JP2013177267A - 石英るつぼ、石英るつぼの製造方法及び鋳造装置 - Google Patents

石英るつぼ、石英るつぼの製造方法及び鋳造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコンインゴットを製造する際に、るつぼ内の溶湯の凝固界面形状を理想的な上凸形状に近づける。
【解決手段】シリコンインゴットを製造するための石英るつぼ20である。底部21と、底部の外周部から起立する側壁部22とを備える。底部と側壁部とが交わる交差部分23の内側が張り出されて底部、側壁部よりも厚さが厚い肉厚部24が形成される。肉厚部は、交差部分の中央から外方及び下方に向けて漸次厚さが薄くなるR状をなす内面形状に形成されている。R状に形成された内面形状部分の曲率半径は50mm以上に設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、多結晶シリコンインゴットを製造するための石英るつぼ、石英るつぼの製造方法及び鋳造装置に関する。
多結晶シリコンインゴットを製造するための石英るつぼは通常断面四角形状とされており、その構成部材である底部及び側壁部は、材料である石英の熱伝導率が低いこともあって、容器としての強度が得られる範囲内で可能な限り板厚が薄くなるように製造されていた。
この種の石英るつぼとして、下記引用文献1には、シリコンの冷却速度を速めるため、底部及び側壁部をそれぞれ透明な石英ガラスで構成したものが記載されている。
また、下記特許文献2には、底部や側壁部からの放熱量を適正にするために、それら底部や側壁部を異なった材料や、異方熱伝導特性を有する材料で構成したものが記載されている。
また、下記非特許文献1には、石英るつぼによって多結晶シリコンインゴットを底部からの一方向凝固により製造する場合、凝固界面形状(固体/液体界面形状)としては、中央部分が上向き盛り上がる、いわゆる上凸形状となるのが好ましいことが記載されている。
特開2011−93747号公報 特表2006−526751号公報
Proceeding of PVSEC-18 conference Jan 19-23 2009 CRYSALLINE FRONT CONTROL OF GROWING MULTICRYSTALLINE SI INGOTS DURING THE DIRECTIONAL SOLIDIFICATION PROCESS Y.Y. Teng
上記従来の技術にあっては、以下の課題があった。
すなわち、前者の特許文献1に記載された技術では、シリコンの冷却の点において優れるものの、シリコンインゴットを製造する際に、適切な凝固界面形状を得ることについては何ら考慮されていなかった。
また、後者の特許文献2記載された技術では、石英るつぼのシリコン溶湯の温度勾配について工夫がなされているものの、シリコンインゴットを製造する際に、適切な凝固界面形状を得ることについては満足のいくものではなかった。
本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであって、シリコンインゴットを製造する際に、るつぼ内の溶湯の凝固界面形状を理想的な上凸形状にしたりあるいは上凸形状にできないまでも、同上凸形状に近づけることができる石英るつぼ、石英るつぼの製造方法及び鋳造装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明に係る石英るつぼは、シリコンインゴットを製造するための石英るつぼであって、底部と、前記底部の外周部から起立する側壁部とを備えるとともに、上方が開口されてなり、前記底部と前記側壁部とが交わる交差部分の内側が張り出されて前記底部、前記側壁部よりも厚さが厚い肉厚部が形成されていることを特徴としている。
また、本発明の鋳造装置は、前記石英るつぼの上方及び下方にそれぞれ前記石英るつぼを加熱するためのヒータが配置されていることを特徴としている。
従来から知られている、底部及び側壁部がそれぞれ一定の厚さとされた石英るつぼでは、これら底部及び側壁部から、るつぼ内から外方に向けて放熱量がほぼ一様とされるが、底部と側壁部が交わる交差部分では、るつぼ内の溶湯に対する放熱面積が広くなるので、その分放熱量が増し、この交差部分近傍の溶湯温度は下がる。このため、シリコンインゴットを製造する際のるつぼ内の溶湯の凝固界面形状としては、中央が周辺よりも凹となる、下凸形状となっており、前述した適切な凝固界面形状である上凸形状には程遠いものであった。
