルボ干渉計またはX線タルボ・ロー干渉計に用いられる金属格子を製造する場合に用いられる。
上述したように、X線では、高アスペクト比が求められるが、これら上述の金属格子の製造方法を用いることによって、より緻密に形成された高アスペクト比の金属部分を備えたX線タルボ干渉計またはX線タルボ・ロー干渉計に用いられる回折格子やマルチスリット板の金属格子を製造することができる。
そして、本発明の他の一態様にかかる金属格子は、これら上述のいずれかの金属格子の製造方法によって製造される。
これら上述の金属格子の製造方法によって製造される金属格子は、より緻密に形成された高アスペクト比の金属部分を備えることができる。このため、このような構成の金属格子は、例えば、X線に好適に用いることができ、特に、X線タルボ干渉計またはX線タルボ・ロー干渉計により好適に用いることができる。
また、本発明の他の一態様にかかるX線撮像装置は、X線を放射するX線源と、前記X線源から放射されたX線が照射されるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計と、前記タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計によるX線の像を撮像するX線撮像素子とを備え、前記タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計は、上述の金属格子を含むことを特徴とする。
このような構成のX線撮像装置は、タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計を構成する金属格子に、金属部分がより緻密な上述の金属格子を用いるので、より確実に回折され、より鮮明なX線の像を得ることができる。
本発明にかかる金属格子の製造方法は、シリコン基板を用い、電鋳法によって格子の金属部分をより緻密に形成することができる。そして、本発明では、このような金属格子の製造方法によって製造される金属格子ならびにこの金属格子を用いたX線撮像装置が提供される。
実施形態における金属格子の構成を示す斜視図である。 実施形態における金属格子の第1製造方法を説明するための図(その1)である。 実施形態における金属格子の第1製造方法を説明するための図(その2)である。 実施形態における金属格子の第1製造方法を説明するための図(その3)である。 実施形態における金属格子の第1製造工程中のシリコン基板を示す斜視図である。 ボッシュプロセスによってICPドライエッチングされたシリコン基板の様子を示す図である。 実施形態における金属格子の第2製造方法を説明するための図(その1)である。 実施形態における金属格子の第2製造方法を説明するための図(その2)である。 実施形態における金属格子の第2製造方法を説明するための図(その3)である。 実施形態におけるX線用タルボ干渉計の構成を示す斜視図である。 実施形態におけるX線用タルボ・ロー干渉計の構成を示す上面図である。 実施形態におけるX線撮像装置の構成を示す説明図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
(金属格子)
図1は、実施形態における金属格子の構成を示す斜視図である。本実施形態の金属格子DGは、図1に示すように、第1シリコン部分11と、第1シリコン部分11上に形成された格子12とを備えて構成される。第1シリコン部分11は、図1に示すようにDxDyDzの直交座標系を設定した場合に、DxDy面に沿った板状または層状である。格子12は、所定の厚さH(格子面DxDyに垂直なDz方向(格子面DxDyの法線方向)の長さ)を有して一方向Dxに線状に延びる複数の第2シリコン部分12aと、前記所定の厚さHを有して前記一方向Dxに線状に延びる複数の金属部分12bとを備え、これら複数の第2シリコン部分12aと複数の金属部分12bとは、交互に平行に配設される。このため、複数の金属部分12bは、前記一方向Dxと直交する方向Dyに所定の間隔を空けてそれぞれ配設される。言い換えれば、複数の第2シリコン層12aは、前記一方向Dxと直交する方向Dyに所定の間隔を空けてそれぞれ配設される。この所定の間隔(ピッチ)Pは、本実施形態では、一定とされている。すなわち、複数の金属部分12b(複数の第2シリコン部分12a)は、前記一方向Dxと直交する方向Dyに等間隔Pでそれぞれ配設されている。第2シリコン部分12aは、前記DxDy面に直交するDxDz面に沿った板状または層状であり、金属部分12bもこのDxDz面に沿った板状または層状である。
そして、複数の第2シリコン部分12aと複数の金属部分12bとの各間には、複数の第1絶縁層12cがそれぞれさらに備えられている。すなわち、第2シリコン部分12aの両側面には、第1絶縁層12cが形成されている。言い換えれば、金属部分12bの両側面には、第1絶縁層12cが形成されている。第1絶縁層12cは、第2シリコン層12aと金属部分12bとを電気的に絶縁するように機能する酸化シリコン膜(SiO膜、シリコン酸化膜)である。
さらに、複数の第2シリコン部分12aの上面(頂部)には、第2絶縁層12dがそれぞれさらに備えられている。第2絶縁層12dは、第2シリコン層12aを後述の電鋳法において電気的に絶縁するように機能する。この第2絶縁層12dは、例えば、感光性樹脂層(フォトレジスト膜)や酸化膜等によって形成される。酸化膜は、例えば、酸化シリコン膜(SiO膜、シリコン酸化膜)やアルミナ膜(Al膜、酸化アルミニウム膜)等を挙げることができる。
これら第1シリコン部分11、複数の第2シリコン部分12a、複数の第1絶縁層12cおよび複数の第2絶縁層12dは、X線を透過するように機能し、複数の金属部分12bは、X線を吸収するように機能する。このため、金属格子DGは、一態様として、前記所定の間隔PをX線の波長に応じて適宜に設定することにより、回折格子として機能する。金属部分12bの金属は、X線を吸収するものが好適に選択され、例えば、原子量が比較的重い元素の金属や貴金属、より具体的には、例えば、金(Au)、プラチナ(白金、Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)およびイリジウム(Ir)等である。また、金属部分12bは、例えば仕様に応じて充分にX線を吸収することができるように、適宜な厚さHとされている。この結果、金属部分12bにおける幅Wに対する厚さHの比(アスペクト比=厚さ/幅)は、例えば、5以上の高アスペクト比とされている。金属部分12bの幅Wは、前記一方向(長尺方向)Dxに直交する方向(幅方向)Dyにおける金属部分12bの長さであり、金属部分12bの厚さHは、前記一方向Dxとこれに直交する前記方向Dyとで構成される平面DxDyの法線方向(深さ方向)Dzにおける金属部分12bの長さである。
このような高アスペクト比の金属部分12bを備える金属格子DGは、シリコン基板の主面上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、前記レジスト層をパターニングして前記パターニングした部分の前記レジスト層を除去するパターニング工程と、ドライエッチング法によって前記レジスト層を除去した部分に対応する前記シリコン基板をエッチングして所定の深さの凹部を形成するエッチング工程と、陽極酸化法によって、前記シリコン基板における前記凹部の内表面に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記凹部の底部に形成された前記絶縁層の部分を除去する除去工程と、電鋳法によって、前記シリコン基板に電圧を印加して前記凹部を金属で埋める電鋳工程とによって製造される。前記凹部は、1次元格子では、例えば、スリット溝であり、また2次元格子では、柱状穴(柱状孔)等である。以下、前記凹部がスリット溝である前記金属格子DGの製造方法について、以下、この金属格子DGの製造方法について、詳述する。
(第1製造方法)
図2ないし図4は、実施形態における金属格子の第1製造方法を説明するための図である。図5は、実施形態における金属格子の製造工程中のシリコン基板を示す斜視図である。図6は、ボッシュプロセスによってICPドライエッチングされたシリコン基板の様子を示す図である。図6(B)は、図6(A)の一部拡大図である。
本実施形態の金属格子DGを製造するために、まず、シリコン基板30が用意される(図2(A))。
次に、シリコン基板30の主面上にレジスト層33が形成され(レジスト層形成工程)、このレジスト層33をパターニングして前記パターニングした部分のレジスト層33が除去される(パターニング工程、図2(B)、図2(C)、図3(A)、図3(B))。レジスト層とは、エッチングの際に、該エッチングに抗して保護膜として機能する層である。
例えば、レジスト層33は、後述の絶縁層34と同一の材料であってよく、例えば、次のエッチング工程のエッチング処理に対し耐性のある絶縁性のシリコン酸化膜33aであってよい。このシリコン酸化膜33aが、パターニングされたレジスト層33として用いられ、このシリコン酸化膜33aをパターニングするために、感光性樹脂層(フォトレジスト膜)が用いられる。なお、耐性のあるとは、エッチング処理において、全くエッチングされないという意味である必要はなく、比較的エッチングされ難いという意味であり、エッチングすべきエッチング対象部分がエッチングされる間、エッチングすべきではない非エッチング対象部分を保護する保護膜として機能するという意味である。そして、このようにレジスト層33と絶縁層34とが同じ材料で形成される場合には、レジスト層33(この例ではシリコン酸化膜33a)は、次工程のエッチング工程および後述の除去工程の後に残留するように、その膜厚t1が絶縁層34の膜厚t2よりも厚くなるように形成される。
また例えば、レジスト層33は、絶縁層34と異なる材料であってよく、例えば、エッチング工程のエッチング処理に対し耐性を有するとともに除去工程の除去処理に対し耐性を有する絶縁性の金属酸化膜33bであってよい。このような金属酸化膜33bは、例えば、アルミナ膜(Al膜)等である。この金属酸化膜33bが、パターニングされたレジスト層33として用いられ、この金属酸化膜33bをパターニングするために、感光性樹脂層(フォトレジスト膜)が用いられる。この場合には、金属酸化膜33b自体がエッチング工程および除去工程の各処理に対し耐性を有するので、その膜厚t1は、必ずしも絶縁層34の膜厚t2よりも厚い必要はなく、電鋳法に対し電気的に絶縁性を有する膜厚でよい。
このようなシリコン酸化膜33aおよび金属酸化膜33bは、絶縁性を有するとともに、エッチング工程および除去工程の後に残留可能な層となる。
また例えば、レジスト層33は、絶縁層34と異なる材料であってよく、例えば、エッチング工程のエッチング処理に対し耐性を有する酸化可能な金属膜33cであってよい。このような金属膜33cは、例えば、アルミニウム膜(Al膜)等である。この金属膜33cが、パターニングされたレジスト層33として用いられ、この金属膜33cをパターニングするために、感光性樹脂層(フォトレジスト膜)が用いられる。この場合には、金属膜33cが後述の絶縁層形成工程の陽極酸化によってその表層に金属酸化膜、より好ましくは構造底面BTの酸化膜34を除去する際の腐食作用に耐性のある不動体膜が形成され、除去工程の除去処理に対し耐性を獲得するので、その膜厚t1は、必ずしも絶縁層34の膜厚t2よりも厚い必要はなく、電鋳法に対し電気的に絶縁性を有する膜厚でよい。なお、この場合、金属膜33cは、金属酸化膜の内部に金属部分が残留しても全体が金属酸化膜となってもよい。
このような酸化可能な金属膜33cも、絶縁層形成工程の陽極酸化によって絶縁性を有するとともに、エッチング工程および除去工程の後に残留可能な層となる。
より具体的には、まず、レジスト層33がシリコン酸化膜33aである場合には、シリコン基板30の表面にレジスト層33としてシリコン酸化膜33aが形成される。このシリコン酸化膜33aは、その厚さt1が後述の絶縁層34としてのシリコン酸化膜34の厚さt2よりも厚くなるように形成される。このシリコン酸化膜33aは、例えば、公知の常套手段である熱酸化法、化学気相成長法、陽極酸化法およびスパッタ法のうちのいずれかによって形成される。例えば、熱酸化法では、シリコン基板30が配置された石英管内に酸素雰囲気(不活性ガスを含んでもよい)または水蒸気が導入され、前記酸素雰囲気または前記水蒸気の気体雰囲気中でシリコン基板30が、前記石英管をヒータによって加熱することで高温加熱され、その表面に所定の厚さのシリコン酸化膜33aが形成される。例えば、1リットル/分の割合で導入される水蒸気の雰囲気中で、1150℃、20分間、加熱することによって、約200nmのシリコン酸化膜33aが形成される。また例えば、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition、CVD)では、有機シランの一種であるテトラエトキシシラン(Tetraethoxysilane、TEOS)が加温され、キャリアガスによってバブリングされることによってTEOSガスが生成され、このTEOSガスに例えば酸素やオゾン等の酸化ガスおよび例えばヘリウム等の希釈ガスが混合されて原料ガスが生成される。そして、この原料ガスが例えばプラズマCVD装置や常温オゾンCVD装置等のCVD装置に導入され、CVD装置内のシリコン基板30の表面に所定の厚さ(例えば約200nm等)のシリコン酸化膜33aが形成される。また例えば、陽極酸化法では、シリコン基板30に電源の陽極が接続され、電源の陰極に接続された陰極電極およびシリコン基板30が電解液に浸けられる。そして、通電されると、シリコン基板30の表面に所定の厚さ(例えば約200nm等)のシリコン酸化膜33aが形成される。シリコン酸化膜33aは、シリコン基板30の少なくとも上面に形成されるが、裏面や側面にも形成されてもよい。このようにレジスト層33としてシリコン酸化膜33aが用いられるので、公知、常套手段の熱酸化法、化学気相成長法および陽極酸化法のうちのいずれかを用いることができるから、比較的容易にシリコン酸化膜33aを形成することが可能となる。
続いて、シリコン基板30に形成されたシリコン酸化膜33a上に感光性樹脂層40が例えばスピンコート等によって形成される(図2(B))。ここで、感光性樹脂層40は、リソグラフィーにおいて使用され、光(可視光だけでなく紫外線等も含む)や電子線等によって溶解性等の物性が変化する材料である。なお、これに限定されるものではなく、例えば、感光性樹脂層40に代え、電子線露光用のレジスト層であってもよい。続いて、フォトリソグラフィー工程として、リソグラフィー法によって感光性樹脂層40がパターニングされ(図2(C))、このパターニングした部分の感光性樹脂層40が除去される(図3(A))。より具体的には、感光性樹脂層40にリソグラフィーマスク41を押し当てて、感光性樹脂層40にリソグラフィーマスク41を介して紫外線42が照射され、感光性樹脂層40がパターン露光され、現像される(図2(C))。そして、露光されなかった部分(あるいは露光された部分)の感光性樹脂層40が除去される(図3(A))。
続いて、パターニングされた感光性樹脂層40をマスクに、エッチングによって感光性樹脂層40の除去された部分のシリコン酸化膜33aが除去されてシリコン酸化膜33aがパターニングされる(図3(B))。より具体的には、例えば、CHFガスの反応性リアクティブエッチング(RIE)によってシリコン酸化膜33aがパターニングされる。また例えば、フッ酸のウェットエッチングによってシリコン酸化膜33aがパターニングされる。このパターニング工程におけるレジスト層33としてのシリコン酸化膜33aのエッチングは、他のエッチング方法であってもよい。