ところが、本発明の石英るつぼでは、前記底部と前記側壁部とが交わる交差部分の内側が張り出されることにより、前記底部及び前記側壁部よりも厚さが厚い肉厚部が形成されているため、肉厚部の肉厚を厚くした分、交差部分からの放熱量を押さえることができる。
また、交差部分の内側が張り出しているため、交差部分の外側の形状は何ら変わらず、交差部分の放熱面積が増すわけではない。このため、交差部分の外側が張り出す場合に比べて、放熱量をより押さえることができる。
これらの結果、石英るつぼの底部中央部分からの放熱量はそのままとし、底部周辺部分からの方熱量を減少することができるため、石英るつぼ内の溶湯の温度は、中央が低く周辺に向かうに従い高くなる傾向となる。つまり、シリコンインゴットを底部側から一方向凝固によって製造する際に、るつぼ内の溶湯の凝固界面形状を理想的な上凸形状に近づけることができる。
本発明の石英るつぼにおいて、前記肉厚部は、前記底部及び前記側壁部に滑らかにつながるよう前記交差部分の中央から外方及び下方に向けて漸次厚さが薄くなるR状をなす内面形状に形成されていることが好ましい。
この場合、交差部分の内面形状がR状に形成されているため、るつぼ内の溶湯からみれば、該溶湯と交差部分との接触面積ができるだけ小さくなっている。したがって、この点からも、溶湯の交差部分からの放熱量を減少させることができる。また、肉厚部が、底部及び側壁部と滑らかにつながるためこの部分に接する溶湯の温度変化が少なく、かつ、製品であるシリコンインゴットの外表面が滑らかに仕上る。
本発明の石英るつぼにおいて、前記R状に形成された内面形状部分の曲率半径は50mm以上であることが好ましい。
R状に形成された内面形状部分の曲率半径が50mm未満であると、シリコンインゴットを製造する際に、るつぼ内の溶湯の凝固界面形状を適切な上凸形状に近づけることが可能であるが、上凸形状に形成することは難しい。しかしながら、R状に形成された内面形状部分の曲率半径が50mm以上であると、るつぼ内の溶湯の凝固界面形状を理想的な上凸形状にすることが容易になる。
本発明の石英るつぼの製造方法は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の石英るつぼの製造方法であって、前記底部と前記側壁部との交差部分の内側に前記肉厚部を形成するためのコーティング膜形成工程を備えることを特徴としている。
本発明の石英るつぼの製造方法によれば、単に、コーティング膜形成工程を備えるだけであるから、新設の石英るつぼを製造するときは勿論、既存の石英るつぼであっても該石英るつぼを所望形状に形成することが可能である。
本発明によれば、シリコンインゴットを製造する際に、るつぼ内の溶湯の凝固界面形状を理想的な上凸形状にしたりあるいは上凸形状にできないまでも、同上凸形状に近づけることができる。
本発明の鋳造装置の実施形態の概略断面説明図である。 図1に示す鋳造装置に用いられる本発明に係る石英るつぼの要部を示す断面図である。 石英るつぼの底部と前記側壁部とが交わる交差部分の内側をR状の内面形状に形成した厚肉部の曲率半径と、シリコンインゴットを製造する際のるつぼ中央位置及びるつぼ周辺位置の凝固界面高さの差との関係を示す表である。 本発明に係る石英るつぼを用いてシリコンを溶融させたときの溶湯の温度分布を示す図である。 従来の石英るつぼを用いてシリコンを溶融させたときの溶湯の温度分布を示す図である。
以下に、本発明の実施形態である鋳造装置、石英るつぼについて、添付した図面を参照にして説明する。
図1は本発明に係る鋳造装置の実施形態を示す。本実施形態である鋳造装置10は、内部を気密状態に保持するチャンバ11と、シリコン融液3が貯留される石英るつぼ20と、この石英るつぼ20が載置されるチルプレート31と、このチルプレート31の下方に位置する下部ヒータ33と、石英るつぼ20の上方に位置する上部ヒータ43と、石英るつぼ20の上端に載置された蓋部50と、石英るつぼ20と蓋部50との間の空間に不活性ガス(例えばアルゴンガス)を導入するガス供給管42と、を備えている。
また、石英るつぼ20の外周側には、断熱壁12が配設されており、上部ヒータ43の上方に断熱天井13が配設され、下部ヒータ33の下方に断熱床14が配設されている。すなわち、本実施形態である鋳造装置10は、石英るつぼ20、上部ヒータ43、下部ヒータ33等を囲繞するように、断熱材(断熱壁12、断熱天井13、断熱床14)が配設されている。また、断熱床14には排気孔15が設けられている。