なお、上述のシリコン酸化膜33aの場合において、レジスト層33としてのシリコン酸化膜33aに代え、金属酸化膜33bを用いる場合には、金属酸化膜33bは、例えば、化学気相成長法およびスパッタ法等の成膜方法によって成膜される。また、前記パターニング工程における金属酸化膜33bのパターニングには、適宜な反応性ガスを用いたRIEが用いられる。例えば、金属酸化膜33bがアルミナ膜33bである場合には、スパッタ法によってアルミナ膜33bが約150nmで成膜され、例えばBCl等のホウ素を含んだ塩素ガスを用いたRIEによってこのアルミナ膜33bがパターニングされる。
また、上述のシリコン酸化膜33aの場合において、レジスト層33としてのシリコン酸化膜33aに代え、金属膜33cを用いる場合には、金属膜33cは、例えば、真空蒸着法およびスパッタ法等の成膜方法によって成膜される。また、前記パターニング工程における金属膜33cのパターニングには、適宜な反応性ガスを用いたRIEが用いられる。例えば、金属膜33cがアルミニウム膜33cである場合には、スパッタ法によってアルミニウム膜33cが約150nmで成膜され、例えば塩素ガス単体、もしくは、塩素ガスとBCl等のホウ素を含んだ塩素ガスとの混合ガス(以下、「塩素系ガス」と適宜に呼称する。)を用いたRIEによってこのアルミニウム膜33cがパターニングされる。
そして、次に、ドライエッチング法によって感光性樹脂層40およびレジスト層33を除去した部分に対応するシリコン基板30が、前記法線方向Dzに所定の深さHまでエッチングされる。これによってスリット溝SDが形成される(図3(C)、エッチング工程)。なお、図5には、エッチング工程後におけるシリコン基板30の一構造例が示されており、この場合では、図3(C)には、図5に示すAA’線でのこのシリコン基板30の断面が示されている。
より具体的には、パターニングされた感光性樹脂層40およびレジスト層33をマスクとして、シリコン基板30における表面から所定の深さHまで、ICP(Inductively Coupled Plasma)ドライエッチングでシリコン基板30がエッチングされる。なお、このICPドライエッチングによって感光性樹脂層40は、除去される。なお、レジスト層33が若干エッチングされてもよい。
上述の例において、レジスト層33がシリコン酸化膜33aである場合には、このシリコン酸化膜33aは、ICPドライエッチングによって、その厚さが例えば約200nmから約170nmへ目減りする。また、レジスト層33が金属酸化膜33bとしてのアルミナ膜33bである場合には、アルミナ膜33bは、ICPドライエッチングによって、その厚さが例えば約150nmから約130nmへ目減りする。また、レジスト層33が金属膜33cとしてのアルミニウム膜33cである場合には、アルミニウム膜33cは、ICPドライエッチングによって、その厚さが例えば約150nmから約130nmへ目減りする。
このICPドライエッチングは、高アスペクト比で垂直なエッチングができるため、好ましくは、ICP装置によるASEプロセスである。このASE(Advanced Silicon Etch)プロセスとは、SFプラズマ中のFラジカルとFイオンによるRIE(反応性イオンエッチング)によってシリコン基板のエッチングを行う工程と、Cプラズマ中のCFラジカルおよびそれらのイオンの重合反応によって、テフロン(登録商標)に近い組成を有するポリマー膜を壁面に堆積させて保護膜として作用させる工程とを繰り返し行うものである。また、高アスペクト比でより垂直なエッチングができるため、より好ましくは、ボッシュ(Bosch)プロセスのように、SFプラズマがリッチな状態と、Cプラズマがリッチな状態とを交互に繰り返すことで、側壁保護と底面エッチングとを交互に進行させてもよい。このようなボッシュプロセスによってエッチングしたシリコン基板30の様子を図6に示す。なお、ドライエッチング法は、ICPドライエッチングに限定するものではなく、他の手法であってもよい。例えば、いわゆる、並行平板型リアクティブイオンエッチング(RIE)、磁気中性線プラズマ(NLD)ドライエッチング、化学支援イオンビーム(CAIB)エッチングおよび電子サイクロトロン共鳴型リアクティブイオンビーム(ECRIB)エッチング等のエッチング技術であっても良い。
このエッチングされてDxDz面に沿って残ったシリコン基板30の板状部分(層状部分、壁部)32が第2シリコン部分12aとなり、このエッチングされてDxDy面に沿って残ったシリコン基板30の板状部分(基部)31が第1シリコン部分11となる。
次に、シリコン基板30におけるスリット溝SDの内表面全体に、陽極酸化法によって、後述の電鋳工程の電鋳法に対し絶縁性を有するように所定の厚さの絶縁層34が形成される(図4(A)、絶縁層形成工程)。この絶縁層34は、シリコン基板30を用いていることから、シリコン酸化膜34aであり、この絶縁層34としてのシリコン酸化膜34aは、例えば厚さ約20nmで形成される。より具体的には、陽極酸化を行うために、シリコン基板30に電源43の陽極が接続され、電源43の陰極に接続された陰極電極44およびシリコン基板30が電解液45に浸けられる(図4(B))。そして、通電されると、シリコン基板30の表面に所定の厚さのシリコン酸化膜34aが形成され、絶縁層34が形成される(図4(A))。このシリコン酸化膜34aは、シリコン基板30の少なくともスリット溝SDの内表面に形成されるが、シリコン基板30の裏面や側面にも形成されてもよい。
この陽極酸化法は、酸化したい導電性の素材(本実施形態ではシリコン基板30)を電解液中に浸し、前記素材を陽極(正極、+極)として通電することによって、素材表面で電解液中の酸素と結合させ、前記素材表面から酸化膜を成長させて形成する方法である。ここで、素材表面に形成される酸化膜を溶解しないか、その溶解度が小さい電解液を用いた場合には、陽極酸化法は、上述のように成膜が進むので、非常に緻密で、前記素材と一体化した密着性のよい酸化膜を得ることができる。また、陽極酸化法では、酸化が進行して素材表面に形成された酸化物によって導電性が阻害されることによって、前記酸化の進行が停止する。したがって、前記酸化の進行中に酸化の進んだ部分と酸化の遅れている部分とがあったとしても、通電を続けることによって、前記酸化の停止する最終時には前記酸化の遅れている部分も酸化の終了している他の部分と同じ膜厚だけ酸化するので、陽極酸化法は、最終的には、素材表面全体に、緻密さも膜厚も均一な酸化膜を成膜することができる。また、陽極酸化法は、酸化膜の膜厚が、印加した電圧に比例するので、前記電圧を調整することによって、その膜厚を精度よく制御することもでき、数nmの膜厚の酸化膜から数μmの膜厚の酸化膜まで容易に得ることができる。したがって、電鋳工程の電鋳法における絶縁膜34を形成する方法として、この陽極酸化法は、好適である。
シリコン基板30のスリット溝の内表面を陽極酸化する場合には、前記電解液は、酸化力が強く、かつ陽極酸化により生成された酸化膜を溶解しない酸性溶液、例えば、硝酸、塩酸、硫酸、シュウ酸および燐酸等の溶液が好ましく、また、ホウ酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の中性塩であってもよい。なお、レジスト層33が金属膜33c、例えば、アルミニウム膜33cである場合には、前記電解液は、酸化アルミを腐食しないホウ酸等の酸化力の強い酸や、酸化アルミの腐食の小さい希シュウ酸、希リン酸等の弱い酸や、ホウ酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の中性塩等である。
そして、陰極電極は、この電解液に対して溶解しない金属、例えば、金(Au)および白金(Pt)等で形成されることが好ましい。
より具体的には、レジスト層33がシリコン酸化膜33aである場合には、例えば、濃度68%の硝酸に浸し、白金を陰極として電圧40Vを印加すると、約15後に通電が略停止し、約20nmのスリット溝の内表面全体に亘ってほぼ均一なシリコン酸化膜33aが形成された。また例えば、濃度68%の硝酸に浸し、白金を陰極として電圧20Vを印加すると、約10後に、約10nmのスリット溝の内表面全体に亘ってシリコン酸化膜33aが形成された。後述するように、電鋳工程の電鋳法の絶縁層として機能するためには、シリコン酸化膜34aの膜厚は、10nm程度以上で充分である。
また、レジスト層33が金属酸化膜33b(この例ではアルミナ膜33b)である場合には、例えば、濃度35%の塩酸に浸し、白金を陰極として電圧40Vを印加すると、約15後に通電が略停止し、約20nmのスリット溝の内表面全体に亘ってほぼ均一なシリコン酸化膜33aが形成された。
また、レジスト層33が金属膜33c(この例ではアルミニウム膜33c)である場合には、例えば、濃度0.5mol%のシュウ酸水溶液に浸し、白金を陰極として電圧40Vを印加すると、約10後に通電が略停止し、約20nmのスリット溝の内表面全体に亘ってほぼ均一なシリコン酸化膜33aが形成されるとともに、アルミニウム膜33cの表面に約55nmのアルミナ膜が形成された。
ここで、レジスト層33がシリコン酸化膜33aや金属酸化膜33bである場合には、この絶縁層形成工程の陽極酸化によってその表面に酸化膜は、略形成されない。一方、レジスト層33が金属膜33cである場合には、上述の通り、図4に破線で示すように、この絶縁層形成工程の陽極酸化によってその表面に金属酸化膜34cが形成される。これによってレジスト層33としての金属膜33cは、除去工程の除去処理に対し耐性を獲得するとともに、電鋳工程の電鋳法において絶縁性を獲得する。金属膜33cがアルミニウム膜である場合には、不動体膜のアルミナ膜が形成される。上述の例では、約55nmのアルミナ膜34cが形成された。また例えば、濃度0.5mol%のシュウ酸水溶液に浸し、白金を陰極として電圧20Vを印加すると、約5後に、約30nmのアルミナ膜が形成された。
次に、スリット溝SDの底部BTに形成された絶縁層34の部分が除去される(除去工程、図4(C))。より具体的には、例えばCHFガスを用いたドライエッチング法のICPドライエッチングによってスリット溝SDの底部BTに形成された絶縁層34の部分が除去される。
ここで、ICPドライエッチングは、垂直指向性の高いので、スリット溝SDの内側側面に形成された絶縁層34(シリコン基板30の板状部分32の両壁面(両側面)に形成された絶縁層34)は、スリット溝SDの底部BTに形成された絶縁層34の部分が除去された時点では、絶縁層として機能するために充分な厚さで残る。スリット溝SDの内側側面に形成された絶縁層34は、絶縁性を持つレジスト層33(シリコン酸化膜33a、金属酸化膜33b、金属膜33cの表層に形成された金属酸化膜)と協働することによって、次の電鋳工程においてシリコン基板30の板状部分32に掛かる電圧を遮断する機能(この板状部分32を電気的に絶縁する機能)を奏する程度の厚さよく、例えば、10nm程度以上であればよい。これら各スリット溝SDの内側側面にそれぞれ形成された各絶縁層34(シリコン基板30の各板状部分32の両壁面(両側面)にそれぞれ形成された各絶縁層34)は、複数の第2シリコン部分12aと複数の金属部分12bとの各間における複数の第1絶縁層12cとなる。
ここで、レジスト層33がシリコン酸化膜33aである場合には、このCHFのICPドライエッチングによって、第2シリコン部分12aに相当するシリコン基板の板状部分32上では、レジスト層33としてのシリコン酸化膜33aもエッチングされるが、パターニング後のシリコン酸化膜33aの厚さt1は、絶縁層34としてのシリコン酸化膜34aの厚さt2よりも厚いので(t1>t2)、スリット溝SDの底部BTに形成された絶縁層34としてのシリコン酸化膜34aの部分が除去された時点では、レジスト層33としてのシリコン酸化膜33aは、残留する。例えば、上述の例では、シリコン酸化膜33aは、その厚さが170nmから100nmへ目減りするが、残留している。
また、レジスト層33が金属酸化膜(例えばアルミナ膜)33bである場合には、このCHFのICPドライエッチングによって、第2シリコン部分12aに相当するシリコン基板の板状部分32上では、レジスト層33としての金属酸化膜33bは、略エッチングされない。例えば、上述の例では、約130nmのアルミナ膜33bは、除去工程のIPCプラズマドライエッチングによって、スリット溝SDの底部に形成された厚さ20nmのシリコン酸化膜34a(絶縁層34)の部分BTをエッチングして除去したとしても、その厚さが約125nmに目減りするだけであり、ほとんどエッチングされずに残留する。
また、レジスト層33が金属膜(例えばアルミニウム膜)33cである場合には、絶縁層形成工程の熱酸化によってその表層に金属酸化膜(この例ではアルミナ膜)が形成されるので、このCHFのICPドライエッチングによって、第2シリコン部分12aに相当するシリコン基板の板状部分32上では、レジスト層33としての金属膜33cは、前記金属酸化膜によって、略エッチングされない。例えば、上述の例では、アルミニウム膜33cに形成されたアルミナ膜は、除去工程のIPCプラズマドライエッチングによって、約5nmエッチングされるだけであり、ほとんどエッチングされずに残留する。
この除去工程後に残留している、複数の第2シリコン部分12aの各上面(頂部)におけるレジスト層33は、複数の第2絶縁層12dとなる。
次に、電鋳法(電気メッキ法)によって、シリコン基板30に電圧を印加して前記スリット溝SDが金属で埋められる(電鋳工程、図4(D))。より具体的には、シリコン基板30に電源47の陰極が接続され、電源47の陽極に接続された陽極電極48およびシリコン基板30がメッキ液49に浸けられる。なお、シリコン基板30における、電源47の陰極に接続される部分にシリコン酸化膜が形成されている場合には、電源47の陰極とシリコン基板30との導通を図るために、その部分が除去される。これによって電鋳によりスリット溝SDの底部におけるシリコン基板30(板状部分31)側から金属が析出し、成長する。
そして、この金属がスリット溝SDを埋めると、電鋳が終了される。これによって金属がシリコン基板30の板状部分32と同じ厚さHだけ成長する。こうしてスリット溝SDに金属が埋められ、金属部分12bが形成される。この金属は、X線を吸収するものが好適に選択され、例えば、原子量が比較的重い元素の金属や貴金属、より具体的には、例えば、金(Au)、プラチナ(白金、Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、インジウム(In)およびニッケル(Ni)等である。
このような各製造工程を経ることによって、図1に示す構成の金属格子DGが製造される。
このような構成の金属格子DGの製造方法は、シリコン基板30をドライエッチングするので、スリット溝SDにおける幅Wに対する深さHの比(スリット溝SDのアスペクト比=深さH/幅W)の高いスリット溝SDを形成することができる。この結果、このような構成の金属格子DGの製造方法は、この高アスペクト比のスリット溝SDを金属で埋めることで、高アスペクト比の金属部分12bを持つ金属格子DGを製造することができる。そして、電鋳工程で電鋳法によってスリット溝SDを金属で埋める際に、まず、絶縁層形成工程で、陽極酸化法によって、スリット溝SDの内表面に絶縁層34が形成され、そして、除去工程で、スリット溝SDの底部部分BTに形成された絶縁層34の部分が除去される。したがって、絶縁層形成工程では、緻密性、密着性および膜厚の均一性に優れかつその膜厚を比較的制御し易い陽極酸化法によって絶縁層が形成されるので、電鋳工程の電鋳法に対し電気的な絶縁を確保することができる所定膜厚のシリコン酸化膜(SiO膜)を形成することができ、スリット溝SDを構成する壁部であってエッチング工程で残留したシリコン基板30の壁部(シリコン基板30の各板状部分32)における壁面部分(スリット溝SDの壁面部分(内側側面部分))が絶縁層34によって絶縁状態となるとともに、スリット溝SDの底部が通電可能な状態となる。このため、スリット溝SDの壁面(内側側面)から金属がより確実に析出および成長することがなく、スリット溝SDの底部から金属がより確実に析出し成長する。したがって、このような構成の金属格子DGの製造方法は、このように金属がスリット溝SDの底部から選択的に成長するので、ボイドの発生を効果的に抑制することができる。この結果、このような構成の金属格子DGの製造方法は、電鋳法によって格子の金属部分12bをより緻密に形成することができる。特に、X線タルボ干渉計およびX線タルボ・ロー干渉計に用いられる回折格子は、金属部分12bが高いアスペクト比が求められるが、本実施形態における金属格子DGの製造方法は、上述のように、このような高アスペクト比、例えば5倍以上、好ましくは10倍以上、より好ましくは20倍以上に対応することができ、しかもより緻密な金属部分12bを形成することができ、X線タルボ干渉計およびX線タルボ・ロー干渉計に用いられる回折格子の製造方法として好適である。