上部ヒータ43及び下部ヒータ33は、それぞれ電極棒44,34に接続されている。上部ヒータ43に接続される電極棒44は、断熱天井13を貫通して石英るつぼ20の上部近傍まで延びている。下部ヒータ33に接続される電極棒34は、断熱床14を貫通して石英るつぼ20の底部近傍まで延びている。
石英るつぼ20が載置されるチルプレート31は、下部ヒータ33に挿通された支持部32の上端に設置されている。このチルプレート31は、中空構造とされており、支持部32の内部に設けられた供給路(図示なし)を介して内部にアルゴンガスが供給される構成とされている。
蓋部50は、石英るつぼ20の側壁部22の上端面に載置される載置部51と、石英るつぼ20の側壁部22の外縁から外側に突出した庇部52と、前述のガス供給管42が挿入される挿入孔53と、厚さ方向に貫通して石英るつぼ20内のガスを排出する図示せぬ開口部とを備えている。
なお、蓋部50にガス排出用の開口部を形成する代わりに、蓋部50自体を、石英るつぼ20の側壁部22から隙間をあけて配置し、この隙間を石英るつぼ20内のガス排出用に利用してもよい。
この蓋部50は炭素系材料で構成されるのが好ましいが、本実施形態では炭化ケイ素で構成されている。
前記ガス供給管42は、例えばモリブデンまたはカーボン製のものであり、基端側(図1において上端側)には図示せぬガス供給部に接続されている。ガス供給管42は、鉛直方向に延在するように配置されていて、チャンバ11の天井部を貫通しさらに蓋部50の前記挿入孔53を通って、その先端が石英るつぼ内の上部、つまり、石英るつぼ20内に貯留されるシリコン融液3の液面近傍まで延びるように配置されている。そして、ガス供給管42の先端からは、前記ガス供給部から導入される不活性ガスが、シリコン融液3の上方空間に向けて供給される。
石英るつぼ20は、水平断面形状が角形とされており、本実施形態では、水平断面形状が正方形をなしている。この石英るつぼ20は石英で構成されており、チルプレート31に接触する底部21と、この底部21の外周部から上方に向けて起立する側壁部22とを備える。底部21の上方は開口されている。また、側壁部22は水平断面が矩形環状とされている。
図2は石英るつぼの底部と前記側壁部とが交わる交差部分の拡大図である。この図に示すように、底部21と前記側壁部22とが交わる交差部分23の内側が張り出されて底部21、側壁部22の厚さ21a、22aよりも厚さ24aが厚い肉厚部24が形成されている。
ここで、肉厚部24の張り出しとは、底部21の上面の延長部分並びに側壁部22の内面の延長部分よりもるつぼ内方へ張り出す張り出し部分をいう。
この実施形態において、肉厚部24は、底部21及び側壁部22に滑らかにつながるよう交差部分23の中央から外方及び下方に向けて漸次厚さが薄くなるR状をなす内面形状(丸みを帯びること)に形成されている。R状に形成された内面形状部分の曲率半径は50mm以上であることが好ましい。
なお、肉厚部24の内面形状としては必ずしもR状に形成される必要はなく、例えば、階段状であってそれらの各頂点部分を結ぶ形状がR状をなすものであってもよく、あるいはるつぼの内面がフラットな傾斜面をなすものであってもよい。また、肉厚部24の内面形状のR状としては、断面形状が円の一部をなすものに限られることなく、断面形状が楕円状の一部をなすものであってもよい。
上記構成のるつぼ20の製造方法としては、内面が前述した石英るつぼ20の外形に沿った鋳型を用い、この鋳型に材料である石英を溶かして流し込むことで製造する方法がある。また、従来の知られている、底部と側壁部とが交わる交差部分に肉厚部が形成されていない形状の石英るつぼを基材として用いる場合には、成型後に行うコーティング膜形成工程によって、底部21と側壁部22との交差部分23の内側に石英のコーティング膜を形成し、これにより、前記交差部分23に肉厚部24を形成する製造方法もある。
次に、上述の鋳造装置10を用いたシリコンインゴットの製造方法について説明する。
まず、石英るつぼ20内にシリコン原料を装入する。ここで、シリコン原料としては、11N(純度99.999999999)の高純度シリコンを砕いて得られた「チャンク」と呼ばれる塊状のものが使用される。この塊状のシリコン原料の粒径は、例えば、30mmから100mmとされている。