また、本実施形態における金属格子DGの製造方法は、レジスト層33および絶縁層34が同じ材料、例えばシリコン酸化膜33a、34aで形成されている場合でも、レジスト層33は、エッチング工程および除去工程の後に残留するように、レジスト層33の厚さが絶縁層34の厚さより厚く形成されているので、除去工程の除去処理に対し削られるレジスト層33であっても、除去工程後にレジスト層33が残留する。このため、このような構成の金属格子DGの製造方法は、スリット溝SDを構成する壁部であってエッチング工程で残留したシリコン基板30の壁部(シリコン基板30の各板状部分32)における頂部(上面)も電鋳工程の電鋳法において絶縁されるので、絶縁層34は、この残留したレジスト層33と協働することによって、該壁部の、電鋳法に対する絶縁性をより確実に確保することができる。
一方、本実施形態における金属格子DGの製造方法は、レジスト層33および絶縁層34が互いに異なる材料、すなわち、レジスト層33が、エッチング工程のエッチング処理に耐性を有し、かつ、除去工程の除去処理に対し耐性を有するとともに、電鋳工程で絶縁性を持つ、絶縁層34と異なる材料で形成される場合には、除去工程で選択的に絶縁層34のみを除去することが可能となり、この除去工程後にレジスト層33が残留する。このようにレジスト層33と絶縁層34とを互いに異なる材料で形成することにより、レジスト層33と絶縁層34とは、そのエッチングレートの異なる材料で形成することが可能となり、スリット溝SDの底部に形成された絶縁層34の部分BTだけをより選択的に除去することができる。例えば、レジスト層33がシリコン以外の金属酸化膜33bまたは酸化可能なシリコン以外の金属膜33cであって、絶縁層34がシリコン酸化膜である。なお、電鋳工程での絶縁性は、金属酸化膜のように、先天的にレジスト膜の形成時から有していてもよく、酸化可能な金属膜のように、レジスト膜の形成後のいずれかの工程において後天的に獲得するものであってもよい。このため、このような構成の金属格子DGの製造方法は、スリット溝SDを構成する壁部であってエッチング工程で残留したシリコン基板30の壁部(シリコン基板30の各板状部分32)における頂部(上面)も電鋳工程の電鋳法において絶縁されるので、絶縁層34は、この残留したレジスト層33と協働することによって、該壁部の、電鋳法に対する絶縁性をより確実に確保することができる。
ここで、前記特許文献2では、エッチング工程(溝形成工程)に用いられるエッチングマスクは、フォトレジストマスク(特許文献2の0044段落参照)であるため、溝の側壁面を構成するシリコン基板の壁部(エッチングで残ったシリコン基板の部分)の頂部上(シリコン基板の一側の面上)に、エッチング工程後に残留する前記フォトレジストマスクは、シリコン酸化膜形成工程における酸素と反応し、電気メッキ工程では、残留していない可能性が高い。この結果、シリコン全体に導電性があるため、前記電気メッキ工程において、X線吸収金属は、前記シリコン基板の壁部の頂部からも成長する可能性が高く、この結果、X線吸収金属部の内部に空間(ボイド、金属が未充填の部分)が発生してしまう虞がある。しかしながら、本実施形態における金属格子DGの製造方法では、上述したように、電鋳工程の電鋳法の実施の際に、絶縁性を持つレジスト層33が残留しているので、前記壁部は、絶縁層34と残留したレジスト層33と協働してより確実に絶縁される。したがって、本実施形態における金属格子DGの製造方法は、この観点からも、電鋳工程の電鋳法によって格子の前記金属部分をより緻密に形成することができる。
また、本実施形態における金属格子DGの製造方法は、エッチング工程にRIE(Reactive Ion Etching、反応性イオンエッチング)を用いるので、いわゆる異方性エッチングを行うことができるから、深さ方向(積層方向)に沿ってシリコン基板30をエッチングすることができ、比較的容易にスリット溝SDを形成することができる。
また、本実施形態における金属格子DGの製造方法は、ボッシュプロセスによってシリコン基板30がドライエッチングされるので、スリット溝SDの側面がより平坦となり、この結果、高精度な金属格子DGを形成することができる。特に、金属格子DGが回折格子として機能する場合には、入射面あるいは出射面がより平坦となるので、好ましい。
なお、上述の実施形態では、回折格子DGは、一次元周期構造であったが、これに限定されるものではない。回折格子DGは、例えば、二次元周期構造の回折格子であってもよい。例えば、二次元周期構造の回折格子DGは、回折部材となるドットが線形独立な2方向に所定の間隔を空けて等間隔に配設されて構成される。このような二次元周期構造の回折格子は、平面に高アスペクト比の穴を二次元周期で空け、上述と同様に、その穴を金属で埋める、あるいは、平面に高アスペクト比の円柱を二次元周期で立設させ、上述と同様に、その周りを金属で埋めることによって形成することができる。
(第2製造方法)
上述の第1製造方法では、レジスト層33には、シリコン酸化膜33a、金属酸化膜(例えばアルミナ膜)33bおよび酸化可能な金属膜(例えばアルミニウム膜)33cが用いられたが、第2製造方法では、前記エッチング工程および前記除去工程の後に残留する厚さの感光性樹脂層(フォトレジスト層)がレジスト層33として用いられる。
図7ないし図9は、実施形態における金属格子の第2製造方法を説明するための図である。本実施形態の金属格子DGを製造するために、まず、シリコン基板30が用意される(図7(A))。
次に、シリコン基板30の主面上にレジスト層が形成され(レジスト層形成工程)、前記レジスト層をパターニングして前記パターニングした部分の前記レジスト層が除去される(パターニング工程)。本実施形態では、前記レジスト層33として感光性樹脂層(フォトレジスト層)33dが用いられる。
より具体的には、シリコン基板30上に感光性樹脂層33dが例えばスピンコート等によって形成される(図7(B))。この感光性樹脂層33dは、後述のエッチング工程のエッチング処理(図8(B))および除去工程の除去処理(図9(C))に対しシリコン基板30の板状部分32(第2シリコン部分12a、図9(C))を保護する保護膜として機能する所定の膜厚、例えば約2μmで形成される。ここで、感光性樹脂層33dは、リソグラフィーにおいて使用され、光(可視光だけでなく紫外線等も含む)や電子線等によって溶解性等の物性が変化する材料である。なお、これに限定されるものではなく、例えば、感光性樹脂層33dに代え、電子線露光用のレジスト層33dであってもよい。続いて、フォトリソグラフィー工程として、リソグラフィー法によって感光性樹脂層33dがパターニングされ(図7(C))、このパターニングした部分の感光性樹脂層33dが除去される(図8(A))。より具体的には、感光性樹脂層33dにリソグラフィーマスク41を押し当てて、感光性樹脂層33dにリソグラフィーマスク41を介して紫外線42が照射され、感光性樹脂層33dがパターン露光され、現像される(図7(C))。そして、露光されなかった部分(あるいは露光された部分)の感光性樹脂層33dが除去される(図8(A))。