次に、石英るつぼ20内に装入されたシリコン原料を、上部ヒータ43及び下部ヒータ33に通電することによって加熱し、シリコン融液3を生成する。このとき、石英るつぼ20内のシリコン融液3の湯面は、石英るつぼ20の側壁部22の上端より低い位置に設定されることになる。
次に、石英るつぼ20内のシリコン融液3を凝固させる。それにはまず、下部ヒータ33への通電を停止し、チルプレート31の内部に供給路を介してアルゴンガスを供給する。これにより、石英るつぼ20の底部を冷却する。このとき、上部ヒータ43の通電を継続したままとすることにより、石英るつぼ20内には底部21から上方に向けて温度勾配が発生し、この温度勾配により、シリコン融液3が上方に向けて一方向凝固することになる。さらに、上部ヒータ43への通電を徐々に減少させることにより、石英るつぼ20内のシリコン融液3が上方に向けて凝固し、シリコンインゴットが生成されることになる。
そして、この凝固工程においては、ガス供給管42及び挿入孔53を介して、石英るつぼ20と蓋部50との間の空間に不活性ガスとして例えばアルゴンガスが供給される。蓋部50の平面中心の挿入孔53に挿入されるガス供給管42の先端部から供給されたアルゴンガスは、放射状に拡がりながら石英るつぼ20内のシリコン融液3上を通過して、蓋部50の開口部、あるいは蓋部50と側壁部22との間の隙間から石英るつぼ20の外部へと排出され、そこからさらに断熱床14に設けられた排気孔15を通じてチャンバ11の外側へと排気される。
このようにして、一方向凝固法によりシリコンインゴットが製造される。このシリコンインゴットは、例えば太陽電池用基板として使用されるシリコンウエハやその他のシリコンパーツの素材となる。
以上のように本実施形態である石英るつぼ20によれば、石英るつぼ20の底部21と側壁部22とが交わる交差部分23の内側に張り出して肉厚部24を形成しているため、肉厚部24の肉厚を厚くした分、交差部分23からの放熱量を押さえることができる。
また、交差部分23の内側に張り出しているため、交差部分23の外側の形状は従来知られている石英るつぼと何ら変わらず、交差部分23の放熱面積が増すわけではない。このため、交差部分23の外側に張り出す場合に比べて、放熱量をより押さえることができる。
これらの結果、石英るつぼ20の底部中央部分からの放熱量はそのままとし、底部周辺部分からの方熱量を減少することができるため、石英るつぼ内の溶湯の温度は、中央が低く周辺に向かうに従い高くなる傾向となる。つまり、シリコンインゴットを製造する際に、るつぼ内の溶湯の凝固界面形状を理想的な上凸形状に近づけることができる。
また、本実施形態の石英るつぼ20では、肉厚部24を、底部21及び側壁部22に滑らかにつながるよう交差部分23の中央から外方及び下方に向けて漸次厚さが薄くなるR状をなす内面形状に形成している。このため、石英るつぼ20内の溶湯からみれば、該溶湯と交差部分23との接触面積ができるだけ小さくなっている。したがって、この点からも、溶湯の交差部分23からの放熱量を減少させることができる。
また、肉厚部24が、底部21及び側壁部22と滑らかにつながることとなり、このため、この部分に接する溶湯の温度変化が少なく、かつ、製品であるシリコンインゴットの外表面を滑らかに仕上げることができる。
以上、本発明の実施形態である石英るつぼ、石英るつぼの製造方法及び、鋳造装置について説明したが、これに限定されることはなく、適宜設計変更することができる。
例えば、前記実施形態では、石英るつぼ20が角形のものを例に挙げて説明したが、これに限られることなく、例えば水平断面が円状の石英るつぼにも本発明は適用可能である。
また、前記実施形態では、底部21と側壁部22の厚さ21a、22aがほぼ同程度に設定されているが、これに限られることなく、これら底部21と側壁部22の厚さが異なる石英るつぼにも本発明は適用可能である。
本発明の効果を確認すべくシミュレーションを行なった。
前記図2に示す実施形態の石英るつぼ20である、肉厚部24を交差部分23の中央から外方及び下方に向けて漸次厚さが薄くなるR状をなす内面形状に形成したものについて、R状の曲率半径(R(mm))を種々変えた石英るつぼを用意し、これらの石英るつぼを用いてシリコンインゴットを製造する際の、るつぼ中央位置及び石英るつぼ周辺位置の凝固界面高さの差(ΔZ(mm))を調べた。その結果を図3に示す。