次に、ドライエッチング法によって感光性樹脂層33dを除去した部分に対応するシリコン基板30が、前記法線方向Dzに所定の深さHまでエッチングされる。これによってスリット溝SDが形成される(図8(B)、エッチング工程)。より具体的には、パターニングされた感光性樹脂層33dをマスクとして、シリコン基板30における表面から所定の深さHまで、ICPプラズマドライエッチングでシリコン基板30がエッチングされる。なお、このICPプラズマドライエッチングによって感光性樹脂層33dは、目減りするが、後述の除去工程(図9(B))に対しシリコン基板30の板状部分32(第2シリコン部分12a)を保護する保護膜として機能する所定の膜厚で残留する。例えば、上述の例では、感光性樹脂層33dは、約2μmから約1μmへ目減りし、約1μm残留する。
このICPプラズマエッチングは、好ましくは、ICP装置によるASEプロセスである。また、より好ましくは、ボッシュ(Bosch)プロセスである。なお、ドライエッチング法は、ICPプラズマエッチングに限定するものではなく、上述した他の手法であってもよい。
このエッチングされてDxDz面に沿って残ったシリコン基板30の板状部分(層状部分)32が第2シリコン部分12aとなり、このエッチングされてDxDy面に沿って残ったシリコン基板30の板状部分31が第1シリコン部分11となる。
次に、シリコン基板30におけるスリット溝SDの内表面に、陽極酸化法によって、後述の電鋳工程の電鋳法に対し絶縁性を有するように所定の厚さの絶縁層34が形成される(図8(C)、絶縁層形成工程)。この絶縁層34は、シリコン基板30を用いていることから、シリコン酸化膜34aであり、この絶縁層34としてのシリコン酸化膜34aは、例えば厚さ約20nmで形成される。より具体的には、シリコン基板30に電源43の陽極が接続され、電源43の陰極に接続された陰極電極44およびシリコン基板30が電解液45に浸けられる(図9(A))。そして、通電されると、シリコン基板30の表面に所定の厚さのシリコン酸化膜34aが形成され、絶縁層34が形成される(図8(C))。例えば、濃度68%の硝酸に浸し、白金を陰極として電圧40Vを印加すると、約15後に通電が略停止し、約20nmのスリット溝の内表面全体に亘ってほぼ均一なシリコン酸化膜33aが形成された。このシリコン酸化膜34aは、シリコン基板30の少なくともスリット溝SDの内表面に形成されるが、シリコン基板30の裏面や側面にも形成されてもよい。
次に、スリット溝SDの底部BTに形成された絶縁層34cの部分が除去される(除去工程、図9(B))。より具体的には、ドライエッチング法のICPプラズマエッチングによってスリット溝SDの底部BTに形成された絶縁層34の部分が除去される。
ここで、ICPプラズマエッチングは、垂直指向性の高いので、スリット溝SDの内側側面に形成された絶縁層34(シリコン基板30の板状部分32の両壁面(両側面)に形成された絶縁層34)は、スリット溝SDの底部BTに形成された絶縁層34の部分が除去された時点では、絶縁層として機能するために充分な厚さで残る。スリット溝SDの内側側面に形成された絶縁層34は、絶縁性を持つ感光性樹脂層33dと協働することによって、次の電鋳工程においてシリコン基板30の板状部分32に掛かる電圧を遮断する機能(この板状部分32を電気的に絶縁する機能)を奏する程度の厚さよく、例えば、10nm程度以上であればよい。これら各スリット溝SDの内側側面にそれぞれ形成された各絶縁層34(シリコン基板30の各板状部分32の両壁面(両側面)にそれぞれ形成された各絶縁層34)は、複数の第2シリコン部分12aと複数の金属部分12bとの各間における複数の第1絶縁層12cとなる。
また、このICPプラズマエッチングによって、第2シリコン部分12aに相当するシリコン基板の板状部分32上では、レジスト層33としての感光性樹脂層33dもエッチングされるが、パターニング後の感光性樹脂層33dの厚さt1(上述の例では約1μm)は、スリット溝SDの底部BTに形成された絶縁層34の部分が除去されるまで、シリコン基板30の板状部分32を保護するために充分な厚さである。本実施形態では、パターニング後の感光性樹脂層33dの厚さt1(上述の例では約1μm)は、スリット溝SDの底部BTに形成された絶縁層34の部分が除去された時点でも残留する厚さであり、上述の例では、感光性樹脂層33dは、その厚さが約1μmから約700nmへ目減りするが、残留している。
次に、電鋳法(電気メッキ法)によって、シリコン基板30に電圧を印加して前記スリット溝SDが金属で埋められる(電鋳工程、図9(C))。より具体的には、シリコン基板30に電源47の陰極が接続され、電源47の陽極に接続された陽極電極48およびシリコン基板30がメッキ液49に浸けられる。なお、シリコン基板30における、電源47の陰極に接続される部分にシリコン酸化膜が形成されている場合には、電源47の陰極とシリコン基板30との導通を図るために、その部分が除去される.これによって電鋳によりスリット溝SDの底部におけるシリコン基板30(板状部分31)側から金属が析出し、成長する。そして、この金属がスリット溝SDを埋めると、電鋳が終了される。これによって金属がシリコン基板30の板状部分32と同じ厚さHだけ成長する。こうしてスリット溝SDに金属が埋められ、金属部分12bが形成される。
このような各製造工程を経ることによって、図1に示す構成の金属格子DGが製造される。
このような第2製造方法によっても、電鋳法によって格子の前記金属部分をより緻密に形成することができる。
(タルボ干渉計およびタルボ・ロー干渉計)
上記実施形態の金属格子DGは、高アスペクト比で金属部分を形成することができるので、X線用のタルボ干渉計およびタルボ・ロー干渉計に好適に用いることができる。この金属格子DGを用いたX線用タルボ干渉計およびX線用タルボ・ロー干渉計について説明する。
図10は、実施形態におけるX線用タルボ干渉計の構成を示す斜視図である。図11は、実施形態におけるX線用タルボ・ロー干渉計の構成を示す上面図である。
実施形態のX線用タルボ干渉計100Aは、図10に示すように、所定の波長のX線を放射するX線源101と、X線源101から照射されるX線を回折する位相型の第1回折格子102と、第1回折格子102により回折されたX線を回折することにより画像コントラストを形成する振幅型の第2回折格子103とを備え、第1および第2回折格子102、103がX線タルボ干渉計を構成する条件に設定される。そして、第2回折格子103により画像コントラストの生じたX線は、例えば、X線を検出するX線画像検出器105によって検出される。そして、このX線用タルボ干渉計100Aでは、第1回折格子102および第2回折格子103の少なくとも一方は、前記金属格子DGである。
タルボ干渉計100Aを構成する前記条件は、次の式1および式2によって表される。式2は、第1回折格子102が位相型回折格子であることを前提としている。
l=λ/(a/(L+Z1+Z2)) ・・・(式1)
Z1=(m+1/2)×(d/λ) ・・・(式2)
ここで、lは、可干渉距離であり、λは、X線の波長(通常は中心波長)であり、aは、回折格子の回折部材にほぼ直交する方向におけるX線源101の開口径であり、Lは、X線源101から第1回折格子102までの距離であり、Z1は、第1回折格子102から第2回折格子103までの距離であり、Z2は、第2回折格子103からX線画像検出器105までの距離であり、mは、整数であり、dは、回折部材の周期(回折格子の周期、格子定数、隣接する回折部材の中心間距離、前記ピッチP)である。
このような構成のX線用タルボ干渉計100Aでは、X線源101から第1回折格子102に向けてX線が照射される。この照射されたX線は、第1回折格子102でタルボ効果を生じ、タルボ像を形成する。このタルボ像が第2回折格子103で作用を受け、モアレ縞の画像コントラストを形成する。そして、この画像コントラストがX線画像検出器105で検出される。
タルボ効果とは、回折格子に光が入射されると、或る距離に前記回折格子と同じ像(前記回折格子の自己像)が形成されることをいい、この或る距離をタルボ距離Lといい、この自己像をタルボ像という。タルボ距離Lは、回折格子が位相型回折格子の場合では、上記式2に表されるZ1となる(L=Z1)。タルボ像は、Lの奇数倍(=(2m+1)L、mは、整数)では、反転像が現れ、Lの偶数倍(=2mL)では、正像が現れる。
ここで、X線源101と第1回折格子102との間に被検体Sが配置されると、前記モアレ縞は、被検体Sによって変調を受け、この変調量が被検体Sによる屈折効果によってX線が曲げられた角度に比例する。このため、モアレ縞を解析することによって被検体Sおよびその内部の構造が検出される。
このような図10に示す構成のタルボ干渉計100Aでは、X線源101は、単一の点光源であり、このような単一の点光源は、単一のスリット(単スリット)を形成した単スリット板をさらに備えることで構成することができ、X線源101から放射されたX線は、前記単スリット板の前記単スリットを通過して被写体Sを介して第1回折格子102に向けて放射される。前記スリットは、一方向に延びる細長い矩形の開口である。
一方、タルボ・ロー干渉計100Bは、図11に示すように、X線源101と、マルチスリット板104と、第1回折格子102と、第2回折格子103とを備えて構成される。すなわち、タルボ・ロー干渉計100Bは、図10に示すタルボ干渉計100Aに加えて、X線源101のX線放射側に、複数のスリットを並列に形成したマルチスリット板104をさらに備えて構成される。
このマルチスリット板104は、上述した実施形態における金属格子DGの製造方法によって製造された格子であってよい。マルチスリット板104を、上述した実施形態における金属格子DGの製造方法によって製造することによって、X線をスリット(前記複数の第2シリコン部分12a)によって透過させるとともにより確実に前記複数の金属部分12bによって遮断することができるので、X線の透過と非透過とをより明確に区別することができるから、より確実にマルチ光源とすることができる。
そして、タルボ・ロー干渉計100Bとすることによって、タルボ干渉計100Aよりも、被写体Sを介して第1回折格子102に向けて放射されるX線量が増加するので、より良好なモアレ縞が得られる。
このようなタルボ干渉計100Aやタルボ・ロー干渉計100Bに用いられる第1回折格子102、第2回折格子103およびマルチスリット板104の一例を挙げると、諸元は、次の通りである。なお、これらの例では、第2シリコン部分12aと金属部分12bとは、同幅に形成され、金属部分12bは、金によって形成される。
一例として、X線源101またはマルチスリット板104から第1回折格子102までの距離R1が2mであって、X線源101またはマルチスリット板104から第1回折格子102までの距離R2が2.5mである場合では、第1回折格子102は、そのピッチPが5μmであり、その金属部分12bの厚さが3μmであり、第2回折格子103は、そのピッチPが6μmであり、その金属部分12bの厚さが100μmであり(アスペクト比=100/3)、そして、マルチスリット板104は、そのピッチPが30μmであり、その金属部分12bの厚さが100μmである。
また、他の一例として、X線源101またはマルチスリット板104から第1回折格子102までの距離R1が1.8mであって、X線源101またはマルチスリット板104から第1回折格子102までの距離R2が2.5mである場合では、第1回折格子102は、そのピッチPが7μmであり、その金属部分12bの厚さが3μmであり、第2回折格子103は、そのピッチPが10μmであり、その金属部分12bの厚さが100μmであり(アスペクト比=100/5)、そして、マルチスリット板104は、そのピッチPが20μmであり、その金属部分12bの厚さが100μmである。
(X線撮像装置)
前記金属格子DGは、種々の光学装置に利用することができるが、高アスペクト比で金属部分12bを形成することができるので、例えば、X線撮像装置に好適に用いることができる。特に、X線タルボ干渉計を用いたX線撮像装置は、X線を波として扱い、被写体を通過することによって生じるX線の位相シフトを検出することによって、被写体の透過画像を得る位相コントラスト法の一つであり、被写体によるX線吸収の大小をコントラストとした画像を得る吸収コントラスト法に較べて、約1000倍の感度改善が見込まれ、それによってX線照射量が例えば1/100〜1/1000に軽減可能となるという利点がある。本実施形態では、前記回折格子DGを用いたX線タルボ干渉計を備えたX線撮像装置について説明する。
図12は、実施形態におけるX線撮像装置の構成を示す説明図である。図12において、X線撮像装置200は、X線撮像部201と、第2回折格子202と、第1回折格子203と、X線源204とを備え、さらに、本実施形態では、X線源204に電源を供給するX線電源部205と、X線撮像部201の撮像動作を制御するカメラ制御部206と、本X線撮像装置200の全体動作を制御する処理部207と、X線電源部205の給電動作を制御することによってX線源204におけるX線の放射動作を制御するX線制御部208とを備えて構成される。
X線源204は、X線電源部205から給電されることによって、X線を放射し、第1回折格子203へ向けてX線を照射する装置である。X線源204は、例えば、X線電源部205から供給された高電圧が陰極と陽極との間に印加され、陰極のフィラメントから放出された電子が陽極に衝突することによってX線を放射する装置である。
第1回折格子203は、X線源204から放射されたX線によってタルボ効果を生じる透過型の回折格子である。第1回折格子203は、例えば、上述した実施形態における金属格子DGの製造方法によって製造された回折格子である。第1回折格子203は、タルボ効果を生じる条件を満たすように構成されており、X線源204から放射されたX線の波長よりも充分に粗い格子、例えば、格子定数(回折格子の周期)dが当該X線の波長の約20以上である位相型回折格子である。なお、第1回折格子203は、このような振幅型回折格子であってもよい。
第2回折格子202は、第1回折格子203から略タルボ距離L離れた位置に配置され、第1回折格子203によって回折されたX線を回折する透過型の振幅型回折格子である。この第2回折格子202も、第1回折格子203と同様に、例えば、上述した実施形態における金属格子DGの製造方法によって製造された回折格子である。
これら第1および第2回折格子203、202は、上述の式1および式2によって表されるタルボ干渉計を構成する条件に設定されている。
X線撮像部201は、第2回折格子202によって回折されたX線の像を撮像する装置である。X線撮像部201は、例えば、X線のエネルギーを吸収して蛍光を発するシンチレータを含む薄膜層が受光面上に形成された二次元イメージセンサを備えるフラットパネルディテクタ(FPD)や、入射フォトンを光電面で電子に変換し、この電子をマイクロチャネルプレートで倍増し、この倍増された電子群を蛍光体に衝突させて発光させるイメージインテンシファイア部と、イメージインテンシファイア部の出力光を撮像する二次元イメージセンサとを備えるイメージインテンシファイアカメラなどである。
処理部207は、X線撮像装置200の各部を制御することによってX線撮像装置200全体の動作を制御する装置であり、例えば、マイクロプロセッサおよびその周辺回路を備えて構成され、機能的に、画像処理部271およびシステム制御部272を備えている。