なお、ΔZがマイナスのときは、るつぼ中央位置の凝固界面高さがるつぼ周辺位置の凝固界面高さよりも低いときの値を示し、ΔZがプラスのときは、るつぼ中央位置の凝固界面高さがるつぼ周辺位置の凝固界面高さよりも高いときの値を示す。
また、シミュレーションを行なったときの条件は、石英るつぼ20の底部21と側壁部22の厚さがともに20mm、石英るつぼ20の内径が700mm、室温は20℃とした。
この表からわかるように、R状の曲率半径が0mm、15mm、30mmであると、それぞれΔZがマイナスの値となり、るつぼ中央位置の凝固界面高さがるつぼ周辺位置の凝固界面高さよりも低くなっている。R状の曲率半径が50mmであると、ΔZが0の値となり、るつぼ中央位置の凝固界面高さがるつぼ周辺位置の凝固界面高さと同じ値になっている。また、R状の曲率半径が100mm、150mmであると、ΔZがプラスの値となり、るつぼ中央位置の凝固界面高さがるつぼ周辺位置の凝固界面高さよりも高くなっている。
これらの結果から、石英るつぼの肉厚部のR状の曲率半径を50mm以上にすると、シリコンインゴットを製造する際にるつぼ内の溶湯の凝固界面形状を理想的な上凸形状にしたりあるいは上凸形状に近づけたりすることができることがわかる。
図4は本発明に係る石英るつぼを用いてシリコンを溶融させたときのるつぼ中央の縦断面位置における溶湯の温度分布を示す図であって、R状の曲率半径が100mmのときの溶湯の温度分布を示す図である。図5は従来の石英るつぼを用いてシリコンを溶融させたときのるつぼ中央の縦断面位置における溶湯の温度分布を示す図であって、R状の曲率半径が0mmのときの溶湯の温度分布を示す、本発明に対する比較例の図である。
この図からわかるように、図4で示す本発明の石英るつぼを用いた石英るつぼを用いてシリコンを溶融させたときのるつぼ中央の縦断面位置における溶湯の温度分布は、中央部分の温度が低く、周辺部に向かうに従い温度が高くなっていることがわかる。これから、シリコンインゴットを製造する際に、るつぼ内の溶湯の凝固界面形状が理想的な上凸形状となることがわかる。
一方、図5で示す従来の石英るつぼを用いてシリコンを溶融させたときのるつぼ中央の縦断面位置における溶湯の温度分布は、中央部分の温度が高く周辺部に向かうに従い温度が低くなっていることがわかる。これから、シリコンインゴットを製造する際に、るつぼ内の溶湯の凝固界面形状が下凸形状となることがわかる。
以上のことから、石英るつぼの肉厚部のR状の曲率半径を50mm以上(より好ましくは、100mm以上)にすると、シリコンインゴットを製造する際に、るつぼ内の溶湯の凝固界面形状を理想的な上凸形状にしたりありあるいは上凸形状に近づけたりすることができることが確認された。
3 シリコン融液
10 鋳造装置
20 石英るつぼ
21 底部
21a 底部の厚さ
22 側壁部
22a 側壁部の厚さ
23 交差部分
23a 交差部分の厚さ
24 肉厚部
33 下部ヒータ
43 上部ヒータ

Claims (5)

  1. シリコンインゴットを製造するための石英るつぼであって、
    底部と、前記底部の外周部から起立する側壁部とを備えるとともに、上方が開口されてなり、
    前記底部と前記側壁部とが交わる交差部分の内側が張り出されて前記底部、前記側壁部よりも厚さが厚い肉厚部が形成されていることを特徴とする石英るつぼ。
  2. 前記肉厚部は、前記底部及び前記側壁部に滑らかにつながるよう前記交差部分の中央から外方及び下方に向けて漸次厚さが薄くなるR状をなす内面形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の石英るつぼ。
  3. 前記R状に形成された内面形状部分の曲率半径は50mm以上であることを特徴とする請求項2に記載の石英るつぼ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の石英るつぼを製造する製造方法であって、
    前記底部と前記側壁部との交差部分の内側に前記肉厚部を形成するためのコーティング膜形成工程を備えることを特徴とする石英るつぼの製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の石英るつぼの上方及び下方にはそれぞれ前記石英るつぼを加熱するためのヒータが配置されていることを特徴とする鋳造装置。
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