システム制御部272は、X線制御部208との間で制御信号を送受信することによってX線電源部205を介してX線源204におけるX線の放射動作を制御すると共に、カメラ制御部206との間で制御信号を送受信することによってX線撮像部201の撮像動作を制御する。システム制御部272の制御によって、X線が被写体Sに向けて照射され、これによって生じた像がX線撮像部201によって撮像され、画像信号がカメラ制御部206を介して処理部207に入力される。
画像処理部271は、X線撮像部201によって生成された画像信号を処理し、被写体Sの画像を生成する。
次に、本実施形態のX線撮像装置の動作について説明する。被写体Sが例えばX線源204を内部(背面)に備える撮影台に載置されることによって、被写体SがX線源204と第1回折格子203との間に配置され、X線撮像装置200のユーザ(オペレータ)によって図略の操作部から被写体Sの撮像が指示されると、処理部207のシステム制御部272は、被写体Sに向けてXを照射すべくX線制御部208に制御信号を出力する。この制御信号によってX線制御部208は、X線電源部205にX線源204へ給電させ、X線源204は、X線を放射して被写体Sに向けてX線を照射する。
照射されたX線は、被写体Sを介して第1回折格子203を通過し、第1回折格子203によって回折され、タルボ距離L(=Z1)離れた位置に第1回折格子203の自己像であるタルボ像Tが形成される。
この形成されたX線のタルボ像Tは、第2回折格子202によって回折され、モアレを生じてモアレ縞の像が形成される。このモアレ縞の像は、システム制御部272によって例えば露光時間などが制御されたX線撮像部201によって撮像される。
X線撮像部201は、モアレ縞の像の画像信号をカメラ制御部206を介して処理部207へ出力する。この画像信号は、処理部207の画像処理部271によって処理される。
ここで、被写体SがX線源204と第1回折格子203との間に配置されているので、被写体Sを通過したX線には、被写体Sを通過しないX線に対し位相がずれる。このため、第1回折格子203に入射したX線には、その波面に歪みが含まれ、タルボ像Tには、それに応じた変形が生じている。このため、タルボ像Tと第2回折格子202との重ね合わせによって生じた像のモアレ縞は、被写体Sによって変調を受けており、この変調量が被写体Sによる屈折効果によってX線が曲げられた角度に比例する。したがって、モアレ縞を解析することによって被写体Sおよびその内部の構造を検出することができる。また、被写体Sを複数の角度から撮像することによってX線位相CT(computed tomography)により被写体Sの断層画像が形成可能である。
そして、本実施形態の第2回折格子202では、高アスペクト比の金属部分12bを備える上述した実施形態における金属格子DGであるので、良好なモアレ縞が得られ、高精度な被写体Sの画像が得られる。
また、金属格子DGがボッシュプロセスによってシリコン基板30の板状部分32(第2シリコン部分12a)がドライエッチングされるので、スリット溝SDの側面がより平坦となり、高精度に第2回折格子202を形成することができる。このため、より良好なモアレ縞が得られ、より高精度な被写体Sの画像が得られる。
なお、上述のX線撮像装置200は、X線源204、第1回折格子203および第2回折格子202によってタルボ干渉計を構成したが、X線源204のX線放射側にマルチスリットとしての上述した実施形態における金属格子DGをさらに配置することで、タルボ・ロー干渉計を構成してもよい。このようなタルボ・ロー干渉計とすることで、単スリットの場合よりも被写体Sに照射されるX線量を増加することができ、より良好なモアレ縞が得られ、より高精度な被写体Sの画像が得られる。
また、上述のX線撮像装置200では、X線源204と第1回折格子203との間に被写体Sが配置されたが、第1回折格子203と第2回折格子202との間に被写体Sが配置されてもよい。
また、上述のX線撮像装置200では、X線の像がX線撮像部201で撮像され、画像の電子データが得られたが、X線フィルムによって撮像されてもよい。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
DG 金属格子
SD スリット溝
11 第1シリコン部分
12 格子
12a 第2シリコン部分
12b 金属部分
12c 第1絶縁層
12d 第2絶縁層
30 シリコン基板
31 シリコン基板の基部
32 シリコン基板の壁部
33、33a、33b、33c レジスト層
34、34a、34c 絶縁層
100A X線用タルボ干渉計
100B X線用タルボ・ロー干渉計
102、203 第1回折格子
103、202 第2回折格子
104 マルチスリット板
200 X線撮像装置

Claims (10)

  1. シリコン基板の主面上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
    前記レジスト層をパターニングして前記パターニングした部分の前記レジスト層を除去するパターニング工程と、
    ドライエッチング法によって前記レジスト層を除去した部分に対応する前記シリコン基板をエッチングして所定の深さの凹部を形成するエッチング工程と、
    陽極酸化法によって、前記シリコン基板における前記凹部の内表面に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記凹部の底部に形成された前記絶縁層の部分を除去する除去工程と、
    電鋳法によって、前記シリコン基板に電圧を印加して前記凹部を金属で埋める電鋳工程とを備えること
    を特徴とする金属格子の製造方法。
  2. 前記レジスト層は、前記エッチング工程および前記除去工程の後に残留する厚さであること
    を特徴とする請求項1に記載の金属格子の製造方法。
  3. 前記レジスト層は、前記エッチング工程のエッチング処理および除去工程の除去処理に対し耐性を有するとともに、前記電鋳工程で絶縁性を持つ材料で形成されること
    を特徴とする請求項1に記載の金属格子の製造方法。
  4. 前記レジスト層は、金属酸化膜または酸化可能な金属膜であること
    を特徴とする請求項3に記載の金属格子の製造方法。
  5. 前記レジスト層は、アルミナ膜(Al膜)またはアルミニウム膜(Al膜)であること
    を特徴とする請求項4に記載の金属格子の製造方法。
  6. 前記ドライエッチング法は、RIEであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の金属格子の製造方法。
  7. 前記ドライエッチング法は、ボッシュプロセスであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の金属格子の製造方法。
  8. X線タルボ干渉計またはX線タルボ・ロー干渉計に用いられる回折格子を製造する請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の金属格子の製造方法。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の金属格子の製造方法によって製造された金属格子。
  10. X線を放射するX線源と、
    前記X線源から放射されたX線が照射されるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計と、
    前記タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計によるX線の像を撮像するX線撮像素子とを備え、
    前記タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計は、請求項9に記載の金属格子を含むこと
    を特徴とするX線撮像装置。
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